JP2007307576A - 溶接装置とそれによる溶接方法 - Google Patents

溶接装置とそれによる溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接の作業能率を上げられ、溶接物製品のコストの低減が図れるようにする。
【解決手段】2つの溶接作業域Z1、Z2に配置されて被溶接材1、2を受載し溶接に供する定盤81、82、これら定盤81、82に受載されるどの被溶接材1、2をも溶接できるよう自走機能を有し、単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つにより溶接を行う溶接ロボット7、溶接ロボット7の1つの定盤81または82での溶接作業域Z1またはZ2を単独で、あるいは他の設備、設置物83、建造物などの静止物と協働して覆う大きさおよび形状を持ち、一方の定盤81での溶接作業域Z1と他方の定盤82での溶接作業域Z2とに移動できる自走機能を有したレーザ漏れ防止カバー体84、を備えて、上記の目的を達成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、主として、長尺な構体材を溶接接合して鉄道車両の台枠、側枠構体、屋根構体などを形成するのに好適な溶接装置とそれによる溶接方法に関するものである。
鉄道車両では、昭和58年当時から、ダブルスキン構造である大型薄肉中空形材やシングルスキン構造である大型薄肉形材を車体長手方向に車体の全断面にわたって配置し、各形材接続部を連続溶接して組み立てた構体で、組立ての自動化、機械化を拡大して生産を合理化し、アルミニウム合金製車体のコスト低減を図ることが既に実用され知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、新幹線車両では、昭和61年当時から、高速性能性向上、ランニングコスト、製作コスト低減のために徹底した軽量化が必要であるとの認識から、アルミニウム合金大型中空押出形材を構体材として用い、従来構造の柱、梁、垂木、補強などの多数の内部骨組部材の全く無い車体が試作され、ダブルスキン構造をなす中空材とすることにより車体の内、外面を直接溶接するのみで、十分な溶接強度が確保され、熱影響による歪み発生もなく、全自動溶接、車体回転治具の採用も容易なものになったとされている(例えば、非特許文献2参照。)。
溶接接合する構体材対はダブルスキン構造の場合を例にとると、図8(a)(b)(非特許文献2の写真4−1−4)に示すように、一方の構体材aの側縁における外面板a1および内面板a2間に、他方の構体材bにおける外面板b1および内面板b2を嵌め合せる嵌合継手をなして突き合せ、外面板a1、b1間、内面板a2、b2間に形成した開先部cにてMIG溶接するようにしている。開先部cの角度θは一般に70°程度とされている。
別に、同じような嵌合形式であるが、外面板どうし、内面板どうしをそれらの端部にてI型開先に突き合せ、FSW方式にて摩擦接合するようにしたものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。一般に摩擦拡散接合などと称される溶接方法である。また、外面板どうしをI型開先に突き合せた部分を内面側から摩擦溶接することで、外面の後加工が不要になるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。なお、外面板どうしの突き合せ部を摩擦溶接するために内面板間に形成していた開放部は蓋板を当てがい両側の内面板と突き合せた2箇所を摩擦溶接するようにしている。
また、別に、摩擦接合には時間が掛かることから、外面板どうし、内面板どうしの一方を摩擦溶接し、他方をMIGまたはTIGのアーク溶接するようにした技術も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
さらに、突き合せ構造ではないが、鉄道車両にレーザ溶接を適用する技術も知られている(例えば、特許文献4、5参照。)。
ところで、上記のようなアルミニウム合金製の構体材どうしのレーザを用いた溶接のために、本出願人は、例えば図9に示すような溶接装置を先願である特願2005−171261号などにて先に提案し、使用している。この溶接装置の例では図示するように、レーザ漏れ防止カバーdで四周および天を覆った1つの溶接作業域f内に溶接方向に自走できる溶接ロボットgを設置するのに併せ、この溶接ロボットgによって溶接する構体材を構体形成状態に組合わせて受載し溶接に共する受載治具付きの定盤を、溶接作業域fの左右、つまり前記溶接方向両側に配置して、自走機能を有した治具台車h1、h2とし、左右の治具台車h1、h2は車体の側、屋根、妻などの構体などを構成する構体材の組合せ体を支持して溶接作業域fへ交互に進入してレーザ溶接に供することを繰り返し、溶接作業域fから出る都度溶接によって製作した構体を取外して新たな構体材の組合せ体と交換する。
これによると、上記のようなアルミニウム合金製のシングルスキン構造やダブルスキン構造の構体材どうしの全長にわたる連続した溶接に便利であるが、外板や骨材の構体材の組み合わせ体の不連続な、また、縦横に走る溶接も適用している。また、溶接ロボットgにどのような溶接ヘッドを搭載するかで、複数異種レーザどうしのハイブリッド、レーザとアークとのハイブリッド、特にレーザとMIGアークとのハイブリッドなどでの溶接もできる。
軽金属車両委員会報告書No.4 昭和53年―昭和58年(軽金 属車両委員会編集)180〜184頁 軽金属車両委員会報告書No.5 昭和59年―平成2年(軽金属 車両委員会編集)41〜43頁 特開2000−202650号公報 特開2000−205218号公報 特開2004−223587号公報 特開2002−361454号公報 特開平10−230845号公報
ところで、本発明者等は、生産性の向上、コストの低減をさらに図るべく、研究、開発に取り組み種々に実験をし検討を重ねているなか、先願のようにレーザを用いる溶接では、MIG溶接を併用するハイブリッド溶接とすることにより、溶接接合する突合せ部を70°の開先に対してMIG溶接している従来の場合に比し、狭開先での溶接にて、十分な溶け込み深さと所定のビード幅が得られ、溶接強度を満足して、溶接速度の向上、入熱量の低減による歪みの低減、仕上げ加工量の減少といった特徴を発揮することができ、生産性の向上と、コストの低減が図れることを知見している。
しかし、本発明者は、既述のような溶接装置の使用においてそのような溶接速度の高速化に対応しようとしているが、溶接装置全体の稼動効率を向上するには問題がある。具体的には、現新幹線車両の車体長が25m程度と長尺で、それを支持する治具台車h1、h2の一台の重量は約19ton弱という大重量物となっている。その内訳は定盤が約18ton、治具が約1tonである。このため、左右の治具台車h1、h2を1つの溶接作業域fに対して交互に進入させる動作の高速化が困難である。比較的大きな駆動トルクによっても大重量物は極く低速でしか動き始めず、動き出しても停止させるエネルギを考えればさほどの高速化はできない。また、さほどの高速でないにしても所定位置に無理なく停止させるには十分に減速していくことが必要となり、シングルスキン構造に対し重量が倍増以上となるダブルスキン構造の構体材を取り扱う場合はなおさらで、治具台車h1、h2の移動時間による溶接の待ち時間が長くなってしまい、全体として溶接作業能率があまり上がらない結果となっている。
そこで、溶接作業域fを覆うレーザ漏れカバー体dの重量は治具台車h1、h2の一台分の重量のほぼ半分程度であることに着目し、溶接の作業能率を十分に上げられる溶接方式を実現するに至った。
本発明の目的は、上記のように溶接の作業能率を上げられ、溶接物製品のコストの低減が図れる溶接装置とそれによる溶接方法を提供することにある。
