JP5217151B2 - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5217151B2
JP5217151B2 JP2006298223A JP2006298223A JP5217151B2 JP 5217151 B2 JP5217151 B2 JP 5217151B2 JP 2006298223 A JP2006298223 A JP 2006298223A JP 2006298223 A JP2006298223 A JP 2006298223A JP 5217151 B2 JP5217151 B2 JP 5217151B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
electrode
carrier
channel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006298223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008112949A (ja
Inventor
雄治 大巻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Corp
Original Assignee
Nichia Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Corp filed Critical Nichia Corp
Priority to JP2006298223A priority Critical patent/JP5217151B2/ja
Publication of JP2008112949A publication Critical patent/JP2008112949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5217151B2 publication Critical patent/JP5217151B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)

Description

本発明は、電界効果トランジスタに係り、特に、窒化物半導体を用いたノーマリオフ型の電界効果トランジスタに関する。
半導体層を積層して構成された電界効果トランジスタ(FET:Field effect Transistor)は、高周波かつ高耐圧で動作可能な高出力パワー半導体装置として期待され、MESFET(Metal Semiconductor FET)や高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)等が提案されている。近年、窒化ガリウム系化合物を用いたHEMT(以下、「GaN系HEMT」ともいう)が、次世代型の高速FETとして注目されている。GaN系HEMTはSi系化合物やGaAs系化合物等に比べて、その材料特性から、1.バンドギャップが広く、電子有効質量から見積もられる電子の飽和電子移動度も高いこと、2.破壊電界が大きいこと、3.高温でも安定しているため、内燃機関の近傍等の高温領域でも使用できる等、応用分野が広いこと、4.原材料となる窒化ガリウム系化合物半導体自身が基本的に無毒の材料であること、等の優れた利点があるため、より大出力で高耐圧かつ高温動作可能な高周波デバイスを実現できる可能性がある。
図1Aに示すGaN系化合物のHEMTの一例は、サファイア基板11上にGaNバッファ層12を介して、キャリア走行層のアンドープGaN層13、チャネルの波動関数が染み出しても高い移動度を好適に確保するスペーサ層のアンドープAlGaN層18、キャリア供給層(電子供給層)のn型AlGaN層14を順次積層している。スペーサ層は、電子を失った不純物イオンの電気的影響がチャネルに及ぶのを抑制して、チャネルにおける電子の走行に影響を与えないようにする。またn型AlGaN層14の上面には、ソース電極15、ゲート電極16、ドレイン電極17がそれぞれ形成される。このHEMTは、キャリア供給層14がキャリア走行層13に電子を供給し、供給された電子はキャリア走行層13の最上層部でキャリア供給層14に接する領域13aにチャネルを形成する。ドレイン電圧を印加すると、ソース電極15から電子がキャリア供給層14に注入され、チャネル13aを高移動度で走行し、再びキャリア供給層14を通過して、ドレイン電極17に流れる。ここで、ゲート電極16に印加される電圧に応じてチャネル領域が制御されるため、ゲート電極16に印加する電圧を制御することにより、ソース電極15とドレイン電極17間に流れる電流量が制御されることになる。
このようなGaN系HEMTは、ゲート電極に電圧を印加しない状態では、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れるノーマリオン型であり、電流が流れないようにするためには、ゲート電極に負電圧を印加する必要がある。一方、ノーマリオフ型であれば、ゲート電極に電圧を印加しない状態では、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れず、安全性や利便性の面から好ましい。
ノーマリオフ型のHEMTを得るためには、いくつかの方法が提案されており、例えば、キャリア走行層上に設けられたアンドープAlGaN層の膜厚を薄くすることが提案されている。AlGaN層の膜厚を薄くする場合は、薄層化にしたがって抵抗が増大するため、図1Bのように、ゲート電極16直下またはその付近のキャリア供給層14のみを部分的に薄くするいわゆるリセスゲート構造によって、抵抗の増大を抑制している(例えば、特許文献5参照)。
また、AlGaN層表面には、SiNやSiOなどが設けられる(例えば、特許文献3及び6参照)。
特表2002−520880号公報 特開2003−59948号公報 特開2004−319552号公報 特開2005−158889号公報 特開2005−183733号公報 WO2004/066393号公報
しかし、このようなリセスゲート構造のHEMTは、エッチングによってリセスゲート構造を形成するため、半導体層にエッチングによるダメージが残る。また、エッチング量の再現性とウェハ面内の均一性という点から、高精度なエッチング制御が必要とされる。
また、特許文献3及び6で用いられているSiO膜は、プラズマCVD法や蒸着法によって形成されることが記載されている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、キャリア濃度増加、低抵抗化、及び移動度向上のいずれかに寄与するチャネル改質膜を設けた電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供することであり、また、エッチングによる半導体層の薄層化を必要とせず、低抵抗かつ良好なノーマリオフ特性を示す電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供することでもある。
以上の目的を達成するために、本発明の電界効果トランジスタ(以下FETともいう)は、チャネルを有するキャリア走行層と、キャリア走行層に接する障壁層と、障壁層の同一平面の表面に設けられる、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、を有し、キャリア走行層及び障壁層は、窒化物半導体からなると共に、障壁層表面におけるソース・ドレイン電極間に、非晶質の部分と結晶質の部分とが混在するSiO 膜が設けられた。
また、別の形態のFETは、チャネルを有するキャリア走行層と、キャリア走行層に接する障壁層と、障壁層の同一平面の表面に設けられる、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、を有し、キャリア走行層及び障壁層は、窒化物半導体からなると共に、ソース・ドレイン電極間のホール測定により得られるシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μと、障壁層表面におけるソース・ドレイン電極間に、チャネル改質膜が設けられ、該改質膜を有するソース−ドレイン電極間のホール測定により得られるシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μと、の間において、N<N、R>R、μ<μ、上記いずれかの関係が成り立つ。これにより、シートキャリア濃度の増加した、低抵抗な、及び移動度の向上した、のいずれかのFETとできる。
