JP2013062182A - 金属酸素電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電サイクルを繰り返しても、優れたな充放電容量を維持することができる金属酸素電池を提供する。
【解決手段】金属酸素電池1は、酸素を活物質とし酸素貯蔵材料21と導電性材料とを含む正極2と、リチウムイオンを吸収放出可能な負極3と、正極2と負極3とに挟持された電解質層4とを備える。正極2は、導電性材料からなる被膜22に、酸素貯蔵材料21の表面の少なくとも一部が被覆されている複合材料23を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属酸素電池に関する。
従来、電池反応として、正極における酸素の酸化還元反応を利用する金属酸素電池が知られている。前記金属酸素電池には、空気中から取り入れた酸素を用いて前記酸化還元反応を行うものと、正極に酸素吸蔵材料を備え、該酸素吸蔵材料から放出される酸素を用いて前記酸化還元反応を行うものとがある。
正極に酸素吸蔵材料を備える金属酸素電池では、放電時には、負極において金属が酸化されて金属イオンを生じ、該金属イオンが正極側に移動する。一方、正極においては前記酸素吸蔵材料から放出された酸素が酸素イオンに還元され、該金属イオンと結合して金属酸化物を形成する。また、前記金属酸素電池では、充電時には、前記負極及び前記正極において、前記反応の逆反応が起きる。
このような金属酸素電池として、前記酸素吸蔵材料に、酸素を含むマンガン錯体を用いるもの(例えば特許文献1参照)、又はペロブスカイト型構造を有するFe系金属複合酸化物を用いるものが知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2009−230985号公報 特開2009−283381号公報
しかしながら、前記金属酸素電池では、充放電サイクルを繰り返すに従って、十分な充放電容量を得ることができなくなるという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、充放電サイクルを繰り返しても優れた充放電容量を維持することができる金属酸素電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来の金属酸素電池において、充放電サイクルを繰り返すに従って、十分な充放電容量を得ることができなくなる理由について鋭意検討した結果、次の知見を得た。
まず、従来の金属酸素電池では、前記正極は前記酸素吸蔵材料と導電助剤としての導電性材料とがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような結着剤を介して相互に結合された構成を備えている。ここで、図4(a)に示すように、前記酸素吸蔵材料51と前記導電助剤52とはいずれも粒状であり、酸素吸蔵材料51はその表面の一部がPTFE53により被覆されている。そして、酸素吸蔵材料51の表面のPTFE53により被覆されていない領域に導電助剤52が凝集している。
また、前記正極では、酸素吸蔵材料51、導電助剤52及びPTFE53の周囲は、電解液により満たされており、酸素吸蔵材料51と導電助剤52との接点に、酸素吸蔵材料51と導電助剤52と該電解液との三相界面が形成される。そして、前記三相界面において前記電池反応が起きるものと考えられている。
そこで、放電時には、まず、前記負極で金属の酸化により生成した金属イオンが正極側に移動する。一方、前記三相界面においては、酸素吸蔵材料51から放出された酸素が、導電助剤52により伝導される電子により還元されて酸素イオンを生成する。そして、前記三相界面において、前記金属イオンが前記酸素イオンと結合する。この結果、図4(b)に示すように、前記三相界面に金属酸化物54が析出し、導電助剤52が酸素吸蔵材料51から離間される。
金属酸化物54は、充電時には金属イオンと酸素イオンとに解離して消滅するが、一旦酸素吸蔵材料51から離間された導電助剤52はそのままであり、原状に復することはない。従って、充放電サイクルを繰り返すと、酸素吸蔵材料51と結合している導電助剤52が減少し、換言すれば前記三相界面が減少して、十分な充放電容量を得ることができなくなるものと考えられる。
本発明は前記知見に基づくものであり、前記目的を達成するために、酸素を活物質とし酸素貯蔵材料と導電性材料とを含む正極と、リチウムイオンを吸収放出可能な負極と、該正極と該負極とに挟持された電解質層とを備える金属酸素電池において、該正極は、該導電性材料からなる被膜に該酸素貯蔵材料の表面の少なくとも一部が被覆されている複合材料を備えることを特徴とする。
