JP2007305954A - 電界効果トランジスタ及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
オフ耐圧を維持して、オン抵抗低減する電界効果トランジスタを得る。
【解決手段】
窒化物半導体層が複数設けられた積層構造20にキャリア走行層23を有し、該積層構造上に設けられたゲート電極186と、該ゲート電極を挟むソース電極185、ドレイン電極187のFETで、積層構造が、ゲート電極両側にキャリア走行層の端部を露出させる側面140eを備えた段差部を有し、その段差部側面の電極の一部が、段差部上段140tの表面に設けられ、上段に設けられた各電極一部が、キャリア走行方向において、側面からゲート電極側の各電極端部までの距離Lと、が、L≦10μmであり、前記距離L[μm]が1以上10以下の範囲において、距離Lにおける TLM法によるソース、ドレイン電極の接触抵抗Rc[Ω・mm]が、(L, Rc)=(1,2)と(10,5)の線分よりも低い値である電界効果トランジスタ。
【選択図】 図2A

Description

本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた電界効果トランジスタに係り、特に、メサ構造上面にゲート電極、側面にソース電極、ドレイン電極を有する電界効果トランジスタに関する。
半導体層を積層して構成された電界効果トランジスタ(FET:Field effect Transistor)は、高周波かつ高耐圧で動作可能な高出力パワー半導体装置として期待され、MESFET(Metal Semiconductor FET)や高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)等が提案されている。近年、窒化ガリウム系化合物を用いたHEMT(以下、「GaN系HEMT」ともいう)が、次世代型の高速FETとして注目されている。GaN系HEMTはSi系化合物やGaAs系化合物等に比べて、その材料特性から、1.バンドギャップが広く、電子有効質量から見積もられる電子の飽和電子移動度も高いこと、2.破壊電界が大きいこと、3.高温でも安定しているため、内燃機関の近傍等の高温領域でも使用できる等、応用分野が広いこと、4.原材料となる窒化ガリウム系化合物半導体自身が基本的に無毒の材料であること、等の優れた利点があるため、より大出力で高耐圧かつ高温動作可能な高周波デバイスを実現できる可能性がある。
図1Aに示すGaN系化合物のHEMTの一例は、サファイア基板11上にGaNバッファ層12を介して、キャリア走行層のアンドープGaN層13、チャネルの波動関数が染み出しても高い移動度を好適に確保するスペーサ層のアンドープAlGaN層18、キャリア供給層(電子供給層)のn型AlGaN層14を順次積層している。スペーサ層は、電子を失った不純物イオンの電気的影響がチャネルに及ぶのを抑制して、チャネルにおける電子の走行に影響を与えないようにする。またn型AlGaN層14の上面には、ソース電極(以下、S電極、単に「S」ともいう)15、ゲート電極(以下、G電極、単に「G」という)16、ドレイン電極(以下、D電極、単に「G」という)17がそれぞれ形成される。このHEMTは、層14が層13に電子を供給し、供給された電子は層13の最上層部で層14に接する領域13aにチャネルを形成する。ドレイン電圧を印加すると、S電極15から電子がキャリア供給層14に注入され、チャネル13aを高移動度で走行し、再び層14を通過して、D電極17に流れる。ここで、G電極に印加される電圧に応じてチャネル領域が制御されるため、G電極に印加する電圧を制御することにより、S電極とD電極間に流れる電流量が制御されることになる。
特開2003−045898号公報 特開平9−082693号公報 特開平5−218099号公報 特開平9−064341号公報 特開2003-258005号公報 特開昭63-308965号公報 特開平5-182991号公報 特開2001-102565号公報 M. Miyoshi et al., Jpn J. Appl. Phs., Vol. 44, No.9A (2005), p. 6490-6494 D. Qiao et al., Applied Physics Letters, Vol. 80, No. 6 (2002), p.992-994
このようなGaN系HEMTをより高出力化するためには、抵抗成分を下げ更なる高効率化を図る必要がある。抵抗値を下げる要因としては、主にチャネル層内部での抵抗と、S電極及びD電極と半導体層との接触抵抗がある。この内、電極と半導体層との接触抵抗は、主に、図1Aに示すように、半導体層1上面に設けられた電極層5との接触界面で発生する。別の例として半導体積層構造の表面全体を広く覆うように電極層が配置される構成では、素子の電流はチャネルである領域からキャリア供給層であるAlGaN層を通過して電極層側に流れ込む。この構造では、AlGaN層の抵抗値が高くなると、電流が流れ難くなり電極との界面で接触抵抗が増加する。
特にGaN系HEMTにおいては、GaAs系のHEMTと比較して、低オン抵抗を維持しつつ、耐圧が1桁ほど高くできるという優れた性質を有している。GaN系HEMTの特有の耐圧をさらに高めて利用するには、キヤリア供給層として働くAlGaN層のドープ量を減らしてアンドープに近付けることが望まれる。しかしながら、AlGaN層をアンドープに近付ける程キャリア密度が低下し、導電率が低下して抵抗率が上がるという問題があり、これによって電極界面での接触抵抗が増加しオン抵抗が増大するという問題が生じていた。キャリア供給層として働く層と電極との接触抵抗が高ければ、窒化ガリウムの特性を十分に生かすことができない。このように、特にGaN系HEMTでは高耐圧化と低抵抗化とはトレードオフの関係にあった。
図1Bは、上記非特許文献1,2の素子構造を示すもので、ソース・ドレイン電極(以下、S・D電極という)は、自己整合的に形成され(文献1)、その電極形成位置を制御することが開示(文献2)されるが、チャネル端部に接触する電極の信頼性、生産性に難がある。
また、特許文献1,2には、メサ側面に設けるS・D電極について、メサ上面近傍を露出させること(文献1)、上面の一部を覆って形成すること(文献2)が記載され、文献5にはD電極を上層と溝部底面のn型層とに接続することが開示され、特許文献3,4には、S・D電極をいくつかの溝部に跨って形成する構造が記載されている。しかし、メサ構造及び側面電極構造、又は半導体積層構造の適応は半導体材料により異なり、GaN系FETにおいて、具体的にどのような構造とすべきかについて記載されていない。
さらに、特許文献6、7には、メサ側面及び上面にS・D電極を設けられたFETが記載されている。しかし、メサ形状の側面からG電極側のS・D電極端部までの距離について開示されておらず、メサ形状の上面と側面の接触抵抗などの各特性についても開示されていない。特に特許文献6においては、メサ形状の上面はn型の層であり、S・D電極は、上面からオーミック接触させるために、メサ形状の側面からG電極側端部までの距離をある程度大きくしていると考えられる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、電極界面との接触抵抗を低減した高効率な電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供することにある。
以上の目的を達成するために、本発明者が鋭意検討した結果、窒化物半導体のFETでメサ構造を有する場合に、メサ構造の能動領域における半導体層及び電極構造における各特性、特に接触抵抗が異なること、具体的には、同様な寸法でメサ構造が形成されても、その形成方法、電極構造により異なる特性のメサ構造部、引いてはFETとなることを新規に見出し、本発明を成すに至った。
