JP2007014310A - 遺伝子検出方法、及び標識剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の配列を有する目的遺伝子サンプルを高感度に検出できる遺伝子検出方法、及び、その際に用いる標識剤を提供する。
【解決手段】 固相上に固定した前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する捕捉プローブと、一本鎖に変性された遺伝子サンプルと、前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的で且つ前記捕捉プローブの塩基配列と異なる塩基配列を有する核酸プローブの末端に置換基が修飾された標識剤結合用プローブとをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、前記二本鎖核酸を形成した遺伝子サンプルに、電気化学的に活性である物質が複数連鎖してなる標識剤を添加し、前記標識剤結合用プローブと前記標識剤とを化学結合させる反応工程と、化学結合された前記標識剤を電気化学的測定により検出する検出工程、とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料中に存在する特定の遺伝子配列を検出する遺伝子検出方法に関し、特に、標識剤により電気化学的に遺伝子を検出する遺伝子検出方法、及び標識剤に関する。
従来の、電気化学的に特定の遺伝子配列を検出するDNAチップは、検出すべき目的遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブを電極表面に固定化し、該核酸プローブと一本鎖に変性された目的遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせた後、該核酸プローブと目的遺伝子サンプルとで形成された二本鎖核酸に特異的に結合し且つ電気化学的に活性な標識剤を、該核酸プローブと遺伝子サンプルとの反応系に添加し、電極を介した電気化学的な測定により、前記二本鎖核酸に結合した標識剤を検出することで、目的遺伝子サンプルとハイブリダイズした前記核酸プローブを検出し、目的とする遺伝子の存在を確認する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
ここで、前記標識剤とは、前記二本鎖の核酸を認識して、該二本鎖核酸と特異的に結合する物質を指す。前記標識剤は、何れも分子中にフェニル基等の平板状挿入基を有し、該挿入基が二本鎖核酸の塩基対と塩基対との間に挿入することによって、二本鎖核酸と結合する。この標識剤と二本鎖核酸との結合は、静電気的相互作用あるいは疎水的相互作用での結合であって、前記標識剤の二本鎖核酸の塩基対間への挿入、及びその塩基対間からの離脱が一定の速度で繰り返される平衡反応による結合である。
さらに、前述した標識剤には、電気的に可逆な酸化還元反応を起こす物質があり、このような電気化学的に可逆である酸化還元反応を起こす標識剤を用いれば、電気化学的変化の測定によって、前記二本鎖核酸に結合した標識剤の存在を検出することができる。なお、この電気化学的変化の出力信号としては、酸化還元時に発生する電流や発光が挙げられる。
従って、このような従来の遺伝子検出方法においては、前記標識剤を二本鎖核酸にのみ特異的に結合させ、該二本鎖核酸に結合した標識剤の量を正確に検出することが重要となる。
しかし、前記標識剤は、一本鎖の核酸プローブや、該核酸プローブが固定される電極表面にも非特異的に吸着してしまう。そして、この非特異的に吸着した標識剤は、前記二本鎖核酸に結合した標識剤の量の検出時に、バックグランドノイズとなり、検出感度を低下させる原因となる。
これを解消する手法の1つとして、担体に固定した捕捉プローブと、電気化学的に活性である物質を標識した標識プローブと、遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせた後、電圧を印加して、遺伝子サンプルに結合した標識プローブからの電気化学的な信号を検出することにより、目的とする遺伝子の存在を検出する手法がある(特許文献3参照)。この手法は、いわゆるサンドイッチハイブリダイゼーションを用いた手法であり、前記捕捉プローブと、前記遺伝子サンプルと、前記標識プローブとが、各成分の特異的相互作用を介して複合体化されているため、特異性が高く、検出感度を向上させることが可能である。
特許第2573443号公報 特許第3233851号公報 特許第3502855号公報
しかしながら、前述した特許文献3の方法では、1つの遺伝子サンプルにつき、1つの標識プローブがハイブリダイズするだけであり、さらに、該標識プローブは一本鎖核酸の末端部に電気化学的に活性な物質が1つ標識されているだけであるため、前述の特許文献1,2のような標識剤を用いた手法に比べ、電気化学的に活性な物質からの信号強度が低い。そのため、検出対象の遺伝子サンプルが低濃度の場合は、まずその遺伝子サンプルをPCRなどで増幅させて高濃度にしなければならないという課題がある。
本発明は、前記課題を解決するためにされたものであって、目的遺伝子サンプルを高感度に検出できる遺伝子検出方法、及び標識剤を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、本発明の遺伝子検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的で、且つ前記捕捉プローブの塩基配列と異なる塩基配列を有する核酸プローブの末端に置換基が修飾された標識剤結合用プローブを作製する標識剤結合用プローブ作製工程と、前記固相に固定化された捕捉プローブと、前記遺伝子サンプルと、前記標識剤結合用プローブとをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、前記二本鎖核酸形成工程にて得た、二本鎖核酸が形成された遺伝子サンプルに、電気化学的に活性である物質が複数連鎖してなる標識剤を添加し、該二本鎖核酸に含まれる前記標識剤結合用プローブと前記標識剤とを化学結合させる反応工程と、前記反応工程にて化学結合させた前記標識剤を、電気化学的測定により検出する検出工程と、を含むものである。
これにより、前記遺伝子サンプルの存在を高感度に検出することができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記標識剤は、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記標識剤は、下記一般式(2)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記標識剤は、下記一般式(3)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記標識剤は、下記一般式(4)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記標識剤結合用プローブと前記Saの化学結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、あるいは抗体−抗原結合のいずれかであるものである。
