JP2007314429A - 変形性脊椎症改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は、犬に対して安全性が高く、変形性脊椎症の改善又は予防に優れた効果を有する組成物を提供することである。
【解決手段】 本発明の解決課題は、キシロオリゴ糖組成物であり、かつそのキシロース重合体の平均重合度が4以上20以下であるものを有効成分とすることを特徴とする変形性脊椎症改善剤であり、前記キシロオリゴ糖組成物は、リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理することによって得られるものが良い。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の解決課題は、キシロオリゴ糖組成物であり、かつそのキシロース重合体の平均重合度が4以上20以下であるものを有効成分とすることを特徴とする変形性脊椎症改善剤であり、前記キシロオリゴ糖組成物は、リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理することによって得られるものが良い。
【選択図】 なし
Description
本発明は、変形性脊椎症改善剤に関し、更に詳しくは、特に、犬や猫等のペットに対して効果を有する安全性の高い変形性脊椎症改善剤に関する。
犬は嗅覚や聴覚に優れ、訓練に耐えうる従順性を備えており、盲導犬、救助犬、警察犬等の専門職ともいうべき仕事について、人間社会の中で重要な役割を果たしてきた。昭和40年代後半から、犬を飼育することが子供の情操教育や健康づくりのために良いとされ、一般家庭で広く飼育されるようになった。近年は犬を飼育することによるアニマル・セラピー(動物介在療法)が注目されている。また、急速な核家族化、独居化、少子化により、犬は一人で居る時間の長い子供や高齢者にとって家族のような存在となり、単なる「ペット」ではなく「コンパニオンアニマル」と呼ばれている。このような背景から、栄養バランスにも配慮した食事を与えられ、犬の健康管理も重要視されるようになり、高齢まで生きる犬が増加してきた。
犬の高齢化に伴い、以前ではあまり見られなかった高齢犬特有の例えば、関節疾患、心臓病、痴呆症、歯周病、白内障疾患等が問題となっている。高齢犬の多くは関節疾患の一つである変形性脊椎症を発症する。変形性脊椎症は脊柱の退行性変性による病変であり、脊椎骨や椎間板周囲に骨格の異常な増生が起こり、頚部痛や腰痛、時には神経麻痺が生じる。進行に伴い激しい痛みや、神経の麻痺が見られ、最終的に寝たきりになる場合もある。多くの飼い主にとって愛犬がこれらの症状で苦しんでいる姿を見ることは苦痛であり、有効な治療法が望まれている。
変形性脊椎症の治療としては薬物療法、理学療法、手術療法などがある。薬物療法では炎症や痛みを緩和する消炎鎮痛剤や、筋肉のこわばりをとる筋弛緩剤などが組み合わせて用いられるが、通常用いられる消炎鎮痛剤には発疹などの副作用がある。また、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の服用による治療は対症療法であり、変形性脊椎症の進行を止めるには及ばず、満足すべき効果は得られていないのが現状である。手術療法は、既に高齢で体力が弱っている犬に対しては、負担が大きいばかりでなく、術後の回復が期待できず、実施困難である。従って、高齢犬の変形性脊椎症の改善又は予防に対して優れた効果を有する薬剤の開発が望まれている。
キシロオリゴ糖は、既に多くの生理作用に基づいた提案(特許文献1及び特許文献2参照)がなされているが、高齢犬の変形性脊椎症改善剤としての開示はなされていない。
特開2002−369658号公報
特開2003−55231号公報
本発明の課題は、安全性が高く、特に、犬又は猫の変形性脊椎症に対して優れた改善効果を有する組成物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決する為、鋭意研究した結果、平均重合度が4以上20以下であるキシロオリゴ糖組成物が優れた変形性脊椎症の改善及び予防効果を有することを見出した。
上記課題を解決するため、以下の構成を採用する。即ち、本発明の第1は、「キシロオリゴ糖組成物であり、かつそのキシロース重合体の平均重合度が4以上20以下であるものを有効成分とすることを特徴とする変形性脊椎症改善剤。」である。
本発明の第2は、前記第1の発明において、「リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理することによって得られたものであることを特徴とする変形性脊椎症改善剤」である。
上記課題を解決するため、以下の構成を採用する。即ち、本発明の第1は、「キシロオリゴ糖組成物であり、かつそのキシロース重合体の平均重合度が4以上20以下であるものを有効成分とすることを特徴とする変形性脊椎症改善剤。」である。