尚、本出願において、前記「酸素貯蔵材料」とは、酸素を吸蔵放出することができると共に、その表面に酸素を吸脱着することができる材料を意味する。前記酸素貯蔵材料の表面に吸脱着される酸素は、該酸素貯蔵材料に吸蔵放出されるために該酸素貯蔵材料中に拡散する必要がないので、吸蔵放出される酸素よりも低エネルギーで前記電池反応に用いられることとなり、より優位に作用することができる。
本発明の金属酸素電池では、前記正極に備えられる前記複合材料において、前記酸素貯蔵材料は、その表面の少なくとも一部が前記導電性材料からなる被膜に被覆されている。そこで、前記酸素貯蔵材料から放出又は脱着された酸素が、該被膜により伝導される電子により還元されて酸素イオンを生成したときに、前記被膜表面に該酸素イオンと前記金属イオンとが反応しうる反応場が形成される。前記反応場は、前記従来の金属酸素電池における三相界面に相当する。
そこで、本発明の金属酸素電池では、放電時には、前記負極で金属の酸化により生成した金属イオンが正極側に移動し、前記被膜表面において前記酸素イオンと結合する。この結果、前記被膜表面に、前記金属酸化物が析出する。
従って、放電時に前記金属酸化物が析出し、充電時に該金属酸化物が金属イオンと酸素イオンとに解離して消滅するとしても、前記被膜を形成する前記導電性材料は前記酸素貯蔵材料から離間することがなく、前記反応場を保持することができる。この結果、本発明の金属酸素電池によれば、充放電サイクルを繰り返しても、優れた充放電容量を維持することができる。
本発明の金属酸素電池において、前記複合材料は、前記酸素貯蔵材料を炭素源と混合し、焼成することにより、該酸素貯蔵材料の表面の少なくとも一部に該炭素源に由来する導電性材料からなる被膜を形成することができる。
また、本発明の金属酸素電池において、前記複合材料は、充放電サイクルを繰り返したときにも前記被膜を形成する前記導電性材料が前記酸素貯蔵材料から離間しないように、該被膜が該酸素貯蔵材料の表面に強固に密着されていることが望まれる。
そこで、前記酸素貯蔵材料は、表面に疎水性基を備えることが好ましい。前記酸素貯蔵材料は、表面に疎水性基を備えることにより、前記炭素源に由来する導電性材料からなる被膜との密着性を高くすることができる。
前記酸素貯蔵材料と前記被膜との密着性は、例えば示差熱分析の発熱ピークにより示すことができる。そこで、本発明の金属酸素電池において、前記複合材料は、示差熱分析で400℃以下の範囲の温度に発熱ピークを有することが好ましい。前記複合材料の示差熱分析における発熱ピークが400℃を超えるときには、前記酸素貯蔵材料と前記被膜との間で十分な密着性が得られないことがあり、充放電サイクルを繰り返したときに十分な充放電容量を得ることができなくなることがある。
また、本発明の金属酸素電池において、前記導電性材料からなる被膜は、酸素イオンが透過可能であることが好ましい。このとき、前記酸素貯蔵材料から放出又は脱着された酸素から生成した酸素イオンは、前記導電性材料からなる被膜を透過して該被膜の表面に達することができ、該被膜表面に前記反応場を容易に形成することができる。
また、本発明の金属酸素電池において、前記酸素貯蔵材料は、イットリウムとマンガンとの複合金属酸化物からなることが好ましい。前記イットリウムとマンガンとの複合金属酸化物によれば、優れた酸素貯蔵能を得ることができる。
また、本発明の金属酸素電池は、前記正極と前記負極と前記電解質層とを密閉された状態で収容する筐体を備えることが好ましい。前記正極と前記負極と前記電解質層とは、前記筐体内に密閉されていることにより、空気中の酸素、二酸化炭素等が侵入して劣化されることを防止することができる。
本発明の金属酸素電池の一構成例を示す説明的断面図。 本発明の金属酸素電池の正極の状態を模式的に示す説明図。 本発明の金属酸素電池に用いられる複合材料の示差熱分析の結果を示すグラフ。 従来の金属酸素電池の正極の状態を模式的に示す説明図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態の金属酸素電池1は、酸素を活物質とする正極2と、リチウムイオンを吸収放出可能な負極3と、正極2と負極3との間に配設される電解質層4とを備え、正極2、負極3及び電解質層4は、ケース5内に密閉されて収容されている。
ケース5は、カップ状のケース本体6と、ケース本体6を閉蓋する蓋体7とを備え、ケース本体6と蓋体7との間には絶縁樹脂8が介装されている。また、正極2は蓋体7の天面との間に正極集電体9を備えている。尚、金属酸素電池1において、ケース本体6は負極板として、蓋体7は正極板として作用する。
