JP2007308577A - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子において、セル径が充分に大きく、かつ均一であり、型内発泡成形性に優れた予備発泡粒子を提供すること
【解決手段】 融点が140℃以上170℃以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で水に分散させ、揮発性発泡剤を含有せしめ、該樹脂粒子の融点近傍の温度に加熱し、該発泡剤の蒸気圧以上の圧力下で混合し、該樹脂粒子と水との混合物を低圧域に放出して発泡させるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、揮発性発泡剤としてn−ブタンを30重量%より多く含有するブタンを用いることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、型内発泡成形性の良好なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法としては、揮発性発泡剤を含有する重合体粒子密閉容器内で水に分散させ、容器内の圧力を該発泡剤蒸気圧あるいはそれ以上の圧力に保持しながら該重合体の軟化温度以上に加熱した後、容器内の水面下の一端を開放し、重合体粒子と水とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することを特徴とする技術が提案されている(特許文献1)。
前記技術は可塑化効果のある揮発性発泡剤を用いる為、得られる予備発泡粒子のセル径は大きくなる傾向があるものの、ポリプロピレン系樹脂粒子を用いた場合にはセル径のばらつきが大きくなるという問題点があった。
一方、均一なセル径の予備発泡粒子を提供する技術として、イソブタンを70重量%以上含有するブタンを揮発性発泡剤として用いる方法も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、当該技術は、すなわち融点が高く結晶量が多い場合や、着色剤としてカーボン添加した場合などといった、セル造核点が多い場合には十分な大きさのセル径が得られないという問題があった。
型内発泡成形に用いる予備発泡粒子において、セル径にばらつきがある場合、得られる成形体の外観が悪化し、機械的強度が安定しないなどの問題がある。またセル径が小さすぎる場合には、成形加工条件の幅が狭いという問題がある。
また、成形時の安定した加熱条件を提供する技術として、エチレンとプロピレンとの共重合体を主成分とするポリオレフィン系樹脂粒子自身に、示差走査熱量計測定で得られるDSC曲線に吸熱ピークが2つ存在し、その高温側ピークが130℃以上で、低温側ピークが65℃以下であり、当該樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡剤含有量が4〜8重量%の時に水蒸気等で予備発泡させることが開示されている(特許文献3)。当該技術は比較的融点が低いポリオレフィン系樹脂に関して記載されたものである。
また、導電性カーボンを5〜13重量%含有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関する技術も提案されている(特許文献4)。該技術は特殊な性能を持つポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関するものである。
特開昭52−77174号公報 特開平3−14845号公報 特開平11−279346号公報 特開2004−175819号公報
本発明は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子において、セル径が充分に大きく、かつ均一であり、型内発泡成形性に優れた予備発泡粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、セル径が充分に大きく、かつ均一であり、型内発泡成形性に優れた予備発泡粒子をうるべく鋭意研究を重ね、従来より発泡剤として使用されている工業用ブタンのノルマルブタン/イソブタンの組成比に着目したところ、意外なことに特定量のノルマルブタンおよびイソブタンからなるブタンを発泡剤として用いた場合には、前記した問題点がことごとく解決されることをはじめて見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第1は、融点が140℃以上170℃以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で水に分散させ、揮発性発泡剤を含有せしめ、該樹脂粒子の融点近傍の温度に加熱し、該発泡剤の蒸気圧以上の圧力下で混合し、該樹脂粒子と水との混合物を低圧域に放出して発泡させるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、揮発性発泡剤としてn−ブタンを30重量%より多く含有するブタンを用いることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、基材樹脂として、ポリプロピレン系樹脂100重量部にカーボンブラックを5重量部以下含んだ樹脂を用いることを特徴とする前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関する。
本発明の第2は、前記記載の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関し、好ましい実施態様としては、平均セル径が200〜400μmであることを特徴とする前記記載のポリプロピレン系予備発泡粒子に関する。
