JP2007311162A - 色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 逆電流の発生による光電変換特性の低下を防止することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 透明基板4、透明電極3、逆電流防止層2及び金属酸化物半導体多孔質層1がこの順で積層された色素増感太陽電池用光電極であって、前記逆電流防止層は、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有することを特徴とする色素増感太陽電池用光電極。
【選択図】図1

Description

本発明は、逆電流の発生による光電変換特性の低下を防止することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池に関する。
色素増感太陽電池は、身近な材料である金属酸化物半導体多孔膜を利用した太陽電池であり、シリコン太陽電池に比べて、高価な材料やプロセスを必要とせず、安価な太陽電池を実現できるデバイスとして実用化が期待されている。
色素増感太陽電池は、通常、透明電極基板に金属酸化物半導体多孔質層を形成し色素を担持させた光電極と、基板に導電層を形成した正電極とを電解質層を介して挟み込んだ構成となっている。
このような色素増感太陽電池の基本原理は、特許文献1に開示されているように、以下の通りである。まず、色素増感太陽電池に光が照射されると、金属酸化物半導体多孔質層表面に吸着された増感色素が光を吸収し、色素分子内の電子が励起され、電子が半導体へ渡される。これにより、光電極側で電子が発生し、この電子が電気回路を通じて、正電極に移動する。そして、正電極に移動した電子は、電解質層を通じて光電極に戻る。このような過程が繰り返されることで、電気エネルギーが生じる。
しかしながら、電解質層が液体からなる場合、色素増感太陽電池は、透明電極が電解質層に接触した構造となることから、透明電極から電解質層へ電子が漏れだす逆電子移動と呼ばれる内部短絡現象が発生し、光の照射とは関係なく逆電流が流れることに起因して光電変換効率が低下するという問題があった。
このような問題に対して、特許文献2には、導電性支持体と半導体微粒子含有層との間に下塗り層が形成された光電変換素子が開示されている。このような光電変換素子では、下塗り層として、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導体からなる緻密な薄膜を形成することで、対極と導電性支持体との短絡を防止している。
また、特許文献3には、透明基板と光電変換層との間に、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導体からなる逆電子注入防止層を形成することにより、界面導電性の向上を図り、逆電子の移動を抑制することが可能な色素増感太陽電池が開示されている。
一方、近年では、ガラス基板ではなく、基板として樹脂フィルムを用いた色素増感太陽電池が開発されている。これにより、軽量で柔軟性のある太陽電池を実現することができ、固定型だけでなく移動型の太陽電池としてモバイル用途への応用が期待されている。
しかしながら、特許文献2及び特許文献3の方法では、下塗り層や逆電子注入防止層を形成する際に、半導体を結晶化させるため、500℃程度の高温で加熱する必要があり、基板として樹脂フィルムを用いた場合は、これらの方法を用いることはできなかった。また、特許文献2及び特許文献3の方法で、下塗り層や逆電子注入防止層を形成した場合、半導体層と透明電極との密着性が低下し、特に、半導体層は通常多孔質体であることから、積層面における接触面積が小さく、密着性を向上させることは困難であった。
特許第2664194号公報 特開2001−156314号公報 特開2002−151168号公報
本発明は、逆電流の発生による光電変換特性の低下を防止することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池を提供する。
本発明は、透明基板、透明電極、逆電流防止層及び金属酸化物半導体多孔質層がこの順で積層された色素増感太陽電池用光電極であって、前記逆電流防止層は、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有する色素増感太陽電池用光電極である。
