JP2007296724A - 導電性押出成形体の製造方法 - Google Patents

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Hirobumi Takase
高瀬博文
Hidemi Ito
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Abstract

【課題】極細導電繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物を押出成形して、良好な表面抵抗率を有する導電性押出成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を押出成形した押出成形体5を、加熱エンドレスベルト55などに接触させて、表面を前記組成物のガラス転移温度の温度から融点温度よりも30℃高い温度の温度範囲、又は/及び、粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲で加熱保温する。この加熱により、極細導電繊維が表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有したりして、導電層が形成されて、導電性押出成形体Aを製造することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、カーボンナノチューブなどの極細導電繊維を含有する導電層を形成した導電性押出成形体の製造方法に関する。
従来より、ICチップ、ハードディスクなどの電子部品やシリコンウェハや半導体などを搬送するトレー、ICソケット、コネクタ、ウェハピンセットなどは、静電気を帯びると電気破壊を起こすことが問題となっている。この静電気による電気破壊を防止するために、カーボンブラックやケッチェンブラックやアセチレンブラックなどを添加した樹脂組成物を用いた制電性成形体が用いられている。
また、最近はカーボンナノチューブを用いて導電性を付与した成形体も開発されていて、基材にカーボンナノチューブを含む塗液を塗布した電磁波シールド体(特許文献1)や、ポリオレフィンとカーボンナノチューブと発泡剤と硬化剤との混合組成物を押出成形した後に発泡させた導電性ポリオレフィン(特許文献2)も知られている。
特開2004−253796号公報 特開2005−521782号公報
しかしながら、上記カーボンブラックなどを含有する制電性成形体は、導電性を得るためにはカーボンブラックなどを多量に含有させる必要があるし、その分散性が悪くて均一な導電機能を発揮させることができなかった。また、カーボンブラックが脱落する恐れがあり、この脱落したカーボンブラックなどが付着して電子部品などが損傷するという問題もあった。
一方、上記特許文献1の電磁波シールド体は、カーボンナノチューブ塗液を塗布して導電性を発揮させていて、押出成形で導電性成形体を製造する方法は開示されていない。また、上記特許文献2の導電性ポリオレフィンは、発泡されたポリオレフィンを作製する方法であって、無発泡樹脂材を押出成形で製造する製法は開示されていない。
本発明は上記の問題に対処するためになされたもので、その目的とするところは、カーボンナノチューブなどの極細導電繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物を押出成形して導電性押出成形体を作製する製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の導電性押出成形体の製造方法は、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を押出成形して導電性押出成形体を製造する方法であって、成形金型から押出された押出成形体を、加熱された加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触させて該押出成形体の少なくとも表面を加熱し、極細導電繊維を押出成形体の表面に露出させるか、又はその表面から突出させるか、又はその表面から100nm未満の内部に含有させて、表面抵抗率を低下させた導電層を形成することを特徴とするものである。
本発明の第2の導電性押出成形体の製造方法は、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物と熱可塑性樹脂組成物を多層押出成形金型を用いて押出成形して導電性押出成形体を製造する方法であって、多層押出成形金型から押出された多層押出成形体を、加熱された加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触させて該多層押出成形体の少なくとも表面を加熱し、極細導電繊維を多層押出成形体の表面に露出させるか、又はその表面から突出させるか、又はその表面から100nm未満の内部に含有させて、表面抵抗率を低下させた導電層を形成することを特徴とするものである。
