JP2007307446A - 排ガス浄化酸化触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の排ガス中に含まれるパティキュレート、多環芳香族化合物等の高沸点物質を酸化する機能に優れた排ガス浄化酸化触媒を提供する。
【解決手段】ABOで表される金属元素A,Bの複合酸化物と、 で表される金属元素Aの酸化物と、Bで表される金属元素Bの酸化物との混晶組織からなる。金属元素Aのイオン半径/金属元素Bのイオン半径の値が1.349〜1.580の範囲にある。金属元素A,Bのうち、イオン半径の小さい方の元素がMnである。金属元素A,Bのうち、イオン半径の大きい方の元素がSc、Y、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選択される1種の金属元素である。前記複合酸化物は、六方晶構造を備える。前記金属元素Aの酸化物と、前記金属元素Bの酸化物とは、C−希土構造を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関から排出される排ガス中に含まれるパティキュレート、多環芳香族炭化水素等を酸化して該排ガスを浄化する排ガス浄化酸化触媒に関するものである。
従来、自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスを浄化するために、アルミナ等の耐熱性担体に触媒としての貴金属を担持し、さらに酸化反応を促進するためにセリア等を混合した排ガス浄化酸化触媒が用いられている。前記従来の排ガス浄化酸化触媒によれば、前記排ガス中に含まれる低沸点の揮発性有機化合物(VOCs)を酸化することができるが、パティキュレート、多環芳香族炭化水素の酸化には十分な機能を得ることができない。
これは、前記パティキュレート、多環芳香族炭化水素の沸点が高く、前記VOCsに比較して化学的に安定であることによる。そこで、前記排ガス中に含まれるパティキュレート、多環芳香族炭化水素等を酸化するために、より強い酸化反応雰囲気を得ることのできる酸化触媒として、2種類の金属元素を含む複合酸化物を用いることが考えられる。
前記複合酸化物として、例えば、AB1−xの化学式で表され、Aはランタン、ストロンチウム、セリウム、バリウムまたはカルシウムのうちの少なくとも1種であり、Bはコバルト、鉄、ニッケル、クロム、マンガンまたはマグネシウムのうちの少なくとも1種であり、Cは白金またはパラジウムのうちの少なくとも1種であるペロブスカイト構造を有する化合物が知られている(例えば特許文献1参照)。前記ペロブスカイト構造を有する化合物は、白金またはパラジウムが活性化されているため、パティキュレートの燃焼開始温度を下げることができるとされている。
また、前記複合酸化物として、例えば、セリウム−ジルコニウム複合酸化物が知られている(例えば特許文献2参照)。前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物は酸素吸蔵能を有し、還元性雰囲気ではセリウム原子が4価から3価に価数変化を生じると酸素を放出するとされている。
しかしながら、前記従来の複合酸化物では、前記排ガス中に含まれるパティキュレート、多環芳香族炭化水素等を酸化する機能が十分とは言えず、さらに改良が望まれる。
特開平7−116519号公報 特開2003−334443号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、内燃機関の排ガス中に含まれるパティキュレート、多環芳香族化合物等の高沸点物質を酸化する機能に優れた排ガス浄化酸化触媒を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の排ガス浄化酸化触媒は、2種類の金属元素をA,Bとするときに、一般式ABOで表される金属元素A,Bの複合酸化物と、一般式Aで表される金属元素Aの酸化物と、一般式Bで表される金属元素Bの酸化物との混晶組織からなることを特徴とする。
本発明の排ガス浄化酸化触媒は、前記2種類の金属元素A,Bの複合酸化物と、金属元素A,Bのそれぞれ単独の酸化物との3者の混晶組織からなることにより、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物またはセリウム−ジルコニウム複合酸化物よりも優れた酸素吸蔵能を得ることができる。
従って、本発明の排ガス浄化酸化触媒によれば、内燃機関の排ガス中に含まれるパティキュレート、多環芳香族化合物等の高沸点物質を酸化する際に、非常に強い酸化雰囲気を発生することができ、前記高沸点物質の酸化を従来よりも低温で行うことができる。また、本発明の排ガス浄化酸化触媒によれば、前記混晶組織からなることにより、前記金属元素A,Bの複合酸化物のみからなる場合に比較して、前記高沸点物質の酸化を低温で行うことができる。
金属元素A,Bは、前記混晶組織を形成するために、互いにイオン半径が異なり、金属元素Aのイオン半径/金属元素Bのイオン半径の値が1.349〜1.580の範囲にあることが好ましい。前記イオン半径の値は、Shannonのイオン半径を適用し、前記金属元素Aは8配位3価のイオン半径の値であり、前記金属元素Bは6配位3価のイオン半径の値である。
前記金属元素A,Bは、イオン半径比(金属元素Aのイオン半径/金属元素Bのイオン半径)の値が前記範囲にあることにより、前記金属元素A,Bの複合酸化物は六方晶構造となり、金属元素A,Bのそれぞれ単独の酸化物はC−希土構造となる。
前記イオン半径比の値が1.580を超えると、複合酸化物の構造がペロブスカイト構造となり、十分な酸素吸蔵能を得ることができない。また、前記イオン半径比の値が1.349未満になると、複合酸化物が六方晶構造を備えることができず、この場合にも十分な酸素吸蔵能を得ることができない。
