JP2007305267A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データの信頼性及び経済性に応じてエラー訂正可能ビット数を変更可能とした半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】エラー検出訂正システムを備えた半導体記憶装置において、前記エラー検出訂正システムは、BCHコードを用いて2ビットエラー訂正を行う第1の動作モードと、1ビットエラー訂正を行う第2の動作モードとが、システムの主要部を共用して切り換え可能に設定される。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体記憶装置に係り、特にオンチップのエラー検出訂正システムに関する。
電気的書き換え可能な不揮発性半導体メモリであるフラッシュメモリは、書き換え回数の増加に従ってエラー率が大きくなる。特に、大容量化と微細化が進むと、エラー率は上昇する。このため、フラッシュメモリチップ内に或いはこれを制御するメモリコントローラにECC(Error Correcting Code)回路を搭載することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
フラッシュメモリを利用するホストデバイス側で、フラッシュメモリで生じたエラーを検出し訂正するECCシステムを持つようにすると、エラー率が増えた場合にホストデバイスの負荷が大きいものとなる。例えば、2ビットエラー訂正可能なECCシステムは、計算規模が大きなものとなることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
従ってホストデバイスの負荷増大を抑えると共にエラー率増大に対処するためには、フラッシュメモリ内に2ビットエラー訂正可能なECCシステムを搭載することが望まれる。その場合に要求されることは、ECCシステムの演算速度を高速化して、フラッシュメモリの読み出しや書き込み速度の犠牲を抑えることである。
特開2000−173289号公報 特開2004−152300号公報
この発明は、データの信頼性及び経済性に応じてエラー訂正可能ビット数を変更可能とした半導体記憶装置を提供することを目的とする。
この発明の一態様による半導体記憶装置は、エラー検出訂正システムを備えた半導体記憶装置であって、
前記エラー検出訂正システムは、BCHコードを用いて2ビットエラー訂正を行う第1の動作モードと、1ビットエラー訂正を行う第2の動作モードとが、システムの主要部を共用して切り換え可能に設定される。
この発明によると、データの信頼性及び経済性に応じてエラー訂正可能ビット数を変更可能とした半導体記憶装置を提供することができる。
実施の形態の説明に先立って、この発明の概要を説明する。
半導体メモリのセルアレイの微細化と大容量化が進むと、データの信頼性を確保するために、エラー検出訂正システム(ECCシステム)が不可欠になる。しかし、ECCシステム搭載のためには、データ領域の他に検査ビット領域が必要であり、強力なECCシステムを実現するためには、それだけ検査ビット領域を大きく確保することが必要となる。
即ち、データの信頼性を確保するためには、それだけ余分な検査ビット領域をとらなければならず、その分データ領域が狭くなり、エラー訂正時間が長くかかることになる。即ち、データの信頼性と、データ領域効率及びエラー訂正速度とは互いに相反する要素となる。
例えば、2ビットエラー訂正可能なBCHコードシステム(2EC−BCHシステム)では、例えば128の情報ビットに対して、16の検査ビットを形成して、メモリセルに記憶する。このとき、2EC−BCHシステムのためにメモリに余分に必要とする領域は、16/128=0.125倍、即ちデータ保存に必要な領域に対して12.5%増となる。
データの信頼性よりデータ保存量を優先するとすれば、ECCシステムを搭載しないか、エラー訂正可能数を減らせばよいが、データの信頼性によってはこのような選択は出来ない場合もある。そこで、メモリの使用状況によって必要な信頼性と経済性との兼ね合いでECC効率(エラー訂正率)を選択できるようなシステムを本来のECCシステムの規模や処理速度を損なうことなく構築できる方法が望まれる。
この発明では、メモリの使用状況に応じてエラー訂正率を選択可能とする。具体的には例えば、2EC−BCHシステムを搭載し、使用状況に応じてこれを、1ビットエラー訂正2ビットエラー警告のパリティチェックコードシステム(1EC−2EWシステム)として切り換えられるようにする。言い換えれば、2EC−BCHシステムの主要な回路要素をそのまま使用し、2ビットエラー訂正を行う第1の動作モードから、1ビットエラー訂正を行う第2の動作モードに切り換えられるようにした。
具体的なメモリシステムに着目すると、次の二つの態様が考えられる。
第1は、あるデータ領域について、2EC−BCHシステムを適用するか、1EC−2EWシステムを適用するかのモード切り換えを可能とする。即ち、保存データに高信頼性が要求される場合は、2EC−BCHシステムを適用して、エラー訂正可能ビット数を増やす。信頼性よりも保存データ量がより要求される場合には、1EC−2EWシステムを適用し、チェックビット領域をより小さくしてその分データビット領域を大きくする。これにより、2EC−BCHシステムの場合よりエラー訂正の時間も短くできる。この様に一つのデータ領域に、異なるECCシステムを切り換えて適用可能にする。
第2は、2EC−BCHシステムを適用する第1のデータ領域と、1EC−2EWシステムを適用する第2のデータ領域とを併存させる。即ちメモリは、二つ以上の要求信頼度が異なるデータ領域を持って構成され、各データ領域へのアクセスの際に信頼度に合ったECCのエラー訂正可能ビット数を選択して動作させるものとする。
以上において例えば、要求信頼度が高いデータ領域には2値データ記憶方式を適用し、信頼度よりもデータ保存量が要求されるデータ領域には、多値データ記憶方式を適用することは有効である。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
図1は、BCHコードを用いた2ビットエラー訂正3ビット以上エラー警告(2EC−EW)の動作モード(或いはシステム)を基本とし、これをパリティチェックコードを用いた1ビットエラー訂正2ビットエラー警告(1EC−2EW)の動作モード(或いはシステム)への切り換え可能としたメモリシステムの概要を示す。
二つの動作モード(或いはシステム)は、回路要素の主要部を共用して、データ入力の切り換えやサブシステムのショートカットにより切り換えられる。以下の説明では、1EC−2EWの動作モード(或いはシステム)、2EC−EWの動作モード(或いはシステム)をそれぞれ単に、1ECシステム、2ECシステムという場合がある。
メモリコア10aは、1EC−2EWシステム適用領域であり、メモリコア10bは、2EC−EWシステム適用領域である。即ちここでは、メモリコア10a,10bが一つのチップ内に別々に用意されて、これが用途に応じて使い分けられる場合を想定している。但しこれに限定されるわけではなく、メモリコア10a,10bが一体の領域であって、この一体のメモリ領域に対して1EC−2EWシステムと2EC−EWシステムとが選択的に適用されるものとしてもよい。
エンコード部11では、記憶すべきデータとの関係で、そのデータのエラーを検出するに必要な検査ビット(チェックビット)を生成する。2ECシステムの場合、データ多項式f(x)x16をコード生成多項式g(x)で割って、その剰余多項式r(x)の係数として16ビットのチェックビットを求める。1ECシステムの場合は、データ多項式f(x)x16をコード生成多項式h(x)で割って、その剰余多項式t(x)の係数として9ビットのチェックビットを求める。
求められたチェックビットが情報ビットと共にメモリコア10a,10bのセルアレイに選択的に書き込まれる。
多項式ν(x)(2ECシステムの場合)或いはξ(x)(1ECシステムの場合)で表されるメモリコア回路10a,10bからの読み出しデータは、デコード部即ちシンドローム演算部12でエラーの有無を判定するためのシンドローム計算が行われる。2ECシステムの場合、二つの8次の原始多項式m(x),m(x)での剰余計算によるシンドロームが求められる。
1ECシステムの場合は、ここでは、m(x)での剰余を求める計算に代わって、m(x)での剰余を求める計算、即ちメモリから読み出した128+9ビットのパリティを求める計算となるように、入力と出力の切り換えが行われる。
得られたシンドロームに基づきエラー位置検索を行うエラー位置検索部13は、2段階のインデックス演算部13a,13bと、エラー訂正部14のサブシステムに分けられている。2ECシステムの場合に、本来の多項式の変数xに対してx=ασ1yなる変換変数yを導入して、エラー位置対応のインデックスyを求めるのが、最初の演算部13aであり、以下これを“yロケータ(locator)”という。その演算結果に基づいて実際のエラービット位置iを求めるのが、次の演算部13bであり、以下これを“iロケータ”という。
