JP2007313290A - 涙道治療用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】医師が涙道閉塞を治療する場合、涙道にブジ−を挿入して涙道の閉塞部を押して、涙道を確保することがまず行われる。この時、ブジ−で涙道の壁面を突き破って、そのまま突き進み、再び元の涙道に出るといったことがある。これによって、仮道が形成される。その後、ブジ−を引き抜き、次にスタイレットを使ってチューブを涙道に挿入する。このとき上記仮道にチューブを挿入してしまうことがある。スタイレットを引き抜くとチューブは仮道に挿入されたままとなる。
そこで、本発明は、上記の課題を解決し、チューブが正しく涙道に挿入されように治療の手助けをする涙道治療用具を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の涙道治療用具は、涙道に挿入できる外径持ち、自立且つ湾曲可能な柔軟性筒体で構成され、両端部に開口部を有するシースよりなることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
このような涙道の治療に用いられるチューブは、例えば特開平7−213551号公報に示されているように、二本のチューブ(全体としては一本となっている。)が涙道に挿入される。
そこで、本発明は、上記の課題を解決し、チューブが正しく涙道に挿入されように治療の手助けをする涙道治療用具を提供することを目的とする。
また、先端部側壁を先端に向かうほど側壁の厚さが小さくなるテ―パ状に構成したことを特徴とする。
また、先端部側壁に対向して切込みを設けたことを特徴とする。
また、後端部外壁に把手を設けたことを特徴とする。
また、涙道に挿入できる外径を持ち、柔軟性を有する材料で構成された本体と、この本体の下端部に設けられた、前記本体の径よりも小径の柔軟性ガイド部とよりなることを特徴とする。
また、本体にガイド部を設けたので、特別にガイドワイヤーを必要とせず、より迅速に本体を涙道に留置することができる。さらに、前記シースの後端部周囲に凸状のストッパーを形成したので、特に短いシースを用いた場合であっても涙点からシースが涙道内に滑り込むことがないので都合が良い。
図1は本発明の涙道治療用具の一部を構成する涙道内挿管器具の一実施例の平面図である。
図1において、1はシリコンや、ポリウレタンなどの樹脂によって構成された柔軟性を有する透明なチューブである。このチューブ1は両側がチューブ2a,2bとなっており、中央で細い中実の小径部3で結合された構造になっている。また、チューブ2a,2bの先端は球状あるいは楕円球状など膨らみを持たせた形状に構成されている。そして、先端部4a、4bは少し肉厚に構成されている。チューブ2a、2bの後端には挿入口であるスリット(透孔)5a,5bが設けられている。チューブ2a,2bの外径は例えば、1.0mm、内径は0.5mm、長さはショートタイプで90mm、スタンダードタイプで105mmである。
スタイレット6aを先端部分から、スリット5aに挿入し、スタイレット6aの先端をチューブ2aの先端部4aの近傍に位置せしめる。この状態にあるときに、スタイレット6aの先端が、これ以上チューブ2aより出ないように(スタイレットの先端がチューブ2aの先端部を突き破らないように)、スタイレット6aに目印8aをスリット5aに対向して設け、目印8aを目視してスタイレット6aの先端を所定位置に設定する。スタイレット6bとチューブ2bとの関係も同じであり、スタイレット6bにも目印8bが形成されている。
図2は本発明の特徴部分である涙道治療用シース(鞘)20の断側面図である。このシース20のシース本体10はシリコン、ポリウレタン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)などの柔軟性を有する透明又は半透明の円筒体で構成されている。柔軟性の程度は、図1に示すチューブ2a,2bほど柔らかくなく、むしろ、下端を持って立てると自立し、両端を持って押すと湾曲するが、離すと元の直線状態に復帰するものである。
図3の切込み13a,13b以外の部分は図2と同じである。
ており、直線部の長さBは4cm程度である。
図4bに示すように、プローブ16の内部には、水を出す導管17と、光源となる光ファイバ18a,18bとレンズ19が設けられている。
ブジーは背景技術の項で述べたものであり、直径が0.4〜0.6mm程度のステンレス等の弾力性のある金属棒で構成されている。
まず、医療用カメラ14のプローブ16のシース20を後端部(把手11のある側)より被せる。プローブ16の先端がシース本体10の先端から0.5mm程度出た位置に設定する。
上記の状態にセットされた医療用カメラ14のプローブ16を、図5に示すようにシース20から涙小管21に挿入する。カメラ14で涙小管21の閉塞状態を見ながらプローブ16を涙小管21の奥へと進める。閉塞物26が見つかると、シース20の先端とプローブ16の先端部で押して、閉塞物26を除去する。