本発明の排ガス浄化酸化触媒において、前記イオン半径比の値が前記範囲となるために、前記複合酸化物を構成する金属元素A,Bのうち、イオン半径の小さい方の元素(金属元素B)はMnであることが好ましく、イオン半径の大きい方の元素(金属元素A)はSc、Y、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選択される1種の金属元素であることが好ましい。
前記六方晶構造を備える複合酸化物としては、例えば、LiNiO、LiCoO等がある。また、前記C−希土構造とは、通常の金属酸化物(ホタル石に代表される)の単位格子から2個の酸素イオンが抜けたものである。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は金属元素A,Bの複合酸化物と金属元素A,Bのそれぞれ単独の酸化物との3者の混晶組織の結晶構造を示すX線回折パターンであり、図2は金属元素A,Bの複合酸化物のみの結晶構造を示すX線回折パターンである。図3は、図1に示す混晶組織と、図2に示す複合酸化物のみとのカーボンブラックの燃焼温度の相違を示すヒストグラムである。
本実施形態の排ガス浄化酸化触媒は、2種類の金属元素A,Bの複合酸化物であるABOと、金属元素A単独の酸化物であるAと、金属元素B単独の酸化物であるBとの3者の混晶組織からなる。
前記金属元素A,Bは、互いにイオン半径が異なり、イオン半径比(金属元素Aのイオン半径/金属元素Bのイオン半径)の値が1.349〜1.580の範囲にある。前記イオン半径比が前記範囲となる金属元素A,Bの組み合わせとして、例えば、イオン半径の大きい方の金属元素Aが、Sc、Y、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選択される1種の金属元素であり、イオン半径の小さい方の金属元素BがMnである場合を挙げることができる。
前記複合酸化物は六方晶構造を備えており、イオン半径の小さい金属元素Bの原子が、金属元素Bの原子と同一平面上に位置する3個の酸素原子と、2個の頂点酸素原子の合計5個の酸素原子に囲まれる特異な構造を備えている。また、前記金属元素A単独の酸化物または金属元素B単独の酸化物は、通常の金属酸化物(ホタル石に代表される)の単位格子から2個の酸素イオンが抜けた構造としてのC−希土構造を備えている。
本実施形態の排ガス浄化酸化触媒は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記金属元素Aの酸化物と、前記金属元素Bの酢酸塩または硝酸塩と、尿素またはリンゴ酸とを、1:1:1〜10のモル比、例えば1:1:6のモル比で粉砕混合する。前記粉砕混合は、要すればボール・ミル等を用いて行うことができる。
次に、得られた混合物を200〜250℃の温度で、10〜60分間反応させ、次いで250〜300℃の温度で、10〜60分間反応させ、さらに300〜350℃の温度で、10〜60分間反応させる。前記反応は、例えば250℃で30分間、次いで300℃で30分間、さらに350℃で1時間処理することにより行うことができる。
そして、得られた反応生成物を粉砕混合した後、600〜1000℃の温度で1〜50時間焼成することにより、目的の複合酸化物を得ることができる。前記粉砕混合は、要すればボール・ミル等を用いて行うことができる。また、前記焼成は、例えば800℃の温度で1時間処理することにより行うことができる。
本実施形態の排ガス浄化酸化触媒は、それ自体単独で排ガス浄化酸化触媒として用いることができると共に、他の酸化触媒の酸化特性を促進するための助触媒として他の酸化触媒に添加して用いることもできる。本実施形態の排ガス浄化酸化触媒を単独で排ガス浄化酸化触媒として反応系に供するには、例えば、通常の触媒担体として用いられるコージエライト等の耐熱性セラミック構造体に該排ガス浄化酸化触媒を塗布する方法、該耐熱性セラミック構造体と排ガス浄化酸化触媒とを混合する方法、該排ガス浄化酸化触媒自体をペレット状に整形する方法等を挙げることができる。
また、本実施形態の排ガス浄化酸化触媒は、VIII族元素と組み合わせて用いることもできる。この場合には、例えば、前述のようにして本実施形態の排ガス浄化酸化触媒を製造する際に、予め原料としてVIII族元素を添加しておくことにより、該排ガス浄化酸化触媒の構成元素として、VIII族元素を結晶中にドープすることができる。あるいは、予め製造した前記排ガス浄化酸化触媒の表面にVIII族元素を担持させるようにしてもよい。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
本実施例では、まず、スカンジウムの酸化物に、マンガンの酢酸塩または硝酸塩を、モル比でSc:Mn=1:1となるように添加した後、さらに尿素をモル比でSc:Mn:NCO=1:1:6となるように添加した後、5時間粉砕混合した。次に、得られた混合物を250℃で30分間反応させ、次いで300℃で30分間反応させ、さらに350℃で1時間反応させた。次に、反応終了後、得られた混合物を5時間粉砕混合した後、800℃で1時間焼成して複合酸化物粉末を得た。
次に、本実施例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、X線回折パターンを測定した。測定は、ブルカー(Burker)社製X線回折装置を用い、管電圧50kV、管電流150mA、ディフラクトメータ4°/分、計測範囲(2θ)10〜90°の条件で行った。この結果、本実施例で得られた複合酸化物は、ScMnOと、Scと、Mnとの3者の混晶組織であり、ScMnOは六方晶構造を備え、ScとMnとはC−希土構造を備えることが判明した。ScとMnとのイオン半径比(Scのイオン半径/Mnのイオン半径)は、1.349であった。X線回折パターンを図1に示す。