本発明のその他の態様に係るFETでは、上記態様に組み合わせて、(1)チャネル改質膜がケイ素酸化物、又はアルミニウム酸化物を含む、(2)電界効果トランジスタが、キャリア走行層及び障壁層を含む窒化物半導体を積層した積層構造を有し、該積層構造において、ソース電極とドレイン電極との間を連絡するキャリア走行層が設けられたキャリア連絡領域と、非連絡領域とを有し、改質膜形成領域内にキャリア連絡領域を有する、に係る構造を用いることができ、特に(2)の場合に、(3)キャリア連絡領域内に、キャリア走行層が露出されてソース、ドレイン電極に接続する側面と、ゲート電極が設けられる上面を有するメサ構造が設けられている、に係る構造を用いることができる。また、(4)電解効果トランジスタは、N<N、R>R、μ<μの全ての関係が成り立つ、に係る構造を用いることができ、さらに、(5)チャネル改質膜は、ソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極とが対向する領域全てに設けられ、障壁層とチャネル改質膜との界面を成す、又は、(6)ソース電極とドレイン電極間の障壁層表面において、チャネル改質膜が、ゲート電極に離間して、ソース電極及び/又はドレイン電極側に設けられ、チャネル改質膜とは異なる材料を有する保護膜が、チャネル改質膜とゲート電極との間に設けられる、に係る構成を用いることができる。またさらに、上記態様に組み合わせて、(7)キャリア走行層は、GaN層であり、障壁層は、第1窒化物半導体層としてAlGaN層と、第1窒化物半導体層とキャリア走行層との間に第2窒化物半導体層としてAlN層と、を有する、に係る構成を用いることができる。
また、本発明のFETの製造方法は、基板上に、窒化物半導体からなるキャリア走行層と、キャリア走行層に接して、キャリア走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きい窒化物半導体からなる障壁層と、を積層して積層構造を形成する工程と、障壁層の成長表面に、ソース電極と、ドレイン電極と、を形成する工程と、障壁層の表面に、ゲート電極を形成する工程と、ソース電極とドレイン電極間の成長表面に、ケイ素酸化物又はアルミニウム酸化物を含むチャネル改質膜をECRスパッタ法により形成する工程と、を具備し、ソース・ドレイン電極形成工程におけるソース・ドレイン電極間のシートキャリア濃度N 、シート抵抗R 、移動度μ と、改質膜の形成工程後におけるソース・ドレイン電極間のシートキャリア濃度N 、シート抵抗R 、移動度μ と、が、N <N 、R >R 、μ <μ 上記の全ての関係が成り立つ。
また、別の形態のFETの製造方法は、基板上に、窒化物半導体からなるキャリア走行層と、キャリア走行層に接して、キャリア走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きい窒化物半導体からなる障壁層と、を積層して積層構造を形成する工程と、障壁層の成長表面に、ソース電極と、ドレイン電極と、を形成する工程と、障壁層の表面に、ゲート電極を形成する工程と、ソース電極とドレイン電極間の成長表面に、少なくともキャリア走行層のシートキャリア濃度、シート抵抗又は移動度を改質するチャネル改質膜を形成する工程と、を具備し、ソース・ドレイン電極形成工程におけるソース・ドレイン電極間のシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μと、改質膜の形成工程後におけるソース・ドレイン電極間のシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μと、が、N<N、R>R、μ<μ上記いずれかの関係が成り立つ。これにより、シートキャリア濃度の増加された、抵抗の低減された、及び移動度の向上された、のいずれかであるFETを得ることができる。
また、本発明のその他の態様に係るFETの製造方法では、上記態様に組み合わせて、(8)改質膜がケイ素酸化物、又はアルミニウム酸化物を含む、(9)積層構造の形成工程において、障壁層をアンドープで成長させる、(10)改質膜の形成手段が、スパッタ法である、に係る構成を用いることができ、さらに(10)の構成の場合には、(11)スパッタ法がECRスパッタ法である、係る構成を用いることができる。
本発明に係るFETでは、キャリア濃度増加、低抵抗化、及び移動度向上のいずれかに寄与するチャネル改質膜を有するFET、HEMTとでき、さらに、エッチングによって半導体層にダメージを与える必要なく、良好なノーマリオフ特性と低抵抗との両立が実現可能なFET、HEMTとできる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電界効果トランジスタ及びその製造方法を例示するものであって、本発明は電界効果トランジスタ及びその製造方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図2に、本発明の一実施の形態に係るFETとして、GaN系HEMTを構成する一例を示す。この図に示すHEMTは、キャリア走行層23と、その上の障壁層24と、が順次積層され、障壁層24の上面には、ソース電極25、ゲート電極26、ドレイン電極27と、さらにチャネル改質膜28と、が設けられている。この構造のGaN系HEMTにおいては、電子などのキャリアは、キャリア走行層23の上部で障壁層24との界面に形成されるチャネル23aを高移動度で走行し、チャネル23aのキャリア濃度は、ゲート電極26に印加されるゲート電圧によって形成される空乏層により制御される。この例では、キャリア走行層23としてアンドープのGaN層、障壁層24としてアンドープのAlGa1-XN層(0<X≦1)を採用している。
キャリア走行層は、アンドープの層とすることが好ましい。一方で、窒化物半導体は、形成時に窒素抜けなどでn型となり易いため、それを補償できる程度にp型不純物をドープすることもできる。また、キャリア走行層は、適切なドーパントでドープして、チャネル以外のキャリア走行層におけるキャリア走行を軽減することもできるが、キャリア走行層にn型不純物をドープする場合、n型もしくはn型ではキャパシタンスの形成によりスイッチオフ時に意図しない電流が流れることがあるため、n型が好ましい。なお、本明細書においてアンドープとは、形成時に意図的に不純物を添加しないものをいう。
また、この例では、FETとして、電子をキャリアとしたユニポーラ素子のHEMTであるが、ホールをキャリアとする場合には、上記不純物、導電型層として、p型不純物、p型層を用いる。
キャリア走行層上に結晶成長され、その成長表面にゲート電極が設けられる障壁層は、キャリア走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きな窒化物半導体からなり、アンドープの層とすることが好ましい。窒化物半導体の窒素抜けを補償できる程度にp型不純物をドープすることもできる。障壁層は、少なくとも第1窒化物半導体層を有し、第1窒化物半導体層の成長表面にはゲート電極が設けられる。また、障壁層として、第1窒化物半導体層とチャネルとの間には、スペーサ層として第2窒化物半導体層を有してもよく、これにより、チャネルにおけるキャリア移動度を向上させることができる。キャリア走行層がGaN層である場合、例えば、第1窒化物半導体層としてアンドープのAlGaN層、第2窒化物半導体層としてアンドープのAlN層を、それぞれ用いることができる。
第1窒化物半導体層としてAlGaN層を用いる場合は、AlGa1−XN(0<X<0.4)層を用いることが好ましい。Al混晶比Xが0.4未満の範囲であると、結晶性の良好なAlGaN層が形成可能なため、移動度μを高いものとでき、また、後述する図15に示すように、Al混晶比を大きくすることで、キャリア改質膜を設けることによるシートキャリア濃度N増大の効果を大きくできるため、混晶比Xは特に0.2以上が好ましい。
一方、第2窒化物半導体層としてAlN層を用いる場合は、2nm以下の膜厚とすると、結晶性よく形成でき好ましく、特に0.5〜1nm程度の膜厚とすることが好ましい。障壁層とキャリア走行層との間が接触した構造が好ましいが、その間に層を設けても良い。