本発明により、融点が140〜170℃である樹脂において、セル径が充分に大きく、かつ均一であるため、型内発泡成形性に優れた予備発泡粒子を得ることが出来る。更には、カーボンブラック等を含んだセル造核点の多いポリプロピレン系樹脂を用いても、セル径が充分に大きく、かつ均一であるポリプロピレン系予備発泡粒子が得られる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂としては、モノマーとしてプロピレンを主体とした樹脂であり、共重合成分としては、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2または4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられる。これらのうち、エチレン、1−ブテンを使用することが耐寒脆性向上、安価等という点で好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。なお、これらのポリプロピレン系樹脂のなかでは、とくにエチレン−プロピレンランダムコポリマーおよびエチレン−ブテン−プロピレンターポリマーは本発明の製造方法で予備発泡し、成形に供したときの成形加工幅が広いのでとくに好ましいものである。また紫外線吸収剤、帯電防止剤、熱安定剤、難燃剤、着色剤や充填剤などを前記樹脂に混合してもよい。さらにパーオキサイドや電子線照射などにより生じた架橋を有するポリプロピレン系樹脂を用いてもよい。
本発明において使用するポリプロピレン系樹脂は、発泡性、成形性に優れ、型内発泡成形体としたときの機械的強度、耐熱性に優れた予備発泡粒子を得るために、融点は、140〜170℃であり、好ましくは142℃〜166℃である。融点が140℃未満の場合、柔軟性を求める用途には良好な性能であるものの、耐熱性、機械的強度を求める用途には十分でない。また、融点が170℃を超える場合、型内発泡成形時の融着を確保することが難しくなる。ここで、本発明における融点とは、示差走査熱量計によってポリプロピレン系樹脂4〜6mgを40℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後40℃まで10℃/分の速度で冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC曲線における吸熱ピークのピーク温度をいう。
本発明において使用するポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(以下、MI値)は、通常、0.5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、更には2g/10分以上20g/10分以下のものが好ましい。前記MI値が0.5g/10分未満の場合、高発泡倍率の予備発泡粒子が得られにくく、30g/10分を超える場合、発泡セルが破泡し易く、予備発泡粒子の連泡率が高くなる傾向にある。ここで、MI値はJIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した値である。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子は、基材樹脂として、ポリプロピレン系樹脂にカーボンブラックを含んだ樹脂を用いることが好ましく、カーボンブラックの量としては、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して5重量部以下含むことが好ましい。一般的にカーボンブラックを使用した場合には予備発泡粒子のセル径が微細化する傾向を呈するが、本発明の製造方法はこの傾向を改善する。カーボンブラックの重量は、本発明記載の製造方法に影響はしないが、一般的に経済面と効果のバランスから5重量部以下であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、必要に応じてポリプロピレン系樹脂l00部(重量基準、以下同様)に対して、無機造核剤を0.005〜5部添加し、ポリプロピレン系樹脂粒子とすることが好ましく、更に好ましくは0.005〜1部、もっとも好ましくは0.01〜0.5部である。無機造核剤は均一で大きなセル径セルを有する予備発泡粒子を与えるように作用する傾向がある。無機造核剤が0.005部未満では均一な気泡をうることが困難な傾向があり、5部をこえて使用すると気泡径が小さくなる傾向がある。使用される無機造核剤としては、たとえば、タルク、シリカ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化アルミニウム、酸化チタン、珪藻上、クレイ、硫酸バリウム、ベントナイトなどがあげられるが、これらのなかでもタルク、シリカが好ましく使用される。
本発明に使用するポリプロピレン系樹脂粒子は、通常、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー(商標)、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状で、その粒子の1粒の重量が0.2〜10mg、好ましくは0.5〜6mgの樹脂粒子に加工される。この際、必要により、前記無機造核剤や着色剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤などの添加剤を添加することができる。
本発明においては揮発性発泡剤として、n−ブタンを30重量%より多く含有するブタンが用いられる。好ましくは、n−ブタンを35重量%以上含むブタンを用いる。かかるブタンを用いると、ポリプロピレン系樹脂粒子を水に分散させ高温、高圧の条件の下で混合した場合においてもポリプロピレン系樹脂粒子の分散安定性がすぐれ、ポリプロピレン系樹脂粒子どうしの融着がおこりにくく、かつ、得られるプロピレン系樹脂予備発泡粒子のセル径が均一で大きいという作用を発揮しうる。これは、n−ブタンの高い可塑化効果により、加圧容器内にて発泡剤であるブタンが均一にポリプロピレン系樹脂中に含有させることが出来ること、加えてより低い圧力にて高発泡倍率の予備発泡粒子が得られる為セル造核が安定化することによると考えられる。
前記揮発性発泡剤の耐圧容器内への仕込量は、使用する樹脂の特性や所望される発泡の度合および耐圧容器内の樹脂に対する該容器内の空間容積の比率により決定される。本発明において、揮発性発泡剤の仕込量はポリプロピレン系樹脂粒子100部に対して通常発泡剤5〜40部含浸させるように決定される。