本発明の第2は、前記第1の発明において、「リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理することによって得られたものであることを特徴とする変形性脊椎症改善剤」である。
本発明により、犬や猫に対して安全性が高く、変形性脊椎症の改善、予防に優れた効果を発揮する変形性脊椎症改善剤を提供することができる。
以下、本発明の構成について詳述するが、本発明はこれにより限定されるものではない。本発明の変形性脊椎症改善剤は、長鎖のキシロオリゴ糖組成物(以下「キシロオリゴ糖組成物」という。)を有効成分として含有する。キシロオリゴ糖とは、キシロースの2量体であるキシロビオース、3量体であるキシロトリオース、あるいは4量体〜20量体程度のキシロースの重合体であり、酸化反応が起こりにくく安定であり、しかも安全性の高い物質である。
本発明で使用するキシロオリゴ糖組成物は、平均重合度が4以上20以下のキシロオリゴ糖の混合組成物であるのが好ましく、特に、4以上10以下のシロオリゴ糖の混合組成物であるのが好ましい。
前記キシロース平均重合度は、例えば、キシロース含有液を、50℃、15,000rpmで15分遠心分離して得られる上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割ることにより求めることができる。
一般的には、天然物から製造するために、混合組成物として得られることが多い。
以下、キシロオリゴ糖組成物及びその製法について説明する。
本発明で使用するキシロオリゴ糖組成物は、平均重合度が4以上20以下のキシロオリゴ糖の混合組成物であるのが好ましく、特に、4以上10以下のシロオリゴ糖の混合組成物であるのが好ましい。
前記キシロース平均重合度は、例えば、キシロース含有液を、50℃、15,000rpmで15分遠心分離して得られる上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割ることにより求めることができる。
一般的には、天然物から製造するために、混合組成物として得られることが多い。
以下、キシロオリゴ糖組成物及びその製法について説明する。
本発明においては、キシロオリゴ糖組成物を得ることが出来れば、その製法は特に限定されないが、(1)木材からキシランを抽出し、それを酵素的に分解する方法(セルラーゼ研究会発行、セルラーゼ研究会報第16巻、2001年6月14日発行、p17-26)と、(2)リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得る方法が挙げられる。
特に、(2)の方法が4〜20量体のように比較的高い重合度のものを大量に安価に製造することが可能である点で好ましい。以下に、上記(2)の概要を示す。
特に、(2)の方法が4〜20量体のように比較的高い重合度のものを大量に安価に製造することが可能である点で好ましい。以下に、上記(2)の概要を示す。
キシロオリゴ糖組成物は、化学パルプ由来のリグノセルロース材料を原料とし、加水分解工程、濃縮工程、希酸処理工程、精製工程を経て得ることができる。加水分解工程では、希酸処理、高温高圧の水蒸気(蒸煮・爆砕)処理もしくは、ヘミセルラーゼによってリグノセルロース中のキシランを選択的に加水分解し、キシロオリゴ糖とリグニンからなる高分子量の複合体を中間体として得る。濃縮工程では逆浸透膜等により、キシロオリゴ糖−リグニン様物質複合体が濃縮され、低重合度のキシロオリゴ糖や低分子の夾雑物などを除去することができる。濃縮工程は逆浸透膜を用いることが好ましいが、限外濾過膜、塩析、透析などでも可能である。得られた濃縮液の希酸処理工程により、複合体からリグニン様物質が遊離し、キシロオリゴ糖を含む希酸処理液を得ることができる。この時、複合体から切り離されたリグニン様物質は酸性下で縮合し沈殿するのでセラミックフィルターや濾紙などを用いた濾過等により除去することができる。希酸処理工程では、酸による加水分解を用いることが好ましいが、リグニン分解酵素などを用いた酵素分解などでも可能である。
精製工程は、限外濾過工程、脱色工程、吸着工程からなる。一部のリグニン様物質は可溶性高分子として溶液中に残存するが、限外濾過工程で除去され、着色物質等の夾雑物は活性炭を用いた脱色工程によってそのほとんどが取り除かれる。限外濾過工程は限外濾過膜を用いることが好ましいが、逆浸透膜、塩析、透析などでも可能である。こうして得られた糖液中には本発明において使用するキシロオリゴ糖と、キシロオリゴ糖分子中にウロン酸などの酸性糖側鎖を持つ酸性のキシロオリゴ糖が溶解している。イオン交換樹脂を用いた吸着工程により、この糖液から目的のキシロオリゴ糖のみを取り出すことができる。糖液をまず強陽イオン交換樹脂にて処理し、糖液中の金属イオンを除去する。ついで強陰イオン交換樹脂を用いて糖液中の硫酸イオンなどを除去する。この工程では、硫酸イオンの除去と同時に弱酸である有機酸の一部と着色成分の除去も同時に行っている。強陰イオン交換樹脂で処理された糖液はもう一度強陽イオン交換樹脂で処理し更に金属イオンを除去する。最後に弱陰イオン交換樹脂で処理し、酸性キシロオリゴ糖を樹脂に吸着させて除去することによって、夾雑物を含まない液状のキシロオリゴ糖組成物を得ることができる。また、例えば、スプレードライや凍結乾燥処理により、粉末状のキシロオリゴ糖組成物を得ることができる。