これらサブシステムとしてのロケータは、計算規模を小さくするために、255を法とする加算を、17を法とする加算と15を法とする加算の並列処理として実現する。エラー訂正部14ではエラー位置のビットデータが反転される。
1ECシステムの場合、yロケータ13aは、不要になる。そこでこの部分を非活性化してショートカットするため、この部分の駆動信号CLKをVssに固定すると同時に、次段への出力をインデックス“0”固定として、次段が誤った計算をしないようにする。iロケータ13bの部分は、入力の一方が“0”固定されて加算器から実質的にはデコーダになること以外、回路的な変更はない。
2ECシステム及び1ECシステムの詳細を説明する前に、この実施の形態が適用されるメモリコアの具体構成を説明する。
図2は、通常のNANDフラッシュメモリで用いられているのと同じメモリコアの構成を示している。このメモリコア回路は、セルアレイ1、センスアンプ回路2及びロウデコーダ3を有する。セルアレイ1は、直列接続されたメモリセルM0−M31を有するNANDセルユニット(NANDストリング)を配列して構成されている。NANDセルユニットNUの一端は選択ゲートトランジスタS1を介してビット線BLe(BLo)に、他端は選択ゲートトランジスタS2を介して共通ソース線CELSRCに接続されている。
メモリセルの制御ゲートは、ワード線WL0−WL31に接続され、選択ゲートトランジスタS1,S2のゲートは選択ゲート線SGD,SGSに接続されている。ワード線WL0−WL31と選択ゲート線SGD,SGSを選択駆動するのがロウデコーダ3である。
センスアンプ回路2は、同時書き込み及び読み出しを行う1ページ分のセンスユニットSAを有する。各センスユニットSAには、ビット線選択回路4により、隣接するビット線BLe,BLoのいずれかが選択されて接続される。これにより、一つのワード線WLiと複数の偶数番ビット線BLe(或いは複数の奇数番ビット線BLo)により同時に選択されるメモリセルの集合が、同時に書き込み/読み出しが行われる1ページ(1セクタ)となる。非選択側のビット線は所定電位を与えたシールド線として利用することにより、選択ビット線間の干渉を防止することができる。
ワード線WL0−WL31を共有するNANDセルユニットの集合は、データ消去の単位とするブロックを構成し、図のようにビット線の方向に複数のブロックBLK0−BLKnが配置される。
図3は、この発明が適用される、別の動作原理によるNAND型フラッシュメモリのメモリコアを示している。メモリセルアレイ1は、センスアンプ2を挟んで配置されたセルアレイ1a,1bに分けられている。センスアンプ回路2には、電流検出型の差動センスアンプが用いられ、セルアレイ1a,1bの一方から選択された“情報セル”と他方から選択された“参照セル”との間でセル電流差を検出してデータセンスする方式としている。
セルアレイ1aには、一つのビット線BLに、複数の情報セルNANDストリング,T−NANDと、少なくとも一つの参照セルNANDストリングR−NANDとが接続されている。セルアレイ1bには、セルアレイ1a側のビット線BLと対をなすビット線BBLに、複数の情報セルNANDストリング,C−NANDと、少なくとも一つの参照セルNANDストリングR−NANDとが接続されている。
情報セルT−cell,C−cellと参照セルR−cellとは同じメモリセル構造を有する。そして、セルアレイ1a,1bの一方から情報セルT−cell(またはC−cell)が選択されたときに、他方からは参照セルR−cellが選択される。
情報セルNANDストリングT−NAND,C−NAND及び参照セルNANDストリングR−NANDは、ビット線と直交する方向に複数個配列されて、セルブロックを構成する。セルブロックには共通に、ワード線TWL,CWL,RWLが配設される。
図4は、センスアンプSAUに接続される情報セルNANDストリングT−NAND(またはC−NAND)と参照セルNANDストリングR−NANDの具体構成を示している。それぞれ、複数個の直列接続された、電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルM0−M31と、選択ゲートトランジスタSG1,SG2とを有する。同じ不揮発性メモリセルM0−M31を用いているが、情報セルNANDストリングT−NAND(またはC−NAND)ではこれらが情報セルT−cell(またはC−cell)として、また参照セルNANDストリングR−NANDでは参照セルR−cellとして用いられる。
図5は、4値記憶を行う場合のメモリセルのデータレベル(しきい値レベル)分布を示している。情報セルT−cell,C−cellには、4つのデータレベルL0,L1,L2,L3のいずれか一つが書かれる。参照セルR−cellには、例えばデータレベルL0とL1の間に設定された参照レベルLrが書かれる。
4つのデータレベルL0−L3のビット割付は、情報セルT−cellとC−cellの間で異なる。例えば、4値データを上位ビットHBと下位ビットLBで(HB,LB)で表すものとして、セルアレイ1a側の情報セルT−cellでは、L0=(1,0),L1=(1,1),L2=(0,1),L3=(0,0)とされ、セルアレイ1b側の情報セルC−cellでは、L0=(0,0),L1=(0,1),L2=(1,1),L3=(1,0)とされる。
図5には、読み出し時、情報セルT−cell,C−cellに読み出すべきデータに応じて与えられる読み出し電圧R1,R2,R3及び参照セルR−cellに与えられる読み出し電圧Rrを示している。また、書き込み時、情報セルT−cell,C−cellに書き込むべきデータに応じて与えられる書き込みベリファイ電圧P1,P2,P3及び参照セルR−cellに与えられる書き込みベリファイ電圧Prを示している。
この様な4値データ記憶方式は、例えば画像データ等、大きなデータ保存量(大きなデータ領域)が要求される場合に好ましい。従ってこの方式では、チェックビット領域が小さい1ECシステムとする。これに対して、データの高い信頼性が要求される場合には、2値データ記憶方式とすることが好ましく、またチェックビット領域が大きい2ECシステムを適用する。
次に、2EC−EWシステムと1EC−2EWシステムの詳細を説明する。この実施の形態では、2EC−BCHシステムを1ECにも対応できるようするので、まず基本となる2EC−BCHシステムを説明する。
(2ECシステムのデータエンコーディング)
128ビットの情報データの2ビットエラーを検出訂正するに必要な2EC−BCHコードは、ガロア体GF(2)であり、使用するビット長は、2−1=255であり、チェックビットとしては16ビットが必要となる。
ガロア体GF(2)の原始根をαとすると、これを根とする対応するGF(2)上の8次の原始多項式はm(x)は、数1のように表される。即ち、αのべき乗とm(x)によるxのべき乗の既約多項式がお互いに対応するGF(256)の要素となる。また、αの3乗を根とする8次の既約多項式としてm(x)と互いに素な数1に示す多項式m(x)を用いる。
Figure 2007305267
これらの二つの原始多項式をもとに、2ビットエラー訂正可能なECCが構成される。書き込むべきデータに基づいてチェックビットを生成するには、コード生成多項式として、数2のようなm(x)とm(x)の積多項式g(x)を作る。
Figure 2007305267
データとして利用できるビット数は、239ビットであり、これらをa16からa254としたとき、数3のような238次の情報多項式f(x)を作る。
Figure 2007305267
実際にはデータとして用いるのは、239ビット中例えば128ビットであり、このとき111ビットの係数は“0” に固定して対応する次数の項がない情報多項式となる。239の項数の情報多項式f(x)のうち、その係数を“0”に固定する111項として、どの次数を選ぶかによって、後述するデコード時のシンドローム計算の計算量が異なるのでこの選択のしかたが重要となる。
情報多項式f(x)からチェックビットを作るには、f(x)x16なる多項式をコード生成多項式g(x)で割った、数4に示すような15次の剰余多項式r(x)を求める。
Figure 2007305267
この剰余多項式r(x)の係数b15〜bをチェックビットとして用いる。即ち、239から選ばれた128の係数ai(143)〜ai(16)を“情報ビット”とし、b15〜bの16ビットを“チェックビット”として、下記数5に示す計144ビットがメモリに記憶させる“データビット”となる。
Figure 2007305267
i(k)はメモリに外部から書き込むデータであり、このデータをもとに内部でチェックビットbが作られ同時に書き込まれる。
(2ECシステムのデータデコーディング)
次に、メモリに記憶させた144ビットのデータからエラーを検出し2ビットのエラーまでを修正する方法について説明する。
f(x)x16なる254次のデータ多項式の係数をメモリに記憶させてエラーが生じたとすれば、そのエラーも254次多項式で表される。このエラー多項式をe(x)とすれば、メモリから読み出したデータは、数6のような構造の多項式ν(x)になる。
Figure 2007305267
この数6のエラー多項式e(x)の係数が“1”の項がエラーとなる。即ち、e(x)を検出することがエラー検出と訂正を行なうことに相当する。