本発明の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で水に分散させ、揮発性発泡剤を含有せしめ、該樹脂粒子の融点近傍の温度に加熱し、該発泡剤の蒸気圧以上の圧力下で混合し、該樹脂粒子と水との混合物を低圧域に放出して発泡させることによりポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得るが、ポリプロピレン系樹脂粒子を水中に分散させる際には、分散媒としての水は、ポリプロピレン系樹脂粒子100部に対し、100〜500部程度使用することが望ましい。使用する水が100部未満であると、耐圧容器内のポリプロピレン系樹脂粒子の混合状態が悪化しやすい傾向にあり、また500部を越えると生産性が悪化する傾向がある。
また、ポリプロピレン系樹脂粒子を水中に分散させる際には少量の分散剤を使用し、加熱時に前記樹脂粒子どうしが互いに融着することを防止することが望ましい。分散剤としては、たとえばポリビニルアルコール、メチルセルロース、N−ポリビニルピロリドンのような水溶性高分子化合物;リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸亜鉛のような水に難溶性の無機物質の微粉末;またはそのような無機物質の微粉末と少量のアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホン酸ソーダまたは同様の陰イオン界面活性剤との混合物などがあげられる。水溶性高分子化合物を使用すると水質汚染が生じるため無機物質を用いるのが好ましい。しかし、無機物質を多量に用いるとえられた発泡粒子は成形時に互いに効果的に熱融着しなくなるため、少量の陰イオン界面活性剤を無機物質と併用することが好ましい。この場合、前記樹脂100部に対して難溶性無機物質微粉末0.1〜5部と陰イオン界面活性剤0.001〜0.5部とを用いることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、耐圧容器内のポリプロピレン系樹脂粒子と水を含んでなる混合物は前記ポリプロピレン系樹脂の融点近傍の温度で加熱される。融点近傍の温度とは、前記樹脂粒子の融点−25℃〜融点+10℃の範囲の温度をいい、好ましくは融点−20℃〜融点+5℃の範囲の温度である。適する加熱温度はポリプロピレン系樹脂の種類および揮発性発泡剤の種類により変化するので一概には決定することが困難であるが、たとえば融点150℃を有するエチレン−ブテン−プロピレンランダムターポリマーの場合には、加熱温度は125〜160℃であるのが望ましい。前記加熱温度が前記樹脂の融点−25℃よりも低いと発泡度が著しく減じられる傾向がある。なお、前記加熱温度が融点+10℃より高いと予備発泡粒子の独立気泡率が低くなる傾向がある。
ポリプロピレン系樹脂粒子を水に分散させ揮発性発泡剤を含有せしめる際の耐圧容器内の圧力は、揮発性発泡剤の蒸気圧と水の蒸気圧の和、すなわち揮発性発泡剤の蒸気圧以上の圧力を示す。かくして得られた該樹脂粒子と水の混合物を耐圧容器下部の一端を開いて低圧域(通常は大気圧)に放出することによって平均セル径の大きい予備発泡粒子がえられる。
また、放出中に耐圧容器内の該混合物の減少に伴って気相部分が多くなり、揮発性発泡剤の分圧が低下すると予備発泡粒子の発泡倍率の低下を招く場合があるが、そのような場合には、例えば、該発泡剤を液状または気体状で耐圧容器内に追加圧入し、容器内圧を一定に保つことにより発泡倍率の低下、発泡倍率のバラツキを少なくすることができる。
以上のようにして得られた、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、平均セル径が好ましくは200〜400μmであり、変動係数が10%未満であることが好ましい。平均セル径が200μm未満である場合は型内発泡成形する際の成形性が悪化しやすい傾向にあり、内圧付与などの前処理を十分にしないと安定的に型内発泡成形が出来ない傾向にある。
このように平均セル径が大きい予備発泡粒子は、その気泡膜が厚くなり、成形加熱中に気泡内の空気の逸散が少なくなり、気泡内が減圧になることによる成形体の収縮を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明の製造方法によって得られた予備発泡粒子は示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線において、2つの融解ピークを有するものが好ましい。さらに、この2つの融解ピーク温度の差が10℃以上あることが好ましい。2つの融解ピークを有する予備発泡粒子の場合、型内発泡成形性が良く、機械的強度や耐熱性の良好な型内発泡成形体が得られる。
ここで、予備発泡粒子の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線とは、予備発泡粒子1〜10mgを示差走査熱量計によって10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線のことである。
前記のごとく2つの融解ピークを有する予備発泡粒子は、予備発泡時の耐圧容器内温度を適切な値に設定することにより容易に得られる。
前記のようにして得た予備発泡粒子は、従来から知られている方法により、型内発泡成形体にすることができる。例えば、イ)予備発泡粒子を無機ガスで加圧処理して粒子内に無機ガスを含浸させ所定の粒子内圧を付与した後、金型に充填し、蒸気等で加熱融着させる方法、ロ)予備発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し粒子の回復力を利用して、蒸気等で加熱融着させる方法、ハ)特に前処理することなく金型に充填し、蒸気等で加熱融着させる方法、などの方法が利用しうる。