次に、鼻涙管の下端からシース20の先端出た状態で、把手で固定し、カメラ14のプローブ16を涙点側から引き抜く。すると、涙道にはシース20のみが残る。この状態で上記したガイドワイヤー28を図7に示すようにシース20に挿通する。次いで、シース20の把手11をピンセットで持って涙道から引き抜く。把手11を設けたのでシース20を容易に涙道から引き抜くことができる。
次に、ガイドワイヤー28の下端をピンセットで持って引くと、チューブ2aが涙道に入って行き、ガイドワイヤー28が涙道から出て、図9の状態となる。ここで図9の矢印Cで示す部分でガイドワイヤー28を切断し、シース20とガイドワイヤー28との結合を解く。
なお、図6ではシース20とプローブ16で閉塞物27を除去するようにしたが、閉塞物27が柔らかい場合には良いが、硬くてシース20とプローブ16では除去できない場合には、図11に示すようにっプローブ16をシース20から引き抜き、ブジー29をシース20に挿入して、ブジー29により閉塞物27を除去する。ブジー29は細くて硬いため硬い閉塞物でも容易に除去することができる。
このような場合に、鼻涙管24の側壁に張り出している粘膜30を、シース20の先端部に設けられている切込み13a,13bとテーパー部で出来たスコップ形状の先端部で、押切ってやればチューブ2bを涙道内に出すことができる。この場合、切込み13a,13bが正しい位置即ち、上述のスコップ形状が粘膜30に当たっているかは、目印10aをプローブを通してカメラ14で監視することによって確認することができる。
上記の涙道治療によると、図8のガイドワイヤー28の結び目31を強固にしておかないと、ガイドワイヤー28を鼻涙管24の下方から引っ張ってチューブ2aを涙道に入れる場合、結び目31で解けてしまってはチューブ2aを涙道に留置することができない。結び目31が大きいと、結び目31が涙道に掛かってガイドワイヤー28を通過させることができない。その上、結び目31で涙道の壁面を傷つけることになる。また、ガイドワイヤー28が直接涙道の壁面、特に涙小管21と涙嚢23との屈曲部に当たるので、この部分を傷つけることがある。
また、涙道の状態によってシース20、カメラ14が使用できない場合、図14の一方のガイド部32aを根元から切断し、スタイレットを使用して通常の治療を行う。もう一方の涙道はシース20を使用し、ガイド部32bを使用して治療を行えば都合が良い。
このストッパー35は例えば樹脂製の穴あきビーズを用いることができ、シース本体10に接着剤を塗布し、ビーズをはめ込めばよい。ビーズの径は2乃至3mmである。
このストッパー35は涙点から涙道にシース20を入れて治療を行っているとき、シース20が短いとシース20全体が涙道の中に嵌り込んでしまうことがある。この状態になるとシース20を引き出すことが困難となる。そこでストッパー35を設けることにより、シース20の涙道への嵌まり込みを防止できる。
このような治療を行う場合シース20,20aの長さは短いもので良いが、シース20、20aが涙道に嵌り込む可能性がある。ストッパー35をシース20,20aに設けておけば、シース20,20aが涙道に嵌り込むことを防止できる。
2a、2b:チューブ
4a、4b:先端部
9a、9b:透孔
20、20a:シース
10:シース本体
10a:目印
11:把手
12:テーパー
13a,13b:切込み
14:医療用カメラ
16:プローブ
28:ガイドワイヤー
29、37:ブジー
32a,32b:ガイド部
33a,33b:本体
35:ストッパー
Claims (9)
- 涙道に挿入できる外径を持ち、自立且つ湾曲可能な柔軟性筒体で構成され、両端部に開口部を有するシースよりなることを特徴とする涙道治療用具。
- 先端部側壁を先端に向かうほど側壁の厚さが小さくなるテ―パ状に構成したことを特徴とする請求項1記載の涙道治療用具。
- 先端部側壁に対向して切込みを設けたことを特徴とする請求項2記載の涙道治療用具。
- 前記柔軟性筒体を透明又は半透明物質により構成し、その前端部に前記切込みを認知するための目印を設けたことを特徴とする請求項3記載の涙道治療用具。
- 後端部外壁に把手を設けたことを特徴とする請求項1記載の涙道治療用具。
- 涙道に挿入できる外径を持ち、柔軟性を有する材料で構成された本体と、この本体の下端部に設けられた、前記本体の径よりも小径の柔軟性ガイド部とよりなることを特徴とする涙道治療用具。
- 前記ガイド部を前記本体と一体成形により構成したことを特徴とする請求項6記載の涙道治療用具。
- 前記シースの後端部周囲に凸状のストッパーを形成したことを特徴とする請求項1,2または5に記載の涙道治療用具。
- 前記凸状のストッパーはリング状体であることを特徴とする請求項8に記載の涙道治療用具。
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