JP6175773B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、予混合圧縮着火(PCCI)燃焼を行うエンジンの燃焼制御装置に関するものである。
予混合圧縮着火燃焼を行うエンジンの燃焼制御装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の燃焼制御装置は、実際の着火時期を検出し、低温予混合燃焼域であるときに、実際の着火時期と着火時期目標値とを比較し、実際の着火時期が噴射終わり時期と同じまたは噴射終わり時期より遅角側となるように着火時期を制御するというものである。
特開平11−107820号公報
しかしながら、上記従来技術においては、着火時期をフィードバック制御しているため、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼(拡散燃焼)から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時には、制御遅れにより着火時期の制御が不安定にならざるを得ない。このため、例えば着火遅れが目標値よりも短縮し、燃焼騒音の悪化、NOx排出量の増大、トルク変動等が発生する可能性がある。
本発明の目的は、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時においても、適切な予混合圧縮着火燃焼を実現することができる燃焼制御装置を提供することである。
本発明は、予混合圧縮着火燃焼を行うエンジンの燃焼制御装置において、エンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、メイン噴射を含む燃料噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定する燃料噴射条件決定手段と、燃料噴射弁から燃料を噴射させる前に燃料噴射による着火遅れを推定する着火遅れ推定手段と、予混合圧縮着火燃焼を行う際の目標着火遅れを求める目標着火遅れ設定手段と、着火遅れ推定手段により得られた推定着火遅れと目標着火遅れ設定手段により得られた目標着火遅れとの着火遅れ偏差を算出する着火遅れ偏差算出手段と、推定着火遅れが目標着火遅れよりも所定量以上短いときに、メイン噴射の前に実施されるプレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定するプレ噴射追加補正手段とを備えることを特徴とするものである。
予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼(拡散燃焼)から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時には、着火遅れが目標値から乖離することで、燃焼騒音の増大が生じやすくなる。そこで、本発明の燃焼制御装置においては、燃料噴射弁から燃料を噴射させる前に燃料噴射による着火遅れを推定して、推定着火遅れを求める共に、予混合圧縮着火燃焼を行う際の目標着火遅れを求め、推定着火遅れと目標着火遅れとの着火遅れ偏差を算出し、推定着火遅れが目標着火遅れよりも所定量以上短いときに、メイン噴射の前に実施されるプレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定する。従って、メイン噴射が実施される前には、プレ噴射が実施されることになる。これにより、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に、燃焼騒音を低減することができる。
好ましくは、プレ噴射追加補正手段は、燃料噴射条件決定手段によりプレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期が決定されていない場合に、プレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定する。
例えば、エンジンの負荷が低いときは、プレ噴射を実施することがある。このような場合には、推定着火遅れが目標着火遅れよりも所定量以上短いときでも、プレ噴射を実施しないようにすることで、必要以上のプレ噴射の実施を防ぐことができる。
また、好ましくは、推定着火遅れが目標着火遅れよりも短いときに、着火遅れ偏差算出手段により算出された着火遅れ偏差に応じて、燃料噴射条件決定手段により決定された燃料噴射の燃料噴射時期を遅角する噴射時期遅角補正手段を更に備える。
このように推定着火遅れが目標着火遅れよりも短いときには、着火遅れ偏差に応じて燃料噴射時期を遅角することにより、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に、燃焼騒音を更に低減することができると共に、NOx排出量の増加を抑制することができる。
さらに、好ましくは、推定着火遅れが目標着火遅れよりも長いときに、着火遅れ偏差算出手段により算出された着火遅れ偏差に応じて、燃料噴射条件決定手段により決定された燃料噴射の燃料噴射時期を進角する噴射時期進角補正手段を更に備える。
