JP2007303305A - 内燃機関の燃料噴射制御システム - Google Patents

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卓 伊吹
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Abstract

【課題】本発明は、加速運転時に燃料噴射量を増量補正する圧縮着火式内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、加速運転時の圧縮端温度を所望の温度まで速やかに上昇させることを課題とする。
【解決手段】本発明は、上記した課題を解決するために、機関負荷の増加に伴う燃料噴射量の増量補正に加え、筒内残留ガスの温度を上昇させるための増量補正を行うことにより、加速運転時における気筒内の圧縮端温度を早期に目標の温度まで上昇させ、着火遅れ期間の増加に伴う失火やトルクの低下を抑制するようにした。
【選択図】図7

Description

本発明は、圧縮着火式内燃機関の加速運転時に燃料噴射量を増量補正する燃料噴射制御技術に関する。
圧縮着火式内燃機関の加速運転時は、気筒内の圧縮端温度(ピストンが圧縮上死点に位置する時の気筒内の温度)が速やかに上昇し難いため、燃料の着火遅れ期間が増加する可能性があった。
これに対し、従来では、可変動弁機構を利用した実圧縮比の上昇又はEGRガスの冷却度合いを低くすることにより、圧縮端温度を上昇させようとする技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−107820号公報
本発明の目的は、圧縮着火式内燃機関の加速運転時に燃料噴射量を増量補正する内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、燃料噴射量の増量補正量を最適化することにより圧縮端温度を所望の温度まで速やかに上昇させることにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、圧縮着火式内燃機関の加速運転時に燃料噴射量を増量させる内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、機関負荷の増加に伴う燃料噴射量の増量補正に加え、気筒内に残留するガス(以下、「筒内残留ガス」と称する)の温度を考慮して燃料噴射量の増量補正を行うことにより、気筒の圧縮端温度を早期に目標温度へ到達させるようにした。
圧縮着火式内燃機関(以下、単に「内燃機関」と称する)が加速運転されると、機関負荷の増加分(言い換えれば、要求トルクの増加分)に見合う量の燃料が燃料噴射量に加算される。
しかしながら、機関負荷の増加分に見合う量の燃料が燃料噴射量に加算されるのみでは、気筒内の圧縮端温度が速やかに上昇せず、燃料が着火し難くなる場合がある。この場合、着火遅れ期間の増加や失火等が生じ、内燃機関のトルクが好適に増加しないばかりかスモークの発生やディーゼルノックの発生を招く可能性もある。
このため、内燃機関が加速運転された時は圧縮端温度を速やかに上昇させ、着火遅れ期間の増加や失火を抑制することが望ましい。
このような要求に対し本願発明者が鋭意の実験と検証を行った結果、内燃機関が加速運転された時の圧縮端温度は、先ず筒内残留ガスの熱を受けて急速に昇温した後に、燃焼室壁面(ピストン頂面、シリンダボア壁面、シリンダヘッド底面など)の熱を受けて穏やかに昇温することが判明した。これは、気筒内の圧縮端温度が筒内残留ガス温度の変化に速やかに追従することを意味する。
従って、内燃機関の加速運転時に圧縮端温度を速やかに昇温させるためには、筒内残留ガスの温度を速やかに上昇させることが有効である。
そこで、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御システムは、内燃機関の加速運転時に、筒内残留ガス温度と燃料噴射量との相関関係に基づいて燃料噴射量を増量補正するようにした。
詳細には、本発明は、圧縮着火式内燃機関の加速運転時に燃料噴射量を増量補正する内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、筒内残留ガス温度と燃料噴射量との相関関係に基づいて燃料噴射量の増量補正量を制御する制御手段を備えるようにした。