これにより、前記標識剤と、標識剤結合用プローブとを、強固に結合させることができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記La、前記Sa、前記Eの結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、あるいは抗体−抗原結合のいずれかであるものである。
これにより、前記標識剤中の前記La、前記E、及び前記Saを、強固に結合させることができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記nは、2〜10000であるものである。
これにより、前記標識剤中の、前記Laに結合された前記Eが、当該標識剤と前記標識剤結合用プローブとの化学結合に影響を与えないようにすることができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記Laは、天然高分子または合成高分子であるものである。
これにより、標識剤中の前記Laに、前記Eを多く結合させることができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記Laは、糖、リン酸、ピリジン、アミノ酸、タンパク、メタクリル酸、アルキル、アルコール、アミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エステル、エチレン、カーボネート、ビニル、スチレンのいずれか、或いはこれらの組み合わせから構成されるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記Eは、前記Laに1〜10個化学結合しているものである。
これにより、前記標識剤中の、前記Laに結合された前記Eが、当該標識剤と標識剤結合用プローブとの化学結合に悪影響を与えないようにすることができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記Eは、酸化還元性を有する化合物であるものである。
これにより、可逆な酸化還元反応時に生じる酸化還元電流を測定することで、遺伝子サンプルの検出が可能になる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記酸化還元性を有する化合物は、電気化学発光を示す化合物であるものである。
これにより、電気化学発光を測定することで、遺伝子サンプルの検出を行うことができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記電気化学発光を示す化合物は、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、あるいはオクタテトラエンのいずれかであるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体は、配位子にピリジン部位を有する金属錯体であるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体は、金属ビピリジン錯体、あるいは金属フェナントロリン錯体のいずれかであるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属は、ルテニウム、あるいはオスニウムのいずれかであるものである。
また、本発明の標識剤は、特定の配列を有する検出すべき遺伝子を標識する標識剤において、前記標識剤は、前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有し、且つその末端に置換基が修飾された標識剤結合用プローブの、前記置換基と化学結合する置換基と、電気化学的に活性である物質が複数連鎖してなる電気化学活性部位と、前記置換基と、前記電気化学活性部位とを連結する連結部位、とからなるものである。
これにより、検出すべき遺伝子サンプルの存在を高感度に検出可能な標識剤を提供できる。
さらに、本発明の標識剤は、前記標識剤は、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の標識剤は、前記標識剤は、下記一般式(2)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の標識剤は、前記標識剤は、下記一般式(3)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の標識剤は、前記標識剤は、下記一般式(4)で表されるものである。
Figure 2007014310
(但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
さらに、本発明の標識剤は、前記La、前記Sa、前記Eの結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、あるいは抗体−抗原結合のいずれかであるものである。
これにより、前記標識剤中の、前記La、前記E、前記Saを、強固に結合させることができる。
さらに、本発明の標識剤は、前記nは、2〜10000であるものである。
これにより、前記Laに結合された前記Eが、当該標識剤と前記標識剤結合用プローブとの化学結合に悪影響を与えない標識剤を提供することができる。
さらに、本発明の標識剤は、前記Laは、天然高分子または合成高分子であるものである。
これにより、当該標識剤中の前記Laに、前記Eを多く結合させることができる。
さらに、本発明の標識剤は、前記Laは、糖、リン酸、ピリジン、アミノ酸、タンパク、メタクリル酸、アルキル、アルコール、アミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エステル、エチレン、カーボネート、ビニル、スチレンのいずれか、あるいはこれらの組み合わせから構成されるものである。
さらに、本発明の標識剤は、前記Eは、前記Laに1〜10個化学結合しているものである。
これにより、当該標識剤中の前記Laに結合された前記Eが、当該標識剤と前記標識剤結合用プローブとの化学結合に悪影響を与えないようにすることができる。
さらに、本発明の標識剤は、前記Eは、酸化還元性を有する化合物であるものである。
これにより、可逆な酸化還元反応時に生じる酸化還元電流を測定することで、遺伝子サンプルの検出が可能になる。
さらに、本発明の標識剤は、前記酸化還元性を有する化合物は、電気化学発光を示す化合物であるものである。
これにより、電気化学発光を測定することで、遺伝子サンプルの検出を行うことができる。
さらに、本発明の標識剤は、前記電気化学発光を示す化合物は、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、あるいはオクタテトラエンのいずれかであるものである。
さらに、本発明の標識剤は、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体は、配位子にピリジン部位を有する金属錯体であるものである。