このように推定着火遅れが目標着火遅れよりも長いときには、着火遅れ偏差に応じて燃料噴射時期を進角することにより、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に、失火を抑制することができる。
また、好ましくは、着火遅れ偏差算出手段により算出された着火遅れ偏差に応じて、燃料噴射条件決定手段により決定されたメイン噴射の燃料噴射量を変更するメイン噴射量変更補正手段を更に備える。
例えば、エンジントルクが必要以上に低いときは、着火遅れ偏差に応じてメイン噴射の燃料噴射量を増やすことで、エンジントルクを上げ、エンジントルクが必要以上に高いときは、着火遅れ偏差に応じてメイン噴射の燃料噴射量を減らすことで、エンジントルクを下げるようにする。これにより、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に、エンジントルクの変動を抑制することができる。
さらに、好ましくは、着火遅れ推定手段は、燃焼室内の酸素量を検出する手段と、燃焼室内のガス温度を検出する手段とを有し、燃焼室内の酸素量及び燃焼室内のガス温度を用いて、着火遅れを推定する。
予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時には、燃焼室内の酸素量及びガス温度のずれによって着火遅れが目標値から乖離しやすくなる。従って、燃焼室内の酸素量及びガス温度を検出し、それらを用いて着火遅れを推定することにより、高精度な推定着火遅れを得ることができる。これにより、プレ噴射の追加等といった燃料噴射条件の補正をより適切に行うことができる。
このとき、好ましくは、エンジンの回転数を検出する回転数検出手段を更に備え、着火遅れ推定手段は、燃焼室内の酸素量、燃焼室内のガス温度、燃料噴射時期及びエンジンの回転数を用いて、着火遅れを推定する。
着火遅れは、燃料噴射時期及びエンジンの回転数にも影響を受ける。従って、エンジンの回転数を検出し、燃料噴射時期及びエンジンの回転数も用いて着火遅れを推定することにより、より高精度な推定着火遅れを得ることができる。
また、燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を検出する噴射圧検出手段を更に備え、着火遅れ推定手段は、燃焼室内の酸素量、燃焼室内のガス温度及び燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を用いて、着火遅れを推定しても良い。
目標値からの着火遅れの乖離は、燃料噴射弁からの燃料の噴射圧のずれによっても生じ得る。従って、燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を検出し、その噴射圧も用いて着火遅れを推定することにより、より高精度な推定着火遅れを得ることができる。
さらに、エンジンの周囲環境状況を検出する周囲環境検出手段を更に備え、着火遅れ推定手段は、燃焼室内の酸素量、燃焼室内のガス温度及びエンジンの周囲環境状況を用いて、着火遅れを推定しても良い。
推定着火遅れは、エンジンの周囲環境状況(外気温、気圧、冷却水温等)によって変動する。従って、エンジンの周囲環境状況を検出し、その周囲環境状況も用いて着火遅れを推定することにより、より高精度な推定着火遅れを得ることができる。
本発明によれば、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時においても、適切な予混合圧縮着火燃焼を実現することができる。
本発明に係る燃焼制御装置の一実施形態を備えたディーゼルエンジンを示す概略構成図である。 図1に示した燃焼制御装置の構成を示すブロック図である。 図2に示した燃料噴射条件設定部により実行される燃料噴射条件設定処理手順の詳細を示すフローチャートである。 図3に示した手順S106において着火遅れを推定する機能を示すブロック図である。 筒内酸素量及び燃料噴射前の筒内ガス温に対する着火遅れ感度を表す第1着火遅れ感度マップの一例を示すグラフである。 燃料噴射時期及びエンジン回転数に対する着火遅れ感度を表す第2着火遅れ感度マップの一例を示すグラフである。 クランク角と筒内ガス温との関係の一例を示すグラフである。 燃料噴射圧に対する着火遅れ感度を表す第3着火遅れ感度マップの一例を示すグラフである。 プレ噴射を行った場合における熱発生率波形(燃焼波形)の一例を示すグラフである。 プレ噴射を行った場合とプレ噴射を行わない場合とにおける筒内酸素量に対する着火遅れ感度の一例を比較して示すグラフである。 図2に示した燃料噴射制御部により実行される燃料噴射制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。 通常燃焼(拡散燃焼)から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時における筒内ガス条件、着火遅れ及び燃料噴射条件の一例を示すタイミング図である。 実際の着火遅れが着火遅れ目標値から短縮した場合における熱発生率波形(燃焼波形)の一例を示すグラフである。