障壁層の膜厚は、ノーマリオフ型HEMTの場合、良好なノーマリオフ特性が得られる程度に薄く形成される。良好なノーマリオフ特性を得るためには、ソース・ドレイン電極間に電流が流れなくなるときのゲート電極の印加電圧であるしきい値電圧を−1V以上とすることが好ましく、さらに0V以上とすることで、完全なノーマリオフ型とすることができる。障壁層は、膜厚を薄くすることで、しきい値電圧を正側にシフトさせることができる。これは、障壁層を薄くし、ゲート電極からチャネルまでの距離を短くすることで、ゲート電極下の空乏層がチャネルまで届きやすくなるためと考えられる。ノーマリオフ型が実現可能な障壁層の膜厚は、障壁層を形成する窒化物半導体の層構造・組成によって異なる。
障壁層の膜厚に対するしきい値電圧及びオン抵抗の一例を、図5、13に示す。この例におけるHEMTは、キャリア走行層としてGaN層が、障壁層としてAlN層とAlGaN層とが、それぞれアンドープで順に積層されており、各層の膜厚は、GaN層を3μm、AlN層を0.75nmで一定とし、AlGaN層の膜厚のみを増減させている。AlN層の膜厚は、積層構造形成後に測定すると約1.2nmである。図13は、図2に示すような障壁層24上面にソース・ドレイン電極25,27を設けるHEMTと、図5は、図3に示すような段差部130を設けてキャリア走行層33端部にもソース・ドレイン電極35,37を設ける構造のHEMTに係るものである。図5,13は、それぞれAlGaN層の膜厚に対するしきい値電圧Vth及びオン抵抗Ronを示す。なお、この例では、いずれも後述するチャネル改質膜は設けていない。
図5に示すように、ソース・ドレイン電極間に電流が流れなくなるしきい値電圧Vthは、AlGaN層の膜厚が薄くなるに従って正側へシフトしている。図5に係るFETの場合、AlGaN層の膜厚を10nm以下にすることでしきい値電圧Vthを−1V以上とでき、さらに、約5nm以下にすることで0V以上とできる。図13においても同様の傾向がみられる。一方、オン抵抗Ronは、図5の例においては、AlGaN層の膜厚が薄くなるに従って急激に増大しており、AlGaN層の膜厚が10nmの場合のオン抵抗Ronは、約25Ω・mmと、膜厚20nmの場合のオン抵抗Ronと比較して2倍以上であり、しきい値電圧Vthが0V以上になる膜厚5nm付近ではさらにその2倍程度となる。また、図13の例においては、膜厚が薄くなることにより接触抵抗が低減され、AlGaN層の膜厚が、厚膜から7nm程度まで小さくなる膜厚領域ではオン抵抗Ronは緩やかに減少するが、しきい値電圧Vthが0V以上の膜厚領域になると、図5と同様にオン抵抗Ronは薄膜化に従い急激に増大し、膜厚4nmで約80Ω・mm、膜厚3nmで約670Ω・mmと、高いオン抵抗Ronを示す。
このように、障壁層の膜厚を薄くすることにより、良好なノーマリオフ特性が得られる一方で抵抗が増大するため、本発明では障壁層の表面にチャネル改質膜を設けて、それを改善する構造とする。チャネル改質膜は、少なくともゲート電極とソース電極及び/又はドレイン電極との間に設けられ、各電極の一部を覆っていてもよく、電極と障壁層との間に部分的に設けることもできる。このようなチャネル改質膜を設けることで、改質膜下の半導体積層構造の、特にチャネル中の、キャリア濃度が増大し、障壁層の膜厚が薄いことによって増大した抵抗を低減し、低抵抗化することができ、さらに移動度を向上させることができる。チャネル改質膜を設けることでキャリア濃度が増大する理由としては、チャネル改質膜と半導体層との界面が存在することによる、応力もしくは界面準位の影響が考えられる。また、このようなチャネル改質膜を障壁層表面に設けることで低抵抗化が図れるため、エッチング等によりリセスゲート構造を形成する必要がなく、低抵抗なノーマリオフ型のFETを再現性よく形成することができる。
障壁層の表面には、ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極の各電極が形成される。これらの電極の内、ソース電極とドレイン電極は、障壁層に電流を供給するためにオーミック電極が好適に用いられ、ゲート電極は、キャリア走行層に形成される空乏層を制御性よく形成し障壁層から供給された電子を制御できるようにショットキー電極が用いられる。また、これらの電極は、図示しないが複数の層からなる金属層や合金層及びそれらの組合せを適宜用いることができる。
電界効果トランジスタにおいて、キャリアとなる電子は、障壁層中に留まっているより、より電子親和力の大きいチャネル中に引き込まれ、界面近傍に蓄積される。この蓄積された電子は不純物による散乱を受けないため、チャネル中を高移動度で走行することができる。一方、図6に示すように、ソース電極とドレイン電極との電極間にドレインソース間電圧VDSを印加すると、チャネルを介してソース電極とドレイン電極の間にドレイン電流IDが流れる。またゲート電極にゲート電圧VGを印加すると、その電圧に応じてゲート電極の下に発生する空乏層が延びるため、図6に示すようにゲート電圧VGでドレイン電流IDを制御することができる。
(窒化物半導体層)
GaN系HEMTは、窒化ガリウム系化合物半導体で構成される。窒化ガリウム系化合物半導体層は、基板上に必要に応じてバッファ層を形成し、さらにキャリア走行層、障壁層を順にエピタキシャル成長し、さらに電極及びチャネル改質膜を積層して形成することができる。なおバッファ層は、GaN等のエピタキシャル層と格子整合する基板を用いる場合は必ずしも必要でない。結晶成長方法としては、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、ハイドライドCVD法、MBE(molecularbeam epitaxy)等の方法が利用できる。窒化ガリウム系化合物半導体は、一般式がInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)であって、BやP、Asを混晶してもよい。また、各半導体層、例えばキャリア走行層、障壁層は、単層、多層を特に限定しない。また、窒化物半導体層にはn型不純物、p型不純物を適宜含有させることもできる。n型不純物としては、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr等のIV族、若しくはVI族元素を用いることができ、好ましくはSi、Ge、Snを、最も好ましくはSiを用いる。また、p型不純物としては、特に限定されないが、Be、Zn、Mn、Cr、Mg、Ca等が挙げられ、好ましくはMgが用いられる。これにより、各導電型の窒化物半導体を形成することができる。また半導体構造を形成する成長用の基板はサファイア基板やGaN基板等が利用でき、また熱伝導が高く放熱性に優れたSiC基板、CuW基板等も利用できる。熱伝導性基板としては、その他Al、Cu、W等の金属、AlN、SiC、ダイヤモンド、銅ダイヤモンド、GaN、Si等及びその混晶、合金、混合物等を用いることができ、放熱を担える基体であれば、金属以外でも樹脂類やガラス類等、材料組成、形状は限定されない。
窒化物半導体層の形成後、基板及びバッファ層は除去されると、バッファ層の存在によりリーク電流が生じてリークパスが形成されることを防ぎ、好ましい。基板のみならずバッファ層まで除去すること、例えば、基板剥離後に半導体構造の一部を研磨してバッファ層を除去することで、これを防止することも可能となる。また、成長初期のバッファ層、下地層などは、結晶性が悪い傾向にあり、その場合、その部分がリークパスとなるため、結晶性の悪い深さで除去して、キャリア走行層、障壁層が形成されることが好ましい。基板は、全て除去すれば、バッファ層の除去が容易になる。
(段差部)
また、キャリア走行層と障壁層とを含む積層構造が、図3A、Bに示すように、ゲート電極片側、好ましくは両側にキャリア走行層の端部を露出させる側面を備えた段差部を有するメサ構造としてもよい。段差部の側面には、少なくともキャリア走行層端部と接続された、ソース電極、ドレイン電極の少なくとも一方、好ましくは両方が設けられ、ソース電極、ドレイン電極の一部は、段差部上面、つまり障壁層の表面に設けられる。これにより、ソース・ドレイン電極が好適に低接触抵抗化でき、さらに抵抗を低減させることができる。また、オフ時の高耐圧化も可能である。