さらに、本発明の標識剤は、前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体は、金属ビピリジン錯体、あるいは金属フェナントロリン錯体のいずれかであるものである。
さらに、本発明の標識剤は、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属は、ルテニウム、あるいはオスニウムのいずれかであるものである。
本発明の遺伝子検出方法によれば、特定の配列を有する遺伝子を検出する際に、前記固相に固定した前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する捕捉プローブと、該検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列で且つ前記捕捉プローブと塩基配列の異なる、核酸プローブの末端に置換基を修飾した標識剤結合用プローブと、前記検出すべき遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせた後、該二本鎖核酸が形成された遺伝子サンプルに、電気化学的に活性である物質が複数連鎖してなる標識剤を添加し、前記標識剤結合用プローブと前記標識剤とを化学結合させ、該固相に捕捉された前記標識化遺伝子サンプル中の前記標識剤を電気化学的な測定により検出するようにしたので、前記遺伝子サンプルの存在を高感度に検出することができる。
また、本発明の遺伝子検出方法によれば、前記標識剤結合用プローブと、前記捕捉プローブと、前記遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせた後、該標識剤結合用プローブと、前記標識剤とを化学結合させるようにしたので、該標識剤が、前記標識剤結合用プローブと前記捕捉プローブと前記遺伝子サンプルとのハイブリダイズに影響を及ぼすことがなくなるため、標識剤中の電気化学的に活性である物質の連鎖数を増やすことができ、この結果、前記遺伝子サンプルをより高感度に検出できる。
また、本発明の標識剤を、電気化学的に活性である物質が複数連鎖してなるものであるようにしたので、前記遺伝子サンプルをより高感度に検出できる。
以下に、本発明の遺伝子検出方法について詳細に説明する。
なお、以下の実施の形態における遺伝子サンプルとは、例えば、血液、白血球、血清、尿、糞便、精液、唾液、培養細胞、各種臓器細胞のような組織細胞、その他遺伝子を含有する任意の試料から、該試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖の核酸に解離させたものである。また、本実施の形態における遺伝子サンプルは、制限酵素で切断して電気泳動による分離等で精製した核酸断片でもよい。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における遺伝子検出方法について説明する。
まず、検査対象となる遺伝子サンプルを作製する。この遺伝子サンプルは、前述したように、任意の試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖に変性させる。
このとき、前記試料中の細胞の破壊は、常法により行うことができ、例えば、振とう、超音波等の物理的作用を外部から加えて行うことができる。また、核酸抽出溶液(例えば、SDS、Triton−X、Tween−20等の界面活性剤、又はサポニン、EDTA、プロテア−ゼ等を含む溶液等)を用いて、細胞から核酸を遊離させることもできる。
次に、捕捉プローブと、標識剤結合用プローブを作製する。
前記捕捉プローブは、固相に固定化される、前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有するものであり、前記標識剤結合用プローブは、前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列で、且つ前記捕捉プローブと塩基配列の異なる、核酸プローブの末端に、置換基が修飾されたものである。
これら前記捕捉プローブ、及び標識剤結合用プローブは、化学合成で得られた一本鎖の核酸あるいは、生物試料から抽出した核酸を制限酵素で切断し、電気泳動による分離等で精製した核酸を用いることができる。生物試料から抽出した核酸の場合には、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖の核酸に解離させておくことが好ましい。
そして、前記標識剤結合用プローブに含まれる、核酸プローブの末端修飾は、例えば、アミノ基修飾アミダイトをプローブの5’−末端に結合させる手法や、前記アミノ基を修飾後、グルタル酸無水物と反応させてカルボキシル基を導入させる手法等を挙げることができる。
次に、前述のようにして得た前記捕捉プローブを固相に固定する。
前記捕捉プローブを固定化する固相としては、特に限定されないが、例えば、金、白金、白金黒、パラジウム、ロジウムのような貴金属や、グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバーのような炭化物や、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛のような酸化物や、Si、Ge、 ZnO、 CdS、TiO、GaAsのような半導体等が挙げられ、これらの物質は、後の電気化学的な検出工程において、電極として利用することができる。さらに、前述した固相を導電性高分子によって被覆しても良く、このように被覆することによって、より安定な捕捉プローブ固定化電極(固相)を調製することができる。
なお、前記捕捉プローブを前記固相に固定化する方法としては、公知の方法が用いられる。一例をあげると、例えば前記固相が金電極である場合、固定する捕捉プローブの5’−末端もしくは3’−末端(好ましくは、5’−末端)にチオール基を導入し、金とイオウとの共有結合を介して、前記捕捉プローブを該金電極に固定させる。この捕捉プローブにチオール基を導入する方法は、文献(M.Maeda et al.,Chem.Lett.,1994,1805〜1808及びB.A.Connolly,Nucleic Acids Res.,1985,vol.13,4484)に記載されているものが挙げられる。
即ち、前記方法によって得られたチオール基を有する捕捉プローブを、金電極に滴下し、低温下で数時間放置することにより、該捕捉プローブが電極に固定され、捕捉プローブが作製される。
また固相で別の例をあげると、一般的に磁気ビーズと呼ばれる磁性を有する粒子を挙げることができる。磁気ビーズの場合、捕捉プローブの固定は、アビジンービオチンの結合手法が挙げられる。まず、アビジンを磁気ビーズの表面にコーティングする。一方、捕捉プローブの末端には、ビオチンを結合させる。この捕捉プローブを磁気ビーズに添加することにより、抗体―抗原反応が生じ、磁気ビーズに捕捉プローブが結合できる。この手法は周知であるため、詳細は省略する。
そして、以上のようにして得られた捕捉プローブが結合した固相に、前記遺伝子サンプルと、前記標識剤結合用プローブを含む溶液とを接触させることにより、前記捕捉プローブ、及び前記標識剤結合用プローブと、相補的な配列を有する遺伝子サンプルがハイブリダイズし、二本鎖核酸が形成される。
