JP2007297846A - 建築用引き寄せ金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボルト挿通部に対するボルトの挿通位置にかかわらず極めて良好な緊結強度を発揮できる簡易構造の画期的な建築用引き寄せ金具を提供すること。
【解決手段】建築物の柱1Aに添設固定する背板部2の前側板面に、ボルト3の先端部を挿通し得且つこのボルト3先端部に螺着したナット4あるいはナット4と共にボルト3に被嵌装着した座金5を締付当接するボルト挿通部6を突設し、このボルト挿通部6の挿通孔6Aを、前記ボルト3の径より径大に形成してこのボルト挿通部6内でボルト3の挿通位置を調整移動可能に構成し、前記背板部2の前側板面に突設した前記ボルト挿通部6の突出前側部の形状を、平断面略V字形に先細る形状に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、木造軸組み工法に用いられる建築用引き寄せ金具に関するものである。
木造軸組み構造の住宅には、例えば、土台を挟んだ基礎と柱との緊結や、胴差を挟んだ上下の柱の緊結にホールダウン金物が多用されていて、十分な耐震強度が得られるようにしている。
例えば、土台を挟んだ基礎と柱との緊結は、基礎に埋設固定して立設させたアンカーボルトを土台に貫通させ、土台の上面から突設するアンカーボルトの先端を、柱側面に固定したホールダウン金物にナットで締付固定して、土台を挟んで基礎と柱を引き寄せ、強固に緊結する。
しかし、このようなホールダウン金物は、アンカーボルトの正確な位置出しが必要であり、アンカーボルトの埋設位置等にズレがある場合には、ホールダウン金物の取り付けができない場合があったり、取り付けは可能であっても必要な強度を確保できない場合がある。
そこで、このようなアンカーボルトの位置ズレに対応できる引き寄せ金具(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
この特許文献1のような引き寄せ金具は、柱に固定する平板状の背板部20に断面U字形の係合体21が付設されてこの背板部20と係合体21とでアンカーボルトなどのボルト22を挿通するボルト挿通(孔)部23を構成し、このボルト挿通部23の挿通孔23Aをボルト22の径よりも径大として、この挿通孔23A内でボルト22の位置をずらして挿通できるようにしており、ボルト22の位置ズレに対応できる構成となっている。
特許第3477074号公報
しかしながら、この特許文献1のような構成であると、断面U字形を呈するボルト挿通部23は前端の湾曲部付近まで一定の広横幅を有するため、このU字形のボルト挿通部23の挿通孔23Aの中心に対してボルト22の軸心が大きく横方向に片寄ってしまうと、このボルト22に接近している側のボルト挿通孔23の端部には、ボルト22にナットと共に被嵌装着した座金24が良好に当接するが、ボルト22が離れてしまった側のボルト挿通部23の端部には、図4(b)に示すように座金24が当接しなくなってしまう場合がある。
してみると、このような当接状況ではボルト挿通部23に対する座金24のかかりが不十分となり、締付固定時に締付当接力に片寄りを生じて座金24の変形を招くおそれもあり、十分な締付強度が得られずに緊結強度不足を生じてしまう懸念がある。
この問題点は、ボルト22に装着する座金24に径の大きいものを採用することで解決できるようにも考えられるが、座金24の径が大きいと、ボルト挿通部23の挿通孔23A内でボルト22を動かす際に背板部20に干渉し易くなり、挿通孔23Aに対するボルト22の位置移動を阻害することとなってしまうためにできない。
本発明は、上記特許文献1のような従来の引き寄せ金具の問題点を見い出し、これを解決するためのもので、ボルト挿通部に対するボルトの挿通位置にかかわらず極めて良好な緊結強度を発揮できる簡易構造の画期的な建築用引き寄せ金具を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