また、このようなメサ構造における寸法の具体例は、以下のようなものがある。段差部の上面に設けられた一部電極のゲート電極側端部から段差部上面の端部側面までの距離Lを、0<L≦10μm、好ましくは0.1μm以上、5μm以下の範囲とする。これは、0.1μm以下であると、段差部上面に設けられる一部電極が微細となるため、生産性・信頼性に劣る傾向にあり、各電極、特にゲート電極の位置精度、及びゲート電極と各電極との距離の精度が、素子特性の要因として大きくなるためである。また、5μm以下であると、TLM(Transmission line model)測定による接触抵抗を十分に小さなものとできる。
また、ソース、ドレイン電極の少なくとも一方が、段差部の下段部分にまで延長して電極が設けられることで、制御性良く各電極構造を形成できる。また、その底面における電極形成層を、キャリア走行層と同一の層とすることで、チャネル近傍においては、キャリア走行層端部と同様に好適に各電極との接続が実現され、それと離れた領域では、高接触抵抗として、選択的にキャリア走行層にキャリアを誘導できる構造となる。さらに、段差部が上面側より底面側を幅広であると、各電極及びその形成位置・領域を好適に制御して生産性に富み、好適な特性のFETとできる。従って、この例では、段差の下段部及び/又は電極形成層をチャネルより下に位置するようにすること、好ましくはチャネルを有する窒化物半導体、若しくはキャリア走行層内に位置するようにすることとなる。
段差部は、キャリア走行層及び障壁層などの半導体積層構造に、エッチング等により形成される。エッチングの方法は、例えば、レジストパターンやチャネル改質膜パターンなどのマスクを介して、RlE(reactive ion etching)やイオンミリング(ion milling)等で行うことができる。同様に、段差構造のその他の形成方法としては、結晶の成長速度の違いを利用した再成長により段差構造、より具体的には、キャリア走行層を成長した後、一部をチャネル改質膜、例えばSiOなどで覆い、開口部を選択的に成長させることで段差構造とすることもできる。
(ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極)
ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極等の電極は、典型的には素子を構成する半導体材料とは異なる組成から形成され、例えばTi、Al、Cu、W、Au、Ag、Mo、Ni、Pt、In、Rh、Ir、Cr等導電性に優れた材質で構成される。また金属材料に限定せず、導電性酸化物、導電性を有する導電性プラスチック等も利用できる。さらに電極は単一元素の材料のみならず、合金化、共晶化、混晶等、複数の元素で構成し、例えばITOや酸化亜鉛(ZnO)等が利用できる。さらにまた2層以上の層構造も採用できる。好ましくは、AlGaN系やGaN系半導体層に対するオーミック電極の一例として、Ti/Al系電極、ショットキー電極の一例としてNi/Au系材料からなる電極が採用される。これによってHEMT用電極として要求されるオーミック特性、ショットキー特性等において良好に機能する。例えばソース電極、ドレイン電極のオーミック接触を得るためにはTi/Pt、Ti/Au、Ti/Al、V/Al系金属が使用され、800℃〜950℃などの温度にてアニールが行われている。またゲート電極には、W/Au、Ni/Au、若しくはAu、Cu、Ni等が使用される。ゲート電極の断面形状は、T字型、I型等特に限定されないが、断面がT字型のG電極とすると電極の断面積が増え電極抵抗を低減できるので、動作周波数の高周波における特性を向上させることもできる。ゲート電極のゲート長を小さくすることでも、低抵抗化でき、例えば3μm以下のゲート長とすることができる。また、各電極とワイヤとの密着性等を考慮して、パッド電極を形成してもよい。パッド電極の上には、外部電極等と接続させるためのメタライズ層(バンプ)を好適に形成する。メタライズ層は、Ag、Au、Sn、In、Bi、Cu、Zn等の材料から成る。電界効果トランジスタの電極形成面側をサブマウント上に設けられた外部電極と対向させ、バンプにて各々の電極を接合してもよい。サブマウントに対してはワイヤ等が配線される。各電極は、スパッタや蒸着等により形成することができ、半導体構造の同一面側に形成し、横型構造のFETとすることができる。一方、ソース電極とドレイン電極とを、半導体構造を挟んで対向する面にそれぞれ設け、ゲート電極をその対向面のいずれかに設けた縦型構造のFETとすることもできる。なお、本明細書において、例えばTi/Alとは、半導体側からTiとAlが順に積層された構造を指す。
(チャネル改質膜)
本発明におけるチャネル改質膜は、上述したように、改質膜が設けられることにより、チャネルの特性、引いてはFET特性を所望の特性に変化させうるものである。チャネル改質膜の具体的な材料には、ケイ素酸化物又はアルミニウム酸化物が挙げられる。ケイ素酸化物としては、好ましくはSiOが用いられ、アルミニウム酸化物としては、好ましくはAlが用いられる。チャネル改質膜は、蒸着法よりもスパッタ法が好適に形成される傾向にある。これは、各製法間の膜質の違い、半導体層との密着力の違いなどの原因が考えられる。また、特にECRスパッタ装置を用いることが好ましく、後述の実施・比較例で示すように、SiOの例では、デジタルスパッタ装置を用いて形成すると、チャネル改質膜とならず、ECRではケイ素酸化物、アルミニウム酸化物でチャネル改質効果が観られるためである。また、ケイ素でも、ケイ素・アルミニウム酸化物に劣るが、同様に、移動度向上、キャリア濃度増大、シート抵抗低減のキャリア改質効果が得られる。
チャネル改質膜は、ゲート電極で制御できない領域、例えばゲート電極形成領域外の領域において、チャネル上に設けられると、キャリア濃度の増加に作用より、漏れ電流、非制御下のキャリアパスが形成され、素子の信頼性が低くなる。このため、チャネル改質膜は、ゲート電極でチャネルを制御可能な位置に設けられることが好ましい。具体的には、積層構造において、素子動作領域、例えば各電極間領域の外に、ソース・ドレイン電極間を相互に連絡するような半導体構造が設けられている場合で、その連絡する半導体構造が上記キャリアの漏れ、素子(ゲート電極)の非制御下の連絡路を形成するものなどがあり、特にチャネルを有する連絡路の場合に上記問題が顕著となる。すなわち、このような連絡路に、更にそこでのキャリア移動を促す改質膜が設けられると、その問題が大きくなる。このため、チャネル改質膜形成領域内に、通常の使用においてソース電極とドレイン電極との間を連絡するキャリア走行層が設けられたキャリア連絡領域が収められた構造とすること、すなわち改質膜形成領域内に半導体構造のキャリア連絡領域を有する構造とすることが好ましい。
素子構造の具体例としては、チャネル改質膜と障壁層との界面が、ソース電極及び/又はドレイン電極とゲート電極との間に存在するような構造とすることができる。例えば、チャネル改質膜がソース電極及び/又はドレイン電極とゲート電極との間の障壁層を部分的に覆う構造とでき、この場合、チャネル改質膜から露出している各電極や半導体層を、チャネル改質膜とは異なる材料を有する保護膜で覆うことができる。また、段差部を設ける場合は、図3A、Bに示すように、キャリア走行層33の端部を露出させる側面を有する段差部130を設け、その上にゲート電極36及びチャネル改質膜38を設け、障壁層34上のチャネル改質膜38をゲート電極36が縦断している構造とすることができる。
チャネル改質膜は、好ましくは、チャネル上の障壁層を覆うように設けられ、このようにチャネル上の半導体層とチャネル改質膜との界面が存在する面積を大きくすることで、効果的にキャリア濃度を増大させることができる。
また、後述の各実施例から考えられるキャリア濃度を増大させ低抵抗化の構造例として、ノーマリオフ型のFETのように、チャネル改質膜とチャネルとの距離がある程度小さくするために、障壁層とチャネル改質膜との膜厚比が2倍以下とすることができる。この例では、距離が大きくなると、障壁層にチャネル改質膜を設けてもチャネルまで影響を及ぼしにくく、低抵抗化が抑制されると考えられる。
チャネル改質層は、横型のチャネルを少なくとも一部に含む構造であれば設けることができ、上述したような縦型構造のFETに用いることもできる。ソース電極とドレイン電極とを同一面側に設ける横型構造のFETであれば、チャネルは通常横型であり、また、チャネル改質膜とチャネルとの間の距離は通常ほぼ一定であるため、縦型構造のFETと比べて効果的にチャネルを改質することができる。
