JP2007297702A - 高耐食性カラー鋼材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼材を窒化処理(S10)した後、研磨処理(S30)する工程と、研磨処理した鋼材を100℃〜700℃の酸化性雰囲気下で30秒〜100時間、酸化熱処理して鋼材の表面にカラー酸化被膜層を形成するカラー工程(S50)を具備することを特徴とする高耐食性カラー鋼材の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明において、前記(a)工程で窒化熱処理された鋼材は、ε相、ε+γ’の混合相、γ’相のうちから選ばれたいずれか一つの表面化合物層が形成されることが好ましい。
(1) まず、図1に示すように、鋼材の表面に窒化熱処理を実施して、鋼材の表面にε−相またはε−相とγ’−相の混合相またはγ’−相の表面化合物層を形成する(S10)。このとき、前記表面化合物層の厚さは2〜100μmとすることが好ましい。また、前記窒化熱処理の温度は300〜700℃であり、窒化熱処理の時間は1〜20時間とすることが好ましい。
(3) 前記冷却過程を経た鋼材は、その後、均一な粗度を得るため、研磨、バフ仕上げ(buffing)、ラッピング(lapping)、もしくはポリシング(polishing)のような研磨工程を経る(S30)。
熱処理温度を上記の範囲に設定した理由は、酸化熱処理の温度を100℃未満とした場合には、酸化熱処理が行われなくて望む鉄酸化物層を得ることができないし、700℃を超過する場合には相変態及び表面層の化合物の分解が起るためである。酸化熱処理時間を上記範囲に設定した理由は、酸化熱処理時間が30秒(高周波処理の場合、3秒未満)未満であると、前記炉を用いる場合、酸化処理が行われるカラー酸化被膜層の形成温度に至らなくて望むカラー酸化被膜層を得にくく、100時間を超過する場合には黒色にのみ保持し続けるため、経済的な観点において不必要な時間をもたらして非効率的であるからである。
さらに、前記カラー酸化被膜層の厚さは、0.05μm〜5μmとすることが好ましい。目で見られるカラーは、表面化合物層の厚さ及び酸化物層の表面形状に従い光の散乱や干渉の影響のために発現される。
(6) その後、前記酸化熱処理過程を通じてカラー酸化被膜層が形成された鋼材は、空冷、炉冷、水冷及び油冷の中から選ばれるいずれか一つの方法により冷却される(S60)。
したがって、従来の鋼材の着色方法は鋼材の表面にメッキ層を掛ける方式であるため、FeとO2が合わなくて望む色相が出来なくなるが、本発明のカラー鋼材の製造方法によって製造されたカラー鋼材は鋼材が酸化されることによって色を発現し、酸化熱処理の条件によってそれぞれ金色、紫色、青色、黒色系列の多様な色相を発現することができる。そのため、その色相が多様かつ美麗であるばかりでなく、耐食性が優れて、これによってその用途を室内外の装飾用、各種の構造物及び建築用などに多様に適用できる。
更に、本発明は、前記酸化熱処理方式以外にも高周波誘導加熱方式を適用してカラー鋼材を製造することができる。しかし、高周波誘導加熱方式の適用の際には、前記した酸化ガスと温度において3秒〜1時間程度の短い時間で色を発現することができる。
(実施例1)
まず、炭素鋼及び合金鋼材を560℃で3時間、50体積%NH3、5体積%CO2及び45体積%N2のガス雰囲気において窒化処理後、空冷した。このとき形成された表面化合物層の厚さは17μmであり、このとき得られた相はε−相であった。次に、窒化処理された鋼材をバフ仕上げして炉内に投入した後、180℃の空気雰囲気において9時間、酸化熱処理を実施した後に空冷した。その結果、表面色相は金色系列のカラー酸化被膜層が形成された。
まず、炭素鋼及び合金鋼材を570℃で3時間、染浴窒化し、水冷してε+γ’の混合相の表面化合物層が形成された鋼材を用意した。このとき形成された表面化合物層の厚さは20μmであった。次に、窒化処理された鋼材をポリシングした。このようにポリシングした後の表面化合物層の厚さは18μmであり、表面粗度は1.0μmRaであった。その後、炉内に前記鋼材を投入し、200℃で、空気と蒸気とを体積比50:50で2時間、酸化熱処理を実施した後に空冷して、表面色相が金色系列のカラー酸化被膜層が形成されたカラー鋼材を製造した。