本発明の電界効果トランジスタ(以下、FETともいう)の基本構造は、窒化物半導体層が複数設けられた積層構造にキャリア走行層を有し、積層構造上に設けられたゲート電極と、ゲート電極を挟むソース電極、ドレイン電極を有する電界効果トランジスタであって、積層構造が、ゲート電極両側にキャリア走行層の端部を露出させる側面を備えた段差部を有し、段差部側面に、少なくとも前記キャリア走行層端部と接続された、ソース電極、ドレイン電極が設けられ、ソース電極、ドレイン電極の一部が、段差部上段の表面に設けられている。
本発明の第1の態様に係るFETは、上記基本構成において、上記距離Lが10μm以下で、距離L[μm]が1以上10以下の範囲において、距離Lにおける TLM(Transmission line measurement)法によるソース、ドレイン電極の接触抵抗Rc[Ω・mm]が、(L, Rc)=(2,1)と(5,10)の線分よりも低い値である。このようなメサ構造のFETとすることで、上記基本構造に適したソース・ドレイン電極で、接触抵抗を下げて、オン抵抗、オフ耐圧に優れたFETとできる。
本発明の第2の態様に係るFETは、上記基本構成において、段差部上段に設けられたソース電極、ドレイン電極の一部が、キャリア走行方向において、側面からゲート電極側の各電極端部までの距離Lが、0.1≦L≦5μmであることにより、接触抵抗を低減して、量産性・信頼性を挙げることができ、オン時の抵抗を低減して、オフ時の高耐圧のものとできる。
また、第3の態様に係るFETでは、ソース電極、ドレイン電極の上段部の接触抵抗が、前記側面のキャリア走行層端部、若しくはその近傍における接触抵抗より、大きいものとなるように、半導体構造(積層構造の各層)、メサ構造、電極構造として、上記効果を高めることができる。
本発明のその他の態様に係るFETでは、上記各態様に組み合わせて
(1)前記ソース電極、ドレイン電極の上段部の接触抵抗が、前記側面のキャリア走行層端部若しくはその近傍、における接触抵抗より大きい、(2)積層構造が、キャリア走行層を有する第1の半導体層の上に、キャリア走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きな窒化物半導体の第2の半導体層を有し、第2の半導体層表面に前記ソース電極、ドレイン電極の一部が設けられている、(3)ソース電極、ドレイン電極が、段差部の下段部に延在して設けられ、下段部の窒化物半導体層が、前記キャリア走行層と同じ窒化物半導体層である、(4)段差部が、段差部間の上段部に前記ゲート電極を有し、該ゲート電極幅方向の断面が、ゲート電極側がキャリア走行層よりも幅の狭いメサ形状のメサ構造部を有する、(5)段差部上段に設けられた前記ソース電極、ドレイン電極一部が、キャリア走行方向において、前記側面から前記ゲート電極側の各電極端部までの距離Lが、0.5≦L≦5μmである、(6)キャリア走行方向にいて、段差部側面の幅dと前記側面から前記ゲート電極側の各電極端部までの距離Lとの比、d/L、が1〜1/10である、(7)段差部の深さhと、前記キャリア走行方向における段差部側面の幅dとの比、h/d、が1/7〜1/3である、各態様に係る構成を用いることができる。
上記(1)の態様では、上記効果を高めることができ、上記(2)の態様では、メサ構造部の上部に設けられたソース・ドレイン電極の接触抵抗を、側面に比して高く設定でき、上記(3)の態様では、下段部まで各電極が設けられることで、生産性・信頼性に優れた電極とでき、上記(4)の態様ではメサ構造部をゲート電極が設けられた素子領域としたFETとなり、上記(5)の態様では、メサ構造部における各電極を好適に制御でき、上記(6)の態様では、上記基本構造などの各態様に適した側面、その傾斜と、上部の電極とでき、素子特性を向上でき、上記(7)の態様では、側面の傾斜をなだらかな勾配として、素子特性、量産性、信頼性に優れるFETが得られ、る。
また、本発明の第4の態様では、素子領域のメサ構造部を複数備えたFETの半導体装置において、上記各態様と組み合わせること、更に(a)段差部で挟まれたメサ構造部を1つの素子領域として、前記積層構造に複数の素子領域が併設され、前記ソース電極、ドレイン電極が、それぞれ、隣接する前記素子領域間に跨って設けられた共通電極である、(b)積層構造において、メサ構造部間の段差部下段の電極形成層上に、前記複数の素子領域に設けられたソース電極、ドレイン電極を、それぞれ、互いに接続する接続配線を有する、ことで、好適な素子領域の集積構造とできる。
本発明のFETでは、段差部、メサ構造部を有して、ソース・D電極が好適な低接触抵抗化、更には生産性・信頼性に富み、引いてはオン時の低抵抗化、オフ時の高耐圧化が可能なFET、HEMTとできる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電界効果トランジスタ及びその製造方法を例示するものであって、本発明は電界効果トランジスタ及びその製造方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図2(図2A概略断面図、図2B概略平面図)に、本発明の一実施の形態に係るFETとして、GaN系HEMT100を構成する一例を示す。この図に示すHEMT100は、キャリア走行層23、その上層(キャリア供給層)24を順次積層し、また上層24の上面に、S電極185、G電極186、D電極187を形成している。この構造のGaN系HEMT100は、上層24、若しくは端部に設けられた電極からキャリア走行層23に電子を供給し、供給された電子はキャリア走行層23の上部でキャリア供給層24との界面に形成されるチャネル23aを高移動度で走行する。チャネル23aのキャリア濃度は、G電極186に印加されるゲート電圧によって形成される空乏層により制御される。この例では、キャリア走行層23としてアンドープのi型GaN層、キャリア供給層としてn型AlGaN層を採用している。このキャリア供給層はキャリア濃度を増すためにドーパントでドープしているが、ドープ量を下げたりアンドープにしたりすることで耐圧を高めることもできる。n型AlGaN層のドープ量は、1018cm-3〜1019cm-3程度としているが、耐圧を向上させるためには1018cm-3以下とすることが好ましく、さらにアンドープとすることで残留電荷を1016cm-3程度とすることができる。一方でキャリア走行層は適切なドーパントでドープして、チャネル以外のキャリア走行層におけるキャリア走行を軽減してもよい。キャリア走行層にn型不純物をドープする場合、n型もしくはn+型ではキャパシタンスの形成によりスイッチオフ時に意図しない電流が流れることがあるため、n−型が好ましい。このように、キャリア走行層のキャリア濃度によりオフ特性を制御できる。また、ノーマリオフ型の場合は、キャリア走行層をi型層、例えば、アンドープ層とすることが好ましい。一方で、窒化物半導体層は、形成時に窒素抜けなどでn型となり易いため、それを補償できる程度にp型不純物をドープすることもできる。なお、本明細書においてアンドープとは、形成時に意図的にドーパントを添加しないものであり、例えばドーパント濃度が1017cm-3以下もしくはドーパントを含まないものをいう。
キャリア走行層、チャネルの上に設ける半導体層としては、上層として少なくとも第2の半導体層が設けられ、この層としては、バンドギャップエネルギーの大きな層のバリア層、電極との間に介在するスペーサ層、S・D電極の下層としてコンタクト層を設けることもできる。種々のFET構造に応じて、絶縁膜層を適宜電極下側に設けることもできる。
また、この例では、FETとして、電子をキャリアとしたユニポーラ素子のHEMTであるが、ホールをキャリアとする場合には、上記ドーパント、導電型層として、p型不純物、p型層を用いる。