チャネル改質膜が設けられた以外の半導体表面には、チャネル改質膜とは異なる材料を有する絶縁性又は導電性の保護膜が設けられていてもよい。このような保護膜としては、チャネル改質膜よりもチャネル改質の効果の小さいもの、若しくはその効果が無いもの、更にはその効果が逆になるもの、が用いられ、例えばシート抵抗が高くなるようなものが用いられる。絶縁性の保護膜としては、窒化ケイ素、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム等が挙げられ、導電性の保護膜としてはTi/Al等の金属膜が挙げられる。例えば、図4に示すように、チャネル改質膜とゲート電極との間の障壁層表面に、このような導電性又は絶縁性の保護膜を積層させることができ、特に窒化ケイ素やTi/Alなど、チャネル改質膜よりも効果的に電流コラプスを抑制できる保護膜を積層させることで、電流コラプスを抑制できる。このような電流コラプスを抑制する保護膜は、特にドレイン電極側に設けることができる。また、各電極がチャネル改質膜から露出している場合に、チャネル改質膜で覆われた以外の電極上や半導体層上にチャネル改質膜とは異なる材料を有する保護膜を設けて、耐圧を向上させることもできる。
チャネル改質膜上には、チャネル改質膜とは異なる材料を有する絶縁性又は導電性の保護膜を設けることもでき、例えばチャネル改質膜上に樹脂を設けて、耐圧を向上させることができる。
また、チャネル改質膜の膜厚を厚く、例えば1μmとすると耐圧が低下するため、ある程度の薄さであることが好ましい。
(実施例1)
実施例1に係るGaN系HEMTは、図2に示すように、チャネル23aを有するキャリア走行層23としてアンドープのGaN層と、その上に障壁層24とが設けられ、障壁層24は、第2窒化物半導体層201としてアンドープのAlN層(スペーサ層)が0.75nmの膜厚で、第1窒化物半導体層202としてアンドープのAlGaN層が4nmの膜厚で、順に積層され、AlGaN層202の成長表面には、ソース・ゲート・ドレイン電極25〜27が設けられ、さらに、チャネル上の障壁層を覆うように、SiOを有するチャネル改質膜28が15nmの膜厚で設けられる。AlN層及びAlGaN層の膜厚は、積層構造形成後に測定すると、それぞれ約1nm、約4.5nmである。
図7に、このようなHEMTで得られる静特性として、ドレインソース間電圧VDSに対するドレイン電流Iを示す。図7中の黒四角は実施例1に係るHEMT、白丸は後述する実施例2に係るHEMTを、それぞれ示している。なおゲート電圧Vは2V〜−1.5Vに0.5V刻みで変化させている。しきい値電圧は−0.1V以上であり、良好なノーマリオフ特性のFETを得ることができる。
以下に、本発明のFETの製造方法として、実施例1の製造方法を例として説明する。
(電界効果トランジスタの製造方法)
本実施形態に係る電界効果トランジスタ、例えば図2に係るFETは、以下のようにして製造される。ここでは結晶成長装置を用いて、MOCVDによりサファイア基板21上にGaN系HEMTを作製する。まず、MOCVD反応炉内にサファイア基板21をセットし、C面サファイア基板の表面を水素雰囲気中で、熱処理クリーニングを行い、510℃まで下げ、水素雰囲気にて基板上にGaNよりなるバッファ層22を約20nm、結晶成長温度まで昇温して、素子構造となる積層構造として、3μmアンドープGaNのキャリア走行層23(このアンドープGaN層の障壁層との界面近傍部がチャネル23aとなる)、その上の障壁層24として、アンドープのAlNよりなるAlNの第2窒化物半導体層201(0.75nm)、Al組成が0.3であるアンドープのAl0.3Ga0.7NよりなるAlGaNの第1窒化物半導体層202(4nm)を成長させる。なお、アンドープAlN層201を設けることにより、チャネルの移動度をより向上させることができる。反応終了後、温度を室温まで下げウェハを反応容器から取り出す。
(フォトリソグラフィ工程)
次にフォトリソグラフィ工程として、AlGaN層202の成長表面に、ソース・ゲート・ドレイン電極25〜27をそれぞれ形成する。まず、ソース電極25、ドレイン電極27として、スパッタにて、Tiを10nmと、Alを300nmとを順に成膜し、リフトオフにてTi/Alの電極を形成する。その後、600℃で電極をアニールする。次にスパッタ装置でNiを100nmとAuを150nmと、を順に成膜し、リフトオフしてNi/Auショットキー電極をゲート電極26とする。実施例1では、ソース・ドレイン電極間距離LSDを約19μm、ソース・ゲート電極間距離を約3μm、ゲート電極長(図2の断面図における断面幅)を約2μm、ゲート電極幅(ゲート電極長手方向)を約100μmとして形成する。最後に、チャネル改質膜28を、各電極間のAlGaN層202の成長表面、及び電極を被覆するように、ECRスパッタ装置でSiOを15nm成膜し、設ける。チャネル改質膜を高分解能TEM像で観察すると、成膜されたチャネル改質膜は非晶質であり、一部に比較的結晶質に近い部分が偏在した領域が観られる。例えば、それは数nm〜数十nm程度、例えば4nm〜8nm程度の粒径を有する粒状の領域が複数観察され、比較的、障壁層表面側に偏在して分布するものなどが観られる。また、このチャネル改質膜をSTEM−EDSにより分析すると、ケイ素と酸素との原子比率は約2/3である。
(実施例2)
実施例2に係るGaN系HEMTは、図3A、Bに示すように、ゲート電極36の両側にキャリア走行層33の端部を露出させる側面を備えた段差部130を有する以外は、実施例1と同様に作製される。図3Aは概略断面図であり、図3Bは概略平面図である。実施例2に係るGaN系HEMTは、キャリア走行層33と、その上に障壁層34とが設けられ、障壁層34は、第2窒化物半導体層301と第1窒化物半導体層302とが順に積層され、AlGaN層302の成長表面には、ソース・ゲート・ドレイン電極35〜37が設けられ、さらに、チャネル改質膜38が設けられる。段差部130は、キャリア走行層33と障壁層34とを含む積層構造30に設けられ、その側面130eには、少なくともキャリア走行層33の端部と接続された、ソース電極35、ドレイン電極37が設けられ、ソース電極35、ドレイン電極37の一部は、段差部130の上面130t、つまり障壁層34の表面に設けられる。チャネル改質膜38は、図3Bに示すように、ソース電極35及びドレイン電極37とゲート電極36との間の領域全てに障壁層34との界面が存在するように設けられる。
図7に、このようなHEMTで得られる静特性として、ドレインソース間電圧VDSに対するドレイン電流Iを示す。図7中の白丸が実施例2に係るHEMTを示し、黒四角が実施例1に係るHEMTを示している。しきい値電圧は−0.1V以上と良好なノーマリオフ特性であり、図7に示すように、段差部にソース・ドレイン電極を設けることで、実施例1よりもさらに低抵抗化できる。
また、図11に、ゲート電圧0V時のドレイン電流電圧特性を示す。ドレインソース間電圧VDSが500V以上である場合でも、破壊されずにドレイン電流を良好に遮断することができる。
(段差部)
実施例2において、段差部は、以下のように製造される。
まず、レジストマスクをフォトリソグラフィ技術でパターニングして、図3Aに示すように、RIEでチャネル33a形成部分が段差部130の側面に表出するようにチャネル33aよりも深くエッチングする。ここでは、障壁層34の表面から約80nmの深さまでエッチングし、段差部130を形成する。そして、ソース電極35、ドレイン電極37、ゲート電極36を形成する。ソース・ドレイン電極は、その一部が段差部130の上面、つまり障壁層34の表面に設けられるように形成し、段差部130の側面からゲート電極側の各電極端部までの距離Lは、1〜2μm程度である。
(実施例3)
実施例3に係るGaN系HEMTは、ソース・ドレイン電極間距離LSDを約10μmとする以外は、実施例2と同様に作製される。得られるHEMTは、しきい値電圧が−0.1V以上と良好なノーマリオフ特性を示し、オン抵抗は7Ω・mmと低抵抗である。また、ゲートリークは300Vで10μA/mmであり、オフ耐圧は、オン抵抗10.5Ω・mmで380Vである。
