JP4865273B2 - 軌道系車両の構体の製造方法および軌道系車両 - Google Patents

軌道系車両の構体の製造方法および軌道系車両 Download PDF

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Description

本発明は、軌道系車両の構体の製造方法、およびその方法によって製造された構体を用いて構成された軌道系車両に関するものである。
従来、鉄道車両の構体は、特開平7−47958号公報(特許文献1)に示すように、強度部材である骨組と外板等の板材の結合により構成されている。そして、この特許文献1には、窓等の開口部の隅部を補強するために、骨部材に隅補強部材を一体形成する例が示されている。
近年の軽量化を図った車両では、車両の外枠を構成する各構体をアルミニウム合金の押出成形材を主材料にして製造することが多く、この押出成形材は、大別すると、図6(a)に示す断面形状のシングルスキンパネル2と、図6(b)に示す断面形状のダブルスキンパネル4がある。シングルスキンパネル2は、一枚の面板6にL字型6a或いはT字型6b等の断面形状を有する補強リブ12を適宜の間隔で設けて構成されている。ダブルスキンパネル4は、二枚の面板14a、14bの間に補強リブ14cを設けて構成されている。
例えば、特開平2−246863号公報(特許文献2)には、車両の左右の側構体、台枠(床構体)、屋根構体等を長手方向に延在する長尺のダブルスキンパネルもしくはシングルスキンパネルを長手方向にのみ接合するだけで、前記側構体、台枠(床構体)、屋根構体等が形成される技術が開示されている。
また、鉄道等の大型車両では、どの構体も強度の高いダブルスキンパネルで構成されることが多いが、新交通システム等の比較的小型の車両では、強度の必要な屋根構体や台枠(床構体)には、ダブルスキンパネルを使用し、側構体等には、シングルスキンパネルを用いて重量軽減を図ることが行なわれている。
例えば、図7に示すように、新交通システム等の比較的小型の軌道系車両20の構成は、それぞれ別の製造ラインで製造された台枠(床構体)22、屋根構体23、前後の妻構体24、および左右の側構体25を溶接等で接合して製造されている。側構体25は中央の中央部側構体26と、前端部および後端部に位置する端部側構体27とに分かれ、中央部側構体26と端部側構体27との間には、乗降口28となる空間Sが設けられる例を示している。
そして、従来、図8に示すように、中央部側構体26は、シングルスキンパネルを主材料にして、複数部材から接合によって形成されていた。この図8に示す例では、縦方向に補強リブ02が複数通る縦部材04と、同様に縦方向に補強リブ06が複数通る縦部材08と、横方向に補強リブ010が通る上横部材012と、同様に横方向に補強リブ014が通る下横部材016とで主要部が構成されて、幅広の下横部材016は、一度に押出加工ができないため、幅狭のシングルスキンパネル018a、018b、018cをW線で接合して形成されている。
一方、構体をアルミニウム合金の押出成形材を主材料にして製造せずに、特開2000−301365号公報(特許文献3)には、車両の先頭部の曲面形状部分の構体の形成において、曲面板の一方側から切削して曲面を形成し、他方側から切削してリブを形成して、内側にリブを有する複数のブロックを接合して製作される技術が示されている。
特開平7−47958号公報 特開平2−246863号公報 特開2000−301365号公報
しかし、特許文献1に示す例では、骨組と外板等とを接合するために溶接しなければならず、また、特許文献2、図6に示すようなシングルスキンパネル、ダブルスキンパネルの例の場合、または特許文献3に示される複数のブロックの例の場合には、それぞれのパネル、ブロックを溶接接合しなければならない。これら、パネル、ブロックの溶接は通常、MIG溶接(Metal Inter Gas Welding)やTIG溶接(Tungusten Insert Gas Welding)或いはFSW(Friction Stir Welding、摩擦攪拌接合)により行なわれるが、これら溶接は必然的に高温下で行なわれる。
このため、熱歪み(溶接歪み)の発生は避けられず、歪み取り加工が欠かせない。特に、シングルスキンパネルを使用した場合には剛性が低いので、大きな変形が発生しやすく、歪み取り加工に多大の時間と労力を要する問題があった。
また、溶接部に欠陥があると、特に、接合部分が隅や角或いは端部のように応力集中を生じやすい箇所では溶接割れを生じやすいので、超音波探傷法、磁粉探傷法、X線検査法等の非破壊検査によって溶接欠陥の検査が必要であり、欠陥が発見されれば、補修作業もする必要があるため、これら検査、補修に要する時間と労力を多大に要し、構体の生産性を著しく低下させる問題もあった。
また、アルミニウム等の軽合金の素材で構体を形成すると、アルミニウム等の軽合金は高温にさらされると、酸化により変色し、色むら、まだらとなるので、外観に係わる箇所では無塗装での使用ができず、無塗装車両には適さない問題をも有していた。
