JP2007304091A - 遺伝子検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定の配列を有する目的遺伝子サンプルを高感度に検出できる遺伝子検出方法を提供する。
【解決手段】 検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、該捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、遺伝子サンプルに電気化学的に活性である物質を添加し、遺伝子サンプルと該電気化学的に活性である物質とを化学結合させる結合工程と、電気化学的に活性である物質が結合した遺伝子サンプルと前記固相に固定された一本鎖の捕捉プローブとをハイブリダイズさせ、遺伝子サンプルを固相に捕捉させる遺伝子サンプル捕捉工程と、固相に固定された遺伝子サンプルに結合した電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程とを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、試料中に存在する特定の遺伝子配列を、高感度に検出するための遺伝子検出方法に関する。
従来、特定の配列の遺伝子を電気化学的に検出する方法として、検出すべき目的遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブを電極表面に固定化したDNAチップを用いるものがある。この方法では、該核酸プローブと一本鎖に変性された目的遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせた後、該核酸プローブと目的遺伝子サンプルとで形成された二本鎖核酸に特異的に結合し且つ電気化学的に活性な標識剤を、該核酸プローブと遺伝子サンプルとの反応系に添加し、電極を介した電気化学的な測定により、前記二本鎖核酸に結合した標識剤を検出することで、目的遺伝子サンプルとハイブリダイズした前記核酸プローブを検出し、目的とする遺伝子の存在を確認する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
ここで、標識剤とは、二本鎖の核酸を認識して、該二本鎖核酸と特異的に結合する物質を指す。標識剤は、何れも分子中にフェニル基等の平板状挿入基を有し、該挿入基が二本鎖核酸の塩基対と塩基対との間に挿入することによって、二本鎖核酸と結合する。この標識剤と二本鎖核酸との結合は、静電気的相互作用あるいは疎水的相互作用での結合であって、標識剤の二本鎖核酸の塩基対間への挿入、及びその塩基対間からの離脱が一定の速度で繰り返される平衡反応による結合である。
さらに、前述した標識剤には、電気的に可逆な酸化還元反応を起こす物質があり、このような電気化学的に可逆である酸化還元反応を起こす挿入剤を用いれば、電気化学的変化の測定によって、二本鎖核酸に結合した標識剤の存在を検出することができる。なお、この電気化学的変化の出力信号としては、酸化還元時に発生する電流や発光が挙げられる。
従って、このような従来の遺伝子検出方法においては、標識剤を二本鎖核酸にのみ特異的に結合させ、該二本鎖核酸に結合した標識剤の量を正確に検出することが重要となる。
しかし、標識剤は、一本鎖の核酸プローブや、該核酸プローブが固定される電極表面に非特異的に吸着してしまう。そして、この非特異的に吸着した標識剤は、二本鎖核酸に結合した標識剤の量の検出時に、バックグランドノイズとなり、検出感度を低下させる原因となる。
これを解消する手法の1つとして、ビーズなどの担体に固定した捕捉プローブと、電気化学的に活性である物質を標識した標識プローブと、遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせた後、電圧を印加して、遺伝子サンプルに結合した標識プローブからの電気化学的な信号を検出することにより、目的とする遺伝子の存在を検出する手法がある(特許文献3参照)。
この手法は、いわゆるサンドイッチハイブリダイゼーションを用いた手法であり、捕捉プローブと、遺伝子サンプルと、標識プローブとが、各成分の特異的相互作用を介して複合体化されているため、特異性が高く、検出感度を向上させることが可能である。
特開平5−199898号公報 特開平9−288080号公報 特開2002−34561号公報
しかしながら、前述した特許文献3の方法では、1つの遺伝子サンプルにつき、1つの標識プローブがハイブリダイズするだけであり、さらに、該標識プローブは一本鎖核酸の末端部に電気化学的に活性な物質が1つないし2つ標識されているだけであるため、前述の特許文献1,2のような標識剤を用いた手法に比べ、電気化学的に活性な物質からの信号強度が低い。そのため、検出対象の遺伝子サンプルが低濃度の場合は、まずその遺伝子サンプルをPCRなどで増幅させて高濃度にしなければならないという課題がある。
さらに、捕捉プローブとは別に標識プローブを検体ごとに用意しなければならないという課題もある。
本発明は、前記課題を解決するためにされたものであって、検出対象である遺伝子サンプルを高感度に検出できる遺伝子検出方法を目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の遺伝子検出方法は、検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、該捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、前記遺伝子サンプルと電気化学的に活性である物質とを化学結合させる結合工程と、前記電気化学的に活性である物質が結合した遺伝子サンプルと前記固相に固定された一本鎖の捕捉プローブとをハイブリダイズさせ、前記遺伝子サンプルを前記固相に捕捉させる遺伝子サンプル捕捉工程と、前記固相に固定された前記遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、ことを特徴とするものである。
また本発明の遺伝子検出方法は、検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、前記遺伝子サンプルと、電気化学的に活性である物質と結合する部位を有するリンカーとを化学結合させる結合工程と、前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、前記リンカーが結合した遺伝子サンプルとハイブリダイズさせ、二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、電気化学的に活性である物質と、前記二本鎖を形成した遺伝子サンプルのリンカーとを化学結合させる反応工程と、前記二本鎖核酸を形成した捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、前記固相に固定された前記遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、ことを特徴とするものである。
また本発明の遺伝子検出方法は、検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、該捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、前記遺伝子サンプルと、電気化学的に活性である物質と結合する部位を有するリンカーとを化学結合させる結合工程と、前記リンカーが結合した遺伝子サンプルと前記固相に固定された一本鎖の捕捉プローブとをハイブリダイズさせ、前記リンカーが結合した遺伝子サンプルを前記固相に捕捉させる遺伝子サンプル捕捉工程と、前記固相に捕捉した遺伝子サンプルに電気化学的に活性である物質を添加し、前記遺伝子サンプルに結合したリンカーと、前記電気化学的に活性である物質とを化学結合させる反応工程と、前記固相に固定された遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、ことを特徴とするものである。