また、チャネル改質膜28を設ける前にソース・ドレイン電極間のホール測定により得られるシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μは、それぞれ、約1.1×1012/cm、約6380Ω/sq、約1730cm/Vs、また、チャネル改質膜28が設けられた後のソース・ドレイン電極間のホール測定により得られるシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μは、それぞれ、約10.4×1012/cm、約350Ω/sq、1730cm/Vsであり、N<N、R>R、μ<μの関係が成り立ち、この膜がチャネル改質膜として機能することが分かる。
また比較例1として、チャネル改質膜を形成しない以外は実施例3と同様にしてGaN系HEMTを作製する。図8に、このような実施例3、比較例1のHEMTで得られる静特性として、ドレインソース間電圧VDSに対するドレイン電流Iを示す。図8中の大きい黒丸は実施例3に係るHEMT、小さい点は比較例1に係るHEMTを、それぞれ示している。なおゲート電圧Vは、実施例3に係るHEMTは2V〜−0.8Vに0.4V刻みで、比較例1に係るHEMTは2V〜−1.5Vに0.5V刻みで、変化させている。図8に示すように、チャネル改質膜を形成することで、低抵抗化でき、ドレイン電流Iを増大させることができる。
また、実施例3と比較例1のシートキャリア濃度N及びシート抵抗Rを、ソース・ドレイン電極間のホール測定により評価すると、シートキャリア濃度Nは実施例3が約10.4×1012/cm、比較例1が約1.1×1012/cmであり、シート抵抗は実施例3が約350Ω/sq、比較例1が約6380Ω/sqである。チャネル改質膜を形成することで、シートキャリア濃度Nが増大し、シート抵抗が低減されていることがわかる。また、同様に移動度μも評価すると、実施例3が約1730cm/Vs、比較例1が約900cm/Vsと、チャネル改質膜が形成された実施例3においても高い値を示すことから、キャリア濃度はチャネル改質膜とAlGaN層との界面ではなく、チャネルにおいて増大していると考えられる。
さらに比較例2として、SiO膜を、デジタルスパッタ装置を用いて成膜し設ける以外は実施例3と同様にしてGaN系HEMTを作製する。このSiO膜を高分解能TEM像で観察すると、成膜された膜はほぼ一様に非晶質なものとして観られる。このような比較例2のHEMTは、移動度μ約180cm/Vs、シートキャリア濃度N約4.8×1012/cm、シート抵抗約7080Ω/sqである。一方、実施例3のHEMTは比較例2よりもキャリア濃度が高く、低抵抗であり、実施例3のように非晶質である部分と結晶質の部分とが混在しているSiOチャネル改質膜を設けることで、キャリア濃度を増加させ、抵抗を低減させることができる。
また比較例3として、SiNを100nm、SiOを1μm順に積層して被覆膜とする以外は実施例3と同様にしてGaN系HEMTを作製し、図9に静特性を示す。ゲート電圧Vは2V〜−1.5Vに0.5V刻みで変化させている。このような比較例3のHEMTは、オン抵抗11.8Ω・mm、シート抵抗約800Ω/sqであり、チャネル改質膜として機能しないものが得られる。一方、実施例3のHEMTは比較例3よりも低抵抗であり、実施例3のようにSiOチャネル改質膜を半導体層との界面に設けることで、抵抗を低減でき、良好な静特性を得ることができる。
さらに、実施例3のHEMTのソース・ドレイン電極間LSD距離を変化させたときのTLM測定によるソース・ドレイン電極間抵抗について、図14に示す。図中各点は、段差部側面からゲート電極側のソース・ドレイン電極端部までの距離Lがそれぞれ、白丸が1.2μm、黒丸が2.2μm、白四角が5.2μm、黒四角が10.2μmに対応する。接触抵抗をRとするとLSD=0のソース・ドレイン電極間抵抗は2Rであり、Lが小さくなるにつれてソース・ドレイン電極間抵抗は小さくなり、接触抵抗Rが小さくなる。Lが1.2μmのときに接触抵抗値Rが最小となる。
(実施例4〜9)
実施例4〜9に係るGaN系HEMTは、AlGaN層の膜厚がそれぞれ25nm、20nm、10nm、7nm、3nm、2nmである以外は、実施例3と同様に作製される。実施例4及び5に係るHEMTは、しきい値電圧が−1V以下であり、実施例6〜9に係るHEMTは、しきい値電圧−1V以上である。
実施例3〜9と、チャネル改質膜を形成しない以外は実施例3〜8と同様の比較例1、4〜8のHEMTにおいて、チャネル改質膜形成前後のシートキャリア濃度N及びシート抵抗Rを、ソース・ドレイン電極間のホール測定によって評価し、図10A及びBに示す。図10A、B中の黒三角が実施例3〜9に係るHEMTを示し、黒四角が比較例1、4〜8に係るHEMTを示している。なお、図10A及びBに示すAlGaN層の膜厚は製造時の設定値であり、膜厚にも依るが、実測値は上述の通り、設定値より数nm〜1nm以下で変動する場合がある。図10Aに示すように、チャネル改質膜を形成することでシートキャリア濃度Nが増大し、AlGaN層の薄層化によるキャリア濃度の低下を抑制することができる。これにより、図10Bに示すように、シート抵抗Rが低減され、特にAlGaN層の膜厚が薄く4〜5nm程度以下である場合には、チャネル改質膜を設けることでシート抵抗Rが1桁以上低減される。また、図10A及びBに示すように、AlGaN層の膜厚を厚くし、チャネル改質層からチャネルまでの距離を大きくすることにより、シート抵抗R及びシートキャリア濃度Nの差が小さくなり、チャネル改質膜を設けることによる効果が小さくなっている。また、図10Cには、実施例3〜9及び比較例1、4〜8に係るHEMTの移動度μを示す。図10C中の黒三角が実施例3〜9に係るHEMTを示し、黒四角が比較例1、4〜8に係るHEMTを示している。AlGaN膜厚7nmの実施例7及び比較例7は、同程度の移動度を示している。図10Cに示すように、AlGaN膜厚7nm以上では、チャネル改質膜を形成しても移動度μは同程度若しくはやや低くなっているが、4.5nm以下と薄い膜厚では、チャネル改質膜を設けることで移動度μを高くできる。このように、AlGaN層の膜厚を薄くし、7nm以下、更には4〜5nm程度以下とすることで、チャネル改質膜を設けることによる移動度μ改善の効果を大きくできる。
実施例3、実施例7、比較例1、比較例7のHEMTのAl混晶比を、0.2、0.25、0.3、0.33としたときのシートキャリア濃度Nを、図15に示す。図15中の黒三角が実施例3、白三角が実施例7に係るHEMTを示し、黒四角が比較例1、白四角が比較例7に係るHEMTを示している。図15に示すように、いずれの混晶比であっても、キャリア改質膜を設けることでシートキャリア濃度Nを増大させることができる。しかし、Al混晶比が小さくなるにつれてシートキャリア濃度Nは緩やかに低下しており、Al混晶比は0.2以上とすることが好ましい。また、図10Aにおける傾向と同様に、シートキャリア濃度Nは、膜厚が異なる実施例3及び7で同程度の値を示している。比較例1のシートキャリア濃度が、混晶比に対して実施例3と異なる傾向を示しているのは、AlGaN層の実際の膜厚が設定膜厚の4.5nmから数Å増減しているためと推測される。図10Aに示すように、膜厚4.5nm近傍では膜厚が数Å異なるだけでシートキャリア濃度Nは大幅に低下し、例えば膜厚4.5nmから3nmになると、1×1012/cm低下する。実際の膜厚が同じであれば、Al混晶比が増加するに従ってピエゾ電荷が増加し、シートキャリア濃度Nが増加すると考えられる。
一方、シート抵抗Rについても、同様のAl混晶比の範囲で、チャネル改質膜を設けることにより低減可能であり、移動度μは、膜厚4.5nmの実施例3においては増加可能であるが、膜厚7nmの実施例7においては、Al混晶比0.3では、図10Aと同様に比較例7とほぼ同じ値を示すが、Al混晶比が大きくなるにつれて効果が小さくなる。
以上のことから、本発明の第1の窒化物半導体層は、膜厚を薄くすることでシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μのそれぞれの改善効果を高めることができ、特にノーマリオフ型のHEMTとするためには、10nm以下、さらには約5nm以下とすることが好ましい。また、AlGaN層のAl混晶比は、0より上、0.4未満を好ましく用いることができ、特に0.2以上を好ましく用いることができる。また、Al混晶比が0.3以上である場合は、AlGaN層の膜厚を7nm以下とすることで移動度μの低下を抑えることができ、更には4〜5nmとすることで移動度μを上昇させることができ、好ましい。
(実施例10)
