JP2010134116A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は高いi線透明性を有するポリ(アミド酸−イミド)共重合体を有機溶媒に溶解して得られる安定なワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を均一に溶解して成る感光性樹脂組成物とその塗膜、および該塗膜より得られる、微細パターン化されたポリイミド膜およびその製造方法を提供するものである。
【解決手段】特定の構造を有するポリイミド前駆体(ポリアミド酸)とポリイミドからなる共重合体即ち、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体、及びジアゾナフトキノン系感光剤を含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は高いi線透明性を有するポリ(アミド酸−イミド)共重合体を有機溶媒に溶解して得られる安定なワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を均一に溶解して成る感光性樹脂組成物とその塗膜、およびこれを紫外線にてパターン露光・アルカリ現像後、リンス・乾燥処理後、イミド化工程を経て得られる、微細パターン化されたポリイミド膜およびその製造方法に関する。
近年電子機器における耐熱絶縁材料として、ポリイミドの重要性が益々高まっている。ポリイミドは優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線回路用基材、テープオートメーションボンディング用基材、チップオンフィルム用基材、半導体素子の保護膜および層間絶縁膜等、様々な用途に現在広く利用されている。
ポリイミドは、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒中、無触媒で等モル重付加反応させて溶媒可溶性の前駆体(ポリアミド酸)を重合し、このポリアミド酸の溶液(以下、ワニスともいう)を溶液キャスト製膜・乾燥・加熱脱水閉環反応(イミド化反応)することで比較的容易に製造することができる。これに加え、膜純度が極めて高いことから、電気特性の低下を招く恐れのある残留ハロゲンや金属イオン等を嫌う半導体用途に適している。また入手可能な様々なモノマーを用いて物性改良を行いやすく、近年益々多様化する要求特性に対応しやすいという点においても有利である。
半導体素子の保護コーティング材料として、エポキシ樹脂等の封止材の硬化収縮からのチップの保護、ハンダリフロー工程における熱衝撃および封止材料の急激な熱膨張ストレスからのチップの保護、チップ上に無機パッシベーション膜を形成した場合そのクラックの防止、封止材中の無機充填剤に含まれる微量なウランやトリウムからのα線遮蔽によるソフトエラー防止、多層配線回路の層間絶縁、平坦化による配線の断線防止等を目的として現在耐熱性のポリイミドが使用されている。
上記の目的でポリイミドを例えばバッファーコート膜やパッシベーション膜として用いるためには、半導体製造時の熱工程に対する耐熱性、耐薬品性、基板との密着性、更にイオン性不純物が極めて低いことが必要となる。
半導体素子の保護コーティングはボンディングパッド部にプラズマエッチングやアルカリエッチングでビアホール形成等微細加工が施される。その際プラズマエッチング等の乾式法では一般に高解像度が得られるが、設備面でコストがかかるため、アルカリ溶液等を用いた湿式エッチング法がより簡便である。
従来ポリイミド膜の微細加工は、ポリイミド膜上にフォトレジスト層を形成し、現像により露出した部分をヒドラジンやエタノールアミン等の有機強塩基でエッチングして行っていたが、ポリイミドあるいはその前駆体自身に感光性能を付与した感光性ポリイミドを用いることで、ポリイミドの微細加工工程が大幅短縮され、半導体素子生産性と歩留率向上が期待される。
この目的のため、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸膜中にジアゾナフトキノン系感光剤を分散させたアルカリ現像ポジ型感光性ポリイミドが検討されている。しかしながら、ポリアミド酸中のカルボキシル基はpKa値が4〜5と低いため、半導体製造工程で通常用いられる2.38重量%テトラアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対して、ポリアミド酸の溶解性が高すぎて、高解像度の微細加工に適していないことが指摘されている。
一方、ポリイミドと同等の耐熱性を有するポリベンゾオキサゾールの前駆体、即ちポリヒドロキシアミドはpKa値が10程度のフェノール性ヒドロキシ基を持つため、2.38重量%TMAH水溶液に対して適度な溶解性(溶解速度)を有することから、その膜中にジアゾナフトキノン系感光剤を分散することで、露光部と未露光部との間のアルカリ溶解速度差を十分高く設計することが容易となり、より高解像度のポジ型パターン形成に適した感光性樹脂組成物を与える。しかしながら、ポリベンゾオキサゾールのモノマーであるビス(o−アミノフェノール)は入手可能なものが非常に限られており、モノマーの選択範囲の広いポリイミド系と比較して、近年益々多様化する保護膜の要求特性に対応しにくいという重大な問題が指摘されている。
ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)のアルカリ溶解性を制御するアプローチとして、ポリアミド酸中のカルボキシル基含有量を低減する方法が有効である。これを実現する具体的方策として、親水基を含まない分子量の高いモノマーを用いる方法が考えられる。しかしながらこの方法ではそのような新規モノマーの分子設計・合成等の余分な製造工程を必要とするだけでなく、ポリイミドの物性制御の幅が大きく制限されるといった問題が予想される。
ポリアミド酸中のカルボキシル基含有量を低減するもう1つの方策として、ポリアミド酸を部分的にイミド化する方法が考えられる。またポリアミド酸の重合時にイミド基を含有するモノマーを共重合する技術も知られている(非特許文献1、2)。いずれの方法においても、ポリイミド元来の溶媒への低溶解性のために、イミド化率が比較的低い領域でさえも部分イミド化工程中にワニスからの沈殿生成やゲル化が起こりやすく、これを感光剤等と共に有機溶媒に溶解して安定な感光性樹脂組成物のワニスとすることが通常は困難である。
部分イミド化法のもう一つの問題点は、高圧水銀灯の主要な輝線であるi線における膜の光透過率が部分イミド化により低下することである。多くのポリイミド系では前駆体の段階で十分なi線透過率を有していたとしても、部分的にイミド化することで、i線透過率が著しい低下する。i線透過率の低下は照射紫外線の感光剤への有効な光吸収を妨げ、感度の低下を招くことになり、好ましくない。
もし広範囲のイミド化率にわたり、溶媒に対する優れた溶解性即ち高いワニスの安定性、および塗膜とした際に高いi線透過率を保持し、且つ完全にイミド化した後、優れた物性を有するポリイミド系があれば、より高感度で高解像度のポジ型パターン形成を行うことができ、上記産業分野において極めて有益な材料を提供しうるが、そのようなポジ型感光性耐熱材料は知られていないのが現状である。
J.Photopolym.Sci.Technol.,18,307(2005). J.Photopolym.Sci.Technol.,19,285(2006).