さらに本発明の遺伝子検出方法は、検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、前記遺伝子サンプルと電気化学的に活性である物質とを化学結合させる結合工程と、前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、前記電気化学的に活性である物質が結合した遺伝子サンプルとハイブリダイズさせ、二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、前記二本鎖核酸を形成した捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、前記固相に固定された前記遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、ことを特徴とするものである。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記遺伝子サンプルと、前記電気化学的に活性である物質との結合工程は、遺伝子サンプル中の塩基にハロゲン化合物を付加させた後、前記電気化学的に活性である物質中の官能基と、該遺伝子サンプル中の塩基に結合したハロゲンとの求核置換反応により結合させることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記遺伝子サンプルと、前記リンカーとの結合工程は、遺伝子サンプル中の塩基にハロゲン化合物を付加させた後、前記リンカー中の官能基と、該遺伝子サンプル中の塩基に結合したハロゲンとの求核置換反応により結合させることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記電気化学的に活性である物質が、(化1)で表されることを特徴とする。
Figure 2007304091
但し、式中、Nuは、アミン類、アルコール類、エーテル類、チオール類、オキシド類から選ばれる求核剤、Eは電気化学活性部位、Laは前記Nuと前記Eとを連結する連結部位である。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記リンカーが、(化2)で表されることを特徴とする。
Figure 2007304091
但し、式中、Nuは、アミン類、アルコール類、エーテル類、チオール類、オキシド類から選ばれる求核剤、Saは電気化学的に活性である物質と化学結合する部位、Lbは前記Nuと前記Saとを連結する連結部位である。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記電気化学的に活性である物質が、(化3)で表されることを特徴とする。
Figure 2007304091
但し、式中、Eは電気化学活性部位、Sbは前記Saと化学結合する部位、Lcは前記Sbと前記Eとを連結する連結部位である。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記La、Lb、Lcが、アルキル、アルコール、カルボン酸、スルホン酸、エステル、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、糖、リン酸、アミノ酸、メタクリル酸、アミド、イミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エチレン、カーボネート、ビニル、シクロアルカン、ヘテロ環式化合物から選ばれる物質、またはいずれかの組み合わせから構成されることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記Sa及び前記Sbの化学結合が、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、スルフィド結合、カルボニル結合、イミノ結合、抗体−抗原結合のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記mが4から50の整数であることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記nが1から50の整数であることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記oが1から1000の整数であることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記nが1の場合、前記oは3から1000の整数であり、前記nが2の場合、前記oは2から1000の整数であることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記Eが酸化還元性を有する化合物であることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記酸化還元性を有する化合物が電気化学発光を示す化合物であることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記電気化学発光を示す化合物が、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、あるいはオクタテトラエンのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体が、配位子にピリジン部位を有する金属錯体であることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体が、金属ビピリジン錯体、あるいは金属フェナントロリン錯体のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属が、ルテニウム、あるいはオスニウムのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検出方法は、前記検出工程は、前記固相に対して電圧を印加し、前記連鎖した電気化学的に活性である物質からの電気化学発光量を測定するものであることを特徴とする遺伝子検出方法。
本発明の遺伝子検出方法によれば、検出すべき遺伝子サンプルに直接あるいはリンカーを介して電気化学的に活性である物質を化学結合させることにより、複数の電気化学的に活性である物質を結合させることができるため、高感度化が可能になる。また、検出すべき遺伝子の配列が長いほど、電気化学的に活性である物質もより多く結合できるので、生検体の検出にも有効である。さらに、標識プローブを必要としないので、簡単、安価に検出できる。
以下に、本発明の遺伝子検出方法について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態における遺伝子サンプルとは、例えば、血液、白血球、血清、尿、糞便、精液、唾液、培養細胞、各種臓器細胞のような組織細胞、その他遺伝子を含有する任意の試料から、該試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖の核酸に解離させたものである。また、本実施の形態における遺伝子サンプルは、制限酵素で切断して電気泳動による分離等で精製した核酸断片でもよい。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における遺伝子検出方法について説明する。
(ステップ1)
まず、捕捉プローブを作製する。この捕捉プローブは、検出しようとする遺伝子の配列の全部または一部と同じ配列を持つ。
この捕捉プローブは、化学合成で得られた一本鎖の核酸あるいは、生物試料から抽出した核酸を制限酵素で切断し、電気泳動による分離等で精製した核酸を用いることができる。生物試料から抽出した核酸の場合には、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖の核酸に解離させておくことが好ましい。
(ステップ2)
そしてこの後、前述のようにして得られた捕捉プローブを固相に固定する。本発明で用いる固相は、特に限定されず、例えば、金、白金、白金黒、パラジウム、ロジウムのような貴金属や、グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバーのような炭化物や、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛のような酸化物や、Si、Ge、 ZnO、 CdS、TiO、GaAsのような半導体等が挙げられる。なお、以上の物質は電極として利用することができる。その場合、これらの電極は、導電性高分子によって被覆しても良く、このように被覆することによって、より安定な捕捉プローブ固定化電極を調製することができる。
