JP2009167820A - 内燃機関のトルク制御装置 - Google Patents

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【課題】機関駆動系の捩れを抑制しつつ機関過渡運転時にトルク不足が生ずるのを阻止又は抑制する。
【解決手段】基本的な目標トルクを求め、機関駆動系の捩れが抑制されるように基本的な目標トルクを補正するための基本的な補正量を求め、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配する燃焼パラメータであって実際の燃焼パラメータを求め、現在の機関運転状態における燃焼パラメータの目標値である目標燃焼パラメータを求め、目標燃焼パラメータに対する実際の燃焼パラメータの偏差を求め、基本的な補正量を補正するための補正係数を偏差に基づいて求め、補正係数でもって基本的な補正量を補正することにより最終的な補正量を求め、最終的な補正量でもって基本的な目標トルクを補正することにより最終的な目標トルクを求め、最終的な目標トルクに一致するように機関トルクを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関のトルク制御装置に関する。
基本的な目標トルクを求め、機関駆動系の捩れが抑制されるように基本的な目標トルクを補正するための補正量を求め、補正量でもって基本的な目標トルクを補正することにより最終的な目標トルクを求め、最終的な目標トルクに一致するように機関トルクを制御する内燃機関が公知である(特許文献1参照)。例えばアクセルペダルの踏み込み量がステップ状に変化したときにこれに合わせて目標トルクをステップ状に変化させると、実際のトルクが急激に変化するので機関駆動系例えばクランクシャフト及びプロペラシャフトなどに大きな捩れないし共振が生じ、これによって車両運転性が悪化するおそれがある。そこで、この内燃機関では、トルクが急激に増大しないように基本的な目標トルクをあらかじめ補正しておき、それにより機関駆動系に大きな捩れが生じないようにしている。
特開平11−182290号公報 特開2002−21613号公報
しかしながら、機関過渡運転時の燃焼状態は定常運転の燃焼状態と異なり、実際のトルクが最終的な目標トルクに対し不足するおそれがある。にもかかわらず、上述の内燃機関では機関過渡運転時のトルク不足に対する手立てがなされていない。
前記課題を解決するために本願第1発明によれば、基本的な目標トルクを求める手段と、機関駆動系の捩れが抑制されるように該基本的な目標トルクを補正するための基本的な補正量を求める手段と、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配する燃焼パラメータであって実際の燃焼パラメータを求める手段と、現在の機関運転状態における前記燃焼パラメータの目標値である目標燃焼パラメータを求める手段と、該目標燃焼パラメータに対する該実際の燃焼パラメータの偏差を求める手段と、前記基本的な補正量を補正するための補正係数を該偏差に基づいて求める手段と、該補正係数でもって前記基本的な補正量を補正することにより最終的な補正量を求める手段と、該最終的な補正量でもって前記基本的な目標トルクを補正することにより最終的な目標トルクを求める手段と、該最終的な目標トルクに一致するように機関トルクを制御する手段と、を具備した内燃機関のトルク制御装置が提供される。
また、前記課題を解決するために本願第2発明によれば、基本的な目標トルクを求める手段と、機関駆動系の捩れが抑制されるように該基本的な目標トルクを補正するための基本的な補正量を求める手段と、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配する燃焼パラメータを代表する代表値であって実際の代表値を求める手段と、現在の機関運転状態における前記代表値の目標値である目標代表値を求める手段と、該目標代表値に対する該実際の代表値の偏差を求める手段と、前記基本的な補正量を補正するための基本的な補正係数を該偏差に基づいて求める手段と、該基本的な補正係数を機関運転状態又は機関運転状態の変化に基づいて補正することにより最終的な補正係数を求める手段と、該最終的な補正係数でもって前記基本的な補正量を補正することにより最終的な補正量を求める手段と、該最終的な補正量でもって前記基本的な目標トルクを補正することにより最終的な目標トルクを求める手段と、該最終的な目標トルクに一致するように機関トルクを制御する手段と、を具備した内燃機関のトルク制御装置が提供される。