本発明の第3の導電性押出成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂組成物を押出成形し、転写フィルム又はラミネート用フィルムを積層して導電性押出成形体を製造する方法であって、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなる表面層が形成された転写フィルム若しくはラミネート用フィルム、又は極細導電繊維を含有するラミネート用フィルムを予め作製し、該転写フィルム又はラミネート用フィルムを押出成形されている成形体に積層して積層押出成形体となし、続いて、加熱された加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触させて該積層押出成形体の少なくとも表面を加熱し、極細導電繊維を積層押出成形体の表面に露出させるか、又はその表面から突出させるか、又はその表面から100nm未満の内部に含有させて、表面抵抗率を低下させた導電層を形成することを特徴とするものである。
上記の各製造方法において、上記加熱により押出成形体の表面が極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点温度より30℃高い温度の温度範囲となされることが好ましいし、また、上記加熱により押出成形体の表面の極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となされることが好ましい。更に、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物に含有される極細導電繊維がカーボンナノチューブであって、該カーボンナノチューブが前記組成物に0.01〜12.0質量%含有され、導電性押出成形体の表面抵抗率が101Ω/□以上1012Ω/□未満であることが好ましい。
本発明において、「表面抵抗率を低下させた導電層」又は「表面抵抗率が低下した導電層」とは、押出成形体の表面抵抗率が1012Ω/□以上であれば、これを1012Ω/□未満の表面抵抗率に低下させることを意味し、押出成形体の表面抵抗率が1012Ω/□未満であれば、これをさらに低下させた表面抵抗率となすことを意味する。
また、極細導電繊維は、押出成形体の表面全体に露出した状態、又は表面から突出した状態、又は表面から100nm未満の内部に含有されている状態になっている場合の他に、押出成形体の表面の部位により上記の状態が異なり上記2つ又は3つの状態が混在した状態になっている場合も含まれる。
さらに、加熱により、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物が上記ガラス転移温度の温度から融点温度よりも30℃高い温度の温度範囲になされると、その粘度は上記範囲内になる場合が多く該場合は両範囲が一部で一致するが、異なる場合はいずれかの範囲となるように加熱すればよい。
なお、上記極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度と融点は、該組成物の示差走査熱量を測定することにより求めることができ、ガラス転移温度は、転移前の基線の直線部分と転移領域の変曲点の接線を外挿して得られる交点の温度を示し、融点は、融解ピークの両側の最大傾斜の点で引いた接線の交点の温度を示す。
また、上記粘度は、動的粘弾性測定装置にて剪断速度1sec-1の剪断速度で得られた粘度を示す。
更に、上記の融点は、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物に使用される樹脂が結晶性であれば上記示差走査熱量を測定することで求めることができるが、非晶性であれば示差走査熱量で測定することができないので、上記粘度となるように加熱すればよい。
本発明の第1の導電性押出成形体の製造方法であると、押出成形された押出成形体をロールなどに接触させて該押出成形体の少なくとも表面を加熱することで、該押出成形体に含まれていた極細導電繊維が表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有したりすることで、該表面部分に表面抵抗率を低下させた導電層を形成することができる。このように極細導電繊維を上記状態になさしめる理由は、現時点では定かではないが出願人は次のように推測している。
押出成形された押出成形体は、加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触させられて加熱され、少なくとも表面近傍が極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点温度より30℃高い温度の温度範囲になされるか、及び/又は、押出成形体の表面近傍の極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となされる。