なお、捕捉プローブを固相に固定化する方法としては、公知の方法が用いられる。一例をあげると、例えば固相が金電極である場合、固定する捕捉プローブの5’−もしくは3’−末端(好ましくは、5’−末端)にチオール基を導入し、金とイオウとの共有結合を介して、捕捉プローブが該金電極に固定される。この捕捉プローブにチオール基を導入する方法は、文献(M.Maeda et al.,Chem.Lett.,1805〜1808(1994)及びB.A.Connolly,Nucleic Acids Res.,13,4484(1985))に記載されているものが挙げられる。
即ち、前記方法によって得られたチオール基を有する捕捉プローブを、金電極に滴下し、低温下で数時間放置することにより、該捕捉プローブが電極に固定され、捕捉プローブが作製される。
また固相で別の例をあげると、一般的に磁気ビーズと呼ばれる磁性を有する粒子を挙げることができる。磁気ビーズの場合、捕捉プローブの固定は、アビジンービオチンの結合手法が挙げられる。まず、アビジンを磁気ビーズの表面にコーティングする。一方、捕捉プローブの末端には、ビオチンを結合させる。この捕捉プローブを磁気ビーズに添加することにより、抗体―抗原反応が生じ、磁気ビーズに捕捉プローブが結合できる。この手法は周知であるため、詳細は省略する。 (ステップ3)
次に、検査対象となる遺伝子サンプルを作製する。この遺伝子サンプルは、前述したように、任意の試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖に変性させる。
このとき、前記試料中の細胞の破壊は、常法により行うことができ、例えば、振とう、超音波等の物理的作用を外部から加えて行うことができる。また、核酸抽出溶液(例えば、SDS、Triton−X、Tween−20等の界面活性剤、又はサポニン、EDTA、プロテア−ゼ等を含む溶液等)を用いて、細胞から核酸を遊離させることもできる。
(ステップ4)
このようにして得られた一本鎖DNAの塩基にハロゲン化合物を付加させる。このハロゲン付加物は特に限定されるものではなく、DNAの塩基にハロゲンを付加できるものであればどれでも良く、一例としてクロロスクシンイミド、ブロモスクシンイミド、ヨードスクシンイミドなど挙げることができる。このハロゲン化合物の溶液を、前述の一本鎖DNAに適量添加し、炭酸水素ナトリウムなどの緩衝液を滴下する。この溶液を氷冷で10分間ジェントルミキシングさせることにより、一本鎖DNAの塩基にハロゲン基を結合させることができる。
(ステップ5)
次に、電気化学的に活性である物質(以下、単に「電気化学活性物質」と称する)を添加することにより、一本鎖DNAと電気化学活性物質とを共有結合させる。
この電気化学活性物質は、前述した一本鎖DNAの塩基に結合したハロゲン基と求核置換反応する官能基をもち、(化4)で表されるものである。
Figure 2007304091
(但し、式中、Nuは、アミン類、アルコール類、エーテル類、チオール類、オキシド類から選ばれる求核剤、Eは電気化学活性部位、Laは前記Nuと前記Eとを連結する連結部位である。)
ここで前述した(化4)中に示されるLaは、アルキル、アルコール、カルボン酸、スルホン酸、エステル、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、糖、リン酸、アミノ酸、メタクリル酸、アミド、イミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エチレン、カーボネート、ビニル、シクロアルカン、ヘテロ環式化合物から選ばれる物質、またはいずれかの組み合わせから構成されるものである。
また、前述した(化4)中に示されるmは、4から50の整数であることが望ましい。これは、mが4以下では電気化学活性物質と遺伝子サンプルとの間隔が狭くなるため、二本鎖を組むことが難しくなり、また、mが50以上では電気化学活性物質自身が立体障害となるばかりか、一本鎖DNAの塩基に結合したハロゲン基との求核置換反応が難しくなるからである。
電気化学活性部位であるEは、電気化学的に検出可能な物質であれば、特に制限されずに用いられ、例えば、可逆な酸化還元反応時に生じる酸化還元電流を測定することで物質の検出が可能な、酸化還元性を有する化合物を挙げることができる。
そして、このような酸化還元性を有する化合物としては、例えば、フェロセン、カテコールアミン、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、オクタテトラエンもしくはビオローゲン等がある。
さらに、前述の配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、オクタテトラエンには、酸化還元反応時に電気化学発光を生じるものもあり、その発光を測定することで検出を行うこともできる。
さらに、前述の配位子に複素環系化合物を有する金属錯体としては、酸素や窒素等を含む複素環系化合物、例えば、ピリジン部位、ピラン部位等を配位子に有する金属錯体があり、特にピリジン部位を配位子に有する金属錯体が好ましい。
さらに、前述のピリジン部位を配位子に有する金属錯体としては、例えば、金属ビピリジン錯体、金属フェナントロリン錯体等がある。
さらに、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体において、中心金属としては、例えば、ルテニウム、オスニウム、亜鉛、コバルト、白金、クロム、モリブデン、タングステン、テクネチウム、レニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、銅、インジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム等を挙げることができる。
そして特に、中心金属がルテニウム、オスニウムである錯体は良好な電気化学発光特性を有し、このような良好な電気化学発光特性を有する物質としては、例えば、ルテニウムビピリジン錯体、ルテニウムフェナントロリン錯体、オスニウムビピリジン錯体、オスニウムフェナントロリン錯体等を挙げることができる。
以下、前述した本実施の形態1の電気化学活性物質の具体例を(化5)に示す。
Figure 2007304091
(ステップ6)
次に、電気化学活性物質が結合した一本鎖DNA(以下、「標識化遺伝子サンプル」と称する。)を抽出する。抽出手法は、エタノールやアセトニトリルなどでDNAのみを沈殿させ、遠心分離にかけた後、上澄み液を除去する作業を2,3回繰り返し、最後にハイブリ溶液に置換することで得られる。他の手法としては、HPLCで精製したり、ゲルろ過クロマトグラフィーで分取したりする手段がある。また、キアゲン社などで市販されているDNA抽出キットを用いると迅速に抽出できる。
(ステップ7)
そしてこの後、前述したようにして形成された標識化遺伝子サンプルを含む溶液を、固相に固定化された捕捉プローブに接触させる。これにより、捕捉プローブと、該捕捉プローブと相補的な配列を有する遺伝子サンプルとがハイブリダイズし、標識化遺伝子サンプルが固相に固定化される。この捕捉プローブと標識化遺伝子サンプルをハイブリダイズさせる方法は周知であるため、ここでは説明を省略する。
(ステップ8)
捕捉プローブと標識化遺伝子サンプルとで二本鎖DNAを形成させた後、リン酸バッファーなどで洗浄処理をして、未反応の遺伝子サンプルなどを除去する。
この結果、前記ハイブリダイズした二本鎖核酸に化学結合した電気化学活性物質由来の電気化学的な信号を測定することにより、二本鎖核酸の存在を高感度に検出することができる。
電気化学活性物質由来の電気化学的な信号は、添加する種類により異なるが、酸化還元電流を生じる電気化学活性物質を用いた場合には、ポテンショスタット、ファンクションジェネレータ等からなる計測系で測定できる。一方、電気化学発光を生じる電気化学活性物質を用いた場合には、フォトマルチプライヤー等を用いて計測が可能である。
なお、本実施の形態では、捕捉プローブを固相に固定してから標識化遺伝子サンプルとハイブリダイズさせたが、標識化遺伝子サンプルとハイブリダイズさせた後、捕捉プローブを固相に固定させても良い。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、ハロゲン化合物を付加させた一本鎖の遺伝子サンプルに電気化学活性物質を直接添加させて結合させたが、ハロゲン化合物を付加させた一本鎖の遺伝子サンプルと電気化学活性物質との結合は、リンカーを介して行っても良い。以下、そのようにした本実施の形態2について説明する。
