JP2007308117A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用シート11は、シートを前上がりに支持している傾斜させたスライドレール16のロアレール25と、ロアレールに摺動自在に取付けられてシートが固定されたアッパレール27との間に、上り方向の摺動抵抗より下り方向の摺動抵抗を大きくしたスライド抵抗調節機構28を備えている。スライド抵抗調節機構は、アッパレールに配置された突条部51を備え、突条部の突部61は、断面がほぼ直角三角形で、傾斜部63と、傾斜部に連なる抵抗部64と、ボール52と、弾性部材53とを備える。
【選択図】図7
Description
図13は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来の自動車のシート位置調整装置201は、シート202のレール203が前後方向に対して傾斜(傾斜角α)させて配置され、レール203に圧縮バネ204が取付けられ、圧縮バネ204によってシート202が図左方に押出されて前進し、逆に、操作者205の足206の力が圧縮バネ204の力より大きいと、シート202が図右方に後退する。
逆に、身体の大きな人がシート202を後退限の近傍まで後退させた後に、体重の軽い人がペダル207を踏んでスライドロックを解除した瞬間に、大きくたわまされていた圧縮バネ204によって、シート202が前に飛び出す場合があるという問題がある。
また、シート位置調整装置201では、シート202を前進又は後退させる際に、無段階で前若しくは後へ滑るので、所望の位置を決定し難いという問題がある。
仮に、1段毎にペダル207を踏んで、シート202を所望の段数だけ進退させることも可能であるが、ペダル207を踏む回数が多くなり、操作に手間がかかるという問題がある。
さらに、突条部は、下り方向へスライドさせる際に滑る抵抗部を形成しているので、下り方向へのシートの滑りをより確実に防止することができるとともに、所望の力でシートを後へ移動させることができる。
また、上り方向へスライドさせる際の力を小さくすることができる。
さらに、下り方向へのシートの滑りをより確実に防止することができるとともに、所望の力でシートを後へ移動させることができる。
図1は、本発明の車両用シート(第1実施の形態)の側面図であり、一部のカバーを取外した状態で示している。
図2は、図1の2部詳細図である。
また、スライドレール16は、車室23の床であるところのアンダボデー24に前後方向(X軸方向)に対して、傾斜角θだけ傾斜させて配置されたものである。言い換えると、車両12の長さ方向(X軸方向)において、シート15の前端を上げていて、前上がりに傾斜角θだけ傾けられている。Tはスライドレール16及びシート15の前進限位置、Bはスライドレール16及びシート15の後退限位置である。
右スライドレール22は、車室23の床をなすアンダボデー24に固定されている右ロアレール25と、この右ロアレール25にローラ26(図4参照)を介して摺動自在(X軸方向)に取付けられて、シート15が固定されている右アッパレール27と、右アッパレール27を右ロアレール25に係合しているスライド抵抗調節機構28(図5も参照)と、シート15のスライド(X軸方向)をロックするスライドロック機構29と、からなる。
右ロアレール25は、アンダボデー24に面している軌道部41が成形され、この軌道部41に連ねてガイド部42,38が成形されたものである。
ローラ26は、右アッパレール27に取付けられ、軌道部41をガイド部42,38に導かれて走行するローラ本体43を4個(図6参照)備えている。
なお、スライドレール16では、ローラ26を用いたが、ローラ26以外に、ボールベアリングを用いてもよい。ボールベアリングを用いた場合には、ロアレール及びアッパレールの形態をボールベアリングに対応させる。
図6は、図2の6−6線断面図であり、右スライドレール22に採用されたスライド抵抗調節機構28の平断面の状態を示している。
ケース54は、右アッパレール27に固定されるケース本体56が形成され、ケース本体56に弾性部材53並びにボール52を収納する第1収納部57と第2収納部58が形成されたものである。
弾性部材53は、例えば、圧縮ばねである。
孔46は、ボール52と右ロアレール25のガイド部42との干渉を避ける孔である。
抵抗部64は、右アッパレール27のスライド方向(X軸方向)に対して、角度δr(例えば、δr=70°)に設定した部位である。角度δrは、δr>δfで、大きい。
図1、図6及び図7に示しているように、運転者14が、スライドロック機構29の操作レバー35を上(矢印a3の方向)に引くと、係合孔39(図6参照)から係合爪37が外れ、スライドのロックが解除される。しかし、シート15は、前上がりに傾斜角θだけ傾斜していても、後(矢印a2の方向)に滑り落ちず、且つ、前に動かない。