以下、本発明に係る燃焼制御装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃焼制御装置の一実施形態を備えたディーゼルエンジンを示す概略構成図である。同図において、本実施形態に係るディーゼルエンジン1は、コモンレール式の4気筒直列ディーゼルエンジンである。ディーゼルエンジン1はエンジン本体2を備え、このエンジン本体2には4つのシリンダ(気筒)3が設けられている。
各シリンダ3には、燃焼室4内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)5がそれぞれ配設されている。各インジェクタ5はコモンレール6に接続されており、コモンレール6に貯留された高圧燃料が各インジェクタ5に常時供給されている。
エンジン本体2には、燃焼室4内に空気を吸入するための吸気通路7がインテークマニホールド8を介して接続されている。また、エンジン本体2には、燃焼後の排気ガスを排出するための排気通路9がエキゾーストマニホールド10を介して接続されている。
吸気通路7には、上流側から下流側に向けてエアクリーナー11、ターボ過給機12のコンプレッサ13、インタークーラー14及びスロットルバルブ15が設けられている。排気通路9には、上流側から下流側に向けてターボ過給機12のタービン16及びDPF付き触媒17が設けられている。
また、ディーゼルエンジン1は、燃焼後の排気ガスの一部を排気再循環ガス(EGRガス)として燃焼室4内に還流する排気再循環(EGR)ユニット18を備えている。EGRユニット18は、吸気通路7とエキゾーストマニホールド10とを繋ぐように設けられ、EGRガスを還流するためのEGR通路19と、エキゾーストマニホールド10から吸気通路7へのEGRガスの還流量を調整するEGRバルブ20と、EGR通路19を通るEGRガスを冷却するEGRクーラ21と、このEGRクーラ21をバイパスするようにEGR通路19に接続されたバイパス通路22と、EGRガスの流路をEGRクーラ21側またはバイパス通路22側に切り替える切替弁23とを有している。
さらに、ディーゼルエンジン1は、図2に示すように、回転数センサ24と、アクセル開度センサ25と、エアフローメータ26と、インマニ圧センサ27と、噴射圧センサ28と、外気温センサ29と、気圧センサ30と、水温センサ31と、電子制御ユニット(ECU)32とを備えている。
回転数センサ24は、エンジン本体2の回転数(エンジン回転数)を検出するセンサ(回転数検出手段)である。回転数センサ24は、例えばクランクシャフト(図示せず)の回転角度(クランク角)を検出することで、エンジン回転数を検出する。
アクセル開度センサ25は、エンジン本体2の負荷(エンジン負荷)の代替値として、アクセルペダルの踏込み角(アクセル開度)を検出するセンサである。なお、本実施形態のようなコモンレール式燃料噴射装置を備えたディーゼルエンジン1では、燃料噴射量を電子制御しており、エンジン負荷の代替値として燃料噴射量を用いることも可能である。
エアフローメータ26は、吸気通路7から燃焼室4内に吸入される空気量(新気量)を検出するセンサである。インマニ圧センサ27は、インテークマニホールド8の圧力(インマニ圧)つまり過給圧を検出するセンサである。噴射圧センサ28は、各インジェクタ5からの燃料の噴射圧を検出するセンサ(噴射圧検出手段)である。噴射圧センサ28は、例えばコモンレール6の圧力(コモンレール圧)を噴射圧として検出する。
外気温センサ29は、外気温を検出するセンサである。気圧センサ30は、気圧を検出するセンサである。水温センサ31は、エンジン本体2内を流れる冷却水の温度(冷却水温)を検出するセンサである。外気温センサ29、気圧センサ30及び水温センサ31は、エンジン1の周囲環境状況を検出する周囲環境検出手段を構成している。
ECU32は、燃料噴射条件設定部33と、燃料噴射制御部34とを有している。燃料噴射条件設定部33は、上記のセンサ24〜31の検出値に基づいて所定の処理を行い、燃料噴射条件を設定する。燃料噴射制御部34は、燃料噴射条件設定部33で設定された燃料噴射条件に応じて各インジェクタ5を制御することで、各燃焼室4内への燃料噴射を制御する。なお、燃料噴射条件設定部33及び燃料噴射制御部34の具体的な処理手順については、後で詳述する。
ここで、各インジェクタ5、センサ24〜31及びECU32は、本実施形態の燃焼制御装置35を構成している。このような燃焼制御装置35は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程という1サイクルにおいて、各インジェクタ5から燃料を複数回に分けて噴射する分割噴射の予混合圧縮着火燃焼を行うように制御する。
図3は、ECU32の燃料噴射条件設定部33により実行される燃料噴射条件設定処理手順の詳細を示すフローチャートである。なお、本処理は、各シリンダ3毎に実行される。
同図において、まず回転数センサ24により検出されたクランク角に基づいて、燃料噴射条件を設定する時期であるかどうかを判断する(手順S101)。燃料噴射条件を設定する時期であると判断されたときは、回転数センサ24により検出されたエンジン回転数及びアクセル開度センサ25により検出されたアクセル開度(エンジン負荷)に基づいて、インジェクタ5から噴射される燃料の総量(燃料噴射量総量)を決定する(手順S102)。