実施例10に係るGaN系HEMTは、ECRスパッタ装置を用いてAlを成膜し、チャネル改質膜28とする以外は、実施例3と同様に作製される。得られるHEMTは、シートキャリア濃度Nが約9.5×1012/cm、シート抵抗が約578Ω/sq、移動度μが約1130cm/Vsである。チャネル改質膜としてAlを成膜することで、SiOを成膜する実施例3よりは小さい効果であるが、キャリア濃度の増加、低抵抗化、移動度の向上がみられる。
(実施例11)
実施例11に係るGaN系HEMTは、図4に示すように、チャネル改質膜28とゲート電極26との間に第2のチャネル改質膜41としてSiNを成膜する以外は、実施例1と同様に作製される。このようなHEMTは、実施例1と同様の良好なノーマリオフ特性を示す。また、実施例1と比較して、チャネル改質膜とAlGaN層との界面が減少することから低抵抗化は抑制されるが、SiNが形成されることで電流コラプスが減少する。
(実施例12〜20)
実施例12〜17に係るGaN系HEMTは、ソース・ドレイン電極間距離LSDをそれぞれ8μm、8.2μm、13μm、13.4μm、18μm、18.4μmとする以外は実施例3と同様に作製され、実施例18〜20に係るGaN系HEMTは、LSDをそれぞれ8.2μm、13.2μm、18.2μmとする以外は実施例4と同様に作製される。つまり、実施例12〜17と実施例18〜20とは、AlGaN層の膜厚が4.5nm又は25nmである点で異なり、それぞれノーマリオフ型のHEMT、ノーマリオン型のHEMTである。
図12に、実施例12〜20に係るオン抵抗とオフ耐圧との関係を示す。オン抵抗は、チャネル領域を素子の面積として計算している。黒四角が実施例12〜17、白四角が実施例18〜20に係るHEMTを示す。図12に示すように、ノーマリオフ型の実施例12〜17であっても、ノーマリオン型の実施例18〜20と同程度のオフ耐圧を示す。また、図12中の実線はSiの理論限界値であり、実施例12〜20はいずれもこれを大きく下回る低抵抗・高耐圧を示し、特に実施例17に係るHEMTオン抵抗約1.9mΩcm、オフ耐圧約610Vである。
本発明の電界効果トランジスタは、低抵抗なFETとして、また、良好なノーマリオフ特性のFETとして、スイッチング素子等、好適に用いることができる。また、素子構造、実装構造としては、フェイスダウン構造を持つフリップチップ型の実装、各電極を、半導体構造を挟んで対向させた構造の縦型FETなどにも応用できる。
本発明と比較のためのGaN系化合物を用いたHEMT構造の一例を示す概略断面図である。 本発明と比較のためのGaN系化合物を用いたHEMT構造の別の一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係るFETの一例を示す概略断面図である。 本発明の別の一実施の形態に係るFETの一例を示す概略断面図である。 本発明の別の一実施の形態に係るFETの一例を示す概略平面図である。 本発明の他の一実施の形態に係るFETの一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係るAlGaN層の膜厚としきい値電圧Vthとの関係を示すグラフである。 ドレインソース間電圧VDSに対するドレイン電流Iをゲート電圧Vで制御する様子を示すグラフである。 本発明の実施例1と実施例2に係るHEMTの静特性を示すグラフである。 本発明の実施例3と比較例1に係るHEMTの静特性を示すグラフである。 本発明の比較例2に係るHEMTの静特性を示すグラフである。 本発明の実施例3〜9と比較例1、4〜8に係るHEMTのシートキャリア濃度Nを示すグラフである。 本発明の実施例3〜9と比較例1、4〜8に係るHEMTのシート抵抗Rを示すグラフである。 本発明の実施例3〜9と比較例1、4〜8に係るHEMTの移動度μを示すグラフである。 本発明の実施例2に係るHEMTのゲート電圧0V時のドレイン電流電圧特性を示すグラフである。 本発明の実施例12〜20に係るHEMTのオン抵抗とオフ耐圧との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態に係るAlGaN層の膜厚としきい値電圧Vthとの関係を示すグラフである。 本発明の実施例3に係るHEMTのソース・ドレイン電極間抵抗を示すグラフである。 本発明の実施例3、実施例7、比較例1、比較例7に係るHEMTのAl混晶比とシートキャリア濃度Nとの関係を示すグラフである。
符号の説明
21 31 基板、22 32 バッファ層、23 33 キャリア走行層;23a 33a チャネル、24 34 障壁層;201 301 第2窒化物半導体層;202 302 第1窒化物半導体層、
25 35 ソース電極、26 36ゲート電極、27 37ドレイン電極、
28 チャネル改質膜、41 第2のチャネル改質膜
30 半導体積層構造、130 段差部

Claims (9)

  1. チャネルを有するキャリア走行層と、該キャリア走行層に接する障壁層と、前記障壁層の同一平面の表面に設けられる、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、を有し、 前記キャリア走行層及び障壁層は、窒化物半導体からなると共に、
    前記障壁層表面における前記ソース・ドレイン電極間に、非晶質の部分と結晶質の部分とが混在するSiO 膜が設けられ電界効果トランジスタ。
  2. 前記電界効果トランジスタが、キャリア走行層及び障壁層を含む窒化物半導体を積層した積層構造を有し、該積層構造において、前記ソース電極とドレイン電極との間を連絡するキャリア走行層が設けられたキャリア連絡領域と、非連絡領域とを有し、前記SiO 膜形成領域内に前記キャリア連絡領域を有する請求項1載の電界効果トランジスタ。
  3. 前記キャリア連絡領域内に、前記キャリア走行層のチャネルが露出されて前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接続する側面と、ゲート電極が設けられる上面を備えた段差部を有するメサ構造が設けられている請求項記載の電界効果トランジスタ。
  4. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、その一部が前記段差部の上面に設けられており、
    前記段差部の上面における、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の前記ゲート電極側の端部から前記段差部の側面までの距離Lが、0<L≦10μmである請求項3記載の電界効果トランジスタ。
  5. 前記SiO 膜は、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と、前記ゲート電極とが対向する領域全てに設けられ、前記障壁層とSiO 膜との界面を成す請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  6. 前記ソース電極と前記ドレイン電極間の前記障壁層表面において、前記SiO 膜が、前記ゲート電極に離間して、前記ソース電極及び/又は前記ドレイン電極側に設けられ、
    前記SiO 膜とは異なる材料を有する保護膜が、前記SiO 膜と前記ゲート電極との間に設けられる請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  7. 前記キャリア走行層は、GaN層であり、
    前記障壁層は、第1窒化物半導体層としてAlGaN層と、前記第1窒化物半導体層と前記キャリア走行層との間に第2窒化物半導体層としてAlN層と、を有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  8. 基板上に、窒化物半導体からなるキャリア走行層と、前記キャリア走行層に接して、前記キャリア走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きい窒化物半導体からなる障壁層と、を積層して積層構造を形成する工程と、
    前記障壁層の成長表面に、ソース電極と、ドレイン電極と、を形成する工程と、
    前記障壁層の表面に、ゲート電極を形成する工程と、
    前記ソース電極とドレイン電極間の前記成長表面に、ケイ素酸化物又はアルミニウム酸化物を含むチャネル改質膜をECRスパッタ法により形成する工程と、