本発明は高いi線透明性を有するポリ(アミド酸−イミド)共重合体を有機溶媒に溶解して得られる安定なワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を均一に溶解して成る感光性樹脂組成物とその塗膜、およびこれを紫外線にてパターン露光・アルカリ現像後、リンス・乾燥処理後、イミド化工程を経て得られる、微細パターン化されたポリイミド膜およびその製造方法を提供するものである。
以上の問題を鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、下記一般式(1)で表される、広範囲のイミド化率を有するポリ(アミド酸−イミド)共重合体は様々な溶媒に溶解性を示すことから、これをジアゾナフトキノン系感光剤と共に溶媒に溶解して安定な感光性樹脂組成物のワニスとすることができ、その塗膜は優れた感光特性を示すことに加えその熱硬化膜(ポリイミド膜)は優れた特性を示すことから、上記産業分野において極めて有益な材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は以下に示すものである。
1.下記式(1)で表される、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)とポリイミドからなる共重合体即ち、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体、及びジアゾナフトキノン系感光剤を含有する感光性樹脂組成物。
(式(1)中、Aは2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、シクロヘキサン環の立体構造は船型であり、アミド酸単位のモル分率Xは0.05〜0.9の範囲である。アミド酸単位において、シクロヘキサン環に結合している2つのアミド基は便宜上、メタ配置として表されているが、実際にはメタ配置とパラ配置がランダムに混在したものである。)
2.1に記載の感光性樹脂組成物からなることを特徴とする塗膜。
3.脱水環化剤を用いてアミド酸単位のモル分率Xを精密に制御することを特徴とする、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体の製造方法。
4.膜厚10μmの2に記載の塗膜を形成した際に、高圧水銀灯のi線波長(365nm)における光透過率が80%以上である、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体。
5.2に記載の感光性樹脂組成物の塗膜をパターン露光・アルカリ現像後・リンス・乾燥処理後、加熱硬化(熱イミド化)反応あるいは脱水環化剤を用いて得られる、下記(2)式で表される微細パターン化されたポリイミド膜。
(式(2)中、Aは二価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、シクロヘキサン環の立体構造は船型である。)
6.2に記載の感光性樹脂組成物の塗膜をパターン露光・アルカリ現像後・リンス・乾燥処理後、加熱硬化(熱イミド化)反応あるいは脱水環化剤を用いて得られる、微細パターン化されたポリイミド膜の製造方法。
7.2.9よりも低い誘電率、270℃以上のガラス転移温度を併せ持つ、5に記載の微細パターン化されたポリイミド膜。
本発明によれば、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体は広範囲なイミド化率に渡って様々な有機溶媒に対して優れた溶解性を有し、且つ塗膜とした際にイミド化率によらず高いi線透明性を保持するという特徴を有する。該ポリ(アミド酸−イミド)共重合体を有機溶媒に溶解して得られる安定なワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を均一に溶解して成る感光性樹脂組成物の塗膜は、紫外線にてパターン露光・アルカリ現像後、リンス・乾燥処理後、イミド化工程を行うことで、耐熱性に優れたポリイミド膜のポジ型微細パターンを高感度且つ高解像度で形成する方法を提供することができる。本発明の感光性樹脂組成物は特に半導体素子の保護膜として有用である。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、これらは本発明の実施形態の一例であり、これらの内容に限定されない。
式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体は下記一般式(3):
(式(3)中、Aは二価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、シクロヘキサン環の立体構造は船型である。アミド酸単位において、シクロヘキサン環に結合している2つのアミド基は便宜上、メタ配置として表されているが、実際にはメタ配置とパラ配置がランダムに混在したものである。)
で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸を、所望するイミド化率になるように部分的にイミド化することで製造することができる。以下にまず式(3)で表されるポリアミド酸の製造方法について具体的に説明する。
<ポリアミド酸の重合方法>
上記式(3)で表されるポリアミド酸を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。まずジアミン(HN−A−NH)を重合溶媒に溶解し、これにジアミン成分と実質的に等モル量の1R,2S,4S,5R−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(以下PMDA−HSと称する)粉末を添加し、メカニカルスターラーを用い、室温で1〜72時間攪拌する。この際芳香族ジアミンを使用する場合、モノマー成分トータルの濃度は5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、脂肪族ジアミンを使用する場合、モノマー濃度は5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲である。このモノマー濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリアミド酸の溶液(ワニス)を得ることができる。