続いて、エンジン回転数及びアクセル開度に基づいて、実施する燃焼方式を決定する(手順S103)。燃焼方式としては、予混合圧縮着火燃焼及び通常燃焼(拡散燃焼)の何れか一方が選択される。
続いて、エンジン回転数、燃料噴射量及び燃焼方式に基づいて、各分割噴射の噴射量(燃料噴射量)と時期(燃料噴射時期)を決定する(手順S104)。より具体的には、例えば予混合圧縮着火燃焼が選択された場合、1回目のメイン噴射及びこの後に実施される2回目のメイン噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定する。このとき、アクセル開度が所定量よりも小さいときは、1回目のメイン噴射の前にプレ噴射を実施するため、プレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期も決定する。また、必要に応じて、2回目のメイン噴射の後に実施されるアフター噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期も決定する。なお、プレ噴射及びアフター噴射の燃料噴射量は、メイン燃料噴射の燃料噴射量よりも少なくする。
続いて、燃焼方式が予混合圧縮着火燃焼であるかどうかを判断する(手順S105)。燃焼方式が予混合圧縮着火燃焼ではなく通常燃焼であると判断されたときは、本処理を終了する。燃焼方式が予混合圧縮着火燃焼であると判断されたときは、現在のエンジン1の状態に応じた着火遅れを推定して、推定着火遅れτを求める(手順S106)。なお、着火遅れとは、燃料の噴射開始から着火までの期間(図9及び図13参照)をいう。
図4は、手順S106において着火遅れを推定する機能を示すブロック図である。同図において、手順S106の機能としては、筒内ガス量検出部36と、燃焼効率検出部37と、筒内酸素量検出部38と、筒内ガス温検出部39と、ベース項生成部40と、第1補正項生成部41と、第2補正項生成部42と、第3補正項生成部43と、加算部44〜46とからなっている。
筒内ガス量検出部36は、回転数センサ24により検出されたエンジン回転数及びインマニ圧センサ27により検出されたインマニ圧(過給圧)に基づいて、燃焼室4内のガス量(筒内ガス量)を検出する。具体的には、筒内ガス量検出部36は、エンジン回転数及びインマニ圧と筒内ガス量との関係を表したマップを用いて、筒内ガス量を求める。
燃焼効率検出部37は、回転数センサ24により検出されたエンジン回転数、エアフローメータ26により検出された新気量及び図3に示す手順S102で決定された燃料噴射量に基づいて、燃焼効率を検出する。具体的には、筒内ガス量検出部37は、エンジン回転数、新気量及び燃料噴射量と燃焼効率との関係を表したマップを用いて、燃焼効率を求める。
筒内酸素量検出部38は、エアフローメータ26により検出された新気量、筒内ガス量検出部36により求められた筒内ガス量、燃焼効率検出部37により求められた燃焼効率及び上記の手順S102で決定された燃料噴射量に基づいて、燃焼室4内の酸素量(筒内酸素量)を求める。具体的には、筒内ガスに含まれる新気中の酸素量に加え、筒内ガスに含まれるEGRガス中の酸素量を求める必要がある。まず、EGRガス量自体は、筒内ガス量と新気量との差として求めることができる。次に、EGRガス量中の酸素量の割合は、EGRガス還流遅れ分前の筒内酸素量、燃料噴射量及び燃焼効率により求めることができる。従って、筒内酸素量検出部38は、新気量、筒内ガス量、燃焼効率及び燃料噴射量から、計算により筒内酸素量を求める。
筒内ガス温検出部39は、インマニ圧センサ27により検出されたインマニ圧、筒内ガス量検出部36により求められた筒内ガス量、筒内酸素量検出部38により求められた筒内酸素量及び図3に示す手順S104で決定された燃料噴射時期に基づいて、燃料噴射前の燃焼室4内のガス温度(筒内ガス温)を検出する。具体的には、筒内ガス温検出部39は、インマニ圧、筒内ガス量、筒内酸素量及び燃料噴射時期と筒内ガス温との関係を表したマップを用いて、燃料噴射前の筒内ガス温を求める。
ベース項生成部40は、筒内酸素量検出部38により求められた筒内酸素量及び筒内ガス温検出部39により求められた燃料噴射前の筒内ガス温に基づいて、推定着火遅れのベース項を生成する。具体的には、ベース項生成部40は、図5に示すような第1着火遅れ感度マップを用いて、推定着火遅れのベース項を求める。第1着火遅れ感度マップは、筒内酸素量及び燃料噴射前の筒内ガス温に対する着火遅れ感度を表したマップである。第1着火遅れ感度マップは、筒内酸素量が増加するほど着火遅れが短縮し、燃料噴射前の筒内ガス温が上昇するほど着火遅れが短縮するように設定されている。
第1補正項生成部41は、図3に示す手順S104で決定された燃料噴射時期及び回転数センサ24により検出されたエンジン回転数に基づいて、推定着火遅れの第1補正項を生成する。具体的には、第1補正項生成部41は、図6に示すような第2着火遅れ感度マップを用いて、推定着火遅れの第1補正項を求める。第2着火遅れ感度マップは、燃料噴射時期及びエンジン回転数に対する着火遅れ感度を表したマップである。