本発明の変形性脊椎症改善剤は、上記精製工程を経て得られたキシロオリゴ糖組成物のみからなる単一物でもよいが、本発明の効果を発揮する限りにおいて、キシロオリゴ糖組成物と他の成分とを混合して得られる混合物であってもよい。
前記他の成分としては、乳糖又は澱粉等の賦形剤、経腸栄養剤又はビタミン等の栄養成分を挙げることができ、本発明の効果を発揮する限りにおいて、その含有量に特に制限はない。また、混合操作においては、公知の装置が用いられる。
前記他の成分としては、乳糖又は澱粉等の賦形剤、経腸栄養剤又はビタミン等の栄養成分を挙げることができ、本発明の効果を発揮する限りにおいて、その含有量に特に制限はない。また、混合操作においては、公知の装置が用いられる。
変形性脊椎症改善剤は、ドリンク剤、錠剤、顆粒状又は粉末状等の種々の形態をとることができる。さらに、マイクロカプセル化したり、リポソームに内含させたりしてもよい。
上記の形態をとる変形性脊椎症改善剤は、そのまま摂取することもできるが、水、湯又は牛乳等に溶解させて飲用してもよい。また、食品等に添加して経口摂取することもできる。また、点滴や注射により非経口摂取することも可能である。
上記の形態をとる変形性脊椎症改善剤は、そのまま摂取することもできるが、水、湯又は牛乳等に溶解させて飲用してもよい。また、食品等に添加して経口摂取することもできる。また、点滴や注射により非経口摂取することも可能である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<キシロオリゴ糖の調製>
混合広葉樹チップ(国内産広葉樹70%、ユーカリ30%)を原料として、クラフト蒸解及び酸素脱リグニン工程により、酸素脱リグニンパルプスラリー(カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cps)を得た。スラリーからパルプを濾別、洗浄した後、パルプ濃度10%、pH8に調製したパルプスラリーを用いて以下のキシラナーゼによる酵素処理を行った。
バチルスsp.S−2113株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託菌株FERM BP-5264)の生産するキシラナーゼを1単位/パルプgとなるように添加した後、60℃で120分間処理した。その後、100メッシュのろ布で濾過してパルプ残渣を除去し、酵素処理液1050Lを得た。
次に、得られた酵素処理液を濃縮工程、希酸処理工程、精製工程の順に供した。
濃縮工程では、逆浸透膜(日東電工(株)製、RO NTR−7410、スルホン化ポリエーテルスルホン系膜、食塩阻止率10%)を用いて濃縮液(40倍濃縮)を調製した。希酸処理工程では、得られた濃縮液のpHを3.5に調整した後、121℃で60分間加熱処理し、リグニンなどの高分子夾雑物の沈殿を形成させた。さらに、この沈殿をセラミックフィルター濾過で取り除くことにより、希酸処理溶液を得た。
精製工程では、限外濾過・脱色工程、吸着工程の順に供した。限外濾過・脱色工程では、希酸処理溶液を限外濾過膜(オスモニクス社製、分画分子量8000)を通過させた後、活性炭(和光純薬(株)製)770gの添加及びセラミックフィルター濾過により脱色処理液を得た。吸着工程では、脱色処理液を強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)、強陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PA408)、強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)各100kgを充填したカラムに順次通過させた後、弱陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製WA30)100kgを充填したカラムに供して得られた濾液をスプレードライ処理することによって、キシロオリゴ糖の粉末(全糖量15kg)を得た。下記の測定法により求めた結果、平均重合度は、5.2であった(以下、得られたキシロオリゴ糖を「XN5」と称する)。
混合広葉樹チップ(国内産広葉樹70%、ユーカリ30%)を原料として、クラフト蒸解及び酸素脱リグニン工程により、酸素脱リグニンパルプスラリー(カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cps)を得た。スラリーからパルプを濾別、洗浄した後、パルプ濃度10%、pH8に調製したパルプスラリーを用いて以下のキシラナーゼによる酵素処理を行った。