建築物の柱1Aなどの縦材1に添設固定する背板部2の前側板面に、アンカーボルト3Aや引き寄せボルト3Bなどのボルト3の先端部を挿通し得且つこのボルト3先端部に螺着したナット4あるいはナット4と共にボルト3に被嵌装着した座金5を締付当接する筒形あるいは前記背板部2とによって筒形となる上下に長さを有するボルト挿通部6を突設し、このボルト挿通部6の挿通孔6Aを、前記ボルト3の径より径大に形成してこのボルト挿通部6内でボルト3の挿通位置を調整移動可能に構成した建築用引寄せ金具において、前記背板部2の前側板面に突設した前記ボルト挿通部6の突出前側部の形状を、板材を折り返した平断面U字形やコ字形とせずに、平断面略V字形に先細る形状に形成したことを特徴とする建築用引き寄せ金具に係るものである。
また、前記背板部2の下端部を、この背板部2の前側方向に屈曲形成すると共に、この屈曲部位の後側板面が湾曲面形状となるように屈曲形成したことを特徴とする請求項1記載の建築用引き寄せ金具に係るものである。
また、前記背板部2の前側板面に、平断面半筒形であって開放部の反対側部が平断面略V字形に屈曲形成された係合体7を付設して、この係合体7の内面と背板部2の前側板面とで筒形となる前記ボルト挿通部6を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の建築用引き寄せ金具に係るものである。
また、前記背板部2の左右側縁部を背板部2の前側方向に屈曲し、この背板部2の左右の屈曲側板部2Aに、前記係合体7の開放部側の左右部を重合固定したことを特徴とする請求項3記載の建築用引き寄せ金具に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、上記特許文献1のような従来の引き寄せ金具と同様にボルトの挿通位置を位置調整することができるので、例えばホールダウン金物として使用する場合に、基礎に対する(アンカー)ボルトの位置出しが正確でなく僅かに狂っていたとしても、このボルト挿通部内でのボルトの挿通位置調整を行うことで、このボルト位置の誤差を吸収することができ、また、ボルトに対して本金具の位置をずらすこともできるので、縦材あるいは縦材付近の建築材に固定された筋違などの他の建築材を避けるように本金具の位置をずらして縦材に固定することもでき、しかも、本発明によれば、ボルト挿通部に対するボルトの挿通位置にかかわらず、ボルト挿通部にナットあるいは座金をかかりよく締付当接できて極めて良好な緊結強度を発揮できる上、この効果を発揮する本発明は、単に、背板部の前側板面に突設した前記ボルト挿通部の突出前側部の形状を、前端部が平断面略V字形に先細る形状に形成することで構成可能であるため、簡易に設計実現可能で量産性に秀れるなど、極めて実用性に秀れた簡易構造の画期的な建築用引き寄せ金具となる。
また、請求項2記載の発明においては、背板部の下端部を、この背板部の前側方向に屈曲形成すると共に、この屈曲部位の後側板面が湾曲面形状となるように屈曲形成しているため、例えば、地震などの外力によって柱などの縦材が斜め上方に引き上げられた場合においても、後側板面を湾曲面状とした背板部の下部は縦材に喰い込んで固定されてしまうことがないため、金具の変形が抑制されて一層秀れた耐久強度を発揮することになる極めて実用性に秀れた建築用引き寄せ金具となる。
また、請求項3記載の発明においては、前記効果を確実に発揮するボルト挿通部を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成の建築用引き寄せ金具となる。
また、請求項4記載の発明においては、背板部の強度が増して秀れた耐変形強度を発揮すると共に、背板部に係合体を簡易に且つ高強度に固定できる一層実用性に秀れた構成の建築用引き寄せ金具となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