そこで、本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、強度を十分確保して信頼性、耐久性の向上を図り、さらに加工後の製品検査、補修に多大な労力を要さずに生産性の向上を図り、さらに外観の変形、変色等を伴わず、外観に係わる部分に無塗装で適用できるような外観の向上を図った軌道系車両の構体を製造できる製造方法を提供するとともに、その方法で製造された構体によって組み立てられた軌道系車両を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、構体が軌道系車両の側面部を構成して、乗降口間に配設される側構体であり、該構体を一枚の板状素材から切削加工で削りだす側構体の製造方法であって、
少なくとも床構体から屋根構体までの高さ、および乗降口間の幅を有し補強リブの高さに対応する厚み有する一枚の軽合金製の板状素材を切削加工によって、板状素材の肉厚を除去して外板、縦補強リブ、横補強リブ及び窓開口部を形成したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、構体が、一枚の板状素材から材料除去加工によって形成されるため、従来のような複数のパネルやブロックの溶接接合による溶接熱の影響を受けることがなく、溶接欠損のおそれがなく強度的、耐久的に信頼性が向上する。また、溶接歪みの発生もなく、歪み取り作業が不要となるとともに、素材が溶接熱の高温にさらされことがなく、変色、色むら等の外観上の欠陥が生じにくく、外観に係わる箇所での無塗装での使用が可能になる。
さらに、外板と補強リブとが一枚の板材から一体に形成されるため、材質、形状を基にした応力解析を精度よく容易に行なうことができるようになることから、予め弱い箇所を知ってその箇所を集中的に検査するようにできるので、強度的、耐久的に信頼性が向上するととともに、従来のような大掛かりな非破壊検査を不要とし、検査のための時間と労力を低減でき、生産性を向上できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の軌道系車両の構体の製造方法であって、前記補強リブの形成と同時に該補強リブの交差箇所に丸みを持たせ、さらに車両の窓開口部およびその隅部に丸みを持たせた加工を行なうことを特徴とする。
そして、請求項2の発明よれば、一枚の板状素材から切削加工によって肉厚を除去して外板と補強リブを形成しつつ、同時に補強リブの交差箇所に丸みを持たせる加工をし、さらに窓開口部およびその隅部に丸みを持たせる加工をすることによって、隅部、角部に生じる応力集中を緩和する加工を行なうことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の軌道系車両の構体の製造方法であって、前記縦補強リブと横補強リブの隅部は、外板の形成のための余肉除去加工のフライスカッタの刃先半径を利用して円弧加工を行うことを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明によれば、段落0034に示すように外板80の形成のための余肉除去加工のフライスカッタの刃先半径87を利用して形成することにより、隅部の円弧加工を簡単に製造することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項に記載の軌道系車両の構体の製造方法であって、切削工具が取り付けられて回転駆動する主軸を上下方向に有し、加工テーブルを水平方向に有するマシニングセンタ等の工作機械に前記板状素材を固定し、前記補強リブ、窓開口部、または前記丸みの加工を前記切削工具の数値制御によって行うことを特徴とする。
そして、請求項4の発明によれば、マシニングセンタ等の工作機械に一枚の板状素材をセットして、数値制御によって切削加工することで、外板、補強リブ、窓開口部、丸みを正確、迅速に加工でき、さらに、補強リブ形状の変更等への対応も容易である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の軌道系車両の構体の製造方法であって、前記丸みの加工が、前記切削工具刃の刃先半径によって形成されることを特徴とする。
そして、請求項5の発明によれば、切削工具刃の刃先半径を利用することで補強リブの交差箇所、窓開口部の隅部の丸みの加工を簡単に製造することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の軌道系車両の構体の製造方法であって、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金材料よりなる前記板状素材を加工することを特徴とする。
そして、請求項6の発明によれば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金材料よりなる板状素材を加工して構体を製造することができるため、軽量構体を製造することができる。