この捕捉プローブ及び標識剤結合用プローブと、前記遺伝子サンプルをハイブリダイズさせる方法は周知であるため、ここでは説明を省略する。
そして、このように二本鎖核酸を形成させた後、後述する標識剤を添加し、二本鎖核酸中の前記標識剤結合用プローブと、標識剤とを化学結合させる。なお、前記標識剤結合用プローブと、前記標識剤とは、化学結合により連結され、その化学結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、抗体−抗原結合が例に挙げられる。
以下、本発明に用いられる標識剤について説明する。
本標識剤は、電気化学的に活性である物質が複数連鎖されてなるものであり、例えば、下記一般式(1)〜(4)で表すことができる。
Figure 2007014310
(但し、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
Figure 2007014310
(但し、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1及びR2は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
Figure 2007014310
(但し、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1及びR2は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
Figure 2007014310
(但し、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1及びR2は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
ここで、前述した一般式(1)〜(4)中に示される前記Laは、アルキル基、アミド、エーテル、ケトン、エステルの組み合わせから構成されるリンカー部である。そして、このようなリンカー部である前記Laは、天然高分子か、または合成高分子であることが好ましいが、単分子でも良い。前記Laである天然高分子または合成高分子としては、糖、リン酸、ピリジン、アミノ酸、タンパクメタクリル酸、アルキル、アルコール、アミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エステル、エチレン、カーボネート、ビニル、スチレン等を組み合わせてなるものが挙げられる。なお、前記Laが高分子であるほうが好ましい理由は、高分子の方が電気的に活性な物質を多く結合させることができるからである。
また、前記一般式(1)〜(4)中の前記Eは、電気化学的に検出可能な物質であれば、特に制限されずに用いられ、例えば、可逆な酸化還元反応時に生じる酸化還元電流を測定することで物質の検出が可能な、酸化還元性を有する化合物を例に挙げることができる。
そして、このような酸化還元性を有する化合物としては、例えば、フェロセン、カテコールアミン、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、オクタテトラエン、もしくはビオローゲン等がある。
なお、前述した、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、オクタテトラエンには、酸化還元反応時に電気化学発光を生じるものもあり、前記Eとしてこれらを用いた場合は、後述する検出工程にてその発光を測定することで、遺伝子サンプルの検出を行うこともできる。
また、前述の配位子に複素環系化合物を有する金属錯体としては、酸素や窒素等を含む複素環系化合物、例えば、ピリジン部位、ピラン部位等を配位子に有する金属錯体等を挙げることができ、特に、ピリジン部位を配位子に有する金属錯体が好ましく、該ピリジン部位を配位子に有する金属錯体としては、例えば、金属ビピリジン錯体、金属フェナントロリン錯体等が例に挙げられる。
さらに、前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属としては、例えば、ルテニウム、オスニウム、亜鉛、コバルト、白金、クロム、モリブデン、タングステン、テクネチウム、レニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、銅、インジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム等を挙げることができる。特に該中心金属が、ルテニウム、オスニウムである錯体は、良好な電気化学発光特性を有し、このような良好な電気化学発光特性を有する物質としては、例えば、ルテニウムビピリジン錯体、ルテニウムフェナントロリン錯体、オスニウムビピリジン錯体、オスニウムフェナントロリン錯体等を挙げることができる。
また、前記一般式(1)〜(4)において、前記Laと、前記Sa、前記Eは、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、抗体−抗原結合などで結合している。
また、前述の一般式(1)〜(4)中に示される前記nの値は、前記固相に固定化された捕捉プローブの間隔や、遺伝子サンプル及び該捕捉プローブの長さにより決定されるものであり、その値は、2〜10000の整数であることが好ましく、特にに2〜500の整数が好ましい。なお、nが10000個以上の場合も、前記標識剤結合用プローブとの反応は可能ではあるが、nが10000より大きくなると、その部分が立体障害となり、本標識剤と標識剤結合用プローブとの化学結合に悪影響を与えるため、好ましくない。
さらに、前記一般式(1)〜(4)中に示される前記Laに、前記Eが複数個化学結合させてもよい。例えば、前記一般式(1)の場合を例にあげると、下記に示す式(5)に示すようになる。
Figure 2007014310
このとき、前記Laに結合させる前記Eの数は、1〜10個であることが望ましい。この理由は、Laに結合するEの数が10個以上になると、本標識剤が立体障害となり、本標識剤と標識剤結合用プローブとの化学結合に悪影響を与えるためである。
また、前記E若しくは前記Saは、前記一般式(1)〜(4)に示すように、全てのLaと連結しなければならないわけではなく、例えば下記式(6)に示すように、nが2〜3につき1個のE若しくはSaがLaと連結しているというように、複数個のLaそれぞれにE若しくはSaがそれぞれ1個連結しているものでもよい。
Figure 2007014310
さらに、前記R1あるいはR2がEの場合は、nが1であってもよい。
以下、前述した標識プローブの具体例を下記式(7)〜(10)に示す。なお、式(7)は一般式(1)の、また式(8)は一般式(2)の、式(9)は一般式(3)の、式(10)は一般式(4)の具体例である。
Figure 2007014310
Figure 2007014310
Figure 2007014310
Figure 2007014310
なお、式(8),(10)中のnは2〜10000の整数であり、式(9)中のm,oは、(m+o)/2が2〜10000の整数、且つm≧2,o≧1の整数である。