本発明者らは鋭意検討した結果、色素増感太陽電池用光電極の金属酸化物半導体多孔質層と透明電極との間に、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有する逆電流防止層を形成することで、逆電流の発生による光電変換特性の低下を抑制することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、透明基板、透明電極、逆電流防止層及び金属酸化物半導体多孔質層がこの順で積層されたものである。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との間に、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有する逆電流防止層を有する。
本発明では、逆電流防止層の材質としてガリウムドープ酸化亜鉛を用いることで、透明電極から電解質への電子移動の抑制効果を更に高めることができ、光電変換特性の低下を効果的に防止することができる。また、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有する逆電流防止層は、緻密な構造を有することから、透明電極との接触面積も大きく、金属酸化物半導体多孔質層との親和性も高いため、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層とを強力に密着させることが可能となる。
更に、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有する逆電流防止層は、スパッタリング法等を用いることで、高温加熱工程を経ることなく、180℃以下のような低温でも膜形成が可能となることから、透明基板として樹脂フィルム基板を使用する場合にも容易に形成することができる。
図1は、本発明の色素増感太陽電池用光電極の一例を示す模式断面図である。図1に示すように、色素増感太陽電池用光電極10は、透明基板4、透明電極3、逆電流防止層2及び金属酸化物半導体多孔質層1がこの順で積層した構成となっており、色素が吸着した金属酸化物半導体多孔質からなる金属酸化物半導体多孔質層1と、ITO等からなる透明電極3との間には、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有する逆電流防止層2が積層されている。ここで、逆電流防止層2は、透明電極3から金属酸化物半導体多孔質層1に存在する電解質へ電子が逆流して内部短絡が起こることを防止しつつ、透明電極3と金属酸化物半導体多孔質層1との密着性を高める効果を有する。
本発明で用いるガリウムドープ酸化亜鉛ガリウムのドープ量は、好ましい下限が3重量%、好ましい上限が10重量%である。3重量%未満であると、単なる抵抗膜となって、光電変換効率が低下することがあり、10重量%を超えると、逆電子が流れやすくなり、光電変換効率が低下することがある。
上記逆電流防止層におけるガリウムドープ酸化亜鉛は、結晶性が高いものであることが好ましい。アモルファスのように、結晶性が低いと上記逆電流防止層中を電子が通過しやすくなり、逆電子移動の抑制効果が低下する。
上記逆電流防止層の膜厚の好ましい下限は10nm、好ましい上限は100nmである。10nm未満であると、膜厚を均一に形成することが困難となり、ピンホール等が発生しやすくなるとともに、充分な逆電流防止効果、内部短絡防止効果が得られないことがある。また、色素担持量が少なくなり、得られる色素増感太陽電池の光電変換特性も低下することがある。100nmを超えると、膜厚が厚すぎ、逆電流防止層が抵抗となって、短絡電流値が低下することから、セル特性が不充分なものとなることがある。
上記透明基板としては、透明なものであれば特に限定されず、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム基板等を用いることができる。なかでも、軽量で柔軟性のある色素増感太陽電池が得られることから、樹脂フィルム基板を用いることが好ましい。
上記樹脂フィルム基板としては、入射する光を妨げず、適度の強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン等の耐熱性を有する透明性樹脂からものが挙げられる。
上記樹脂フィルム基板の厚みの好ましい下限は100μm、好ましい上限は3mmである。厚みを上記範囲内とすることで、適当な剛性と柔軟性をもたせることが可能となる。