図7に示すように、燃料噴射時期(黒点X)が遅角されるほど、燃料噴射後の筒内容積の拡大に伴って燃料噴射から着火まで筒内ガス温が低下する。このため、第2着火遅れ感度マップは、図6に示すように、圧縮上死点(TDC)以後の条件では、燃料噴射時期が遅角されるほど着火遅れが延長するように設定されている。また、エンジン回転数が高くなるほど、筒内容積の拡大に伴う筒内ガス温の低下が大きくなる。このため、第2着火遅れ感度マップは、図6に示すように、エンジン回転数が高くなるほど着火遅れが延長するように設定されている。
第2補正項生成部42は、噴射圧センサ28により検出された燃料噴射圧に基づいて、推定着火遅れの第2補正項を生成する。具体的には、第2補正項生成部42は、図8に示すような第3着火遅れ感度マップを用いて、推定着火遅れの第2補正項を求める。第3着火遅れ感度マップは、燃料噴射圧に対する着火遅れ感度を表したマップである。燃料噴射圧が高圧条件になるほど、燃料の微粒化により燃料の蒸発が促進される。このため、第3着火遅れ感度マップは、図8に示すように、燃料噴射圧が高くなるほど着火遅れが短縮するように設定されている。
第3補正項生成部43は、外気温センサ29により検出された外気温、気圧センサ30により検出された気圧及び水温センサ31により検出された冷却水温に基づいて、推定着火遅れの第3補正項を生成する。具体的には、第3補正項生成部43は、外気温、気圧及び冷却水温に対する着火遅れ感度を表した第4着火遅れ感度マップ(図示せず)を用いて、推定着火遅れの第3補正項を求める。
ベース項生成部40、第1補正項生成部41及び第2補正項生成部42により各々生成されるベース項、第1補正項及び第2補正項は、標準環境条件下(例えば気温25℃、大気圧101KPa、水温80℃)において推定着火遅れを求めるための項である。一方、第3補正項生成部43によって生成される第3補正項は、環境条件の変化を加味して推定着火遅れを求めるための項である。
加算部44は、ベース項生成部40により生成された推定着火遅れのベース項と第1補正項生成部41により生成された推定着火遅れの第1補正項とを加算して、一次推定着火遅れを算出する。加算部45は、加算部44により算出された一次推定着火遅れに第2補正項生成部42により生成された推定着火遅れの第2補正項を加算して、二次推定着火遅れを算出する。加算部46は、加算部45により算出された二次推定着火遅れに第3補正項生成部43により生成された推定着火遅れの第3補正項を加算して、最終的な推定着火遅れτを算出する。
ここで、図9に示すように、プレ噴射を実施しないときは、着火遅れの基準はメイン噴射の開始時期である。一方、プレ噴射を実施するときは、着火遅れの基準はプレ噴射の開始時期である。プレ噴射を実施する条件では、プレ噴射による燃料と空気との予混合気と、メイン噴射による燃料と空気との予混合気とがほぼ同時に燃焼する。従って、プレ噴射を実施するときは、着火遅れの基準をプレ噴射の開始時期とすることで、筒内酸素量と着火遅れとの関係としては、図10に示すように、プレ噴射を実施しない条件と同等の着火遅れ感度(図中の破線P参照)が得られ、着火遅れが推定可能となる。なお、図10において、四角印Qは、プレ噴射を実施する条件において、着火遅れの基準をプレ噴射の開始時期とした時の着火遅れ感度を示し、丸印Rは、プレ噴射を実施する条件において、着火遅れの基準をメイン噴射の開始時期とした時の着火遅れ感度を示したものである。よって、プレ噴射を実施しない条件での着火遅れ感度マップが使用可能となるため、プレ噴射を実施する条件での着火遅れ感度マップを追加しなくて済む。
以上のように、筒内酸素量、燃料噴射前の筒内ガス温、燃料噴射時期、エンジン回転数及び燃料噴射圧に基づいて標準環境条件下での着火遅れの推定を行い、更に外気温、気圧及び冷却水温といった環境条件の変化を加味して着火遅れを補正するので、精度の良い推定着火遅れτを得ることができる。
図3に戻り、手順S106において推定着火遅れτを求めた後、予混合圧縮着火燃焼時の目標着火遅れτtpを求める(手順S107)。このとき、回転数センサ24により検出されたエンジン回転数、上記の手順S102で決定された燃料噴射量、外気温センサ29により検出された外気温、気圧センサ30により検出された気圧及び水温センサ31により検出された冷却水温に基づいて、予め設定された目標着火遅れマップを用いて目標着火遅れτtpを求める。なお、目標着火遅れτtpは、エンジン回転数、燃料噴射量、外気温、気圧及び冷却水温に応じた目標燃焼波形を得るための着火遅れである。
続いて、下記式より推定着火遅れτと目標着火遅れτtpとの偏差(着火遅れ偏差Δτtp)を算出する(手順S108)。
着火遅れ偏差Δτtp=推定着火遅れτ−目標着火遅れτtp
推定着火遅れτが目標着火遅れτtpよりも所定量以上短い、つまり着火遅れ偏差Δτtp≦所定量A(A<0)であるかどうかを判断する(手順S109)。推定着火遅れτが目標着火遅れτtpよりも所定量以上短いと判断されたときは、引き続いて先の手順(手順S102)でプレ噴射を行わないこととしたかどうかを判断する(手順S110)。先の手順でプレ噴射を行わないこととしたと判断されたときは、プレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定する(手順S111)。このとき、1回目のメイン噴射の燃料噴射量または2回目のメイン噴射の燃料噴射量からプレ噴射の燃料噴射量分を減量する。