かかる内燃機関の燃料噴射制御システムによれば、筒内残留ガス温度と燃料噴射量との相関関係に基づいて実際の燃料噴射量が増量補正されるため、筒内残留ガス温度を速やかに上昇させることが可能となる。
筒内残留ガス温度は加速運転開始直後の圧縮端温度を支配する要因であるため、筒内残留ガス温度が上昇すると、それに追従して圧縮端温度も速やかに上昇する。
このように気筒内の圧縮端温度が速やかに昇温すると、着火遅れ期間の増加が抑制されるため、内燃機関のトルクが要求トルクより低下し、若しくは内燃機関から排出されるスモークが増加する等の不具合が解消される。
また、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御システムは、気筒内の実際の圧縮端温度を検出する検出手段を更に備え、制御手段は、検出手段により検出された圧縮端温度が所望の目標圧縮端温度に比して所定値以上低い場合に筒内残留ガス温度と燃料噴射量との相関関係に基づいて燃料噴射量の増量補正量を増加させるようにしてもよい。
このような内燃機関の燃料噴射制御システムによれば、実際の圧縮端温度と目標圧縮端温度との差が大きい時に、筒内残留ガス温度を考慮した燃料噴射量の増量補正が行われることになるため、圧縮端温度を早期に目標圧縮端温度まで上昇させることができる。
また、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御システムは、気筒内の実際の圧縮端温度を燃料噴射量の決定前に予測し、予測された圧縮端温度と目標圧縮端温度との差に基づいて燃料噴射量の増量補正量をフィードフォワード制御することもできる。
ところで、気筒内の圧縮端温度は、前述したように、筒内残留ガス温度の上昇に伴って急速に上昇した後に燃焼室壁面の熱を受けて穏やかに上昇する。このため、気筒内の圧縮端温度は、筒内残留ガス温度の上昇によって目標圧縮端温度に到達した後も、燃焼室壁面の熱を受けて更に上昇する。
そこで、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御システムでは、圧縮端温度と目標圧縮端温度の差が所定値より小さくなった場合に、制御手段が燃料噴射量を減量補正することにより圧縮端温度の過剰な上昇を抑制するようにしてもよい。
その際、制御手段は、燃焼室壁面の温度と圧縮端温度との相関関係に基づいて減量補正量を決定するようにしてもよい。すなわち、制御手段は、燃焼室壁面温度の影響による圧縮端温度の上昇分を考慮して燃料噴射量を減量補正するようにしてもよい。
この場合、燃焼室壁面の温度上昇に伴う圧縮端温度の更なる上昇分を筒内残留ガス温度の低下によって相殺することが可能となる。その結果、圧縮端温度の過昇温が抑制される。
本発明によれば、圧縮着火式内燃機関の加速運転時に燃料噴射量を増量補正する内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、圧縮端温度を速やかに所望の温度まで上昇させることが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図1〜図11に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、予混合燃焼運転モードと拡散燃焼運転モードを適宜切り換え可能な圧縮着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)である。
内燃機関1の各気筒2には、燃料噴射弁3が取り付けられている。燃料噴射弁3は、は、コモンレール30において昇圧された燃料を気筒2内へ噴射する。また、各気筒2には、吸気通路4が連通している。
吸気通路4の途中には、ターボチャージャ5のコンプレッサハウジング50とインタークーラ6が配置されている。コンプレッサハウジング50により過給された吸気は、インタークーラ6で冷却された後に各気筒2内へ導入される。各気筒2内へ導かれた吸気は、燃料噴射弁3から噴射された燃料とともに気筒2内で着火及び燃焼される。