機関駆動系の捩れを抑制しつつ機関過渡運転時にトルク不足が生ずるのを阻止又は抑制することができる。
図1を参照すると、1は圧縮着火式内燃機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内にそれぞれ燃料を噴射するための電磁制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7cの出口に連結され、コンプレッサ7cの入口は吸気導入管8を介してエアフローメータ9及びエアクリーナ10に順次連結される。吸気ダクト6内には電気制御式スロットル弁11が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置12が配置される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7tの入口に連結され、排気タービン7tの出口は排気後処理装置20に連結される。
図1に示されるように、排気マニホルド5と吸気マニホルド4とはEGR通路13を介して互いに連結され、EGR通路13内には電気制御式EGR制御弁14が配置される。また、EGR通路13周りにはEGR通路13内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置15が配置される。
各燃料噴射弁3は燃料供給管16を介してコモンレール17に連結され、このコモンレール17は電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ18を介して燃料タンク19に連結される。燃料タンク19内の燃料は燃料ポンプ18によってコモンレール17内に供給され、コモンレール17内に供給された燃料は各燃料供給管16を介して燃料噴射弁3に供給される。なお、コモンレール17にはコモンレール17内の燃料圧を検出する燃料圧センサ(図示しない)が取り付けられており、燃料圧センサからの信号に基づきコモンレール17内の燃料圧が目標圧に一致するように燃料ポンプ18の燃料吐出量が制御される。
排気後処理装置20は排気タービン7tの出口に連結された排気管21を具備し、この排気管21の出口は触媒コンバータ22の入口に連結され、触媒コンバータ22の出口は排気管23に連結される。触媒コンバータ22内には、排気ガス中の微粒子を補修するためのパティキュレートフィルタ及びNOxを一時的に吸蔵して還元するためのNOx吸蔵還元触媒が収容される。
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備する。エアフローメータ9は吸入空気量に比例した出力電圧を発生する。また、アクセルペダル49にはアクセルペダル49の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ50が接続される。これらセンサ9,50の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。さらに、入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ51が接続される。CPU44ではクランク角センサ51からの出力パルスに基づいて機関回転数Neが算出される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁3、スロットル弁11の駆動装置、EGR制御弁14及び燃料ポンプ18に接続される。
さて、図1に示される内燃機関では最終的な目標トルクTtfが算出され、この最終的な目標トルクTtfに一致するように機関トルク例えば燃料噴射量が制御される。最終的な目標トルクTtfは次式(1)に基づいて算出される。
Ttf=Ttb+dTf (1)
ここで、Ttbは基本的な目標トルクを、dTfは最終的な補正量を、それぞれ表している。
基本的な目標トルクTtbは例えばアクセルペダル49の踏み込み量に基づいて算出される。
一方、最終的な補正量dTfは次式(2)に基づいて算出される。
dTf=dTb・α (2)
ここで、dTbは基本的な補正量を、αは補正係数を、それぞれ表している。