ジアミン成分として芳香族ジアミンを用いる場合、上記モノマー濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリイミド前駆体の重合度が十分高くならず、最終的に得られるポリイミド膜が脆弱になる恐れがあり、上記濃度範囲より高濃度で重合を行うとモノマーが十分溶解しない場合や反応溶液が不均一になりゲル化する場合があり好ましくない。一方脂肪族ジアミンを用いる場合、上記濃度範囲より低濃度で重合すると、重合度低下の恐れがあり、より高濃度では強固な塩が形成され塩が完全に溶解するまでに長い重合反応時間を必要とし、生産性の低下を招く恐れがある。
使用可能な脂肪族ジアミンとしては特に限定されないが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3−メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3−エチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3,5−ジメチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3,5−ジエチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミン、シス−1,4−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が例として挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
また、使用可能な芳香族ジアミンとしては特に限定されないが、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、3,3’− オキシジアニリン、2,4’− オキシジアニリン、2,2’− オキシジアニリン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレンビス(3−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(3−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(3,5−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(3,5−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4−アミノ−2−メチルフェニル−4’−アミノベンゾエート、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノ−2−メチルフェニル)テレフタレート、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン等が例として挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
また、ポリアミド酸の重合反応性、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体のi線透明性およびワニスの安定性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲であれば、PMDA−HSと併用する共重合成分として他の脂肪族テトラカルボン酸二無水物を部分的に使用してもよい。共重合成分として使用可能な脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては特に限定されないが、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]ヘプタンテトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’ ,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3c−カルボキシメチルシクロペンタンー1r,2c,4c−トリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、シス、シス、シス−1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が例として挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
また、ポリアミド酸の重合反応性、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体のi線透明性およびワニスの安定性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲であれば、PMDA−HSと共に芳香族テトラカルボン酸二無水物成分を部分的に使用してもよい。共重合成分として使用可能な芳香族テトラカルボン酸二無水物としては特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、ハイドロキノンビス(トリメリテートアンハイドライド)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が例として挙げられる。共重合成分としてこれらを単独あるいは2種類以上用いてもよい。
PMDA−HSの共重合成分として上記テトラカルボン酸二無水物を使用する場合、その含有量は好ましくは全テトラカルボン酸二無水物使用量の0〜40モル%、より好ましくは0〜20モル%の範囲である。上記共重合成分の含有量が多すぎると該ポリ(アミド酸−イミド)共重合体のi線透過率およびワニスの安定性が著しく損なわれる恐れがある。
ポリアミド酸を重合する際に使用可能な重合溶媒は、モノマーおよびポリマーを十分溶解するものであればよく、特に限定されないが、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒が好適に用いられる。また上記以外にもエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、エチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド等も使用可能である。