キャリア供給層34の上面に形成される各電極の内、S電極とD電極はキャリア供給層若しくは段差部側面におけるキャリア走行層端部に電流を供給するためにオーミック電極が好適に用いられ、G電極はキャリア走行層に形成される空乏層を制御性よく形成しキャリア供給層から供給された電子を制御できるようにショットキー電極が用いられる。
これらの電極は、図示しないがオーミック接合特性、ショットキー接合特性を得るためのコンタクト層を各々介在させることもできるし、複数の層からなる金属層や合金層及びそれらの組合せを適宜用いることができる。例えば、S電極とD電極は、キャリア供給層上に形成されたオーミックコンタクト層との界面でオーミック電極を構成し、一方G電極は、半導体の上層(キャリア供給層)上に形成されたショットキーコンタクト層に接触する界面でショットキー接合特性を有することができる。
電界効果トランジスタにおいては、キャリア供給層、上層中のドナーからキャリアとなる電子が放出されるが、このキャリア電子はキャリア供給層中に留まっているより、より電子親和力の大きいチャネル中に引き込まれ界面近傍に蓄積される。この蓄積された電子はドーパントによる散乱を受けないため、チャネル中を高移動度で走行することができる。一方、図7に示すように、S電極とD電極との電極間にドレインソース間電圧VDSを印加すると、チャネルを介してS電極とD電極の間にドレイン電流IDが流れる。またG電極にゲート電圧VGを印加すると、その電圧に応じてG電極の下に発生する空乏層が延びるため、図7に示すようにゲート電圧VGでドレイン電流IDを制御することができる。また、G電極直下のショットキーコンタクト層は、G電極とチャネルの間を流れる電流(ゲートリーク電流)を抑えるためのバリア層として働き、一方オーミックコンタクト層はS電極及びD電極のオーミック電極としてのコンタクト抵抗を低減する作用を奏することができる。
(窒化物半導体層)
GaN系HEMTは、窒化ガリウム系化合物半導体で構成される。窒化ガリウム系化合物半導体層は、基板上に必要に応じてバッファ層を形成し、さらにキャリア走行層33、キャリア供給層34を順にエピタキシャル成長し、さらに電極を積層して形成することができる。なおバッファ層は、GaN等のエピタキシャル層と格子整合する基板を用いる場合は必ずしも必要でない。結晶成長方法としては、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、ハイドライドCVD法、MBE(molecular beam epitaxy)等の方法が利用できる。窒化ガリウム系化合物半導体は、一般式がInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)であって、BやP、Asを混晶してもよい。また、各半導体層、各層、例えばキャリア供給・走行層は、単層、多層を特に限定しない。また、窒化物半導体層にはn型不純物、p型不純物を適宜含有させることもできる。n型不純物としては、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr等のIV族、若しくはVI族元素を用いることができ、好ましくはSi、Ge、Snを、最も好ましくはSiを用いる。また、p型不純物としては、特に限定されないが、Be、Zn、Mn、Cr、Mg、Ca等が挙げられ、好ましくはMgが用いられる。これにより、各導電型の窒化物半導体を形成することができる。また半導体構造を形成する成長用の基板はサファイア基板やGaN基板等が利用でき、また熱伝導が高く放熱性に優れたSiC基板、CuW基板等も利用できる。熱伝導性基板としては、その他Al、Cu、W等の金属、AlN、SiC、ダイヤモンド、銅ダイヤモンド、GaN、Si等及びその混晶、合金、混合物等を用いることができ、放熱を担える基体であれば、金属以外でも樹脂類やガラス類等、材料組成、形状は限定されない。
(ソース電極35(185),ゲート電極36(186),ドレイン電極37(187))
S電極35、G電極36、D電極37等の電極は、典型的には素子を構成する半導体材料とは異なる組成から形成され、例えばTi、Al、Cu、W、Au、Ag、Mo、Ni、Pt、In、Rh、Ir、Cr等導電性に優れた材質で構成される。また金属材料に限定せず、導電性酸化物、導電性を有する導電性プラスチック等も利用できる。さらに電極は単一元素の材料のみならず、合金化、共晶化、混晶等、複数の元素で構成し、例えばITOや酸化亜鉛(ZnO)等が利用できる。さらにまた2層以上の層構造も採用できる。好ましくは、AlGaN系やGaN系半導体層に対するオーミック電極の一例として、Ti/Al系電極、ショットキー電極の一例としてNi/Au系材料からなる電極が採用される。これによってHEMT用電極として要求されるオーミック特性、ショットキー特性等において良好に機能する。例えばS電極、D電極のオーミック接触を得るためにはTi/Pt、Ti/Au、TiAl、V/Al系金属が使用され、800℃〜950℃などの温度にてアニールが行われている。またG電極には、W/Au、Ni/Au、若しくはAu、Cu、Ni等が使用される。G電極の断面形状は、T字型、I型等特に限定されないが、断面がT字型のG電極とすると電極の断面積が増え電極抵抗を低減できるので、動作周波数の高周波における特性を向上させることもできる。また、オーミック電極とワイヤとの密着性等を考慮して、半導体層との接触面にパッド電極を形成してもよい。パッド電極の上には、外部電極等と接続させるためのメタライズ層(バンプ)を好適に形成する。メタライズ層は、Ag、Au、Sn、In、Bi、Cu、Zn等の材料から成る。電界効果トランジスタの電極形成面側をサブマウント上に設けられた外部電極と対向させ、バンプにて各々の電極を接合してもよい。サブマウントに対してはワイヤ等が配線される。なお、本明細書において、例えばTi/Alとは、半導体側からTiとAlが順に積層された構造を指す。
またG電極は、バッファ層の一部又は全部を除去した部位に設けること、半導体構造を挟んでS・D電極に対向するG電極とする素子構造とすること、もできる。これによりバッファ層の悪影響、すなわち典型的にはリーク電流やオフ電流等を低減することができるので、FETの電気特性の向上を図ることができる。また、電極と半導体層との密着性の向上も図られる。またHEMT表面であるソース・ゲート間とゲート・ドレイン間は、保護膜で被覆すると良い。このような保護膜として、窒化珪素、酸化アルミニウム、ニオブ酸化膜等が挙げられる。SiNをスパッタ等により積層させる保護膜とすると、HEMTの物性上好ましい。さらに好ましくは、酸化アルミニウム膜(Al23)からなる絶縁膜を含有する膜が好ましい。酸化アルミニウム膜を用いた絶縁膜の電流リーク特性は、広範な電圧印加範囲にわたってSiN膜に比して良好な絶縁特性を有するので、窒化物系半導体(その中でもとりわけAlGaN、さらに好ましくはAl0.2Ga0.8N又はAl0.3Ga0.7N)との関係においては、特に酸化アルミニウム膜が好ましい。
基板及びバッファ層は除去されると、バッファ層の存在によりリーク電流が生じてリークパスが形成されることを防ぎ、好ましい。基板のみならずバッファ層まで除去すること、例えば、基板剥離後に半導体構造の一部を研磨してバッファ層を除去すること、でこれを防止することも可能となる。また、成長初期のバッファ層、下地層などは、結晶性が悪い傾向にあり、その場合、その部分がリークパスとなるため、結晶性の悪い深さで除去して、キャリア供給層・走行層、第1、2半導体層が形成されることが好ましい。基板は、全て除去すれば、バッファ層の除去が容易になる。
段差部分(40, 140e-143e, 240e)、若しくはメサ構造部(140-143 , 241-243)は、キャリア走行層33及びキャリア供給層34などの半導体積層構造1A,20にエッチング等により形成される。エッチングの方法は、例えば、レジストパターンや保護膜パターンなどのマスクを介して、RlE(reactive ion etching)やイオンミリング(ion milling)等で行うことができる。同様に、段差構造のその他の形成方法としては、結晶の成長速度の違いを利用した再成長により段差構造、より具体的には、キャリア走行層を成長した後、一部を保護膜、SiO2、などで覆い、開口部を選択的に成長させることで段差構造とすることもできる。