(ステップ1)
まず、捕捉プローブ及び、検査対象となる遺伝子サンプルを作製する。この工程については実施の形態1で詳述したので、ここでは説明を省略する。
(ステップ2)
次に、遺伝子サンプルにハロゲン化合物を付加させる。この工程も実施の形態1で詳述したので、ここでは説明を省略する。
(ステップ3)
次に、ハロゲン化合物を付加した遺伝子サンプルに、リンカーを添加することにより、一本鎖DNAとリンカーとを共有結合させる。
このリンカーは、前述した一本鎖DNAの塩基に結合したハロゲン基と求核置換反応する官能基をもち、(化6)で表されるものである。
Figure 2007304091
(但し、式中、Nuは、アミン類、アルコール類、エーテル類、チオール類、オキシド類から選ばれる求核剤、Saは電気化学活性物質と化学結合する部位、Lbは前記Nuと前記Saとを連結する連結部位である。)
ここで前述した(化6)中に示されるLbは、アルキル、アルコール、カルボン酸、スルホン酸、エステル、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、糖、リン酸、アミノ酸、メタクリル酸、アミド、イミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エチレン、カーボネート、ビニル、シクロアルカン、ヘテロ環式化合物から選ばれる物質、またはそれらのいずれかの組み合わせにより構成されるものである。
また、Saは、後述する電気化学活性物質が有するSbと、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、スルフィド結合、カルボニル結合、イミノ結合、抗体−抗原結合のいずれかの化学結合によって結合できる官能基を有する。このことにより、リンカーと電気化学活性物質とを結合力の強い化学結合によって結合させることができるので、不要な遺伝子サンプルを除去する際に、強い洗浄操作が可能になる。
また、前述した(化6)中に示されるnは、1から50の整数であることが望ましい。これは、nが50以上では電気化学活性物質自身が立体障害となるばかりか、一本鎖DNAの塩基に結合したハロゲン基との求核置換反応が難しくなるからである。
以下、前述した本実施の形態2のリンカーの具体例を(化7)に示す。
Figure 2007304091
(ステップ4)
次に、リンカーが結合した一本鎖DNA(以下、「リンカー結合遺伝子サンプル」と称する。)を抽出する。抽出手法は、エタノールやアセトニトリルなどでDNAのみを沈殿させ、遠心分離にかけた後、上澄み液を除去する作業を2,3回繰り返し、最後にハイブリ溶液に置換することで得られる。他の手法としては、HPLCで精製したり、ゲルろ過クロマトグラフィーで分取したりする手段がある。また、キアゲン社などで市販されているDNA抽出キットを用いても良い。
(ステップ5)
このようにして得られたリンカー結合遺伝子サンプルを、前述した捕捉プローブに接触させる。これにより、捕捉プローブと、該リンカー結合遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせる。この捕捉プローブと前記リンカー結合遺伝子サンプルをハイブリダイズさせる方法は周知であるため、ここでは説明を省略する。
(ステップ6)
次に、捕捉プローブとハイブリダイズしたリンカー結合遺伝子サンプルに、電気化学活性物質を添加することにより、標識化遺伝子サンプルを作製する。
この電気化学活性物質は、前述したリンカーと化学結合する官能基をもち、(化8)で表されるものである。
Figure 2007304091
(但し、式中、Eは電気化学活性部位、Sbは前記Saと化学結合する部位、Lcは前記Sbと前記Eとを連結する連結部位である。)
ここで前述した(化8)中に示されるLcは、アルキル、アルコール、カルボン酸、スルホン酸、エステル、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、糖、リン酸、アミノ酸、メタクリル酸、アミド、イミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エチレン、カーボネート、ビニル、シクロアルカン、ヘテロ環式化合物から選ばれる物質、またはそれらのいずれかの組み合わせにより構成されるものである。
また、Sbは、前述したリンカーが有するSaと、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、スルフィド結合、カルボニル結合、イミノ結合、抗体−抗原結合のような化学結合によって結合できる官能基を有する。このことにより、リンカーと電気化学活性物質とを結合力の強い化学結合によって結合させることができるので、不要な遺伝子サンプルを除去する際に、強い洗浄操作が可能になる。
また、前述した(化8)中に示されるoは、1から1000整数であることが望ましい(但し、nが1の場合、oは3から1000の整数であり、nが2の場合、oは2から1000の整数である)。これは、oが1000以上では電気化学活性物質とリンカー結合遺伝子サンプルとの化学結合が立体障害により反応しにくくなるからである。また、nが1のとき、oは3から1000の整数が望ましい。これは、oが2以下では、立体障害により、遺伝子サンプルと電気化学活性物質との反応が出来なくなるからである。また、前記nが2のとき、oは2から1000の整数が望ましい。これは、oが1では、立体障害により、遺伝子サンプルと電気化学活性物質との反応が出来なくなるからである。
電気化学活性部位であるEは、電気化学的に検出可能な物質であれば、特に制限されずに用いられ、例えば、可逆な酸化還元反応時に生じる酸化還元電流を測定することで物質の検出が可能な、酸化還元性を有する化合物を挙げることができる。
そして、このような酸化還元性を有する化合物としては、例えば、フェロセン、カテコールアミン、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、オクタテトラエンもしくはビオローゲン等がある。
さらに、前述の配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、オクタテトラエンには、酸化還元反応時に電気化学発光を生じるものもあり、その発光を測定することで検出を行うこともできる。
さらに、前述の配位子に複素環系化合物を有する金属錯体としては、酸素や窒素等を含む複素環系化合物、例えば、ピリジン部位、ピラン部位等を配位子に有する金属錯体があり、特にピリジン部位を配位子に有する金属錯体が好ましい。
さらに、前述のピリジン部位を配位子に有する金属錯体としては、例えば、金属ビピリジン錯体、金属フェナントロリン錯体等がある。
さらに、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体において、中心金属としては、例えば、ルテニウム、オスニウム、亜鉛、コバルト、白金、クロム、モリブデン、タングステン、テクネチウム、レニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、銅、インジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム等を挙げることができる。
そして特に、中心金属がルテニウム、オスニウムである錯体は良好な電気化学発光特性を有し、このような良好な電気化学発光特性を有する物質としては、例えば、ルテニウムビピリジン錯体、ルテニウムフェナントロリン錯体、オスニウムビピリジン錯体、オスニウムフェナントロリン錯体等を挙げることができる。
以下、前述した本実施の形態2の電気化学活性物質の具体例を(化9)に示す。
Figure 2007304091
(ステップ7)
このようにしてリンカー結合遺伝子サンプルに電気化学活性物質を結合させた後、固相に固定化させる。この手法は実施の形態1で詳述したので、ここでは省略する。
(ステップ8)
固定化後、リン酸バッファーなどで洗浄処理をして、非特異吸着した遺伝子サンプルなどを除去する。
この結果、前記ハイブリダイズした二本鎖核酸に化学結合した電気化学活性物質由来の電気化学的な信号を測定することにより、二本鎖核酸の存在を高感度に検出することができる。測定手法は実施の形態1で詳述したので、ここでは省略する。