次に、本実施例で得られた混晶組織のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該混晶組織をカーボンブラックと混合して、カーボンブラックの熱分析試験を行った。熱分析試験は、本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとを、混晶組織:カーボンブラック=20:1(重量比)となるように秤量し、メノウ乳鉢で5分間混合したものを試料とし、株式会社リガク製熱分析装置を用いて、大気中、室温から800℃まで、10℃/分の速度で昇温することにより行った。本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は380℃であった。結果を図3に示す。
また、別に、カーボンブラックのみを試料とした以外は、前述と全く同一にして、熱分析試験を行った。この結果、カーボンブラック単独の燃焼温度は650℃であった。結果を図3に併せて示す。
本実施例では、まず、スカンジウムの酸化物に代えて、イットリウムの酸化物を用い、尿素に代えてリンゴ酸(C)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本実施例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本実施例で得られた複合酸化物は、YMnOと、Yと、Mnとの3者の混晶組織であり、YMnOは六方晶構造を備え、YとMnとはC−希土構造を備えることが判明した。YとMnとのイオン半径比(Yのイオン半径/Mnのイオン半径)は、1.580であった。X線回折パターンを図1に示す。
次に、本実施例で得られた混晶組織のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該混晶組織をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は390℃であった。結果を図3に示す。
本実施例では、まず、スカンジウムの酸化物に代えて、ホルニウムの酸化物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本実施例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本実施例で得られた複合酸化物は、HoMnOと、Hoと、Mnとの3者の混晶組織であり、HoMnOは六方晶構造を備え、HoとMnとはC−希土構造を備えることが判明した。HoとMnとのイオン半径比(Hoのイオン半径/Mnのイオン半径)は、1.574であった。X線回折パターンを図1に示す。
次に、本実施例で得られた混晶組織のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該混晶組織をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は385℃であった。結果を図3に示す。
本実施例では、まず、スカンジウムの酸化物に代えて、エルビウムの酸化物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本実施例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本実施例で得られた複合酸化物は、ErMnOと、Erと、Mnとの3者の混晶組織であり、ErMnOは六方晶構造を備え、ErとMnとはC−希土構造を備えることが判明した。ErとMnとのイオン半径比(Erのイオン半径/Mnのイオン半径)は、1.557であった。X線回折パターンを図1に示す。
次に、本実施例で得られた混晶組織のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該混晶組織をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとの混合物では、燃焼温度は400℃であった。結果を図3に示す。
本実施例では、まず、スカンジウムの酸化物に代えて、ツリウムの酸化物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本実施例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本実施例で得られた複合酸化物は、TmMnOと、Tmと、Mnとの3者の混晶組織であり、TmMnOは六方晶構造を備え、TmとMnとはC−希土構造を備えることが判明した。TmとMnとのイオン半径比(Tmのイオン半径/Mnのイオン半径)は、1.541であった。X線回折パターンを図1に示す。
次に、本実施例で得られた混晶組織のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該混晶組織をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとの混合物では、燃焼温度は405℃であった。結果を図3に示す。
本実施例では、まず、スカンジウムの酸化物に代えて、イッテルビウムの酸化物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本実施例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本実施例で得られた複合酸化物は、YbMnOと、Ybと、Mnとの3者の混晶組織であり、YbMnOは六方晶構造を備え、YbとMnとはC−希土構造を備えることが判明した。YbとMnとのイオン半径比(Ybのイオン半径/Mnのイオン半径)は、1.527であった。X線回折パターンを図1に示す。
