JP2007297952A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

Abstract

【課題】製造コストの増大を抑制し、高い組付精度を確保しながら、内燃機関の吸気に旋回流を発生させることが可能な吸気制御弁を有する内燃機関の吸気装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の吸気装置は、燃焼室４０に吸入空気を導入する内燃機関の吸気装置であって、シリンダヘッド３０に取付けられるインテークマニホールド２００と、インテークマニホールド２００に嵌入されるカートリッジ３００とを備える。カートリッジ３００は、吸気通路５０を形成する筒状の本体３１０と、本体３１０上に設けられ、第１と第２流路５１，５２を区画する隔壁３２０と、隔壁３２０により区画された第１と第２流路５１，５２の少なくとも一方の通路断面積を縮小可能な吸気制御弁３３０とを含む。
【選択図】図１

Description

本発明は、内燃機関の吸気装置に関し、特に、吸気制御弁を有する内燃機関の吸気装置に関する。

吸気制御弁を有する内燃機関の吸気装置が従来から知られている。
たとえば、特開２００３−２０６７６１号公報（特許文献１）においては、直列４気筒の内燃機関の各気筒ごとに弁体が設けられた吸気流量可給気装置が開示されている。

また、独国特許出願公開第１０１０８７２９号明細書（特許文献２）においては、シリンダヘッド内に隔壁を挿入した内燃機関が開示されている。

また、米国特許第５２７３０１４号明細書（特許文献３）においては、内燃機関の吸気経路に挿入される挿入部材が筒状部分と隔壁部分とを有することが開示されている。
特開２００３−２０６７６１号公報 独国特許出願公開第１０１０８７２９号明細書 米国特許第５２７３０１４号明細書

内燃機関に吸気制御弁を設ける場合、吸気経路に隔壁を設けることになるが、該隔壁をシリンダヘッドに設けるためには、シリンダヘッドに溝などの取付ガイド部を設けるための加工を施す必要がある。また、吸気制御弁の有無を変更する場合に、シリンダヘッドの形状を変更する必要が生じる。この結果、製造コストが増大する。

また、上記とは別の観点では、隔壁と吸気制御弁とをインテークマニホールドに別々に組付ける場合、組付精度が低下する場合がある。

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製造コストの増大を抑制し、高い組付精度を確保しながら、内燃機関の吸気に旋回流を発生させることが可能な吸気制御弁を有する内燃機関の吸気装置を提供することにある。

本発明に係る内燃機関の吸気装置は、内燃機関の燃焼室に吸入空気を導入する内燃機関の吸気装置であって、内燃機関のシリンダヘッドに取付けられるインテークマニホールドと、インテークマニホールドに嵌入される嵌入部材とを備え、嵌入部材は、吸気通路を形成する筒状の本体と、本体上に設けられ、複数の吸気通路を区画する隔壁と、隔壁により区画された複数の吸気通路の少なくとも一部の通路断面積を縮小可能な吸気制御弁とを含む。

上記構成によれば、インテークマニホールドに嵌入部材を挿入することで吸気通路上に隔壁と吸気制御弁とを設けることができるので、シリンダヘッドに隔壁設置用のガイド部を設ける必要がない。したがって、シリンダヘッドの加工工数が低減される。また、吸気制御弁の設置の有無による部品の変更を防止することができる。さらに、嵌入部材が隔壁と吸気制御弁とを有することで、隔壁と吸気制御弁とを一体でインテークマニホールドに組付けることができるので、隔壁および吸気制御弁の組付精度が向上する。したがって、コストの増大を抑制し、高い組付精度を確保しながら内燃機関の吸気に旋回流を発生させることが可能な吸気制御弁を有する内燃機関の吸気装置を得ることができる。

上記内燃機関の吸気装置において、好ましくは、内燃機関は複数の気筒を有し、嵌入部材は、内燃機関の各気筒ごとに分割して形成される。

これにより、隔壁および吸気制御弁の組付精度がさらに向上する。また、嵌入部材のインテークマニホールドへの嵌入が容易になる。

上記内燃機関の吸気装置において、１つの例として、嵌入部材における本体と隔壁とが一体成形により形成される。

上記内燃機関の吸気装置は、好ましくは、嵌入部材における前記吸気制御弁の回転駆動用のシャフトをさらに備える。ここで、内燃機関は複数の気筒を有し、シャフトは、内燃機関の複数の気筒における吸気制御弁を連動して回転駆動するように設けられる。