まず、炭素鋼及び合金鋼材を580℃で3時間、50体積%NH3と50体積%RXのガス雰囲気において窒化処理後に水冷した。このとき形成された表面化合物層の厚さは22μmであり、相はε+γ’の混合相であった。次に、前記鋼材を研磨した後、220℃でかつ体積比50:50の空気と二酸化炭素の雰囲気において4時間、酸化熱処理した後、水冷した。その結果、鋼材の発現表面色相は金色であった。
まず、炭素鋼及び合金鋼材を580℃で3時間、50体積%NH3と50体積%RXのガス雰囲気において窒化の後、水冷した。このとき形成された表面化合物層の厚さは22μmであり、相はε+γ’の混合相であった。次に、この鋼材を研磨の後、260℃の空気雰囲気において1時間、酸化熱処理した後、水冷した。その結果、発現された色相は紫色であった。
まず、炭素鋼及び合金鋼材を550℃で窒素、水素、メタンのガス雰囲気、総圧力は5torr、電圧は500V、パルスは8kHzの条件下において5時間、プラズマ窒化処理した。このとき形成された表面化合物層の厚さは25μmであり、化合物層の相はγ’−相であった。次に、前記鋼材を260℃でかつ体積比30:70の窒素と酸素の雰囲気において5時間、酸化熱処理した後、油冷した。その結果、発現された色は青色であった。
まず、炭素鋼及び合金鋼材を550℃で窒素、水素、メタンのガス雰囲気、総圧力は5torr、電圧は500V、パルスは8kHzの条件下において3時間、プラズマ窒化処理した。このとき形成された表面化合物層の厚さは15μmであり、相はγ’−相であった。次に、前記鋼材を350℃でかつ体積比30:70の窒素と酸素の雰囲気において1時間、酸化熱処理した後、油冷した。その結果、発現された色は黒色であった。
[鋼材の耐食性試験]
前記したカラー工程を経たそれぞれのカラー鋼材を72時間の間塩水噴霧試験した結果、発錆はなかった。
(1)従来のメッキ法、塗装法とは異なる無公害方法であって、環境の被害を防止することができる。
(2)従来の方法では発現できない各種の色相のカラー鋼材を製造できるため、その色相が多様かつ美麗で、装飾性が優れてその適用範囲が広い。
(3)窒化処理の後、酸化熱処理を実施したため、耐食性が優れる。
なお、以上のように、本発明は限定された実施例及び図面により説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有するものによって本発明の技術思想及び特許請求の範囲の均等な範囲内において多様な修正及び変形が可能であることは勿論である。
Claims (4)
- 鋼材を窒化処理した後、研磨処理する工程と、研磨処理した鋼材を100℃〜700℃の酸化性雰囲気下で30秒〜100時間、酸化熱処理して鋼材の表面にカラー酸化被膜層を形成するカラー工程を具備することを特徴とする高耐食性カラー鋼材の製造方法。
- 前記酸化性雰囲気は酸素、空気、二酸化炭素及び蒸気のうちの単独またはこれらの混合ガスであり、これらガスに窒素を含むことができることを特徴とする請求項1に記載の高耐食性カラー鋼材の製造方法。
- 前記研磨処理工程は、バフ仕上げ、ラッピング、研磨、及びポリシングのうちのいずれか1つにすることを特徴とする請求項1に記載の高耐食性カラー鋼材の製造方法。
- 前記窒化処理または酸化熱処理を実施する熱処理は、上下部に夫々撹拌ファンが取り付けられた上部または下部ガス注入型ピット型炉、シールドクエンチファーネス、流動床炉、三つ以上のチャンバーで構成されかつ各チャンバの上下に夫々撹拌ファンが取り付けられたメッシュベルトタイプ連続炉、染浴炉、プラズマ炉及び高周波誘導炉のうちから選ばれたいずれか1つの炉を用いることを特徴とする請求項1に記載の高耐食性カラー鋼材の製造方法。
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