各気筒2内で燃焼されたガス(既燃ガス)は、排気通路7へ排出される。排気通路7へ排出された排気は、排気通路7の途中に配置されたタービンハウジング51及び排気浄化触媒8を経由して大気中へ放出される。
前記した吸気通路4のインタークーラ6より下流の部位と排気通路7のタービンハウジング51より上流の部位は、EGR通路9により相互に接続されている。EGR通路9の途中には、該EGR通路9を流れる排気(以下、「EGRガス」と称する)の流量を調節するEGR弁10と、該EGR通路9を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ11が配置されている。
EGRガスの量は、吸気通路4のインタークーラ6より下流且つEGR通路9の接続部より上流の部位に配置された吸気絞り弁12の開度、および/またはEGR弁9の開度により調量されるようになっている。
上記した燃料噴射弁3、EGR弁10、及び、吸気絞り弁12は、ECU13によって電気的に制御される。ECU13は、エアフローメータ14、吸気温度センサ15、吸気圧センサ16、水温センサ17、空燃比センサ19、アクセルポジションセンサ20、若しくはコモンレール圧センサ31等の各種センサと電気的に接続され、それらセンサの測定値に基づいて燃料噴射弁3、EGR弁10、及び吸気絞り弁12を制御する。
例えば、ECU13は、内燃機関1の負荷(アクセルポジションセンサ20の出力信号(アクセル開度))Accp及び機関回転数Neから定まる機関運転状態に応じて内燃機関1の運転モードを切り換える。
図2は、機関運転状態と運転モードとの関係を規定したマップである。ECU13は、機関運転状態が図2の予混合燃焼運転領域にある時は、内燃機関1を予混合燃焼運転モードで運転させる。一方、機関運転状態が図2の拡散燃焼運転領域にある時は、ECU13は内燃機関1を拡散燃焼運転モードで運転させる。
内燃機関1が予混合燃焼運転モードで運転させられる場合には、ECU13は、図3に示すように、圧縮上死点より早い時期(圧縮行程の初期又は中期)に燃料噴射弁3から燃料噴射(予混合噴射)を行わせることにより、噴射燃料を気筒2内の吸気と混合させた後に圧縮自着火させる。
内燃機関1が拡散燃焼運転モードで運転させられる場合には、ECU13は、図4に示すように、圧縮上死点より早い時期に少量の燃料をパイロット噴射させるとともに圧縮上死点近傍において多量の燃料を噴射(メイン噴射)させて拡散燃焼を生起させる。
ところで、内燃機関1が定常運転状態から加速運転状態へ移行すると、ECU13は燃料噴射量を増量補正する。その際の増量補正量は、機関負荷の増加分(言い換えれば、要求トルクの増加分)に見合う量となる。
しかしながら、機関負荷の増加分に見合う量の燃料が増量補正(以下、「加速増量補正」と称する)されるのみでは、図5に示すように、実際の圧縮端温度が目標圧縮端温度Tcmptrgまで速やかに上昇しない場合がある。
この場合、燃料噴射弁3から噴射された燃料が着火し難くなるため、着火遅れ期間の増加や失火等が生じる。その結果、内燃機関の実際のトルクが要求トルクの上昇に追従することができなくなるとともに、スモークの発生やディーゼルノックの発生を招く可能性もある。これらの不具合は、1サイクル当たりの燃料噴射回数が1回のみとなる予混合燃焼運転領域において顕著となる。
これに対し、本願発明者が鋭意の実験と検証を行った結果、内燃機関1が加速運転された時の圧縮端温度は、図6に示すように、先ず筒内残留ガスの熱を受けて急速に昇温(図6中の期間A)した後に、燃焼室壁面(ピストン頂面、シリンダボア壁面、シリンダヘッド底面など)の熱を受けて穏やかに昇温(図6中の期間B)することが判明した。
これは、筒内残留ガス温度の変化が即座に圧縮端温度へ反映されることを意味する。よって、筒内残留ガス温度が速やかに上昇すると、それに追従して圧縮端温度も速やかに上昇することになる。
そこで、本実施例の内燃機関の燃料噴射制御システムでは、ECU13は、内燃機関1の加速運転時に、上記の加速増量補正に加え、筒内残留ガスの温度を上昇させるための増量補正(以下、「温度増量補正」と称する)を行うようにした。
以下、温度増量補正の実施手順について図7を参照しつつ説明する。図7は、内燃機関1の加速運転時における燃料噴射量の変化と圧縮端温度の変化を同一時間軸上に示した図である。