上記のようにテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を実質的に等モルで重合反応させることで、高分子量のポリアミド酸が得られるが、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体の分子量を制御したい場合は、式(3)で表されるポリアミド酸を重合する段階で分子量を制御しておく必要がある。ポリアミド酸の分子量の制御即ちポリ(アミド酸−イミド)共重合体の分子量の制御は、本発明の感光性樹脂組成物のアルカリ現像速度やパターン形状等をコントロールするためにしばしば重要となる。
式(3)で表されるポリアミド酸の分子量は重合反応時の温度、モノマー濃度、溶媒の種類、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの仕込モル比等、反応条件を変更することで制御することは原理的には可能であるが、分子量をより厳密に制御するためには、テトラカルボン酸二無水物とジアミンと共に一官能性のジカルボン酸無水物かまたはモノアミンを末端封止剤として部分的に用いることが有効である。
ジカルボン酸無水物を末端封止剤として使用することによりポリアミド酸の分子量を制御する場合は、アミノ基総量と酸無水物基の総量が等モルになるように以下に示す仕込モル比で重合を行う。即ちジアミン成分(Pモル)を重合溶媒に溶解し、この溶液に所定量のテトラカルボン酸二無水物粉末(P−0.5×Qモル)、次いでジカルボン酸無水物粉末(Qモル)を添加し、メカニカルスターラーを用い、室温で1〜72時間攪拌する。この際ジカルボン酸無水物の含有率(%)=(0.5×Q/P)×100は0.1〜10%の範囲であり、より好ましくは0.2〜5%の範囲である。
その際に使用するジカルボン酸無水物として特に限定されず、無水フタル酸のように熱架橋基を含まないものでも支障はないが、ポジ型パターン形成後の熱イミド化工程により膜の更なる強靭化が期待される熱架橋基を含むジカルボン酸無水物が好適に用いられる。その例として特に限定されないが、ナジック酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物等が挙げられる。
また、モノアミンを末端封止剤として用いる場合は、アミノ基総量と酸無水物基の総量が等モルになるように以下に示す仕込モル比で重合を行う。即ちジアミン成分(P’−0.5×Q’モル)およびモノアミン(Q’モル)を重合溶媒に溶解し、この溶液に所定量のテトラカルボン酸二無水物粉末(P’モル)を添加し、メカニカルスターラーを用い、室温で1〜72時間攪拌する。この際モノアミンの含有率(%)=(0.5×Q’/P’)×100は0.1〜10%の範囲であり、より好ましくは0.2〜5%の範囲である。
その際に使用するモノアミンとして特に限定されず、アニリンやシクロヘキシルアミンのような熱架橋基を含まないものでも支障はないが、ポジ型パターン形成後の熱イミド化工程により膜の更なる強靭化が期待される熱架橋基を含むモノアミンが好適に用いられる。その例として特に限定されないが、4−フェニルエチニルアニリン、4−エチニルアニリン、4−アミノスチレン等が挙げられる。
末端封止剤の使用の有無に係らず、式(3)で表されるポリアミド酸の分子量は固有粘度にして、0.1dL/g以上であることが好ましく、0.3dL/g以上であることがより好ましい。0.1dL/gを下回ると、製膜性が著しく悪くなり、本発明の感光性樹脂組成物のキャスト膜がひび割れる等の深刻な問題が生じる恐れがある。
<ポリ(アミド酸−イミド)共重合体の製造方法>
ポリアミド酸を部分的にイミド化してポリ(アミド酸−イミド)共重合体を製造する方法としては、ワニスを加熱する方法とワニス中に脱水環化剤(化学イミド化剤)を添加・攪拌する方法が挙げられる。ここで、ポリマーの分子量低下を抑制すると共に、より厳密にイミド化率を制御するという観点から、所定量の化学イミド化剤をワニスに添加・攪拌する方法が好適に用いられる。
具体的にはポリアミド酸の重合溶液をそのままあるいは同一の溶媒で適度に希釈した後、脱水環化剤即ち、触媒として3級アミンを含む有機酸無水物を所定量添加する。続いて、0〜80℃、好ましくは20〜50℃で0.5〜48時間攪拌することで、所望するイミド化率のポリ(アミド酸−イミド)共重合体を容易に得ることができ、これによりアミド酸単位のモル分率Xを精密に制御することができる。
この反応の際使用可能な3級アミンとしては特に限定されないが、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等が好適な例として挙げられる。また使用可能な有機酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられるが、後処理の容易さから無水酢酸が好適に用いられる。
化学イミド化剤として滴下する有機酸無水物と3級アミンの混合溶液の比率は特に限定されないが、例えば無水酢酸とピリジンを例にとると、適用可能な比率(無水酢酸:ピリジン)は体積比で30:70〜90:10の範囲であり、好ましくは40:60〜80:20の範囲である。また着目する系について、あらかじめ、ポリアミド酸のカルボキシル基量に対する有機酸の添加量(モル比)と反応後のイミド化率との間の関係、即ちキャリブレーション曲線を作成しておき、これを基にして所望するイミド化率のポリ(アミド酸−イミド)共重合体を得るための適正な有機酸添加量を決定することができる。
ポリアミド酸ワニスに化学イミド化剤を添加・攪拌してポリ(アミド酸−イミド)共重合体のワニスを得た後、これを適度に希釈後、水やメタノール等の貧溶媒中に滴下・濾過・乾燥することでポリ(アミド酸−イミド)共重合体を粉末として単離することができる。この操作により、溶媒、化学イミド化剤およびその副生成物を完全に除去することができる。また、その粉末を上記重合溶媒に再溶解してポリ(アミド酸−イミド)共重合体のワニスとすることができる。
上記のようにして単離したポリ(アミド酸−イミド)共重合体粉末をジメチルスルホオキシド−d等の重水素化溶媒に溶解して、H−NMRスペクトルを測定し、芳香族プロトンを内部標準としてアミド酸残基中のアミドプロトン(NHCO)の積分強度より、(アミド酸−イミド)共重合体のイミド化率(1−X)を正確に決定することができる。
多くの場合、ポリアミド酸を部分的にイミド化したものは、特に高イミド化率において、対応するポリアミド酸やイミド化率100%のポリイミドよりも、有機溶媒に対する溶解性が低下する。一方、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体の特徴は、広範囲のイミド化率(0<1−X<1)に渡って、感光性樹脂組成物ワニスを作製する際にしばしば用いられる1−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトン等の有機溶媒に室温で優れた溶解性を示し、従来にない安定なポリ(アミド酸−イミド)共重合体含有感光性樹脂組成物ワニスを与えることである。