さらに、請求項7に記載の軌道系車両の発明は、請求項1乃至6に記載の製造方法によって製造された構体によって組み立てられたことを特徴とする。
そして、請求項7の発明によれば、請求項1乃至6に記載の製造方法によって製造された構体を用いているため、溶接熱による素材の変色等の外観上の欠陥を生じないことから、無塗装化の軌道系車両を得ることができる。さらに、応力解析の容易化によって弱い箇所の予知による検査工数の低減および補強リブの交差箇所や窓開口部の隅部への一体円弧状加工による応力集中の低減から、強度、信頼性が確保された軌道系車両を得ることができる。特に、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金材料で軽量化を図りつつ強度、信頼性確保ができる。
さらに、構体の検査、補修、歪み取り作業の低減によって、軌道系車両の生産性を向上することも達成できる。
本発明の軌道系車両の構体の製造方法によれば、強度を十分確保して信頼性、耐久性の向上を図り、さらに加工後の製品検査、補修に多大な労力を要さずに生産性の向上を図り、さらに外観の変形、変色等を伴わず、外観に係わる部分に無塗装で適用できるような外観の向上を図った軌道系車両の構体を製造できる製造方法を提供することができる。そして、本発明の軌道系車両によれば、その製造方法で製造された構体によって組み立てられた軌道系車両を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
参照する図面において、図1は、本発明の第1の実施の形態に係る軌道系車両の説明図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。図2は、本発明に係る軌道系車両の構体の製造方法の説明する斜視図である。図3は、製造装置を示す斜視図である。図4は、図2のB部の拡大図である。図5は、第2の実施の形態の製造装置を示す斜視図である。図6は、スキンパネルの説明図であり、(a)はシングルスキンパネル、(b)はダブルスキンパネルを示す。図7は、軌道系車両の分解構成図である。図8は、従来の構体の製造方法を説明する斜視図である。
なお、従来の製造方法の説明で示した要素と同一要素については(図6〜図8)、同一符号を付して説明を省略する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明が適用される軌道系車両20について説明する。図1(a)に示すように、この軌道系車両20は、新交通システム等の比較的小型の車両であり、レール上を走行する鉄道車両と異なり、走行輪であるゴムタイヤ50で車体を支持して定められた軌道52に沿って走行する車両である。
この軌道系車両20は、図7に示すように、それぞれ別の製造ラインで製造された台枠(床構体)22、屋根構体23、前後の妻構体24、および左右の側構体25等の平面状若しくは大きな曲率を有する広幅パネル体の組み合わせからなる。
また、側構体25は中央の中央部側構体26と、前端部および後端部に位置する端部側構体27、27とに分かれ、中央部側構体26と端部側構体27、27との間には、左右に乗降口28、28が設けられている。
図1(b)に示すように、台枠(床構体)22は、平面状で広幅長尺のダブルスキンパネル56同士を複数並行に配設したものを突合せて、上下面が面一状になるようして、FSW(摩擦攪拌接合)Mにより接合されている。
その床構体22の両端側には、強度性維持を図るためとスカートの機能を図るために方形枠状の側梁型材58、58が固設され、該側梁型材58上に中央部側構体26の下端部が立設して溶接接合Wされている。
中央部側構体26は、シングルスキンパネル60で構成され、ほぼ中央には窓開口部62が形成されている。なお、図1(b)は、中央部側構体26の断面図であるが、端部側構体27においても同様に、シングルスキンパネル構造で構成され、中央部に窓開口部64が形成されている。
屋根構体23は、平面状の広幅で長尺のダブルスキンパネル66同士を複数並行に配設したものを突合せて、上下面が面一状になるようして、FSW(摩擦攪拌接合)Mにより接合されているとともに、その屋根構体23の両端には、ダブルスキンパネル68からなる傾斜勾配パネル70が接合されている。さらに、傾斜勾配パネル70の傾斜下端部には、中央部側構体26の上端部との接合を行なうために垂直補助型材部72が接続されている。この垂直補助型材部72は、傾斜勾配パネル70に一体に1つの押し出し型材として形成されてもよい。その垂直補助型材部72の下端と、中央部側構体26を構成するシングルスキンパネル60の上端部とは溶接接合Wされている。
図2に示すように、中央部側構体26は、外板80と、窓開口部62の両側に位置され縦方向に縦補強リブ82が複数通る縦部材84、84と、窓開口部62の上側に位置され横方向に横補強リブ86が複数通る上横部材88と、窓開口部62の下側に位置され横方向に横補強リブ90が複数通る下横部材92とで構成されている。