例えば、土台9を挟んで基礎8と柱1Aなどの縦材1とを緊結する場合(本引き寄せ金具をホールダウン金物として使用する場合)を説明する。
基礎8に埋設固定して立設させたボルト3(アンカーボルト3A)を、例えば土台9に上下貫通状態に形成した貫通孔9Aに挿通させ、この土台9の上面から突設するアンカーボルト3Aの先端を、縦材1の側面に背板部2を介して固定した本引き寄せ金具のボルト挿通部6の挿通孔6Aに挿通する。
次いで、このボルト挿通部6に挿通したアンカーボルト3Aの先端に、ナット4を螺着あるいは座金5と共にナット4を螺着し、このナット4を締付してボルト挿通部6の端部にナット4あるいは座金5を締付当接させることで、基礎8に縦材1を引寄せ、土台9を挟んで基礎8と縦材1を強固に緊結する。
この際、アンカーボルト3Aの径よりも径大に形成したボルト挿通部6内では、アンカーボルト3Aの挿通位置を位置調整することができるので、基礎8に対するアンカーボルト3Aの位置出しが正確でなく僅かに狂っていたとしても、このボルト挿通部6内でのアンカーボルト3Aの挿通位置調整を行うことで、このアンカーボルト3A位置の誤差を吸収することができる。
また、アンカーボルト3Aに対して本金具の位置をずらすこともできるので、縦材1あるいは縦材1付近の建築材に固定された筋違などの他の建築材を避けるように本金具の位置をずらして縦材1に固定することもできる。
また、この際、前記特許文献1のようにボルト挿通部23が断面U字形を呈する構成であると、このボルト挿通部23の挿通孔23Aの中心に対してボルト22の軸心が大きく横方向に片寄った状態で固定する場合には、図4(b)に示すようにボルト挿通孔23の端部に対して座金24が片持ちのような当接状態となって、十分な締付当接強度が得られず、緊結強度不足を生じてしまう懸念があるが、本発明にあっては、ボルト挿通部6の挿通孔6Aの中心に対してボルト3の軸心が大きく片寄った状態となっても、このボルト挿通部6が略V字形となっていることで、図4(a)に示すようにボルト3は挿通孔6Aの端に位置しながらも特許文献1のような構造に比して挿通孔6Aの中心側へと案内されると共に、ボルト3から離れている側のボルト挿通部6の端部もボルト3に近い位置に存することになるので、このボルト3が接近している側のボルト挿通部6部位はもちろん、ボルト3から離れた側のボルト挿通部6部位の端部にも、ナット4あるいは座金5が確実に当接する状態を実現できることになり、十分な締付当接強度を発揮できることになる。
よって、本発明によれば、ボルト挿通部6に対するボルト3の挿通位置にかかわらず、極めて良好な緊結強度を発揮できることになる。
また、この本発明の構成は、単に、背板部2の前側板面に突設したボルト挿通部6の突出前側部の形状を、前端部が平断面略V字形に先細る形状に形成することで構成可能であるため、簡易に設計実現可能で量産性に秀れる上、従来構造に比して径大なナット4あるいは座金5を用いることなく施工可能となる構成のため、ボルト3の良好な調整移動範囲を確保可能である。
また、例えば、横材10(胴差10Aや梁など)を挟んだ上下の縦材1(柱1A)を緊結する場合を説明する。
この場合は、本発明の引き寄せ金具を二体と、両端部に螺子部を有する引き寄せボルト3Bを使用する。
例えば、横材10に上下貫通状態に形成した貫通孔14に、引き寄せボルト3Bを挿通し、この貫通孔14に挿通した引き寄せボルト3Bの下端部を横材10の下方に存する縦材1の側面に固定した本引き寄せ金具のボルト挿通部6の挿通孔6Aに挿通し、引き寄せボルト3Bの上端部を横材10の上方に存する縦材1の側面に固定した本引き寄せ金具のボルト挿通部6の挿通孔6Aに挿通して、この引き寄せボルト3Bの下端部と上端部の夫々にナット4を螺着あるいは座金5と共にナット4を螺着し、この上下いずれか一方若しくは双方のナット4を締付することで上下のナット4あるいは上下の座金5を夫々ボルト挿通部6の端部に締付当接して上下の縦材1を引寄せ、横材10を挟んで縦材1同士を強固に緊結する。