第一段階として、読み出しデータ多項式ν(x)を原始多項式m(x),m(x)で割って各々の剰余をS(x),S(x)とする。数7に示すように、これは、e(x)をm(x),m(x)で割った剰余に等しいことは、ν(x)の構造から明らかである。
Figure 2007305267
この剰余S(x)とS(x)をシンドローム(syndrome)多項式という。
2ビットのエラーがiとjビットにあるとすれば、エラー多項式は、e(x)=x+xである。この実施の形態においては、GF(256)の要素であるm(x)=0の根αの指数(インデックス)に関するGF(256)内の計算でiとjを求める。
のm(x)での剰余をp(x)としたとき、α=p(α)である。下記数8に示すように、エラーの次数の対応するα,αのそれぞれをX,Xとし、シンドロームS(x),S(x)に対してS(α)とS(α)に対応する指数をσ,σとして、S(α)とS(α)をそれぞれSとSとする。
Figure 2007305267
(α)=0であることから、次の数9の関係式が得られる。
Figure 2007305267
第二段階として未知数XとXを根とする多項式Λ(x)を考えると、数10のように、積XがSとSで表現できるので、係数がsyndrome多項式から計算できる。
Figure 2007305267
第三段階としてΛ(x)のGF(256)での根となるαを見つければ、X,X=αからエラービット位置iやjがαのnとして求められる。即ち、Λ(α)=0を、n=0〜254で探索してヒットした指数nがエラービットとなる。
下記数11に示すように、1ビットエラーの時は、X=S,X =S=S となり、エラー位置がSからわかる。エラーがないときにはS=S=0となる。3ビット以上のエラーでその位置が計算出来ないときにはS,Sの一方のみが0となるか、解となるnが存在しない。
Figure 2007305267
(エラー位置検索)
エラー位置の検索は、Λ(x)=0 となる根x=αのインデックスnを求めることである。そのために、数10に示すΛ(x)を変形してインデックス関係だけでnを求めることが出来るようにする。具体的に、Λ(x)=0を解くことは、これにx=ασ1yなる変数変換を施すことにより、下記数12の変数yを求めることと等価になる。
Figure 2007305267
この式を用いることより、変数計算から決まる指数とシンドローム計算から決まる指数とを直接比較して、一致する変数を見つけることができる。具体的には、数12を解くために、yにαを代入して、下記数13のインデックスyを求める。
Figure 2007305267
そして、下記数14のように、シンドローム計算で求まるインデックスσ−3σと変数計算から決まるインデックスyとを比較して、一致したnがエラー位置対応のyのインデックスということになる。
Figure 2007305267
この変数yのインデックスを本来の変数xのインデックスに戻すためには、下記数15のように、ασ1をyに掛ければよい。
Figure 2007305267
数15のαのインデックスσ+nが、エラー位置に対応するxのインデックスであり、このxに対して、Λ(x)=0となる。
図19は、インデックスnとyの対応関係をまとめたものである。nの順にyを並べたものと、yの順にnを並べたものを合わせて示したが、後者はy=0の場合を除いて同一のyに二つのnが対応することを示している。なお、nが85と170では対応するyはない(即ちガロア体の要素0に対応する)。またyの値が全ての255の剰余にわたっていないことが分かる。対応するyがない場合にはΛ(x)に解が存在しない。
エラー位置検索で必要な計算はインデックスの合同式を解くことであり、二つの合同式を解く必要がある。はじめにシンドロームのインデックスからy+y+1=αynのyを求める。次にこのyに対応するy=αのインデックスnを対応関係で見つけたあと、x=ασ1yによってxのインデックスiを合同式を解いて求める。
合同式はいずれもGF(256)であるので255を法としたものである。この計算はまともに行なうと、255×255の規模の比較を行うことに相当し回路規模が大きくなる。そこで次のように計算を並列化する。
255を互いに素である二つの因子(整数)に分けて、これらを法とする二つの合同式に分離して、これらの合同式を同時に満たす数はもともとの合同式も満たすことを利用する。具体的に、255の二つの因子はできる限り差が小さいものとすることが好ましく、255=17×15によって、17と15をそれぞれ法とする合同式を同時に解く。
まず、yを求めるには、数16の合同式を用いる。即ち、15倍したインデックス間の17を法とした加減算と、17倍したインデックス間の15を法とした加減算とを同時並行させる。
Figure 2007305267
次に、インデックスiを求めるには、数17の合同式を用いる。ここでも、15倍したインデックス間の17を法とした加減算と、17倍したインデックス間の15を法とした加減算とを同時並行させる。
Figure 2007305267
図1では、数16の加減算を並列的に行うのが、エラー位置検索部13内のyロケータ13aであり、数17の加減算を並列的に行うのが、iロケータ13bである。
次に、以上の2EC−BCHシステムに併用される1ビットエラー訂正2ビットエラー警告(1EC−2EW)システムを説明する。
(1ECシステムのデータエンコーディング)
1ECシステムでは、2ECシステムの場合と同じ8次の原始多項式m(x)と、αの0乗すなわち1を根とする1次の既約多項式としてm(x)と互いに素な多項式m(x)=x+1を用いる。
これらの多項式を用いて、データにチェックビットを付加してエンコードする方法は、まず数18に示す、m(x)とm(x)の積多項式h(x)を作る。
Figure 2007305267
データとして利用できるビット数は239ビットであり、これらをa16からa254として、数19に示す情報多項式f(x)を作る。
Figure 2007305267
2ECシステムの場合と同様、実際にデータとして使うビットは、128とし、111ビットの係数は0固定する。情報データ多項式からチェックビットを作るには、数20に示すように、f(x)x16なる多項式をh(x)で割った8次の剰余多項式t(x)の係数をc〜cとして、これらの係数をチェックビットとして用いる。
Figure 2007305267
すなわち、下記数21に示すように、239から選ばれた128の係数ai(143)〜ai(16)と、c〜cの9ビットの計137ビットがメモリに記憶させるデータとなる。ai(k)がメモリに外部から書き込むデータでありこのデータをもとに内部でチェックビットcが作られ同時に書き込まれる。
Figure 2007305267
数21に示すように、1ECシステムでは、2ECシステムで用いられるチェックビットのうち、b15〜bは固定ビット“0”として、計128+9ビットがメモリに記憶される。即ち、b15〜bの固定ビットはメモリには記憶させないので、2ECシステムに比べて、チェックビット領域は半分近く減少する。
(1ECシステムのデータデコーディング)
254次多項式の係数をメモリに記憶させてエラーが生じたとすれば、このエラーも254次多項式で表される。これをe(x)とすれば、メモリから読み出したデータは、数22のような多項式ξ(x)になる。
Figure 2007305267
エラー多項式e(x)に含まれる多項式の次数を検出することがエラー検出と訂正を行なうことに相当する。第一段階として、数23に示すように、ξ(x)をm(x),m(x)で割って各々の剰余をS(x),parityとする。
Figure 2007305267
1ビットエラーの多項式をe(x)=xとして、GF(256)の要素であるm(x)の根αの指数(インデックス)計算でiを求めると、これがエラー位置になる。xのm(x)での剰余をp(x)とするとき、α=p(α)であり、数24に示すように、エラーの次数の対応するα をXとし、シンドロームS(x)に対してS(α)に対応するインデックスをσとして、S(α)をSとすると、S=X,parity=e(1)=1という関係が得られる。
Figure 2007305267
parityはe(x)がゼロも含めて偶数個の項を含むときは0となり、特に2ビットエラーでは、parity=1+1=0となる。
第二段階として、X=Sをインデックスについて解く。これは255を法とする合同式n≡σを満たすnを見つけることであり、これを満たすn=iがエラービットとなる。
このエラー検索に2ECのシステムをそのまま利用するので、255を互いに素である因数17と15に分けて、次の数25の合同式を満たすインデックスを求める。
Figure 2007305267
この方法は、2ECシステムの場合と同じであり、図1ではエラー位置検索回路13のiロケータ13bの部分がその計算を行う。インデックスの和を計算する必要はないが、ゼロとの和を取る計算として実行できる。
解の結果の判断は、数26のようになる。
Figure 2007305267
ここまで、2ECシステムと、これと併用される1ECシステムの概要を説明したが、以下にはそれぞれのシステムの詳細な計算手法及び、2ECシステムと1ECシステムの切り換え手法の詳細を説明する。
