JP2007310114A - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

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敬司 丸尾
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潤 東
Yoshio Inagaki
義雄 稲垣
Junichiro Otsubo
淳一郎 大坪
Norio Nakai
規郎 中井
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Abstract

【課題】有機溶剤に対する溶解性や感光層の形成に用いるバインダ樹脂との相溶性に優れた電荷輸送剤を用いて、感度特性に優れた電子写真感光体を提供することにある。
【解決手段】電荷輸送剤が下記一般式(1)で示されるフェニルアミン化合物である。
Figure 2007310114

{式中、Ar1、Ar2は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、またはアルキル部分の炭素数が1〜6でアリール部分の炭素数が6〜20であるアラルキル基であって、Ar1、Ar2のうち、少なくとも一つは、パーフルオロアルキル基、または基;CF3−(CF2P−(CH2q−0− (p、qは0〜2の整数)を置換基として有する。nは0〜2の整数である。}
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター等の画像形成装置およびそこで用いられる電子写真感光体に関し、特に電気特性が良好で感光層強度の優れた電子写真感光体および画像形成装置に関する。
レーザプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置には、当該装置に用いられる光源の波長領域に適合した感度を有する有機感光体が使用されている。この有機感光体は、従来の無機感光体に比べて製造が容易であり、電荷輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂等の感光体の構成材料の選択肢が多様なため、設計の自由度が高いという利点があることから広く用いられている。
この有機感光体(以下、OPCともいう。)には、電荷発生剤が電荷輸送剤を含有する感光層中に分散した単層型感光体と、電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とが分離して積層した積層型感光体とがある。前記いずれの感光体においても、その感度特性を向上させるためには、電荷輸送性の高い電荷輸送剤(以下、HTMともいう。)を用いることが要求される。
OPC材料に用いるHTMはこれまで様々な有機物質が開発されているが、感光層とした際にその溶剤に対する溶解性、樹脂に対する相溶性が感光体特性に影響を及ぼすことが知られている。
例えば、ヒドラゾン骨格をもつHTMを用いたOPCでは、優れた感光体特性を有するものが知られているが(例えば、特許文献1参照)、一般にヒドラゾン化合物のもつ特性として比較的高い結晶性を持つことが知られており、配する置換基により、感光体形成のための溶剤への十分な溶解性やバインダ樹脂への相溶性が十分でないことがある。
特開2005−55888号公報
溶解性やバインダ樹脂への十分な相溶性が無い場合、その感光層は材料のバインダ樹脂への分散不良を引き起こすことがある。そのため、材料の添加部数の制限(添加部数の減少)や感光層が脆いことによる亀裂(クラック)の発生、等の懸念があった。
本発明の課題は、有機溶剤に対する溶解性や感光層の形成に用いるバインダ樹脂との相溶性に優れた電荷輸送剤を用いて、感度特性に優れた電子写真感光体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、当該電荷輸送剤において、下記一般式(1)中、少なくともパーフルオロアルキル基を1つ有し、ヒドラゾン構造を有するときは、有機溶剤に対する溶解性やバインダ樹脂との相溶性を著しく向上させることができ、高感度の電子写真感光体を得ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子写真感光体および画像形成装置は、以下の構成を有する。
(1)導電性基体上に下引き層を介して、もしくは直接、少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤、およびバインダー樹脂を含有する感光層を有した有機感光体であって、前記電荷輸送剤が下記一般式(1)で示されるフェニルアミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2007310114
{式中、Ar1、Ar2は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、またはアルキル部分の炭素数が1〜6でアリール部分の炭素数が6〜20であるアラルキル基であって、Ar1、Ar2のうち、少なくとも一つは、パーフルオロアルキル基、または基;CF3−(CF2P−(CH2q−0− (p、qは0〜2の整数)を置換基として有する。nは0〜2の整数である。}
(2)前記電荷発生剤は、下記一般式(2)で示すフタロシアニン類化合物であることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
Figure 2007310114
(式中、Mは2H、TiOまたはGaOHである。)
(3)前記感光層のバインダ樹脂が下記一般式(3−1)〜(3−3)のいずれかの構造単位を有するポリカーボネートであることを特徴とする(1)または(2)に記載の電子写真感光体。
Figure 2007310114
(式(3−1)〜(3−3)中、Rd、ReおよびRfは、水素原子、または置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、r、sおよびtは、それぞれ0〜4の整数である。)