この際、例えば、横材10に形成した貫通孔14の加工精度に誤差があったり、上下の縦材1の軸心がずれて配されていたりしても、上下の各ボルト挿通部6内で引き寄せボルト3Bの位置を移動させることでこの誤差を吸収することができるし、他の建築材等を避けるように引き寄せボルト3Bに対し本引き寄せ金具の位置をずらして本引き寄せ金具を縦材1に固定することもできる。
また、この種引き寄せ金具を用いた緊結構造にあっては、地震などにより発生する外力Lによって柱1Aなどの縦材1が斜め上方に引き上げられると、例えば、基礎8から立ち上がるアンカーボルト3A(ボルト3)に固定された金具には、縦材1に対して引き下げられるような力が加わり、この際、図6(a'),(b'),(c')に示すように、金具の下端部が縦材1に喰い込むように変形してしまうことが実験により確認されている。
そして、この外力Lが大きくなるにつれ、喰い込んだ金具(背板部2)の下端部は縦材1に固定されて下方へ移動不能な状態となり、そのためアンカーボルト3Aの締付固定部を支点として背板部2の固定部分(止着具11止部分)の下部がくの字状に変形していき、この変形を生じることにより金具に亀裂が入って強度が弱くなってしまう場合がある。
この点、例えば、前記背板部2の下端部を、この背板部2の前側方向に屈曲形成すると共に、この屈曲部位の後側板面が湾曲面形状となるように屈曲形成する構成とすれば、背板部2が前記外力Lの作用によって縦材1に対して引き下げられた際に、図6(a),(b),(c)に示すように背板部2下端部の湾曲面状の後側板面がたとえ縦材1にめり込んだとしても、この背板部2下端部が湾曲板面となっていることによって多少下方へ滑るように移動することが可能となるため、この背板部2下端部が縦材1に喰い込んで固定されてしまうことはなく、この食い込み固定が原因で生じる金具の変形が抑制されて一層秀れた耐久強度を発揮することになる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、図1,図2に示すように、建築物の柱1Aなどの縦材1に添設固定する背板部2の前側板面に、アンカーボルト3Aや引き寄せボルト3Bなどのボルト3の先端部を挿通し得且つこのボルト3先端部に螺着したナット4あるいはナット4と共にボルト3に被嵌装着した座金5を締付当接し得る、前記背板部2とによって筒形となる上下に長さを有するボルト挿通部6を突設した構成としている。
具体的には、背板部2は、図1に示すように、帯板状に構成し、長さ方向を上下方向として左右側縁部を夫々同方向に直角に屈曲形成している。
この背板部2左右の屈曲側板部2Aが屈曲突出する方向を背板部2の前側とし、後側の板面を柱1Aなどの縦材1に添設固定する構成としている。
また、この背板部2の中程より上側には、縦材1に打ち込み固定するための係止ピンや木ネジや釘などの止着具11を貫通する止着孔12を複数形成し、この背板部2の前側板面の中程より下側部に前記ボルト挿通部6を設けている。
本実施例のボルト挿通部6は、前記ボルト3の径よりも径大に形成してこのボルト挿通部6内でボルト3の挿通位置を調整可能に構成している。
また、前記背板部2の前側板面に突設したこのボルト挿通部6の突出前側部の形状を、平断面略V字形に先細る形状に形成している。
具体的には、前記背板部2の前側板面に、上下方向に長さを有する平断面半筒形であって開放部の反対側部が平断面略V字形に屈曲形成された係合体7を付設して、この係合体7の内面と背板部2の前側板面とで筒形の前記ボルト挿通部6を構成している。
また、係合体7について更に説明すると、図3に示すように、平断面略V字形の前側部はその前端部が背板部2の前側板面と平行な平坦面状に形成され、この略V字形前側部から開放部までは左右部が略平行に連設する平断面形状に形成している。