上記透明電極としては、例えば、ITO、SnO、ZnO、GZO、AZO等からなるものが好ましく、なかでも、抵抗率が小さく安定であり、透明性が高いという性質を有することから、ITOからなるものが好ましい。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、上記逆電流防止層上に金属酸化物半導体微粒子からなる金属酸化物半導体多孔質層を有する。
上記金属酸化物半導体多孔質層を構成する金属酸化物としては、例えば、n型の半導体性を示すTiO、ZnO、SnO、WO等の金属酸化物半導体等が挙げられる。これらのなかでは、TiO、ZnOが好ましい。
上記金属酸化物半導体多孔質層の膜厚の好ましい下限は1μm、好ましい上限は20μmである。1μm未満であると、色素担持量が少なくなるとともに、得られる色素増感太陽電池の光電変換特性も低下することがあり、20μmを超えても、金属酸化物半導体多孔質層中の電子の拡散長が限られているために光電変換特性向上に寄与せず、逆に電解質液の金属酸化物半導体多孔質層への浸入が困難になることから光電変換特性が低下することがある。
上記金属酸化物半導体多孔質層に色素を担持させることにより、光照射によって起電力を発生させる色素増感太陽電池用光電極として用いることができる。
本発明の色素増感太陽電池に用いる色素としては、光エネルギーにより生じた電子を金属酸化物半導体多孔質層に送る機能を有するものであれば特に限定されないが、上記金属酸化物半導体多孔質層と強固に吸着させるための官能基を有するものが好ましい。上記官能基としては例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基等が挙げられる。
具体的には、ルテニウム金属錯体系色素や各種の有機色素を使用することができ、例えば、エオシンY、フルオレセイン、エリスロシンB、フロキシンB、ローズベンガル、フルオレクソン、マーキュロクロム、ジブロモフルオレセイン、ピロガロールレッド等のキサンテン系色素;クマリン343等のクマリン系色素;ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、フェノールフタレイン等のトリフェニルメタン系色素;シアニン系色素、メロシアニン系色素、インジゴ系色素、オキソノール系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、スクアリリウム系色素、ペリレンテトラカルボン酸誘導体;Ru、Os等のポリピリジン錯体;アントシアニン、クチナシ色素、ウコン色素、ベニバナ色素、カロテノイド色素、コチニール色素、パプリカ色素等の天然色素等が挙げられる。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により、樹脂フィルム基板にITOからなる透明電極を形成した後、上記透明電極上にスパッタリング法を用いて逆電流防止層を形成する。そして、上記逆電流防止層上に金属酸化物半導体多孔質層を形成し、更に、上記金属酸化物半導体多孔質層に色素を担持させる方法等により製造することができる。
上記逆電流防止層は、スパッタリング法によって形成することが好ましい。これにより、180℃以下の比較的低温で逆電流防止層を形成することが可能となり、樹脂フィルム基板を使用する場合にも好適に形成することができる。具体的には、ガリウムドープ酸化亜鉛の多結晶体をターゲットとして、不活性ガス雰囲気下でスパッタリングを行う方法等が挙げられる。
上記金属酸化物半導体多孔質層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、金属酸化物半導体粒子を水等の溶媒に分散させた溶液を透明電極上に塗布し、加熱を行うことにより乾燥焼成して膜を形成する塗布法;所望の金属のアルコキシド化合物や塩化物を含有するアルコール溶液を透明電極上に塗布し、加熱を行うことにより乾燥焼成して膜を形成するゾル−ゲル法;金属塩を含む電解質溶液中に透明電極基板を浸漬し、電気化学的に透明電極基板上に金属や金属酸化物の膜を形成する電析法等の方法を用いることができる。
上記塗布法やゾル−ゲル法において、透明電極上に溶液を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法等が挙げられる。
上記電析法は、高温の焼成工程を行うことなく、結晶性の高い金属酸化物半導体多孔質層を得ることが可能であることから、特に樹脂フィルム基板を使用する場合に好適に行うことができる。具体的には例えば、金属塩を含有する電析浴中にテンプレート色素を混合し、作用極に透明電極基板、対向極に亜鉛等の金属を配置し、酸素をバブリングしながら参照電極に対して定電圧を印加する3電極法による方法等を用いることができる。