バチルスsp.S−2113株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、寄託菌株FERM BP-5264)の生産するキシラナーゼを1単位/パルプgとなるように添加した後、60℃で120分間処理した。その後、100メッシュのろ布で濾過してパルプ残渣を除去し、酵素処理液1050Lを得た。
次に、得られた酵素処理液を濃縮工程、希酸処理工程、精製工程の順に供した。
濃縮工程では、逆浸透膜(日東電工(株)製、RO NTR−7410、スルホン化ポリエーテルスルホン系膜、食塩阻止率10%)を用いて濃縮液(40倍濃縮)を調製した。希酸処理工程では、得られた濃縮液のpHを3.5に調整した後、121℃で60分間加熱処理し、リグニンなどの高分子夾雑物の沈殿を形成させた。さらに、この沈殿をセラミックフィルター濾過で取り除くことにより、希酸処理溶液を得た。
精製工程では、限外濾過・脱色工程、吸着工程の順に供した。限外濾過・脱色工程では、希酸処理溶液を限外濾過膜(オスモニクス社製、分画分子量8000)を通過させた後、活性炭(和光純薬(株)製)770gの添加及びセラミックフィルター濾過により脱色処理液を得た。吸着工程では、脱色処理液を強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)、強陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PA408)、強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)各100kgを充填したカラムに順次通過させた後、弱陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製WA30)100kgを充填したカラムに供して得られた濾液をスプレードライ処理することによって、キシロオリゴ糖の粉末(全糖量15kg)を得た。下記の測定法により求めた結果、平均重合度は、5.2であった(以下、得られたキシロオリゴ糖を「XN5」と称する)。
<測定方法の概要>
(1) 全糖量の定量:
全糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、フェノール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(2) 還元糖量の定量:
還元糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、ソモジ−ネルソン法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(3) 平均重合度の決定法:
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割って平均重合度を求めた。
(1) 全糖量の定量:
全糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、フェノール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(2) 還元糖量の定量:
還元糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、ソモジ−ネルソン法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(3) 平均重合度の決定法:
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割って平均重合度を求めた。
<安定性試験>
1Lの水に10gのXN5を溶解させて1質量%のXN5水溶液を調製後、室温(20℃)で保存した。調製直後、及び、1ヶ月保存後のXN5水溶液をイオンクロマトグラフィーで分析した。1ヶ月保存後のサンプルと調製直後のサンプルの両者を比較して、クロマトグラムのパターンには変化はなかった。又、クロマトグラムの各ピークの面積の差は、1ヶ月保存後のサンプルと調製直後のサンプルの間で、5%未満であった。
1Lの水に10gのXN5を溶解させて1質量%のXN5水溶液を調製後、室温(20℃)で保存した。調製直後、及び、1ヶ月保存後のXN5水溶液をイオンクロマトグラフィーで分析した。1ヶ月保存後のサンプルと調製直後のサンプルの両者を比較して、クロマトグラムのパターンには変化はなかった。又、クロマトグラムの各ピークの面積の差は、1ヶ月保存後のサンプルと調製直後のサンプルの間で、5%未満であった。
<急性経口毒性試験>
100mlの水に60gのXN5を溶解させて60質量%のキシロオリゴ糖XN5水溶液を調製後、ICR系マウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)に胃ゾンデを用いて、経口投与した(投与量:5g/マウス体重1kg、各群10匹)。投与してから2週間後まで、死亡例はなかった。又、体重推移においてもブランク(水投与群)と比較し、有意差(P<0.05)が認められなかった。