また、背板部2の前側板面と係合体7との付設構造は、背板部2の左右の屈曲側板部2A間に前記係合体7の開放部側を嵌合し、この左右の屈曲側板部2Aと係合体7の開放部側の左右部とを重合して溶接した構成としている。
更に詳しくは、図4(a)の斜線部分並びに図6(a),(b),(c)の暗トーン部分を溶接部分13としている。即ち、前記係合体7の開放部側左右部(遊離両端部)の上側部を夫々上方へ一体的に延長突設して、この夫々の延設部7Aを背板部2の左右の屈曲側板部2Aに溶接すると共に、係合体7の開放部側の左右側面部と屈曲側板部2Aの前縁部(図6の右側縁部)とを溶接している。
このような背板部2と係合体7との付設構造によれば、背板部2は、左右に屈曲側板部2Aを備えることで係合体7を配設し易く、溶接作業を行い易い。また、溶接範囲を長く確保できるので、接合強度が高く、頑丈で破断を生じにくい。更に、屈曲側板部2Aを有することで、背板部2Aが高い屈曲変形強度を有する上、前記係合体7に上方へ突設する延設部7Aを設けて、この延設部7Aを屈曲側板部2Aに溶接する構成としたため、高い変形抑制効果が得られる(延設部7Aが上方へ高く突設する形状とする程、高い変形抑制効果が得られることが強度実験により確認されている。)。
尚、本実施例では、延設部7Aの前側への突出度を小さく設定(具体的には、同高さ位置の屈曲側板部2Aの前方への突出度に対して1/2以下の突出度に設定)し、これにより、ボルト3が背板部2側へ移動する際に延設部7Aが座金5の移動の邪魔にならないようにして座金5の良好な移動範囲を確保している。
また、本実施例では、ボルト挿通部6(挿通孔6A)の前後幅並びに左右幅を従来の引き寄せ金具の前後・左右幅に準じた寸法に設定する。
このように構成した本実施例のボルト挿通部6は、その挿通孔6A内に挿通したボルト3を図1,図3中に想像線で示したように上下左右斜めいずれの方向にも位置をずらすことができる。
また、このボルト挿通部6に挿通したボルト3を締付連結する際には、図3,図4(a)に示すようにこの挿通孔6A内でどのような位置にボルト3が位置しても、このボルト挿通部6の端部に良好に当接し得る径寸法の座金5を採用して行う。尚、本実施例のボルト挿通部6(挿通孔6A)は、従来の引き寄せ金具よりも前後・左右幅を広くせずに従来品と同等の寸法を有するように設定しているため、従来の引き寄せ金具に用いる座金と同等の径を有する座金5を採用することができる。従って、従来の引き寄せ金具に用いるものより大きい径の座金5を採用してボルト挿通部6に対するボルト3の移動範囲を阻害するようなことなく、従来品と略同等のボルト3移動範囲を確保できる構成としている。
また、本実施例では、前記背板部2の下端部を、この背板部2の前側方向に屈曲形成すると共に、この屈曲部位の後側板面が湾曲面形状となるように屈曲形成している。
具体的には、図5に示すように背板部2の下端部を略水平前方へL字形状に屈曲形成し、この屈曲部位の後側板面が柱1Aなどの縦材1に喰い込むことのない滑らかな湾曲面形状となるように屈曲している。
この背板部2の屈曲下端部2Bは、建築物に地震などによる外力Lが作用した際に、この背板部2下端部が縦材1へ喰い込むことを防止するためのものである。
更に詳しくは、この屈曲下端部2Bがない構成であると、本引き寄せ金具施工後に、地震などの外力Lによって柱1Aが斜め上方に引き上げられた際に、基礎8から立ち上がるアンカーボルト3A(引き寄せボルト3B)に固定された本金具には、柱1Aに対して引き下げられるような力が加わり、この際、背板部2の下端部が柱1Aに喰い込むように変形してしまうことが出願人の実験により確認されている(図6(a'),(b'),(c')参照。)。