基本的な補正量dTbは運転性補償制御により基本的な目標トルクTtbを補正するためのものである。すなわち、例えばアクセルペダル49の踏み込み量がステップ状に変化したときにこれに合わせて目標トルクをステップ状に変化させると、実際のトルクが急激に変化するので機関駆動系例えばクランクシャフト及びプロペラシャフトなどに大きな捩れないし共振が生じ、これによって車両運転性が悪化するおそれがある。そこで、運転性補償制御では、トルクが急激に増大しないように基本的な補正量dTbでもって基本的な目標トルクTtbをあらかじめ補正しておき、それにより機関駆動系に大きな捩れが生じないようにしている。なお、この運転性補償制御はその実行条件が成立したときにのみ実行されるようになっている。
ところが、機関過渡運転時には、例えば吸気の過不足により目標トルクに対し実際のトルクの過不足が生ずるおそれがある。
そこで本発明による実施例では、補正係数αでもって基本的な補正量dTbを補正することにより最終的な補正量dTfを算出し、この最終的な補正量dTfでもって基本的な目標トルクTtbを補正することにより最終的な目標トルクTtfを算出するようにしている。その結果、機関過渡運転時に、機関駆動系に大きな捩れが生じるのを阻止しつつ、実際のトルクを目標トルクに維持することができる。
本発明による実施例では、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配するパラメータである燃焼パラメータに基づいて補正係数αが算出される。このようにすると、機関過渡運転時における機関トルクの低下を直接的に補正することが可能となる。
この燃焼パラメータは例えば着火時期から構成することができる。図2(A)は実際の着火時期θigと実際のトルクTとの関係を示す実験結果である。図2(A)からわかるように、実際の着火時期θigが目標着火時期θigtから逸脱すると、実際のトルクTが目標トルクTtよりも小さくなる。また、実際の着火時期θigが目標着火時期θigtから大幅に逸脱すると、実際のトルクTが目標トルクTtよりも大幅に小さくなることがわかる。ここで、目標着火時期θigtは現在の機関運転状態例えば機関負荷(トルク又は燃料噴射量)及び機関回転数に基づいて算出されるものである。
この場合の目標トルクTtに対する実際のトルクTの偏差dTは、目標着火時期θigtに対する実際の着火時期θigの偏差dθigの関数として、図2(B)のように表される。そうすると、トルク偏差dTをゼロにするために必要な補正係数α(=1−dT/Tt)は着火時期偏差dθigの関数として図2(C)のように表される。したがって、実際の着火時期θig及び目標着火時期θigtを求めて着火時期偏差dθigを算出すれば、補正係数αを算出することができる。
あるいは、燃焼パラメータを、着火時期を変動させるパラメータ、例えば燃料噴射直前の筒内ガス中の酸素濃度である筒内酸素濃度から構成することができる。この場合、目標筒内酸素濃度に対する実際の筒内酸素濃度の偏差dOXと、着火時期偏差dθigとの関係は図3(A)のように表される。そうすると、図2(C)に示される関係と図3(A)に示される関係とから、補正係数αは筒内酸素濃度偏差dOXの関数として図3(B)のように表される。なお、図3(A)及び(B)においてXは筒内ガスが空気100%の場合すなわちEGRガスが供給されていない場合の筒内酸素濃度を示している。
また、燃焼パラメータを、着火時期を変動させる他のパラメータ、例えば燃料噴射直前の筒内ガス温度から構成することもできる。この場合、目標筒内ガス温度に対する実際の筒内ガス温度の偏差dtcと、着火時期偏差dθigとの関係は図4(A)のように表される。そうすると、図3(C)に示される関係と図4(A)に示される関係とから、補正係数αは筒内ガス温度偏差dtcの関数として図4(B)のように表される。
したがって、一般化して言うと、基本的な目標トルクTtbを求め、機関駆動系の捩れが抑制されるように基本的な目標トルクTtbを補正するための基本的な補正量dTbを求め、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配する燃焼パラメータであって実際の燃焼パラメータCpaを求め、現在の機関運転状態における前記燃焼パラメータの目標値である目標燃焼パラメータCptを求め、目標燃焼パラメータCptに対する実際の燃焼パラメータCpaの偏差dCpを求め、前記基本的な補正量dTbを補正するための補正係数αを偏差dCpに基づいて求め、補正係数αでもって前記基本的な補正量dTbを補正することにより最終的な補正量dTfを求め、最終的な補正量dTfでもって前記基本的な目標トルクTtbを補正することにより最終的な目標トルクTtfを求め、最終的な目標トルクTtfに一致するように機関トルクを制御しているということになる。