なお、本実施の形態2では、捕捉プローブとリンカー結合遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせ、電気化学活性物質を添加させてから、固相に固定化させたが、捕捉プローブを固相に固定化させた後、リンカー結合遺伝子サンプルと捕捉プローブとをハイブリダイズさせても良い。
また、本実施の形態では、捕捉プローブとリンカー結合遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせてから、電気化学活性物質を添加したが、ハイブリダイズと同時に添加しても良い。このとき、oは1〜50の整数が望ましい。これは、oが50以上の場合、ハイブリダイズに影響を及ぼす恐れがあるからである。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)固相表面への核酸プローブの固定化
固相には、金電極を使用した。この金電極は、ガラス基板上にスパッタ装置(アルバック製SH−350)によりチタン10nm厚を下地に金200nm厚を形成し、フォトリソグラフィ工程により電極パターンを形成することで準備した。さらに、電極表面をピラニア溶液(過酸化水素:濃硫酸=1:3)で1分間洗浄し、純水ですすいだ後、窒素ブローで乾燥させた。
捕捉プローブには、5’末端よりAATTTGTTAT GGGTTCCCGG GAAATAATCA(配列番号1)の配列を有する、5’末端のリン酸基を介してチオール基を修飾した30塩基のオリゴデオキシヌクレオチドを使用した。
そして、該捕捉プローブを10mMのPBS(pH7.4のリン酸ナトリウム緩衝液)に溶解させ、10μMに調製した。
この調製した捕捉プローブの溶液を前記金電極上に滴下し、飽和湿潤下、室温で12時間放置することで、チオール基と金とを結合させて、捕捉プローブを金電極に固定した。
(2)遺伝子サンプルに電気化学活性物質を修飾
遺伝子サンプルには、ヒト由来Cytochrome P−450の遺伝子配列の5’−末端より599−698番目に位置するAATTGAATGA AAACATCAGG ATTGTAAGCA CCCCCTGGAT CCAGATATGC AATAATTTTC CCACTATCAT TGATTATTTC CCGGGAACCC ATAACAAATT(配列番号2)の配列を有する100塩基のオリゴデオキシヌクレオチドを使用した。
100μMに調製した遺伝子サンプルを100μL採取し、2mMに調製したN−ブロモスクシンイミドを37.5μL添加して、5分間氷水で冷却させながら穏やかに撹拌した。
撹拌後、1mMに調製した電気化学的に活性である物質(化10)を100μL添加した。
Figure 2007304091
前記式10で示される電気化学的に活性である物質は、以下のようにして得た。
まず、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran: THF)60.0mLに溶解させた4,4’−ジメチル−2,2’ビピリジン2.50g(13.5mmol)溶液を窒素雰囲気の容器に注入した後、リチウムジイソプロピルアミド2M溶液16.9mL(27.0mmol)を滴下し、冷却しながら30分撹拌した。一方、同様に窒素気流中で乾燥させた容器に、1,3−ジブロモプロパン4.2mL(41.1mmol)とTHF10mLとを加え、冷却しながら撹拌させた。この容器に、先程の反応液をゆっくり滴下させて2.5時間反応させた。反応溶液は2Nの塩酸で中和し、THFを留去した後、クロロホルムで抽出した。溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、生成物Cを得た(収率47%)。
窒素雰囲気の容器に、前記生成物C1.0g(3.28mmol)、フタルイミドカリウム0.67g(3.61mmol)、及びジメチルホルムアミド(脱水)30.0mLを加え、オイルバスで18時間還流した。反応後、クロロホルムで抽出し、0.2N水酸化ナトリウム50mLで蒸留水洗浄した。溶媒を留去して酢酸エチルとヘキサンから再結晶を行い、生成物Dを得た(収率61・5%)。
塩化ルテニウム(III)(2.98g、0.01mol)、及び2,2’−ビピリジン(3.44g、0.022mol)をジメチルホルムアミド(80.0mL)中で6時間還流した後、溶媒を留去した。その後、アセトンを加え、一晩冷却することで得られた黒色沈殿物を採取し、エタノール水溶液170mL(エタノール:水=1:1)を加え1時間加熱還流を行った。ろ過後、塩化リチウムを20g加え、エタノールを留去し、さらに一晩冷却した。析出した黒色物質は吸引ろ過で採取し、生成物Eを得た(収率68.2%)。
窒素置換した容器に、前記生成物D0.50g(1.35mmol)、前記生成物E0.78g(1.61mmol)、及びエタノール50mLを加えた。9時間窒素雰囲気で還流した後、溶媒を留去し、蒸留水で溶解させ、1.0Mの過塩素酸水溶液で沈殿させた。この沈殿物を採取し、メタノールで再結晶を行い、生成物Fを得た(収率81.6%)。
さらに、前記生成物F1.0g(1.02mmol)、及びメタノール70.0mLを1時間還流した。室温まで冷却した後、ヒドラジン―水和物0.21mL(4.21mmol)を加え再び13時間還流した。反応後、蒸留水を15mL加え、メタノールを留去した。
次に、濃塩酸を5.0mL加え、2時間還流して得られた反応液を一晩冷蔵し、不純物を自然ろ過で除去した。
これを炭酸水素ナトリウムで中和した後、水を留去し、無機物をアセトニトリルで除去した。溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、生成物Gを得た(収率71.4%)。
アルミホイルで遮光した容器に、前記生成物G0.65g(0.76mmol)を加え、アセトニトリル10mLに溶解させた。次に、トリエチルアミン0.23g(2.29mmol)を加えた後、アセトニトリル20mLに溶解したグルタル酸無水物0.87g(7.62mmol)を滴下した。
9時間反応後、エバポレーターでアセトニトリルを留去して得た粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製し、生成物Hを得た(収率62.6%)。
この生成物H0.080g(83nmol)をアセトニトリル5.0mLに溶解し、DCC0.052g(0.24mmol)を加え、4時間室温で撹拌させた後、1,3−ジアミノプロパン700μL(8.30mmol)を滴下し、さらに2時間撹拌した。粗生成物をシリカゲルカラムで精製して前記式10に示す電気化学的に活性である物質を得た(収率57.4%)。
下表は、前述のようにして得た式(10)に示す物質の1H-NMR結果である。
1H-NMR(300MHz、DMSO d−6)
σ:
1.46 (2H,m)
1.70 (6H,m)
2.12 (4H,m)
2.54 (3H,s)
2.80 (2H,t)
2.85 (2H,t)
3.10 (4H,m)
3.42 (2H,bs)
7.39 (2H,t)
7.57 (6H,m)
7.76 (4H,m)
8.20 (2H,t)
8.76 (4H,t)
8.86 (6H,m)
このようにして、遺伝子サンプルに電気化学活性物質を修飾後、HPLCを用いて未反応の電気化学活性物質を除去して、遠心乾燥機で溶液を留去した。
分光光度計を用いて結合数を確認したところ、遺伝子サンプル1分子に電気化学活性物質が6個結合していることが判明した。
(3)ハイブリダイゼーション
前述のようにして得られた標識化遺伝子サンプルを、2XSSCに溶解させ、2.0μMに調製した。
この調製した標識化遺伝子サンプルを、前記捕捉プローブを固定した金電極上に滴下し、70℃の恒温槽内で10時間反応させた。これにより、標識化遺伝子サンプルと捕捉プローブがハイブリダイズし、二本鎖核酸が形成された電極xを得た。
さらに、本実施例1においては、比較対象として、遺伝子サンプルと非相補的な配列を有する捕捉プローブを使用して、前記核酸プローブと同様の処理を行い、標識化遺伝子サンプルと捕捉プローブがハイブリダイズせず、二本鎖核酸が形成されていない電極yを得た。なお、ここでは、非相補的な捕捉プローブとして、30merのPoly−A、AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA(配列番号3)の配列を有する5’末端のリン酸基を介してチオール基を修飾したプローブを使用した。
(4)電気化学測定