[第1の実施形態]
(段差部・メサ構造部)
本発明の第1実施形態に係る段差部(140e)、メサ構造部140は、図2Aの概略断面図に示すように、その段差部側面140eに、S電極、D電極の少なくとも一方、具体的には少なくともD電極、好ましくは両方を設け、その電極が段差部の上段140tに一部延在して設けられる。具体的には、段差部の下段部140g(240g)にまで延在して設けられる。側面部の電極は、側面に、半導体積層構造20の一部として少なくともキャリア走行層23の端部が露出され、それに電気的に接続して、好ましくは直接接触して設けられる。段差部の深さhは、基板21が露出される程度の深さとすることもできる。段差部をエッチング等により形成する場合は、生産性を考慮すると、キャリア走行層23におけるのチャネル23a端部が露出される程度の深さとして、段差部の下段部をチャネル23aより下のキャリア走行層23の領域内とすることが好ましい。
具体例としては、該段差部に挟まれたメサ構造部140が、半導体構造20に設けられ、そのメサ構造部140を素子領域210として、素子のキャリア走行層を有する。G電極は、実施例1のように、メサ構造部上140tに設けられるが、半導体構造のメサ構造部140に対向する面側をG電極形成面としても良い。
本発明の基本構造は、上述の通りであり、この構造に適した以下の構成を具備する。
一実施形態として、図2,5などに示すように、上記段差部の上段140tに設けられた一部電極のG電極側端部から段差部上段の端部側面までの距離Lが、0<L≦10μm、好ましくは0.1μm以上、5μm以下の範囲とする。これは、0.1μm以下であると、上段部の一部電極が微細となるため、生産性・信頼性に劣る傾向にあり、また、各電極、特にG電極の位置精度、そのG電極との距離の精度が素子特性の要因として大きくなるためである。また、後述の図8に示すように5μm以下であると、TLMの接触抵抗を十分に小さなものとできる。
また、別の実施形態として、上述の通り、メサ構造部140の側面140e及び上面140tに設けられたS・D電極において、前記距離Lと、TLM測定の接触抵抗値Rとの関係において、図8に示すように、L≦10μmの領域、特に1μm≦L≦10μmの領域で、(L[μm],R[Ω・mm])が(1,2)と(10,5)とで結ばれた線分(図中実線)以下、好ましくは(1,2)と(10,4)との線分(図中点線)以下、最も好ましくは(1,2)と(10,3)との線分(図中破線)以下、の接触抵抗値となる半導体構造及び段差構造を用いる。これは、図8及び図中の線分に示すように、メサ構造加工の条件により、加工表面の粗さ、側面の形状、傾斜などの条件が変化して、本発明に適したFET構造となる距離Lと接触抵抗値Rとの関係は、図中線分以下の抵抗値となる。
図8は、実施例1のS・D電極を設けた素子において、種々のマスク材料として、(a)SiO、(b)ポジのレジスト、(c)ネガのレジスト、を用いて、TLM測定による接触抵抗値を検討して得られる結果を、縦軸に接触抵抗、横軸に距離Lとして、示すものである。上記条件を満たすマスク材料は、レジスト(b),(c)であり、好ましくは(b)である。更に、検討を重ねると、各種レジスト材料に応じて、各々の特性となるものの、その近似曲線においては、ほぼ類似した傾向を示す。尚、図6のHEMTの静特性、実施例1は(b)を用いて得られる。
このように、距離Lと接触抵抗Rが上記の関係にあることで、本発明の段差構造、メサ構造及びそれに設けられるソース・ドレイン電極において、良好な特性の素子とできる。
本発明の一実施形態において、上段部140tの一部電極の接触抵抗は、側面140e、少なくともキャリア走行層端部との接触抵抗よりも大きくし、好ましくは10〜100倍以上とする。このように上段部140tの一部電極の接触抵抗を大きくする場合、段差部上段の端部側面までの距離Lが大きいと、抵抗の高い上段部側に捕捉されるキャリアが増えるため、1μm≦L≦10μm、さらに好ましくは0.5μm≦L≦5μmとすることで、接触抵抗を効果的に低減できる。ここで、接触抵抗の大きい上段部140t表面、すなわちソース・ドレインの一部電極の形成面からキャリア走行層、チャネルまでの距離、具体的にはチャネルと電極形成面との間に設けられる層構造の上層の膜厚は、30nm以下とすることで接触抵抗を低減させることができ、能動領域の半導体層の結晶性を考慮すると、上記距離・膜厚は0.5nm以上であることが好ましい。また、各電極が延在して設けられる下段部の一部電極との接触抵抗も同様に側面よりも大きくすること、好ましくは10〜100倍以上の抵抗値とすることで、好適にキャリア走行層端部で電極からのキャリア供給・排出がなされる。
上述の通り、半導体構造、その元となる半導体積層構造の基本的な構造は、少なくともキャリア走行層を有し、キャリア走行層23と各電極、特にソース,ドレイン電極185,187との間には、チャネルを高移動度とするためのキャリア走行層よりバンドギャップエネルギーの大きなバリア層、素子特性を制御するスペーサ層など、若しくはキャリア供給層、など走行層の上層24、更には、ソース,ドレイン電極とこのキャリア走行層との間に、接触抵抗を下げるために、コンタクト層などが設けられる。上記実施形態では、接触抵抗を高抵抗化するために、実施例で示すように、ソース,ドレイン電極の上段部における半導体構造20中の電極形成層は、キャリア走行層よりもバンドギャップエネルギーが大きな層を用い、また、ドーパントについては、その電極形成層において、ドープ量を、その下側の半導体層、例えば、キャリア供給層、若しくはバリア層と、その上のスペーサ層などよりも小さくすることで実現できる。バリア層と上段部のソース,ドレイン電極形成層との関係においては、バリア層のバンドギャップエネルギーが小さくても良いが、好ましくは結晶性を考慮して、バリア層のバンドギャップエネルギーを大きくする。また、スペーサ層を間に介在する場合には、バンドギャップエネルギーが、バリア層>電極形成層>スペーサ層、の関係となるように、形成すると、結晶性を保持して、上段部の接触抵抗を高くできる。
上記各実施形態は、それぞれ組み合わせて適用することができ、また以下に示す各態様にいても同様である。
一実施態様として、ソース、ドレイン電極の少なくとも一方が、段差部の下段部分にまで延長して電極が設けられることで、制御性良く各電極構造を形成できる。また、その底面140gにおける電極形成層を、キャリア走行層と同一の層とすることで、チャネル近傍においては、キャリア走行層端部と同様に好適に各電極との接続が実現され、それと離れた領域では、高接触抵抗として、選択的にキャリア走行層にキャリアを誘導できる構造となる。
別の態様として、図2,3に示すように、段差部(140e, 240e)で挟まれて、上面(140t, 240t)側より底面(140b, 241b-3b)側を幅広とするメサ構造部140(240-3)であると、各電極185-7及びその形成位置・領域を好適に制御して生産性に富み、好適な特性のFETとできる。
別の態様として、図2に示すように、距離Lを、具体的には、0<L≦10μmの範囲、好ましくは0.1≦L≦5μmの範囲とすることで、生産性・信頼性に優れ、接触抵抗の低いFETとできる。
別の態様として、図2に示すように、キャリア走行方向において、段差部側面の幅dと前記側面から前記G電極側の各電極端部までの距離Lとの比、d/L、が1以下、1/10以上の範囲、好ましくは1/2以下、1/5以上の範囲、となるように、