なお、実際の筒内酸素濃度及び筒内ガス温度は筒内、吸気通路又は排気通路に配置されたセンサの出力に基づいて検出又は推定することができる。
図5は上述した本発明による実施例の最終的な目標トルクTtfの算出ルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。
図5を参照すると、まずステップ100では基本的な目標トルクTtbが算出される。続くステップ101では最終的な補正量dTfの算出ルーチンが実行される。続くステップ102では基本的な目標トルクTtbを最終的な補正量dTfでもって補正することにより最終的な目標トルクTtfが算出される(Ttf=Ttb+dTf)。
図6は上述した本発明による実施例の最終的な補正量dTfの算出ルーチンを示している。このルーチンは図5のステップ101で実行される。
図6を参照すると、まずステップ110では運転性補償制御の実行条件が成立しているか否かが判別される。実行条件が成立していないときにはステップ111に進み、最終的な補正量dTfがゼロにされる。これに対し、実行条件が成立しているときにはステップ110からステップ112に進み、基本的な補正量dTbが算出される。続くステップ113では目標燃焼パラメータCptが算出され、続くステップ114では実際の燃焼パラメータCpaが算出される。続くステップ115では目標燃焼パラメータCptに対する実際の燃焼パラメータCpaの偏差dCpが算出される(dCp=Cpt−Cpa)。続くステップ116では偏差dCpに基づいて補正係数αが算出される。続くステップ117では補正係数αでもって基本的な補正量dTbを補正することにより最終的な補正量dTfが算出される(dTf=dTb・α)。
次に、本発明による第1変更例を説明する。
燃焼パラメータが筒内ガス温度から構成される場合を例にとって説明すると、図4(B)に示されるように、筒内ガス温度偏差dtcがゼロ付近の場合には、補正係数αは筒内ガス温度偏差dtcの変化に対してほとんど変化せず、ほぼ1となっている。このような場合に、補正係数αでもって基本的な補正量dTbを補正しても、基本補正量dTbをわずかにしか補正できず、この補正により燃料消費率又は排気エミッションが悪化するおそれがある。
そこで本発明による第1変更例では、図7に示されるように筒内ガス温度偏差dtcの絶対値|dtc|があらかじめ定められた閾値dtcthよりも小さいとき、すなわち筒内ガス温度偏差dtcが−dtcthから+dtcthまでのときには、補正係数αによる基本的な補正量dTbの補正を禁止するようにしている。なお、−dtcthから+dtcthまでの不感帯DZを設けているという見方もできる。
したがって、一般化していうと、燃焼パラメータの偏差の絶対値|dCp|があらかじめ定められた閾値dCpthよりも大きいときに前記補正係数αによる前記基本的な補正量dTbの補正を行い、前記偏差の絶対値|dCp|があらかじめ定められた閾値dCpthよりも小さいときに前記補正係数αによる前記基本的な補正量dTbの補正を禁止しているということになる。
図8は上述した本発明による第1変更例の最終的な補正量dTfの算出ルーチンを示している。このルーチンは図5のステップ101で実行される。
図8を参照すると、まずステップ110では運転性補償制御の実行条件が成立しているか否かが判別される。実行条件が成立していないときにはステップ111に進み、最終的な補正量dTfがゼロにされる。これに対し、実行条件が成立しているときにはステップ110からステップ112に進み、基本的な補正量dTbが算出される。続くステップ113では目標燃焼パラメータCptが算出され、続くステップ114では実際の燃焼パラメータCpaが算出される。続くステップ115では目標燃焼パラメータCptに対する実際の燃焼パラメータCpaの偏差dCpが算出される(dCp=Cpt−Cpa)。続くステップ115aでは燃焼パラメータの偏差の絶対値|dCp|があらかじめ定められた閾値dCpthよりも大きいか否かが判断される。|dCp|>dCpthのときには次いでステップ116に進み、偏差dCpに基づいて補正係数αが算出される。次いでステップ117に進む。これに対し、|dCp|≦dCpthのときには次いでステップ116aに進み、補正係数αが1とされる。次いでステップ117に進む。ステップ117では補正係数αでもって基本的な補正量dTbを補正することにより最終的な補正量dTfが算出される(dTf=dTb・α)。