以上の工程の後、二本鎖核酸が形成された電極x、及び二本鎖核酸が形成されていない電極yのそれぞれに、0.1MのPBS、及び0.1Mのトリエチルアミンを混合した電解液を80μL滴下した。その後、それぞれの電極x,yに電圧を印加し、この時に生じた電気化学発光の測定を行った。なお、電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、3秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における発光量を積分した。
図1は、本実施例1における、二本鎖核酸が形成された電極x、及び二本鎖核酸が形成されていない電極yにおいて検出された電気化学発光積分量を示したものである。
図1から明らかなように、二本鎖核酸が形成された電極xでの発光量は、二本鎖核酸が形成されていない電極yでの発光量と比較して著しく高い値となっており、本発明の手法を用いれば、高感度に二本鎖核酸、すなわち目的遺伝子サンプルを検出できることがわかる。
(1)固相への捕捉プローブの固定化
実施例2では、固相に磁気ビーズを使用した。磁気ビーズは、Bangs Laboratories社製のCM01N/5896ストレプトアビジン磁気ビーズを用いた(粒径0.35μm)。なお、捕捉プローブには実施例1と同様の配列を有し、5’末端のリン酸基を介してビオチンを修飾したプローブを使用した。
まず、磁気ビーズ1mgを採取し、TTLバッファー(500mM Tris−HCl(pH8.0):Tween20:2M塩化リチウム:超純水=2:10:5:3の体積比になるよう調製)で洗浄後、20μLのTTLバッファーに置換した。その後、100μMの捕捉プローブを5μL添加し、室温で15分穏やかに振とうした。
溶液をデカントし、残留した磁気ビーズを0.15Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、TTバッファー(500mM Tris−HCl(pH8.0):Tween20:超純水=1:2:1の体積比になるよう調製)で洗浄した。
洗浄後、TTEバッファーに溶液を置換し、80℃で10分間インキュベートすることにより、不安定な結合を除去した。これにより、捕捉プローブが固定化された磁気ビーズを得た。
さらに、本実施例2においては、比較対象として、遺伝子サンプルと非相補的な配列を有する捕捉プローブを使用して、前記核酸プローブと同様の処理を行った。なお、ここでは、非相補的な捕捉プローブとして、30merのPoly−A、AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA(配列番号3)の配列を有する5’末端のリン酸基を介してビオチンを修飾したプローブを使用した。
(2)ハイブリダイゼーション
標識化遺伝子サンプルは、前記実施例1と同様の物質を使用した。
前記捕捉プローブを固定した磁気ビーズに、2XSSCを14μL加え、そこに10nMに調製した遺伝子サンプルを4μL添加し、70℃で穏やかに振とうさせた。10時間振とうさせた後、溶液をデカントし、40℃に加温した2XSSCで洗浄し、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズAを得た。
なお、非相補的な捕捉プローブを固定した磁気ビーズについても、上記と同様の処理を行い、二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズBを得た。
(3)電気化学測定
以上の工程の後、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズA及び二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズBをそれぞれ5μLずつ電極に滴下した。電極の下には永久磁石のシートを取り付けており、作用極のみに磁気ビーズが集約するようにした。
5分静置後、前記磁気ビーズA,Bが集約した電極xA,yBそれぞれに、電解液を75μL滴下した。その後、それぞれの磁気ビーズが集約した電極xA,yBに電圧を印加し、この時に生じた電気化学発光の測定を行った。なお、電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、3秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における発光量を積分した。
図2は、本実施例2における、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズの電極xA、及び二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズの電極yBにおいて検出された電気化学発光積分量を示したものである。
図2から明らかなように、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズ電極xAでの発光量は、二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズ電極yBでの発光量と比較して著しく高い値となっており、本発明の手法を用いれば、高感度に二本鎖核酸、すなわち目的遺伝子サンプルを検出できることがわかる。
(1)遺伝子サンプルにリンカーを修飾
遺伝子サンプルは実施例1と同様のサンプルを用いた。100μMに調製した遺伝子サンプルを100μL採取し、2mMに調製したN−ブロモスクシンイミドを37.5μL添加して、5分間氷水で冷却させながら穏やかに撹拌した。
撹拌後、1mMに調製したリンカー(化11)を100μL添加した。
Figure 2007304091
(化11)で示されるリンカーは、以下のようにして得た。
1,4−ブタンジアミン200μL(2.00mmol)をアセトニトリルに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン537mL(4.10mmol)、グルタル酸無水物114mg(1.00mmol)を加え、3時間室温で撹拌した。粗生成物をHPLCで精製することにより、上記式11に示すリンカーを得た(収率90.5%)。
このようにして、遺伝子サンプルにリンカーを修飾後、HPLCを用いて未反応のリンカーを除去して、遠心乾燥機で溶液を留去した。
下表は、前述のようにして得た(化11)に示す物質の1H-NMR結果である。
1H-NMR(300MHz、CDCl3
σ:
1.43 (2H,m)
1.66 (4H,m)
2.10 (4H,m)
2.84 (2H,t)
3.06 (2H,m)
3.41 (2H,bs)
(2)ハイブリダイゼーション
捕捉プローブ及び非相補的な捕捉プローブは、実施例1と同様のサンプルを用いた。
まず、上述したリンカー結合遺伝子サンプルを2×SSCで0.1μMに調製した。この溶液2μLと、0.1μMの捕捉プローブを3μL、2XSSCを15μLマイクロチューブに加え、70℃で穏やかに振とうさせた。1時間振とうさせた後、透析チューブに反応溶液を入れ、透析してSSCを脱塩した。
なお、本実施例3においては、比較対象として、実施例1と同様の非相補的な捕捉プローブを用い、捕捉プローブと同様の操作を行った。
(3)電気化学的に活性である物質の添加
透析後、2μMのWSCを10μL(20.0pmol)、0.2μMのN−ヒドロキシスクシンイミドを10μL(2.0pmol)、1.0μMの電気化学的に活性である物質(下記式12)を1.0μL(1.0pmol)添加し、1時間室温で穏やかに振とうした。
Figure 2007304091
前記式12で示される電気化学的に活性である物質は、以下のようにして得た。
まず、THF60.0mLに溶解させた4,4’−ジメチル−2,2’ビピリジン2.50g(13.5mmol)溶液を窒素雰囲気の容器に注入した後、リチウムジイソプロピルアミド2M溶液16.9mL(27.0mmol)を滴下し、冷却しながら30分撹拌した。一方、同様に窒素気流中で乾燥させた容器に、1,3−ジブロモプロパン4.2mL(41.1mmol)とTHF10mLとを加え、冷却しながら撹拌させた。この容器に、先程の反応液をゆっくり滴下させて2.5時間反応させた。反応溶液は2Nの塩酸で中和し、THFを留去した後、クロロホルムで抽出した。溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、生成物Cを得た(収率47%)。