上記のような課題を達成するために、本発明の溶接装置は、2つの溶接作業域のそれぞれに配置され、被溶接材を受載し溶接に供する定盤と、各溶接作業域にある定盤のいずれに受載される被溶接材をも溶接できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有し、単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つにより溶接を行う溶接ロボットと、溶接ロボットの1つの定盤での溶接作業域を単独で、あるいは他の設備、設置物、建造物などの静止物と協働して覆う大きさおよび形状を持ち、一方の定盤での溶接作業域と他方の定盤での溶接作業域とに移動できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有したレーザ漏れ防止カバー体と、を備えたことを1つの特徴としている。
このような構成では、2つの溶接作業域の一方の定盤上に被溶接材を初期配置するか先の溶接済みの溶接物に換えて配置した後、そこに溶接ロボットおよびレーザ漏れ防止カバー体を自走させて、一方の溶接作業域を溶接ロボットと共にレーザ漏れ防止カバー体で覆った状態として、一方の溶接作業域の定盤上に配置した被溶接材に対し、溶接ロボットの自走を伴い単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つによる溶接を行うのに併せ、他方の溶接作業域の定盤上に被溶接材を初期配置するか先の溶接済みの溶接物に換えて配置することと、一方の溶接作業域での溶接作業後、溶接ロボットおよびレーザ漏れ防止カバー体を他方の溶接作業域に自走させて他方の溶接作業域を溶接ロボットと共にレーザ漏れ防止カバー体で覆った状態として、他方の溶接作業域の定盤上に初期配置しまたは先のものに換えて配置している被溶接材に対し、溶接ロボットの自走を伴い単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つによる溶接を行うのに併せ、一方の溶接作業域の定盤上の溶接済みの溶接物に換えて次の被溶接材を配置することと、を繰り返し、多数の溶接物を得ることを特徴とした溶接方法が実現する。
それによって、2箇所に設けた溶接作業域での治具付き定盤を移動させることなく、従って、治具つき定盤を移動させることによる溶接作業能率への影響なく、それらの位置に溶接ロボットが交互に自走して各定盤の上に受載する被溶接材につき、少なくともレーザによる溶接を行うことができ、併せ、2つの溶接作業域に対して1つのレーザ漏れ防止カバーを交互に移動させて前記溶接時にレーザが外部に漏れるのを防止でき、しかも、レーザ漏れ防止カバー体の移動重量が治具付き定盤2つ分の移動重量に比し約1/4と軽量でその分だけ高速移動ができ、移動の待ち時間を軽減しまたは無くせる。
本発明の容接装置は、また、2つの溶接作業域のそれぞれに配置され、被溶接材を受載し溶接に供する定盤と、各溶接作業域にある定盤のいずれに受載される被溶接材をも溶接できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有し、単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つにより溶接を行う溶接ロボットと、溶接ロボットの1つの定盤での溶接作業域を単独で、あるいは他の設備、設置物、建造物などの静止物と協働して覆う大きさおよび形状を持ち、一方の定盤での溶接作業域と他方の定盤での溶接作業域とに移動できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有したレーザ漏れ防止カバー体と、を備え、レーザ漏れ防止カバー体は少なくとも溶接作業域配置方向に2分割されて、それぞれに自走機能を有したものであることを別の特徴としている。
このような構成では、1つの特徴の場合に加え、さらに、レーザ漏れ防止カバー体を溶接作業域配置方向に分割しておき、その分割カバー体どうしが互いに離間するように少なくとも一方を自走させて、溶接ロボットをその自走を伴いまたは伴なわないでまわりを開放させ、ティーチング、消耗材の交換や補充、メンテナンスを行う溶接方法が実現する。
この結果、レーザ漏れ防止カバー体は少なくとも溶接作業域配置方向に2分割されて、それぞれに自走でき、時間差を持った移動によりレーザ漏れ防止カバー体はその分割部分で離間して開くので、溶接ロボットをその自走を伴い、または伴なわないで、レーザ漏れ防止カバー体の自走方向両端の端部壁の邪魔無しにまわりを開放させられるので、ティーチング、MIG溶接のための溶加材の補給、メンテナンスを行うことができる。特に、溶加材は線材をコイル状に巻いてドラム缶状容器に収容して用いるもので、その重量は100kg程度とこれもかなりな重量物でクレーンによる持ち運びとなるが前記開放空間を利用して難なく行える。
レーザ漏れ防止カバー体は、側壁にドア付きの出入り口を有している、さらなる構成では、
レーザ漏れ防止カバー体が停止してさえいれば、分割部で開放する動作を省略して出入り口を通じて出入りし、メンテナンスなど各種の作業ができる。
レーザを発振するレーザ発振系と、溶接ロボットおよびレーザ漏れ防止カバー体の動作を伴なう溶接動作をプログラムに従い制御する制御系と、この制御系を通じ溶接作業の開始、停止、レーザ漏れ防止カバー体の移動の開始、の指令を行う操作系とを備えた、さらなる構成では、
制御系によってプログラムに従い溶接作業を制御するのに、広域で大掛かりな溶接作業を作業者が監視しながら、操作系によって溶接作業の開始、停止、レーザ防止カバー体の移動の開始、の指令を行い、制御系を通じ実行することで、制御の混乱無しに作業者が溶接作業を思うように進められる。
レーザ発振系が、2つの溶接作業域が並んだ溶接作業ラインの一側に設定した副作業域側に設置し、操作系は単独であるいは制御系と共に、前記溶接作業ラインの他側に設定した主作業域側に設置した、さらなる構成では、
大きなレーザ漏れ防止カバー体が2つの溶接作業域を往復する作業環境において、溶接作業ラインの一側に大きなレーザ発振系を設置しながらも作業頻度の低い副作業域として動きが制限される小スペースとし、他側に小さな単独または制御系と共の操作系を設置してそれが邪魔になりにくい作業頻度の高い主作業域として大掛かりなクレーンなどを取り扱える広域スペースとし、作業頻度と作業内容による住み分けに対応できる。
レーザ漏れ防止カバー体の停止位置には、レーザ漏れ防止カバー体の到達を検出して制御系に停止信号を出力する停止用センサを設け、停止位置の手前には、レーザ漏れ防止カバー体の到達を検出して制御系に低速化信号を出力する低速化センサを設けた、さらなる構成では、
治具台車に対して軽量であるが、なお重量物であるレーザ漏れ防止カバー体を移動させるのに、停止位置近くの低速化センサによるレーザ漏れ防止カバー体が到達したことにより以降低速化されるようにする働きと、停止位置の停止センサによるレーザ漏れ防止カバー体が到達したことにより停止されるようにする働きとの、協働により、レーザ漏れ防止カバー体を上限速度で移動させながらも、停止位置へ無理無く確実に停止させられる。
制御系は、レーザ漏れ防止カバー体の自走中、レーザ漏れ防止カバー体が溶接ロボットの位置する溶接作業域にないとき、のいずれも溶接ロボットによる溶接作業を停止する、さらなる構成では、
溶接ロボットが位置した溶接作業域が、停止したレーザ漏れ防止カバー体によって覆われた安全な条件でのみ、溶接作業が実行される。
副作業域とレーザ漏れ防止カバー体の自走域との間は仕切り壁によって仕切り、レーザ漏れ防止カバー体はこの仕切り壁と協働して溶接作業域を覆う、さらなる構成では、