次に、本発明による第2変更例を説明する。
燃焼パラメータが筒内酸素濃度から構成される場合を例にとって説明すると、筒内酸素濃度偏差dOXがかなり小さいとき、すなわち実際の筒内酸素濃度が目標筒内酸素濃度よりもかなり低いときには失火するおそれがある。にもかかわらず、大きな補正係数αでもって基本的な補正量dTbを増大補正し燃料増量補正を行うと、多量の未燃HCが排出されるおそれがある。
そこで本発明による第2変更例では、図9に示されるように、筒内酸素濃度dOXがあらかじめ定められた許容下限dOXm(<0)よりも小さいときには、筒内酸素濃度dOXが許容下限dOXmのときの補正係数αであるαmに補正係数αを維持するようにしている。その結果、筒内酸素濃度dOXが小さいときに補正係数αが大きくなるのが阻止されるので、不要に燃料増量補正が行われるのが阻止される。
なお、本発明による第2変更例では、筒内酸素濃度dOXが許容下限dOXmよりも小さいときに、筒内酸素濃度dOXを許容下限dOXmに置換した上で、この筒内酸素濃度dOXmから補正係数αが算出される。このようにしても、筒内酸素濃度dOXが許容下限dOXmよりも小さいときに補正係数αが上述のαmに維持される。
したがって、一般化して言うと、燃焼パラメータの偏差dCpがあらかじめ定められた許容下限dCpmよりも小さいときに前記補正係数αによる前記基本的な補正量dTbの増大補正を制限しているということになる。
図10は上述した本発明による第2変更例の最終的な補正量dTfの算出ルーチンを示している。このルーチンは図5のステップ101で実行される。
図10を参照すると、まずステップ110では運転性補償制御の実行条件が成立しているか否かが判別される。実行条件が成立していないときにはステップ111に進み、最終的な補正量dTfがゼロにされる。これに対し、実行条件が成立しているときにはステップ110からステップ112に進み、基本的な補正量dTbが算出される。続くステップ113では目標燃焼パラメータCptが算出され、続くステップ114では実際の燃焼パラメータCpaが算出される。続くステップ115では目標燃焼パラメータCptに対する実際の燃焼パラメータCpaの偏差dCpが算出される(dCp=Cpt−Cpa)。続くステップ115bでは燃焼パラメータの偏差dCpがあらかじめ定められた許容下限dCpmよりも小さいか否かが判別される。dCp<dCpmのときには次いでステップ116bに進み、偏差dCpが許容下限dCpmに置換される。次いでステップ116に進む。これに対し、dCp≧dCpmのときにはステップ115bからステップ116にジャンプする。ステップ116では偏差dCpに基づいて補正係数αが算出される。続くステップ117では補正係数αでもって基本的な補正量dTbを補正することにより最終的な補正量dTfが算出される(dTf=dTb・α)。
次に、本発明による別の実施例を説明する。本発明による別の実施例では最終的な補正量dTfが次式(3)に基づいて算出される。
dTf=dTb・αf (3)
ここで、αfは最終的な補正係数を表しており、次式(4)に基づいて算出される。
αf=αb・k (4)
ここで、αbは基本的な補正係数を、kは追加の補正係数を、それぞれ表している。
概略的に言うと、本発明による実施例等では、燃焼パラメータを検出し、この燃焼パラメータに基づいて補正係数αを算出するようにしている。ところが、実際の燃焼パラメータ例えば筒内酸素濃度や筒内ガス温度を正確に検出するのは必ずしも容易ではない。
そこで本発明による別の実施例では、燃焼パラメータに代えて、より簡単に精度よく検出可能な燃焼パラメータの代表値を検出し、この代表値に基づいて基本的な補正係数αbを算出するようにしている。具体的には、実際の代表値が検出され、目標代表値が算出され、目標代表値に対する実際の代表値の偏差が算出され、この偏差に基づき基本的な補正係数αbが算出される。