(4)前記有機感光体が、導電性基体上に下引き層を介して、もしくは直接、少なくとも電荷発生剤を有する電荷発生層と、電荷輸送剤およびバインダー樹脂を含有する電荷輸送層とを順次形成してなる感光層を有する積層型感光体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(5)像担持手段と、前記像担持手段の表面を帯電させるための帯電手段と、前記像担持手段の表面を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、前記静電潜像をトナー像として現像するための現像手段と、前記トナー像を前記像担持手段から被転写体へ転写するための転写手段と、を有し、かつ、前記像担持手段表面の電荷を除去するための除電手段を有しない画像形成装置であって、前記像担持手段が、(4)に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
(6)前記帯電手段が、帯電ローラであることを特徴とする(5)に記載の画像形成装置。
本発明の前記一般式(1)からなる電荷輸送剤によれば、有機溶剤に対する溶解性やバインダ樹脂との相溶性が著しく向上し、電気特性に優れた高品位の画像を実現し、かつ感光層強度の優れた特性を持つ電子写真感光体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る電子写真感光体は、感度等の電気特性、および電気特性の安定性の点で、積層型電子写真感光体が好ましい。
(積層型電子写真感光体)
図1は、積層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。積層型電子写真感光体10は、導電性基体12と、導電性基体12上に下引き層14を介して設けられた電荷発生層16と、電荷発生層16上に設けられた電荷輸送層18とを有する。積層型電子写真感光体10においては、電荷発生層16と電荷輸送層18とで積層感光層が構成される。
なお、積層型電子写真感光体10は、図1のものに限定はされず、図2に示すように、導電性基体12上に下引き層14を介して電荷輸送層18が設けられ、電荷輸送層18上に電荷発生層16が設けられたものでもよい。ただし、本発明においては、耐久時の電気特性や画像特性を維持できる点で、電荷発生層16の上に電荷輸送層18を設けることが好ましい。また、下引き層14は、省略してもよく、導電性基体12上、もしくは酸化皮膜を形成した導電性基体12上に直接電荷発生層16を設けてもよい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層18は、正孔輸送剤として上記式(1)で表される化合物、および上記式(3−1)〜(3−3)で表されるバインダ樹脂を含有する層である。以下、式(1)で表される化合物を化合物(1)、式(3−1)〜(3−3)で表される構造単位を構造単位(3−1)〜(3−3)と記す。他の化合物および構造単位も同様に記す。
本発明にかかる電荷輸送剤は、前述のように、上記一般式(1)で表されるものであり、式(1)のAr1、Ar2 は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、またはアルキル部分の炭素数が1〜6でアリール部分の炭素数が6〜20であるアラルキル基であって、Ar1、Ar2のうち、少なくとも一つは、パーフルオロアルキル基、または基;CF3−(CF2P−(CH2q−0− を置換基として有する。p、qは、0〜2の整数であり、nは0〜2の整数である。
Ar1およびAr2におけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
また、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基など炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。前記アリール基は置換基を有していてもよく、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。
また、アラルキル基としては、例えばベンジル、α−メチルベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル等、炭素数6〜20のアラルキル基が挙げられる。
Ar1およびAr2におけるパーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等の、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のパーフルオロアルキル基等が挙げられる。
前記式(1)で表わされる化合物は、分子内に、少なくともパーフルオロアルキル基を1つもつため、鎖状のアルキル基は分子の自由度が高く、ハロゲン置換物は分子内の分極が大きくなるので分子の対称性を低下させ、故に結晶性の低下をもたらし、溶剤への溶解性、および樹脂への相溶性に優れる。
前記一般式(1)で表される具体例を下記表1に示すが、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2007310114
本発明の前記式(1)で表わされる化合物は、いずれも公知の製造方法によって合成することができる。例えば、HTM1は、エーテル化反応およびカップリング反応を利用して、次に示す方法により得ることができる。即ち、まず、下記反応式(R−1)によりジフェニルアミン誘導体(10)をCF3CH2OHと反応させ、カラムクログラフィーで精製し、化合物(11)を得ることができる。
Figure 2007310114
次に、亜リン酸エステル誘導体である化合物(13)をアルゴンガス置換し、温度0〜10℃のもとで、乾燥THF(テトラヒドロフラン)とナトリウムメトキシドとを加えて、20〜50分混合攪拌する。次に、得られた反応液に、乾燥THFに溶解させた化合物(12)を加え、室温で10〜15時間攪拌する。得られた反応液をトルエンなどで抽出して化合物(14)を得ることができる。
