JP2007045812A - 皮膚炎改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】
効果が高く安全なアトピー性皮膚炎改善剤と、そのアトピー性皮膚炎改善剤を含有する動物及びヒト用食品を提供する。
【解決手段】
ウロン酸基を有する酸性キシロオリゴ糖とハタケシメジエキスを併用することによって、高い効果と即効性を有するアトピー性皮膚炎改善剤。該酸性キシロオリゴ糖はキシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、キシロースの平均重合度が5.0〜15.0であることが好ましい。ウロン酸はグルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸であることが好ましい。
また、そのアトピー性皮膚炎改善剤を含有する動物用機能性食品または食品、ヒト用機能性食品または食品。
効果が高く安全なアトピー性皮膚炎改善剤と、そのアトピー性皮膚炎改善剤を含有する動物及びヒト用食品を提供する。
【解決手段】
ウロン酸基を有する酸性キシロオリゴ糖とハタケシメジエキスを併用することによって、高い効果と即効性を有するアトピー性皮膚炎改善剤。該酸性キシロオリゴ糖はキシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、キシロースの平均重合度が5.0〜15.0であることが好ましい。ウロン酸はグルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸であることが好ましい。
また、そのアトピー性皮膚炎改善剤を含有する動物用機能性食品または食品、ヒト用機能性食品または食品。
Description
本発明は、食品、機能性食品及び医薬品分野に於いて使用されるアトピー性皮膚炎改善剤に関する。より詳細には、優れた生理活性を有し、しかも安全性の高いヒト及び動物用のアトピー性皮膚炎改善剤に関する。
近年、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、花粉症及びアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の患者数が増加し、大きな問題となっている。特に、乳幼児の多くが発症するアトピー性皮膚炎は、第1次成長期の心身の発育に於いて深刻な影響を与える。このようなアトピー性皮膚炎は思春期には完治するが、完治に至らず成人型難治性アトピー性皮膚炎に悪化したり、或いは、成人後初めて発症したりするケ−スもあり、それらは何れも増加傾向にある。一方、コンパニオンアニマルとしての位置付けにある犬や猫等のペットにおけるアトピー性皮膚炎も決して稀な症例ではなく、動物病院での顕著な増加症例となってきている。
アトピー性皮膚炎発症の原因としては、遺伝的素因に加えて、住環境や食生活の変化、大気汚染や水質汚染及び心理的ストレスの増加等が挙げられているが、決定的な要因が不明であり、予防や治療の為の十分な手立てはない。病態の研究も多くの研究機関でなされているが、未だに解明されてない点が多く、根本的な治療による完治は困難な状況にあり、現状では、対処療法による症状緩和が唯一の治療法となっている。
アトピー性皮膚炎の症状が重篤な場合は、症状の増悪阻止や一時的な治癒を目的として、ステロイド外用剤・非ステロイド系消炎外用剤等の使用、抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤・ステロイド剤等の内服、更には、減感作療法・アレルゲン除去食療法・スキンケア・生活環境の改善等、様々な試みがなされている。しかし、これらの治療によって一時的に異常のない皮膚状態まで改善させることはできても、短期間のうちに症状が再発することが多く、長期にわたる治療期間を必要とすることが多い。更に、長期間の投薬により治療費が嵩む、副作用が懸念される等の問題もある。例えば、抗ヒスタミン剤はある程度の止痒効果はあるものの持続性に欠け、服用後に倦怠感や眠気を生じるものがあり、日常生活に支障を来す場合がある。また、ステロイド剤は皮膚症状の改善に高い効果を示すものの、大量使用による副腎皮質機能不全などの強い副作用があり、使用にあたっては医師の管理による十分な注意が必要で、長期連用は困難とされている。
一方、アトピー性皮膚炎症状が軽度の場合や乳幼児に於いては、薬剤の副作用の問題を避ける為、患部の直接的症状改善を目的として、低濃度の抗炎症剤やステロイド剤等の外用剤が使用されるが、十分な効果は期待出来ない。すなわち、アトピー性皮膚炎初期患者や乳幼児に対しては、適当な内服用剤がないのが現状であり、これはアトピー性皮膚炎が増加傾向にある小動物に於いても同様である。特に、乳幼児やペット用小動物への外用剤の使用は、剤の付着した手や剤の塗布部を直接舐めることによる経口での体内取り込みの危険性及び薬剤の効果低下の問題がある。従って、アトピー性皮膚炎に対する改善効果があり、安全性に問題がなく、日常的且つ簡易に使用可能な内服用のアトピー性皮膚炎改善剤が求められている。
アトピー性皮膚炎改善作用を有する天然物として、甜菜由来のオリゴ糖であるラフィノース(特許文献1参照)、ブドウ属植物及びイタドリ科植物からなる組成物(特許文献2参照)、おたね人参水抽出物と牡蠣殻を含有する組成物(特許文献3参照)等の内服用途での提案がなされている。しかし、ラフィノースは耐酸性が低い為、経口摂取に於ける十分な効果は期待できず、また、他の組成物は価格及び安定供給の問題もある。
キシロオリゴ糖には、コーンコブやバガスから酵素処理により製造されるものや、リグノセルロースから酵素処理及びNF膜濃縮により製造されるものがあり、何れも整腸作用については既に開示されている(特許文献4及び5参照)。酸性キシロオリゴ糖(非特許文献1参照)に関しては、内服及び外用におけるアトピー性皮膚炎改善剤(特許文献6及び7参照)、美白作用(特許文献8参照)及び抗脂血症改善作用(特許文献9参照)等の多くの生理作用が提案されている。