次に、本実施例で得られた混晶組織のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該混晶組織をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとの混合物では、燃焼温度は405℃であった。結果を図3に示す。
本実施例では、まず、スカンジウムの酸化物に代えて、ルテチウムの酸化物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本実施例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本実施例で得られた複合酸化物は、LuMnOと、Luと、Mnとの3者の混晶組織であり、LuMnOは六方晶構造を備え、LuとMnとはC−希土構造を備えることが判明した。LuとMnとのイオン半径比(Luのイオン半径/Mnのイオン半径)は、1.516であった。X線回折パターンを図1に示す。
次に、本実施例で得られた混晶組織のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該混晶組織をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本実施例で得られた混晶組織とカーボンブラックとの混合物では、燃焼温度は385℃であった。結果を図3に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、まず、スカンジウムの酸化物に代えて、酢酸塩を用いた以外は、実施例1と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本比較例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本比較例で得られた複合酸化物は六方晶構造を備えるScMnOのみからなることが判明した。X線回折パターンを図2に示す。
次に、本比較例で得られた複合酸化物のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該複合酸化物をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本比較例で得られた複合酸化物とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は400℃であった。結果を図3に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、まず、イットリウムの酸化物に代えて、酢酸塩を用いた以外は、実施例2と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本比較例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本比較例で得られた複合酸化物は六方晶構造を備えるYMnOのみからなることが判明した。X線回折パターンを図2に示す。
次に、本比較例で得られた複合酸化物のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該複合酸化物をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本比較例で得られた複合酸化物とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は415℃であった。結果を図3に示す。
〔比較例3〕
本比較例では、まず、ホルニウムの酸化物に代えて、硝酸塩を用いた以外は、実施例3と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本比較例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本比較例で得られた複合酸化物は六方晶構造を備えるHoMnOのみからなることが判明した。X線回折パターンを図2に示す。
次に、本比較例で得られた複合酸化物のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該複合酸化物をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本比較例で得られた複合酸化物とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は430℃であった。結果を図3に示す。
〔比較例4〕
本比較例では、まず、エルビウムの酸化物に代えて、硝酸塩を用いた以外は、実施例4と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本比較例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本比較例で得られた複合酸化物は六方晶構造を備えるErMnOのみからなることが判明した。X線回折パターンを図2に示す。
次に、本比較例で得られた複合酸化物のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該複合酸化物をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本比較例で得られた複合酸化物とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は460℃であった。結果を図3に示す。