Figure 2007310114

次に、得られた化合物(14)と化合物(11)とを、下記反応式(R−3)によりカップリング反応させる。すなわち、Pd触媒の存在下でアニリン誘導体とクロロベンゼンとのカップリング反応により得られる化合物(11)と前記化合物(14)とをo−キシレンに加えて、Pd触媒の存在下で置換反応を行い、100〜130℃で2〜4時間攪拌する。その後室温まで冷却し、得られた反応液をトルエンなどで抽出し、本発明にかかるHTM1が得られる。
Figure 2007310114
本発明における式(1)に含まれる他の化合物は、CF3CH2OH、前記化合物(10)および化合物(14)を、所望の基を有する化合物に代えることにより、前記と同様にして合成することができる。
電荷輸送層18は、他の正孔輸送剤を含有してもよい。他の正孔輸送剤としては、化合物(1)を除くトリアリールアミン系化合物、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。正孔輸送剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダ樹脂としては、例えば、ビスフェノールZ型、ビスフェノールZC型、ビスフェノールC型、ビスフェノールA型等のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等が挙げられる。バインダ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダ樹脂としては、電子写真感光体の電気特性や耐久における耐摩耗性が良好である点で、上記構造単位(3−1)〜(3−3)のいずれかを有するポリカーボネート樹脂が好ましい。
電荷輸送層18の正孔輸送剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、25〜200質量部がより好ましい。
電荷輸送層18は、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、公知の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等が挙げられる。
電荷輸送層18の厚さは、2〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
(電荷発生層)
電荷発生層16は、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含有する層である。バインダ樹脂としては、電荷輸送層18と同様のものが挙げられる。
電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等の有機光導電体;セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電剤等が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷発生剤としては、赤色もしくは近赤外部での吸光度が大きく、かつ電荷発生効率の大きい、上記化合物(2)が好ましい。中でも、MがTiOであるチタニルフタロシアニンがより好ましい。
電荷発生層16の電荷発生剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して5〜1000質量部が好ましく、30〜500質量部がより好ましい。
電荷発生層16は、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、公知の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等が挙げられる。
電荷発生層16の厚さは、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmがより好ましい。
(導電性基体)
導電性基体12としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属、該金属に陽極酸化処理によって酸化皮膜を形成したもの;該金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料;ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス、が挙げられる。
導電性基体12の形状としては、シート状、ドラム状等が挙げられる。導電性基体12の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜決定すればよい。
(下引き層)
下引き層14は、金属や金属酸物の微粒子およびバインダ樹脂を含有する層である。バインダ樹脂としては、電荷輸送層18と同様のものが挙げられる。
金属や金属酸物の微粒子としては、アルミニウム、鉄、銅、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム等が挙げられ、酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしては、アルミナおよびシリカで表面処理され、さらにメチルハイドロジェンポリシロキサン等で表面処理されたものが好ましい。
下引き層14の金属や金属酸物の微粒子の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して10〜1000質量部が好ましく、30〜400質量部がより好ましい。
下引き層14の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
各層は、例えば、各層の材料を溶剤に溶解または分散させた塗布液を、一つ下の層上に塗布し、乾燥させることで形成される。