副作業域側に対し、レーザ漏れ防止カバー体の自走域および主作業域側を仕切り壁によって仕切って作業空間としての独立性を確保しながら、その仕切り壁を作業域のレーザ漏れ防止覆いに利用して、レーザ漏れ防止カバー体の仕切り壁側の壁を無くし、走行重量を軽減することができる。
レーザ漏れ防止カバー体は、仕切り壁側開口の上縁部に、仕切り壁に設けたレールに案内される走行輪を持ち、仕切り壁と反対側の側壁の下縁部に、床面に設けたレールに案内される走行輪を持っている、さらなる構成では、
仕切り壁側の側壁がないレーザ漏れ防止カバー体であっても、仕切り壁側の開口の上縁部と、仕切り壁と反対側の側壁の下縁部との自走方向への連続性を有効利用した複数位置でのガイドにより安定して走行させられる。
レーザ漏れ防止カバー体は、静止物との対向縁に、その静止物に近接、当接または摺接するゴム製のシール材を設けている、さらなる構成では、
レーザ漏れ防止カバー体が走行するのに、静止物との対向縁に設けたゴム製のシール材が静止物に近接、当接または摺接してシールするので、静止物と対向縁とのハード部材どうしの干渉を避けながら、対向部間からレーザが漏れるのを防止することができる。
側壁のシール材は、床面のレールを敷設した凹部内に入り込んでいる、さらなる構成では、
側壁のシール材が床面のレールを敷設した凹部内に入り込むことで、側壁の下縁が対向する床側と近接する程度でレーザの漏れを確度よく遮断することができる。
レーザ漏れ防止カバー体は、自走方向で見た両端部の端部壁に定盤とこれに受載される被溶接材との干渉を避ける開口を持ち、この開口を溶接作業時に閉じるように設けたシャッタの下縁にもシール材を有している、さらなる構成では、
レーザ漏れ防止カバー体の自走時に、自走方向両端の端部壁の開口にて、定盤やそれに受載された被溶接材との干渉が解消され、被溶接材などをクレーンなどにて交換するような作業に対し、レーザ漏れ防止カバー体を分割部で開放する作業が省略できる。また、この開口にはシャッタが設けられて、溶接作業域に到達したときにはこれを閉じることで、開口によるレーザ漏れを防止することができるし、シャッタの下縁に設けたゴム製のシール材が床面に近接、当接または圧接するので、それらの対向部分でのレーザ漏れも防止することができる。
溶接は、どのような継手でも行えるが、特に、被溶接材どうしの突合せ部を溶接接合する溶接方法の場合、被溶接材を、鉄道車両用の構体材として、1車両分の特定の構体を形成する連続状態で定盤上に保持しておき、1つの溶接作業域にて車両の長手方向に走る複数の溶接対象箇所を1箇所ずつ溶接ロボットの自走により連続溶接して、鉄道車両の構体を形成することができる。
構体材は、アルミニウム系の押出し形材よりなりシングルスキンまたはダブルスキン構造を有し、それらの側縁間において、面板どうしのMIG溶接による従来開先に比し狭開先とした突き合せ部を、レーザ・MIGハイブリッド溶接によりMIG溶接の場合よりも高速で溶接して接合し構体を形成する、さらなる溶接方法では、
ルートの母材部に対し先行するレーザ溶接により高速で細く深い溶け込みを図りながら、その直後をMIG溶接により追随することでルートギャップの許容度を持ったビード幅と所定の溶け込み深さでの高速な溶け込みを実現することができる。
特に、面板どうしの50°未満またはグルーブ開口幅/板厚<0.9の狭開先とした突き合せ部を、レーザ・MIGハイブリッド溶接により溶接して接合し構体を形成する、さらなる構成では、
ルートの母材部に対し従来よりもさらに狭開先なのを生かしながら先行するレーザ溶接により高速で細く深い溶け込みを図りながら、その直後をMIG溶接により追随することで必要なルートギャップの許容度を持ったビード幅と所定の溶け込み深さでの高速な溶け込みと溶加材充填を実現し、ルートの50°未満または開先開口幅/板厚<0.9とより一層の狭開先によるグルーブの断面形状によって十分に制限し、アークの放電域をルートギャップの許容に必要な範囲に見合うビード幅域に制御することができる。
本発明の溶接装置の1つの特徴によれば、溶接ロボットの自走と、2つの治具付き定盤に比し約1/4程度と軽量なレーザ漏れカバー体の自走とを伴い、2箇所の溶接作業域を交互に利用した作業能率のよい溶接を、レーザ漏れに対する安全を確保して、移動負荷少なく、従って、高速性を発揮して実現し、溶接物製品の生産性の向上とコストの低減が図れる。
また、レーザ漏れ防止カバー体の分割カバー体どうしが溶接作業域配置方向に離間するように自走することで、レーザ漏れ防止機能を損なうことなく、溶接ロボットのまわりを開放させて、ティーチングや溶加材などの重量物消耗材の交換や補充、メンテナンスを目視しながら、また、大掛かりな重量物取り扱い機器の使用などにおいてまわりとの干渉なしに、容易に行なえる。
また、停止したレーザ漏れ防止カバー体の出入り口を通じて人が出入りし、メンテナンスなど各種の作業が手軽にできる。
また、大掛かりな溶接作業であっても、作業者による溶接作業やまわりの状況の判断に基づき、制御系と共にあるいは単独で大きなレーザ発振系から独立した操作系によって作業者が優先して制御系を通じた自動的な溶接作業を的確かつ安全に進行させられるし、メンテナンスなどにも自由に対応できる。
また、2つの溶接作業域が並んだ溶接作業ラインの一側を制御系を配した作業頻度が低く作業スペースが小さくてよいがデリケートな機器の安全を確保したい副作業域側と、溶接作業ラインの他側を操作系を配して作業頻度が高くレーザ漏れ防止カバーの走行やクレーン操作などの広域作業を含む主作業域側とに住み分けて、それぞれに必要な作業環境が無駄なく的確に得られる。
また、レーザ漏れ防止カバー体を移動させるのに、停止位置近くからの低速化と、それに続く停止位置への停止とを、レーザ漏れ防止カバー体のセンサによる位置検出の基に的確に達成することができる。
また、制御系により、溶接作業域に溶接ロボットが位置し、それらを覆ったレーザ漏れ防止カバー体が停止した安全な条件でのみ、溶接作業が実行される。
また、付帯しているクレーンをレーザ発振系から制御系と共にあるいは単独で独立した操作系を利用した作業者の操作により、制御系を通じ溶接作業の遂行と相互の安全を確保しながら、作業者優先で重量物である溶加材をクレーンにて取り扱い、補充や交換などができる。
また、副作業域とレーザ漏れ防止カバー体の自走域とを仕切り壁によって互いの独立性を確保しながら、仕切り壁を作業域のレーザ漏れ防止覆いに利用し、レーザ漏れ防止カバー体の走行重量を軽減することができる。
また、仕切り壁併用側の側壁を省略し開口とした断面Γ型のレーザ漏れ防止カバー体でも、その開口の上縁部と反対側の側壁の下縁部との連続性を利用したガイドにて安定に走行させられる。
また、レーザ漏れ防止カバー体は走行するが、静止物に対して対向縁がゴム製のシール材にて近接、当接または摺接し、相互間のハード部材どうしが干渉し合うことなく、レーザが漏れ出てまわりの器物や機器、人に影響するのを防止することができる。
また、レーザ漏れ防止カバー体の側壁のシール材が床面のレールを敷設した凹部内に入り込むことで、前記近接する程度の相互関係にてレーザの漏れを確度よく遮断することができる。
また、レーザ漏れ防止カバー体はその自走方向両端の開口にて定盤や被溶接材との干渉なく自走して溶接作業域を開放できるので、被溶接材などをクレーンなどにて交換するような作業に対し、レーザ漏れ防止カバー体を分割部で開放する作業が省略できる。しかも、溶接作業域を覆うときは開口をシャッタで閉じ、かつ、シャッタ下縁のゴム製のシール材が床面に近接、当接または圧接するので、レーザ漏れを十分に防止することができる。
また、溶接は被溶接材どうしの突合せ溶接とすることにより、被溶接材を鉄道車両用のシングルスキン構造またはダブルスキン構造を持った構体材として、1車両分の特定の構体を形成する連続状態にし、1つの溶接作業域にて車両の長手方向に連続溶接することを、必要な突合せ部数だけ行い、鉄道の在来線車両や新幹線車両の構体をより能率よく、より低コストに形成することができる。