窒素雰囲気の容器に、前記生成物C1.0g(3.28mmol)、フタルイミドカリウム0.67g(3.61mmol)、及びジメチルホルムアミド(脱水)30.0mLを加え、オイルバスで18時間還流した。反応後、クロロホルムで抽出し、0.2N水酸化ナトリウム50mLで蒸留水洗浄した。溶媒を留去して酢酸エチルとヘキサンから再結晶を行い、生成物Dを得た(収率61・5%) 。
塩化ルテニウム(III)(2.98g、0.01mol)、及び2,2’−ビピリジン(3.44g、0.022mol)をジメチルホルムアミド(80.0mL)中で6時間還流した後、溶媒を留去した。その後、アセトンを加え、一晩冷却することで得られた黒色沈殿物を採取し、エタノール水溶液170mL(エタノール:水=1:1)を加え1時間加熱還流を行った。ろ過後、塩化リチウムを20g加え、エタノールを留去し、さらに一晩冷却した。析出した黒色物質は吸引ろ過で採取し、生成物Eを得た(収率68.2%)。
窒素置換した容器に、前記生成物D0.50g(1.35mmol)、前記生成物E0.78g(1.61mmol)、及びエタノール50mLを加えた。9時間窒素雰囲気で還流した後、溶媒を留去し、蒸留水で溶解させ、1.0Mの過塩素酸水溶液で沈殿させた。この沈殿物を採取し、メタノールで再結晶を行い、生成物Fを得た(収率81.6%)。
さらに、前記生成物F1.0g(1.02mmol)、及びメタノール70.0mLを1時間還流した。室温まで冷却した後、ヒドラジン―水和物0.21mL(4.21mmol)を加え再び13時間還流した。反応後、蒸留水を15mL加え、メタノールを留去した。
次に、濃塩酸を5.0mL加え、2時間還流して得られた反応液を一晩冷蔵し、不純物を自然ろ過で除去した。
これを炭酸水素ナトリウムで中和した後、水を留去し、無機物をアセトニトリルで除去した。溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、前記(化12)に示す電気化学的に活性である物質を得た(収率71.4%)。
下表は、前述のようにして得た(化12)に示す物質の1H-NMR結果である。
1H−NMR(300MHz、DMSO d−6)
σ:
1.68 (4H,m)
2.52 (3H,s)
2.84 (4H,m)
3.40 (2H,bs)
7.38 (2H,d)
7.58 (6H,m)
7.73 (4H,m)
8.15 (4H,t)
8.76 (2H,d)
8.86 (4H,d)
このようにして遺伝子サンプルに電気化学的に活性である物質を結合させた後、実施例2と同様の磁気ビーズを20μL加え、1時間穏やかに撹拌させることにより、捕捉プローブを磁気ビーズに固定させて、二本鎖が形成された磁気ビーズCを得た。
なお、非相補的な捕捉プローブについても上記と同様に磁気ビーズへの固定化処理を行い、二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズDを得た。
(4)電気化学測定
以上の工程の後、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズC、及び二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズDをそれぞれ5μLずつ電極に滴下した。電極の下には永久磁石のシートを取り付けており、作用極のみに磁気ビーズが集約するようにした。
5分静置後、前記磁気ビーズC,Dが集約した電極xC,yDそれぞれに、電解液を75μL滴下した。その後、それぞれの磁気ビーズが集約した電極xC,yDに電圧を印加し、この時に生じた電気化学発光の測定を行った。なお、電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、3秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における発光量を積分した。
図3は、本実施例3における、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズの電極xC、及び二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズの電極yDにおいて検出された電気化学発光積分量を示したものである。
図3から明らかなように、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズ電極xCでの発光量は、二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズ電極yDでの発光量と比較して著しく高い値となっており、本発明の手法を用いれば、高感度に二本鎖核酸、すなわち目的遺伝子サンプルを検出できることがわかる。
本発明にかかる遺伝子検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を高感度に検出することができ、遺伝子診断、感染症診断、ゲノム創薬等の用途に適用できる。
本発明の実施例1における電気化学発光積分量を測定した図である。 本発明の実施例2における電気化学発光積分量を測定した図である。 本発明の実施例3における電気化学発光積分量を測定した図である。

Claims (22)

  1. 検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、
    前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、該捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、
    前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、
    前記遺伝子サンプルと電気化学的に活性である物質とを化学結合させる結合工程と、
    前記電気化学的に活性である物質が結合した遺伝子サンプルと前記固相に固定された一本鎖の捕捉プローブとをハイブリダイズさせ、前記遺伝子サンプルを前記固相に捕捉させる遺伝子サンプル捕捉工程と、
    前記固相に固定された前記遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  2. 検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、
    前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、
    前記遺伝子サンプルと、電気化学的に活性である物質と結合する部位を有するリンカーとを化学結合させる結合工程と、
    前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、前記リンカーが結合した遺伝子サンプルとハイブリダイズさせ、二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、
    電気化学的に活性である物質と、前記二本鎖を形成した遺伝子サンプルのリンカーとを化学結合させる反応工程と、
    前記二本鎖核酸を形成した捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、
    前記固相に固定された前記遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  3. 検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、
    前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、該捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、
    前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、
    前記遺伝子サンプルと、電気化学的に活性である物質と結合する部位を有するリンカーとを化学結合させる結合工程と、
    前記リンカーが結合した遺伝子サンプルと前記固相に固定された一本鎖の捕捉プローブとをハイブリダイズさせ、前記リンカーが結合した遺伝子サンプルを前記固相に捕捉させる遺伝子サンプル捕捉工程と、
    前記固相に捕捉した遺伝子サンプルに電気化学的に活性である物質を添加し、前記遺伝子サンプルに結合した前記リンカーと、前記電気化学的に活性である物質とを化学結合させる反応工程と、