<ポジ型感光性樹脂組成物とその塗膜の製造方法>
式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体のワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を添加・溶解し、これを基板上に塗布して、40〜120℃、好ましくは60〜110℃で1分〜3時間温風乾燥して、膜厚1〜15μmのポジ型感光性樹脂組成物の塗膜を得ることができる。
従来の方法によれば、アルカリ溶解性のポリアミド酸の塗膜中に疎水性のジアゾナフトキノン系感光剤を20〜30重量%で分散することで、アルカリ水溶液に対する浸透性と溶解性が低下する。一方この塗膜にフォトマスクを介して紫外線を照射すると露光部におけるジアゾナフトキノン系感光剤が光反応によりアルカリ可溶なインデンカルボン酸に変化することで、露光部のアルカリ溶解性が増加し、露光部と未露光部とのアルカリ溶解速度差が生じてポジ型パターンを形成することが原理的には可能となる。
しかしながら実際にはポリアミド酸では元来アルカリ溶解性が高すぎてジアゾナフトキノン系感光剤を分散しても、そのアルカリ溶解抑制効果が十分発揮されず、結果として高解像度のパターン形成は困難である。
一方、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体では、カルボキシル基含有量が制御されているため、従来のポリアミド酸よりアルカリ溶解性が制御されていることが特徴である。従って該ポリ(アミド酸−イミド)共重合体の塗膜中にジアゾナフトキノン系感光剤を分散することで、高解像度のパターニングが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物を作製する際に用いるジアゾナフトキノン系感光剤としては特に限定されず、公知のものを適用することができる。例えば1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル類、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド類、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類が挙げられる。具体的には、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのトリヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類;2,2’,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2’,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのテトラヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類;2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのペンタヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類;2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのヘキサヒドロキシベンゾフェノン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類;ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2’−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどの(ポリヒドロキシフェニル)アルカン類の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類などが挙げられる。
感光性樹脂組成物におけるジアゾナフトキノン系感光剤の配合割合が少なすぎる場合には、露光部と未露光部の溶解度差が小さすぎて、現像により鮮明なパターン形成不能となり、多すぎる場合にはポリイミドの膜物性(膜靭性、ガラス転移温度等)に悪影響を及ぼす恐れがある他、イミド化後の膜減が大きいといった好ましくない問題が生じる。従って感光性樹脂組成物の塗膜中のジアゾナフトキノン系感光剤の配合割合は、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%である。
上記感光性樹脂組成物膜の乾燥は120℃以下で行うことが好ましい。この温度以上ではジアゾナフトキノン系感光剤が熱分解し始める恐れがある。また、乾燥温度が低い場合、例えば60℃では塗膜中に多量の溶媒が残留しているため、これを除くため露光操作に先立ち80〜120℃で1〜30分間乾燥(プリベイク)する。残留溶媒は現像時の膜の膨潤やパターンの崩れを招く恐れがあり、鮮明なパターンを得るためには残留溶媒を十分除去しておくことが望ましい。
上記感光性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して照射する紫外線源として、高圧水銀灯のi線、h線、g線または混合線を用いることができるが、高解像度の観点からi線のみを照射することが好ましい。この際照射線量は露光部の感光剤が十分光反応すればよく、感光剤濃度や膜厚にもよるが、照射線量は好ましくは100〜5000mJ/cmの範囲である。100mJ/cmより低いと、露光部のアルカリ溶解速度が不十分となり、5000mJ/cmより高いと生産性が低下するため好ましくない。
次にアルカリ水溶液で現像する。現像時間は特に限定されないが、好ましくは30〜300秒の範囲で行わる。現像時間が30秒より短いと、パターン形状の再現性がとりにくく、300秒より長いと生産性が低下するため好ましくない。
現像時の温度が増加するにつれてアルカリ溶解速度は一般に増加する。そのため、現像工程を通じて現像温度を一定に保持する必要があるが、現像温度は一定であれば特に限定されない。適用可能な現像温度は0〜60℃の範囲であるが、温度制御のしやすさの観点から20〜30℃の室温で現像することが好ましい。