また、先行するレーザ溶接と、追随するMIG溶接とにより、ルートギャップの許容度を持ったビード幅で所定深さの高速な溶け込みを実現して、高速度溶接、入熱量減少による歪みの低減、十分な溶接強度を確保し、かつ、レーザ溶接による昇温、溶融環境で飛翔電子がアークを誘導する誘導域をルートの断面形状で制限しアークの放電域、従ってビード幅をルートギャップを許容する必要最小限に制御し、ビード幅が徒に大きくなって前記溶接の品質が低下するのを防止しやすい。
特に、50°未満またはグルーブ開口幅/板厚<0.9と、従来よりもさらに狭開先なのを、レーザ溶接とMIG溶接の組み合わせに生かし、アークの放電域がルートギャップの許容範囲以上になるのを、板厚によって溶接強度上許容される、より狭く、あるいは開先0度にも対応して、溶接速度の向上と入熱量の減少を限度一杯まで図れる。
本発明の溶接装置とそれによる溶接方法に係る実施の形態につき、図1〜図7を参照しながら具体的に説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
本実施の形態の溶接装置は図1、図4に示すように、2つの溶接作業域Z1、Z2のそれぞれに配置され、例えば図5、図6に示すような鉄道車両の構体材1、2などの被溶接材を、図1(a)〜(c)、図4に示すように受載し溶接に供する治具81a、82a付きの定盤81、82と、各溶接作業域Z1、Z2にある定盤81、82のいずれに受載される構体材1、2をも溶接できるよう溶接作業域配置方向である縦方向X−Xでの自走機能を有し、レーザ発振系86からの単独レーザビーム14、溶接特性の異なるLDレーザとYAGレーザなどの複数異種レーザによるハイブリッド、図7に示すようなレーザビーム14とアーク15によるハイブリッドの1つにより溶接を行う溶接ロボット7と、溶接ロボット7の1つの定盤81または82での溶接作業域Z1またはZ2を単独で、あるいは他の設備、図1(a)、図3、図4に示すような設置物83、建造物などの静止物と協働して覆う大きさおよび形状を持ち、一方の定盤81での溶接作業域Z1と他方の定盤82での溶接作業域Z2とに移動できるよう溶接作業域配置方向X−Xでの自走機能を有したレーザ漏れ防止カバー体84とを備えている。
図示する例では、溶接ロボット7は溶接方式に対応した溶接ヘッド、具体的には図7に示すようなレーザビーム14を照射する図示しないレーザビームヘッドおよびアーク15を放電させるトーチ4を持った溶接ヘッド6を持ち、各溶接作業域Z1、Z2に亘って自走し溶接を行う溶接作業ライン80の両側に敷設した縦方向X−Xのレール85、85によって案内され自走するための図示しない左右の車輪を左右の脚7a、7bの前後に有した門型形態をなして定盤81、82に跨がる状態で溶接作業ライン80に沿って自走し、各溶接作業域Z1、Z2での溶接を交互に行う。自走は溶接ロボット7に搭載し図示しない車輪を回転駆動する電動モータを制御系297により駆動制御して適時に行う。また、溶接ヘッド6は縦方向X−Xに直交する横方向Y−Yに移動できるように搭載されており、制御系297からの制御によって適時に横移動され、横方向の溶接のほか、縦向きの溶接位置への移動などが行われる。また、縦方向X−X、横方向Y−Yが複合した移動を含めどのような溶接にも対応できる。
また、レーザ漏れ防止カバー体84はレーザビーム14が照射後各部に反射して万一にも外部に漏れ出るのを防止するもので、図2、図3に示すような金属製の骨組87に金属パネル88を張り合わせるなどしたものであるが、照射するレーザビーム14を遮断し、かつレーザビームに侵食されなければどのようなものでもよく、目に見えないレーザビーム14である場合に特に有益である。覆い形態としては通常、箱体をうつ伏せにして溶接ロボット7をそれが設置された床面89上で四周および天を覆うものとなり、溶接ロボット7用のレール85、85の外側に敷設したレール91、91上を車輪92により自走できるようにすればよい。しかし、図1(a)、図3、図4に示すように溶接作業ライン80の一方側に、溶接作業ライン80とレーザ発振系86とを仕切る仕切り壁としての設置物83が位置していることにより、これと協働して溶接作業域Z1、Z2を個別に覆えるようにしている。これによって、レーザ漏れ防止カバー体84は前記箱をうつ伏せにした形態から設置物83側の側壁を省略して開口84dとした簡易形態をなしている。また、これに関連して、車輪92はレーザ漏れ防止カバー体84の開口84dとは反対の側の側壁84eの下縁の前後に設けて床面のレール91によって案内するようにしているが、開口84dの側では、図3に示すようにレーザ漏れ防止カバー体84の開口84dの上縁部84fの前後に車輪92を設けて、設置物83の壁面に敷設したレール91によって案内するようにしている。この場合も、車輪92を回転駆動する電動モータ93を制御系297によって駆動制御し適時に自走させる。
このような溶接装置では、2つの溶接作業域Z1、Z2の一方の定盤81上に構体材1、2を初期配置するか先の溶接済みの溶接物に換えて配置した後、そこに溶接ロボット7およびレーザ漏れ防止カバー体84を自走させて、一方の溶接作業域Z1を溶接ロボット7と共に、レーザ漏れ防止カバー体84で覆った状態として、一方の溶接作業域Z1の定盤81上に配置した構体材1、2に対し、溶接ロボット7の自走を伴い単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザビーム14とアーク15によるハイブリッドの1つによる溶接を行うのに併せ、他方の溶接作業域Z2の定盤82上に構体材1、2を初期配置するか先の溶接済みの溶接物に換えて配置することと、一方の溶接作業域Z1での溶接作業後、溶接ロボット7およびレーザ漏れ防止カバー体84を他方の溶接作業域Z2に自走させて他方の溶接作業域Z2を溶接ロボット7と共に、レーザ漏れ防止カバー体84で覆った状態として、他方の溶接作業域Z2の定盤82上に初期配置しまたは先のものに換えて配置している構体材1、2に対し、溶接ロボット7の自走を伴い単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザビーム14とアーク15によるハイブリッドの1つによる溶接を行うのに併せ、一方の溶接作業域Z1の定盤81上の溶接済みの溶接物に換えて次の構体材1、2を配置することと、を繰り返し、多数の溶接物を得るような溶接方法が実現する。
これによって、2箇所に設けた溶接作業域Z1、Z2での治具81a、82a付き定盤81、82を移動させることなく、従って、治具81a、82a付き定盤81、82を移動させることによる溶接作業能率への影響なく、それらの位置に溶接ロボット7が交互に自走して各定盤81、82の上に受載する構体材1、2につき、少なくともレーザビーム14による溶接を行うことができ、併せ、2つの溶接作業域Z1、Z2に対して1つのレーザ漏れ防止カバー体84を交互に移動させて前記溶接時にレーザビーム14が反射などを伴い外部に漏れ出るのを防止でき、しかも、レーザ漏れ防止カバー体84の移動重量が治具81a、82a付き定盤81、82分の移動重量に比し約1/4と軽量でその分だけ高速移動ができ、溶接の待ち時間を軽減しまたは無くせる。この結果、溶接ロボット7の自走と、2つの治具81a、82a付き定盤81、82に比し約1/4程度と軽量なレーザ漏れ防止カバー体84の自走とを伴い、2箇所の溶接作業域Z1、Z2を交互に利用した作業能率のよい溶接を、レーザ漏れに対する安全を確保して、移動負荷少なく、従って、高速性を発揮して実現し、鉄道車両の構体といった各種の溶接物製品の生産性の向上とコストの低減が図れる。