ハタケシメジエキスはハタケシメジ子実体から抽出したエキスであり、抗腫瘍作用(非特許文献2参照)、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用(非特許文献3参照)、コレステロール低下作用(非特許文献4参照)、血糖値低下作用(非特許文献5参照)等が開示されている。また、イヌ・ネコに対する皮膚脂漏症改善作用(非特許文献6参照)も報告されている。
特開平11−255656号公報
特開2002−047193号公報
特開2002−173434号公報
特許第2643368号公報
特開2000−333692号公報
特開2004−210664号公報
特開2004−210666号公報
特開2003−221307号公報
特開2004−182615号公報
特開2003−346472号公報
セルラーゼ研究会報第 16巻,p17-26,2001年
Journal of Bioscience and Bioengineering Vol90,No1,p98-104,2000年
日本食品科学工学会誌 第48巻 第1号 p58-63 2001年
日本食品科学工学会誌 第48巻 第7号 p520-525 2001年
Biol. Pharm. Bull. Vol25,No9,p1234-1237,2002年
小動物臨床 第21巻,第6号,p457-462,2002年
本発明の課題は、安全性が高く、優れた効果をもつアトピー性皮膚炎改善剤を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決する為、鋭意研究した結果、ウロン酸残基が付加した酸性キシロオリゴ糖にハタケシメジエキスを併用することにより優れたアトピー性皮膚炎改善効果が得られることを見出し、安全性も優れることより、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を採用する。即ち、本発明の第1は、「キシロオリゴ糖分子中にウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖及びハタケシメジエキスを含有することを特徴とする内服用アトピー性皮膚炎改善剤」である。
本発明の第2は、前記第1発明において、「該酸性キシロオリゴ糖はキシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、キシロースの平均重合度が5.0〜15.0であることを特徴とする請求項1に記載の内服用アトピー性皮膚炎改善剤」である。
本発明の第3は、前記第1または第2の発明において、「前記酸性キシロオリゴ糖が、リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得、得られるキシロオリゴ糖混合物から、1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するキシロオリゴ糖を分離して得たものであることを特徴とする内服用アトピー性皮膚炎改善剤」である。
本発明の第4は、前記第1〜第3のいずれかの発明において、「ウロン酸がグルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸であることを特徴とする内服用アトピー性皮膚炎改善剤」である。
本発明の第5は、前記1〜第4のいずれかの発明における「アトピー性皮膚炎改善剤を含有することを特徴とするペット用機能性食品またはペットフード」である。
本発明の第6は、前記1〜第4のいずれかの発明における「アトピー性皮膚炎改善剤を含有することを特徴とするヒト用機能性食品または食品」である。
本発明により、安全性が高く、優れた効果をもつアトピー性皮膚炎改善剤が提供される。
以下、本発明の構成について詳述するが、本発明はこれにより限定されるものではない。本発明のアトピー性皮膚炎改善剤は酸性キシロオリゴ糖を有効成分として含有する。キシロオリゴ糖とは、キシロースの2量体であるキシロビオース、3量体であるキシロトリオース、あるいは4量体〜20量体程度のキシロースの重合体を言う。本発明で使用する酸性キシロオリゴ糖とは、キシロオリゴ糖1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を有するものを言う。
また、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であっても良い。一般的には、天然物から製造するために、このような組成物として得られることが多く、以下、主として酸性キシロオリゴ糖組成物について説明する。
該組成物は、平均重合度で示す数値は正規分布または他の分布をとる酸性キシロオリゴ糖のキシロース鎖長の平均値で、2.0〜15.0が好ましく、5.0〜15.0がより好ましい。キシロース鎖長の上限と下限との差は15以下が好ましく、10以下がより好ましい。ウロン酸は天然では、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸等の種々の生理活性を持つ多糖の構成成分として知られている。本発明におけるウロン酸としては特に限定されないが、グルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸が好ましい。
なお、酸性キシロオリゴ糖は、他のオリゴ糖やキシロオリゴ糖と比較して、長鎖であっても耐酸性、耐熱性及び水溶性が非常に高いという特徴がある。
また、キシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であっても良い。一般的には、天然物から製造するために、このような組成物として得られることが多く、以下、主として酸性キシロオリゴ糖組成物について説明する。