〔比較例5〕
本比較例では、まず、ツリウムの酸化物に代えて、硝酸塩を用いた以外は、実施例5と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本比較例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本比較例で得られた複合酸化物は六方晶構造を備えるTmMnOのみからなることが判明した。X線回折パターンを図2に示す。
次に、本比較例で得られた複合酸化物のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該複合酸化物をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本比較例で得られた複合酸化物とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は440℃であった。結果を図3に示す。
〔比較例6〕
本比較例では、まず、イッテルビウムの酸化物に代えて、硝酸塩を用いた以外は、実施例6と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本比較例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本比較例で得られた複合酸化物は六方晶構造を備えるYbMnOのみからなることが判明した。X線回折パターンを図2に示す。
次に、本比較例で得られた複合酸化物のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該複合酸化物をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本比較例で得られた複合酸化物とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は460℃であった。結果を図3に示す。
〔比較例7〕
本比較例では、まず、ルテチウムの酸化物に代えて、硝酸塩を用いた以外は、実施例7と全く同一にして複合酸化物を得た。
次に、本比較例で得られた複合酸化物の結晶構造を確定するために、実施例1と全く同一にして、X線回折パターンを測定した。この結果、本比較例で得られた複合酸化物は六方晶構造を備えるLuMnOのみからなることが判明した。X線回折パターンを図2に示す。
次に、本比較例で得られた複合酸化物のパティキュレートに対する酸化特性を評価するために、該複合酸化物をカーボンブラックと混合し、実施例1と全く同一にして、カーボンブラックの熱分析試験を行った。本比較例で得られた複合酸化物とカーボンブラックとの混合物の燃焼温度は450℃であった。結果を図3に示す。
図3から、前金属元素AがSc、Y、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選択される1種の金属元素であり、前金属元素BがMnである複合酸化物ABOと、金属元素A単独の酸化物であるAと、金属元素B単独の酸化物であるBとの3者の混晶組織(実施例1〜7)は、複合酸化物ABOのみである場合(比較例1〜7)に比較して、カーボンブラックの燃焼温度を低下させることができ、優れた酸化特性を備えていることが明らかである。
従って、実施例1〜7の複合酸化物によれば、パティキュレート、多環芳香族化合物等の高沸点の物質を酸化する機能に優れた排ガス浄化酸化触媒を構成することができる。
本発明の排ガス浄化酸化触媒を形成する混晶組織の構造を示すX線回折パターン。 金属元素A,Bの複合酸化物のみの結晶構造を示すX線回折パターン。 図1に示す混晶組織と、図2に示す複合酸化物のみとのカーボンブラックの燃焼温度の相違を示すヒストグラム。
符号の説明
符号なし。

Claims (6)

  1. 2種類の金属元素をA,Bとするときに、一般式ABOで表される金属元素A,Bの複合酸化物と、一般式Aで表される金属元素Aの酸化物と、一般式Bで表される金属元素Bの酸化物との混晶組織からなることを特徴とする排ガス浄化酸化触媒。
  2. 前記金属元素A,Bは、互いにイオン半径が異なり、金属元素Aのイオン半径/金属元素Bのイオン半径の値が1.349〜1.580の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化酸化触媒。
  3. 前記複合酸化物を構成する金属元素A,Bのうち、イオン半径の小さい方の元素がMnであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の排ガス浄化酸化触媒。
  4. 前記複合酸化物を構成する金属元素A,Bのうち、イオン半径の大きい方の元素がSc、Y、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選択される1種の金属元素であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の排ガス浄化酸化触媒。
  5. 前記複合酸化物は、六方晶構造を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の排ガス浄化酸化触媒。
  6. 前記金属元素Aの酸化物と、前記金属元素Bの酸化物とは、C−希土構造を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の排ガス浄化酸化触媒。
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