そして、前記外力Lが大きくなるにつれ、喰い込んだ背板部2の下端部は柱1Aに固定されてしまって下方へ移動不能な状態となり、そのためアンカーボルト3Aの締付固定部を支点として背板部2の止着具11止部分(前記止着孔12の存する部位)の下側部、即ち背板部2の中程が前方へ突出するように屈曲して背板部2がくの字状に変形していき、この変形を生じることにより背板部2に亀裂が入ったりして強度が弱くなってしまう場合がある。
しかし、本実施例によれば、図6(a),(b),(c)に示すように、背板部2が外力Lの作用によって柱1Aに対し引き下げられて背板部2に多少の変形を生じ、これによりたとえ背板部2下端部の後側板面が柱1Aにめり込んだとしても、前側に屈曲させた背板部2の下部(滑らかな湾曲面形状の後側板面)は柱1Aに対して多少下方へ滑り移動することができるため、この背板部2下端部が柱1Aに喰い込んで固定されることはなく、よってこれ以上の変形が抑制されて強度を維持できることになる構成としている。
また、本実施例では、背板部2の前側板部であって、この背板部2の中程から下端部に至る個所に、この背板部2の後側板面を前側に凹設することで前側板面を前側に凸設させた上下方向に長さを有する補強リブ2Cを一体的に形成して、この背板部2の中程から下端部に至る個所の強度を向上させると共に、この背板部2の中程から下端部に至る個所の前記左右の屈曲側板部2Aを中程より上側の屈曲側板部2Aより前後幅が幅広となる形状に形成して、この背板部2の中程から下端部に至る個所の強度を向上させ、上記したように本引き寄せ金具施工後、地震などの外力Lが加わった際に特に変形し易いこの背板部2の中程から下端部に至る個所に高い変形防止作用を付与する構成としている。
次に、本実施例の使用方法を説明する。
図7に基づいて、土台9を挟んで基礎8と柱1A(縦材1)とを緊結する場合(本引き寄せ金具をホールダウン金物として使用する場合)を説明する。
基礎8に埋設固定して立設させたボルト3(アンカーボルト3A)を、土台9に上下貫通形成した貫通孔9Aに挿通させ、この貫通孔9Aから土台9上面に突設するアンカーボルト3Aの先端を、柱1Aの側面に固定した(止着具11で背板部2を固定した)本引き寄せ金具のボルト挿通部6の挿通孔6Aに挿通する。
次いで、このボルト挿通部6に挿通したアンカーボルト3Aの先端に座金5を被嵌装着すると共にナット4を螺着し、このナット4を締付螺動することでボルト挿通部6の端部に座金5を締付当接させて基礎8に柱1Aを引寄せ、土台9を挟んで基礎8と柱1Aを強固に緊結する。
この際、アンカーボルト3Aの径よりも径大に形成したボルト挿通部6(挿通孔6A)内では、アンカーボルト3Aの挿通位置を位置調整することができるので、基礎8に対するアンカーボルト3Aの位置出しが正確でなく僅かに狂っていたり、縦材1に対する本引き寄せ金具の固定位置が僅かに狂っていたとしても、このボルト挿通部6内でのアンカーボルト3Aの挿通位置調整によりアンカーボルト3Aとボルト挿通部6の位置の誤差を吸収して対応できる。
また、この際、本実施例にあっては、ボルト挿通部6の挿通孔6Aの中心に対してボルト3の軸心が大きく片寄った状態となっても、略V字形に先細るボルト挿通部6の挿通孔6A形状によってボルト3から離れている側のボルト挿通部6の端部が特許文献1のような構造よりボルト3に近い位置に存するように規制されることになるので、このボルト3から離れた側のボルト挿通部6の端部にも、良好な当接状態を実現できることになる(図4参照。)。
よって、本実施例によれば、ボルト挿通部6に対するボルト3の挿通位置にかかわらず、極めて良好な締付当接強度を発揮して極めて強固な緊結強度を発揮できることになる。
また、図8に基づいて、胴差10A(横材10)を挟んだ上下の柱1A(縦材1)を緊結する場合を説明する。この場合、本実施例の引き寄せ金具を二体と、両端部に螺子部を有する引き寄せボルト3Bを使用する。
