JP2017152467A - 電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗をより下げることができるようにする。【解決手段】メサ部とソース電極106の間およびメサ部とドレイン電極107との間のチャネル層102のメサ部側面に接して形成されたGaAsまたはGaSbからなる接続層108,109を備える。例えば、接続層108,109は、InxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成され、チャネル層102のメサ部側面に接する箇所はGaAsとされている。より詳しくは、チャネル層102の側面に接する第1接続層108a,109aと、第1接続層108a,109aに連続して形成された第2接続層108b,109bを備える。第1接続層108a,109aは、InxGa1-xAsのxを0としたGaAsから構成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタおよびその製造方法に関する。
GaNをはじめとした窒化物半導体は、高い絶縁破壊電界強度、高い熱伝導率および高い電子飽和速度等の特性を有しており、高周波のハイパワーデバイス向けの材料として優れている。例えば、サファイア基板のc面上にIII族極性のGaNからなるバッファ層を形成し、この上にAlGaNからなるバリア層を形成してヘテロ接合構造とすると、窒化物半導体の分極効果により、ヘテロ接合界面近傍に電子が高濃度に蓄積され、いわゆる2次元電子ガス(2DEG)が形成される。2DEGは、散乱要因となる導電性不純物が存在しないアンドープGaNからなる層内を走行できるために高い電子移動度を示し、いわゆる高電子移動度トランジスタ(HEMT)として動作させることが可能である。窒化物半導体を用いたHEMTにおいては、上述した分極効果によって発生する2DEG濃度が非常に高いことから、高電流密度でのトランジスタ動作が可能となり、この点でも高周波・ハイパワートランジスタとして有利である(非特許文献1参照)。
ところで、AlGaNの層とGaNの層とによるヘテロ構造を用いたHEMT(GaN−HEMT)を、例えばミリ波帯のパワーアンプ(PA)やモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)へ応用する場合、遮断周波数fTや最大発振周波数fmaxを数百GHzにする必要がある。GaN−HEMTの高速性を向上させるためには、他のトランジスタと同様に、スケーリング則に則ったゲート長の微細化や、寄生抵抗などの削減が有効である。非特許文献2には、短ゲート長化などの微細化、および、ソース・ドレイン電極とのオーミック接続のための領域への低抵抗n型層の再成長による寄生抵抗低減により、450GHzを超えるfTや、600GHz近いfmaxの値が報告されている。
非特許文献2における主な技術的な特徴はいくつかあるが、そのうちのひとつとして、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス領域の抵抗(アクセス抵抗)の低減手法にある。非特許文献2においては、アクセス領域をエッチングで除去した後、低抵抗n+−GaN層を再成長してチャネルの2DEGとコンタクトを取ることにより、アクセス抵抗を低減している(図12参照)。これにより、0.1Ω・mmという、窒化物半導体系の電子デバイスとしては低いアクセス抵抗を得るに至っている(図13参照)。なお、GaNチャネル層から再成長n+−GaN層にかけてのバンドプロファイルは、図14に示す構成となる。
O. Ambacher et al., "Two-dimensional electron gases induced by spontaneous and piezoelectric polarization charges in N- and Ga-face AlGaN/GaN heterostructures", Journal of Applied Physics, vol.85, no.6, pp.3222-3233, 1999. K. Shinohara et al., "Scaling of GaN HEMTs and Schottky Diodes for Submillimeter-Wave MMIC Applications", IEEE Transactions on Electron Devices, vol.60, no.10, pp.2982-2996, 2013. Chris G. Van de Walle and J. Neugebauer, "Universal alignment of hydrogen levels in semiconductors, insulators and solutions", Nature, vol.423, pp.626-628, 2003. L. G. Shantharama et al., "Evaluation of single ohmic metallisations for contacting both p- and n-type GaInAs", Electronics Letters, Vol. 26, No. 15, pp.1127-1129, 1990. K. Hiramatsu et al., "Fabrication and characterization of low defect density GaN using facet-controlled epitaxial lateral overgrowth (FACELO)", Journal of Crystal Growth, vol.221, pp.316-326, 2000. V. I. Ivanov-Omakii et al., Mobility and Effective Mass of Holes in Gallium Antimonide", Soviet Physics-Solid State, Vol.4, No.2, pp.276-279, 1962. A. Vogt et al., "Non-annealed ohmic contacts to p-GaSb grown by molecular beam epitaxy", Materials Science and Engineering B66, pp.199-202, 1999.