塗布液の調製は、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて、各成分を溶剤に溶解または分散さることによって行われる。塗布方法は、公知の方法を用いればよい。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
塗布液には、各成分の分散性、感光層表面の平滑性をよくするために、界面活性剤、レベリング剤等を添加してもよい。
(単層型電子写真感光体)
図3は、単層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。単層型電子写真感光体20は、導電性基体12と、導電性基体12上に下引き層14を介して設けられた感光層22とを有する。
なお、単層型電子写真感光体20は、図3のものに限定はされず、下引き層14が省略されたものであってもよい。
導電性基体12、下引き層14としては、積層型電子写真感光体10と同様のものが挙げられる。
感光層は、正孔輸送剤、電荷発生剤、バインダ樹脂、および必要に応じて電子輸送剤を含有する層である。
電荷発生剤、正孔輸送剤、バインダ樹脂等としては、積層型電子写真感光体10と同様のものが挙げられる。
電子輸送剤としては、キノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体 、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。電子輸送剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光層には、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、公知の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等が挙げられる。
また、感光層の感度を向上させるために、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
正孔輸送剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して20〜500質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましい。
電荷発生剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましい。
電子輸送剤を含有させる場合、電子輸送剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、10〜80質量部がより好ましい。
感光層の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
感光層は、例えば、正孔輸送剤、電荷発生剤、バインダ樹脂、および必要に応じて電子輸送剤を溶剤に溶解または分散させた塗布液を、導電性基体12上に塗布し、乾燥させることで形成される。
以上説明した本発明の電子写真感光体にあっては、感光層が、溶剤への溶解性およびバインダ樹脂との相溶性に優れる化合物(1)を含んでいるため、耐クラック性に優れる。また、感光層が化合物(1)を含んでいるため、電気特性に優れる。
<画像形成装置>
図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。画像形成装置30は、回転可能なドラム状の電子写真感光体32の回転方向に沿って、帯電手段34、露光手段36、現像手段38、転写手段40およびクリーニング手段42を順次有し、電子写真感光体の表面の電荷を除去する除電手段を有しないものである。
電子写真感光体32は、本発明の積層型電子写真感光体10であり、ドラム状の導電性基体12上に感光層が設けられたものである。
帯電手段34は、電子写真感光体32の表面を帯電させる手段であり、コロナ帯電装置、帯電ローラ、帯電ブラシ等が挙げられる。本発明に係る帯電手段34としては、電圧印加時に発生するO3、NOx等のOPCを劣化させるガスの発生量が低く、帯電安定性に優れるため、帯電ローラが好適に用いられる。
露光手段36は、電子写真感光体32の表面を露光して静電潜像を形成する手段である。
現像手段38は、トナーを用いて、静電潜像をトナー像として現像する手段である。
転写手段40は、トナー像を電子写真感光体32から被転写体(図示略)へ転写する手段である。
クリーニング手段42は、感光体ドラムに付着する紙粉等を除去する手段であり、弾性ブレード、ファーブラシ等が挙げられる。
画像形成装置 としては、複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等が挙げら
れる。
以上説明した画像形成装置にあっては、電気特性に優れ、特に露光メモリーが非常に小さい本発明の電子写真感光体を用いているため、除電手段を設けなくても、メモリー画像が発生せず、高品位の画像を得ることができる。また、除電手段を有しないため、画像形成装置の小型化、イニシャルコストダウン等が図れる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の電子写真感光体をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(電荷輸送剤:HTM1の合成)
(1)化合物(13)の合成
まず、前記反応式(R−1)によりジフェニルアミン誘導体(10)をCF3CH2OHと反応させ、カラムクログラフィーで精製し、化合物(11)を得た。
次に、式(14)で表される化合物の合成を、上記の反応式(R−2)に従って実施した。すなわち、ディーン・スターク・トラップ付き200mLフラスコに、式(12)で表される化合物を21.5g(0.098mol)、式(13)で表される化合物を21.0g(0.098mol)、およびトルエン100mLを入れ、120℃で2時間撹拌した。得られた反応液に活性白土を加えて、ろ過処理を行い、トルエンを減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/へキサン)にて精製をして、化合物(14)26gを得た(収率90%)。