更に別の態様においては、段差部の高さhと、前記キャリア走行方向における段差部側面の幅dとの比、h/d、が、好ましくは、1/7以上、1/3以下、となるようにする。これにより、段差部(側面)の傾斜をなだらかな勾配とすることで、上述した各機能を好適に発現できる素子とできる。急勾配の傾斜面であると、キャリア走行層端部との接続が不十分となったり、上記上段部の一部電極と側面部分との接続部の信頼性が低くなったり、電極アニールによる半導体構造への影響部が、素子の深部に及び素子特性を低下させる要因となったり、することを好適に抑制でき、特に上記各態様、各構成との組合せにおいて優れた素子が得られる。また、このようになだらかな勾配の傾斜面とすることで、例えばh/dが10である場合と比較して、接触抵抗の低いFETとできる。
(実施例1)
実施例1に係るGaN系HEMTは、図2Aの概略断面図、図2Bの概略平面図に示すように、キャリア走行層23としてアンドープのi型GaN層、その上に上層24としてアンドープのi型AlN層(スペーサ層)を0.75nmと、i型AlGaN層(バリア層)を25nm積層し、段差部分140eとして、上段部140tの幅約21μm、下段部140bの幅約22μm(側面140eにおける断面幅が約0.5μm、高さ約80nm)のメサ状の構造部を設ける。アンドープのi型AlN層は、積層構造形成後に測定すると膜厚約1nmである。
例えば、上述した図5に示す例で説明すると、段差部分40をG電極36の左右から、S電極35、D電極37を貫通する位置まで延長しているが、図5に示すように、段差部分40HをG電極86の両側からS電極85、D電極87の途中まで延長し、途中で寸断することもできる。図5の例では、段差部分40Hの端縁40hは、S電極85、D電極87の直下で、電極端から所定の距離Lの位置まで延長されている。このLを最適化することで、最小の抵抗値に制御できる。計算によると、段差部分が平板状の場合は、0<L[μm]≦10の範囲、好ましくは0.1≦L[μm]≦5、製造上好ましくは0.5≦L[μm]≦5、の範囲のとき、制御性良く接触抵抗を下げることができる。
さらに図5の構成では、段差部分40Hを平板状に構成している。このように段差部分を寸断する構造では、電極端縁からの距離L以上に拡散しようとするキャリアは、抵抗の低い段差部分端縁の側壁部で必ず捕捉されるので、界面での抵抗を下げることができる。S電極からキャリアを注入する場合も同様に、段差部分端縁の側壁部から注入することにより、半導体層との界面における抵抗を下げることができる。特に上段部の電極形成層であるキャリア供給層がアンドープなど高抵抗である場合は、キャリア供給層を介する成分があると抵抗が高くなるため、図5の構成が好ましい。また、構造が簡単で、段差部分を形成する工程での歩留まりを改善できる。
また比較例1として、キャリア供給層をn型AlGaN層とし、段差部分を形成しない以外は実施例1と同様にしてGaN系HEMTを作製する。図6に、これらのHEMTで得られる静特性として、ドレインソース間電圧VDSに対するドレイン電流IDを示す。図6中の大きい黒丸は実施例1に係るHEMT、小さい点は比較例1に係るHEMTを、それぞれ示している。なおゲート電圧Vは1V〜−6Vに1V刻みで変化させている。また、図8のTLM評価は、本実施例のメサ構造部140にS・D電極パターン285,287を設けて測定される。この時、ソース電極285、ドレイン電極287形状は、図2Bに示すように、メサ構造部140内に配置され、ゲート電極の長手方向において、メサ上段部140tよりも幅の狭い電極として形成される。
また、このようにして得られる実施例1、比較例1のHEMTのオン抵抗、オフ耐圧の特性について、それぞれ図9,10に示す。ここで図10中の各点は、段差部分側面からゲート電極側のソース・ドレインの各電極端部までの距離Lを一定、ここでは約1〜2μm、として、図2Bに示すように、S・D電極距離Lsdを、図10中の左側から順に、7.5,12.5,17.5,27.5μmとしている構造に対応する。これら特性図からわかるように、実施例1は耐圧600V超、オン抵抗8.5Ω・mmを実現できる。そのため、比較例1に比して、低オン抵抗、高オフ耐圧を実現でき、すなわち、高耐圧性を維持して低オン抵抗化を実現できる。
さらに、実施例1のHEMTのS・D電極間Lsd距離を変化させたときのTLM測定によるS・D電極間抵抗について、図11に示す。図中各点は、段差部側面からゲート電極側のS・D電極端部までの距離Lがそれぞれ、白丸が1.4μm、黒丸が2.4μm、白四角が3.4μm、黒四角が6.4μmに対応する。Lが小さくなるにつれてS・D電極間抵抗は小さくなり、Lsd=0のS・D電極間抵抗は2Rであり、接触抵抗Rが小さくなる。Lが1.4μmのときに接触抵抗値Rが最小の約1.4Ω・mmとなる。また、Lを10μmより大きくすると、ショットキー特性に近づき、Rは求められない。
また比較例2として、段差部分を形成しない以外は実施例1と同様にしてGaN系HEMTを作製する。実施例1、比較例2のHEMTの、S・D電極を形成した状態でのドレイン電流電圧特性を図12に示す。実施例1はLを1.4μmとしており、大きい黒丸が実施例1、小さい黒丸が比較例2を示す。図12に示すように、実施例1は、比較例2に比して良好なオーミック特性を示している。このように、上段部の電極形成層であるキャリア供給層がアンドープなど高抵抗である場合は、キャリア供給層を介する成分があると抵抗が高くなるため、実施例1のように段差部を形成し、Lが10μm以下になるようにS・D電極を形成することで、キャリア供給層を介する成分を少なくし、抵抗を低減させることができる。
以下に、本発明のFETの製造方法として、実施例1の製造方法を例として説明する
(電界効果トランジスタの製造方法)
本実施形態に係る電界効果トランジスタ、例えば図2に係るFETは、以下のようにして製造される。ここでは結晶成長装置を用いて、MOCVDによりサファイア基板上にGaN系HEMTを作製する。まず、MOCVD反応炉内にサファイア基板をセットし、C面サファイア基板の表面を水素雰囲気中で、熱処理クリーニングを行い、510℃まで下げ、水素雰囲気にて基板上にGaNよりなるバッファ層21を約20nm、結晶成長温度まで昇温して、素子構造となる積層構造として、3μmのアンドープGaN層(このアンドープGaN層のバリア層との界面近傍部がキャリア走行層33となる)、その上層24として、アンドープのi型AlNよりなるi型AlNのスペーサ層(0.75nm、積層構造形成後に測定すると約1nm)、Al組成が0.3であるアンドープのAl0.3Ga0.7Nよりなるi型AlGaNのバリア層(約25nm)を成長させる。なお、アンドープAlGaN層を設けることにより、チャネルの移動度をより向上させることができ、また、耐圧を向上させることができる。このi型Al0.3Ga0.7N層がキャリア供給層として機能すると考えられる。反応終了後、温度を室温まで下げウェーハを反応容器から取り出す。
(フォトリソグラフィ工程)
次にフォトリソグラフィ工程として、メサストライプ構造とするために、レジストマスクをフォトリソグラフィ技術でパターニングして、図2に示すように、RIEでチャネル23a形成部分が段差部分・側面140eが表出するようにチャネルよりも深くエッチングする。そして、S電極185、D電極187として、スパッタにて、Tiを10nmと、Alを300nmと順に成膜し、リフトオフにてTi/Alの電極を形成する。その後、600℃で電極をアニールする。次にスパッタ装置でNiを100nmとAuを150nmと、を順に成膜し、レジスト剥離リフトオフしてNi/Auショットキー電極をG電極186とする。実施例1では、ソース・ドレイン電極間距離LSDをそれぞれ約19μm、ソース・ゲート電極間距離Lsgを約3μm、ゲート電極幅(長手方向)約100μm、ゲート電極長(幅方向)約2μmを形成する。最後に、各電極間、素子領域、メサ構造部上の電極を被覆する保護膜を、例えばSiN/SiOを順に積層して多層膜からなる保護膜を、設ける。