現像の際使用可能なアルカリ水溶液として、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、トリエチルアミン、エタノールアミン等の有機アルカリの他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリが挙げられる。多くの電子機器では残留金属が電気特性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、特に半導体用途ではTMAH水溶液等の有機アルカリが好適に用いられる。TMAH水溶液の濃度は0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは現行の半導体素子の製造時に用いられている2.38重量%である。現像液として上記アルカリ水溶液を2種類以上混合して使用することもできる。また、上記アルカリ水溶液に膨潤剤として水溶性有機溶媒等を適当量添加してもよい。その際使用可能な膨潤剤として特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、ジグライム、トリグライム等のエーテル類等が例として挙げられる。取り扱い安全性の観点からエタノールや2−プロパノール等のアルコール類が好適に用いられる。
上記現像工程後、現像液を除去するために水で洗浄(リンス)を行う。水でリンスの際、現像残渣(スカム)を除去しにくい場合は、洗浄水に上記の水溶性有機溶媒を適当量添加してもよい。この際取り扱い安全性の観点からエタノールや2−プロパノール等のアルコール類が好適に用いられる。
式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体の中にジアゾナフトキノン系感光剤の他、必要に応じてシランカップリング剤、消泡剤、酸化安定剤、フィラー、末端封止剤、架橋剤、光重合開始剤および増感剤等の添加物を加えることができる。
<イミド化反応>
ポリ(アミド酸−イミド)共重合体に熱処理を施すことでアミド酸部位が完全にイミド化された下記一般式(2):
(式(2)中、Aは二価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、シクロヘキサン環の立体構造は船型である。)
で表されるポリイミドが得られる。
上記のようにしてポリ(アミド酸−イミド)共重合体のポジ型パターンを形成後、空気中や窒素等の不活性ガス雰囲気中あるいは真空中、200〜400℃、好ましくは250〜350℃の温度で熱処理することにより鮮明なポリイミドパターンを得ることができる。この際加熱温度が200℃より低いとイミド化が不完全となる恐れがあり、また400℃より高いと生成したポリイミドが一部熱分解する恐れがあるため好ましくない。またイミド化は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、イミド化温度が高すぎなければ空気中で行っても差し支えない。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。なお以下の例における物性値は、次の方法により測定した。
<ポリ(アミド酸−イミド)共重合体のイミド化率(1−X)×100(%)の決定>
単離したポリ(アミド酸−イミド)共重合体粉末を重水素化ジメチルスルホオキシドに溶解し、日本電子社製NMR分光光度計(ECP400)を用いてH−NMRスペクトルを測定し、芳香族または脂肪族プロトンを内部標準としてアミドプロトンの積分強度を求め、次式よりイミド化率(1−X)を決定した。
イミド化率(%) = (R−R)/R ×100
ここでRはポリアミド酸における積分強度比(アミドプロトン/内部標準プロトン)を表し、Rはポリ(アミド酸−イミド)共重合体における積分強度比(アミドプロトン/内部標準プロトン)を表す。
<赤外吸収スペクトル>
イミド化の完結を確認するため、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製FT−IR5300)を用い、透過法にてポリイミド薄膜(約5μm厚)の赤外線吸収スペクトルを測定した。
<固有粘度:η>
0.5重量%のポリアミド酸の溶液(ワニス)を、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
<ガラス転移温度:Tg>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて動的粘弾性測定により、周波数0.1Hz、昇温速度5℃/分における損失ピークからポリイミド膜(20μm厚)のガラス転移温度を求めた。
<線熱膨張係数:CTE>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、荷重0.5g/膜厚1μm、昇温速度5℃/分における試験片の伸びより、100〜200℃の範囲での平均値としてポリイミド膜(20μm厚)の線熱膨張係数を求めた。
<5%重量減少温度:T
ブルカーエイエックス社製熱重量分析装置(TG−DTA2000)を用いて、窒素中または空気中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、ポリイミド膜(20μm厚)の初期重量が5%減少した時の温度を測定した。これらの値が高いほど、熱安定性が高いことを表す。
<誘電率:εcal
アタゴ社製アッベ屈折計(アッベ4T)を用いて、ポリイミド膜の平均屈折率〔nav=(2nin+nout)/3〕に基づいて経験式:εcal=1.1×nav により1MHzにおけるポリイミド膜の誘電率(εcal)を算出した。
<弾性率、破断伸び>
東洋ボールドウィン社製引張試験機(テンシロンUTM−2)を用いて、ポリイミド膜(20μm厚)の試験片(3mm×30mm)について引張試験(延伸速度:8mm/分)を実施し、応力―歪曲線の初期の勾配から弾性率を、ポリイミド膜が破断した時の伸び率から破断伸び(%)を求めた。破断時の応力から破断強度を求めた。破断伸びが高いほどポリイミド膜の靭性が高いことを意味する。
<カットオフ波長(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−530)を用い、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体の塗膜(10μm厚)の可視・紫外線透過率を200nmから900nmの範囲で測定した。透過率が0.5%以下となる波長(カットオフ波長)を透明性の指標とした。カットオフ波長が短い程、透明性が良好であることを意味する。