(2)HTM1の合成
そして、HTM1を、上記反応式(R−3)に沿って合成した。すなわち、300mLのフラスコに、化合物(11)を5.1g(0.018mol)、ビシクロヘキシルビフェニルホスフィン0.0318g(0.000096mol)、パラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)0.0414g(0.000045mol)、t−ブトキシナトリウム(t−BuONa)2.6g(0.027mol)、化合物(14)を5.3g(0.018mol)を入れ、精製o−キシレン200mLを加えた後、アルゴンガス置換を行い、120℃で加熱しながら3時間攪拌した。その後、室温まで冷却した後、有機層をイオン交換水で3回洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、さらに活性白土で処理して、キシレンを減圧留去した。最後に、残渣をカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/へキサン)にて精製をして、目的化合物(HTM1)7.9gを得た(収率80%)。
(HTM2の合成)
本発明におけるHTM2は、前記HTM1の合成において、前記したCF3CH2OHをCF3CF2CH2OHに代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
(HTM3の合成)
また、本発明におけるHTM3は、前記HTM1の合成において、前記した化合物(14)を下記式(15)で表わされる化合物に代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
Figure 2007310114
(HTM4の合成)
また、本発明におけるHTM4は、前記HTM1の合成において、前記したCF3CH2OHをCF3CF2CH2OHに代え、前記した化合物(14)を前記化合物(15)で表わされる化合物に代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
(HTM5の合成)
本発明におけるHTM5は、前記HTM1の合成において、前記した化合物(10)を下記式(16)で表わされる化合物に代え、前記した化合物(14)を化合物(15)で表わされる化合物に代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
Figure 2007310114
(HTM6の合成)
本発明におけるHTM6は、前記HTM1の合成において、前記した化合物(10)を下記式(17)で表わされる化合物に代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
Figure 2007310114
(HTM7の合成)
本発明におけるHTM7は、前記HTM1の合成において、前記した化合物(10)を下記式(18)で表わされる化合物に代え、さらに化合物(14)を化合物(15)に代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
Figure 2007310114
(HTM8の合成)
本発明におけるHTM8は、前記HTM1の合成において、前記した化合物(10)を下記式(19)で表わされる化合物に代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
Figure 2007310114
(HTM9の合成)
本発明におけるHTM9は、前記HTM1の合成において、前記した化合物(10)を上記式(19)で表わされる化合物に代え、さらに化合物(14)を上記式(15)に代えることにより、HTM1と同様にして合成した。
(電荷発生剤の合成)
本発明にかかる電荷発生剤として、チタニルフタロシアニンを用いた。その作製方法を以下で説明する。
アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22gと、チタンテトラブトキシド25gと、尿素2.28gと、キノリン300gとを加え、攪拌しつつ150℃まで昇温した。
次に、反応系から発生する蒸気を系外へ留去しながら215℃まで昇温した後、この反応温度を維持しつつさらに2時間、攪拌して反応させた。
反応終了後、150℃まで冷却した時点で反応混合物をフラスコから取り出し、ガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド、およびメタノールで順次洗浄したのち真空乾燥して、青紫色の固体24gを得た。
上記チタニルフタロシアニン化合物の製造で得られた青紫色の固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド100ミリリットル中に加え、攪拌しつつ130℃に加熱して2時間、攪拌処理を行った。
次に、2時間経過した時点で加熱を停止し、23±1℃まで冷却した後、攪拌を停止し、この状態で12時間、液を静置して安定化処理を行った。そして、安定化された液をガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、真空乾燥して、チタニルフタロシアニン化合物の粗結晶9.83gを得た。
(顔料化処理)
上記顔料化前処理で得られたチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、濃硫酸100mLに加えて溶解した。そして、この溶液を氷冷下の水中に滴下した後、室温で15分間攪拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させた。