また、半導体構造を挟んで、各電極、例えば、G電極をキャリア走行層側に、S・D電極をメサ構造部側に設けるような素子構造の場合には、例えば、メサ構造部側の電極形成面側を支持基板に貼り合わせた後、成長用の基板をレーザリフトオフにより剥離し、研磨によりバッファ層など積層構造の一部を除去し、その除去面にG電極を形成する。
[半導体装置200]
(実施例2)
図3の概略断面図で、一部領域200aとして示す素子領域211-213となるメサ構造部241-243を、図4の概略平面図に示す半導体装置200として、キャリア走行方向に複数設けたHEMT素子、及びその装置を作製する。図4においてメサ構造部241-243はキャリア走行層23の端部を露出させる側面で囲まれ、キャリア走行層23の上部に形成されるチャネル23aが互いに分断されている。このように、素子領域211-213は形成されている。
実施例1と同様に、1つの素子領域に係るメサ構造部に対して、その上段部240tにG電極186を、該上段部から側面240e及び下段部を覆うS電極、D電極を設ける。ここで、メサ構造部240(241-243)の素子領域211-213を100個設け、図に示すように、隣接する素子領域間には共通電極185C,187C、その間に設けられた溝部240gを跨いで、隣接するメサ構造部間を覆うS電極185C、D電極187Cが設けられる。このように、互いに分断された素子領域に延在して共通電極が設けられることで、好適な素子領域の集積構造とできる。また、チャネルを有する領域を大きくして大電流の半導体装置とする場合、このような素子領域を集積させる。
更に、図4に示すように、各素子領域のソース185(共通部185C、終端部185a)、ゲート186、ドレイン電極187(共通部187C、終端部187a)は、各々を接続する接続配線155-157を、溝部底面240gのS・D電極形成面と同一面上に、設けて、各電極のパッド部185p-187pを1個ずつ設けて、互いに接続する。このような接続配線を設けることで、パッド部の数を素子領域の数よりも少なくすることが可能となり、半導体装置の面積を小さくでき、更に、ワイヤボンディングする際のワイヤの数を少なくできる。
以下に、本発明の半導体装置のパッケージングを説明する例として、本実施例の製造方法を説明する。
(半導体装置のパッケージング)
デバイス工程が終了した後、各素子単位で、本実施例では100個の素子領域及び1組の各パッド部を有する素子単位、ゲート電極幅が計約100mm、で、素子チップに分割して、そのチップをパッケージに実装する。ワイヤボンディングにより電極パッド部185p-7pからワイヤ線でパッケージの電極に接続する。一方、フリップチップボンディング、上述したS・D電極、G電極対向構造の縦型FET構造のように、ワイヤレスボンディングの場合はG電極側に別途熱伝導性基板を設けることができ、放熱特性が向上すると共に、ワイヤボンディングのためのパッドが不要となり小型化に適する。またワイヤによるインダクタンス成分及びワイヤ間や半導体素子本体間とのキャパシタンス成分を低減できるメリットもある。
このようにして得られるHEMTの半導体装置は、1A超のドレイン電流値動作にてオン抵抗0.025Ω・cm2のものが得られる。
また、この例に限らずHEMTのキャリア供給層(典型的にはn型AlGaN)は、2.5nm程度以下と薄くすることにより、電子の走行距離を短くして電子の到達時間が早まりアスペクト比の増大や短チャネル効果の抑制、漏れ電流の抑制等高速動作により適した構造とすることも可能である。
[別の実施形態]
本発明の別の実施形態として、以下に説明する構成、構造とすること、上記各構成・構造に組み合わせることもできる
本発明の第1の態様に係るFETは、窒化物半導体からなる第1の半導体層と、第1の半導体層上に形成され、第1の半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きく、且つ残留ドナー濃度が5×1019/cm−3以下となる窒化物半導体からなる第2の半導体層と、第2の半導体層上に各々形成されるS電極、G電極及びD電極とをそれぞれ備えるFETであって、S電極及び/又はD電極は、少なくとも第2の半導体層の一部に形成された段差部分上に形成されている。この構造により、段差部分でチャネル形成部分と電極との接触面積を増やし、オーミック接触の接触抵抗を下げて効率を改善できる。
上記態様の具体例として、段差部分が、S電極及びD電極形成面側から見て、ストライプ構造、多角形形状、円形の少なくとも1種として、段差部分で電極との界面の接触面積を増やし、オーミック接触の接触抵抗を下げて効率を改善すること、
段差部分が略平板状に形成され、かつ平板状の段差部がS電極(D電極)を跨いで、端面をG電極またはD電極(S電極)の少なくとも一方に達するまで延長されている。この構造により、段差部分の端縁におけるキャリアの補足漏れを低減して、さらに界面の抵抗値を下げること、などの構成とすることができる。
第2の態様では、複数の窒化ガリウム系化合物半導体層を積層してなる半導体積層構造を備えており、半導体層は、第1の面と、第1の面と対向する第2の面とを有するキャリア供給層と、キャリア供給層の第2の面に面して形成され、キャリア供給層よりもバンドギャップエネルギーが小さく、該第2の面と接する部位にチャネルを形成可能なキャリア走行層とを含んでおり、さらにキャリア供給層の第1の面上に形成されたS電極、G電極、D電極とを備えるFETであって、半導体層が、第1の面の表面で少なくともチャネル形成部分が表出する深さまで窪んだ段差部分を複数形成しており、半導体層上の段差部分にS電極及びD電極が形成され、かつ段差部分との界面でオーミック接触を形成している。この構造により、段差部分でチャネル形成部分と電極との接触面積を増やし、オーミック接触の接触抵抗を下げて効率を改善できる。
上記態様の具体例として、キャリア供給層のキャリア濃度が1019cm-3以下であり、耐圧の高いGaN系電界効果トランジスタを得ること、
FETがHEMTであり、オーミック接触の接触抵抗の低い高効率なGaN系HEMTを得ること、
半導体構造が、キャリア走行層と、キャリア走行層上に形成され該キャリア走行層よりバンドギャップエネルギーの大きい上層、例えばキャリア供給層、バリア層、スペーサ層などを備える電界効果トランジスタの製造方法であって、キャリア走行層上にキャリア供給層を積層した状態で、キャリア供給層の表面で少なくともチャネル形成部分が表出する深さまで窪んだ段差部分を形成する工程と、段差部分にS電極及びD電極を層状に形成し、段差部分と電極層の界面でオーミック接触を得る工程とを具備して、段差部分でチャネル形成部分と電極とのオーミック接触の接触抵抗を下げて効率を改善できること、
などの形態とすることができる。
以上の実施形態、それに係る各態様について、その具体的な形態を以下に説明する。また、本発明は上記第1及びこの実施形態及び各態様と組み合わせて適用することもできる。
(段差部分と半導体構造)
少なくともキャリア走行層及びその上層であるキャリア供給層を含む半導体層構造で、電極層との間の接触抵抗を低減するために、半導体層上面で電極を形成する部位に段差部分を形成し、この上に電極を層状に形成している。段差部(側面)の電極形成面が凹凸の表面であると、電極層と半導体層とがオーミック接触する接触面積を増やし、接触抵抗を低減できる。この際、各メサの側面でキャリア走行層のチャネル形成部分の端面が表出して電極と接触するようにする。特に、図2B,5などに示すように、凸状の半導体層(メサ部140)全体を覆う電極(85,7、185,7)の構成では、キャリア供給層若しくは上層における上段部140tの電極形成層が低抵抗であれば、AlGaN層を介して上方に通電することができる。しかしながら、AlGaN層14のドープ量が少なくなるとキャリア濃度が低くなり、上方への通電量は少なくなる。特に、GaN系HEMTの特長の一つである高耐圧性をさらに改善するためには、AlGaN層をアンドープに近付けることが好ましい。これによって上述の通りAlGaN層を介した、メサ部上段部140tの電極部を介した、通電量が極減する。この結果、通電はチャネルの端面と電極層との接合面が中心となる。尚、チャネルと電極層との接触面積が小さいため接触抵抗が大きくなり発熱等による損失が大きくなる場合には、半導体層側面の凹凸状により半導体層と電極層との接触面積を増し、特にチャネルと電極層との接触面積を増やしてチャネルから側面に抜ける電流量を増やして全体の抵抗を低減するような構造とすることもできる。