手順S109で推定着火遅れτが目標着火遅れτtpよりも所定量以上短いことはないと判断されたとき、または手順S110でプレ噴射を行うこととしたと判断されたときは、手順S111を実行しない。このようにエンジン負荷が低いためにプレ噴射を実施することが既に決まっているときは、新たなプレ噴射を追加実施することは無いので、プレ噴射の実施回数を必要以上に増やさなくて済む。
続いて、推定着火遅れτが目標着火遅れτtpよりも短い、つまり着火遅れ偏差Δτtp<0であるかどうかを判断する(手順S112)。推定着火遅れτが目標着火遅れτtpよりも短いと判断されたときは、着火遅れ偏差Δτtpに応じて全ての燃料噴射の燃料噴射時期を遅角する(手順S113)。このとき、プレ噴射を実施する場合には、プレ噴射により失火耐性が向上するため、十分な遅角量を確保することができる。
続いて、着火遅れ偏差Δτtpに応じてメイン噴射の燃料噴射量を変更する(手順S114)。このとき、運転領域(エンジン回転数及びエンジン負荷等)によってメイン噴射の燃料噴射量を増量または減量する。例えば、エンジン発生トルクが低いときは、着火遅れ偏差Δτtpに応じてメイン噴射の燃料噴射量を増量し、エンジン発生トルクが高いときは、着火遅れ偏差Δτtpに応じてメイン噴射の燃料噴射量を減量する。
一方、手順S112で推定着火遅れτが目標着火遅れτtp以上である、つまり着火遅れ偏差Δτtp≧0であると判断されたときは、着火遅れ偏差Δτtpに応じて全ての燃料噴射の燃料噴射時期を進角する(手順S115)。
続いて、着火遅れ偏差Δτtpに応じてメイン噴射の燃料噴射量を変更する(手順S116)。このとき、上記の手順S114と同様に、運転領域(エンジン回転数及びエンジン負荷等)によってメイン噴射の燃料噴射量を増量または減量する。
図11は、ECU32の燃料噴射制御部34により実行される燃料噴射制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。なお、本処理も、各シリンダ3毎に実行される。
同図において、まず燃料噴射条件設定部33により設定された燃料噴射条件にプレ噴射があるかどうかを判断する(手順S121)。燃料噴射条件にプレ噴射があると判断されたときは、燃料噴射条件設定部33により設定された燃料噴射量及び燃料噴射時期に応じてプレ噴射を実施する(手順S122)。燃料噴射条件にプレ噴射の実施が無いと判断されたときは、手順S122を実施しない。
続いて、燃料噴射条件設定部33により設定された燃料噴射量及び燃料噴射時期に応じて1回目のメイン噴射を実施する(手順S123)。そして、燃料噴射条件設定部33により設定された燃料噴射量及び燃料噴射時期に応じて2回目のメイン噴射を実施する(手順S124)。その後、燃料噴射条件設定部33により設定された燃料噴射条件にアフター噴射があるときは、アフター噴射を実施する。
以上において、燃料噴射条件設定部33は、メイン噴射を含む燃料噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定する燃料噴射条件決定手段と、燃料噴射弁5から燃料を噴射させる前に燃料噴射による着火遅れを推定する着火遅れ推定手段と、予混合圧縮着火燃焼を行う際の目標着火遅れを求める目標着火遅れ設定手段と、着火遅れ推定手段により得られた推定着火遅れと目標着火遅れ設定手段により得られた目標着火遅れとの着火遅れ偏差を算出する着火遅れ偏差算出手段と、推定着火遅れが目標着火遅れよりも所定量以上短いときに、メイン噴射の前に実施されるプレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定するプレ噴射追加補正手段とを構成する。また、燃料噴射条件設定部33は、推定着火遅れが目標着火遅れよりも短いときに、着火遅れ偏差算出手段により算出された着火遅れ偏差に応じて、燃料噴射条件決定手段により決定された燃料噴射の燃料噴射時期を遅角する噴射時期遅角補正手段と、推定着火遅れが目標着火遅れよりも長いときに、着火遅れ偏差算出手段により算出された着火遅れ偏差に応じて、燃料噴射条件決定手段により決定された燃料噴射の燃料噴射時期を進角する噴射時期進角補正手段と、着火遅れ偏差算出手段により算出された着火遅れ偏差に応じて、燃料噴射条件決定手段により決定されたメイン噴射の燃料噴射量を変更するメイン噴射量変更補正手段とを構成する。
燃料噴射条件設定部33において、図3に示す手順S102〜S104は燃料噴射条件決定手段として機能し、同手順S106は着火遅れ推定手段として機能し、同手順S107は目標着火遅れ設定手段として機能し、同手順S108は着火遅れ偏差算出手段として機能し、同手順S109〜S111はプレ噴射追加補正手段として機能し、同手順S112,S113は噴射時期遅角補正手段として機能し、同手順S112,S115は噴射時期進角補正手段として機能し、同手順S114,S116はメイン噴射量変更補正手段として機能する。