239の情報ビット全てを使用しないこの実施の形態のシステムでは、使用しないビットの選択がシンドローム計算等の計算量を決めることになる。デコードではシンドローム多項式の計算の後エラー位置を検索する演算などを行なうので、計算時間を短くするためにも計算量を出来るだけ少なくしたい。これは、情報多項式f(x)の中から、例えば最適な128個の項(次数)の選択を行なうことにより可能となる。
シンドローム多項式は同時に並列に計算を行なう。各多項式の各次数の係数の計算は“1”のパリティチェックであるので、どの次数の係数の計算もバラツキなくほぼ同じ時間で行なわれれば計算量は減る。
そのための選択の一つの方法は、シンドローム計算に用いられる7次の剰余多項式p(x)とp3n(x)の係数が“1”の総和を、各nについて求め、総和の数の少ない方から必要なデータビット数だけのnを選択することである。2ECシステムであれば、最初の16個を検査ビットとしてx〜x15の係数を使うので固定し、17個目以降の選択に係数の“1”の総和の昇順選択をする。
また、同じ総和の数のグループ内で選択が終了する際には、係数“1”がp(x)とp3n(x)内で各次数の項の間に均等に分布するnを基準に同じ次数項での“1”の重なりが少ない順に選択する。すなわち基準となるnのp(x),p3n(x)の係数“1”の次数での項の係数の総和が少ない順に選択する。
このような選択方法で選んだ254次のデータ多項式f(x)x16で144ビットデータを扱う場合に使用する、144個の次数nを、図6に示す。
この選択方法は必ずしもパリティチェックを行なう多項式の各次数の係数“1”の数の最大のものを最も少なくするとは限らないが、全ての組合せの中から計算ステップが最小となるものを探索する様な大規模な計算を必要としないでシンドローム計算回路規模を減らしかつ、シンドローム計算のステップ数を減らす簡便な方法ではある。
図7は、2ECシステムの場合のコード生成多項式g(x)の剰余r(x)であって、選択されたxの剰余r(x)の各次数での係数が“1”であるnの表である。
例えば、x15の係数が“1”であるr(x)の次数nは、図のm=15の列の係数“1”の数が1から62の欄に書かれている17,18,22,…,245,249,250である。チェックビットのx15の係数に相当するb15は情報データ多項式f(x)x16の中のこの選択されたn次の項の係数のパリティチェックの結果として得られる。
図8は、1ECシステムの場合のコード生成多項式h(x)の剰余t(x)であって、選択されたxの剰余t(x)の各次数での係数が“1”であるnの表である。例えばxの係数が“1”であるt(x)のnは表のm=8の列の係数1の数の欄の値が1から66に書かれている18,25,26,…,249,250,253のnである。
チェックビットのxの係数に相当するcは情報データの多項式f(x)x16の中のこの選択されたn次の項の係数のパリティチェックの結果として得られる。
この実施の形態では、エンコード部11において、図7に示したg(x)の剰余テーブルと図8のh(x)の剰余テーブルとで、チェックビットを生成するためのパリティチェック回路の入力部を切り換えることになる。
図9は、図1のエンコード部11における、情報データ多項式f(x)x16から、g(x)またはh(x)の剰余としてチェックビットを計算する際のパリティ・チェッカ・ラダー(parity checker ladder,以下PCLと略称する)21とその入力回路22である。
“1EC”は生成多項式h(x)を使用する1ECシステムの場合に“H”とするモード選択信号、“2EC”は生成多項式g(x)を使用する2ECシステムの場合に“H”とするモード選択信号である。
16個の4ビットPCL21は、チェックビットを表す多項式の各次数の係数の値を計算するためのXOR回路の集合で、生成多項式によるxの剰余のテーブルに従って各次数で入力を選択してそのパリティを計算する。
入力回路22は、クロックCLKでプリチャージされたノード20と、入力信号(記憶すべきデータ)である情報データ多項式の128個の係数信号ai(0)〜ai(127)をインバータで反転した信号をゲート入力としてノード20を放電するためのトランジスタMN1とを有する。どの係数を放電信号として選択するかは2ECシステムと1ECシステムの場合で異なるので、モード選択信号2ECと1ECで選択されるトランジスタMN3とMN2を、トランジスタMN1とノード20との間に介在させている。
2ECシステムの場合は、チェックビット多項式は15次、1ECの場合は8次であるので、m=0〜8次までの4ビットPCL21は、1EC,2EC共用である。従ってこの範囲では、入力信号をモード選択信号1ECと2ECで切り換える。即ちこれらのパリティチェック回路群の入力回路22は、2ECと1ECとでその構成が変更される。
m=9〜15次は2ECシステムの場合のみ入力が有効で、1ECのときは入力固定状態即ち、プリチャージ状態から変化せずに働かないようにされる。
図10は、4ビットPCL21の一例を示す。2ECについての場合が主構成であり、これの初段入力が図9で説明した切り換え回路で1ECと2ECとで切り替わる。2ECの場合、図7に示すように、xのm=11,5,2は、パリティチェックするビット数が最大の72個であるので、ここではこの場合を例として示す。各mについて、図7の表からnを選択し、係数aを用いてパリティチェックを行なう。
入力の数が4の剰余系のいずれに属するかによって用いるパリティ・チェッカ(PC)を組合せる。すなわち4で割り切れれば4ビットPCのみで、1が余れば2ビットPCの一方の入力端子をVdd にしたもの(すなわちインバータ)を加え、2が余れば2ビットPCを加え、3が余れば4ビットPCのひとつの入力端子をVdd にしたものを加える。
m=11,5,2の例では、72入力であるので、初段は4ビットPCを18個、2段目は18入力となり4ビットPCを4個と2ビットPCを1個、3段目は5入力となるので4ビットPCを1個とインバータ、4段目は2入力なので2ビットPCで構成される。
図11(a),(b)は、2ビットPCの回路構成とその回路記号である。これは、2ビットの信号a,bをXOR回路とXNOR回路でロジック演算して、“1”の数が偶数のときに出力ノードEPに“1”(even-parity)を出力する。
図12(a),(b)は、4ビットPCの回路構成とその回路記号を示している。これは、4ビットの信号a,b,c,dを、二つずつのXOR回路とXNOR回路でロジック演算して、“1”の数が偶数であるときに、出力ノードEPに“1”を出力する。
次に、読み出しデータのエラー検出のためのデコード部、即ちシンドローム演算部12の詳細を説明する。
図13はシンドローム多項式S(x)の計算で使用する7次の剰余多項式p(x)の選択されたnでの各次数の係数“1”のnの表である。例えばxの係数が“1”であるp(x)の次数nは、表のm=7の列の係数1の数の1から56の欄に書かれている7,11,12,…,237,242,245である。シンドローム多項式S(x)のxの係数はデータ多項式ν(x)の中のこの選択されたn次の項の係数のパリティチェックの結果として得られる。
図14は、シンドローム多項式S(x)の計算で使用する、7次の剰余多項式p3n(x)の選択されたnにおける各次数の係数が“1”であるnの表である。例えば、xの係数が“1”であるp3n(x)のnは表のm=7の列の係数1の数の欄の数が1から58の行に書かれている4,8,14,…,241,242,249である。S(x)のxの係数に相当する(s3)は、データの多項式ν(x)の中のこの選択されたn次の項の係数のパリティチェックの結果として得られる。
1ECの場合は128+9ビットのデータのパリティチェックを行なうので、この数に等しい入力を持ったPCLが必要である。図14から分かるように、m=2とm=5の入力はそれぞれ64と73なので、和が137の所望値になる。そこで1ECの場合はこの次数の4ビットPCLを利用してデータビットのパリティチェックを行なう。
図15は、図1のシンドローム演算部12に用いられるパリティ・チェッカ・ラダー(PCL)31とその入力回路32の構成であり、上述のように1ECではm=2とm=5を利用してパリティチェックを行なう。即ち、m=2,5のPCL31は、1ECシステムと2ECシステムとで共用され、それ以外のPCLは2ECシステム専用となる。
PCL31の入力回路32は、基本的に図9に示しチェックビット生成部と同じであり、クロックCLKでプリチャージされたノード30と、これに接続されて入力信号であるデータd〜d15,di(0)〜di(127)をインバータで反転した信号をゲート入力とする、放電用トランジスタMN1とを有する。どの係数を放電信号として選択するかは2ECシステムと1ECシステムの場合で異なるので、モード選択信号2ECと1ECで選択されるトランジスタMN3とMN2を、トランジスタMN1とノード30との間に介在させている。
モード選択信号1ECと2ECで入力回路構成を変更するのは、m=2,5のラダー入力部であり、1ECの場合その出力(s3),(s3)は更に、2ビットPCに入力される。その出力は反転されているので、更にNANDゲートで1ECの場合のみ、pariry出力が得られるようになっている。2ECの場合は、NANDゲートにより、常にparity=“1”となる。