更に別の例としては、S電極及びD電極と半導体層との接触面積をより広く確保するため、段差部分の側面から平面矩形状の突起を1つの段差部分に複数を形成することもできる。例えば、ストライプと垂直方向に突起を形成させる。これによって段差部分の加工は複雑になるものの、より接触面積を大きくした高効率素子とすることもできる。突起の大きさはエッチング等によって種々形成することができ、より細かい方が好ましいが、GaN系HEMTの特性を維持しつつ耐圧と、接触抵抗の低減とを考慮すると、0.01μm以上、1μm以下が好ましい。突起にさらに細かい突起を設けることもできる。
具体例として、S電極及びD電極と半導体積層構造との接触面積をより広く確保するため、段差部分の側面から平面で突起状の別の段差部分を形成することもできる。例えば、メサ部長手方向と垂直方向に突起を形成させる。突起の大きさは種々のものとでき、より細かい方が好ましいが、GaN系HEMTの特性を維持しつつ耐圧と、接触抵抗の低減とを考慮すると、0.01μm以上、1μm以下が好ましい。突起にさらに2次的な細かい突起を設けることもできる。
別の態様として、半導体層に形成されたS電極及びD電極の形成部分に重なるように、側面に多数の矩形状の段差部を所定の間隔で形成することもできる。矩形状に限られず様々な側面の窪みパターンが採用でき、例えば円形状(半円形状)の段差部でも良い。円状とすることで、量産性の高いフォトリソグラフィにより容易に作製することができる。また、側面凹凸とそれを覆う電極との関係において、キャリアがオーミック電極により引き抜かれる領域すなわち拡散長は通常2〜3μm程度であることから、窪みパターンの大きさ、つまり隣接する各凹部・突起部などの間隔・距離はそれぞれ約1μm程度以下にするのが好ましい。
このように段差部、側壁部分を多角形状や円形、楕円形等の種々のパターンで凹凸形状に形成することができる。段差部分の形状及び寸法は、使用される電界効果トランジスタの大きさや電極の大きさ、加工精度等に依存するが、半導体層と電極層との界面、特に側面部分でチャネル形成部分を表出させて低抵抗なオーミック接触を得られるように、好適に設定される。さらに、接触面積の増加により低抵抗化を図る場合、このような凹凸パターンは電極が形成される領域に厳密に含まれるように形成せずとも、メサ構造の長手方向に一部が電極形成領域からはみ出してもよい。また、チャネル形成部分と接して電極層を設けることにより、チャネルから段差部分の側壁に抜ける電流量を増やすことができ、これによっても低抵抗化を図ることができる。キャリア供給層、上層、特に段差部の上段部140tにおける電極形成層の抵抗値が高い場合特に、チャネルから側壁に抜ける方が低抵抗なためである。側壁に抜ける電流量を増やすためには、相対的にチャネルからキャリア供給層に抜ける電流量を減らせばよい。このために例えば後述する実施例3のような構造を採用することができる。
以下に、半導体構造について、上記実施例1と異なる例(実施例3,4)を示す。
(実施例3)
実施例3に係るGaN系HEMTの半導体構造は、キャリア走行層にアンドープi型GaN層、その上層として、キャリア供給層にアンドープのi型AlGaN層を30nm積層する。また別の例として、上層として、スペーサ層のi型AlGaNを6nm、キャリア供給層のSiを1×1019cm−3ドープのn型AlGaN層を12nm積層する構造とする。半導体構造にアンドープのキャリア供給層を使用する場合であっても、段差部、走行層の端部で電極が接続することで、キャリアをドープしたキャリア供給層を用いた場合に比しても良好なドレイン電流が得られる。これによってHEMT素子のオン抵抗が低減され、効率の改善と高耐圧化が図れるため、更なるHEMT素子の高出力化にも対応できる。これらの点は高出力、高周波素子を目標とするGaN系HEMT素子において重要な利点となる。
(実施例4)
実施例4として、キャリア走行層上の上層として、スペーサ層のアンドープAlN層と、キャリア供給層のアンドープAlGaN層を用いる。さらに別の例として、スペーサ層にアンドープAlGaN層、キャリア供給層にn型AlGaN層を用いる。スペーサ層をAlNとするHEMTで、ドレイン電流を増加できる。またキャリア供給層にアンドープAlGaN層でなくn型AlGaN層を用いるような、より多数のキャリアを有するHEMTと比較しても、本発明のメサ構造部とすることにより、良好なドレイン電流を達成できる。当然ながら、キャリア供給層をn型AlGaN層とする上記別例に係るHEMTは耐圧が相対的に低くなる。また従来、スペーサ層をAlGaNからAlNとするとキャリアの移動度が上昇するものの、障壁が高くなるため接触抵抗が増加するという問題があった。しかし、これに対して本発明に係る電極構造を適用することで接触抵抗を低減できるため、極めて効果的である。これらのことから、スペーサ層にアンドープAlN層を使用したHEMTにおいて本実施の形態を適用する優位性が確認できる。
(実施例5)
実施例5として、キャリア走行層としてアンドープのi型GaN層、その上に上層としてアンドープのi型AlN層(スペーサ層)を1.2nmと、i型AlGaN層(バリア層)を25nm積層し、段差部分として、上段部の幅約21μm、下段部の幅約22μm(側面における断面幅が約0.5μm、高さ約80nm)のメサ状の構造部を設ける。S・D電極は段差部分に設けられキャリア走行層端部と接続される。S・D電極間距離Lsdは約8.2μm、S・G電極間距離は約3μm、G電極長は約2μm、段差部側面からG電極側のS・D電極端部までの距離LはL≦10μmとする。
また比較例3として、段差部分を形成しない以外は実施例5と同様にしてGaN系HEMTを作製する。図13に、これらのHEMTで得られる静特性として、ドレイン・ソース間電圧Vdsに対するドレイン電流Iを示す。図13中の大きい黒丸は実施例5に係るHEMT、小さい点は比較例3に係るHEMTを、それぞれ示している。なおゲート電圧Vは2V〜−5Vに1V刻みで変化させている。AlGaN層がアンドープであり、上段部における接触抵抗が高いため、実施例5のように段差部を設けてS・D電極をキャリア走行層端部と接続し、さらにL≦10μmとしてキャリア供給層を介する成分を少なくすることで、比較例3に比してオン抵抗を2倍以上低くできる。
また以上の各例(第1の実施形態等)ではGaN系HEMTに本発明を適用した例について説明したが、GaAs等他のIII−V族半導体に本発明を適用することもできる。特に、GaAs化合物半導体はバンドギャップが小さいナローギャップ(narrow gap)であるため、たとえキャリア供給層をアンドープにしても、比較的上部からのオーミック接合を得やすく、本特許のような構造は必ずしも劇的な改善をもたらすものではないものの、利用は実用上可能である。一方、本件構成をワイドギャップのGaN系HEMTに用いることでGaAsよりも物性的に優れたGaN特有の優位性をさらに発揮することができ、より高性能なデバイスが実現できる。
本発明の電界効果トランジスタは、キャリア走行層の電子移動度が高い上記実施例のHEMTに利用できる他、MISFET、MOSFETなどの素子にも応用でき、また、素子構造、実装構造としては、フェイスダウン構造を持つフリップチップ型の実装、各電極を、半導体構造を挟んで対向させた構造の縦型FETなどにも応用できる。