次に、上記液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗した後、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200mL中に分散させて50℃に加熱して10時間、攪拌した。そしてこの液をガラスフィルターによって濾別した後、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥させて、チタニルフタロシアニンの結晶(青色粉末)4.1gを得た。
上記で得たチタニルフタロシアニンは、初期および1,3-ジオキソランまたはテトラヒドロフラン中に7日間、浸漬しても、ブラッグ角2θ±0.2=7.4°および26.2°にピークが発生していないこと、および吸着水の気化に伴なう90℃付近のピーク以外には296℃において1つピークが観測された。 前記チタニルフタロシアニンは、下記式(2―1)で表される。
Figure 2007310114
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂としては、下記に示す構造単位(3−1)〜(3−3)および(3−4)〜(3−6)を有するポリカーボネート樹脂を用意した。式中、括弧外の右下の数字は、構造単位の割合(%)を示す。
Figure 2007310114
〔実施例1〕
アルミナおよびシリカで表面処理した後、湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理した酸化チタン(テイカ社製、試作品SMT−02、数平均一次粒子径10nm)2質量部、および6,12,66,610四元共重合ポリアミド樹脂(東レ社製、アミランCM8000)1質量部を、メタノール10質量部およびブタノール2質量部に、ビーズミルを用いて5時間処理して分散させ、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を5μmのフィルタにてろ過した後、導電性基体12として直径30mm、全長238.5mmのアルミニウム製ドラムに、ディップコート法にて塗布し、130℃30分で熱処理し、膜厚2μmの下引き層14を形成した。
次に、電荷発生剤として上記で製造したチタニルフタロシアニン1質量部、バインダ樹脂としてポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業社製、エスレックKS−5)0.5質量部、およびフェノキシ樹脂(InChem社製、PKKH)0.5質量部を、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル40質量部、およびテトラヒドロフラン40重量部を混合し、ビーズミルを用いて2時間処理して分散させ、電荷発生層用塗布液を調製した。
電荷発生層用塗布液を、3μmのフィルタにてろ過した後、前記下引き層14上にディップコート法にて塗布し、50℃で5分間乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層16を形成した。
ついで、正孔輸送剤としてパーフルオロトリフェニルアミン化合物(HTM1)85質量部、および添加剤としてm−ターフェニル10質量部を、テトラヒドロフラン240質量部に加え、超音波処理を行い、1次分散液を調製した。1次分散液の固形分濃度は、28.4質量%であった。このとき総固形分およびHTM1の質量部数はそれぞれ95および85であった。
1次分散液335質量部に下記樹脂溶液460質量部を加え、超音波処理を行い、2次分散液を調製した。2次分散液の固形分濃度は、24.5質量%であった。このとき総固形分およびHTM1の質量部数はそれぞれ195および85であった。このようにして電荷輸送層用塗布液を調製した。
樹脂溶液:バインダ樹脂として、構造単位(3−1)を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,500)100質量部を、溶剤としてテトラヒドロフラン360質量部に溶解した溶液。
得られた電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層用塗布液と同様にして電荷発生層16上に塗布し、130℃にて30分乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層18を形成し、積層型電子写真感光体10を得た。
〔実施例2〜14、比較例1〜9〕
実施例1で作製した積層型感光層用塗布液中に、正孔輸送剤としてHTM1を、HTM2〜9および表2に示すHTM10〜13の中の1つに代え、表3に示すバインダ樹脂に代えた以外、実施例1と同様にして実施例2〜14、比較例1〜9の積層型感光体を作製した。
Figure 2007310114
(評価試験および評価方法)
前記作製した実施例1〜14および比較例1〜9について、溶剤への溶解性およびバインダ樹脂への相溶性、耐クラック性について調べ、またそれら電子写真感光体のいずれかを市販のプリンタに取り付け、電気特性および画像評価を行った。評価は、以下に示す評価方法および評価基準により行った。評価結果を表3に示した。
(溶解性)
1次分散液を目視で観察し、溶け残りがないものを○、わずかに溶け残りがあるものを△、多くの溶け残りがあるものを×と評価した。
(相溶性)
2次分散液を目視で観察し、微結晶がないものを○、わずかに微結晶があるものを△、多くの微結晶があるものを×と評価した。
(耐クラック性)
電子写真感光体の下端部5cmを、オリーブオイル(BESCO社製)に浸漬し、12時間後の感光層の変化を光学顕微鏡にて観測し、感光層表面1cm2 あたりのクラックの長さの総和で評価を行った。クラックの総和が1mm未満を◎、クラックの総和が1mm以上2mm未満を○、クラックの総和が2mm以上4mm未満を△、4mm以上を×と評価した。
(電気特性)
電子写真感光体を、市販の負帯電反転現像プロセスを採用したプリンタ(沖データ社製、MicroLine−22N)に取り付け、室温環境下にて2000枚印刷処理した。印刷後、表面電位計を用いて現像位置での電位を測定し、電気特性(表面電位、明電位、露光メモリー)を評価した。表面電位は、白紙部電位(V0 )、明電位は、ベタ部の電位、露光メモリは、前周露光部の次の白紙部電位(Vob)から、(V0 −Vob)として求めた。