上記構成によれば、より簡単な構造により複数の吸気制御弁を回転駆動することができる。

本発明によれば、、コストの増大を抑制し、高い組付精度を確保しながら内燃機関の吸気に旋回流を発生させることが可能な吸気制御弁を有する内燃機関の吸気装置を得ることができる。

以下に、本発明に基づく内燃機関の吸気装置の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。

なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。

本願明細書において「内燃機関」は、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。また、内燃機関に設けられるインジェクタは、吸気通路に燃料を噴射するインジェクタであってもよいし、筒内に燃料を噴射するインジェクタであってもよい。さらには、それらの双方のインジェクタが設けられてもよい。

図１は、本発明の１つの実施の形態に係る内燃機関の吸気装置を示す全体構成図である。図１を参照して、シリンダブロック１０に円筒状のシリンダ２０が形成され、その頂部を覆うシリンダヘッド３０にペントルーフ型の燃焼室４０が設けられている。燃焼室４０の２つの傾斜面にそれぞれ接続されるように、吸気通路５０および排気通路６０が形成されている。吸気通路５０の先端は吸気バルブ７０により開閉され、排気通路６０の先端は排気バルブ８０により開閉される。吸気通路５０は、先端部が二股上に分岐しており、各気筒に一対設けられた吸気バルブ７０がそれぞれの先端を開閉している。同様に、排気バルブ８０も各気筒に一対設けられている。そして、これら４つのバルブに囲まれた燃焼室４０の中心部に、プラグ９０が配置されている。なお、シリンダ２０内にはピストン１００が配置されている。図１の例では、ピストン１００の頂面は平坦な形状を有しているが、該頂面は、成層燃焼等に適した所望の形状に適宜構成される。

シリンダヘッド３０には、インテークマニホールド２００が接続される。インテークマニホールド２００は、たとえば６ナイロンなどの樹脂により構成される。インテークマニホールド２００内には、カートリッジ３００が嵌入されている。カートリッジ３００について、図１に加えて、図２（断面図），図３（斜視図）を参照して説明する。

カートリッジ３００は、本体３１０と、隔壁３２０と、吸気制御弁３３０とを含んで構成される。本体３１０内には、吸気通路５０が形成される。吸気通路５０は、隔壁３２０により第１と第２流路５１，５２に区画される。吸気制御弁３３０は、図１中の矢印ＤＲ１方向に回動して吸気通路５０の通路断面積を調整する。

本体３１０および吸気制御弁３３０は、たとえば、インテークマニホールドと別材質の樹脂（たとえば６６ナイロンなど）により構成される。１つの例として、本体３１０と吸気制御弁３３０とは、同じ型を用いて同時に形成することが可能である。なお、本体３１０と吸気制御弁３３０とを別材質で構成してもよいし、本体３１０と吸気制御弁３３０とを別々の型を用いて別工程で形成してもよい。また、隔壁３２０は、本体３１０と樹脂一体成形により構成されてもよいし、本体３１０の形成時にインサート成形により金属プレートを挿入することで構成されてもよい。

図１〜図３に示すように、カートリッジ３００に隔壁３２０と吸気制御弁３３０とを含ませてそれらを一体でインテークマニホールド２００に組付けることで、隔壁３２０と吸気制御弁３３０とのインテークマニホールド２００への組付精度を向上させることができる。この結果、たとえば吸気制御弁３３０の全閉時に隔壁３２０と吸気制御弁３３０との間に意図しない隙間が生じることを抑制することができる。

次に、隔壁および吸気制御弁のインテークマニホールド２００への組付工程について、図４，図５を用いて説明する。図４を参照して、隔壁および吸気制御弁を有するカートリッジ３００を各気筒ごとにインテークマニホールド２００に嵌入する。その後、吸気制御弁の駆動用のシャフト４００を挿入する。ここで、シャフト４００は、複数のカートリッジ３００を串刺しにするようにインテークマニホールド２００に挿入される。そして、ガスケット５００が嵌め込まれる。以上の工程により、図５に示されるように、複数のカートリッジ３００がインテークマニホールド２００に固定される。