<光透過率(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−530)を用い、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体の塗膜(10μm厚)の高圧水銀灯i線波長(365nm)における光透過率を測定した。この値が高い程、透明性が良好であることを意味する。
<SEM>
薄膜蒸着装置(株式会社エリオニクス SC−701)にて金蒸着をした後、走査型電子顕微鏡(株式会社エリオニクス EXM−3500)を用い、観察を行った。
(実施例1)
<ポリ(アミド酸−イミド)共重合体の合成、ポジ型パターン形成およびポリイミド膜の物性評価>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、(和歌山精化株式会社製、以下TFMBと称する)10mmolを入れ、モレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcと称する)に溶解した後、この溶液に1R,2S,4S,5R−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(岩谷瓦斯社製、以下PMDA−HSと称する)粉末10mmolを添加し、室温で撹拌した。全モノマー濃度30重量%から重合を開始し、反応溶液の粘度が増加して均一な撹拌が困難になったため、最終的に全モノマー濃度25重量%になるまで同一の溶媒を加えて希釈した。室温で72時間撹拌し透明、均一で粘稠なポリアミド酸溶液を得た。DMAc中、30℃、0.5重量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリアミド酸の固有粘度は1.00dL/gであった。
このポリアミド酸の重合溶液を適度に希釈した後、化学イミド化剤即ち無水酢酸/ピリジン混合溶液(体積比:5/5)を所定量添加し、20℃で24時間撹拌して部分的にイミド化し、大量のメタノールまたはメタノール水溶液中に反応溶液を滴下して、ポリマーを沈殿させ、更に水で繰り返し洗浄・濾過した。最後に80℃で12時間真空乾燥してポリ(アミド酸−イミド)共重合体粉末を得た。H−NMR測定よりポリ(アミド酸−イミド)共重合体のイミド化率を決定した。化学イミド化剤(無水酢酸)の仕込率(%)(=添加した無水酢酸のモル数/ポリアミド酸中のカルボキシル基のモル数)と、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体のイミド化率の関係を表1に示す。無水酢酸の添加量の増加と共にイミド化率は直線的に増加し、反応はほぼ化学量論的に進行することがわかった。単離したポリ(アミド酸−イミド)共重合体粉末をDMAcに再溶解して約10重量%のワニスとした。このワニスは室温で1週間貯蔵しても沈澱、ゲル化は起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。
イミド化率62%のポリ(アミド酸−イミド)共重合体のDMAc溶液にジアゾナフトキノン系感光剤として2,3,4−トリス(1−オキソ−2−ジアゾナフトキノン−5−スルフォキシ)ベンゾフェノン(東洋合成株式会社製)を添加・溶解してシリコンウエハ上に塗布し、80℃で1時間熱風乾燥器中で乾燥させて、膜厚10μmの感光性樹脂組成物の塗膜を形成した。この時塗膜中のジアゾナフトキノン系感光剤の濃度は約20重量%である。更にこの塗膜を空気中100℃で10分間プリベイク後、フォトマスクを介し、落射式高圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング社製トスキュア251)のi線(365nm、照射光強度=約150mW/cm)を10秒間照射した。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液にて22℃で70秒間パドリング現像を行い、水でよく洗浄後、60℃で数分乾燥し、線幅20μmの鮮明なレリーフパターンが得られた。300℃での熱イミド化後もパターンの崩れはみられなかった。図1に得られたパターンのSEM写真を示す。別途、膜厚約5μmの薄膜を作製し、同様の条件で熱処理した後、透過法にて赤外線吸収スペクトルを測定したところ、1660cm−1付近のアミド基C=O伸縮振動吸収帯が完全に消失しており、イミド化の完結が確認された。
イミド化率62%のポリ(アミド酸−イミド)共重合体のDMAc溶液をガラス基板上に塗布し、60℃で2時間乾燥して基板から剥離し、膜厚約10μmのポリ(アミド酸−イミド)共重合体の塗膜を得た。この塗膜のi線透過率は89.5%と極めて高く、カットオフ波長は299nmであった。次にポリイミドの物性評価するために、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体膜を基板上、320℃で1時間真空中で熱イミド化した後、残留応力を除去するために基板から剥がして更に325℃で1時間、真空中で熱処理を行い、膜厚約10μmの透明なポリイミド膜を得た。このポリイミド膜は180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。動的粘弾性測定より求めたこのポリイミド膜のガラス転移温度(Tg)は338℃であり非常に高い耐熱性を示した。また線熱膨張係数は57.5ppm/Kであった。平均屈折率より見積もった誘電率は2.67と非常に低い値であった。これはこのポリイミドが分極率の低い脂環構造とフッ素置換基を含んでいるためである。機械的特性は、引張弾性率(ヤング率)2.32GPa、破断強度0.089GPaであり、破断伸びは6.8%であった。表2にその他の物性値と共にデータをまとめた。
(実施例2)
ジアミン成分としてTFMBの代わりに4,4’−オキシジアニリン(和光純薬株式会社製、以下4,4’−ODAと称する)を使用した以外は実施例1に記載した方法に従って、ポリアミド酸を重合し、これを部分イミド化してポリ(アミド酸−イミド)共重合体を得た。無水酢酸の仕込率とポリ(アミド酸−イミド)共重合体のイミド化率との関係は、実施例1と同様に直線関係が得られた。イミド化率65%のポリ(アミド酸−イミド)共重合体を用いて実施例1に記載した方法と同様にして感光性樹脂組成物膜を作製し、ポジ型パターン形成を行ったところ、実施例1と同様に線幅20μmの鮮明なレリーフパターンが得られた。図2に得られたパターンのSEM写真を示す。ポリ(アミド酸−イミド)共重合体膜は実施例1と同様、高いi線透過率を示した。ポリイミド膜のガラス転移温度は311℃であり、高い耐熱性を示した。表2にその他の物性値と共にデータをまとめた。