1ECの場合、その他のPCLは入力が固定されて非活性とされる。またチェックビットは9ビットのみ用いられるので、入力データのうち、d〜d15は、“0”として扱われる。
図15に示したシンドローム形成用のパリティ・チェッカ・ラダー(PCL)の具体的な例を2ECの場合について図16に示す。
図14から、xのm=5は、パリティチェックするビット数が最大の73個であるのでこの場合を例として示す。x3nのm(x)の剰余多項式p3n(x)のm次項の係数が“0”でないnは表にしてあるので、各mについて表からnを選択し、dを用いてパリティチェックを行なう。
m=5の例では73入力であるので、この場合も4段のパリティチェック回路で構成する。初段は、4ビットPCを18個とインバータとで構成する。2段目は19入力となるので、4ビットPCを4個と4ビットPCの一つの入力端をVddとしたものとで構成する。3段目は5入力となるので4ビットPCを1個とインバータで構成する。4段目は2入力となるので、2ビットPC一つで構成する。4段目出力が、シンドローム係数(s3)となる。
図17は、シンドローム多項式S(x)の計算で使用する、xのm(x)での剰余p(x)の選択されたnでの各次数における係数が“1”であるnの表であり、図13と同じものを示しているが、1ECの場合は、ν(x)の中のn=9から15は“0”固定として扱うので、破線で囲んだ部分は使われない。
図18は、シンドロームS(x)の計算で用いられる4ビットPCLの構成例を示す。xのm=6,2は図17からパリティチェックするビット数が最大の66個であるのでこの場合を例として示している。各mについて表からnを選択しdを用いてパリティチェックを行なう。結果が係数(s1)となる。
入力の数が4の剰余系のいずれに属するかによって用いるパリティチェッカ(PC)を組合せる。すなわち4で割り切れれば4ビットPCのみで、1が余れば2ビットPCの一方の入力端子をVdd にしたものすなわち、インバータを加え、2が余れば2ビットPCを加え、3が余れば4ビットチPCのひとつの入力端子をVddにしたものを加える。
m=6,2の例では66入力であるので、最初の段は4ビットPCを16個と2ビットPCを1個用いる。2段目は17入力となり、4ビットPCを4個とインバータを1個、3段目は5入力となるので4ビットPCを1個とインバータ、4段目は2入力となるので2ビットPCで構成される。
次に、シンドローム情報からエラー位置検索を行う図1のエラー位置検索部13及びエラー訂正部14の詳細を、図20〜図22を参照して説明する。
図20はyロケータ13a、図21はiロケータ13bを示し、図22はエラー訂正部14を示している。それぞれの回路入力部には、プリデコーダを配置して、各回路規模が小さくなるようにしている。
ロケータ13aは、図20に示すように、シンドロームS1,S3をそれぞれデコードするプリデコーダ41,42と、そのデコード出力を並列演算する、17を法とするインデックス加算部43と15を法とするインデックス加算部44を有する。これらのインデックス加算部43,44は、数16の二つの合同式を同時に解く部分、即ち2ECのときの2つのエラーインデックスyを計算する部分である。
これらの加算部43,44は、NANDゲート45によって、モード選択信号2ECが“H”のときのみ活性になり、1ECの時にはECCクロックが供給されず不活性とされる。
一方のインデックス加算部43は、シンドロームのプリデコード結果をデコードして、インデックスに直す15σデコード部432と、−45σデコード部431と、これらに対応したインデックス−バイナリ変換部434,433と、得られたバイナリデータを17を法として加える5ビット(mod17)加算器435とを有する。
もう一方のインデックス加算部44は、シンドロームのプリデコード結果をデコードして、インデックスに直す17σデコード部442と、−51σデコード部441と、これらに対応したインデックス−バイナリ変換部444,443と、得られたバイナリデータを15を法として加える4ビット(mod15)加算器445とを有する。
プリデコーダ兼スイッチ51は、5ビット加算器435の出力のうちの下位4ビット{15y(17)}0−3と、4ビット加算器445の4ビット出力{17y(15)}0−3のプリデコードを行う。yロケータ13aが不活性の時は、プリデコーダ兼スイッチ51が、加算器435,445の出力を“0”に相当するように設定して、iロケータ13bに渡す働きをする。
図21に示すiロケータ13bは、エラー位置のインデックスiを計算する部分であり、前述のように2ECと1ECとで共通に用いられる。これは、数17の二つの合同式を並列演算で解く部分であり、17を法とするインデックス加算部52と、15を法とするインデックス加算部53とを有する。
インデックス加算部52は、プリデコーダ51の出力DEC2と、5ビット加算器435の最上位ビット{15y(17)}をデコードするy(17)デコード部521と、シンドロームS1のデコード出力DEC1をデコードする15σデコード部522と、これらに対応したインデックス−バイナリ変換部523,524,525と、そのバイナリデータを17を法として加算する二つの5ビット(mod17)加算器526,528とを有する。更に、変換部523の出力には、計算不可能状態(No-Index17)を検出するための検出部527が接続されている。
もう一つのインデックス加算部53は同様に、y(15)デコード部531と、17σデコード部532と、これらに対応したインデックス−バイナリ変換部533,534,535と、そのバイナリデータを15を法として加算する二つの4ビット(mod15)加算器536,538と、変換部533の出力から、計算不可能状態(No-Index15)を検出する検出部537とを有する。
エラー訂正部14は、図22に示すように構成される。即ち、iロケータ13bの二つの5ビット加算器526,528の下位4ビット出力{15i(17)}0−3と、2つの4ビット加算器536,538の4ビット出力{17i(15)}0−3がプリデコーダ61,62でデコードされる。そのプリデコード出力と、二つの5ビット加算器526,528の最上位ビット出力{15i(17)}とが、エラー位置デコード部63に入る。
エラー位置デコード部63の出力がエラービット位置であり、データ訂正回路64においてメモリコアから読み出されたデータdkがその位置で訂正(反転)されて出力される。データ訂正回路64には、計算不可能状態信号Non-Index(17),(15)、シンドロームS1,S3、1ECparityも入り、訂正不可能(Non-correctable)信号を出力できるようになっている。
プリデコーダ41,42,61,62は、8ビットで表される256のバイナリ信号状態を、Ai,Bi,Ci,Di(i=0〜3)の組合せとして表す変換を行うものであり、図23に示すようにNAND回路で構成される。即ち8ビットのバイナリを2ビットずつ下位から区切り、4進数として表して、これらをAi,Bi,Ci,Diとしている。これらのプリデコーダを用いることにより、次のデコーダのトランジスタ数を8から4に半減させることができる。
15σ デコード部432,−45σデコード部431,17σ デコード部442,−51σ デコード部441,15σ デコード部522は、全て図24に示すように構成され、入力信号が異なるのみである。即ちプリデコード出力Ai−Diを選択的にゲート信号とするトランジスタを直列したNAND回路を各剰余類に属する既約多項式の数だけ並列接続して構成される。
クロックCLKにより制御されるプリチャージトランジスタにより共通ノードをプリチャージし、その放電の有無で剰余類のインデックス信号“index i”とする。信号配線Ai,Bi,Ci,Di(i=0〜3)が配設され、これがNAND回路を構成するトランジスタのゲートにデコードのコードに従って接続される。
インデックス−バイナリ変換部433,434,443,444,523−525,533−535は、剰余類のインデックス信号“index i”を、2進数表示に変換するもので、図25のように構成される。変換されたバイナリ情報を保持するために、クロックCLKでリセットされるラッチ回路251が設けられている。インデックスが入力されない場合は5バイナリ回路なら2進数の31、4バイナリ回路なら、2進数の15である全ての信号が“H”状態を維持する。
図26は、17を法として、その剰余としての和を求める5ビット加算器(mod17)435,526,528の構成を示し、図27はその回路記号を示している。図示のように、この5ビット加算器は、5ビットの第1段加算回路71と、その和が17以上であることを検出して桁上げする桁上げ補正回路72と、この桁上げ補正回路72と共に、和が17以上の場合に32に対する17の補数15(=32−17)を加えるための第2段加算回路73とを有する。
桁上げ補正回路72は、第1段加算回路71の出力状態に応じて、信号PF0を発生するものである。具体的にいえば、第1段加算回路71の最上位ビット出力S4’が“1”でありかつ、それ以外のビット出力S0,S1’〜S3’の少なくとも一つが“1”であること、即ち和が17以上であることを検出して、信号PF0(=“H”)を発生するように構成されている。