    前記固相に固定された遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  4. 検体試料中の、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、
    前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、
    前記遺伝子サンプルと電気化学的に活性である物質とを化学結合させる結合工程と、
    前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の捕捉プローブを作製し、前記電気化学的に活性である物質が結合した遺伝子サンプルとハイブリダイズさせ、二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、
    前記二本鎖核酸を形成した捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、
    前記固相に固定された前記遺伝子サンプルに結合した前記電気化学的に活性である物質を、電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  5. 請求項1または請求項4に記載の遺伝子検出方法において、
    前記遺伝子サンプルと、前記電気化学的に活性である物質との結合工程は、遺伝子サンプル中の塩基にハロゲン化合物を付加させた後、前記電気化学的に活性である物質中の官能基と、該遺伝子サンプル中の塩基に結合したハロゲンとの求核置換反応により結合させる、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  6. 請求項2または請求項3に記載の遺伝子検出方法において、
    前記遺伝子サンプルと前記リンカーとの結合工程は、遺伝子サンプル中の塩基にハロゲン化合物を付加させた後、前記リンカー中の官能基と、該遺伝子サンプル中の塩基に結合したハロゲンとの求核置換反応により結合させる、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  7. 請求項1または請求項4に記載の遺伝子検出方法において、
    前記電気化学的に活性である物質は、(化1)で表される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
    Figure 2007304091
    (但し、式中、Nuは、アミン類、アルコール類、エーテル類、チオール類、オキシド類から選ばれる求核剤、Eは電気化学活性部位、Laは前記Nuと前記Eとを連結する連結部位である。)
  8. 請求項2または請求項3に記載の遺伝子検出方法において、
    前記リンカーは、(化2)で表される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
    Figure 2007304091
    (但し、式中、Nuは、アミン類、アルコール類、エーテル類、チオール類、オキシド類から選ばれる求核剤、Saは電気化学的に活性である物質と化学結合する部位、Lbは前記Nuと前記Saとを連結する連結部位である。)
  9. 請求項2または請求項3に記載の遺伝子検出方法において、
    前記電気化学的に活性である物質は、(化3)で表される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
    Figure 2007304091
    (但し、式中、Eは電気化学活性部位、Sbは前記Saと化学結合する部位、Lcは前記Sbと前記Eとを連結する連結部位である。)
  10. 請求項7から請求項9のいずれか1つに記載の遺伝子検出方法において、
    前記La、Lb、Lcは、アルキル、アルコール、カルボン酸、スルホン酸、エステル、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、糖、リン酸、アミノ酸、メタクリル酸、アミド、イミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エチレン、カーボネート、ビニル、シクロアルカン、ヘテロ環式化合物から選ばれる物質、またはいずれかの組み合わせから構成される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  11. 請求項8または請求項9に記載の遺伝子検出方法において、
    前記Sa及び前記Sbの化学結合が、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、スルフィド結合、カルボニル結合、イミノ結合、抗体−抗原結合のいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  12. 請求項7に記載の遺伝子検出方法において、
    前記mは、4から50の整数である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  13. 請求項8に記載の遺伝子検出方法において、
    前記nは、1から50の整数である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  14. 請求項9に記載の遺伝子検出方法において、
    前記oは、1から1000の整数である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  15. 請求項14に記載の遺伝子検出方法において、
    前記nが1の場合、前記oは3から1000の整数であり、前記nが2の場合、前記oは2から1000の整数である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  16. 請求項7または請求項9に記載の遺伝子検出方法において、
    前記Eは、酸化還元性を有する化合物である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  17. 請求項16に記載の遺伝子検出方法において、
    前記酸化還元性を有する化合物は、電気化学発光を示す化合物である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  18. 請求項17に記載の遺伝子検出方法において、
    前記電気化学発光を示す化合物は、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、あるいはオクタテトラエンのいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  19. 請求項18に記載の遺伝子検出方法において、
    前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体は、配位子にピリジン部位を有する金属錯体である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  20. 請求項19に記載の遺伝子検出方法において、
    前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体は、金属ビピリジン錯体、あるいは金属フェナントロリン錯体のいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  21. 請求項20に記載の遺伝子検出方法において、
    前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属は、ルテニウム、あるいはオスニウムのいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  22. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の遺伝子検出方法において、
    前記検出工程は、前記固相に対して電圧を印加し、前記連鎖した電気化学的に活性である物質からの電気化学発光量を測定するものである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
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