該組成物は、平均重合度で示す数値は正規分布または他の分布をとる酸性キシロオリゴ糖のキシロース鎖長の平均値で、2.0〜15.0が好ましく、5.0〜15.0がより好ましい。キシロース鎖長の上限と下限との差は15以下が好ましく、10以下がより好ましい。ウロン酸は天然では、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸等の種々の生理活性を持つ多糖の構成成分として知られている。本発明におけるウロン酸としては特に限定されないが、グルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸が好ましい。
なお、酸性キシロオリゴ糖は、他のオリゴ糖やキシロオリゴ糖と比較して、長鎖であっても耐酸性、耐熱性及び水溶性が非常に高いという特徴がある。
上記のような酸性キシロオリゴ糖組成物を得ることが出来れば、その製法は特に限定されないが、(1)木材からキシランを抽出し、それを酵素的に分解する方法〔非特許文献2参照〕と、(2)リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得、得られるキシロオリゴ糖混合物から、1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するキシロオリゴ糖を分離する方法が挙げられる。
特に、(2)の方法が5〜15量体のように比較的高い重合度のものを大量に安価に製造することが可能である点で好ましく、以下にその概要を示す。
特に、(2)の方法が5〜15量体のように比較的高い重合度のものを大量に安価に製造することが可能である点で好ましく、以下にその概要を示す。
酸性オリゴ糖組成物は、化学パルプ由来のリグノセルロース材料を原料とし、加水分解工程、濃縮工程、希酸処理工程、精製工程を経て得ることができる。加水分解工程では、希酸処理、高温高圧の水蒸気(蒸煮・爆砕)処理もしくは、ヘミセルラーゼによってリグノセルロース中のキシランを選択的に加水分解し、キシロオリゴ糖とリグニンからなる高分子量の複合体を中間体として得る。濃縮工程では逆浸透膜等により、キシロオリゴ糖−リグニン様物質複合体が濃縮され、低重合度のオリゴ糖や低分子の夾雑物などを除去することができる。濃縮工程は逆浸透膜を用いることが好ましいが、限外濾過膜、塩析、透析などでも可能である。得られた濃縮液の希酸処理工程により、複合体からリグニン様物質が遊離し、酸性キシロオリゴ糖と中性キシロオリゴ糖を含む希酸処理液を得ることができる。この時、複合体から切り離されたリグニン様物質は酸性下で縮合し沈殿するのでセラミックフィルターや濾紙などを用いたろ過等により除去することができる。希酸処理工程では、酸による加水分解を用いることが好ましいが、リグニン分解酵素などを用いた酵素分解などでも可能である。
精製工程は、限外濾過工程、脱色工程、吸着工程からなる。一部のリグニン様物質は可溶性高分子として溶液中に残存するが、限外濾過工程で除去され、着色物質等の夾雑物は活性炭を用いた脱色工程によってそのほとんどが取り除かれる。限外濾過工程は限外濾過膜を用いることが好ましいが、逆浸透膜、塩析、透析などでも可能である。こうして得られた糖液中には酸性キシロオリゴ糖と中性キシロオリゴ糖が溶解している。イオン交換樹脂を用いた吸着工程により、この糖液から酸性キシロオリゴ糖のみを取り出すことができる。糖液をまず強陽イオン交換樹脂にて処理し、糖液中の金属イオンを除去する。ついで強陰イオン交換樹脂を用いて糖液中の硫酸イオンなどを除去する。この工程では、硫酸イオンの除去と同時に弱酸である有機酸の一部と着色成分の除去も同時に行っている。強陰イオン交換樹脂で処理された糖液はもう一度強陽イオン交換樹脂で処理し更に金属イオンを除去する。最後に弱陰イオン交換樹脂で処理し、酸性キシロオリゴ糖を樹脂に吸着させる。
樹脂に吸着した酸性オリゴ糖を、低濃度の塩(NaCl、CaCl2、KCl、MgCl2など)によって溶出させることにより、夾雑物を含まない酸性キシロオリゴ糖溶液を得ることができる。この溶液を、例えば、スプレードライや凍結乾燥処理により、白色の酸性キシロオリゴ糖組成物の粉末を得ることができる。
化学パルプ由来のリグノセルロースを原料とし、キシロオリゴ糖とリグニンからなる高分子量の複合体を中間体とした酸性キシロオリゴ糖組成物の上記製造法のメリットは、経済性とキシロースの平均重合度の高い酸性キシロオリゴ糖組成物が容易に得られる点にある。平均重合度は、例えば、希酸処理条件を調節するか、再度ヘミセルラーゼで処理することによって変えることが可能である。また、弱陰イオン交換樹脂溶出時に用いる溶出液の塩濃度を変化させることによって、1分子あたりに結合するウロン酸残基の数が異なる酸性キシロオリゴ糖組成物を得ることもできる。さらに、適当なキシラナーゼ、ヘミセルラーゼを作用させることによってウロン酸結合部位が末端に限定された酸性キシロオリゴ糖組成物を得ることも可能である。
以下、本発明において使用するハタケシメジエキスについて概説する。ハタケシメジ(Lyophyllum decastes Sing.)とは、ホンシメジと同じキシメジ科シメジ属に属する美味しい食用キノコである。自然界では、秋に林内や畑地において株状に生え、4〜9cmの褐色から灰褐色のまんじゅう形の傘をつける。近年、人工栽培技術が確立され、食用きのことして販売されている。