上記色素を担持させる方法としては、例えば、上記色素を含有する溶液に、上記金属酸化物半導体多孔質層が形成された樹脂フィルム基板を浸漬した後、乾燥を行う方法等が挙げられる。
上記金属酸化物半導体多孔質層が形成された樹脂フィルム基板を浸漬する際の浸漬時間の好ましい下限は5分、好ましい上限は20時間である。5分未満であると、色素溶液が金属酸化物半導体多孔質層の内部まで充分に浸透しないことがあり、20時間を超えると、金属酸化物半導体多孔質層への色素の吸着量が多くなりすぎ、使用後に色素の脱落が発生したり、電解質液の浸透を阻害してセル特性の低下や劣化を招いたりすることがある。
上記色素を含有する溶液に用いる溶媒としては、色素を溶解することができ、基板フィルムを劣化させないものであれば特に限定されず、例えば、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル等が挙げられる。
本発明の色素増感太陽電池用光電極と、電解質層と、正電極とをこの順で積層することにより、色素増感太陽電池を製造することができる。このような色素増感太陽電池もまた、本発明の1つである。具体的には例えば、電解質を含有する溶液を本発明の色素増感太陽電池用光電極上に塗工し、電解質層を形成した後、正電極を積層する方法や、色素増感太陽電池用光電極と電解質溶液注入口を有する正電極とを積層した後、上記電解質溶液注入口から電解質溶液を注入する方法等により製造することができる。
上記電解質層は、電解質溶液からなるものであってもよく、電解質溶液をゲル化剤によって半固体化したものであってもよい。また、上記電解質層としては、電子、ホール、イオン等を輸送できる物質であれば特に限定されず、例えば、CuI、CuSCN、NiO、CuO、KI等のp型半導体固体ホール輸送材料、ヨウ素/ヨウ化物、臭素/臭化物等の酸化還元電解質を有機溶媒に溶解した溶液を用いることができる。
上記有機溶媒としては、例えば、ニトリル系のアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルや炭化水素系のプロピレンカルボナート、ジエチルカルボナート、γ―ブチロラクタンやポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
これらの中では、金属酸化物半導体多孔質層の内部まで浸透しやすく、金属酸化物半導体多孔質層に吸着させた色素が脱離しにくいことから、酸化還元電解質を有機溶媒に溶解した溶液が好ましい。
上記正電極としては特に限定されず、例えば、本発明の色素増感太陽電池用光電極と同様の樹脂フィルム基板に、透明電極と白金触媒層とを積層したもの等を用いることができる。なお、上記正電極の基板及び電極には、本発明の色素増感太陽電池用光電極に使用する樹脂フィルム基板や透明電極と異なり、必ずしも透明性は必要とされず、ニッケルやタングステン等の耐触性のある金属やカーボン、グラファイト等の炭素材料等を用いることができる。
本発明では、色素増感太陽電池用光電極の金属酸化物半導体多孔質層と透明電極との間に、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有する逆電流防止層を形成することにより、逆電流の発生による光電変換特性の低下を抑制することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極とすることができる。
(実施例1)
(ガリウムドープ酸化亜鉛薄膜の形成)
PETフィルムにITO膜を製膜した透明電極基板に、RFスパッタリング法によりガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)薄膜を製膜した。なお、スパッタリングは、GZOターゲットを用い、スパッタリング装置(アルパック社製、SBH−5215RD)を使用することにより行った。
(酸化亜鉛多孔膜の形成)
得られたガリウムドープ酸化亜鉛薄膜が形成された透明電極基板上に、10×20mmの矩形パターンのマスキングを施し、電析法により酸化亜鉛多孔膜を製膜した。電析は、上記の酸化亜鉛薄膜が形成された透明電極フィルム基板を作用極とし、対極を白金線として、参照電極(SCE)に飽和カロメル電極を用いる3電極法により行った。