金属酸素電池1において、正極2は、図2(a)に示すように、酸素貯蔵材料21と導電性材料からなる被膜22とにより構成される複合材料23を備えている。ここで、複合材料23は、被膜22により酸素貯蔵材料21の表面が被覆されている。
尚、本実施形態では、被膜22により酸素貯蔵材料21の表面が全て被覆されているが、被膜22は酸素貯蔵材料21の表面の少なくとも一部を被覆していればよい。
酸素貯蔵材料21は、例えば、YMnOからなり、酸素を吸蔵又は放出する機能を備えると共に、その表面に酸素を吸着、脱着することができる。複合材料23において、被膜22は、例えば、酸素貯蔵材料21を炭素源と混合し、500〜1150℃の範囲の温度で1〜100時間の範囲の時間焼成することにより、酸素貯蔵材料21の表面に密着させて形成することができる。
前記炭素源としては、例えば、スクロース等の糖類、フェノール樹脂等の芳香族化合物を挙げることができる。また、このとき、酸素貯蔵材料21は、その表面に疎水性基を備えていることにより、被膜22との密着性を更に高くすることができる。前記疎水性基としては、例えば、アルキル基等を挙げることができる。
前記炭素源として前記スクロースを用いる場合、例えば、前記複合金属酸化物50〜80質量部と、50質量%−スクロース水溶液20〜50質量部とを混合して乾燥した後、前記範囲の温度で前記範囲の時間焼成することにより、複合材料23を得ることができる。
酸素貯蔵材料21と被膜22との密着性は、例えば、複合材料23の示差熱分析の発熱ピークにより示すことができる。複合材料23は、示差熱分析で400℃以下の範囲の温度に発熱ピークを有することにより、酸素貯蔵材料21と被膜22との間で強固な密着性を得ることができる。また、被膜22は、酸素イオンが透過可能であることが好ましい。
次に、負極3は、リチウムイオンを吸収放出可能な材料からなり、例えば、金属リチウム、リチウム合金、グラファイト等のリチウムイオンを吸収放出可能な炭素質材料等を挙げることができる。
次に、電解質層4は、例えば、非水系電解質溶液をセパレータに浸漬させたものであってもよく、固体電解質であってもよい。
前記非水系電解質溶液は、例えば、リチウム塩を非水系溶媒に溶解したものを用いることができる。前記リチウム塩としては、例えば、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等を挙げることができる。また、前記非水系溶媒としては、例えば、炭酸エステル系溶媒、エーテル系溶媒、イオン液体等を挙げることができる。
前記炭酸エステル系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を挙げることができる。前記炭酸エステル系溶媒は2種以上混合して用いることもできる。
前記エーテル系溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン、ジメチルトリグラム、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。前記エーテル系溶媒は2種以上混合して用いることもできる。
前記イオン液体としては、例えば、イミダゾリウム、アンモニウム、ピリジニウム、ペリジウム等のカチオンと、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(TTSI)、ビス(ペンタフルオロエチルスルフォニル)イミド(BETI)、テトラフルオロボレート、パークロレート、ハロゲンアニオン等のアニオンとの塩を挙げることができる。
前記セパレータとしては、例えば、ガラス繊維、ガラス製ペーパー、ポリプロピレン製不織布、ポリイミド製不織布、ポリフェニレンスルフィド製不織布、ポリエチレン製多孔フィルム等を挙げることができる。
また、前記固体電解質としては、例えば、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質等を挙げることができる。
前記酸化物系固体電解質としては、例えば、リチウム、ランタン、ジルコニウムの複合酸化物であるLiLaZr12、リチウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、ゲルマニウム、リンを主成分とするガラスセラミックス等を挙げることができる。前記LiLaZr12は、リチウム、ランタン、ジルコニウムの一部を、それぞれストロンチウム、バリウム、銀、イットリウム、鉛、スズ、アンチモン、ハフニウム、タンタル、ニオブ等の他の金属で置換されたものであってもよい。