ハタケシメジエキスに関しては、シイタケと同等以上の抗腫瘍活性が良く知られており、その活性本体はβ-1,6分岐を持つβ-1,3グルカンならびにβ-1,3分岐を持つ酸性β-1,6グルカンであることが明らかになっている。ハタケシメジエキスの製法は、得られるエキスが前記β-グルカンを含有すれば特に限定されない。例えば、前記ハタケシメジの子実体または培養菌糸を原料として、熱水で抽出したエキスを濃縮して得ることが出来る。具体的には、ハタケシメジ子実体にイオン交換水を加え、例えば、60〜260℃で2〜24時間程度の加熱抽出を行う。そして、固液分離、抽出液の濃縮後、スプレードライすることでハタケシメジエキスが粉末として得ることが出来る(特許文献10)。
本発明において、酸性キシロオリゴ糖のハタケシメジエキスに対する混合比率は1〜10倍が好ましく、1〜3倍がより好ましい。10倍を越えると、酸性キシロオリゴ糖単独の効果との相違が少なくなる。両者単独の効果に対して相乗効果を発揮するのは、1〜10倍であり、著しく相乗効果を発揮するのは、1〜3倍である。
本発明のアトピー性皮膚炎改善剤における酸性キロオリゴ糖及びハタケシメジエキスの含有率としては、0.01%以上(以下全て質量%)であれば使用することができるが、10%以上がより好ましい。
本発明のアトピー性皮膚炎改善剤における酸性キロオリゴ糖及びハタケシメジエキスの含有率としては、0.01%以上(以下全て質量%)であれば使用することができるが、10%以上がより好ましい。
本発明の酸性キシロオリゴ糖及びハタケシメジを配合したアトピー性皮膚炎改善剤の摂取形態としては直接摂取しても良いが、飲料に添加したり食品に添加したりすることが出来る。直接摂取する場合は、粉体化しても良いし、打錠により錠剤化しても良い。また、酸性キシロオリゴ糖の精製後の水溶液にハタケシメジエキスを添加したものをそのままか、或いは飲料や食品に添加して摂取しても良い。
粉末にする場合は、酸性キシロオリゴ糖組成物溶液とハタケシメジ抽出液を夫々公知のスプレードライ法などにより粉末化し、適当な比率で混合して得られた混合粉末を、本発明の内服用アトピー性皮膚炎改善剤として使用することが出来る。その際に、取り扱いを容易にするために澱粉などの物質を混合しても良い。
粉末にする場合は、酸性キシロオリゴ糖組成物溶液とハタケシメジ抽出液を夫々公知のスプレードライ法などにより粉末化し、適当な比率で混合して得られた混合粉末を、本発明の内服用アトピー性皮膚炎改善剤として使用することが出来る。その際に、取り扱いを容易にするために澱粉などの物質を混合しても良い。
本発明に於ける酸性キシロオリゴ糖及びハタケシメジエキスを配合したアトピー性皮膚炎改善剤は、他の食品、経腸栄養剤、他の栄養成分、或いは医薬品と混合して医療用食品として使用することが出来る。また、一般的に医薬部外品や医薬品に使用される成分と混合し、医薬部外品や医薬品としても提供することも出来る。なお、上述の食品、医療用食品及び医薬品の対象としては、ヒトだけではなく、犬や猫のペット用の食品や機能性食品としても用いることが可能である。
オリゴ糖や担子菌類抽出物は一般に、種々の好ましい効果があることが知られているので、酸性キシロオリゴ糖のハタケシメジエキスに対する混合比率を1〜10倍とした本発明の混合物は、販売に際して、「アトピー性皮膚炎改善剤」と表示することが好ましい。
また、酸性キシロオリゴ糖のハタケシメジエキスに対する混合比率を1〜10倍とした本発明の混合物は、それ自身健康食品として食した場合、免疫増強、口内炎改善など、皮膚炎改善作用以外の効果が期待できる。更に、飲料、食品或いはペットフード中に、酸性キシロオリゴ糖とハタケシメジエキスの両方を含有する場合、特に、酸性キシロオリゴ糖のハタケシメジエキスに対する含有比率を1〜10倍で含有する場合には、皮膚炎改善作用以外にも種々の効果が期待でき、機能性食品あるいは機能性ペトフードとして使用することができる。
オリゴ糖や担子菌類抽出物は一般に、種々の好ましい効果があることが知られているので、酸性キシロオリゴ糖のハタケシメジエキスに対する混合比率を1〜10倍とした本発明の混合物は、販売に際して、「アトピー性皮膚炎改善剤」と表示することが好ましい。
また、酸性キシロオリゴ糖のハタケシメジエキスに対する混合比率を1〜10倍とした本発明の混合物は、それ自身健康食品として食した場合、免疫増強、口内炎改善など、皮膚炎改善作用以外の効果が期待できる。更に、飲料、食品或いはペットフード中に、酸性キシロオリゴ糖とハタケシメジエキスの両方を含有する場合、特に、酸性キシロオリゴ糖のハタケシメジエキスに対する含有比率を1〜10倍で含有する場合には、皮膚炎改善作用以外にも種々の効果が期待でき、機能性食品あるいは機能性ペトフードとして使用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、各測定法の概要、本発明で有効成分として含有させたアトピー性皮膚炎改善剤の調製例を示す。
<測定法の概要>
(1) 全糖量の定量:
全糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、フェノール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(1) 全糖量の定量:
全糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製し、フェノール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(2) 還元糖量の定量:
還元糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、ソモジ−ネルソン法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
還元糖量は検量線をD−キシロース(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、ソモジ−ネルソン法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(3) ウロン酸量の定量:
ウロン酸は検量線をD−グルクロン酸(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、カルバゾール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
ウロン酸は検量線をD−グルクロン酸(和光純薬工業(株)製)を用いて作製、カルバゾール硫酸法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)にて定量した。
(4) 平均重合度の決定法:
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割って平均重合度を求めた。
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液の全糖量を還元糖量(共にキシロース換算)で割って平均重合度を求めた。
(5) 酸性キシロオリゴ糖の分析方法:
オリゴ糖鎖の分布はイオンクロマトグラフ(ダイオネクス社製、分析用カラム:Carbo Pac PA−10)を用いて分析した。分離溶媒には100mM NaOH溶液を用い、溶出溶媒には前述の分離溶媒に酢酸ナトリウムを500mMとなるように添加し、溶液比で、分離溶媒:溶出溶媒=10:0〜4:6となるような直線勾配を組み分離した。得られたクロマトグラムより、キシロース鎖長の上限と下限との差を求めた。
オリゴ糖鎖の分布はイオンクロマトグラフ(ダイオネクス社製、分析用カラム:Carbo Pac PA−10)を用いて分析した。分離溶媒には100mM NaOH溶液を用い、溶出溶媒には前述の分離溶媒に酢酸ナトリウムを500mMとなるように添加し、溶液比で、分離溶媒:溶出溶媒=10:0〜4:6となるような直線勾配を組み分離した。得られたクロマトグラムより、キシロース鎖長の上限と下限との差を求めた。
(6) オリゴ糖1分子あたりのウロン酸残基数の決定法
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液のウロン酸量(D−グルクロン酸換算)を還元糖量(キシロース換算)で割ってオリゴ糖1分子あたりのウロン酸残基数を求めた。
サンプル糖液を50℃に保ち15000rpmにて15分遠心分離し不溶物を除去し上清液のウロン酸量(D−グルクロン酸換算)を還元糖量(キシロース換算)で割ってオリゴ糖1分子あたりのウロン酸残基数を求めた。
(7) 酵素力価の定義:
酵素として用いたキシラナーゼの活性測定にはカバキシラン(シグマ社製)を用いた。酵素力価の定義はキシラナーゼがキシランを分解することで得られる還元糖の還元力をDNS法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)を用いて測定し、1分間に1マイクロモルのキシロースに相当する還元力を生成させる酵素量を1ユニットとした。
酵素として用いたキシラナーゼの活性測定にはカバキシラン(シグマ社製)を用いた。酵素力価の定義はキシラナーゼがキシランを分解することで得られる還元糖の還元力をDNS法(還元糖の定量法、学会出版センター発行)を用いて測定し、1分間に1マイクロモルのキシロースに相当する還元力を生成させる酵素量を1ユニットとした。
<調製例1:酸性キシロオリゴ糖>
混合広葉樹チップ(国内産広葉樹70%、ユーカリ30%)を原料として、クラフト蒸解及び酸素脱リグニン工程により、酸素脱リグニンパルプスラリー(カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cps)を得た。スラリーからパルプを濾別、洗浄した後、パルプ濃度10%、pH8に調製したパルプスラリーを用いて以下のキシラナーゼによる酵素処理を行った。 バチルスsp.S−2113株(独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センター、寄託菌株FERM BP-5264)の生産するキシラナーゼを1単位/パルプgとなるように添加した後、60℃で120分間処理した。その後、濾過によりパルプ残渣を除去し、酵素処理液1050Lを得た。
次に、得られた酵素処理液を濃縮工程、希酸処理工程、精製工程の順に供した。濃縮工程では、逆浸透膜(日東電工(株)製、RO NTR-7410)を用いて濃縮液(40倍濃縮)を調製した。希酸処理工程では、得られた濃縮液のpHを3.5に調製した後、121℃で60分間加熱処理し、リグニン等の高分子夾雑物の沈殿を形成させた。さらに、この沈殿をセラミックフィルター濾過で取り除くことにより、希酸処理溶液を得た。
精製工程では、限外濾過・脱色工程、吸着工程の順に供した。限外濾過・脱色工程では、希酸処理溶液を限外濾過膜(オスモニクス社製、分画分子量8000)を通過させた後、活性炭(和光純薬(株)製)770gの添加及びセラミックフィルター濾過により脱色処理液を得た。吸着工程では、脱色処理液を強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)、強陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PA408)、強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)各100kgを充填したカラムに順次通過させた後、弱陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製WA30)100kgを充填したカラムに供した。この弱陰イオン交換樹脂充填カラムから75mM NaCl溶液によって溶出した溶液をスプレードライ処理することによって、酸性キシロオリゴ糖の粉末(全糖量353g、回収率13.1%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX10とする。前述の測定方法により、UX10は平均重合度10.3、キシロース鎖長の上限と下限との差は10、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