この場合、代表値は例えばEGR率(筒内に充填された全ガス量に対する筒内に充填されたEGRガス量の比)又は筒内ガス温度を代表する吸気温度から構成される。しかしながら、この代表値は機関過渡運転時における機関トルクの低下に対する相関ないし感度が弱く、したがって基本的な目標トルクTtbを正確に補正できないおそれがある。
そこで本発明による別の実施例では、追加の補正係数kでもって基本的な補正係数αbを補正することにより最終的な補正係数αfを算出し、この最終的な補正係数αfでもって基本的な目標トルクTtbを補正することにより最終的な目標トルクTtfを算出するようにしている。
追加の補正係数kはこれまでの説明からわかるように、機関トルクの低下に対する相関を強めるためのものである。この追加の補正係数kは例えば図11(A)に等値線で示されるように、機関負荷Lが低くなるほど大きくなり、機関回転数Neが低くなるほど大きくなる。あるいは、追加の補正係数kは図11(B)に示されるように、機関負荷Lの変化量ないし変化率dLが大きくなるほど大きくなる。
したがって、一般化して言うと、基本的な目標トルクTtbを求め、機関駆動系の捩れが抑制されるように基本的な目標トルクTtbを補正するための基本的な補正量dTbを求め、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配する燃焼パラメータを代表する代表値であって実際の代表値rCpaを求め、現在の機関運転状態における前記代表値の目標値である目標代表値rCptを求め、目標代表値rCptに対する実際の代表値rCpaの偏差drCpを求め、前記基本的な補正量dTbを補正するための基本的な補正係数αbを偏差drCpに基づいて求め、基本的な補正係数αbを機関運転状態又は機関運転状態の変化に基づいて補正することにより最終的な補正係数αfを求め、最終的な補正係数αfでもって前記基本的な補正量dTbを補正することにより最終的な補正量dTfを求め、最終的な補正量dTfでもって前記基本的な目標トルクTtbを補正することにより最終的な目標トルクTtfを求め、最終的な目標トルクTtfに一致するように機関トルクを制御しているということになる。
さらに、本発明による別の実施例では、上述した本発明による第1変更例と同様に、−drCpthから+drCpthまでの不感帯が設けられ、この不感帯では最終的な補正係数αfによる基本的な補正量dTbの補正が禁止される。すなわち、代表値の偏差の絶対値|drCp|があらかじめ定められた閾値drCpthよりも大きいときに最終的な補正係数αfによる基本的な補正量dTbの補正が行われ、前記偏差の絶対値|drCp|が閾値dCpthよりも小さいときに最終的な補正係数αfによる基本的な補正量dTbの補正が禁止される。
図12は上述した本発明による別の実施例の最終的な補正量dTfの算出ルーチンを示している。このルーチンは図5のステップ101で実行される。
図12を参照すると、まずステップ120では運転性補償制御の実行条件が成立しているか否かが判別される。実行条件が成立していないときにはステップ121に進み、最終的な補正量dTfがゼロにされる。これに対し、実行条件が成立しているときにはステップ120からステップ122に進み、基本的な補正量dTbが算出される。続くステップ123では目標代表値rCptが算出され、続くステップ124では実際の代表値rCpaが算出される。続くステップ125では目標代表値rCptに対する実際の代表値rCpaの偏差drCpが算出される(drCp=rCpt−rCpa)。続くステップ125aでは代表値の偏差の絶対値|drCp|があらかじめ定められた閾値drCpthよりも大きいか否かが判断される。|drCp|>drCpthのときには次いでステップ126に進み、偏差drCpに基づいて基本的な補正係数αbが算出される。続くステップ126aでは追加の補正係数kが算出され、続くステップ126bでは追加の補正係数kでもって基本的な補正係数αbを補正することにより最終的な補正係数αfが算出される(αf=αb・k)。次いでステップ127に進む。これに対し、|dCp|≦dCpthのときには次いでステップ126cに進み、最終的な補正係数αfが1とされる。次いでステップ127に進む。ステップ127では最終的な補正係数αfでもって基本的な補正量dTbを補正することにより最終的な補正量dTfが算出される(dTf=dTb・αf)。
なお、上述の本発明による第2変更例を本発明による別の実施例に適用することもできる。