図7中の実線は加速増量補正及び温度増量補正が実施された場合の燃料噴射量及び圧縮端温度を示し、図7中の点線は加速増量補正のみが実施された場合の燃料噴射量及び圧縮端温度を示している。
ECU13は、先ず図7に示す燃料噴射量の増量期間(図7中の期間A)において加速増量補正△Q1に加えて温度増量補正△Q2を行う。すなわち、ECU13は、内燃機関1が加速運転される直前の燃料噴射量Qに加速増量補正△Q1と温度増量補正△Q2を加算することにより、燃料噴射量(=Q+△Q1+△Q2)を決定する。
前記温度増量補正△Q2は、以下の手順により決定される。先ず、ECU13は、加速
増量補正△Q1が加算された燃料噴射量Q1(=Q+△Q1)に基づいて次サイクルにおける圧縮端温度Tcmpを予測する。
ここで、筒内残留ガス温度と圧縮端温度は、図8に示すように略線形関係となる。また、筒内残留ガス温度と燃料噴射量も、図9に示すように略線形関係となる。
図8に示した筒内残留ガス温度と圧縮端温度との関係、及び図9に示した筒内残留ガス温度と燃料噴射量との関係は、予めマップ化されてECU13のROMに記憶されるようにしてよい。
ECU13は、前記燃料噴射量Q1と図8のマップから筒内残留ガス温度を求め、その筒内残留ガス温度と図9のマップから次サイクルの圧縮端温度Tcmpを予測する。
尚、図8及び図9の関係から図10に示すような圧縮端温度と燃料噴射量との関係を示すマップを求めておくことにより、前記燃料噴射量Q1と図10のマップから次サイクルの圧縮端温度Tcmpが直接予測されるようにしてもよい。
但し、気筒2内の圧縮端温度は、筒内残留ガス温度に加え、機関運転状態(機関回転数、吸気圧(吸気圧センサ16の測定値)、吸気温度(吸気温度センサ15の測定値)、冷却水温度(水温センサ17の測定値)、噴射時期、或いは噴射圧力(コモンレール圧センサ31の測定値)等)の影響も受けるため、図10のマップは機関運転状態毎に設けられることが好ましい。
次に、ECU13は、図10のマップと目標圧縮端温度Tcmptrgから実際の圧縮端温度が目標圧縮端温度Tcmptrgへ上昇するために必要な燃料噴射量Q2(以下、「目標燃料噴射量Q2」と称する)を求める。
ECU13は、前記燃料噴射量Q1と前記目標燃料噴射量Q2との差を演算し、その演算結果を温度増量補正△Q2(=Q2−Q1)として定める。尚、ECU13は、前記目標圧縮端温度Tcmptrgと前記圧縮端温度Tcmpの差△T(=Tcmptrg−Tcmp)を、燃料噴射量の変化に対する圧縮端温度の変化の比率(図10に示す直線の傾き)kで除算することにより△Q2(=△T/k)を求めるようにしてもよい。
このようにして温度増量補正△Q2が定められると、燃料噴射量は目標燃料噴射量Q2と同量になるため、次サイクルの圧縮端温度が目標圧縮端温度Tcmptrgまで上昇するようになる。
一方、圧縮端温度は筒内残留ガス温度の影響により上昇した後は、燃焼室壁面温度の影響を受けて更に上昇するため、圧縮端温度が目標圧縮端温度Tcmptrgを超過する可能性がある(図7中の破線を参照)。
気筒2内の圧縮端温度が目標圧縮端温度Tcmptrgを超過すると、燃料の着火遅れ期間が過剰に短くなって過早着火を誘発する虞がある。
これに対し、ECU13は、気筒2内の圧縮端温度が目標圧縮端温度Tcmptrgに到達若しくは近似すると、燃料噴射量を減量補正する。その際の減量補正量は、燃焼室壁面の温度と圧縮端温度との相関に基づいて定められる。
燃焼室壁面温度は、機関回転数、吸気圧、吸気温度、冷却水温度、燃料噴射量、噴射時期、及び噴射圧力(コモンレール圧)等をパラメータとするモデルを用いて推定すること
が可能である。ECU21は、推定された燃焼室壁面温度から圧縮端温度の上昇量(図7の△t)を求める。その際、圧縮端温度は燃焼室壁面温度が高くなるほど高くなる傾向があるため、圧縮端温度の上昇量△tは燃焼室壁面温度が高くなるほど多くなる。
続いて、ECU13は、前述した図10のマップを用いて、気筒2内の圧縮端温度を前記上昇量△tと同量低下させるのに必要な燃料噴射量の減少量△Q3を演算する。ECU13は、前記した燃料噴射量Q(=Q2)から前記減少量△Q3を減算して目標燃料噴射量Q(=Q2−△Q3)を決定する。