混合広葉樹チップ(国内産広葉樹70%、ユーカリ30%)を原料として、クラフト蒸解及び酸素脱リグニン工程により、酸素脱リグニンパルプスラリー(カッパー価9.6、パルプ粘度25.1cps)を得た。スラリーからパルプを濾別、洗浄した後、パルプ濃度10%、pH8に調製したパルプスラリーを用いて以下のキシラナーゼによる酵素処理を行った。 バチルスsp.S−2113株(独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センター、寄託菌株FERM BP-5264)の生産するキシラナーゼを1単位/パルプgとなるように添加した後、60℃で120分間処理した。その後、濾過によりパルプ残渣を除去し、酵素処理液1050Lを得た。
次に、得られた酵素処理液を濃縮工程、希酸処理工程、精製工程の順に供した。濃縮工程では、逆浸透膜(日東電工(株)製、RO NTR-7410)を用いて濃縮液(40倍濃縮)を調製した。希酸処理工程では、得られた濃縮液のpHを3.5に調製した後、121℃で60分間加熱処理し、リグニン等の高分子夾雑物の沈殿を形成させた。さらに、この沈殿をセラミックフィルター濾過で取り除くことにより、希酸処理溶液を得た。
精製工程では、限外濾過・脱色工程、吸着工程の順に供した。限外濾過・脱色工程では、希酸処理溶液を限外濾過膜(オスモニクス社製、分画分子量8000)を通過させた後、活性炭(和光純薬(株)製)770gの添加及びセラミックフィルター濾過により脱色処理液を得た。吸着工程では、脱色処理液を強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)、強陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PA408)、強陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製PK218)各100kgを充填したカラムに順次通過させた後、弱陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製WA30)100kgを充填したカラムに供した。この弱陰イオン交換樹脂充填カラムから75mM NaCl溶液によって溶出した溶液をスプレードライ処理することによって、酸性キシロオリゴ糖の粉末(全糖量353g、回収率13.1%)を得た。以下、この酸性キシロオリゴ糖をUX10とする。前述の測定方法により、UX10は平均重合度10.3、キシロース鎖長の上限と下限との差は10、酸性キシロオリゴ糖1分子あたりウロン酸残基を1つ含む糖組成化合物であった。
<調整例2:ハタケシメジエキス>
ハタケシメジエキスは以下のように調整した。乾燥させたハタケシメジ子実体約50kgに5kLのイオン交換水を加えて、100℃で一昼夜加熱抽出後、固液分離、抽出液を濃縮した。得られた濃縮液にデキストリンが33質量%となるようにデキストリンを添加し、スプレードライヤーで粉末化することで、20kg(ハタケシメジ抽出物含量67質量%)のハタケシメジエキス粉末を得た。
ハタケシメジエキスは以下のように調整した。乾燥させたハタケシメジ子実体約50kgに5kLのイオン交換水を加えて、100℃で一昼夜加熱抽出後、固液分離、抽出液を濃縮した。得られた濃縮液にデキストリンが33質量%となるようにデキストリンを添加し、スプレードライヤーで粉末化することで、20kg(ハタケシメジ抽出物含量67質量%)のハタケシメジエキス粉末を得た。
<調整例3:アトピー性皮膚炎改善剤>
調整例1で得た酸性キシロオリゴ糖粉末250mgと調整例2で得たハタケシメジエキス粉末160mgを混合した混合粉末を1包として、本発明のアトピー性皮膚炎改善剤1000包を作成した。
調整例1で得た酸性キシロオリゴ糖粉末250mgと調整例2で得たハタケシメジエキス粉末160mgを混合した混合粉末を1包として、本発明のアトピー性皮膚炎改善剤1000包を作成した。
<調整例4:酸性キシロオリゴ糖粉末剤>
調整例1で得た酸性キシロオリゴ糖粉末250mgを1包として、酸性キシロオリゴ糖粉末剤1000包を作成した。
調整例1で得た酸性キシロオリゴ糖粉末250mgを1包として、酸性キシロオリゴ糖粉末剤1000包を作成した。
次に、調整例3のアトピー性皮膚炎改善剤及び調整例4の粉末剤を用いて実施したアトピー性皮膚炎改善試験及び安全性試験の概要と結果を、それぞれ、実施例1及び比較例1、実施例2に示す。
<実施例1及び比較例1:アトピー性皮膚炎改善試験1>
アトピー性皮膚炎に対する効果を確認する為に、獣医師によりアトピー性皮膚炎と診断された犬への投与試験を実施した。以下にその概要を示す。
ステロイド剤或いはハタケシメジキスの長期投与(数ヶ月間)による皮膚炎治療効果の見られない犬を試験に用いた。アトピー性皮膚炎症状の見られる10匹の(体重約4〜30kg、シーズー他、2〜14歳)の血液を採取、アレルギー疾患の指標である室内ダニ、花粉及び食物等に特異的なIgE値が高いことを確認した後、獣医師による皮膚炎の程度の所見を目安にして5匹ずつ2群に分け、I群及びII群とした。I群には、調整例3の混合粉末を通常のドッグフードに混ぜて投与(1〜2包/日/体重5kg)し、定期的に獣医師より経過観察を行った(実施例1)。また、同様にII群には、調整例4の酸性キシロオリゴ糖だけの粉末剤を投与した(比較例1)。投与開始後の各時期の獣医師による所見「著明改善(劇的に改善)、改善(明らかに改善)、やや改善(何らかの改善)、不変、悪化」をもとに、改善以上となった投与期間を示す(表1)。