ここで、通常燃焼(拡散燃焼)から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時には、図12に示すように、筒内ガス条件(例えば筒内酸素量)及び燃料噴射条件(例えばメイン噴射の燃料噴射時期)が一斉に変更される。このとき、燃焼切替タイミングから所定期間W内に、筒内ガス条件及び着火遅れが徐々に変化して予混合圧縮着火燃焼の目標値(破線参照)に一致するようになる。
このとき、上述したように推定着火遅れτと目標着火遅れτtpとの着火遅れ偏差Δτtpに応じて燃料噴射時期を遅角または進角することにより、燃料噴射条件は、燃焼切替タイミングと同時に通常燃焼の燃料噴射時期から予混合圧縮着火燃焼の燃料噴射時期に変更されるのではなく(破線参照)、燃焼切替タイミングから徐々に変更されるようになる(実線参照)。
ところで、減速やシフトチェンジ等の燃料カット時または加速の際の過給遅れ時といった予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時、通常燃焼(拡散燃焼)から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時には、燃焼騒音の増大、NOx排出量の増加、失火、エンジントルクの変動等の問題が発生する。そのような問題は、筒内酸素量、筒内ガス温等のずれによるEGR還流遅れや、燃料噴射圧の追従遅れによって、実際の着火遅れが着火遅れ目標値から乖離することに起因して生じる。例えば図13に示すように、筒内酸素量、筒内ガス温及び燃料噴射圧が必要以上に高くなることで、実際の燃焼波形(実線M参照)が目標となる燃焼波形(1点鎖線N参照)よりも進角し、1回目のメイン噴射開始からの実際の着火遅れが着火遅れ目標値よりも短縮すると、燃焼騒音の増大、NOx排出量の増加、エンジントルクの低下が発生する。
これに対し本実施形態では、燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定した後、推定着火遅れτを求めると共に目標着火遅れτtpを求め、推定着火遅れτと目標着火遅れτtpとの着火遅れ偏差Δτtpを算出し、推定着火遅れτが目標着火遅れτtpよりも所定量以上短いときに、プレ噴射を追加実施する。従って、燃料カット時や通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に、急峻な熱発生が抑えられるため、燃焼騒音を低減することができる。
また、推定着火遅れτが目標着火遅れτtpよりも短いときは、着火遅れ偏差Δτtpに応じて燃料噴射時期を遅角するようにしたので、燃料カット時や通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に、過度の燃焼が一層抑えられる。これにより、燃焼騒音を更に低減することができると共に、NOx排出量の増加を抑制することができる。
さらに、推定着火遅れτが目標着火遅れτtp以上であるときは、着火遅れ偏差Δτtpに応じて燃料噴射時期を進角するようにしたので、加速の際の過給遅れ時に、燃焼の安定性が高くなる。これにより、失火及びスモーク排出を抑制することができる。
また、着火遅れ偏差Δτtpに応じてメイン噴射の燃料噴射量を増量または減量するようにしたので、燃料カット時、加速の際の過給遅れ時、通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に、エンジントルクの変動を抑制することができる。
さらに、着火遅れ目標値からの乖離に影響を与える筒内酸素量、筒内ガス温及び燃料噴射圧を用いて着火遅れを推定するので、高精度な推定着火遅れτを得ることができる。従って、プレ噴射の追加実施、燃料噴射時期の遅角または進角、メイン噴射の燃料噴射量の変更といった燃料噴射条件の補正を適切に行うことができる。
以上のように本実施形態によれば、予混合圧縮着火燃焼の過渡運転時や通常燃焼から予混合圧縮着火燃焼への燃焼切替時に生じる燃焼騒音の増大、NOx排出量の増加、失火、エンジントルクの変動等を抑制することができる。その結果、優れた予混合圧縮着火燃焼を実現することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、筒内酸素量、燃料噴射前の筒内ガス温、燃料噴射時期、エンジン回転数、燃料噴射圧、外気温、気圧及び冷却水温に基づいて推定着火遅れτを求めるようにしたが、特にそれには限られず、少なくとも筒内酸素量及び燃料噴射前の筒内ガス温を用いて推定着火遅れτを求めれば良い。
また、上記実施形態では、メイン噴射を2回に分けて行うようにしたが、メイン噴射の噴射回数としては、特に2回には限られず、1回のみであっても良いし、3回以上であっても良い。
1…ディーゼルエンジン、4…燃焼室、5…インジェクタ(燃料噴射弁)、24…回転数センサ(回転数検出手段)、28…噴射圧センサ(噴射圧検出手段)、29…外気温センサ(周囲環境検出手段)、30…気圧センサ(周囲環境検出手段)、31…水温センサ(周囲環境検出手段)、32…ECU、33…燃料噴射条件設定部(燃料噴射条件決定手段、着火遅れ推定手段、目標着火遅れ設定手段、着火遅れ偏差算出手段、プレ噴射追加補正手段、噴射時期遅角補正手段、噴射時期進角補正手段、メイン噴射量変更補正手段)、34…燃料噴射制御部、35…燃焼制御装置、38…筒内酸素量検出部、39…筒内ガス温検出部。