第2段加算回路73は、第1段加算回路71の出力が17以上の場合に、17の補数(01111)を加えるというロジックが組まれている。
図28は、15を法として、その剰余としての和を求める4ビット加算器(mod15)445,536,538の構成を示し、図29はその回路記号を示している。この4ビット加算器は、4ビットの第1段加算回路81と、その和が15以上であることを検出して桁上げする桁上げ補正回路82と、この桁上げ補正回路82と共に、和が15以上の場合に16に対する15の補数1(=16−15)を加えるための第2段加算回路83とを有する。
桁上げ補正回路82は、第1段加算回路81の出力状態に応じて、信号PF0を発生するものである。具体的にいえば、第1段加算回路82の出力S0’〜S4’が“1”であること、即ち和が15以上であることを検出して、信号PF0(=“H”)を発生する。
第2段加算回路83は、第1段加算回路81の出力が15以上の場合に、15の補数(0001)を加えるというロジックが組まれている。
図26及び図28に示す加算器は、クロック同期が必要でなく、入力が確定すれば出力も確定するように構成されている。これにより、システムのタイミング制御の負担を減らすことができる。
図26−29に示した加算器に用いられるフルアダー及びハーフアダーはそれぞれ、図30(a)(b)及び図31(a)(b)に示されている。フルアダーは、加えるビットAとBをXORとXNOR回路でロジック演算を行い、桁上げ信号Cinとのロジックを更に取って出力としてA,B,Cinの和Soutと桁上げ信号Coutを出力する。ハーフアダーは、一般的なロジックゲートで構成される。
図32は、yロケータ13aの出力段のプリデコーダ兼スイッチ51の構成である。4ビット加算器(mod15)445の4ビット出力と、5ビット加算器(mod17)の下位4ビット出力とをデコーダするもので、その基本は図23のプリデコーダと同様である。
1ECの場合は、yロケータ13aは不活性とされるので、インデックス−バイナリ変換部443,444の出力は15、インデックス−バイナリ変換部433,434の出力は31となる。このとき4ビット加算器445の出力は、15+15≡0(mod15)であり、5ビット加算器435の出力は、31+31≡11(mod17)となる。従って、次のiロケータ13bに“0”を渡すためには、モード選択信号2ECが入るNANDゲートG11,G12を用いて、1ECの場合には11のプリデコードに相当するC3とD2を強制的に“0”とする。
図33は、iロケータ13bのy(17)デコード部521及びy(15)デコード部531の構成を示している。これらは基本的に、yロケータ13aの17σデコード部442と同じであるが、エラー数が二つの場合に相当して2つの剰余類インデックスが選択される。このため同時選択のインデックス信号がバスでぶつからないようにデコードする。即ち、同じ剰余類インデックス“index i”をindex i(bs1)とindex i(bs2)の二つに分ける。
また剰余類の要素は15と17の剰余であるので、9ビットのバイナリで指定されるが、17の剰余の16のみで最上位ビットに相当する5ビット(17)加算器の出力{15y(17)}が“1”であることを利用して、剰余類の要素が16である場合には信号Ci,Diに代わって{15y(17)}を用いる。これにより、4段NANDでデコード部が構成される。
剰余類インデックスがないときはエラー位置探索が出来ない場合であり、これを識別するのがno-index検出部527,537である。これらは図34に示すように、インデックス−バイナリ変換出力の全ビットが“1”となることを検出するNAND回路で構成される。バスbs1,bs2には必ず同時に信号が発生するので一方、例えばバスbs1の状態のみをモニターしていれば十分である。
図35は、エラー訂正部14におけるエラー位置デコーダ63の構成を示している。ここでは、バスbs1,bs2にプリデコードされた4ビット(15)加算器536,538と、5ビット(17)加算器526,528からの信号Ai,BiとCi,Di,{15i(17)}をデコードしてエラー位置信号αi(k)を発生する。
プリデコードしない5ビット(17)加算器526,528の出力{15i(17)}も使用するのは、y(17)デコーダなどと同じ剰余類要素16のためである。Ai,Bi,Ci,Diの組合せはバスbs1とbs2によらないので、バス間のAi,BiとCi,DiのNANDノード間を接続してデコードしている。
図36は、エラー訂正回路64の構成である。これは、1ECか2ECかによって動作が異なる。2ECの場合、シンドローム係数S1×S3が0でなければ1つ又は2つのエラーが発生しておりデータ訂正を行なう。S1×S3=0の場合は二つに別れる。S1=S3=0であればエラー無しでデータを修正する必要は無い。S1又はS3の一方のみが0であれば、3ビット以上のエラーが発生しており修正は不可能である。またエラー位置探索が不可能なno-index(17)又はno-index(15)が“1”のときも3ビット以上のエラーが発生しており修正は不可能である。
これらの場合の動作を判別するために、シンドローム多項式の係数(s1)と(s3)の係数がすべて“0”の場合を検出するNORゲートG1,G2が用いられている。3ビット以上のエラーがある場合は、ゲートG1,G2の一方の出力が“0”となる。これを受けて、NORゲートG6が訂正不能(non-correctable)を示す“1”を出力する。このとき、NORゲートG5の出力は“0”となり、エラー訂正を行うデコード用NANDゲートG7を非活性にする。
エラーがない場合は、ゲートG1,G2の出力が共に“1”となり、NORゲートG4,G5ともに“0”を出力し、デコード用NANDゲートG7を非活性にする。
1又は2ビットのエラーがある場合、ゲートG1,G2の出力は共に“0”となり、NORゲートG5の出力“1”がデコード用NANDゲートG7を活性にする。αi(k)で選択されたビット位置のデータdkを反転する反転回路として、2ビットパリティチェック回路361を用いて、エラーがない場合はdkをそのまま、エラー位置ではこれを反転して出力する。
1ECの場合は、シンドローム計算回路の設定から、シンドローム係数s3がゼロになることはなく、信号No-Index (17), No-Index (15)が“0”に設定されるので、S1がゼロ以外の1ECparity信号が“1”(即ち1ECモード)のときに、ゲートG5の出力が“H”となりエラー訂正を行う。1ECparityが“0”のときは2ビットエラーであるので、訂正不能(non−correctable)信号を発生する。
図37は、yロケータ13a内の一方のインデックス加算部43の具体構成例を示している。17を法とするこのインデックス加算部43では、シンドロームのインデックスσとσから剰余類インデックス15σ−45σ(mod17)を求める。
入力はインデックスσであり、シンドローム計算で得られた7次の多項式の係数(s3)(m=0〜7)をデコード部432でデコードして、15σの17を法としての剰余類のインデックス位置の入力信号として選択する。そのインデックスをバイナリ変換部434で2進数に変換して、5ビットの数値をバス201に発生する。17の剰余類なので選択回路数は17個となる。
制御入力はインデックスσであり、シンドローム計算で得られた7次の多項式の係数(s1)(m=0〜7)をデコード部431でデコードして、−45σの17を法としての剰余類のインデックス位置の制御信号として選択する。そのインデックスをバイナリ変換部433で2進数に変換して、5ビットの数値をバス202に発生する。17の剰余類なので選択回路数は17個となる。
バス201,202に得られた2進数データは、5ビット(17)加算器435に入り、和が求められて、17を法とした数値がバス203に出力される。即ち出力は、15yの17を法としての類を示すインデックスの2進数表示である。
図38は、既約剰余p(x)のインデックスnを15倍して法17の剰余類15n(17)として分類したものである。0から16のインデックスで分類され、各々の類には15個のnが含まれこれらに対応するp(x)の各次数の係数に従ってプリデコーダされた信号Ai,Bi,Ci,Diの各i(=0〜3)を示した。
これらの信号Ai,Bi,Ci,Diでインデックス加算部43のデコードトランジスタのゲートへの信号接続が決まる。例えばインデックス1においては並列にNOR接続されるNANDのノードは、nが161,59,246,127,42,93,178,144,212,229,110,195,8,76,25に相当し、NANDのトランジスタゲートへは対応するAi,Bi,Ci,Diを接続する。
図39は、既約剰余p(x)のインデックスnを−45倍して法17の剰余類−45n(17)として分類したものである。0から16のインデックスで分類され、各々の類には15個のnが含まれこれらに対応するp(x)の各次数の係数に従ってプリデコーダされた信号Ai,Bi,Ci,Diの各i(=0〜3)を示した。