アトピー性皮膚炎に対する効果を確認する為に、獣医師によりアトピー性皮膚炎と診断された犬への投与試験を実施した。以下にその概要を示す。
ステロイド剤或いはハタケシメジキスの長期投与(数ヶ月間)による皮膚炎治療効果の見られない犬を試験に用いた。アトピー性皮膚炎症状の見られる10匹の(体重約4〜30kg、シーズー他、2〜14歳)の血液を採取、アレルギー疾患の指標である室内ダニ、花粉及び食物等に特異的なIgE値が高いことを確認した後、獣医師による皮膚炎の程度の所見を目安にして5匹ずつ2群に分け、I群及びII群とした。I群には、調整例3の混合粉末を通常のドッグフードに混ぜて投与(1〜2包/日/体重5kg)し、定期的に獣医師より経過観察を行った(実施例1)。また、同様にII群には、調整例4の酸性キシロオリゴ糖だけの粉末剤を投与した(比較例1)。投与開始後の各時期の獣医師による所見「著明改善(劇的に改善)、改善(明らかに改善)、やや改善(何らかの改善)、不変、悪化」をもとに、改善以上となった投与期間を示す(表1)。
酸性キシロオリゴ糖単独では1〜2ヶ月間の比較的長期投与で改善効果が見られた。一方、本発明の酸性キシロオリゴ糖とハタケシメジエキスの併用によるアトピー性皮膚炎改善剤を投与した場合は、酸性糖投与群の約半分の投与期間で高い改善効果が見られた。なお、前記のようにハタケシメジエキス単独では改善効果のないことは予め確認している。以上の結果から、ハタケシメジエキスの何らかの作用により、酸性キシロオリゴ糖のアトピー性皮膚炎改善作用がより亢進するものと推定される。
<実施例2及び比較例2:アトピー性皮膚炎改善試験2>
上記と同様に、獣医師によりアトピー性皮膚炎と診断された猫への投与試験を実施した。以下にその概要を示す。
ステロイド剤或いはハタケシメジキスの長期投与(数ヶ月間)による皮膚炎治療効果の見られない猫を試験に用いた。アトピー性皮膚炎症状の見られる10匹の猫(体重約2〜3kg、日本猫他、2〜8歳)を獣医師による皮膚炎の程度の所見を目安にして5匹ずつ2群に分け、III群及びIV群とした。III群には、調整例3の混合粉末を通常のキャットフードに混ぜて投与(0.5〜1包/日)し、定期的に獣医師より経過観察を行った(実施例2)。また、同様にIV群には、調整例4の酸性キシロオリゴ糖だけの粉末剤を投与した(比較例2)。表1と同様に改善以上となった投与期間を示す(表2)。
上記と同様に、獣医師によりアトピー性皮膚炎と診断された猫への投与試験を実施した。以下にその概要を示す。
ステロイド剤或いはハタケシメジキスの長期投与(数ヶ月間)による皮膚炎治療効果の見られない猫を試験に用いた。アトピー性皮膚炎症状の見られる10匹の猫(体重約2〜3kg、日本猫他、2〜8歳)を獣医師による皮膚炎の程度の所見を目安にして5匹ずつ2群に分け、III群及びIV群とした。III群には、調整例3の混合粉末を通常のキャットフードに混ぜて投与(0.5〜1包/日)し、定期的に獣医師より経過観察を行った(実施例2)。また、同様にIV群には、調整例4の酸性キシロオリゴ糖だけの粉末剤を投与した(比較例2)。表1と同様に改善以上となった投与期間を示す(表2)。
酸性キシロオリゴ糖単独では1ヶ月間の投与で改善効果が見られた。一方、本発明の酸性キシロオリゴ糖とハタケシメジエキスの併用によるアトピー性皮膚炎改善剤を投与した場合は、酸性糖投与群の半分以下の1〜2週間で高い改善効果が見られた。
<実施例3、比較例3:動物実験>
アトピー性皮膚炎改善試験を、NC/Ngaマウス(日本SLC)を用いて実施した。以下にその概要を示す。
アトピー性皮膚炎改善試験を、NC/Ngaマウス(日本SLC)を用いて実施した。以下にその概要を示す。
NC/Ngaマウス(雄、6週齢、SPFグレード)を購入し、1週間予備飼育した。マウスの腹部を毛刈りし、5%の2,4,6−トリニトロクロロベンゼン(以下、PiClと略)を塗布した(試験開始第1日目)。試験開始第1週間目〜試験終了日まで、マウスの背部を毛刈りし、0.8%PiCl溶液を塗布し、アトピー性皮膚炎症状を誘発させた。
試験開始第6週目に、マウス背皮の皮膚炎のスコアを文献(日薬理誌vol.124,271,2004)に記載されている方法で5項目((i)掻痒症、(ii)発赤・出血の症状、(iii)耳介の浮腫、(iv)擦傷・組織欠損の症状、(v)痂皮形成・乾燥の症状)について4段階で測定し、合計のスコアを算出した。又、マウスの尾静脈より採血し血清中のIgE濃度を測定した。皮膚炎スコアとIgE濃度について各試験区間で値が均一になるように4群に群分けした。群分け後、(i)〜(iv)の被検物質((i)蒸留水、(ii)調製例1の酸性キシロオリゴ糖組成物20mg/kg、(iii)調整例2のハタケシメジエキス20mg/kg、(iv)酸性キシロオリゴ糖組成物20mg/kg+ハタケシメジ20mg/kg)を1日1回毎日試験終了日まで胃ゾンデを用いて経口投与した。なお、全飼育期間中の餌〔MF固形飼料(オリエンタル酵母工業(株)製)〕と水は自由摂取とした。第12週目に皮膚炎スコアと血清中のIgE濃度を測定した。実施例3(被検物質(iv))、比較例3(被検物質(i)〜(iii))の結果を表3に示す。
試験開始第6週目に、マウス背皮の皮膚炎のスコアを文献(日薬理誌vol.124,271,2004)に記載されている方法で5項目((i)掻痒症、(ii)発赤・出血の症状、(iii)耳介の浮腫、(iv)擦傷・組織欠損の症状、(v)痂皮形成・乾燥の症状)について4段階で測定し、合計のスコアを算出した。又、マウスの尾静脈より採血し血清中のIgE濃度を測定した。皮膚炎スコアとIgE濃度について各試験区間で値が均一になるように4群に群分けした。群分け後、(i)〜(iv)の被検物質((i)蒸留水、(ii)調製例1の酸性キシロオリゴ糖組成物20mg/kg、(iii)調整例2のハタケシメジエキス20mg/kg、(iv)酸性キシロオリゴ糖組成物20mg/kg+ハタケシメジ20mg/kg)を1日1回毎日試験終了日まで胃ゾンデを用いて経口投与した。なお、全飼育期間中の餌〔MF固形飼料(オリエンタル酵母工業(株)製)〕と水は自由摂取とした。第12週目に皮膚炎スコアと血清中のIgE濃度を測定した。実施例3(被検物質(iv))、比較例3(被検物質(i)〜(iii))の結果を表3に示す。