特に、レーザ漏れ防止カバー体84は図1(a)(b)(c)、図4に示す分割カバー体84a〜84cのような3つ以上でもよいが、少なくとも縦方向X−Xに2分割されて、それぞれに車輪92および電動モータ93などによる自走機能を有したものとする。このように、レーザ漏れ防止カバー体84を縦方向X−Xに分割しておき、例えば、図1(c)に示すように分割カバー体84aと分割カバー体84b、84c組とが、互いに離間するように少なくとも一方を自走させて、溶接ロボット7をその自走を伴いまたは伴なわないでまわりを開放させ、ダイレクトティーチングなどのティーチング、消耗材の交換や補充、メンテナンスを行う溶接方法が実現する。このように、レーザ漏れ防止カバー体84は少なくとも縦方向X−Xに2分割されて、それぞれに自走でき、時間差を持った移動によりレーザ漏れ防止カバー体84はその分割部分で離間して開くので、溶接ロボット7をその自走を伴い、または伴なわないで、レーザ漏れ防止カバー体84の自走方向両端の端部壁84g、84hの邪魔無しにまわりを開放させられるので、ティーチング、MIG溶接する場合の溶加材の補給、メンテナンスを行うことができる。特に、溶加材は線材をコイル状に巻いてドラム缶状容器に収容して用いるもので、その重量は100kg程度とこれもかなりな重量物でクレーンによる持ち運びとなるが前記開放空間を利用して難なく行える。なお、溶接ロボット7は図1(a)〜(c)に示すような溶加材供給部94を有し、この溶加材供給部94に溶加材を補給することになる。もっとも、MIG溶接トーチ4への初期挿入は作業員によって実施することになる。この結果、レーザ漏れ防止カバー体84の分割カバー体84aと分割カバー体84b、84cとが縦方向X−Xに離間するように自走することで、レーザ漏れ防止機能を損なうことなく、溶接ロボット7のまわりを開放させて、ティーチングや溶加材などの重量物消耗材の交換や補充、メンテナンスを目視しながら、また、大掛かりな重量物、例えば図4に例示するような天井クレーン197などの取り扱い機器の使用などにおいてまわりとの干渉なしに、容易に行なえる。
また、レーザ漏れ防止カバー体84は、大掛かりで溶接作業ライン80が長尺となるほど大型となるが、図1、図4に示すように3分割などとその分割数を増大することにより、その製作が楽になり、1つ1つの自走重量を軽減して慣性や移動負荷を軽減し、移動速度を上げやすくすることはできる。しかし、それでは分割カバー84a、84b、84cごとに自走機構が必要となる。そこで、レーザ漏れ防止カバー体84は、その分割数に関係なく前記のように溶接ロボット7を開放するのに必要な一箇所を除いた分割部を連結し、1つのものとして取り扱えるようにすることもでき、それによって分割数にかかわらず自走機構は2つでよくなる。側壁84eに図2、図4に示すようなドア66付きの出入り口65を有している。これにより、レーザ漏れ防止カバー体84が停止してさえいれば、分割部で開放する動作を省略して出入り口65を通じて出入りし、メンテナンスなど各種の作業が手軽にできる。また、設置物83の適所にもドア付き出入り口83aが設けられ、作業者が出入りできるようにしている。
さらに、本実施の形態の溶接装置は、溶接ロボット7およびレーザ漏れ防止カバー体84の動作を伴なう溶接に必要な各種の動作をプログラムに従い制御する既述したような制御系297に、この制御系297を通じ溶接作業の開始、停止、レーザ防止カバー体の移動の開始、の指令を行う図1(a)に示すような操作系97を備え、前記レーザ発振系86から独立したものとしている。これにより、制御系297によってプログラムに従い溶接作業の動作を制御するのに、広域で大掛かりな溶接作業を作業者が監視しながら、操作系97によって溶接作業の開始、停止、レーザ防止カバー体の移動の開始、の指令を行い、制御系297を通じ実行することで、制御の混乱無しに作業者が溶接作業を思うように進められる。従って、在来線や新幹線車両の構体を製造する場合のような大掛かりな溶接作業であっても、作業者による溶接作業やまわりの状況の判断に基づき、独立した操作系97によって作業者が優先して制御系297による自動的な溶接作業を的確かつ安全に進行させられるし、メンテナンスなどにも自由に対応できる。ここに、制御系297はレーザ発振系86に比し格段に小さくかつ危険性もないので本実施の形態のように操作系97と一体に設置することで相互間に必要な多数の信号ラインを内部配線構造とすることができる。
また、図1に示すように、レーザ発振系86は溶接作業ライン80の一側に設定した副作業域SW側に設置し、操作系97は制御系297と共にレーザ発振系86から独立して溶接作業ライン80の他側に設定した主作業域SM側に設置している。これにより、大きなレーザ漏れ防止カバー体84が2つの溶接作業域Z1、Z2を往復する作業環境において、溶接作業ライン80の一側に大きく万一の場合に危険でもあるレーザ発振系86を設置しながらも作業頻度の低い副作業域SWとして動きが制限される小スペースとし、他側に小さな単独または制御系297を伴なう操作系97を設置してそれが邪魔になりにくい作業頻度の高い主作業域SMとして大掛かりな天井クレーン197などを取り扱える広域スペースとし、作業頻度と作業内容による住み分けに対応し、それぞれに必要な作業環境が無駄なく的確に得られる。
また、図1(b)(c)に示すように、レーザ漏れ防止カバー体84の停止位置には、レーザ漏れ防止カバー体84の到達を検出して制御系297に停止信号を出力する停止用センサSSを設け、停止位置の手前には、レーザ漏れ防止カバー体84の到達を検出して制御系297に低速化信号を出力する低速化センサSLを設けている。これは分割カバー体84a〜84cの移動単位ごとにもうける。これにより、従来の治具台車に対しては軽量であるが、なお重量物であるレーザ漏れ防止カバー体84を移動させるのに、停止位置近くの低速化センサSLによるレーザ漏れ防止カバー体84が到達したことにより以降低速化されるようにする働きと、停止位置の停止用センサSSによるレーザ漏れ防止カバー体84が到達したことにより停止されるようにする働きとの、協働により、レーザ漏れ防止カバー体84を経済性や安全性の面からの上限速度で移動させながらも、停止位置へ無理無く確実に停止させられる利点があり、レーザ漏れ防止カバー体84を移動させるのに、停止位置近くからの低速化と、それに続く停止位置への停止とを、レーザ漏れ防止カバー体84のセンサSS、SLによる位置検出の基に的確に達成することができる。
しかも、制御系297は、レーザ漏れ防止カバー体84の自走中、レーザ漏れ防止カバー体84が溶接ロボット7の位置する溶接作業域Z1やZ2にないとき、のいずれも溶接ロボット7による溶接作業を停止するように制御するようプログラムを作成しておく。これにより、溶接ロボット7が位置した溶接作業域Z1またはZ2が、停止したレーザ漏れ防止カバー体84によって覆われた安全な条件でのみ、溶接作業が実行される。
このような制御系297の制御にて、溶接作業域Z1またはZ2に溶接ロボット7が位置し、それらを覆ったレーザ漏れ防止カバー体84が停止した安全な条件でのみ、溶接作業が実行される。
また、既述したように、副作業域SWとレーザ漏れ防止カバー体84の自走域である溶接作業ライン80との間は仕切り壁である設置物83によって仕切り、レーザ漏れ防止カバー体84はこの設置物83と協働して溶接作業域を覆うようにしていることにより、副作業域SW側に対し、レーザ漏れ防止カバー体84の自走域である溶接作業ライン80および主作業域SM側を仕切り壁によって仕切って作業空間としての独立性を確保しながら、仕切り壁を作業域のレーザ漏れ防止覆いに利用して、レーザ漏れ防止カバー体84の設置物83側の壁を無くし、走行重量を軽減することができる。しかも、レーザ漏れ防止カバー体84は、設置物83側の開口84dの上縁部84fに、設置物83に設けたレール91に案内される走行輪92を持ち、設置物83と反対側の側壁84eの下縁部に、床面89に設けたレール91に案内される走行輪92を持っていることにより、設置物83側の側壁がない横断面Γ型のレーザ漏れ防止カバー体84であっても、設置物83側の開口84dの上縁部84fと、その反対側の側壁84eの下縁部との自走方向への連続性を有効利用した複数位置での走行輪92に対するガイドにより安定して走行させられる。