このように燃料噴射量の減少補正が行われると、筒内残留ガス温度が低下するため、燃焼室壁面温度の影響による圧縮端温度の上昇分が相殺されるようになる。その結果、気筒2内の圧縮端温度が過剰に上昇することが抑制される。
次に、本実施例における燃料噴射量の増量補正について図11に沿って説明する。図11は、加速運転時における燃料噴射量の増量補正制御ルーチンを示すフローチャートである。この増量補正制御ルーチンは、ECU13のROMに記憶されているルーチンであり、ECU13によって所定期間毎に繰り返し実行される。
増量補正制御ルーチンでは、ECU13は、先ずS101において温度増量フラグの値を“0“にリセットする。温度増量フラグは、ECU13のRAM又はバックアップRAMに設定されている記憶領域であり、内燃機関1の運転状態が加速運転状態にある時に“1”がセットされる。
S102では、ECU13は、内燃機関1が加速運転状態にあるか否か、若しくは温度増量フラグに“1”がセットされているか否かを判別する。前記S102において否定判定された場合(内燃機関1が加速運転状態になく且つ温度増量フラグが“0”である場合)は、ECU13は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、前記S102において肯定判定された場合は、ECU13は、S103へ進む。
S103では、ECU13は、前述した温度増量フラグに“1”をセットする。
S104では、ECU13は、吸気圧センサ16の測定値(吸気圧力)、エアフローメータ14の測定値(吸入空気量)、吸気温度センサ15の測定値(吸気温度)、水温センサ17の測定値(冷却水温度)、コモンレール圧センサ31の測定値(燃料噴射圧力)、機関回転数、燃料噴射量(温度増量補正△Q2が加算される前の燃料噴射量Q1(=Q+△Q1))、燃料噴射時期等の各種データを読み込む。
S105では、前記S104で読み込まれたデータと前述した図10のマップ(若しくは演算モデル)に基づいて、次サイクルの圧縮端温度Tcmpを予測する。
S106では、ECU13は、目標圧縮端温度Tcmptrgから前記圧縮端温度Tcmpを減算することにより温度差△Tを算出する。
S107では、ECU13は、前記S106で算出された温度差△Tが所定値aより大きいか否かを判別する。
前記S107において肯定判定された場合(△T>a)は、ECU13は、S108へ進む。S108では、ECU13は、前記目標圧縮端温度Tcmptrg、前記圧縮端温度Tcmp、及び前記図10のマップに基づいて温度増量補正△Q2(=△T/k=(Tcmptarg−Tcmp)/k)を演算する。
S109では、ECU13は、前記温度増量補正△Q2を用いて目標燃料噴射量Q(=Q+△Q1+△Q2)を決定する。
ECU13は、前記S109の処理を実行し終えると、前述したS102以降の処理を再度実行する。その際、内燃機関1の加速運転状態が継続されており、若しくは温度増量フラグが“1”であれば、ECU13は、S103以降の処理を再度実行する。
このように燃料噴射量の温度増量補正が行われると、筒内残留ガス温度の上昇により圧縮端温度が目標圧縮端温度まで速やかに昇温する。その結果、次サイクルにおいて燃料の着火遅れ期間が不要に増加せず、内燃機関1が要求トルクを発生することが可能となる。
また、前記S107において否定判定された場合(△T≦a)は、ECU13は、S110へ進み、前記S104で読み込まれたデータから燃焼室壁面温度を推定し、推定された燃焼室壁面温度から圧縮端温度の上昇量△tを求める。
S111では、ECU13は、前記上昇量△tが所定値bより大きいか否かを判別する。前記S111で否定判定された場合(△t≦b)は、ECU13はS114において温度増量フラグを“0”にリセットして本ルーチンの実行を終了する。また、前記S111において肯定判定された場合(△t>b)は、ECU13は、S112へ進む。
S112では、ECU13は、図10のマップを用いて、気筒2内の圧縮端温度を前記上昇量△tと同量低下させるのに必要な燃料噴射量の減少量△Q3を演算する。
S113では、ECU13は、目標燃料噴射量Qを前記減少量△Q3により減量補正(Q=Q−△Q3)を行う。
筒内残留ガスの影響により圧縮端温度が目標圧縮端温度の近傍まで昇温した後に、燃料噴射量が減量補正されると、筒内残留ガス温度が低下するため燃焼室壁面の熱による圧縮端温度の上昇分が相殺される。その結果、圧縮端温度が目標圧縮端温度Tcmptrgを超過することが抑制される。