一方、該押出成形体の表面近傍に含まれている極細導電繊維は、押出成形時に成形金型面からの剪断力を受けて、歪を有して状態で含有され、押出成形流れ方向に強制的に配列・配向させられる。そのため、極細導電繊維の含有量が少ないか又は/及び分散が悪いと、該繊維同士の接触が余り得られず1012Ω/□以上の表面抵抗率を示す。しかし、極細導電繊維の含有量が多いか又は/及び分散が良好であると、歪を有した状態で配列・配向しても該繊維同士の接触がある程度得られて、1012Ω/□未満の表面抵抗率を示す。
続いて、表面抵抗率が上記のいずれの場合であっても、この押出成形体の表面を加熱すると、表面近傍の樹脂が軟化して低粘度となり、表面近傍に含有され且つ歪を有していた極細導電繊維が、この歪をなくすために、軟化して低粘度となった樹脂組成物の内部でランダムに3次元方向に動いて無配向状態となり、近接して含有されていた極細導電繊維同士がお互いに接触する機会が増加すると共に、軟化樹脂組成物量が少なくて動きを抑制する軟化樹脂組成物が少ない表面方向に動いて、表面に露出するか、更に動いて表面から突出するか、又は露出や突出するまでの歪がなくて表面から100nm未満の内部にまで動いて固定された状態となるためであると出願人は推測している。
また、特開2004−339484などにも知られるように極細導電繊維は、非晶性樹脂の結晶促進剤ともなり得る。これらの結晶は、極細導電繊維の近傍から発生することが知られており、この微結晶成長に伴い、極細導電繊維が動き導電性を向上させるとも思われる。
そのために、該表面又は/及び表面部分は、繊維が充分に接触した状態となり、表面抵抗率が低下した導電層が形成されて、本発明の導電性押出成形体を製造することができる。
そして、極細導電繊維が表面に露出又は表面から突出すると、該極細導電繊維により直接導電路が良好に形成されて、表面抵抗率が低下した導電層が形成される。また、極細導電繊維が表面から100nm未満の内部に含有されていると、トンネル効果により静電気や印加電荷が該極細導電繊維にまで達して導電路を形成されて、表面抵抗率が低下した導電層が形成される。
このようにして表面及び/又は表面部分に表面抵抗率を低下させた導電層が形成されると、加熱される前は1012Ω/□以上の高い表面抵抗率を示していても、加熱されることにより1012Ω/□未満の表面抵抗率を示す導電性押出成形体を製造することができる。また、加熱される前に012Ω/□未満の表面抵抗率を示したものは、加熱されることにより該表面抵抗率をさらに低下させた導電層が形成されて、本発明の導電性押出成形体を製造することができる。この表面抵抗率の低下は、加熱前の表面抵抗率により異なるが、該率が1桁乃至12桁の範囲でなされる。
一方、押出成形体の内部まで加熱されると、押出成形体内部の極細導電繊維もランダムに三次元方向に動いてお互いが接触して該成形体の厚さ方向の全てが表面抵抗率を低下させた導電層となり、表面抵抗率と共に体積抵抗率も低下した導電性押出成形体を製造することができる。
本発明の第2の導電性押出成形体の製造方法であると、熱可塑性樹脂からなる基材層の片面又は両面に極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の表面層を積層した多層押出成形体を共押出で容易に製造できる。そして、該多層押出成形体を加熱ロールなどに接触させて該多層押出成形体の少なくとも表面を加熱して、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点温度より30℃高い温度の温度範囲になすか、及び/又は極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲にすると、前記に記載したように、極細導電繊維が多層押出成形体表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有したりすることで、表面又は/及び表面部分に表面抵抗率が低下した導電層を形成することができる。
この共押出成形された多層押出成形体は、表面層を形成する極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物が共押出成形金型からの剪断力を受けて、極細導電繊維は歪を有した状態で強制的に共押出方向に配列・配向させられ、極細導電繊維の含有量が少ないか及び/又は分散が悪いと、該繊維同士の接触が余り得られず1012Ω/□以上の表面抵抗率を示し、また歪を有して含有されている。また、極細導電繊維の含有量が多いか及び/又は分散が良好であると、歪を有した状態で配列・配向しても該繊維同士の接触がある程度得られて、1012Ω/□未満の表面抵抗率を示す。しかし、いずれの場合であっても、この表面層を加熱することで、上記に記載したように、歪を有して表面層に含有されていた極細導電繊維がランダムに3次元方向に動いて無配向状態となってお互いが接触して、表面抵抗率を低下させた導電層を形成でき、本発明の導電性押出成形体を製造することができる。このため、加熱は表面層のみでよく、効率よく行なわれる。また、内部の基材層は加熱する必要がないために、変形するほどに長時間加熱する必要がなく、多層押出成形体の形状を維持することもできる。