しかしながら、上述した技術では、以下に示す問題がある。例えば、非特許文献2の技術では、再成長による低抵抗n+−GaN層の形成領域を、ドライエッチングによって除去・形成しているため、低抵抗n+−GaN層と2DEGが形成されるチャネル層との界面にエッチングダメージが残ってしまう。このダメージは、チャネル層に形成される2DEGと低抵抗n+−GaN層とのコンタクト寄生抵抗Rintを増大させ、結果として十分にアクセス抵抗が下がらない。
また、低抵抗n+−GaN層に金属電極を形成することでオーミック接続するソース・ドレイン電極を形成しているが、GaNがワイドギャップ半導体であることにより、GaNと金属とのコンタクト抵抗RCを低くすることが難しいという課題もある。更に、n+−GaN層そのもののドーピング濃度や移動度が、例えば、InGaAs系の半導体材料に比べると非常に低く、n+−GaN層自体の抵抗値Rn+GaNが相対的に高い、という問題点もある。以上に示したように、従来では、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗を、十分に低下させることができないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗をより下げることができるようにすることを目的とする。
本発明に係る電界効果トランジスタは、基板の上に形成されたGaNからなるチャネル層と、チャネル層の上に形成された窒化物半導体からなるバリア層と、チャネル層およびバリア層からなり所望とする幅に形成されたメサ部と、バリア層の上にゲート絶縁層を介して形成されたゲート電極と、メサ部を挾んで配置されてチャネル層に接続するソース電極およびドレイン電極と、メサ部とソース電極の間およびメサ部とドレイン電極との間のチャネル層のメサ部側面に接して形成されたGaAsまたはGaSbからなる接続層とを備える。
上記電界効果トランジスタにおいて、接続層は、InxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成され、チャネル層のメサ部側面に接する箇所はGaAsとされていてもよい。この場合、接続層は、チャネル層のメサ部側面から離れるほどxが大きくなる構成とされているとよい。
本発明に係る電界効果トランジスタの製造方法は、基板の上にGaNからなるチャネル層を形成するチャネル形成工程と、チャネル層の上に窒化物半導体からなるバリア層を形成するバリア形成工程と、チャネル層およびバリア層を所望とする幅のメサ部に形成するメサ形成工程と、メサ部のバリア層の上にゲート絶縁層を介してゲート電極を形成するゲート形成工程と、メサ部を挾んで配置されるソース電極形成部およびドレイン電極形成部とメサ部との各々の間のチャネル層のメサ部側面にGaAsまたはGaSbからなる接続層を接して形成する接続形成工程と、ソース電極形成部およびドレイン電極形成部にソース電極およびドレイン電極を形成する電極形成工程とを備える。
上記電界効果トランジスタの製造方法において、接続層は、InxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成してチャネル層のメサ部側面に接する箇所はGaAsとし、接続形成工程では、チャネル層のメサ部側面に露出しているチャネル層を構成している窒素をヒ素に置換することで、接続層のチャネル層のメサ部側面に接する箇所をGaAsとすればよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗をより下げることができるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1における電界効果トランジスタの構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1における電界効果トランジスタの一部構成を拡大して示す断面図である。 図3は、チャネル層102と第1接続層108aとの間のバンドオフセット関係を示す説明図である。 図4は、チャネル層102,第1接続層108a,第2接続層108bにかけてのバンド状態を示すバンド図である。 図5Aは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図5Bは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図5Cは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図5Dは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図5Eは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図5Fは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図5Gは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図5Hは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態2における電界効果トランジスタの構成を示す断面図である。 図7Aは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図7Bは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図7Cは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図7Dは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図7Eは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図7Fは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図7Gは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図7Hは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図8は、本発明の実施の形態3における電界効果トランジスタの構成を示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態3における電界効果トランジスタの一部構成を拡大して示す断面図である。 