このように、前記標識剤を、電気化学的に活性である物質を複数連鎖させてポリマーにするようにしたので、前記二本鎖核酸が形成された遺伝子サンプルと、前記標識剤とをハイブリダイズさせた際、該遺伝子サンプルに結合する電気化学的に活性である物質の量を増加させることができ、後の電気化学的な検出工程において、前記遺伝子サンプルに結合する電気化学的に活性である物質からの電気化学的な出力信号が向上するため、前記遺伝子サンプルを高感度に検出することができる。
この後、前述した標識剤を含む溶液を、前記ハイブリダイズさせた二本鎖核酸に添加することにより、前記標識剤と、該二本鎖核酸を形成する標識剤結合用プローブとを化学結合させる。
そして前記二本鎖核酸と標識剤とを化学結合させた後、前記標識剤結合用プローブと結合せず、一本鎖の核酸プローブや、前記電極表面に非特異的に吸着した未反応の標識剤を、界面活性剤を含む洗浄液で除去する洗浄工程を行う。この結果、洗浄処理後の電極表面には、前記ハイブリダイズした二本鎖核酸に化学結合した標識剤のみが残るようになり、該標識剤由来の電気化学的な信号を測定することにより、二本鎖核酸の存在を高感度に検出し、ついては、前記遺伝子サンプルの存在を高感度に検出することが可能となる。
そして、前記標識剤として、酸化還元電流を生じる電気化学的に活性である物質を用いた場合には、該電気化学的に活性である標識剤由来の電気化学的な信号を、ポテンショスタット、ファンクションジェネレータ等からなる計測系で測定することができる。
一方、電気化学発光を生じる電気化学的に活性である物質を用いた場合には、フォトマルチプライヤー等を用いて計測が可能である。一方、前記電気化学的に活性である物質として、電気化学発光を生じる物質を用いた場合には、フォトマルチプライヤー等を用いて計測が可能である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)固相表面への核酸プローブの固定化
固相には、金電極を使用した。この金電極は、ガラス基板上にスパッタ装置(アルバック製SH−350)によりチタン10nmを下地に金200nmを形成し、フォトリソグラフィ工程により電極パターンを形成することで準備した。さらに、電極表面をピラニア溶液(過酸化水素:濃硫酸=1:3)で1分間洗浄し、純水ですすいだ後、窒素ブローで乾燥させた。
捕捉プローブには、AATTTGTTAT GGGTTCCCGG GAAATAATCAの配列を有する5’末端のリン酸基を介してチオール基を修飾した30塩基のオリゴデオキシヌクレオチドを使用した。
そして、該捕捉プローブを10mMのPBS(pH7.4のリン酸ナトリウム緩衝液)に溶解させ、10μMに調製した。
この調製した捕捉プローブの溶液を前記金電極上に滴下し、飽和湿潤下、室温で12時間放置することで、チオール基と金とを結合させて、捕捉プローブを金電極に固定した。
(2)ハイブリダイゼーション
遺伝子サンプルには、ヒト由来Cytochrome P−450の遺伝子配列の5’−末端より599−698番目に位置するAATTGAATGA AAACATCAGG ATTGTAAGCA CCCCCTGGAT CCAGATATGC AATAATTTTC CCACTATCAT TGATTATTTC CCGGGAACCC ATAACAAATTの配列を有する100塩基のオリゴデオキシヌクレオチドを使用した。
また、標識剤結合用プローブには、TGCTTACAAT CCTGATGTTT TCATTCAATTの配列を有する、5’末端のリン酸基を介してアミノ基を修飾した30塩基のオリゴデオキシヌクレオチドを使用した。
そして、前記遺伝子サンプル及び標識結合用プローブを、2XSSCを混合したハイブリダイゼーション溶液に溶解させ、20μMに調製した。
この調製した、遺伝子サンプル及び標識剤結合用プローブが溶解したハイブリダイゼーション溶液を、前記捕捉プローブを固定した金電極上に滴下し、70℃の恒温槽内で1時間反応させ、二本鎖核酸を形成させた。これにより、二本鎖核酸が形成された金電極Xを得た。
さらに、本実施例1においては、比較対象として、二本鎖核酸が形成されていない金電極Yを作製する。この二本鎖核酸が形成されない金電極Yは、前記捕捉プローブと非相補的な配列を有する捕捉プローブ(以下、「比較捕捉プローブ」と称する。)を使用して、前記二本鎖核酸が形成された金電極Xを得る時と同様の処理をする。なお、ここでは、前記比較捕捉プローブとして、30merのPoly−A、AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAAの配列を有する5’末端のリン酸基を介してチオール基を修飾した30塩基のオリゴデオキシヌクレオチドを使用した。
(3)標識剤の添加
電気化学的に活性である物質が複数連鎖されてなる標識剤は、下記の式(11)に示す物質を使用した。
Figure 2007014310
前記式(11)で示される標識剤は、以下のようにして得る。
まず、THF60.0mLに溶解させた4,4’−ジメチル−2,2’ビピリジン2.50g(13.5mmol)溶液を窒素雰囲気の容器に注入した後、リチウムジイソプロピルアミド2M溶液16.9mL(27.0mmol)を滴下し、冷却しながら30分撹拌した。一方、同様に窒素気流中で乾燥させた容器に、1,3−ジブロモプロパン4.2mL(41.1mmol)とTHF10mLとを加え、冷却しながら撹拌させた。この容器に、先程の反応液をゆっくり滴下させて2.5時間反応させた。反応溶液は2Nの塩酸で中和し、THFを留去した後、クロロホルムで抽出した。溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、生成物Cを得た(収率47%)。
窒素雰囲気の容器に、前記生成物C1.0g(3.28mmol)、フタルイミドカリウム0.67g(3.61mmol)、及びジメチルホルムアミド(脱水)30.0mLを加え、オイルバスで18時間還流した。反応後、クロロホルムで抽出し、0.2N水酸化ナトリウム50mLで蒸留水洗浄した。溶媒を留去して酢酸エチルとヘキサンから再結晶を行い、生成物Dを得た(収率61.5%) 。
塩化ルテニウム(III)(2.98g、0.01mol)、及び2,2’−ビピリジン(3.44g、0.022mol)をジメチルホルムアミド(80.0mL)中で6時間還流した後、溶媒を留去した。その後、アセトンを加え、一晩冷却することで得られた黒色沈殿物を採取し、エタノール水溶液170mL(エタノール:水=1:1)を加え1時間加熱還流を行った。ろ過後、塩化リチウムを20g加え、エタノールを留去し、さらに一晩冷却した。析出した黒色物質は吸引ろ過で採取し、生成物Eを得た(収率68.2%)。
窒素置換した容器に、前記生成物D0.50g(1.35mmol)、前記生成物E0.78g(1.61mmol)、及びエタノール50mLを加えた。9時間窒素雰囲気で還流した後、溶媒を留去し、蒸留水で溶解させ、1.0Mの過塩素酸水溶液で沈殿させた。この沈殿物を採取し、メタノールで再結晶を行い、生成物Fを得た(収率81.6%)。
さらに、前記生成物F1.0g(1.02mmol)、及びメタノール70.0mLを1時間還流した。室温まで冷却した後、ヒドラジン一水和物0.21mL(4.21mmol)を加え再び13時間還流した。反応後、蒸留水を15mL加え、メタノールを留去した。