100mlの水に60gのXN5を溶解させて60質量%のキシロオリゴ糖XN5水溶液を調製後、ICR系マウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)に胃ゾンデを用いて、経口投与した(投与量:5g/マウス体重1kg、各群10匹)。投与してから2週間後まで、死亡例はなかった。又、体重推移においてもブランク(水投与群)と比較し、有意差(P<0.05)が認められなかった。
<改善効果確認試験>
変形性脊椎症を発症している20頭の高齢犬を選択した。これらの犬をA群とB群の2つに群分けした。
A群には、標準的な缶タイプの犬用ペットフード、即ち7%以上の粗蛋白質、5%以上の粗脂肪、2%以下の粗繊維、3%以下の粗灰分を含むドッグフード(マスターフーズ社製ぺディグリーチャム「7歳からのダイエットサポート ビーフ&せんい野菜、魚入り」)に、1Lの水に100gのXN5を溶解させて調製した10質量%のXN5水溶液を配合したものを与えて3ヶ月間飼育し、実施例とした。
10質量%のXN5水溶液の添加量は、ドッグフード1g当り0.1mlとした。また、1日あたりのドッグフード供与量は、体重1kg当り90gとした。
B群に、10質量%のXN5水溶液を配合してないドッグフードを、上記実施例と同一条件で与えて3ヶ月間飼育し、比較例とした。
投与開始後の各時期の獣医師による変形性脊椎症の所見「著名改善(劇的に改善)、改善(明らかに改善)、やや改善(何らかの改善)、不変、悪化」をもとに、改善状況を評価した。結果を表1に示す。
変形性脊椎症を発症している20頭の高齢犬を選択した。これらの犬をA群とB群の2つに群分けした。
A群には、標準的な缶タイプの犬用ペットフード、即ち7%以上の粗蛋白質、5%以上の粗脂肪、2%以下の粗繊維、3%以下の粗灰分を含むドッグフード(マスターフーズ社製ぺディグリーチャム「7歳からのダイエットサポート ビーフ&せんい野菜、魚入り」)に、1Lの水に100gのXN5を溶解させて調製した10質量%のXN5水溶液を配合したものを与えて3ヶ月間飼育し、実施例とした。
10質量%のXN5水溶液の添加量は、ドッグフード1g当り0.1mlとした。また、1日あたりのドッグフード供与量は、体重1kg当り90gとした。
B群に、10質量%のXN5水溶液を配合してないドッグフードを、上記実施例と同一条件で与えて3ヶ月間飼育し、比較例とした。
投与開始後の各時期の獣医師による変形性脊椎症の所見「著名改善(劇的に改善)、改善(明らかに改善)、やや改善(何らかの改善)、不変、悪化」をもとに、改善状況を評価した。結果を表1に示す。
A群では、2ヶ月までに10匹中8匹の犬において変形性脊椎症の改善がみられ、3ヶ月までに10匹中9匹の犬において変形性脊椎症の改善がみられ、全個体において、症状が悪化することはなかった。
B群は変形性脊椎症が改善することなく、一部では症状が悪化した。
B群は変形性脊椎症が改善することなく、一部では症状が悪化した。
本発明の変形性脊椎症改善剤は、ペット用の食品や機能性食品、家畜用飼料としても用いることが可能である。
Claims (2)
- キシロオリゴ糖組成物であり、かつそのキシロース重合体の平均重合度が4以上20以下であるものを有効成分とすることを特徴とする変形性脊椎症改善剤。
- 前記キシロオリゴ糖組成物が、リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理することによって得られる請求項1に記載の変形性脊椎症改善剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006142248A JP2007314429A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | 変形性脊椎症改善剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016517861A (ja) * | 2013-04-24 | 2016-06-20 | ユニヴェルシテ ドゥ ランス シャンパーニュ アルデンヌUniversite De Reims Champagne Ardenne | 亜麻の種子から抽出した中性オリゴ糖の混合物の獲得方法 |
-
2006
- 2006-05-23 JP JP2006142248A patent/JP2007314429A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016517861A (ja) * | 2013-04-24 | 2016-06-20 | ユニヴェルシテ ドゥ ランス シャンパーニュ アルデンヌUniversite De Reims Champagne Ardenne | 亜麻の種子から抽出した中性オリゴ糖の混合物の獲得方法 |
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