これらの信号Ai,Bi,Ci,Diでインデックス加算部43のデコードトランジスタのゲートへの信号接続が決まる。例えばインデックス1においては並列にNOR接続されるNANDのノードは、nが88,173,122,156,71,20,190,207,241,54,37,139,105,224,3に相当し、NANDのトランジスタゲートへは対応するAi,Bi,Ci,Diを接続する。
図40は、yロケータ13a内のもう一方のインデックス加算部44の具体構成例を示している。15を法とするこのインデックス加算部44では、シンドロームのインデックスσとσから剰余類インデックス17σ−51σ(mod15)を求める。
入力はインデックスσであり、シンドローム計算で得られた7次の多項式の係数(s3)(m=0〜7)をデコード部442でデコードして17σの法15の剰余類のインデックス位置の入力信号として選択する。これをバイナリ変換部444で2進数に変換してバス301に出力する。法が15なので選択回路数は15個である。
制御入力はインデックスσであり、シンドローム計算で得られた7次の多項式の係数(s1)(m=0〜7)をデコード部441でデコードして、−51σの法15の剰余類のインデックス位置を選択し、これをバイナリ変換部443で2進数に変換してバス302に出力する。法が15なので51とは3を共通因子として含み、剰余類の数は15/3=5となり、その剰余類の法15でのインデックスは0,3,6,9,12となるので選択回路数は5個である。
2進数に変換されたバス301,302上の数値は、4ビット(15)加算器445に入り、和が求められて、15を法とした数値がバス303に出力される。即ち出力は、17yの15を法としての類を示すインデックスの2進数表示である。
図41は、既約剰余p(x)のインデックスnを17倍して法15の剰余類17n(15)として分類したものである。0から14のインデックスで分類され、各々の類には17個のnが含まれこれらに対応するp(x)の各次数の係数に従ってプリデコーダされた信号Ai,Bi,Ci,Diの各i(=0〜3)を示した。これらの信号Ai,Bi,Ci,Dでインデックス加算部44のデコードトランジスタのゲートへの信号の接続が決まる。
例えばインデックス1においては並列にNOR接続されるNANDのノードは、nが173,233,203,23,83,158,188,68,38,128,143,98,53,218,8,113,248に相当し、NANDのトランジスタゲートへは対応するAi,Bi,Ci,Diを接続する。
図42は、既約剰余p(x)のインデックスnを−51倍して法15の剰余類−17n(15)として分類したものである。0,3,6,9,12のインデックスで分類され、各々の類には51個のnが含まれ、これらに対応するp(x)の各次数の係数に従ってプリデコーダされた信号Ai,Bi,Ci,Diの各i(=0〜3)を示した。
これらの信号Ai,Bi,Ci,Diでインデックス加算部44のデコードトランジスタのゲートへの信号の接続が決まる。例えば、インデックス3においては並列にNOR接続されるNANDのノードは、nが232,22,117,122,62,…,47,52,27,2に相当しNANDのトランジスタゲートへは対応するAi,Bi,Ci,Diを接続する。
図43は、iロケータ13b中の17を法とするインデックス加算部52即ち、シンドロームのインデックスσによって、エラーの実際位置を求めるための15n+15σ(mod17)を求める部分の構成を示している。
入力は、剰余類のインデックスの2進数表示であるバス203,303の信号15y(17),17y(15)で、これをデコード部521でデコードし、バイナリ変換部523,524で15nの17を法としての剰余類インデックスの2進数表示に変換して、バス401,402に出力する。法が17なので選択回路数は17個である。
17y(15)と15y(17)からは最大2つの対応する15n(17)のインデックスが得られるので、2つの5ビット(17)加算器526,528で計算する必要があり、これらの入力が同時選択されてバス上でぶつからないように、入力デコーダを構成する。
制御入力はインデックスσであり、シンドローム計算で得られた7次の多項式の係数(s1)(m=0〜7)をデコード部522でデコードして15σの法17での剰余類のインデックス位置を選択し、そのインデックスをバイナリ変換部525で2進数に変換してバス403に出力する。法が17なので選択回路数は17個である。
バス401,402の数値とバス403の数値が加算器526,528に入る。それらの出力は、図38に示した表の15i(17)に相当する15iの17を法としての類を示すインデックスの2進数表示データであり、各々の加算器526,528からバスbs1(404),bs2(405)に出力される。
図44は、剰余類インデックス15y(17),17y(15),15n(17)の間の関係を示している。またこれらのインデックスに対応するyとnの類の要素を併せて示している。実際のデコードに利用されるのは剰余類インデックスのみである。
また、15n(17)の欄は二つのバスbs1とbs2に分けてそれぞれのバスにつなぐインデックスを示した。これはペア{15y(17),17y(15)}で同時に選択される二つの15n(17)が必ず異なるバスに属するようにしたものである。但し例外として、{15y(17),17y(15)}={0,0}の時は1ビットエラーであるので、バスbs1とbs2に0を同時に送り、2つの加算器526,528で同じ計算をさせて誤った2ビットエラーにならないようにする。
この例外を除いて、例えば剰余類15n(17)=5には、{15y(17),17y(15)}={11,13},{13,5},{14,0},{16,1},{0,9},{4,8},{4,13},{5,1},{6,2},{6,14},{10,2},{11,6},{13,3},{14,1},{16,5}が対応して、{11,13},{13,5},{14,0},{16,1}はバスbs1につなぎ、残りはバスbs2につなぐのでデコーダはこれのグループで分ける。
また表には、15y(17),17y(15)をプリデコードしたAi,Bi,Ci,Diのiの値と16に相当するビット{15y(17)}を{ }として示した。
この表に従って、二つの5ビット加算器のデコーダNAND部15n(17),17y(15)のゲートを接続することにより、バスbs1,bs2に15n(17)の2進数が出力される。
図45は、iロケータ13b内の15を法とするもう一つのインデックス加算部53即ち、シンドロームのインデックスσによってエラーの実際の位置を求めるため17n+17σ(mod15)を求める部分の構成を示す。
入力は剰余類のインデックスの2進数表示であるバス203,303の信号で、これをデコード部531でデコードし、バイナリ変換部533,534で17nの15を法としての剰余類インデックスの2進数表示をバス501,502に出力し、これを4ビット加算器536,538用の入力とする。法が15なので選択回路数は15個である。
17y(15)と15y(17)からは最大2つの対応する17n(15)のインデックスが得られるので、2つの加算器526,528で計算する必要がありこれらの入力が同時選択されてバス上でぶつからないように入力デコーダを構成する。
制御入力はインデックスσであり、シンドローム計算で得られた7次の多項式の係数(s1)(m=0〜7)をデコード部532でデコードして、17σの法15での剰余類のインデックス位置を選択し、これをバイナリ変換部535で2進数に直してバス503に出力する。法が15なので選択回路数は15個である。
バス501,502の出力とバス503の出力が二つの加算器536,538に入力される。その出力は図41の17i(15)に相当する17iの15を法としての類を示すインデックスの2進数表示であり、各々の4ビット加算器536,538から得られてバス(bs1)504,(bs2)505に出力される。
図46は、剰余類インデックス15y(17),17y(15),17n(15)の間の関係を示している。またこれらのインデックスに対応するyとnの類の要素を併せて示している。実際のデコードに利用されるのは剰余類インデックスのみである。
また、17n(15)の欄は二つのバスbs1とbs2に分けてそれぞれのバスにつなぐインデックスを示した。これはペア{15y(17),17y(15)}で同時に選択される二つの17n(15)が必ず異なるバスに属するようにしたものである。但し例外として、{15y(17),17y(15)}={0,0}の時は1ビットエラーであるのでバスbs1とbs2に0を同時に送り2つの加算器536,538で同じ計算をさせて誤った2ビットエラーにならないようにする。
この例外を除いて、例えば剰余類15n(17)=3には、{15y(17),17y(15)}={2,2},{2,13},{15,2},{15,13},{0,8},{0,13},{1,2},{3,0},{3,14},{6,6},{6,14},{11,14},{14,0},{14,14},{16,2}が対応して、{2,2},{2,13},{15,2},{15,13}はバスbs1につなぎ、残りはバスbs2につなぐのでデコーダはこれのグループで分ける。
また表には15y(17),17y(15)をプリデコードしたAi,Bi,Ci,Diのiの値と16に相当するビット{15y(17)}を{ }として示した。