    を具備し、
    前記ソース・ドレイン電極形成工程における前記ソース・ドレイン電極間のシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μと、前記改質膜の形成工程後における前記ソース・ドレイン電極間のシートキャリア濃度N、シート抵抗R、移動度μと、が、
    <N、R>R、μ<μ
    上記の全ての関係が成り立つ電界効果トランジスタの製造方法。
  9. 前記積層構造の形成工程において、前記障壁層をアンドープで成長させる請求項記載の電界効果トランジスタの製造方法
JP2006298223A 2006-08-25 2006-11-01 電界効果トランジスタ及びその製造方法 Active JP5217151B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006298223A JP5217151B2 (ja) 2006-08-25 2006-11-01 電界効果トランジスタ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006229898 2006-08-25
JP2006229898 2006-08-25
JP2006273545 2006-10-05
JP2006273545 2006-10-05
JP2006298223A JP5217151B2 (ja) 2006-08-25 2006-11-01 電界効果トランジスタ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008112949A JP2008112949A (ja) 2008-05-15
JP5217151B2 true JP5217151B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=39445291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006298223A Active JP5217151B2 (ja) 2006-08-25 2006-11-01 電界効果トランジスタ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5217151B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5685020B2 (ja) * 2010-07-23 2015-03-18 住友電気工業株式会社 半導体装置の製造方法
JP2012049204A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 New Japan Radio Co Ltd 窒化物半導体装置及びその製造方法
EP2766934A4 (en) * 2011-10-11 2015-07-08 Massachusetts Inst Technology SEMICONDUCTOR DEVICES HAVING AN ELECTRODE STRUCTURE REMOVING
CN103257442B (zh) * 2013-05-06 2016-09-21 深圳市中视典数字科技有限公司 一种基于图像识别的电子望远镜系统及其图像处理方法
JP6640687B2 (ja) * 2016-09-09 2020-02-05 株式会社東芝 半導体装置
CN110808285A (zh) * 2019-11-26 2020-02-18 华南理工大学 一种基于Cu衬底HEMT器件及其制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003086608A (ja) * 2001-09-14 2003-03-20 Toshiba Corp 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JP4509031B2 (ja) * 2003-09-05 2010-07-21 サンケン電気株式会社 窒化物半導体装置
EP2592655B1 (en) * 2003-09-09 2019-11-06 The Regents of The University of California Fabrication of single or multiple gate field plates
JP2005129696A (ja) * 2003-10-23 2005-05-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置及びその製造方法
JP4729872B2 (ja) * 2004-06-15 2011-07-20 豊田合成株式会社 電界効果トランジスタの製造方法
JPWO2006022453A1 (ja) * 2004-08-27 2008-05-08 独立行政法人情報通信研究機構 GaN系電界効果トランジスタおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008112949A (ja) 2008-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11777024B2 (en) Nitride semiconductor device and fabrication method therefor
US20230369449A1 (en) Method of forming a high electron mobility transistor
JP5076278B2 (ja) 電界効果トランジスタ
JP5397825B2 (ja) 電界効果半導体装置
US7339206B2 (en) Field effect transistor including a group III-V compound semiconductor layer
JP5923712B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US9171946B2 (en) Nitride semiconductor device and method of manufacturing the same
US20110248337A1 (en) Field effect transistor
KR101008272B1 (ko) 노멀 오프 특성을 갖는 질화물계 고전자 이동도 트랜지스터및 그 제조방법
JP2007305954A (ja) 電界効果トランジスタ及びその装置
US20050059197A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
JP2007220895A (ja) 窒化物半導体装置およびその製造方法
JP2006269939A5 (ja)
JP2013247196A (ja) 窒化物半導体装置およびその製造方法
JP5625338B2 (ja) 電界効果トランジスタ
JP4474292B2 (ja) 半導体装置
US11557669B2 (en) Semiconductor device and fabricating method thereof
JP2010171416A (ja) 半導体装置、半導体装置の製造方法および半導体装置のリーク電流低減方法
JP5217151B2 (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JP5101143B2 (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
TWI716230B (zh) 含鋁氮化物電晶體結構
JP6145985B2 (ja) 電界効果トランジスタ
US8969882B1 (en) Transistor having an ohmic contact by screen layer and method of making the same
JP2007088186A (ja) 半導体装置及びその製造方法
CN115812253B (zh) 氮化物基半导体器件及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5217151

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250