図10は、チャネル層302と接続層308との間のバンドオフセット関係を示す説明図である。 図11は、チャネル層302から接続層308にかけてのバンド状態を示すバンド図である。 図12は、非特許文献2に開示された電界効果トランジスタの一部構成を示す構成図である。 図13は、非特許文献2に開示された電界効果トランジスタにおけるアクセス抵抗の成分を説明するための説明図である。 図14は、非特許文献2に開示された電界効果トランジスタにおけるGaNチャネル層から再成長n+−GaN層にかけてのバンドプロファイルを示すバンド図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における電界効果トランジスタの構成を示す構成図である。この電界効果トランジスタは、基板101の上に形成されたチャネル層102と、チャネル層102の上に形成されたバリア層103と、バリア層103の上にゲート絶縁層104を介して形成されたゲート電極105とを備える。この電界効果トランジスタは、チャネル層102に形成される2次元電子ガス(2DEG)をチャネルとする電界効果トランジスタである。
ここで、チャネル層102は、GaNから構成され、バリア層103はAlGaNなど窒化物半導体から構成されている。チャネル層102とバリア層103とで、ヘテロ接合構造が形成されている。また、チャネル層102およびバリア層103は、所望とする幅(径)のメサ部に形成されている。このメサ部を挾んで、ソース電極106およびドレイン電極107が配置されている。ソース電極106およびドレイン電極107は、チャネル層102に電気的に接続している。なお、基板101は、例えばサファイア,単結晶GaNなどから構成され、主表面が+c面[(0001)面]とされている。また、基板101は、主表面をSi面[(0001)面]としたSiCから構成してもよい。基板101は、上述した各層が、主表面を+c面としてエピタキシャル成長可能な材料から構成されていればよい。
また、本発明の電界効果トランジスタは、上記メサ部とソース電極106の間およびメサ部とドレイン電極107との間のチャネル層102のメサ部側面に接して形成されたGaAsまたはGaSbからなる接続層108,109を備える。実施の形態1において、接続層108,109は、InxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成され、チャネル層102のメサ部側面に接する箇所はGaAsとされている。
より詳しくは、チャネル層102の側面に接する第1接続層108a,109aと、第1接続層108a,109aに連続して形成された第2接続層108b,109bを備える。第1接続層108a,109aは、InxGa1-xAsのxを0としたGaAsから構成されている。第2接続層108b,109bは、n型としたInxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成されている。実施の形態1では、第2接続層108bにソース電極106が接して形成され、第2接続層109bに、ドレイン電極107が接して形成されている。
なお、チャネル層102は、基板101の上にバッファ層111を介して形成されている。バッファ層111,チャネル層102,バリア層103が、メサ構造とされている。また、基板101の上のメサ構造の周囲には、絶縁層112が形成され、ソース電極106,ドレイン電極107の周囲の第2接続層108b,109bの上面には、絶縁層113が形成されている。また、ゲート電極105とソース電極106,ドレイン電極107との間にも、絶縁層113が形成されている。また、ゲート電極105の上には、ソース電極106,ドレイン電極107の形成時に同時に形成された金属層114が形成されている。
次に、本発明の電界効果トランジスタについて、接続層108,109を加えた作用効果について説明する。既に述べたように、n+−GaN層を再成長させたオーミックコンタクトにおけるアクセス抵抗は、金属と半導体との間のコンタクト抵抗成分RC、接続層であるコンタクト半導体層(図12のn+−GaN層)の抵抗成分Rsemi、コンタクト半導体層と2DEGとの間のコンタクト抵抗成分Rint、および2DEG領域のうちゲートおよびコンタクト半導体層の間の領域の抵抗成分RSWからなる。
これらのうち、RSWは、2DEG特性とゲート電極・コンタクト半導体層間の距離により決定され、基本的にはエピ成長とフォトリソグラフの制御性によって決まる成分である。コンタクト半導体層と2DEGとの間のコンタクト抵抗成分Rintは、2DEGの存在しているチャネル層(本実施形態ではGaN)とコンタクト半導体層との伝導帯のバンドオフセットにより大きく影響を受ける。
図12においては、コンタクト半導体層もチャネル層と同じGaNであるため、本質的には伝導帯のバンドオフセットは存在せず、図14に示したように、GaNチャネル層から再成長n+−GaN層にかけてのバンドプロファイルが変化する。
しかしながら、ドライエッチングによりメサを形成しているため、コンタクト半導体層とチャネル層の界面には様々な不純物やダメージが残り、これがRintを増大させる要因となっている。
次に、本発明の実施の形態1におけるアクセス抵抗の各成分を図2に示す。この電界効果トランジスタにおいて、2DEG121とソース電極106との間のアクセス抵抗は、ソース電極106と接続層108との間のコンタクト抵抗成分RC、接続層108の抵抗成分Rsemi、接続層108と2DEG121との間のコンタクト抵抗成分Rint、および2DEG121のうちゲート電極105と接続層108の間の領域の抵抗成分RSWからなる。