(実施例3)
末端封止剤としてナジック酸無水物(東京化成株式会社製、以下NAと称する)を用いた以外は実施例2に記載した方法と同様にポリアミド酸を重合し、これを部分イミド化してポリ(アミド酸−イミド)共重合体を得た。モノマーの仕込モル比は4,4’−ODA:PMDA−HS:NA=100:95:10である。無水酢酸の仕込率とポリ(アミド酸−イミド)共重合体のイミド化率との関係は、実施例1と同様に直線関係が得られた。イミド化率82.2%のポリ(アミド酸−イミド)共重合体を用いて実施例1に記載した方法と同様にして感光性樹脂組成物の塗膜を作製し、ポジ型パターン形成を行ったところ、実施例1と同様に線幅20μmの鮮明なレリーフパターンが得られた。図3に得られたパターンのSEM写真を示す。ポリ(アミド酸−イミド)共重合体膜は実施例1と同様、高いi線透過率を示した。ポリイミド膜のガラス転移温度は333℃であり、高い耐熱性を示した。表2にその他の物性値と共にデータをまとめた。
(実施例4)
ジアミン成分として4,4’−ODAの代わりに3,4’−オキシジアニリン(東京化成株式会社製、以下3,4’−ODAと称する)を用いた以外は実施例1に記載した方法に従ってポリアミド酸を重合し、これを部分イミド化してポリ(アミド酸−イミド)共重合体を得た。無水酢酸の仕込率とポリ(アミド酸−イミド)共重合体のイミド化率との関係は、実施例1と同様に直線関係が得られた。イミド化率76.7%のポリ(アミド酸−イミド)共重合体を用いて実施例1に記載した方法と同様にして感光性樹脂組成物の塗膜を作製し、ポジ型パターン形成を行ったところ、実施例1と同様に線幅20μmの鮮明なレリーフパターンが得られた。図4に得られたパターンのSEM写真を示す。またDMAcの代わりにγ−ブチロラクトンを使用した場合においても同様に、安定な感光性樹脂組成物ワニスが得られ、図4と同様に鮮明な線幅20μmのレリーフパターンが得られた。ポリ(アミド酸−イミド)共重合体膜は実施例1と同様、高いi線透過率を示した。ポリイミド膜のガラス転移温度は288℃であり、高い耐熱性を示した。表2にその他の物性値と共にデータをまとめた。
(比較例1)
テトラカルボン酸二無水物成分として、1R,2S,4S,5R−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の代わりにシス、シス、シス−1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(新日本理化株式会社製)を使用した以外は実施例2に記載した方法と同様にポリアミド酸を重合し、そのワニスにイミド化率が60%になるように化学イミド化剤を添加して部分イミド化を試みた。しかしながら反応溶液がゲル化したため、安定な感光性樹脂組成物のワニスを得ることが困難であった。他のジアミン成分を用いた場合でも同様であった。これはシス、シス、シス−1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物から誘導されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体(部分イミド化ポリアミド酸)が有機溶媒溶解性に乏しいためである。
(比較例2)
実施例2に記載した方法と同様にポリアミド酸を重合した。部分イミド化を行わずに、このポリアミド酸ワニスにジアゾナフトキノン系感光剤を添加・溶解して、感光性樹脂組成物を塗膜した。実施例1に記載したのと同様に紫外線照射・アルカリ現像してポジ型パターン形成を試みたが、未露光部も溶解してしまい、鮮明なパターンを形成することは困難であった。これはポリ(アミド酸−イミド)共重合体の代わりに用いたポリアミド酸のアルカリ溶解性が高すぎたためである。
本発明の感光性樹脂組成物は特に半導体素子の保護膜に好適である。
実施例1に記載のポジ型パターンのSEM写真(倍率300倍、L&S=20μm) 実施例2に記載のポジ型パターンのSEM写真(倍率300倍、L&S=20μm) 実施例3に記載のポジ型パターンのSEM写真(倍率300倍、L&S=20μm) 実施例4に記載のポジ型パターンのSEM写真(倍率300倍、L&S=20μm)

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)とポリイミドからなる共重合体即ち、ポリ(アミド酸−イミド)共重合体、及びジアゾナフトキノン系感光剤を含有する感光性樹脂組成物。
    (式(1)中、Aは2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、シクロヘキサン環の立体構造は船型であり、アミド酸単位のモル分率Xは0.05〜0.9の範囲である。アミド酸単位において、シクロヘキサン環に結合している2つのアミド基は便宜上、メタ配置として表されているが、実際にはメタ配置とパラ配置がランダムに混在したものである。)
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物からなることを特徴とする塗膜。
  3. 脱水環化剤を用いてアミド酸単位のモル分率Xを精密に制御することを特徴とする、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体の製造方法。
  4. 膜厚10μmの請求項2に記載の塗膜を形成した際に、高圧水銀灯のi線波長(365nm)における光透過率が80%以上である、式(1)で表されるポリ(アミド酸−イミド)共重合体。
  5. 請求項2に記載の感光性樹脂組成物の塗膜をパターン露光・アルカリ現像後・リンス・乾燥処理後、加熱硬化(熱イミド化)反応あるいは脱水環化剤を用いて得られる、下記(2)式で表される微細パターン化されたポリイミド膜。
    (式(2)中、Aは二価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、シクロヘキサン環の立体構造は船型である。)
  6. 請求項2に記載の感光性樹脂組成物の塗膜をパターン露光・アルカリ現像後・リンス・乾燥処理後、加熱硬化(熱イミド化)反応あるいは脱水環化剤を用いて得られる、微細パターン化されたポリイミド膜の製造方法。
  7. 2.9よりも低い誘電率、270℃以上のガラス転移温度を併せ持つ、請求項5に記載の微細パターン化されたポリイミド膜。
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