また、レーザ漏れ防止カバー体84は、治具81a、82a、定盤81、82、その上の設置物83や床面89、レール85、91といった静止物との対向縁に、その静止物に近接、当接または摺接する図2〜図4に示すようなゴム製のシール材101を設けている。これにより、レーザ漏れ防止カバー体84が走行するのに、静止物との対向縁に設けたゴム製のシール材101が静止物に近接、当接または摺接してシールするので、静止物と対向縁とのハード部材どうしの干渉を避けながら、対向部間からレーザビーム14が漏れるのを防止することができる。しかも、側壁84eのシール材101は、図2、図3に示すように床面89のレール91を敷設した凹部102内に入り込むようにしている。これにより、側壁84eのシール材101が床面89のレール91を敷設した凹部102内に入り込むことで、側壁84eの下縁が対向する床面89側と近接する程度でレーザビーム14の漏れを確度よく遮断することができる。
また、レーザ漏れ防止カバー体84は図2〜図4に示すように、自走方向である縦方向X−Xで見た両端部の端部壁84g、84hに治具81a、82a付き定盤81、82とこれに受載される構体材1、2との干渉を避ける開口95のシャッタ96の下縁にもシール材101を有している。これにより、レーザ漏れ防止カバー体84の自走時に、端部壁84g、84hの開口95にて、定盤81、82やそれに受載された構体材1、2との干渉が解消され、構体材1、2などをクレーンなどにて交換するような作業に対し、レーザ漏れ防止カバー体84を分割部で開放する作業が省略できる。また、この開口95のシャッタ96を、溶接作業域Z1、Z2に到達したときに閉じることで、開口95によるレーザ漏れを防止することができるし、シャッタ96の下縁に設けたゴム製のシール材101が床面89に近接、当接または圧接するので、それらの対向部分でのレーザ漏れも防止することができる。この結果、レーザ漏れ防止カバー体84はその開口95にて定盤81、82や構体材1、2との干渉なく自走して溶接作業域Z1やZ2を開放して、構体材1、2などを天井クレーン197などにて交換するような作業に対し、レーザ漏れ防止カバー体84を分割部で開放する作業が省略できる。しかも、溶接作業域Z1、Z2を覆うときは開口95をシャッタ96で閉じ、かつ、シャッタ96下縁のゴム製のシール材101が床面89やそれよりも上に突出しているレール85などに近接、当接または圧接するので、レーザ漏れを十分に防止することができる。
ところで、溶接は、どのような方式によっても行える。しかし、本実施の形態の図6、図7に示すような被溶接材である構体材1、2どうしの突合せ部を溶接接合する溶接方法の場合、構体材1、2を1車両分の特定の構体、例えば図4に示すような屋根構体を形成する連続状態で定盤81、82上に治具81a、82aで保持しておき、1つの溶接作業域Z1またはZ2にて車両の長手方向に走る複数の溶接対象箇所111を1箇所ずつ溶接ロボットの自走により連続溶接して、鉄道車両の屋根構体などを形成することができる。特に、本実施の形態では、アルミニウム系の押出し形材よりなり、図5(a)、図4に示すようなダブルスキン構造、または図6に示すようなシングルスキン構造を有した構体材対1、2の側縁1a、2a間において、それらの面板10、20どうし、さらに具体的にはダブルスキン構造では図5(a)に示すように外面板1b、2bどうしの突き合せ部と、内面板1c、2cどうしの突き合わせ部とを、シングルスキン構造では図7に示すように面板10、20どうしの突き合せ部を、図7に共通して示すようにレーザビーム14およびMIGのアーク15を併用したレーザ・MIGハイブリッド溶接により溶接して溶接接合し、図4に示すような屋根構体を始めとする各種の構体を形成する。
なお、レーザビーム14の照射位置とアーク15の放電位置とは近接しているのがよく、通常は2〜3mm程度に設定される。これは先行するレーザ溶接により形成される図7に示すような細く深い溶け込みを呈するいわゆるキーホール16の存在を必要なビード幅Bが得られるアーク溶接に生すためのレーザ・MIGハイブリッド溶接特有の条件である。レーザは半導体レーザ、ファイバーレーザ、YAGレーザなど種々なものを採用することができる。
上記のような溶接接合によると、図5、図6に示すグルーブ17ないしはそのルート17a部の母材部に対し図7に示すように先行するレーザ溶接により高速で細く深いキーホール16をなす溶け込みを図りながら、その直後をMIG溶接により追随することでルートギャップの許容度を持ったビード幅Bと所定の溶け込み深さHでの高速な溶接を実現し、しかも、先行するレーザ溶接により昇温し、また溶融している母材部分からMIG溶接トーチ4側に飛翔してくる電子によるアーク15の誘導と、このアーク15を誘導する電子の飛翔域つまり誘導域をグルーブ17の図5、図6に例示するような断面形状によって制限できることとで、アーク15の図7に示す放電域18をルートギャップの許容に対する必要最小限に見合うビード幅域に制御することができる。
以上のような、先行するレーザ溶接と、追随するMIG溶接との組合せの結果、ルートギャップの許容度を持ったビード幅Bで所定の溶け込み深さHの高速な溶け込みを実現して、高速度溶接とそれによる構体製造コストの低減、入熱量減少による歪みの低減、十分な溶接強度を確保し、かつ、レーザ溶接による昇温、溶融環境で飛翔電子がアーク15を誘導する誘導域をグルーブ17の断面形状で制限しアーク15の放電域18、従ってビード幅Bをルートギャップを許容する必要最小限に制御し、ビード幅Bが徒に大きくなって前記溶接の品質が低下するのを防止しやすい。また、溶接強度保証には溶接後の図7に示すようにビード17aが盛り上がる程度の溶加材の供与が不可欠であっても、ビード幅Bを制限する分だけ溶接後の仕上げでの研削量が少なく作業が楽になる。
また、グルーブ17をなす開先は、MIG溶接による図8に示すような従来開先に比し角度θが小さい図5や図6に例示するような狭開先としてレーザ・MIGハイブリッド溶接することにより、グルーブ17の母材部に対しグルーブ17の従来よりも狭開先なのを生かしながら先行するレーザ溶接により高速で細く深い溶け込みを図りながら、その直後をMIG溶接により追随することでルートギャップの許容度を持ったビード幅と所定深さでの高速な溶け込みと溶加材充填を実現し、しかも、先行するレーザ溶接により昇温し、また溶融している母材部部分からMIG溶接トーチ側に飛翔してくる電子によるアーク15の誘導と、このアーク15を誘導する電子の飛翔域つまり誘導域をグルーブ17の従来よりも狭開先とした断面形状によって電子のアーク誘導域に対する制限度を高め、アーク15の放電域18がルートギャップの許容範囲以上になるのを確実に防止し、溶接速度の向上と入熱量の減少を限度一杯まで図れる。
特に、グルーブ17の開先を、JISが50°以上とするのよりも小さい、50°未