本実施の形態に係る内燃機関の吸気装置によれば、インテークマニホールド２００にカートリッジ３００を挿入することで吸気通路上に隔壁３２０と吸気制御弁３３０とを設けることができるので、シリンダヘッド３０に隔壁設置用のガイド部を設ける必要がない。したがって、シリンダヘッド３０の形状を変更することなく隔壁３２０および吸気制御弁３３０を設けることができる。さらに、カートリッジ３００が隔壁３２０と吸気制御弁３３０とを有することで、隔壁３２０と吸気制御弁３３０とを一体でインテークマニホールド２００に組付けることができるので、それらの組付精度が向上する。このように、本実施の形態によれば、コストの増大を抑制し、高い組付精度を確保しながら内燃機関の吸気に旋回流（タンブル流）を発生させることが可能な吸気制御弁３３０を有する内燃機関の吸気装置を得ることができる。

また、カートリッジ３００を内燃機関の各気筒ごとに分割して形成することにより、隔壁３２０および吸気制御弁３３０の組付精度がさらに向上する。また、カートリッジ３００のインテークマニホールド２００への嵌入が容易になる。

また、内燃機関の複数の気筒における吸気制御弁３３０を連動して回転駆動するようにシャフト４００が設けられることで、より簡単な構造により複数の吸気制御弁３３０を回転駆動することができる。

上述した構成について要約すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る内燃機関の吸気装置は、燃焼室４０に吸入空気を導入する内燃機関の吸気装置であって、シリンダヘッド３０に取付けられるインテークマニホールド２００と、インテークマニホールド２００に嵌入される「嵌入部材」としてのカートリッジ３００とを備える。カートリッジ３００は、吸気通路５０を形成する筒状の本体３１０と、本体３１０上に設けられ、「複数の吸気通路」としての第１と第２流路５１，５２を区画する隔壁３２０と、隔壁３２０により区画された第１と第２流路５１，５２の少なくとも一方の通路断面積を縮小可能な吸気制御弁３３０とを含む。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

本発明の１つの実施の形態に係る内燃機関の吸気装置を示す全体構成図である。 図１に示される内燃機関の吸気装置における嵌入部材を示す断面図である。 図１に示される内燃機関の吸気装置における嵌入部材を示す斜視図である。 図３，図４に示される嵌入部材をインテークマニホールドに組付ける状態を示す図である。 図３，図４に示される嵌入部材をインテークマニホールドに組付けた後の状態を示す図である。

符号の説明

１０ シリンダブロック、２０ シリンダ、３０ シリンダヘッド、４０ 燃焼室、５０ 吸気通路、５１ 第１流路、５２ 第２流路、６０ 排気通路、７０ 吸気バルブ、８０ 排気バルブ、９０ プラグ、１００ ピストン、２００ インテークマニホールド、３００ カートリッジ、３１０ 本体、３２０ 隔壁、３３０ 吸気制御弁、４００ シャフト、５００ ガスケット。

Claims (4)

1. 内燃機関の燃焼室に吸入空気を導入する内燃機関の吸気装置であって、
   内燃機関のシリンダヘッドに取付けられるインテークマニホールドと、
   前記インテークマニホールドに嵌入される嵌入部材とを備え、
   前記嵌入部材は、
   吸気通路を形成する筒状の本体と、
   前記本体上に設けられ、複数の吸気通路を区画する隔壁と、
   前記隔壁により区画された複数の前記吸気通路の少なくとも一部の通路断面積を縮小可能な吸気制御弁とを含む、内燃機関の吸気装置。
2. 前記内燃機関は複数の気筒を有し、
   前記嵌入部材は、前記内燃機関の各気筒ごとに分割して形成される、請求項１に記載の内燃機関の吸気装置。
3. 前記嵌入部材における前記本体と前記隔壁とが一体成形により形成される、請求項１または請求項２に記載の内燃機関の吸気装置。
4. 前記嵌入部材における前記吸気制御弁の回転駆動用のシャフトをさらに備え、
   前記内燃機関は複数の気筒を有し、
   前記シャフトは、前記内燃機関の複数の気筒における前記吸気制御弁を連動して回転駆動するように設けられる、請求項１から請求項３のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。

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