本発明の第3の導電性押出成形体の製造方法であると、極細導電繊維を含有する表面層を有する転写フィルム若しくはラミネート用フィルム、又は極細導電繊維を含有するラミネート用フィルムが押出された成形体に積層された積層押出成形体を加熱するだけで、導電性押出成形体を容易に製造することができる。そのため、上記フィルムのいずれかを1つ作製するだけで、種々の押出された成形体に対応することができる。また、転写又はラミネートされた積層押出成形体を、加熱ロールなどに接触させて該積層押出成形体の少なくとも表面を加熱して、上記温度範囲又は/及び上記粘度範囲にすると、上記に記載したように、極細導電繊維は積層押出成形体の表面に露出したり、又はその表面から突出したり、又はその表面から100nm未満の内部に含有したりするので、表面抵抗率が低下した導電層が形成されて、本発明の導電性押出成形体を製造することができる。
このように表面層に含有された極細導電繊維が、加熱により露出、又は突出、又は表面から100nm未満の内部に含有させることができるのは、転写フィルム又はラミネート用フィルムの表面層が塗布などで形成される場合は、塗布方向などに強制的に配列・配向させられて歪を有した状態で含有されるし、このラミネート用フィルムが押出成形などで形成される場合は、押出方向などに強制的に配列・配向させられて歪を有した状態で含有される。そして、極細導電繊維の含有量が少ないか及び/又は分散が悪いと該繊維同士の接触が余り得られず1012Ω/□以上の表面抵抗率を示すが、極細導電繊維の含有量が多いか及び/又は分散が良好であると該繊維同士の接触がある程度得られて、1012Ω/□未満の表面抵抗率を示す。しかし、いずれの場合であっても、積層押出成形体が加熱されて上記温度範囲及び/又は上記粘度範囲にされると、上記に記載したように、歪を有して含有されている極細導電繊維がランダムに3次元方向に動いて無配向状態となってお互いが接触し、表面抵抗率を低下させた導電層を形成させることができる。
上記の各製造方法において、極細導電繊維としてカーボンナノチューブを使用し、これが極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物に0.01〜12.0質量%含有されていると、該カーボンナノチューブが長くて細いので、加熱による動きも良好で、お互いの接触が容易に行なわれて、その表面抵抗率を101Ω/□以上1012Ω/□未満に低下させることが容易になされる。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の導電性押出成形体の製造方法で作製された導電性押出成形体を示す断面図、図2はその拡大断面図、図3は本発明の製造方法の1つを示す説明図、図4は押出成形体内部の極細導電繊維の配向を示す説明図である。
本発明の製造方法を説明するにあたり、まず、本発明の製造方法により作製された導電性押出成形体Aを、図1、図2に基づいて説明する。
図1に示す導電性押出成形体Aは、極細導電繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる単一層の板状体であって、厚さが0.1〜30.0mmの導電性押出成形体である。この導電性押出成形体Aは、熱可塑性合成樹脂に、押出溶融成形に必要な公知の添加剤を加えると共に極細導電繊維2を含有する極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を用いて、押出成形法にて成形された導電層1からなるものである。
上記熱可塑性合成樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、結晶性/非晶質ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル等のエステル系樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ボリスチレン、ポリアミド、液晶ポリマー、トリアセチルセルロース、これらの樹脂の共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂、これらの樹脂が混合された混合樹脂などが用いられる。また、これらの樹脂に加えられる添加剤としては、抗酸化剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、抗菌剤、難燃剤、顔料 、染料などの各樹脂に一般に使用されるものが使用される。