満またはグルーブ開口幅/板厚<0.9の狭開先とすれば、先行するレーザ溶接により高速で細く深い溶け込みを図りながら、その直後をMIG溶接により追随することで必要なルートギャップの許容度を持ったビード幅Bと所定の溶け込み深さHでの高速な溶け込みと溶加材充填を実現し、しかも、先行するレーザ溶接により昇温し、また溶融している母材部部分からMIG溶接トーチ側に飛翔してくる電子によるアーク15の誘導と、このアーク15を誘導する電子の飛翔域つまり誘導域をグルーブ17の50°未満またはグルーブ開口幅/板厚<0.9の狭開先とした断面形状によって十分に制限し、アーク15の放電域18をルートギャップの許容に必要な範囲に見合うビード幅域に制御することができる。要するに、開先が狭くなった分だけ、アーク15の放電域18がルートギャップの許容範囲以上になるのを、板厚によって溶接強度上許容される、より狭く、あるいは開先0度にも対応して、溶接速度の向上と入熱量の減少を限度一杯まで図れる。本発明者の実験ではA6N01−T5の熱処理したアルミニウム合金よりなる板厚が3mmの構体材1、2を用いた場合、開先0°のI型として十分な溶接状態が得られ、レーザ溶接の場合に比しビード幅Bは少し大きい程度で、溶け込み深さH全体のビード幅Bの差が小さくなる良好な溶接状態が得られ、溶接強度に問題なくビード幅Bを最小として高速溶接性、ひずみの大幅な低減が図れる。同時に仕上げでの研削の手間、具体的には研削量も低減するし、継手の自由度が向上する。
図5、図4に示すダブルスキン構造の構体材1、2の場合を代表して、以下、さらに詳述するが、その多くは図6に示すようなシングルスキン構造の構体材1、2にも同様に適用できる。図5(a)(b)に示すように、構体材対1、2が、一方の構体材1の側縁1aの外面板1bと内面板1cとの上に、他方の構体材2の側縁の外面板2bと内面板2cとをそれぞれ上乗せした重なり状態にてグルーブ17を形成する開先がまわりを開放した突き合せ部を形成し、レーザ・MIGハイブリッド溶接を行うようにしている。このような上乗せは、一方の構体材1を図4に示すように治具81a、82aの上に載置しておき、その側縁1aの外面板1bと内面板1cとの上に、他方の構体材2の側縁2aの外面板2bと内面板2cを上乗せするのに、他方の構体材2を作業治具上にある一方の構体材1の横に載置する動きの最終段階で治具上へ前記重なりの横移動成分を持った斜め方向の動きを伴い載置しさえすれば、そのときの重なりによって外面板1b、2bどうし、内面板1c、2cどうしの各一方がグルーブ17底部への当て板部1d、2dとなる開先を持った突き合わせを終えて、グルーブ17をなす開先部での溶接接合を達成することができる。これにより、一方の構体材1を作業治具の上に載置しておき、他方の構体材2をその横に寄せながら上乗せするだけで、そのときの重なりによって外面板1b、2bどうし、内面板1c、2cどうしの各一方がグルーブ17部の当て板部1d、2dとなる開先を持った突き合わせを終え、グルーブ17の開先部での溶接接合を達成し、従来のダブルスキン構造での嵌合方式に比し作業性を高められ、これも製造コスト低減に貢献する。
また、図5(a)(b)に示すように、一方の構体材1の外面板1bおよび内面板1cに他方の構体材2の外面板2bおよび内面板2cを上乗せする際に、それら外面板1b、2bどうし、内面板1c、2cどうしの重なり境界面1f、2fの一方に設けておいた凹部21と他方に設けておいた凸部22とを嵌め合せて、構体材対1、2を所定の開先形成位置に位置決めし、この位置決め状態で溶接を行うようにしている。これにより、一方の構体材1の外面板1bおよび内面板1cに他方の構体材2の外面板2bおよび内面板2cを上乗せするのと同時に、前記上乗せによって重なりあった外面板1b、2bどうし、内面板1c、2cどうしの重なり境界面1f、2fにある凹凸部21、22が互いに嵌り合うので、特別な動作なく双方の構体材1、2を所定の位置関係に位置決めができ、ルートギャップが通常以上に開いてしまうのを防止することができる。また、外面板1b、2bどうしまたは内面板1c、2cどうしの一方を溶接接合すると、溶接部の凝固ないしは固化に伴なう収縮にて溶接接合していない側で構体材1、2どうしが開く溶接接合部を基点としたいわゆる角折れ現象が生じるのを、溶接接合していない側での凹凸部21、22の嵌め合いによって阻止し、この側の開先におけるルートギャップが通常以上に開いてしまうようなことを防止することができる。
この結果、前記上乗せ時に、外面板1b、2bどうし、内面板1c、2cどうしの重なり境界面1f、2fにある凹凸部21、22の嵌り合いにより、特別な動作なく双方の構体材1、2を所定の位置関係に位置決めができ、ルートギャップが構体材1、2の押出し成形時の波打ちによる通常以上に開くのを防止し、板厚に応じた最小限度の開先角度θでの溶接性能を保証することができる。また、外面板1b、2bどうしまたは内面板1c、2cどうしの一方を溶接接合したときの角折れ現象で非溶接接合部側が開くのを前記凹凸部21、22の嵌め合い部の引っ掛かりによって阻止し、ルートギャップが通常以上に開くのを防止し、板厚に応じた最小限度の開先角度での溶接性能を保証することができる。このことは、図8に例示する従来の広い開先でのグルーブが拡大した場合に対し、本実施の形態のように狭開先でのグルーブ17が拡大した場合の開き割合が大きく、同じ開き量でも溶接への影響度が大きいので、この開き量を通常の変化範囲に抑えられる意味は、狭開先の本実施の形態において特に重要であるし、構体材1、2どうしを強く押し付けあう必要がないので溶接設備も簡単で小型な低コストなものでよくなる利点もある。
また、前記凹部21は、重なり合う外面板1b、2b間、重なり合う内面板1c、2c間の開先によるグルーブ17の底部であるルート17aの当て板部1d、2dがなす重なり境界面1f、2fに形成し、凸部22は、外面板1b、2bまたは内面板1c、2cの前記当て板部1d、2d上への重なり板部1g、2gがなす重なり境界面1f、2fに形成してある。このように、凸部22を、上乗せの重なり構造上、外面板1b、2bまたは内面板1c、2cの当て板部1d、2dと重なる重なり板部1g、2gに設けておくことにより、凸部22による増厚分だけ溶接接合部近傍のウイークポイントを増強することができる。また、凹部21が上乗せの重なり構造上、外面板1b、2bまたは内面板1c、2cのグルーブ17のルート17aへの当て板部1d、2dがなす重なり境界面1f、2fに形成する関係上、凹部21による肉盗み部が溶接による接合域外となって溶接強度に影響せず、凹部21を設けても増厚などの補強は要らない利点がある。
しかし、このような凹部21と凸部22との嵌合による作用効果は、図8に示す従来の嵌合形式による継手構造での重なり部に実施しても同様に得られる。
本発明は鉄道車両のアルミニウム系構体材どうしを溶接にて接合して必要な大きさの構体を得るのに好適で、生産性の向上、製造コストの低減が図れる。
本実施の形態の溶接装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図、(c)はレーザ漏れ防止カバー体開放状態での側面図である。 図1の溶接装置のレーザ漏れ防止カバー体の右端の分割カバー体を示す側面図である。 図2の分割カバー体の端部壁側から見た端面図である。 図1(c)の状態の溶接装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるレーザ・MIGハイブリッド溶接に用いる継手構造を有したダブルスキン構造の構体材の例を示し、(a)は溶接できる状態に突き合せた構体材対の端面図、(b)は突合せ部の拡大図である。 本発明の実施の形態におけるレーザ・MIGハイブリッド溶接に用いる継手構造を有したシングルスキン構造の構体材の例を示す端面図である。 本実施の形態におけるレーザ・MIGハイブリッド溶接の状態を模式的に示す説明図である。 従来のMIG溶接に用いていた継手構造を有した構体材の例を示し、(a)は溶接できる状態に突き合せた構体材対の端面図、(b)は突合せ部の拡大端面図である。 従来の溶接装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
符号の説明
1、2 構体材
10、20 面板
1a、2a、10a、20a 側縁