本発明と比較のためのGaN系化合物を用いたHEMT構造の一例を示す概略断面図である。 本発明と比較のためのGaN系化合物を用いたHEMT構造の一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係るFETの一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係るFETの一例を示す概略平面図である。 本発明の一実施の形態に係るFET、及びその装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係るFET、及びその装置の一例を示す概略平面図である。 本発明の一実施の形態に係るFETの一例を示す概略平面図である。 本発明の実施例1と比較例1に係るHEMTの静特性を示すグラフである。 ドレインソース間電圧VDSに対するドレイン電流IDをゲート電圧VGで制御する様子を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る距離Lと接触抵抗Rとの関係を示すグラフである。 本発明の実施例1と比較例1に係るHEMTのオン抵抗特性を示すグラフである。 本発明の実施例1と比較例1に係るHEMTのオフ耐圧特性を示すグラフである。 本発明の実施例1に係るHEMTのS・D電極間抵抗を示すグラフである。 本発明の実施例1と比較例2に係るHEMTのドレイン電流電圧特性を示すグラフである。 本発明の実施例5と比較例3に係るHEMTの静特性を示すグラフである。
符号の説明
100 HEMT、200 半導体装置;200a 装置の一部、23 キャリア走行層;23a チャネル、24 上層(キャリア供給層,バリア層,スペーサ層)、20 半導体積層構造、
85,185 ソース電極;185p パッド部;155 接続配線部;185C 共通電極、
86,186 ゲート電極;86p,186p パッド部;156 接続配線部
37(47,47C,67,87),187 ドレイン電極;187p パッド部;157 接続配線部;187C 共通電極、
40 段差部分;40h 端縁、140,241〜243 メサ構造部;140t(243t) 上段部(上面);140g 下段部(溝部底面);140e 傾斜面(メサ構造側面,段差部);141b,240b〜243b 底面部、210〜213 素子領域

Claims (12)

  1. 窒化物半導体層が複数設けられた積層構造にキャリア走行層を有し、該積層構造上に設けられたゲート電極と、該ゲート電極を挟むソース電極、ドレイン電極を有する電界効果トランジスタであって、
    前記積層構造が、前記ゲート電極両側に前記キャリア走行層の端部を露出させる側面を備えた段差部を有し、
    前記段差部側面に、少なくとも前記キャリア走行層端部と接続された、ソース電極、ドレイン電極が設けられ、
    該ソース電極、ドレイン電極の一部が、前記段差部上段の表面に設けられ、前記段差部上段に設けられた前記ソース電極、ドレイン電極一部が、キャリア走行方向において、前記側面から前記ゲート電極側の各電極端部までの距離Lと、が、L≦10μmであり、
    前記距離L[μm]が1以上10以下の範囲において、距離Lにおける TLM法によるソース、ドレイン電極の接触抵抗Rc[Ω・mm]が、(L, Rc)=(1,2)と(10,5)の線分よりも低い値である電界効果トランジスタ。
  2. 窒化物半導体層が複数設けられた積層構造にキャリア走行層を有し、該積層構造上に設けられたゲート電極と、該ゲート電極を挟むソース電極、ドレイン電極を有する電界効果トランジスタであって、
    前記積層構造が、前記ゲート電極両側に前記キャリア走行層の端部を露出させる側面を備えた段差部を有し、
    前記段差部側面に、少なくとも前記キャリア走行層端部と接続された、ソース電極、ドレイン電極が設けられ、
    該ソース電極、ドレイン電極の一部が、前記段差部上段の表面に設けられ、
    前記段差部上段に設けられた前記ソース電極、ドレイン電極一部が、キャリア走行方向において、前記側面から前記ゲート電極側の各電極端部までの距離Lが、0.1≦L≦5μmである電界効果トランジスタ。
  3. 窒化物半導体層が複数設けられた積層構造にキャリア走行層を有し、該積層構造上に設けられたゲート電極と、該ゲート電極を挟むソース電極、ドレイン電極を有する電界効果トランジスタであって、
    前記積層構造が、前記ゲート電極両側に前記キャリア走行層の端部を露出させる側面を備えた段差部を有し、
    前記段差部側面に、少なくとも前記キャリア走行層端部と接続された、ソース電極、ドレイン電極が設けられ、
    該ソース電極、ドレイン電極の一部が、前記段差部上段の表面に設けられ、
    前記ソース電極、ドレイン電極の上段部の接触抵抗が、前記側面のキャリア走行層端部、若しくはその近傍における接触抵抗より、大きい電界効果トランジスタ。
  4. 前記ソース電極、ドレイン電極の上段部の接触抵抗が、前記側面のキャリア走行層端部若しくはその近傍、における接触抵抗より大きい請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタ。
  5. 前記積層構造が、キャリア走行層を有する第1の半導体層の上に、キャリア走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きな窒化物半導体の第2の半導体層を有し、
    該第2の半導体層表面に前記ソース電極、ドレイン電極の一部が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  6. 前記ソース電極、ドレイン電極が、前記段差部の下段部に延在して設けられ、
    該下段部の窒化物半導体層が、前記キャリア走行層と同じ窒化物半導体層である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  7. 前記段差部が、段差部間の上段部に前記ゲート電極を有し、該ゲート電極幅方向の断面が、ゲート電極側がキャリア走行層よりも幅の狭いメサ形状のメサ構造部を有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  8. 前記段差部上段に設けられた前記ソース電極、ドレイン電極一部が、キャリア走行方向において、前記側面から前記ゲート電極側の各電極端部までの距離Lが、0.5≦L≦5μmである請求項2乃至7のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  9. 前記キャリア走行方向において、段差部側面の幅dと前記側面から前記ゲート電極側の各電極端部までの距離Lとの比、d/L、が1〜1/10である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  10. 前記段差部の高さhと、前記キャリア走行方向における段差部側面の幅dとの比、h/d、が1/7〜1/3である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタで、前記段差部で挟まれたメサ構造部を1つの素子領域として、前記積層構造に複数の素子領域が併設された半導体装置であって、
    前記ソース電極、ドレイン電極が、それぞれ、隣接する前記素子領域間に跨って設けられた共通電極である半導体装置。
  12. 前記積層構造において、メサ構造部間の段差部下段の電極形成層上に、前記複数の素子領域に設けられたソース電極、ドレイン電極を、それぞれ、互いに接続する接続配線を有する請求項11記載の半導体装置。
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