酸性キシロオリゴ糖単独、ハタケシメジエキス単独投与群で皮膚炎スコアの低下(改善)、血清中のIgE濃度の低下が認められた。又、酸性キシロオリゴ糖とハタケシメジエキスの併用投与群では、酸性キシロオリゴ糖単独、ハタケシメジエキス単独投与群に比べ皮膚炎スコアの低下(改善)、血清IgE濃度の低下が認められた。
<実施例4:急性経口毒性試験>
調整例3のアトピー性皮膚炎改善剤の60%水溶液を、それぞれ、ICR系マウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)に胃ゾンデを用いて、4週間、連日経口投与した(投与量:5g/マウス体重kg/日、各群10匹)。投与期間及び投与後の4週間、マウス死亡例はなかった。また、ブランク(水投与群)と比較し、体重推移においても有意な差が認められなかった。これは、経口摂取における本発明のアトピー性皮膚炎改善剤の安全性の高さを示す。
調整例3のアトピー性皮膚炎改善剤の60%水溶液を、それぞれ、ICR系マウス(雄、6週齢、日本チャールズリバー(株)製)に胃ゾンデを用いて、4週間、連日経口投与した(投与量:5g/マウス体重kg/日、各群10匹)。投与期間及び投与後の4週間、マウス死亡例はなかった。また、ブランク(水投与群)と比較し、体重推移においても有意な差が認められなかった。これは、経口摂取における本発明のアトピー性皮膚炎改善剤の安全性の高さを示す。
本発明で得られる酸性キシロオリゴ糖組成物及びハタケシメジエキスを含有した内服用アトピー性皮膚炎改善剤は、安全性が高く、即効性及び優れた薬理活性を有しており、食品、医薬部外品及び医薬品分野に於いて利用することが出来る。また、動物用の食品や医薬品としても用いることが可能である。
Claims (6)
- キシロオリゴ糖分子中にウロン酸残基を有する酸性キシロオリゴ糖及びハタケシメジエキスを含有することを特徴とする内服用アトピー性皮膚炎改善剤。
- 該酸性キシロオリゴ糖はキシロースの重合度が異なるオリゴ糖の混合組成物であり、キシロースの平均重合度が5.0〜15.0であることを特徴とする請求項1に記載の内服用アトピー性皮膚炎改善剤。
- 前記酸性キシロオリゴ糖が、「リグノセルロース材料を酵素的及び/又は物理化学的に処理してキシロオリゴ糖成分とリグニン成分の複合体を得、次いで該複合体を酸加水分解処理してキシロオリゴ糖混合物を得、得られるキシロオリゴ糖混合物から、1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するキシロオリゴ糖を分離して得たもの」であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内服用アトピー性皮膚炎改善剤。
- ウロン酸がグルクロン酸もしくは4−O−メチル−グルクロン酸であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の内服用アトピー性皮膚炎改善剤。
- 請求項1〜4に記載のアトピー性皮膚炎改善剤を含有することを特徴とするペット用機能性食品またはペットフード。
- 請求項1〜4に記載のアトピー性皮膚炎改善剤を含有することを特徴とするヒト用機能性食品または食品。
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JP2006086738A JP2007045812A (ja) | 2005-07-12 | 2006-03-27 | 皮膚炎改善剤 |
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KR20140081982A (ko) * | 2012-12-21 | 2014-07-02 | 주식회사 뉴메디온 | 만가닥버섯 자실체 추출물 또는 만가닥버섯 균사체 추출물을 함유하는 피부 외용제 조성물 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004210666A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Oji Paper Co Ltd | アトピー性皮膚炎改善剤 |
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2006
- 2006-03-27 JP JP2006086738A patent/JP2007045812A/ja active Pending
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KR20140081982A (ko) * | 2012-12-21 | 2014-07-02 | 주식회사 뉴메디온 | 만가닥버섯 자실체 추출물 또는 만가닥버섯 균사체 추출물을 함유하는 피부 외용제 조성물 |
KR102073943B1 (ko) * | 2012-12-21 | 2020-02-06 | 주식회사 코씨드바이오팜 | 만가닥버섯 자실체 추출물 또는 만가닥버섯 균사체 추출물을 함유하는 피부 외용제 또는 화장료 조성물 |
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