本発明の好ましい実施の態様の一例としては、融点が140〜170℃、MI値が0.5〜30g/10分のポリプロピレン系樹脂に着色剤としてカーボンブラックを5重量部以下添加し、押出機よりストランド状に押出し、冷却後このストランドをカットして0.2〜10mgの円筒状樹脂粒子としたものを用い、オートクレーブ型耐圧容器にこの樹脂粒子100重量部に対して、水100〜500重量部、分散剤として塩基性第三リン酸カルシウム0.1〜5重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.001〜0.5重量部を仕込み、昇温して融点−25℃〜融点+10℃の一定温度とし、n−ブタンを30重量%以上含むブタンにより一定圧力に加圧したのち、1〜10mmφの開口部を有する流れ制御板を通して大気圧下に放出して予備発泡粒子とする製造方法が挙げられる。
次に本発明におけるMI、融点、DSC比の測定方法について説明する。
MIの測定は、JIS−K7210記載のMI測定器を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定したときの値である。
融点の測定は、セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を用いて、ポリプロピレン系樹脂粒子4〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温し、その後10℃/minで220℃から40℃まで冷却し、再度10℃/minで40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度として求められる値である。
DSC比とは、示差走査熱量計を用いて、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子4〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られる融解曲線において、2つのピークを有し、該融解ピークのうち低温側の融解ピーク熱量Qlと、高温側の融解ピーク熱量Qhから算出した、高温側の融解ピークの比率Qh/(Ql+Qh)×100で表されるパラメータである。なお、測定装置は、セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を使用した。
次に本発明を実施例および比較例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
また実施例及び比較例における評価は下記の方法で行った。
[予備発泡粒子の発泡倍率]
嵩体積約50cm3のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm3)を求め、発泡前の樹脂粒子の密度d(g/cm3)から次式により求める。
発泡倍率=d×v/w
[平均セル径]
得られた予備粒子の中から任意に30個の予備発泡粒子を取り出し、JIS K6402に準拠してセル径を測定し、平均セル径(d)を算出した。
[セル径バラツキ]
平均セル径(d)とセル径のバラツキを表す標準偏差(σ)との比(セル径バラツキU)を下記式にて算出した。
U(%)=(σ/d)×100
Uが小さいほどセルが均一であることを示す。Uの値を以下の基準に従って分類し、評価した。
◎:Uの値が10%未満
○:Uの値が10%以上20%未満
△:Uの値が20%以上35%未満
×:Uの値が35%以上
[型内発泡成形体の表面性]
成形性は、型内発泡成形体の表面性で評価した。ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られる成形体の表面には予備発泡粒子の形状が亀甲模様として現れる。セル径が均一でかつ十分大きい成形性良好なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いると、予備発泡粒子界面が十分に加熱溶融接着し、表面性良好となる。一方セル径が微細であったり、セル径バラツキが大きい場合、予備発泡粒子界面に粒子間隙が目立ち、表面性が不十分となる。
型内発泡成形体の粒子間隙を目視評価し、以下のように表面性を評価した。
○:粒子間隙が十分に埋まり、粒子間隙が見られない
△:粒子間隙が所々見られる
×:粒子間隙が全く埋まらず、外観が非常に悪い
(実施例1、比較例1)
エチレン−ブテン−プロピレンターポリマー(MI 12g/10分、融点148℃)を用い、樹脂100部に対し、造核剤としてタルクを0.01部になるように添加・混合し、50mmφ単軸押出機で混練したのち造粒し、ポリプロピレン系樹脂粒子(1.8mg/粒)を製造した。
該樹脂粒子100部、分散剤としてパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム2部および分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.05部を含む水系分散媒300部、ならびに発泡剤として表1記載の組成比のブタン18部を、内容量10Lの耐圧容器に仕込み、攪拌しながら表1記載の温度まで昇温し、10分間保持した後、表1記載の組成比のブタンを追加圧入して表1記載の圧力に調整し、30分間保持した。その後、表1記載の組成比のブタンを圧入しながら容器内温、圧力を一定に保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて、水系分散媒を開孔径4.0mmφのオリフィス板を通して大気圧下に放出することによってポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をえた。
得られた予備発泡粒子を、東洋機械金属株式会社製ポリオレフィン発泡成形機パールスターP−150Nを用い、縦270mm×横290mm×厚み40mmのブロック金型に、あらかじめ粒子内部の空気圧力が2.0atmになるように調整したポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、まず0.1MPaの水蒸気で金型内の空気を追い出し、その後表1に記載する圧力の加熱蒸気を用いて10秒間加熱成形させることにより、ポリプロピレン系樹脂発泡成形体を得た。