実施の形態1では、まず、チャネル層102のメサ部側面に接して第1接続層108a,109aを備え、これらをGaAsから構成している。GaNとGaAsとでは、エネルギーギャップは各々3.42eVと1.42eVと大きく差があるものの、これらの間のバンドオフセット関係は、図3に示すように、伝導帯側でほぼ一致している(非特許文献3参照)。このように、GaAsから構成した第1接続層108a,109aは、Rintに及ぼす寄与のうちバンドオフセットに起因した成分はGaNと同程度であると推測される。
一方、Rintに影響を及ぼす因子として、バンドオフセット以外にも、エッチングによるダメージあるいは不純物のコンタミネーションの影響が考えられる。これらの影響は、界面付近のキャリア濃度を高濃度にすることにより、相対的に小さくすることができる。GaAsでは、GaNに比較してバンドギャップが低いことを反映し、より高濃度の導電型不純物ドーピングが可能である。例えば、n型不純物としてSnなどを用いることで、GaAsは容易に1019cm-3を越える電子濃度を得ることができる。これにより、エッチングダメージあるいは不純物コンタミネーションの影響を、容易に低減することが可能になる。
これらの効果から、Rintは従来技術(図12、図13)におけるRintと同程度、もしくは、小さくすることができる。実施の形態1ではこの上に低抵抗のn型としたInxGa1-xAs(0≦x≦1)からなる第2接続層108b,109bを形成し、全体で接続層108,109としている。
ここで、第2接続層108b,109bは、InxGa1-xAsのxをチャネル層102のメサ部側面から離れるほど大きくした組成傾斜構造とすることで、メサ部側面付近に沿ったバンドプロファイルは図4に示すものとなる。InGaAsは、In組成が高くなるほど高濃度のドーピングが可能となり、1019cm-3を超える高濃度ドーピング層が容易に得られる。また、上記材料は、電子移動度も数千cm2/Vsと非常に高い。
以上のことより、実施の形態1におけるRsemiは、図12に示したRn+GaNに比較して著しく低くすることができる。
また、InxGa1-xAsのエネルギーギャップは、In組成xに応じてGaNの1/2〜1/10程度の値となる。従って、ソース電極106およびドレイン電極107に近い箇所ほどIn組成の高い第2接続層108b,109bは、ソース電極106,ドレイン電極107との間で、コンタクト抵抗をより低くすることができる。
例えば、In組成0.53のn型InGaAs(電子濃度2.9×1019cm-3)に対して10-7Ω・cm2台のコンタクト抵抗率が報告されている(非特許文献4参照)。これに対し、GaNでは一般的に10-6Ω・cm2台である。
以上に説明したように、実施の形態1によれば、従来に比較して、特にRsemiおよびRCの成分を低減させることが可能となり、この結果、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗の更なる低減が可能となる。
次に、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法例について、図5A〜図5Hを用いて説明する。図5A〜図5Hは、実施の形態1における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。
まず、図5Aに示すように、主表面をSi面[(0001)面]としたSiCからなる基板101の上に、例えばSiNからなる絶縁層112を形成し、絶縁層112に開口部112aを形成する。開口部112aは、絶縁層112を貫通して基板101の主表面が露出する状態に形成する。例えば、よく知られた堆積法によりSiNを堆積して絶縁層112を形成する。次いで、公知のフォトリソグラフィー技術により形成したマスクパターンを用い、よく知られたエッチング法により絶縁層112を選択的にエッチングすることで、開口部112aを形成すればよい。
次に、図5Bに示すように、開口部112aに露出している基板101の上に、バッファ層111,チャネル層102、バリア層103を形成する(チャネル形成工程,バリア形成工程,メサ形成工程)。例えば、まず、開口部112aに露出している基板101の上に、アンモニアおよびトリメチルアルミニウムを原料ガスとした有機金属気相成長(MOCVD)法により、AlNからなる核形成層(不図示)を形成する。AlGaNからなる核形成層を形成してもよい。核形成層は、用いる基板材料に応じて適切に選択される必要があるが、広く公知とされたものを用いればよい。
引き続き、アンモニアおよびトリメチルガリウムを原料ガスとしたMOCVD法により、Cをドープした高抵抗なGaNをエピタキシャル成長させ、バッファ層111を形成する。FeをドープしたGaNでもよい。また、電界効果トランジスタにおけるいわゆる短チャネル効果を抑制させる目的で、チャネル層102の材料よりもワイドバンドギャップなAlGaNなどの材料を用いてバッファ層111とし、バックバリア構造としてもよい。
引き続き、MOCVD法によりGaNをエピタキシャル成長させてチャネル層102を形成し、アンモニア,トリメチルガリウム,およびトリメチルアルミニウムを原料ガスとしたMOCVD法によりAlGaNをエピタキシャル成長させてバリア層103を形成する。上述したように、開口部112aに露出した基板101の主表面に各層を選択成長させることで、バッファ層111,チャネル層102,バリア層103の積層構造がメサ構造となる。
上述したバッファ層111,チャネル層102,バリア層103の形成は、MOCVD法に限らず、分子線エピタキシー(MBE)法など広く公知とされた堆積技術を用いればよい。より望ましくは、選択再成長に適したMOCVD装置を用いるのがよい。選択再成長時の堆積条件により、選択再成長する領域の形状は様々に変化するが、ここでは側面が(1−101)面となる条件を採用するとよい。