上記極細導電繊維2としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノワイヤー、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリルなどの極細長炭素繊維、白金、金、銀、ニッケル、シリコンなどの金属ナノチューブ、金属ナノワイヤーなどの極細長金属繊維、酸化亜鉛などの金属酸化物ナノチューブ、金属酸化物ナノワイヤーなどの金属酸化物などの極細長金属酸化物繊維などの、直径が0.3〜100nmで、長さが0.1〜20μm、好ましくは長さが0.1〜10μmの各繊維が用いられる。これらの極細導電繊維は均一に凝集することなく分散されて、お互いに接触して導電層1のなかに含まれていることが好ましい。
これらの極細導電繊維2のなかで、極細長炭素繊維が好ましく、特にカーボンナノチューブが最も好ましく用いられる。該カーボンナノチューブは繊維直径が0.3〜80nmと細いので、凝集することなく分散して互いに接触させることができるので望ましのである。このカーボンナノチューブ2には、中心軸線の周りに直径が異なり円筒状に閉じた複数のカーボン壁を同心的に備えた多層カーボンナノチューブや、中心軸線の周りに単層の円筒状に閉じたカーボン壁を備えた単層カーボンナノチューブがあるが、いずれのカーボンナノチューブも好ましく用いられる。そして、多層カーボンナノチューブは1本ずつ分離して分散させることができるが、単層カーボンナノチューブは現時点では1本ずつ分離して分散させることが困難で複数本が集まって束になったものを1束ずつ分離して分散させることができ、このように分散させることが最も好ましい。なお、単層カーボンナノチューブが1本ずつ分離して分散したものを除外するものではない。
これらの極細導電繊維は、導電層1の中に0.01〜20質量%、好ましくは0.01〜12.0質量%、更に好ましくは0.1〜5.0質量%含有されて、均一に分散されている。極細導電繊維の含有量が多くなると、成形性や機械的強度が悪くなり、またコストも高くなる。そのため、出来るだけ分散を良くして、少ない含有量で表面抵抗率を良好にすることが好ましく、カーボンナノチューブであれば0.01〜12.0質量%含有させることが望ましい。特に、上記単層カーボンナノチューブであれば0.01〜8.0質量%、多層カーボンナノチューブであれば0.01〜12.0質量%含有させることが望ましい。
上記極細導電繊維2は、図2(1)(2)(3)の拡大断面図で示すように、導電層1の内部では均一に分散しランダムに三次元方向に向いてお互いが接触して表面抵抗率が低下している場合と、図2(4)(5)(6)の拡大断面図で示すように、導電層1の内部では成形流れ方向に配列・配向しお互いが接触していない場合と、図2(7)(8)(9)の拡大断面図で示すように、導電層1の内部では成形流れ方向に配列・配向しているが或る程度接触して表面抵抗率が高くなっている場合とがある。しかし、導電層1の表面又は/及び表面近傍では、内部とは異なり、いずれの場合であっても、図2(1)(4)(7)に示すように、極細導電繊維が表面にランダムに露出しているか、又は図2(2)(5)(8)に示すように、その表面にランダムに突出しているか、又は図2(3)(6)(9)に示すように、その表面に露出も突出もしていないが表面から100nm未満の内部に含有され、換言すれば表面から100nm未満の深さtには極細導電繊維が含有されずにいるか、の何れかの状態で分散して、表面抵抗率が低下した導電層1を形成している。即ち、表面近傍の極細導電繊維2の端部又は中間部が配列・配向することなくランダムに三次元的に分散して湾曲して、表面に露出又は表面から突出又は表面から100nm未満の内部に含有され、他の部分が導電層1の内部に埋没して固定されている。
そして、図2(1)(2)(3)の状態であると、表面及び/又は表面近傍の極細導電繊維2は内部の極細導電繊維2とも接触して導電路を形成して、厚さ全体が表面抵抗率を低下させた導電層1となって、表面抵抗率も体積抵抗率も良好にすることができる。一方、図2(4)(5)(6)の状態であると、表面近傍が表面抵抗率を低下させた導電層1となって表面抵抗率を良好にすることができる。さらに、図2(7)(8)(9)の状態であると、表面近傍は表面抵抗率が低下した導電層1となって表面抵抗率を良好にすることができるが、内部は表面抵抗率が低下していないので体積抵抗率は余り低下することはない。
このように極細導電繊維2を分散させて良好な導電路を形成させるためには、その分散度を高め、接触頻度を高めることが好ましい。そのために、各極細導電繊維2が絡み合うことなく1本ずつ分離した状態で、又は、複数本集まって束になったものが1束ずつ分離した状態で導電層1に分散させることが望ましく、このように分散させると、少ない含有量であっても、広い範囲に極細導電繊維2が分散して存在し、お互いが接触し易くなる。そのために、極細導電繊維2の含有量を0.01〜20.0質量%、好ましくは0.1〜12.0質量%とすることで、お互いが接触して充分な導電路が形成される。