次に、正極集電体9としては、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、銅等のメッシュからなるものを挙げることができる。
本実施形態の金属酸素電池1では、放電時には次の式に示すように、負極3において、金属リチウムが酸化されてリチウムイオンと電子とが生成する。生成したリチウムイオンは、電解質層4を介して正極2に移動し、酸素貯蔵材料21から供給される酸素の還元により生成した酸素イオンと反応し、酸化リチウム又は過酸化リチウムを生成する。
(負極) 4Li → 4Li +4e
(正極) O + 4e → 2O2−
4Li + 2O2− → 2Li
2Li + 2O2− → Li
ここで、被膜22は酸素貯蔵材料21の表面に密着しているので、被膜22の表面が正極2における前記反応の反応場となり、図2(b)に示すように酸化リチウム又は過酸化リチウム24が析出する。しかし、酸化リチウム又は過酸化リチウム24が析出するのは被膜22の表面であるので、該析出により被膜22が酸素貯蔵材料21から離間されることはない。また、被膜22が酸素イオンの透過性を備える場合には、被膜22の表面において前記反応がさらに容易に起きるので好ましい。
一方、充電時には次の式に示すように、正極2において、酸化リチウム又は過酸化リチウム24からリチウムイオンと酸素イオンとが生成する。生成したリチウムイオンは電解質層4を介して負極3に移動し、負極3で還元されることにより金属リチウムとして析出する。
(正極) 2LiO → 4Li + 2O2−
Li → 2Li + 2O2−
(負極) 4Li +4e → 4Li
前記充電時には、酸化リチウム又は過酸化リチウム24は、リチウムイオンと酸素イオンとに解離して消滅する。しかし、酸化リチウム又は過酸化リチウム24は、前記のように被膜22の表面に析出していたものであるので、消滅したとしても被膜22が酸素貯蔵材料21から離間されることはない。
この結果、金属酸素電池1によれば、充放電サイクルを繰り返しても、酸素貯蔵材料21と被膜22と間に空隙を生じることがなく、優れたな充放電容量を維持することができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
〔実施例〕
本実施例では、まず、硝酸イットリウム5水和物と、硝酸マンガン6水和物と、リンゴ酸とを、1:1:6のモル比となるようにして、粉砕混合し、複合金属酸化物材料の混合物を得た。次に、得られた複合金属酸化物材料の混合物を250℃の温度で30分間反応させた後、さらに、300℃の温度で30分間、350℃の温度で1時間反応させた。次に、反応生成物の混合物を粉砕混合した後、1000℃の温度で1時間焼成して複合金属酸化物を得た。
得られた複合金属酸化物は、X線回折パターンにより、化学式YMnOで表される複合金属酸化物であり、六方晶構造を備えることが確認された。
次に、前記複合金属酸化物に対して50質量%−スクロース水溶液を、該複合金属酸化物とスクロース(固形分)とが80:20の質量比となるように混合し、乾燥した。次に、得られた混合物を、真空下、550℃の温度で3時間反応させた後、700℃の温度で3時間焼成することにより、前記複合金属酸化物の表面が、前記スクロース由来の導電性材料からなる被膜に被覆されている複合材料23を得た。
次に、前記複合材料23を試料として、0〜800℃の範囲で示差熱分析を行った。また、前記複合金属酸化物とケッチェンブラック(株式会社ライオン製)とが80:20の質量比となるように混合した混合物(比較例1)を試料として、本実施例と全く同一にして示差熱分析を行った。結果を図3に示す。
図3から、比較例1の混合物の発熱ピークが425℃であるのに対して、本実施例の複合材料23の発熱ピークは325℃であり、複合材料23では被膜22が酸素貯蔵材料21の表面に強固に密着していることが明らかである。
次に、前記複合材料と、ケッチェンブラック(株式会社ライオン製)と、ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製)とを、40:50:10の質量比でエタノールと混合し、正極混合物を得た。そして、得られた正極混合物をアルミニウムメッシュ(株式会社ニラコ製)からなる正極集電体9に圧着し、直径15mm、厚さ1mmの正極2を形成した。
尚、本実施例では、前記複合材料自体が前記導電性材料からなる被膜を備えているので、正極2は該複合材料を備えていればよく、前記ケッチェンブラック及び前記ポリテトラフルオロエチレンは必ずしも添加しなくてもよい。しかし、ここでは、後述の比較例と同条件とするために、前記ケッチェンブラック及び前記ポリテトラフルオロエチレンを添加している。