内燃機関の全体図である。 着火時期と補正係数との関係等を示す線図である。 筒内酸素濃度偏差と補正係数との関係等を示す線図である。 筒内ガス温度偏差と補正係数との関係等を示す線図である。 最終的な目標トルクの算出ルーチンを示すフローチャートである。 最終的な補正量の算出ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による第1変更例を説明するための線図である。 本発明による第1変更例の最終的な補正量の算出ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による第2変更例を説明するための線図である。 本発明による第2変更例の最終的な補正量の算出ルーチンを示すフローチャートである。 追加の補正係数を示す線図である。 本発明による別の実施例の最終的な補正量の算出ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 機関本体
2 燃焼室
3 燃料噴射弁

Claims (7)

  1. 基本的な目標トルクを求める手段と、機関駆動系の捩れが抑制されるように該基本的な目標トルクを補正するための基本的な補正量を求める手段と、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配する燃焼パラメータであって実際の燃焼パラメータを求める手段と、現在の機関運転状態における前記燃焼パラメータの目標値である目標燃焼パラメータを求める手段と、該目標燃焼パラメータに対する該実際の燃焼パラメータの偏差を求める手段と、前記基本的な補正量を補正するための補正係数を該偏差に基づいて求める手段と、該補正係数でもって前記基本的な補正量を補正することにより最終的な補正量を求める手段と、該最終的な補正量でもって前記基本的な目標トルクを補正することにより最終的な目標トルクを求める手段と、該最終的な目標トルクに一致するように機関トルクを制御する手段と、を具備した内燃機関のトルク制御装置。
  2. 前記燃焼パラメータが着火時期、筒内ガス中の酸素濃度、又は筒内ガス温度から構成される請求項1に記載の内燃機関のトルク制御装置。
  3. 前記偏差の絶対値があらかじめ定められた閾値よりも大きいときに前記補正係数による前記基本的な補正量の補正を行い、前記偏差の絶対値があらかじめ定められた閾値よりも小さいときに前記補正係数による前記基本的な補正量の補正を禁止するようにした請求項1又は2に記載の内燃機関のトルク制御装置。
  4. 前記偏差があらかじめ定められた許容下限よりも小さいときに前記補正係数による前記基本的な補正量の増大補正を制限するようにした請求項1から3までのいずれか一項に記載の内燃機関のトルク制御装置。
  5. 基本的な目標トルクを求める手段と、機関駆動系の捩れが抑制されるように該基本的な目標トルクを補正するための基本的な補正量を求める手段と、機関過渡運転時に機関トルクが低下するような燃焼を支配する燃焼パラメータを代表する代表値であって実際の代表値を求める手段と、現在の機関運転状態における前記代表値の目標値である目標代表値を求める手段と、該目標代表値に対する該実際の代表値の偏差を求める手段と、前記基本的な補正量を補正するための基本的な補正係数を該偏差に基づいて求める手段と、該基本的な補正係数を機関運転状態又は機関運転状態の変化に基づいて補正することにより最終的な補正係数を求める手段と、該最終的な補正係数でもって前記基本的な補正量を補正することにより最終的な補正量を求める手段と、該最終的な補正量でもって前記基本的な目標トルクを補正することにより最終的な目標トルクを求める手段と、該最終的な目標トルクに一致するように機関トルクを制御する手段と、を具備した内燃機関のトルク制御装置。
  6. 前記燃焼パラメータの代表値が再循環排気ガス量又は吸気温度から構成される請求項5に記載の内燃機関のトルク制御装置。
  7. 前記偏差の絶対値があらかじめ定められた閾値よりも大きいときに前記最終的な補正係数による前記基本的な補正量の補正を行い、前記偏差の絶対値があらかじめ定められた閾値よりも小さいときに前記最終的な補正係数による前記基本的な補正量の補正を禁止するようにした請求項5又は6に記載の内燃機関のトルク制御装置。
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