次に、図5Cに示すように、メサ部を覆う絶縁層151を形成する。例えば、バリア層103を形成した後、同じ成長装置内で、引き続きSiNなどの絶縁材料を堆積することで、絶縁層151を形成してもよい。また、別の堆積装置を用い、SiNを堆積することで絶縁層151を形成してもよい。SiNの堆積は、広く公知とされた技術を用いればよく、例えば、プラズマ援用化学気相堆積(PE−CVD)法やスパッタ法などを用いればよい。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により絶縁層151をパターニングすることで、図5Dに示すように、メサ部の側面を露出させ、バリア層103の上にゲート絶縁層104を形成する。
次に、図5Eに示すように、露出させたメサ部の側面に、第1接続層108a,109aを形成する(接続形成工程)。例えば、露出させたメサ部の側面をAs原料の雰囲気に晒し、メサ部側面の窒化物半導体の窒素をAsに置換する(砒化する)ことで、第1接続層108a,109aを形成する。よく知られたMOCVD装置を用い、As原料としてAsH3を用いればよい。バッファ層111,チャネル層102の側面には、GaAsからなる第1接続層108a,109aが形成され、バリア層103の側面には、AlGaAsからなる第1接続層108a,109aが形成される。
次に、図5Fに示すように、InGaAsからなる半導体層152を形成する。例えば、トリメチルインジウム,トリメチルガリウム,AsH3を原料としたMOCVD法によりInGaAsを堆積すればよい。この堆積において、堆積開始時から堆積終了時にかけて、トリメチルインジウムの供給量を0から増加させ、一方で、トリメチルガリウムの供給量は減少させて0とすることで、InxGa1-xAsのxを0から1にまで変化させる。また、半導体層152の形成では、高濃度にn型不純物をドーピングする。例えば、SiH4を原料としてSiをドーピングすればよい。
なお、このInGaAsの堆積では、下層の窒化物半導体層と結晶系が異なる。InGaAsは閃亜鉛鉱構造であり、窒化物半導体はウルツ鉱構造である。このため、InGaAsはエピタキシャル成長しにくく、半導体層152は、多結晶として堆積させる状態とすればよい。このような条件では選択性はほとんどなく、基板全面にInGaAsが堆積することとなる。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により半導体層152をパターニングし、図5Gに示すように、ゲート電極形成領域で分離して第2接続層108b,109bとし(接続形成工程)、更に、SiNなどの絶縁材料を堆積し、ゲート電極形成領域を開口し、また素子領域外を除去するパターニングにより絶縁層113とする。次いで、絶縁層113に開口したゲート電極形成領域でゲート絶縁層104に到達する状態にゲート電極105を形成する(ゲート形成工程)。例えば、よく知られた堆積法によりゲート電極材料を堆積して電極材料層を形成し、この電極材料層をパターニングすることでゲート電極105とすればよい。
次に、ゲート電極105の位置を中心としてソース電極形成領域およびドレイン電極形成領域を含む領域が各々開口したマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて絶縁層113をエッチングして第2接続層108b,109bの表面を露出させる。この状態で、ソース・ドレイン電極材料を堆積する。この後、マスクパターンを除去(リフトオフ)することで、図5Hに示すように、ソース電極106およびドレイン電極107を形成する(電極形成工程)。なお、同時に、ゲート電極105の上に金属層114も形成される。
上述したソース・ドレイン電極材料としては、例えば、Ti/Pt/Auを用いればよい。Ti/Pt/Auを用いることにより、オーミックアニール処理が不要となる。オーミックアニール処理は、既に形成されているゲート電極105に対してダメージを与えるため、オーミックアニール処理を実施する場合、先にゲート電極105を形成しておくゲートファーストプロセスを採用することができない。これに対し、上述したようにオーミックアニール処理が不要となれば、ゲートファーストプロセスが可能となる。
また、先にゲート電極105が形成しておけるので、前述したように、ゲート電極105の形成位置に対してセルフアラインにソース電極106,ドレイン電極107が形成できるようになる。これは素子サイズの小型化に有利であり、2DEG領域のうちゲートおよびコンタクト半導体層の間の領域の短縮化によりアクセス抵抗のうちのRSWの低減が可能となる。ゲートファーストプロセス採用によりセルフアラインにソース電極106,ドレイン電極107を形成することができることは、本発明により誘起される大きな効果のひとつである。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態2における電界効果トランジスタの構成を示す構成図である。この電界効果トランジスタは、基板201の上に形成されたチャネル層202と、チャネル層202の上に形成されたバリア層203と、バリア層203の上にゲート絶縁層204を介して形成されたゲート電極205とを備える。この電界効果トランジスタは、チャネル層202に形成される2DEGをチャネルとする電界効果トランジスタである。
ここで、チャネル層202は、GaNから構成され、バリア層203はAlGaNなど窒化物半導体から構成されている。チャネル層202とバリア層203とで、ヘテロ接合構造が形成されている。また、チャネル層202およびバリア層203は、所望とする幅(径)のメサ部に形成されている。このメサ部を挾んで、ソース電極206およびドレイン電極207が配置されている。ソース電極206およびドレイン電極207は、チャネル層202に電気的に接続している。なお、基板201は、例えばサファイア,単結晶GaNなどから構成され、主表面が+c面[(0001)面]とされている。また、基板201は、主表面をSi面[(0001)面]としたSiCから構成してもよい。基板201は、上述した各層が、主表面を+c面としてエピタキシャル成長可能な材料から構成されていればよい。