Claims (8)

  1. エンジンの回転数を検出する手段と、
    前記エンジンの負荷を検出する手段と、
    前記エンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記エンジンの回転数及び前記エンジンの負荷に基づいて、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の1サイクル分の噴射量総量を決定する手段と、
    前記エンジンの回転数及び前記エンジンの負荷に基づいて、予混合圧縮着火燃焼及び通常燃焼の何れの燃焼方式を実施するかを決定する手段と、
    前記エンジンの回転数、前記燃料の1サイクル分の噴射量総量及び前記燃焼方式に基づいて、メイン噴射の前に実施されるプレ噴射の実施の有無を決定すると共に、前記メイン噴射を含む燃料噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定する燃料噴射条件決定手段と、
    前記燃焼方式が前記予混合圧縮着火燃焼であるときに、前記燃料噴射弁から燃料を噴射させる前に前記燃料噴射による着火遅れを推定する着火遅れ推定手段と、
    前記予混合圧縮着火燃焼を行う際の目標着火遅れを求める目標着火遅れ設定手段と、
    前記着火遅れ推定手段により得られた推定着火遅れと前記目標着火遅れ設定手段により得られた目標着火遅れとの着火遅れ偏差を算出する着火遅れ偏差算出手段と、
    前記推定着火遅れが前記目標着火遅れよりも所定量以上短く、かつ前記燃料噴射条件決定手段により前記プレ噴射を実施しないと決定したときに、前記メイン噴射の前に前記プレ噴射を追加実施するように決定し、前記プレ噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定するプレ噴射追加補正手段とを備え、
    前記燃料噴射条件決定手段は、前記プレ噴射追加補正手段により前記プレ噴射を追加実施すると決定したときは、前記メイン噴射の燃料噴射量から前記プレ噴射の燃料噴射量分を減量した残りの燃料噴射量を、前記メイン噴射を実施する際に使用される燃料噴射量として決定することを特徴とする燃焼制御装置。
  2. 前記推定着火遅れが前記目標着火遅れよりも短いときに、前記着火遅れ偏差算出手段により算出された前記着火遅れ偏差に応じて、前記燃料噴射条件決定手段により決定された前記燃料噴射の燃料噴射時期を遅角する噴射時期遅角補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の燃焼制御装置。
  3. 前記推定着火遅れが前記目標着火遅れよりも長いときに、前記着火遅れ偏差算出手段により算出された前記着火遅れ偏差に応じて、前記燃料噴射条件決定手段により決定された前記燃料噴射の燃料噴射時期を進角する噴射時期進角補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2記載の燃焼制御装置。
  4. 前記着火遅れ偏差算出手段により算出された前記着火遅れ偏差に応じて、前記燃料噴射条件決定手段により決定された前記メイン噴射の燃料噴射量を変更するメイン噴射量変更補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の燃焼制御装置。
  5. 前記着火遅れ推定手段は、前記燃焼室内の酸素量を検出する手段と、前記燃焼室内のガス温度を検出する手段とを有し、前記燃焼室内の酸素量及び前記燃焼室内のガス温度を用いて、前記着火遅れを推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の燃焼制御装置。
  6. 前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段を更に備え、
    前記着火遅れ推定手段は、前記燃焼室内の酸素量、前記燃焼室内のガス温度、前記燃料噴射時期及び前記エンジンの回転数を用いて、前記着火遅れを推定することを特徴とする請求項5記載の燃焼制御装置。
  7. 前記燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を検出する噴射圧検出手段を更に備え、
    前記着火遅れ推定手段は、前記燃焼室内の酸素量、前記燃焼室内のガス温度及び前記燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を用いて、前記着火遅れを推定することを特徴とする請求項5記載の燃焼制御装置。
  8. 前記エンジンの周囲環境状況を検出する周囲環境検出手段を更に備え、
    前記着火遅れ推定手段は、前記燃焼室内の酸素量、前記燃焼室内のガス温度及び前記エンジンの周囲環境状況を用いて、前記着火遅れを推定することを特徴とする請求項5記載の燃焼制御装置。
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