以上述べたようにECU13が図11の増量補正制御ルーチンを実行することにより、本発明に係る検出手段及び制御手段が実現される。従って、本実施例の内燃機関の燃料噴射制御システムによれば、加速運転時の圧縮端温度を速やかに目標圧縮端温度まで昇温させることが可能となる。その結果、着火遅れ期間の増加に伴う失火やトルクの低下が抑制される。
尚、本実施例では、次サイクルの圧縮端温度を予測することにより温度増量補正量がフィードフォワード制御される例について述べたが、圧縮端温度の実測値と目標圧縮端温度との差に基づいて温度増量補正量をフィードバック制御するようにしてもよいことは勿論である。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 内燃機関の予混合燃焼運転領域と拡散燃焼運転領域を示す図である。 予混合燃焼運転時の燃料噴射方法を示すタイミングチャートである。 拡散燃焼運転時の燃料噴射方法を示すタイミングチャートである。 加速運転時における圧縮端温度の挙動を示すタイミングチャートである。 圧縮端温度に対する筒内残留ガス温度と燃焼室壁面温度の影響を説明する図である。 温度増量補正を実施した場合の圧縮端温度の挙動を示す図である。 筒内残留ガス温度と燃料噴射量との関係を示す図である。 圧縮端温度と筒内残留ガス温度との関係を示す図である。 図8及び図9の関係から定まる圧縮端温度と燃料噴射量との関係を示す図である。 本実施例における燃料噴射量の増量補正制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒
3・・・・・燃料噴射弁
13・・・・ECU
14・・・・エアフローメータ
15・・・・吸気温度センサ
16・・・・吸気圧センサ
17・・・・水温センサ
18・・・・クランクポジションセンサ
31・・・・コモンレール圧センサ

Claims (5)

  1. 圧縮着火式内燃機関の加速運転時に燃料噴射量を増量補正する内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、
    前記内燃機関の気筒内に残留するガスの温度と燃料噴射量との相関関係に基づいて燃料噴射量の増量補正量を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
  2. 請求項1において、前記気筒内の圧縮端温度を検出する検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記検出手段により検出された圧縮端温度が目標圧縮端温度より所定値以上低い場合は、前記気筒内に残留するガスの温度を上昇させるべく前記増量補正量を増加させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
  3. 請求項2において、前記制御手段は、前記圧縮端温度と前記目標圧縮端温度の差が前記所定値より小さくなった場合は、燃料噴射量を減量補正することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
  4. 請求項3において、前記制御手段は、燃焼室の壁面温度と圧縮端温度との相関関係に基づいて減量補正量を決定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システム。
  5. 圧縮着火式内燃機関の加速運転時に燃料噴射量を増量補正する内燃機関の燃料噴射制御方法において、
    前記内燃機関の気筒内における圧縮端温度と目標圧縮端温度の差を求め、
    前記差が所定値より大きい場合は前記気筒内に残留するガスの温度と燃料噴射量との相関関係に基づいて燃料噴射量の増量補正量を増加させ、
    前記差が所定値より小さい場合は前記気筒の燃焼室壁面温度と圧縮端温度との相関関係に基づいて燃料噴射量を減量補正することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
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