次に、濃塩酸を5.0mL加え、2時間還流して得られた反応液を一晩冷蔵し、不純物を自然ろ過で除去した。
これを炭酸水素ナトリウムで中和した後、水を留去し、無機物をアセトニトリルで除去した。溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、下記の式(12)に示す電気化学的に活性な物質を得た(収率71.4%)。
Figure 2007014310
表1は、前述のようにして得た式(12)で示される物質の1H−NMR結果である。
(表1)
1H−NMR(300MHz、DMSO d−6)
σ:
1.68 (4H,m)
2.52 (3H,s)
2.84 (4H,m)
3.40 (2H,bs)
7.38 (2H,d)
7.58 (6H,m)
7.73 (4H,m)
8.15 (4H,t)
8.76 (2H,d)
8.86 (4H,d)
アルミホイルで遮光した容器に、ポリグルタミン酸ナトリウム塩(分子量15,000〜50,000)10mgを蒸留水1mLに溶解させ、そこにWSC635mg(3.31mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド38mg(331μmol)、及び前記(化28)84.7mg(99.3μmol)を添加し、1週間室温で撹拌させた。
この反応液に、アセトニトリル30mLを加えて、生成物を析出させた。その後、遠心分離機により生成物を沈殿させ、アセトニトリルで3回洗浄することにより、式(11)で示される、電気化学的に活性である物質が複数連鎖されてなる標識剤を採取した。
ここで採取した標識剤を、分光光度計を用いて確認した。まず、ルテニウム錯体の検量線からポリグルタミン酸に結合したルテニウム錯体のモル数を求めた。モル数から該標識剤に含まれるルテニウム錯体の質量を計算し、全体の質量から差し引くとポリグルタミン酸の質量が分かる。ポリグルタミン酸の質量からグルタミン酸1ユニットのモル数が分かり、そこから標識剤に含まれるルテニウム錯体の個数と結合量を求めることができる。
今回採取した標識剤では、グルタミン酸2ユニットにつきルテニウム錯体が1個結合している(式(11)参照)。つまり、ルテニウム錯体の総数と同等分、標識剤結合用プローブと結合する部位が存在するということになる。
このようにして得られた、標識剤を、平均分子量10000として、10mMPBSで10μMに調製した。この調製した溶液10μLに、1MのWSC水溶液1μLと、1MのNHS水溶液1μLとを添加して軽く撹拌した溶液12μLを、前記遺伝子サンプルと、前記標識剤結合用プローブと、電極に固定化された捕捉プローブとをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成した電極に滴下し、30分間振とう器で穏やかに反応させ、前記標識剤と前記標識剤結合用プローブとを化学結合させた後、界面活性剤を含む洗浄液で未反応物を除去した。
(4)電気化学測定
以上の工程の後、二本鎖核酸が形成された電極X、及び二本鎖核酸が形成されていない電極Yのそれぞれに、0.1MのPBS、及び0.1Mのトリエチルアミンを混合した電解液を80μL滴下した。その後、それぞれの電極X,Yに電圧を印加し、この時に生じた電気化学発光の測定を行った。なお、電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、3秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における最大発光量を測定した。
図1は、本実施例1における、二本鎖核酸が形成された電極X、及び二本鎖核酸が形成されていない電極Yにおいて検出された最大電気化学発光量を示したものである。
図1から明らかなように、二本鎖核酸が形成された電極Xでの発光量は、二本鎖核酸が形成されていない電極Yでの発光量と比較して著しく高い値となっており、本実施例1の標識剤を用いれば、高感度に二本鎖核酸を検出でき、結果、目的遺伝子サンプルを高感度に検出できることがわかる。
(1)固相への捕捉プローブの固定化
実施例2では、固相に磁気ビーズを使用した。磁気ビーズは、Bangs Laboratories社製のCM01N/5896ストレプトアビジン磁気ビーズを用いた(粒径0.35μm)。なお、捕捉プローブには、前記実施例1と同様のオリゴヌクレオチドで、その5’末端のリン酸基を介してビオチンを修飾したプローブを使用した。
まず、磁気ビーズを1mg採取し、TTLバッファー(500mM Tris−HCl(pH8.0):Tween20:2M塩化リチウム:超純水=2:10:5:3の体積比になるよう調製)で洗浄後、20μLのTTLバッファーに置換した。その後、100nMの核酸プローブを5μL添加し、室温で15分穏やかに振とうした。
溶液をデカントし、残留した磁気ビーズを0.15Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、TTバッファー(500mM Tris−HCl(pH8.0):Tween20:超純水=1:2:1の体積比になるよう調製)で洗浄した。
洗浄後、TTEバッファーに溶液を置換し、80℃で10分間インキュベートすることにより、不安定な結合を除去した。これにより、捕捉プローブが固定された磁気ビーズαを得た。
さらに、本実施例2においては、比較対象として、二本鎖核酸が形成されない磁気ビーズβを作成する。この二本鎖核酸が形成されない磁気ビーズβは、遺伝子サンプルと非相補的な配列を有する捕捉プローブ(以下、「非相補捕捉プローブ」と称する。)を使用して、前記核酸プローブと同様の処理をする。なお、ここでは、前記非相補捕捉プローブとして、30merのPoly−A、AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAAの配列を有する5’末端のリン酸基を介してビオチンを修飾したプローブを使用した。
このようにプローブを固定させた後、ビーズにコーティングされたアビジンのアミノ基と標識剤が結合しないように、蟻酸のカルボキシル末端にNHSを結合させて活性化させた1Mの溶液に1時間浸した。
浸漬後、TTバッファーと2XSSCで洗浄した。
(2)ハイブリダイゼーション
遺伝子サンプル、及び標識剤結合用プローブは、前記実施例1と同様のものを使用した。
前記捕捉プローブを固定した磁気ビーズに、2XSSCを14μL加え、そこに5μMに調製した遺伝子サンプル及び標識剤結合用プローブをそれぞれ4μL添加し、70℃で穏やかに振とうさせた。1時間振とうさせた後、溶液をデカントし、40℃に加温した2XSSCで洗浄した。
(3)標識剤結合用プローブと標識剤との化学結合
5μMに調製した前記(化27)4μLに、1MのWSC水溶液1μLと、1MのNHS水溶液1μLとを添加し、その溶液を前記(2)にて得た磁気ビーズに加え、1時間穏やかに反応させた。
反応後、溶液をデカントし、界面活性剤、及び電解液(0.1MのPBS及び0.1Mのトリエチルアミンを混合)で洗浄し、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズαを得た。