1b、2b 外面板
1c、2c 内面板
6 溶接ヘッド
7 溶接ロボット
14 レーザビーム
15 アーク
80 溶接作業ライン
81、82 定盤
81a、82a 治具
83 設置物
84 レーザ漏れ防止カバー体
84a、84b、84c 分割カバー体
85、91 レール
86 レーザ発振系
89 床面
92 走行輪
93 電動モータ
94 溶加材供給部
95 開口
96 シャッタ
97 操作系
297 制御系
101 シール材
102 凹部
111 溶接対象個所
197 天井クレーン
B ビード幅
H 溶け込み深さ
SM 主作業域
SW 副作業域
Z1、Z2 溶接作業域
SS 停止用センサ
SL 低速化センサ

Claims (19)

  1. 2つの溶接作業域のそれぞれに配置され、被溶接材を受載し溶接に供する定盤と、各溶接作業域にある定盤のいずれに受載される被溶接材をも溶接できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有し、単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つにより溶接を行う溶接ロボットと、溶接ロボットの1つの定盤での溶接作業域を単独で、あるいは他の設備、設置物、建造物などの静止物と協働して覆う大きさおよび形状を持ち、一方の定盤での溶接作業域と他方の定盤での溶接作業域とに移動できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有したレーザ漏れ防止カバー体と、を備えたことを特徴とする溶接装置。
  2. 2つの溶接作業域のそれぞれに配置され、被溶接材を受載し溶接に供する定盤と、各溶接作業域にある定盤のいずれに受載される被溶接材をも溶接できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有し、単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つにより溶接を行う溶接ロボットと、溶接ロボットの1つの定盤での溶接作業域を単独で、あるいは他の設備、設置物、建造物などの静止物と協働して覆う大きさおよび形状を持ち、一方の定盤での溶接作業域と他方の定盤での溶接作業域とに移動できるよう溶接作業域配置方向での自走機能を有したレーザ漏れ防止カバー体と、を備え、レーザ漏れ防止カバー体は少なくとも溶接作業域配置方向に2分割されて、それぞれに自走機能を有したものであることを特徴とする溶接装置。
  3. レーザ漏れ防止カバー体は、側壁にドア付きの出入り口を有している請求項1、2のいずれか1項に記載の溶接装置。
  4. レーザを発振するレーザ発振系と、溶接ロボットおよびレーザ漏れ防止カバー体の動作を伴なう溶接動作をプログラムに従い制御する制御系と、この制御系を通じ溶接作業の開始、停止、レーザ漏れ防止カバー体の移動の開始、の指令を行う操作系とを備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接装置。
  5. レーザ発振系は、2つの溶接作業域が並んだ溶接作業ラインの一側に設定した副作業域側に設置し、操作系は単独であるいは制御系と共に、前記溶接作業ラインの他側に設定した主作業域側に設置した請求項4に記載の溶接装置。
  6. レーザ漏れ防止カバー体の停止位置には、レーザ漏れ防止カバー体の到達を検出して制御系に停止信号を出力する停止用センサを設け、停止位置の手前には、レーザ漏れ防止カバー体の到達を検出して制御系に低速化信号を出力する低速化センサを設けた請求項4、5のいずれか1項に記載の溶接装置。
  7. 制御系は、レーザ漏れ防止カバー体の自走中、レーザ漏れ防止カバー体が溶接ロボットの位置する溶接作業域にないとき、のいずれも溶接ロボットによる溶接作業を停止する請求項4〜6のいずれか1項に記載の溶接装置。
  8. 副作業域とレーザ漏れ防止カバー体の自走域との間は仕切り壁によって仕切り、レーザ漏れ防止カバー体はこの仕切り壁と協働して溶接作業域を覆う請求項5〜7の何れか1項に記載の溶接装置。
  9. レーザ漏れ防止カバー体は、仕切り壁側開口の上縁部に、仕切り壁に設けたレールに案内される走行輪を持ち、仕切り壁と反対側の側壁の下縁部に、床面に設けたレールに案内される走行輪を持っている請求項8に記載の溶接装置。
  10. レーザ漏れ防止カバー体は、静止物との対向縁に、その静止物に近接、当接または摺接するゴム製のシール材を設けている請求項1〜9のいずれか1項に記載の溶接装置。
  11. 側壁のシール材は、床面のレールを敷設した凹部内に入り込んでいる請求項10に記載の溶接装置。
  12. レーザ漏れ防止カバー体は、自走方向で見た両端部の端部壁に定盤とこれに受載される被溶接材との干渉を避ける開口を持ち、この開口を溶接作業時に閉じるように設けたシャッタの下縁にもシール材を有している請求項10、11のいずれか1項に記載の溶接装置。
  13. 2つの溶接作業域の一方の定盤上に被溶接材を初期配置するか先の溶接済みの溶接物に換えて配置した後、そこに溶接ロボットおよびレーザ漏れ防止カバー体を自走させて、一方の溶接作業域を溶接ロボットと共にレーザ漏れ防止カバー体で覆った状態として、一方の溶接作業域の定盤上に配置した被溶接材に対し、溶接ロボットの自走を伴い単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つによる溶接を行うのに併せ、他方の溶接作業域の定盤上に被溶接材を初期配置するか先の溶接済みの溶接物に換えて配置することと、一方の溶接作業域での溶接作業後、溶接ロボットおよびレーザ漏れ防止カバー体を他方の溶接作業域に自走させて他方の溶接作業域を溶接ロボットと共にレーザ漏れ防止カバー体で覆った状態として、他方の溶接作業域の定盤上に初期配置しまたは先のものに換えて配置している被溶接材に対し、溶接ロボットの自走を伴い単独レーザ、複数異種レーザによるハイブリッド、レーザとアークによるハイブリッドの1つによる溶接を行うのに併せ、一方の溶接作業域の定盤上の溶接済みの溶接物に換えて次の被溶接材を配置することと、を繰り返し、多数の溶接物を得ることを特徴とする溶接方法。
  14. レーザ漏れ防止カバー体を溶接作業域配置方向に分割しておき、その分割カバー体どうしが互いに離間するように少なくとも一方を自走させて、溶接ロボットをその自走を伴いまたは伴なわないでまわりを開放させ、ティーチング、消耗材の交換や補充、メンテナンスを行う請求項13に記載の溶接方法。
  15. 消耗材の交換や補充は、レーザ漏れ防止カバー体の自走域の一側の副作業域に設けた制御系を通じ、自走域の他側の主作業域の定位置にある操作系での操作によって行う請求項14に記載の溶接方法。
  16. 溶接は、被溶接材どうしを溶接接合するものである請求項13〜15のいずれか1項に記載の溶接方法。
  17. 被溶接材は、鉄道車両用の構体材であって、1車両分の特定の構体を形成する連続状態で定盤上に保持しておき、1つの溶接作業域にて溶接対象箇所を溶接して、鉄道車両の構体を形成する請求項16に記載の溶接方法。
  18. 構体材は、アルミニウム系の押出し形材よりなりシングルスキンまたはダブルスキン構造を有し、それらの側縁間において、面板どうしのMIG溶接による従来開先に比し狭開先とした突き合せ部を、レーザ・MIGハイブリッド溶接によりMIG溶接の場合よりも高速で溶接して接合し構体を形成する請求項17に記載の溶接方法。
  19. 面板どうしの50°未満またはグルーブ開口幅/板厚<0.9の狭開先とした突き合せ部を、レーザ・MIGハイブリッド溶接により溶接して接合し構体を形成する請求項18に記載の溶接方法。
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