この表に従って、2つの加算器537,538の図33に示す15y(17)デコード部及び17y(15)デコード部のNANDゲートを接続し、バスbs1とbs2に17n(15)の2進数が出力される。
図47は、iロケータ13bのインデックス加算部52,53の演算結果を統合して、エラー位置yを変換して実際のエラービット位置として検出する部分、即ち図22のプリデコーダ61,62及びエラー訂正デコーダ63の部分を示している。
それぞれのインデックス加算部52,53の出力15i(17)と17i(15)は、各々二つのバスbs1とbs2に出力され、これらのNAND−NORによってiを一意的に指定でき、kとiと15i(17)および17i(15)の関係から{15i(17),17i(15)}の組でkを指定できる。αが演算結果の最終的な出力となる。kは選択される場合1乃至2個選択され2ビットまでのエラー位置を示すことになる。
図48は、kとiと15i(17)および17i(15)関係を示す表として、物理的なビット位置kの順番にビット位置のインデックスiを並べたものである。また各iに対応する剰余類インデックス{15i(17),17i(15)}とこれらのプリデコード出力Ai,Bi,Ci,Diのiと16に相当するビット{15i(17)}4を{ }として示した。
この発明の実施の形態によるフラッシュメモリのエラー検出訂正システムを示す図である。 同フラッシュメモリのメモリコアの構成例を示す図である。 他のメモリコアの構成例を示す図である。 図3のメモリコアを用いた場合の読み出し法を説明するための図である。 図3のメモリコアを用いた場合の4値データしきい値分布を示す図である。 2ECシステムで情報多項式のうちデータビットに使用するために選択された144の次数を示す図である。 同2ECシステムで15次の剰余多項式の各次数の係数が1であるnの表である。 1ECシステムで9次の剰余多項式の各次数の係数が1であるnの表である。 図1のエンコード部を構成するパリティ・チェッカ・ラダー群とその入力回路を示す図である。 図9に用いられるパリティ・チェッカ・ラダーの構成例を示す図である。 図10における2ビットパリティチェック回路とその回路記号である。 図10における4ビットパリティチェック回路とその回路記号である。 シンドローム多項式S(x)の計算に使用する剰余多項式p(x)の選択されたnでの各次数の係数1のnの表である。 シンドローム多項式S(x)の計算に使用する剰余多項式p3n(x)の選択されたnでの各次数の係数1のnの表である。 図1のシンドローム演算部を構成するパリティ・チェッカ・ラダー群とその入力回路を示す図である。 図15に用いられるパリティ・チェッカ・ラダーの構成例を示す図である。 シンドローム多項式S(x)の計算に使用する剰余p(x)の選択されたnでの各次数の係数1のnの表である。 シンドローム演算に用いられるパリティ・チェッカ・ラダーの構成を示す図である。 インデックスnとyの対応関係を示す表である。 図1のエラー位置検索回路のyロケータの構成を示す図である。 同じくiロケータの構成を示す図である。 同じくエラー訂正回路の構成を示す図である。 プリデコーダの構成を示す図である。 各ロケータに用いられるデコード部の構成を示す図である。 各ロケータに用いられるインデックス−バイナリ変換部の構成を示す図である。 各ロケータに用いられる5ビット(17)加算器の構成を示す図である。 同5ビット(17)加算器の回路記号である。 各ロケータに用いられる4ビット(15)加算器の構成を示す図である。 同4ビット(15)加算器の回路記号である。 各加算器に用いられるフルアダーを示す図である。 各加算器に用いられるハーフアダーを示す図である。 図20におけるプリデコーダ兼スイッチの構成を示す図である。 iロケータ内のyデコーダの構成を示す図である。 iロケータ内のno−index検出回路の構成を示す図である。 エラー訂正回路のエラー位置デコード部の構成を示す図である。 同データ訂正回路の構成を示す図である。 ロケータ内の一方のインデックス加算部の構成例を示す図である。 既約剰余p(x)のインデックスnを15倍して法17の剰余類15n(17)として分類した表である。 既約剰余p(x)のインデックスnを−45倍して法17の剰余類−45n(17)として分類した表である。 ロケータ内の他方のインデックス加算部の構成例を示す図である。 既約剰余p(x)のインデックスnを17倍して法15の剰余類17n(15)として分類した表である。 既約剰余p(x)のインデックスnを−51倍して法15の剰余類−17n(15)として分類した表である。 iロケータ中の17を法とするインデックス加算部52の構成を示す図である。 剰余類インデックス15y(17),17y(15),15n(17)の間の関係を示す図である。 iロケータ内の15を法とするもう一つのインデックス加算部の構成を示す図である。 剰余類インデックス15y(17),17y(15),17n(15)の間の関係を示す図である。 図22のプリデコーダ及びエラー訂正デコーダ部分の構成を示す図である。 kとiと15i(17)および17i(15)関係を示す表である。
符号の説明
10a,10b…メモリコア、11…エンコード部、12…シンドローム演算部、13…エラー位置検索回路、13a…yロケータ、13b…iロケータ、14…エラー訂正回路、21,31…パリティ・チェッカ・ラダー、22,32…入力回路、20,30…プリチャージノード、1EC,2EC…モード選択信号、41,42,61,62…プリデコーダ、43,44,52,53…インデックス加算部、431,432,441,442,521,522,531,532…デコード部、433,434,443,444,523,524,525,533,534,535…インデックス−バイナリ変換部、435,526,528…5ビット(17)加算器、445,536,538…4ビット(15)加算器、63…位置検出デコード部、64…データ訂正回路。

Claims (6)

  1. エラー検出訂正システムを備えた半導体記憶装置において、
    前記エラー検出訂正システムは、BCHコードを用いて2ビットエラー訂正を行う第1の動作モードと、1ビットエラー訂正を行う第2の動作モードとが、システムの主要部を共用して切り換え可能に設定される
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記第1及び第2の動作モードは、前記装置内の異なるデータ領域について切り換えて設定される
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第1及び第2の動作モードは、前記装置の共通のデータ領域について選択的に設定される
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  4. 前記エラー検出訂正システムは、
    前記第1の動作モードではガロア体GF(2)のBCHコードを用いた2ビットエラー訂正システムとして構成され、その記憶すべきデータに基づいてエラー検出のためのチェックビットを生成するエンコード部は、パリティチェック回路群と、その各パリティチェック回路への入力データを選択する入力回路とを備え、
    第2の動作モードでは、前記パリティチェック回路群のうち第2の動作モードで必要とされる部分についてモード選択信号により入力回路構成が変更され、残りのパリティチェック回路は入力固定とされる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  5. 前記エラー検出訂正システムは、
    前記第1の動作モードではガロア体GF(2)のBCHコードを用いた2ビットエラー訂正システムとして構成され、読み出しデータからシンドロームを計算するシンドローム演算部は、パリティチェック回路群と、その各パリティチェック回路への入力データを選択する入力回路とを備え、
    第2の動作モードでは、前記パリティチェック回路群のうち第2の動作モードで必要とされる部分についてモード選択信号により入力回路構成が変更され、残りのパリティチェック回路は入力固定とされる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  6. 前記エラー検出訂正システムは、
    前記第1の動作モードではガロア体GF(2)のBCHコードを用いた2ビットエラー訂正システムとして構成され、そのエラー位置検索回路は、2−1を法とする加減算を行う演算回路を有し、前記演算回路は、2−1を互いに素でかつできる限り差が小さい第1及び第2の整数に分解して、加減算の対象に第1の整数を乗じて第2の整数を法とした加減算を行う第1の加算回路と、加減算の対象に第2の整数を乗じて第1の整数を法とした加減算を行う第2の加算回路とを備えて、それらの並列演算の結果から2−1を法とする演算結果を得るものであって、
    前記第2の動作モードでは、前記演算回路の一部が不活性とされる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
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