また、本発明の電界効果トランジスタは、上記メサ部とソース電極206の間およびメサ部とドレイン電極207との間のチャネル層202のメサ部側面に接して形成されたGaAsまたはGaSbからなる接続層208,209を備える。実施の形態2において、接続層208,209は、InxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成され、チャネル層202のメサ部側面に接する箇所はGaAsとされている。
より詳しくは、チャネル層202の側面に接する第1接続層208a,209aと、第1接続層208a,209aに連続して形成された第2接続層208b,209bを備える。第1接続層208a,209aは、InxGa1-xAsのxを0としたGaAsから構成されている。第2接続層208b,209bは、n型としたInxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成されている。実施の形態2でも、第2接続層208bにソース電極206が接して形成され、第2接続層209bに、ドレイン電極207が接して形成されている。
なお、チャネル層202は、基板201の上にバッファ層211を介して形成されている。また、実施の形態2では、基板201に凸部201aを備え、凸部201a、バッファ層211,チャネル層202,バリア層203が、メサ構造とされている。また、ソース電極206,ドレイン電極207の周囲の第2接続層208b,209bの上面には、絶縁層213が形成されている。また、実施の形態2では、絶縁層213が、ゲート電極205の下を含めてメサ部の上に形成されている。絶縁層213は、ゲート電極205の下で、ソース電極206,ドレイン電極207以外の素子領域を覆って形成されている。なお、この場合、ゲート電極205とゲート絶縁層204との間の絶縁層213も、ゲート絶縁層となる。
実施の形態2の電界効果トランジスタは、前述した実施の形態1と同様に、接続層208,209を加えたことにより、従来に比較して、特にRsemiおよびRCの成分を低減させることが可能となり、この結果、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗の更なる低減が可能となる。
次に、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法例について、図7A〜図7Hを用いて説明する。図7A〜図7Hは、実施の形態2における電界効果トランジスタの製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。
まず、図7Aに示すように、主表面をSi面[(0001)面]としたSiCからなる基板201の上に、バッファ層211とする第1半導体層231,チャネル層202とする第2半導体層232、バリア層203とする第3半導体層233を形成する。例えば、アンモニアおよびトリメチルアルミニウムを原料ガスとした有機金属気相成長(MOCVD)法により、AlNからなる核形成層(不図示)を形成する。AlGaNからなる核形成層を形成してもよい。核形成層は、用いる基板材料に応じて適切に選択される必要があるが、広く公知とされたものを用いればよい。
引き続き、アンモニアおよびトリメチルガリウムを原料ガスとしたMOCVD法により、Cをドープした高抵抗なGaNをエピタキシャル成長させ、第1半導体層231を形成する。FeをドープしたGaNでもよい。また、電界効果トランジスタにおけるいわゆる短チャネル効果を抑制させる目的で、チャネル層202の材料よりもワイドバンドギャップなAlGaNなどの材料を用いて第1半導体層231とし、これを用いてバッファ層211を形成してバックバリア構造としてもよい。
引き続き、MOCVD法によりGaNをエピタキシャル成長させて第2半導体層232を形成し、アンモニア,トリメチルガリウム,およびトリメチルアルミニウムを原料ガスとしたMOCVD法によりAlGaNをエピタキシャル成長させて第3半導体層233を形成する。上述した各層の形成は、MOCVD法に限らず、MBE法など広く公知とされた堆積技術を用いればよい。
次に、SiNからなる絶縁層を形成してパターニングすることで、第3半導体層233の上の所定箇所にゲート絶縁層204を形成し、形成したゲート絶縁層204をマスクとして第3半導体層233,第2半導体層232,第1半導体層231をエッチングしてパターニングし、図7Bに示すように、バッファ層211,チャネル層202,バリア層203からなるメサ部を形成する(チャネル形成工程,バリア形成工程,メサ形成工程)。なお、基板201までもある程度エッチングして基板201に凸部201aを形成することで、メサ部の周囲に第1半導体層231が残らないようにする。
次に、図7Cに示すように、露出しているメサ部の側面に、第1接続層208a,209aを形成する(接続形成工程)。例えば、メサ部の側面をAs原料の雰囲気に晒し、メサ部側面の窒化物半導体の窒素をAsに置換する(砒化する)ことで、第1接続層208a,209aを形成する。よく知られたMOCVD装置を用い、As原料としてAsH3を用いればよい。バッファ層211,チャネル層202の側面には、GaAsからなる第1接続層208a,209aが形成され、バリア層203の側面には、AlGaAsからなる第1接続層208a,209aが形成される。
次に、図7Dに示すように、InGaAsからなる半導体層234を形成する。例えば、トリメチルインジウム,トリメチルガリウム,AsH3を原料としたMOCVD法によりInGaAsを堆積すればよい。この堆積において、堆積開始時から堆積終了時にかけて、トリメチルインジウムの供給量を0から増加させ、一方で、トリメチルガリウムの供給量は減少させて0とすることで、InxGa1-xAsのxを0から1にまで変化させる。また、半導体層234の形成では、高濃度にn型不純物をドーピングする。例えば、SiH4を原料としてSiをドーピングすればよい。