なお、非相補的な捕捉プローブを固定した磁気ビーズについても、上記と同様の処理を行い、二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズβを得た。
(4)電気化学測定
以上の工程の後、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズα、及び二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズβをそれぞれ5μLずつ電極に滴下した。電極の下には永久磁石のシートを取り付けており、作用極のみに磁気ビーズが集約するようにした。
5分静置後、前記磁気ビーズα,βが集約した電極Xα,Yβそれぞれに、電解液を75μL滴下した。その後、それぞれの磁気ビーズが集約した電極Xα,Yβに電圧を印加し、この時に生じた電気化学発光の測定を行った。なお、電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、3秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における最大発光量を測定した。
図2は、本実施例2における、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズの電極Xα、及び二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズの電極Yβにおいて検出された最大電気化学発光量を示したものである。
図2から明らかなように、二本鎖核酸が形成された磁気ビーズ電極Xαでの発光量は、二本鎖核酸が形成されていない磁気ビーズ電極Yβでの発光量と比較して著しく高い値となっており、本発明の標識剤を用いれば、高感度に二本鎖核酸の存在を検出でき、この結果、目的遺伝子サンプルの検出を高感度に行うことが可能であることがわかる。
本発明にかかる遺伝子検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を高感度に検出することができ、遺伝子診断、感染症診断、ゲノム創薬等の用途に適用できる。
本発明の実施例1における最大電気化学発光量を測定した図である。 本発明の実施例2における最大電気化学発光量を測定した図である。

Claims (33)

  1. 特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、
    前記検出すべき遺伝子を一本鎖に変性して遺伝子サンプルを作製する遺伝子サンプル作製工程と、
    前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する捕捉プローブを固相に固定化する固定化工程と、
    前記検出すべき遺伝子配列に対して相補的で、且つ前記捕捉プローブの塩基配列と異なる塩基配列を有する核酸プローブの末端に置換基が修飾された標識剤結合用プローブを作製する標識剤結合用プローブ作製工程と、
    前記固相に固定化された捕捉プローブと、前記遺伝子サンプルと、前記標識剤結合用プローブとをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、
    前記二本鎖核酸形成工程にて得た、二本鎖核酸が形成された遺伝子サンプルに、電気化学的に活性である物質が複数連鎖してなる標識剤を添加し、該二本鎖核酸に含まれる前記標識剤結合用プローブと前記標識剤とを化学結合させる反応工程と、
    前記反応工程にて化学結合させた前記標識剤を、電気化学的測定により検出する検出工程と、を含む、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  2. 請求項1に記載の遺伝子検出方法において、
    前記標識剤は、下記一般式(1)で表される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  3. 請求項1に記載の遺伝子検出方法において、
    前記標識剤は、下記一般式(2)で表される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  4. 請求項1に記載の遺伝子検出方法において、
    前記標識剤は、下記一般式(3)で表される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  5. 請求項1に記載の遺伝子検出方法において、
    前記標識剤は、下記一般式(4)で表される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  6. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の遺伝子検出方法において、
    前記標識剤結合用プローブと前記Saの化学結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、あるいは抗体−抗原結合のいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  7. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の遺伝子検出方法において、
    前記La、前記Sa、前記Eの結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、あるいは抗体−抗原結合のいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  8. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の遺伝子検出方法において、
    前記nは、2〜10000である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  9. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の遺伝子検出方法において、
    前記Laは、天然高分子または合成高分子である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  10. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の遺伝子検出方法において、
    前記Laは、糖、リン酸、ピリジン、アミノ酸、タンパク、メタクリル酸、アルキル、アルコール、アミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エステル、エチレン、カーボネート、ビニル、スチレンのいずれか、あるいはこれらの組み合わせから構成される、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  11. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の遺伝子検出方法において、
    前記Eは、前記Laに1〜10個化学結合している、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法