この中央部側構体26の製造方法について次に説明する。
まず、アルミニウム合金、又はマグネシウム合金等の軽合金を押し出し製法によって、一枚の板状素材94を成形する。板状素材94は、軌道系車両20の床構体22から屋根構体23までの高さ、および乗降口28、28間の幅を有し、厚さは補強リブ82、86、90の高さを有する大きさ、又は加工削り代を加味してそれ以上の大きさを有する素材である。
そして、図3に示すように、板状素材94を、材料除去加工を行なうマシニングセンタ100の固定テーブル102上に位置決め等の調整をして、切削加工可能に水平に固定して、切削工具104を主軸106のチャックに固定して切削加工の準備を完了する。
マシニングセンタ等の工作機械100は、固定テーブル102の側方にレール110、110が敷かれ、レール110、110上にも門形コラム112が矢印X方向に走行可能になっている。さらに、門形コラム112の横桁114に沿ってサドル116が矢印Y方向に移動可能になっている。さらに、サドル116は、主軸ヘッド118が上下方向(矢印Z方向)に移動可能に取り付けられている。主軸ヘッド118には、主軸106が設けられ、回転駆動される。主軸106には、エンドミル或いはフライスカッタ等の切削工具104が取り付けられている。
そして、門形コラム112のX方向、サドル116のY方向、主軸ヘッド118のZ方向の送り速度、主軸106の回転速度等は、全て図示しない数値制御式の制御装置に組み込まれている加工プログラムに基づいて自動切削される。
まず、縦補強リブ82、横補強リブ86、90の外形線、さらに窓開口部62の外形線を、主軸106に切削工具104としてエンドミルを取り付けて切削し、その後、余肉の除去加工を、平面フライスカッタを取り付けて加工する。この際、補強リブの断面形状がL字形、T字形の場合には、端面フライスカッタのよって補強リブ82、86、90の壁面を加工する。
図2のB部拡大図(図4)に示すように、縦補強リブ82は、外板80に対して、垂直なウェブ82Wと、外板80と平行なフランジ82Fとから構成されてL字形状になっている。また、横補強リブ86も垂直なウェブ86Wと、外板80と平行なフランジ86Fとから構成されてL字形状になっている。
縦補強リブ82と横補強リブ86とは交点Pで交差しており、交点Pにおいては、縦補強リブ82のウェブ82Wと横補強リブ86のウェブ86Wとが交差し、同様に縦補強リブ82のフランジ82Fと横補強リブ86のフランジ86Fとが交差している。そして、ウェブ82W、86Wの交差により形成される隅部は、円弧(丸み)Rに切削し、フランジ82F、86Fのそれぞれの交差により形成される隅部は、円弧(丸み)Rに切削する。この円弧R、Rの加工は、円弧加工単独でなく、外板80の形成のための余肉除去加工のフライスカッタの刃先半径87を利用して形成するようにしてもよく、この場合には、隅部の円弧加工を簡単に製造することができる。
また、窓開口部62の加工は、板状素材94に窓開口形状に沿ってフライスカッタによって開口部を切り落とすことによって形成し、窓開口部62の四隅部も円弧(丸み)Rに形成している。
この円弧の形成は、補強リブの交差箇所の円弧と同様にフライスカッタの刃先半径を利用して形成するようにしてもよく、この場合には、隅部の円弧加工を簡単に製造することができる。
このように、一枚の板状素材から切削加工によって肉厚を除去して外板80と縦補強リブ82、横補強リブ86、90を形成しつつ交差箇所に丸みの円弧R、Rを持たせる加工をし、また窓開口部62を切り落とす加工をしつつ隅部にも丸みの円弧Rを持たせる加工するため、隅部、角部に生じる応力集中を緩和する加工を簡単に行なうことができる。また、切削加工加工プログラムに基づくものであるため、隅部の円弧加工のみでなく装備品の取り付けのための取付けフランジ120の付加等への設計変更の対応が容易である。
以上の実施の形態によると、中央部側構体26が、一枚の板状素材94からエンドミル、フライスカッタによる切削加工によって材料除去加工によって縦補強リブ82、または横補強リブ86、90を形成するため、従来のような複数のパネルやブロックの溶接接合による溶接熱の影響を受けることがなく、溶接欠損のおそれがなくなり強度的、耐久的に信頼性が向上する。
また、溶接歪みの発生もなく、歪み取り作業が不要となるとともに、素材が溶接熱の高温にさらされことがなく、変色、色むら等の外観上の欠陥が生じにくく、軌道系車両20の外観上最も目に付く中央部側構体26部分に無塗装での使用が可能になる。
さらに、外板80と縦補強リブ82、横補強リブ86、90、窓開口部62とが一枚の板状素材94から一体に形成されるため、材質、形状を基にした応力解析を精度よく容易に行なうことができるようになることから、予め弱い箇所を知ってその箇所を集中時に検査するようにできるので、強度的、耐久的に信頼性が向上するととともに、従来のような大掛かりな非破壊検査を不要とし、検査のための時間と労力を低減でき、生産性を向上できる。