(画像)
2000枚目の印刷物の画像を目視で評価した。露光メモリは感光体の1周目に黒ベタ画像を印字し、2周目のグレー画像における前周の画像の有無により判断した。
露光メモリが全く出ていないものを◎、注視しないと露光メモリが分からないものを○、うすく露光メモリを生じているものを△、露光メモリの程度が大きくはっきりと分かるものを×と評価した。
Figure 2007310114
表3に示すように、正孔輸送剤として本発明の範囲外の化合物を感光体に用いた場合、比較例1、2では、バインダ樹脂との相溶性は良好であるが、溶剤への溶解性は悪くなるため、感光体表面にクラックが発生した。また、比較例3〜9では、溶解性および相溶性ともに悪いため、クラックが発生し、また電気特性が悪く、露光メモリが不良であった。 これに対して、本発明の範囲内の化合物を用いた感光体では、実施例1〜14に示すように、溶剤への溶解性およびバインダ樹脂との相溶性がともに良好であり、それにより感光体表面はクラックの発生はなく、電気特性および画像は良好な結果が得られた。
以上により、本発明の電子写真感光体は、電気特性および耐クラック性に優れることから、高品位の画像が要求される画像形成装置に有用であることがわかった。
積層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。 積層型電子写真感光体の他の例を示す概略断面図である。 単層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。 画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 積層型電子写真感光体
12 導電性基体
16 電荷発生層
18 電荷輸送層
20 単層型電子写真感光体
22 感光層
30 画像形成装置
32 電子写真感光体
34 帯電手段
36 露光手段
38 現像手段
40 転写手段

Claims (6)

  1. 導電性基体上に下引き層を介して、もしくは直接、少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤、およびバインダー樹脂を含有する感光層を有した有機感光体であって、前記電荷輸送剤が下記一般式(1)で示されるフェニルアミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2007310114
    {式中、Ar1、Ar2は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、またはアルキル部分の炭素数が1〜6でアリール部分の炭素数が6〜20であるアラルキル基であって、Ar1、Ar2のうち、少なくとも一つは、パーフルオロアルキル基、または基;CF3−(CF2P−(CH2q−0− (p、qは0〜2の整数)を置換基として有する。nは0〜2の整数である。}
  2. 前記電荷発生剤は、下記一般式(2)で示すフタロシアニン類化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
    Figure 2007310114
    (式中、Mは2H、TiOまたはGaOHである。)
  3. 前記感光層のバインダ樹脂が下記一般式(3−1)〜(3−3)のいずれかの構造単位を有するポリカーボネートであることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
    Figure 2007310114
    (式(3−1)〜(3−3)中、Rd、ReおよびRfは、水素原子、または置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、r、sおよびtは、それぞれ0〜4の整数である。)
  4. 前記有機感光体が、導電性基体上に下引き層を介して、もしくは直接、少なくとも電荷発生剤を有する電荷発生層と、電荷輸送剤およびバインダー樹脂を含有する電荷輸送層とを順次形成してなる感光層を有する積層型感光体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 像担持手段と、
    前記像担持手段の表面を帯電させるための帯電手段と、
    前記像担持手段の表面を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、
    前記静電潜像をトナー像として現像するための現像手段と、
    前記トナー像を前記像担持手段から被転写体へ転写するための転写手段と、を有し、
    かつ、
    前記像担持手段表面の電荷を除去するための除電手段を有しない画像形成装置であって、
    前記像担持手段が、請求項4記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記帯電手段が、帯電ローラであることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。



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JP2012133099A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Kyocera Document Solutions Inc 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2012133094A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Kyocera Document Solutions Inc 積層型電子写真感光体及び画像形成装置

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