次に、内径15mmの有底円筒状のSUS製ケース本体6の内部に、直径15mm、厚さ1mmの金属リチウム箔(本城金属株式会社製)からなる負極3を配置した。
次に、負極3上に、直径15mmの不織布セパレータ(タピルス株式会社製)を重ね合わせた。次に、前記セパレータ上に、前記のようにして得られた正極2及び正極集電体9を、正極2が該セパレータに接するように重ね合わせた。次に、前記セパレータに非水系電解質溶液を注入し、電解質層4を形成した。
前記非水系電解質溶液としては、エチレンカーボネートと、ジエチルカーボネートとを30:70の質量比で混合した混合溶液に、支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解した溶液(キシダ化学株式会社製)を用いた。
次に、ケース本体6に収容された負極3、電解質層4、正極2、正極集電体9からなる積層体を、内径15mmの有底円筒状のSUS製蓋体7で閉蓋した。このとき、ケース本体6と蓋体7との間に、外径32mm、内径30mm、厚さ5mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるリング状の絶縁樹脂8を配設することにより、図1に示す金属酸素電池1を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸素電池1の充放電性能を測定した。前記測定は、金属酸素電池1を電気化学測定装置(東方技研株式会社製)に装着し、負極3と正極2との間に、0.1mA/cmの電流を印加し、セル電圧が2.0Vになるまで放電した。また、本実施例で得られた金属酸素電池1を前記電気化学測定装置に装着し、負極3と正極2との間に、0.05mA/cmの電流を印加し、セル電圧が4.5Vになるまで充電した。
〔比較例2〕
本比較例では、前記実施例で得られた複合金属酸化物と、ケッチェンブラック(株式会社ライオン製)と、ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製)とを、40:50:10の質量比で混合して正極混合物を得た以外は、前記実施例と全く同一にして、金属酸素電池を得た。
次に、本比較例で得られた金属酸素電池を用いた以外は、前記実施例と全く同一にして、充放電性能を測定した。
この結果、前記実施例の金属酸素電池1によれば、充放電サイクルを繰り返しても、比較例に対して優れたな充放電容量を維持することができることが確認された。
1…金属酸素電池、 2…正極、 3…負極、 4…電解質層、 5…ケース、 21…酸素貯蔵材料、 22…被膜、 23…複合材料。

Claims (7)

  1. 酸素を活物質とし酸素貯蔵材料と導電性材料とを含む正極と、リチウムイオンを吸収放出可能な負極と、該正極と該負極とに挟持された電解質層とを備える金属酸素電池において、
    該正極は、該導電性材料からなる被膜に該酸素貯蔵材料の表面の少なくとも一部が被覆されている複合材料を備えることを特徴とする金属酸素電池。
  2. 請求項1記載の金属酸素電池において、前記複合材料は、前記酸素貯蔵材料を炭素源と混合し、焼成することにより、該酸素貯蔵材料の表面の少なくとも一部が該炭素源に由来する導電性材料からなる被膜に被覆されていることを特徴とする金属酸素電池。
  3. 請求項2記載の金属酸素電池において、前記酸素貯蔵材料は、表面に疎水性基を備えることを特徴とする金属酸素電池。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の金属酸素電池において、前記複合材料は、示差熱分析で400℃以下の範囲の温度に発熱ピークを有することを特徴とする金属酸素電池。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の金属酸素電池において、前記導電性材料からなる被膜は、酸素イオンが透過可能であることを特徴とする金属酸素電池。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の金属酸素電池において、前記酸素貯蔵材料は、イットリウムとマンガンとの複合金属酸化物からなることを特徴とする金属酸素電池。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の金属酸素電池において、前記正極と前記負極と前記電解質層とを密閉された状態で収容する筐体を備えることを特徴とする金属酸素電池。
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