(第2の実施の形態)
次に、板状素材94の材料除去加工の例として、切削加工ではなく放電加工を用いた場合を、図5を参照して説明する。
放電加工のうち気中放電加工を用いるものであり、マシニングセンタ等の工作機械150の主軸152に放電ユニット154が装着されている。放電ユニット154には、電極156、放電電源供給部158、アシストガス供給部160を備え、電極156と板状素材94の間隔の制御、供給電圧の制御、送り速度の制御によって、放電エネルギを利用して板状素材94の除去加工が行なわれる。縦補強リブ162、横補強リブ164の加工の場合には、縦補強リブ162、横補強リブ164の形状と外板80を残して板状素材94の材料の除去を行い、窓開口部62の場合には、窓の輪郭166に沿って外板80まで含めて除去し、パネル168を切り落とすように放電エネルギ、電極156の移動制御が行なわれる。また、X、Y、Z方向の動きは、第1の実施の形態で説明したマシニングセンタ等の工作機械100による動きと同様である。
第2の実施の形態によると、フライスカッタの切削では対応できないような複雑な補強リブの形状、複雑な窓開口部の形状等を加工することができる。
また、放電加工ではなく、レーザを用いたレーザ加工によっても材料切除加工を行なうことができる。
以上の実施の形態では、構体のうち中央部側構体26を対象に説明をしたが、台枠(床構体)22、屋根構体23、前後の妻構体24、および左右の側構体25のうちの端部側構体27等に適応してもよいことは勿論である。
また、中央部側構体26として、窓開口部62が形成された構成のものを説明したが、軌道系車両20の仕様によっては窓開口部62がない中央部側構体26であってもよいことは勿論である。
本発明の軌道系車両の構体の製造方法によれば、強度を十分確保して信頼性、耐久性の向上を図り、さらに加工後の製品検査、補修に多大な労力を要さずに生産性の向上を図り、さらに外観の変形、変色等を伴わず、外観に係わる部分に無塗装で適用できるような外観の向上を図った軌道系車両の構体を製造できる製造方法を提供することができるので、軌道系車両の製造への適用に際して有益である。
本発明の第1の実施の形態を示す説明図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 本発明に係る軌道系車両の構体の製造方法の説明する斜視図である。 製造装置を示す斜視図である。 図2のB部を説明する拡大図である。 第2の実施の形態の製造装置を示す斜視図である。 スキンパネルの説明図であり、(a)はシングルスキンパネル、(b)はダブルスキンパネルである。 軌道系車両の分解構成図である。 従来の構体の製造方法を説明する斜視図である。
20 軌道系車両
22 台枠(床構体)
23 屋根構体
24 妻構体
28 乗降口
62 窓開口部
80 外板
82 縦補強リブ(補強リブ)
86,90 横補強リブ(補強リブ)
94 板状素材
100 マシニングセンタ等の工作機械
104 切削工具
,R,R円弧(丸み)

Claims (7)

  1. 構体が軌道系車両の側面部を構成して、乗降口間に配設される側構体であり、該構体を一枚の板状素材から切削加工で削りだす側構体の製造方法であって、
    少なくとも床構体から屋根構体までの高さ、および乗降口間の幅を有し補強リブの高さに対応する厚み有する一枚の軽合金製の板状素材を切削加工によって、板状素材の肉厚を除去して外板、縦補強リブ、横補強リブ及び窓開口部を形成したことを特徴とする軌道系車両の構体の製造方法。
  2. 記補強リブの形成と同時に該補強リブの交差箇所に丸みを持たせ、さらに車両の窓開口部およびその隅部に丸みを持たせた加工を行なうことを特徴とする請求項1記載の軌道系車両の構体の製造方法。
  3. 前記縦補強リブと横補強リブの隅部は、外板の形成のための余肉除去加工のフライスカッタの刃先半径を利用して円弧加工を行うことを特徴とする請求項1若しくは2記載の軌道系車両の構体の製造方法。
  4. 切削工具が取り付けられて回転駆動する主軸を上下方向に有し、加工テーブルを水平方向に有するマシニングセンタ等の工作機械に前記板状素材を固定し、前記補強リブ、窓開口部、または前記丸みの加工を前記切削工具の数値制御によって行うことを特徴とする請求項2記載の軌道系車両の構体の製造方法。
  5. 前記丸みの加工が、前記切削工具刃の刃先半径によって形成されることを特徴とする請求項4記載の軌道系車両の構体の製造方法。
  6. アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金材料よりなる前記板状素材を加工することを特徴とする請求項1乃至4記載の軌道系車両の構体の製造方法。
  7. 請求項1乃至6に記載の製造方法によって製造された構体によって組み立てられたことを特徴とする軌道系車両。
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