また、逆に、スライドロックを解除した瞬間のシート15の滑り落ち(矢印a2の方向)を防止することができ、シート15が急に傾斜方向(矢印a2の方向)に滑るのを防止することができる。
引き続き、運転者14が、前へ引く力Ffを加える。シート15に摺動抵抗より大きな前に引く力Ffを加えると、右アッパレール27に配置したボール52は、弾性部材(圧縮ばね)53に抗して突条部51の突部61の傾斜部63を矢印a5のように上り始める。傾斜部63は、小さな角度δf(例えば、δf=30°)なので、ボール52に発生する上りの抵抗は小さく、前上がりに傾斜したシート15を前に移動させて上げるための力Ffを小さくすることができる。
逆に、運転者14が、シート15に摺動抵抗より大きな後に押す力Frを加えると、右アッパレール27に配置したボール52は、弾性部材(圧縮ばね)53に抗して突条部51の突部61の抵抗部64を矢印a6のように上り始める。抵抗部64は、大きな角度δrなので、傾斜部63の角度δfに比べ、ボール52に発生する下りの抵抗は大きく、前上がりに傾斜したシート15を後に移動させて下げるための力Frを大きくすることができる。
つまり、スライドロックを解除した瞬間のシート15の滑り落ちを防止することができる。
従って、操作が簡単で、シート15を後へ移動させるときのスライド量Srを把握することができる。
図10は、第2実施の形態を説明する図であり、図6に対応する図である。図3及び図4を併用して説明する。
第2実施の形態の車両用シート11Bは、スライドレール16Bを備えたことを特徴とする。
スライドレール16Bは、右スライドレール22Bを備えたことを特徴とする。
右スライドレール22Bは、スライドロック機構29の係合孔39を利用してスライド抵抗調節機構28が取付けられている。具体的には、スライドロック機構29の係合孔39の間に突条部51の突部61が配置され、係合孔39に突条部51の逃がし孔62が配置されている。
また、第2実施の形態の車両用シート11Bでは、スライドロック機構29の係合孔39を用いて突条部51が配置されているので、スライドロック機構29の係合孔39を兼用することができるという利点がある。
第3実施の形態の車両用シート11Cは、スライド抵抗調節機構28Cを備えたことを特徴とする。
スライド抵抗調節機構28Cは、弾性部材53Cを備え、弾性部材53Cは、板ばねである。
弾性部材(板ばね)53Cは、ケース54の第1収納部57と第2収納部58に掛けている掛止部71と、掛止部71に連なりボール52を支持しているボール支持部72とからなる。
なお、弾性部材(板ばね)53Cは一例であり、弾性部材(板ばね)は突条部51にボール52を押圧する形態であればよい。
第4実施の形態の車両用シート11Dは、スライド抵抗調節機構28Dを備えたことを特徴とする。
スライド抵抗調節機構28Dは、ケース54の第1収納部57と第2収納部58に掛けている弾性部材53Dを備える。
弾性部材53Dは、板ばねであり、ボール52に相当する、凸部74を有する。凸部74は、弾性変形する部位である。
Claims (4)
- 車室の床に前後方向に対して傾斜させて取付けられ、シートを前後にスライド自在に支持しているスライドレールを備えた車両用シートにおいて、
前記スライドレールは、前記床に固定されたロアレールと、該ロアレールに摺動自在に取付けられてシートが固定されたアッパレールとが係合し、上り方向の摺動抵抗より下り方向の摺動抵抗を大きくしたスライド抵抗調節機構を備えていることを特徴とする車両用シート。 - 前記スライド抵抗調節機構は、前記ロアレール又は前記アッパレールのどちらか一方のレールに配置されて、他方のレールへ向かって隆起している突条部を備え、
前記突条部は、複数の突部が一列に配置されたもので、前記突部は、前記上り方向へスライドさせる際に滑る傾斜部と、該傾斜部に連なり、下り方向へスライドさせる際に滑る抵抗部と、からなることを特徴とする請求項1記載の車両用シート。 - 前記スライドレールは、シートのスライドをロックするスライドロック機構を備え、
前記突条部は、前記スライドロック機構の係合孔の間に配置されていることを特徴とする請求項2記載の車両用シート。 - 前記スライド抵抗調節機構は、前記他方のレールに配置されて、前記突条部に当接しているボールと、該ボールを突条部に押付けている弾性部材と、を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両用シート。
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