電析の手順としては、まず、透明基板をKClの100mM/L水溶液200mLに浸漬し、白金対極を用いて予備電界印加を40分間行い、基板表面を清浄化した。その後、電析浴にZnClを5.2M/L濃度になるように添加して、Zn対極を用いて10分間電析を行い、酸化亜鉛ボトム層を成膜した。その後、電析浴に、エオシンY色素を45 μM/L濃度になるように添加して酸化亜鉛多孔膜の電析を行った。浴温は70℃で、酸素を流量100sccmで浴中にバブリングし、くし刃を電析浴中で往復摺動させて直接的に撹拌しながら、電位−1.0V(vs.SCE)の定電位で30分間電析を行った。
得られたエオシンY色素含有酸化亜鉛膜を0.1MのKOHに一晩浸漬後、水洗することにより、エオシンY色素を脱着して酸化亜鉛多孔膜を得た。この基板を120℃で60分間乾燥処理した後、有機色素D149(三菱製紙社製)0.3mMをt−ブタノールとアセトニトリルとの混合溶媒に溶解した色素溶液に1時間浸漬して、色素を担持させた酸化亜鉛多孔膜層を有する光電極を作製した。
この光電極に、PETフィルムに透明導電膜であるITO膜と白金膜とをスパッタリング法で積層した正電極とを重ね合わせて、セルの周縁部をアイオノマー樹脂フィルムで熱溶着して空セルを作製した。この空セルに電解質液(ヨウ素0.05mol/L、t−プロピルアンモニウムヨージド0.5mol/L、溶媒:プロピレンカルボナート)を注入し、UV硬化樹脂で注入口を封止して、色素増感太陽電池セルを作製した。
(比較例1)
ガリウムドープ酸化亜鉛薄膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池セルを作製した。
(比較例2)
実施例1において、ガリウムドープ酸化亜鉛薄膜の代わりに、下記の方法で酸化亜鉛薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池セルを作製した。
(酸化亜鉛薄膜の形成)
PETフィルムにITO膜を製膜した透明電極基板に、RFスパッタリング法により酸化亜鉛薄膜を製膜した。なお、スパッタリングは、酸化亜鉛ターゲットを用い、スパッタリング装置(アルパック社製、SBH−5215RD)を使用することにより行った。
(評価)
(1)光電変換特性
実施例1及び比較例1、2で得られた色素増感太陽電池セルについて、光源強度が1SUN(100mW/cm)であるソーラーシミュレータを用い、短絡電流密度、曲線因子(FF;フィルファクター)及び光電変換効率を測定した。結果を表1に示した。
(2)密着性
実施例及び比較例で得られた色素増感太陽電池セルについて、24時間保管した後、セロハンテープを圧着・剥離し、酸化亜鉛多孔膜の剥離の有無を確認することで、酸化亜鉛多孔膜の密着性を評価した。なお、判断基準は、酸化亜鉛多孔膜が剥離しない場合を○、酸化亜鉛多孔膜が剥離した場合を×とした。
Figure 2007311162
表1に示すように、実施例1で得られた色素増感太陽電池セルは、短絡電流密度、曲線因子及び光電変換効率が高く、比較例1のように、ガリウムドープ酸化亜鉛薄膜を形成していないものと比較しても、短絡電流密度、曲線因子及び光電変換効率が向上していた。また、比較例1で得られた色素増感太陽電池セルでは、透明電極と酸化亜鉛多孔膜との密着性の低下が見られた。更に、比較例2で得られた色素増感太陽電池セルは、密着性に優れるものの、短絡電流密度、曲線因子及び光電変換効率が何れも著しく低いものとなっていた。
本発明によれば、逆電流の発生による光電変換特性の低下を防止することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池を提供できる。
本発明の色素増感太陽電池用光電極の一例を示す模式断面図ある。
符号の説明
1 金属酸化物半導体多孔質層
2 逆電流防止層
3 透明電極
4 透明基板

Claims (3)

  1. 透明基板、透明電極、逆電流防止層及び金属酸化物半導体多孔質層がこの順で積層された色素増感太陽電池用光電極であって、
    前記逆電流防止層は、ガリウムドープ酸化亜鉛を含有することを特徴とする色素増感太陽電池用光電極。
  2. 透明基板は、樹脂フィルム基板であることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池用光電極。
  3. 請求項1又は2記載の色素増感太陽電池用光電極と、電解質層と、正電極とがこの順に積層されていることを特徴とする色素増感太陽電池。
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