Figure 2007308577
(実施例2〜4、比較例2)
エチレン−ブテン−プロピレンターポリマー(MI 12g/10分、融点148℃)を用い、樹脂100部に対し、着色剤としてカーボンブラックを4部、造核剤としてタルクを0.01部になるように添加・混合し、50mmφ単軸押出機で混練したのち造粒し、ポリプロピレン系樹脂粒子(1.8mg/粒)を製造した。
該樹脂粒子100部、分散剤としてパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム2部および分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.05部を含む水系分散媒300部、ならびに発泡剤として表1記載の組成比のブタン18部を、内容量10Lの耐圧容器に仕込み、攪拌しながら表1記載の温度まで昇温し、10分間保持した後、表1記載の組成比のブタンを追加圧入して表1記載の圧力に調整し、30分間保持した。その後、表1記載の組成比のブタンを圧入しながら容器内温、圧力を一定に保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて、水系分散媒を開孔径4.0mmφのオリフィス板を通して大気圧下に放出することによってポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をえた。
(実施例5)
エチレン−プロピレンランダムコポリマー(MI 7g/10分、融点143℃)を用い、樹脂100部に対し、着色剤としてカーボンブラックを4部、造核剤としてタルクを0.01部になるように添加・混合し、50mmφ単軸押出機で混練したのち造粒し、ポリプロピレン系樹脂粒子(1.8mg/粒)を製造した。
該樹脂粒子100部、分散剤としてパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム2部および分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.05部を含む水系分散媒300部、ならびに発泡剤として表1記載の組成比のブタン18部を、内容量10Lの耐圧容器に仕込み、攪拌しながら表1記載の温度まで昇温し、10分間保持した後、表1記載の組成比のブタンを追加圧入して表1記載の圧力に調整し、30分間保持した。その後、表1記載の組成比のブタンを圧入しながら容器内温、圧力を一定に保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて、水系分散媒を開孔径4.0mmφのオリフィス板を通して大気圧下に放出することによってポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をえた。
(実施例6)
ホモポリプロピレン(MI 20g/10分、融点165℃)を用い、樹脂100部に対し、着色剤としてカーボンブラックを4部、造核剤としてタルクを0.01部になるように添加・混合し、50mmφ単軸押出機で混練したのち造粒し、ポリプロピレン系樹脂粒子(1.8mg/粒)を製造した。
該樹脂粒子100部、分散剤としてパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム2部および分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.05部を含む水系分散媒300部、ならびに発泡剤として表1記載の組成比のブタン18部を、内容量10Lの耐圧容器に仕込み、攪拌しながら表1記載の温度まで昇温し、10分間保持した後、表1記載の組成比のブタンを追加圧入して表1記載の圧力に調整し、30分間保持した。その後、表1記載の組成比のブタンを圧入しながら容器内温、圧力を一定に保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて、水系分散媒を開孔径4.0mmφのオリフィス板を通して大気圧下に放出することによってポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をえた。
実施例1〜6に示す通り、n−ブタンを30重量%より多く含むブタンを発泡剤として使用した場合、安定的に型内発泡成形に使用しうる200μm以上のセル径のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が得られる。
一方、比較例1〜2に示す通り、発泡剤としてブタンを使用してもn−ブタン組成が低いと、得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のセル径が200μm未満となる。
特に、カーボンブラックを含む場合の比較においては、実施例2〜6ではセル径が200μm以上であるものの、比較例2では150μm未満となり、成形性に大きな差が生じる。

Claims (4)

  1. 融点が140℃以上170℃以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で水に分散させ、揮発性発泡剤を含有せしめ、該樹脂粒子の融点近傍の温度に加熱し、該発泡剤の蒸気圧以上の圧力下で混合し、該樹脂粒子と水との混合物を低圧域に放出して発泡させるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法において、揮発性発泡剤としてn−ブタンを30重量%より多く含有するブタンを用いることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  2. 基材樹脂として、ポリプロピレン系樹脂100重量部にカーボンブラックを5重量部以下含んだ樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  4. 平均セル径が200〜400μmであることを特徴とする請求項3記載のポリプロピレン系予備発泡粒子。
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