なお、このInGaAsの堆積では、下層の窒化物半導体層と結晶系が異なる。InGaAsは閃亜鉛鉱構造であり、窒化物半導体はウルツ鉱構造である。このため、InGaAsはエピタキシャル成長しにくく、半導体層234は、多結晶として堆積させる状態とすればよい。このような条件では選択性はほとんどなく、基板全面にInGaAsが堆積することとなる。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により半導体層234をパターニングし、図7Eに示すように、ゲート電極形成領域で分離して第2接続層208b,209bとする(接続形成工程)。次いで、図7Fに示すように、SiNなどの絶縁材料を堆積して絶縁層213を形成する。
次に、図7Gに示すように、ゲート電極205を形成する(ゲート形成工程)。例えば、よく知られた堆積法によりゲート電極材料を堆積して電極材料層を形成し、この電極材料層をパターニングすることでゲート電極205とすればよい。
次に、図7Hに示すように、ソース電極206およびドレイン電極207を形成する(電極形成工程)。例えば、ソース電極206およびドレイン電極207形成領域の絶縁層213に貫通孔を形成する。次いで、電極材料を堆積して電極材料層を形成し、この電極材料層をパターニングすることで、ソース電極206およびドレイン電極207を形成すればよい。
上述したソース・ドレイン電極材料としては、例えば、Ti/Pt/Auを用いればよい。Ti/Pt/Auを用いることにより、オーミックアニール処理が不要となる。オーミックアニール処理は、既に形成されているゲート電極205に対してダメージを与えるため、オーミックアニール処理を実施する場合、先にゲート電極205を形成しておくゲートファーストプロセスを採用することができない。これに対し、上述したようにオーミックアニール処理が不要となれば、ゲートファーストプロセスが可能となる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態3における電界効果トランジスタの構成を示す構成図である。この電界効果トランジスタは、基板301の上に形成されたチャネル層302と、チャネル層302の上に形成されたバリア層303と、バリア層303の上にゲート絶縁層304を介して形成されたゲート電極305とを備える。この電界効果トランジスタは、チャネル層302に形成される2DEGをチャネルとする電界効果トランジスタである。
ここで、チャネル層302は、GaNから構成され、バリア層303はAlGaNなど窒化物半導体から構成されている。チャネル層302とバリア層303とで、ヘテロ接合構造が形成されている。また、チャネル層302およびバリア層303は、所望とする幅(径)のメサ部に形成されている。このメサ部を挾んで、ソース電極306およびドレイン電極307が配置されている。ソース電極306およびドレイン電極307は、チャネル層302に電気的に接続している。なお、基板301は、例えばサファイア,単結晶GaNなどから構成され、主表面が+c面[(0001)面]とされている。また、基板301は、主表面をSi面[(0001)面]としたSiCから構成してもよい。基板301は、上述した各層が、主表面を+c面としてエピタキシャル成長可能な材料から構成されていればよい。
また、本発明の電界効果トランジスタは、上記メサ部とソース電極306の間およびメサ部とドレイン電極307との間のチャネル層302のメサ部側面に接して形成されたGaSbからなる接続層308,309を備える。接続層308,309は、例えば、p型の不純物が導入されたGaSbから構成されている。なお、接続層308,309は、GaAsから構成してもよい。実施の形態3では、接続層308にソース電極306が接して形成され、接続層309に、ドレイン電極307が接して形成されている。
なお、チャネル層302は、基板301の上にバッファ層311を介して形成されている。バッファ層311,チャネル層302,バリア層303が、メサ構造とされている。また、基板301の上のメサ構造の周囲には、絶縁層312が形成され、ソース電極306,ドレイン電極307の周囲の接続層308,309の上面には、絶縁層313が形成されている。また、ゲート電極305とソース電極306,ドレイン電極307との間にも、絶縁層313が形成されている。また、ゲート電極305の上には、ソース電極306,ドレイン電極307の形成時に同時に形成された金属層314が形成されている。
実施の形態3における電界効果トランジスタの製造は、前述した実施の形態1とほぼ同様である。ただし、実施の形態3では、実施の形態1とは異なり、接続層を一体の構成としている。また、接続層においては、組成傾斜構造としていない。従って、実施の形態3では、接続層308,309の形成において、露出させたメサ部の側面に直接、GaSbを堆積している。なお、この場合においても、GaSbは、下層の窒化物半導体層と結晶系が異なるため、エピタキシャル成長しにくく、接続層308,309は、多結晶の状態となる。
次に、本発明の電界効果トランジスタについて、接続層308,309を加えた作用効果について説明する。本発明の実施の形態3におけるアクセス抵抗の各成分を図9に示す。この電界効果トランジスタにおいて、2DEG321とソース電極306との間のアクセス抵抗は、ソース電極306と接続層308との間のコンタクト抵抗成分RC、接続層308の抵抗成分Rsemi、接続層308と2DEG321との間のコンタクト抵抗成分Rint、および2DEG321のうちゲート電極305と接続層308の間の領域の抵抗成分RSWからなる。
実施の形態3では、メサ部側面(チャネル層302の側面)に多結晶のp型GaSbからなる接続層308(接続層309)を形成している。チャネル層302を構成するGaNと、接続層308のGaSbとでは、エネルギーギャップは各々3.42eVと0.77eVと大きく差があるものの、これらのバンドオフセット関係は、図10に示すようになる。GaN側が高密度の2DEGによって伝導帯エネルギーがフェルミレベルよりも低くなっているのに対し、GaSb側が高濃度のp型層であるため、価電子帯エネルギーがフェルミレベルよりも高くなる。