  12. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の遺伝子検出方法において、
    前記Eは、酸化還元性を有する化合物である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  13. 請求項12に記載の遺伝子検出方法において、
    前記酸化還元性を有する化合物は、電気化学発光を示す化合物である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  14. 請求項13に記載の遺伝子検出方法において、
    前記電気化学発光を示す化合物は、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、あるいはオクタテトラエンのいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  15. 請求項14に記載の遺伝子検出方法において、
    前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体は、配位子にピリジン部位を有する金属錯体である、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  16. 請求項15に記載の遺伝子検出方法において、
    前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体は、金属ビピリジン錯体、あるいは金属フェナントロリン錯体のいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  17. 請求項16に記載の遺伝子検出方法において、
    前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属は、ルテニウム、あるいはオスニウムのいずれかである、
    ことを特徴とする遺伝子検出方法。
  18. 特定の配列を有する検出すべき遺伝子を標識する標識剤において、
    前記標識剤は、前記検出すべき遺伝子に対して相補的な塩基配列を有し、且つその末端に置換基が修飾された標識剤結合用プローブの、前記置換基と化学結合する置換基と、
    電気化学的に活性である物質が複数連鎖してなる電気化学活性部位と、
    前記置換基と、前記電気化学活性部位とを連結する連結部位、とからなる、
    ことを特徴とする標識剤。
  19. 請求項18に記載の標識剤において、
    前記標識剤は、下記一般式(1)で表される、
    ことを特徴とする標識剤。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  20. 請求項18に記載の標識剤において、
    前記標識剤は、下記一般式(2)で表される、
    ことを特徴とする標識剤。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  21. 請求項18に記載の標識剤において、
    前記標識剤は、下記一般式(3)で表される、
    ことを特徴とする標識剤。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  22. 請求項18に記載の標識剤において、
    前記標識剤は、下記一般式(4)で表される、
    ことを特徴とする標識剤。
    Figure 2007014310
    (但し、式中、Saは前記標識剤結合用プローブと化学結合する置換基、Eは電気化学的に活性な電気化学活性部位、Laは前記Saと前記Eとを連結する連結部位、R1は水素、アルキル、アルコール、フェノール、カルボン酸、カルボン酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、スクシンイミド、水溶性スクシンイミド、エステル、アルデヒド、ケトン、チオール、エーテル、アミン、ニトロ、ニトリル、ハロゲン化合物、前記E、前記Sa、またはこれらの組み合わせからなる基である。)
  23. 請求項19ないし請求項22のいずれかに記載の標識剤において、
    前記La、前記Sa、前記Eの結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、イミノ結合、あるいは抗体−抗原結合のいずれかである、
    ことを特徴とする標識剤。
  24. 請求項19ないし請求項22のいずれかに記載の標識剤において、
    前記nは、2〜10000である、
    ことを特徴とする標識剤。
  25. 請求項19ないし請求項22のいずれかに記載の標識剤において、
    前記Laは、天然高分子または合成高分子である、
    ことを特徴とする標識剤。
  26. 請求項19ないし請求項22のいずれかに記載の標識剤において、
    前記Laは、糖、リン酸、ピリジン、アミノ酸、タンパク、メタクリル酸、アルキル、アルコール、アミド、イソプレン、ウレタン、ウロン酸、エステル、エチレン、カーボネート、ビニル、スチレンのいずれか、あるいはこれらの組み合わせから構成される
    ことを特徴とする標識剤。
  27. 請求項19ないし請求項22のいずれかに記載の標識剤において、
    前記Eは、前記Laに1〜10個化学結合している、
    ことを特徴とする標識剤。
  28. 請求項19ないし請求項22のいずれかに記載の標識剤において、
    前記Eは、酸化還元性を有する化合物である、
    ことを特徴とする標識剤。
  29. 請求項28に記載の標識剤において、
    前記酸化還元性を有する化合物は、電気化学発光を示す化合物である、
    ことを特徴とする標識剤。
  30. 請求項29に記載の標識剤において、
    前記電気化学発光を示す化合物は、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペリレン、ビナフチル、あるいはオクタテトラエンのいずれかである、
    ことを特徴とする標識剤。
  31. 請求項30に記載の標識剤において、
    前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体は、配位子にピリジン部位を有する金属錯体である、
    ことを特徴とする標識剤。
  32. 請求項31に記載の標識剤において、
    前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体は、金属ビピリジン錯体、あるいは金属フェナントロリン錯体のいずれかである、
    ことを特徴とする標識剤。
  33. 請求項33に記載の標識剤において、
    前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属は、ルテニウム、あるいはオスニウムのいずれかである、
    ことを特徴とする標識剤。
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