胴差10Aに上下貫通状態にして引き寄せボルト3B挿通用の貫通孔14を形成し、例えば、この貫通孔14に挿通した引き寄せボルト3Bの下端部を、胴差10Aの下方に存する柱1Aの側面に固定した本引き寄せ金具のボルト挿通部6の挿通孔6Aに挿通し、引き寄せボルト3Bの上端部を、胴差10Aの上方に存する柱1Aの側面に固定した本引き寄せ金具のボルト挿通部6の挿通孔6Aに挿通して、この引き寄せボルト3Bの下端部と上端部の夫々にナット4を座金5を介して螺着し、この上下いずれか一方若しくは双方のナット4を締付して、上下の座金5を夫々ボルト挿通部6の端部に締付当接させて上下の柱1Aを引寄せ、胴差10Aを挟んでこの柱1A同士を強固に緊結する。また、胴差10Aの下方に存する柱1Aに対しては、本引き寄せ金具を上下逆向きにして使用した場合を示している。
この際、胴差10Aに形成した貫通孔14の加工精度に誤差があっても、また、上下の縦材1の軸心がずれて配されていたりしても、上下の各ボルト挿通部6内で引き寄せボルト3Bの位置を移動させることでこの誤差を吸収することができるし、他の建築材等を避けるように引き寄せボルト3Bに対し本引き寄せ金具の位置をずらして本引き寄せ金具を縦材1に固定することもできる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例では、座金5をボルト挿通部6に締付当接させた場合を示したが、座金5を省いて直接ナット4をボルト挿通部6に締付当接させる構成としても良い。
本実施例を示す斜視図である。 本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。 本実施例を示す平面図である。 ボルトの軸心がボルト挿通部(挿通孔)の中心に対して横方向に片寄った状態における、ボルト挿通部と座金との関係を示した本実施例と従来例の比較説明平面図である。 本実施例を示す側面図である。 本実施例施工後、縦材に外力が作用した際の金具変形の様子を示した比較説明図である。 本実施例の、土台を挟んで基礎と柱とを緊結する場合の使用状態を示す説明図である。 本実施例の、胴差を挟んだ上下の柱を緊結する場合の使用状態を示す説明図である。
符号の説明
1 縦材
1A 柱
2 背板部
2A 屈曲側板部
3 ボルト
3A アンカーボルト
3B 引き寄せボルト
4 ナット
5 座金
6 ボルト挿通部
6A 挿通孔
7 係合体

Claims (4)

  1. 建築物の柱などの縦材に添設固定する背板部の前側板面に、アンカーボルトや引き寄せボルトなどのボルトの先端部を挿通し得且つこのボルト先端部に螺着したナットあるいはナットと共にボルトに被嵌装着した座金を締付当接する筒形あるいは前記背板部とによって筒形となる上下に長さを有するボルト挿通部を突設し、このボルト挿通部の挿通孔を、前記ボルトの径より径大に形成してこのボルト挿通部内でボルトの挿通位置を調整移動可能に構成した建築用引寄せ金具において、前記背板部の前側板面に突設した前記ボルト挿通部の突出前側部の形状を、板材を折り返した平断面U字形やコ字形とせずに、平断面略V字形に先細る形状に形成したことを特徴とする建築用引き寄せ金具。
  2. 前記背板部の下端部を、この背板部の前側方向に屈曲形成すると共に、この屈曲部位の後側板面が湾曲面形状となるように屈曲形成したことを特徴とする請求項1記載の建築用引き寄せ金具。
  3. 前記背板部の前側板面に、平断面半筒形であって開放部の反対側部が平断面略V字形に屈曲形成された係合体を付設して、この係合体の内面と背板部の前側板面とで筒形となる前記ボルト挿通部を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の建築用引き寄せ金具。
  4. 前記背板部の左右側縁部を背板部の前側方向に屈曲し、この背板部の左右の屈曲側板部に、前記係合体の開放部側の左右部を重合固定したことを特徴とする請求項3記載の建築用引き寄せ金具。
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