このため、メサ部側面におけるGaNからなるチャネル層302とGaSbからなる接続層308との界面には、バンド構造が図11に示すトンネル接合が形成されることとなる。これにより、チャネル層302側の2DEG321を構成する電子は、GaN/GaSb界面に存在するエネルギー障壁をトンネルし、接続層308側の正孔と再結合することにより電流が流れる。
以上のことにより、Rintに及ぼす寄与のうちバンドオフセットに起因した成分は無視することができ、Rintはトンネル接合におけるトンネル確率に依存することとなる。トンネル確率は、理想的にはエネルギー障壁幅に依存するが、実施の形態3においては、素子作製の過程でメサ部側面(チャネル層302側面)に表面準位が導入され、この上にGaSbが堆積されて接続層308が形成される。このため、チャネル層302と接続層との界面には、上記準位が界面準位として残留することになり、この界面準位を介したトンネル過程が支配的となる。従って、トンネル確率の障壁幅依存性は無視でき、トンネル電流による界面抵抗成分Rintは、結果的に従来技術(図12、図13)におけるRintと同程度とすることができる。
加えて、GaSbはもともとp型ドーピングが容易な材料であり、1020cm-3近い高濃度ドーピングが可能である。しかも、3×1019cm-3程度の高濃度であっても200cm2/Vs弱の移動度であるため、p+−GaSbによる接続層308(接続層309)における抵抗値Rsemi(=Rp+GaSb)は、Rn+GaNに比べて十分に低い値となる。
また、上述したように、GaSbのエネルギーギャップはGaNの1/5程度の値であり、コンタクト抵抗の低いオーミック電極を容易に形成できる。例えば、p型GaSb(正孔濃度6.2×1018cm-3)に対して10-7Ω・cm2台のコンタクト抵抗率が報告されている(非特許文献7参照)。
以上のことにより、実施の形態3においては、従来に比べて特にRsemiおよびRCの成分を低減させることが可能となり、この結果、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗の更なる低減が可能となる。なお、実施の形態3の構成においても、メサ部側面を砒化して極薄いGaAs層を形成した後、GaSbを堆積して接続層としても同様の効果が得られる。
以上に説明したように、本発明によれば、メサ部とソース電極の間およびメサ部とドレイン電極との間のチャネル層のメサ部側面に接してGaAsまたはGaSbからなる接続層を形成するようにしたので、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネルとソース・ドレイン電極との間のアクセス抵抗をより下げることができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…基板、102…チャネル層、103…バリア層、104…ゲート絶縁層、105…ゲート電極、106…ソース電極、107…ドレイン電極、108,109…接続層、108a,109a…第1接続層、108b,109b…第2接続層、111…バッファ層、112…絶縁層、113…絶縁層、114…金属層、121…2DEG。

Claims (5)

  1. 基板の上に形成されたGaNからなるチャネル層と、
    前記チャネル層の上に形成された窒化物半導体からなるバリア層と、
    前記チャネル層および前記バリア層からなり所望とする幅に形成されたメサ部と、
    前記バリア層の上にゲート絶縁層を介して形成されたゲート電極と、
    前記メサ部を挾んで配置されて前記チャネル層に接続するソース電極およびドレイン電極と、
    前記メサ部と前記ソース電極の間および前記メサ部と前記ドレイン電極との間の前記チャネル層の前記メサ部側面に接して形成されたGaAsまたはGaSbからなる接続層と
    を備えることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 請求項1記載の電界効果トランジスタにおいて、
    前記接続層は、InxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成され、前記チャネル層の前記メサ部側面に接する箇所はGaAsとされている
    ことを特徴とする電界効果トランジスタ。
  3. 請求項2記載の電界効果トランジスタにおいて、
    前記接続層は、前記チャネル層の前記メサ部側面から離れるほどxが大きくなる構成とされていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  4. 基板の上にGaNからなるチャネル層を形成するチャネル形成工程と、
    前記チャネル層の上に窒化物半導体からなるバリア層を形成するバリア形成工程と、
    前記チャネル層および前記バリア層を所望とする幅のメサ部に形成するメサ形成工程と、
    前記メサ部の前記バリア層の上にゲート絶縁層を介してゲート電極を形成するゲート形成工程と、
    前記メサ部を挾んで配置されるソース電極形成部およびドレイン電極形成部と前記メサ部との各々の間の前記チャネル層の前記メサ部側面にGaAsまたはGaSbからなる接続層を接して形成する接続形成工程と、
    前記ソース電極形成部および前記ドレイン電極形成部にソース電極およびドレイン電極を形成する電極形成工程と
    を備えることを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
  5. 請求項4記載の電界効果トランジスタの製造方法において、
    前記接続層は、InxGa1-xAs(0≦x≦1)から構成して前記チャネル層の前記メサ部側面に接する箇所はGaAsとし、
    前記接続形成工程では、前記チャネル層の前記メサ部側面に露出している前記チャネル層を構成している窒素をヒ素に置換することで、前記接続層の前記チャネル層の前記メサ部側面に接する箇所をGaAsとする
    ことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
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