この導電性押出成形体Aのように、極細導電繊維2が該成形体Aの表面に露出したり、表面から突出したり、又は表面から100nm未満の内部に含有されていると、その表面抵抗率を低下させて101Ω/□以上1012Ω/□未満とした導電層1を形成することができる。表面抵抗率が105Ω/□以上1012Ω/□未満であると制電機能を発揮し、表面に帯電した静電気は露出している極細導電繊維2に接触し、表面及び/又は内部の極細導電繊維同士が接触して形成された導電路を流れて導電層1の端部にまで達し、該端部で放電して除電することができる。また、表面抵抗率が101Ω/□以上105Ω/□未満であると導電体としての作用をなし、電気を流すことができるようになる。また、極細導電繊維2が表面から100nm未満の内部に含有されていると、トンネル効果により表面に帯電した静電気が該極細導電繊維2にまで達して制電機能を発揮するし、電気が通電されるとトンネル効果で同様に内部の該極細導電繊維2にまで通電して導電層1を流れて、導電体として作用して導電機能を発揮する。
このような導電性押出成形体Aは、本発明の製造方法により製造することができる。
まず、予め、熱可塑性樹脂と極細導電繊維2と、必要なら押出成形に必要な上記添加剤とを、均一に混合した極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を作製する。
そして、図3に示すように、該極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を公知の押出成形機41に供し、スクリュー42で可塑化・溶融して、押出成形金型43により一定厚みを有する板状体に押出成形し、ポリシングロール44、44にて厚みが微調整されて板状押出成形体4を作製する。
このようにして得られた板状押出成形体4は、押出成形金型43の押出流路の内面からの剪断力を受けて、極細導電繊維2の含有量が少ないか及び/又は分散が悪いと、図4(1)に示すように、極細導電繊維2も押出方向に強制的に配列・配向させられて、歪を有した状態で含有され、極細導電繊維2同士の接触が得られずに、1012Ω/□以上の表面抵抗率を示して、導電性を有することはない。しかし、極細導電繊維2の含有量が多いか及び/又は分散がよいと、図4(2)に示すように、極細導電繊維2が例え押出方向に強制的に配列・配向させられても、該繊維2同士の接触がある程度得られて、1012Ω/□未満の表面抵抗率を示す。この配列・配向の傾向は押出成形金型43の押出流路内面に接する板状押出成形体4の表面側ほど大きく配向させられて、大きな歪を有している。
続いて、この板状押出成形体4を移送して、加熱流路451により、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点温度よりも30℃高い温度の温度範囲になされた上下の加熱ロール45、45の間に挟んで接触させ、板状押出成形体4の少なくとも表面を極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から該組成物の融点温度よりも30℃高い温度の温度範囲にする。又は、板状押出成形板4の少なくとも表面の極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となされるように、加熱ロール45、45で加熱する。
このような加熱によって、板状押出成形体4の少なくとも表面部分の樹脂組成物が軟化し、極細導電繊維が該低粘度化した組成物中を動くことを可能にすると、表面近傍で歪を有して含有されていた極細導電繊維2が、上記に記載したように歪を解消しようとして動いて、表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有される。極細導電繊維2が前記状態になると、極細導電繊維2同士がお互いに接触して導通路が形成され、表面抵抗率が低下して101Ω/□以上1012Ω/□未満の範囲となった導電層1が形成された押出成形体となる。続いて、該押出成形体を移送して冷却流路461で冷却された冷却ロール46に接触させて冷却して固化すると、前記極細導電繊維2が上記状態を維持して固定されて、表面抵抗率を低下させた導電層1が形成され、続いて切断機47で切断されると、図1に示す、本発明の導電性押出成形体Aを製造することができる。
なお、48は支持ロール、49は引き取りロールである。
このように、板状押出成形体4の少なくとも表面を加熱ロール45で接触加熱して上記温度範囲又は/及び上記粘度範囲にすることで、極細導電繊維2を上記状態となる理由は、現時点では定かではないが、板状押出成形体4の少なくとも表面近傍に含まれている極細導電繊維2は、押出溶融成形時に押出成形金型43の押出流路面からの強い剪断力を受けて押出方向に強制的に配列・配向されて、歪を有した状態で分散し含有される。この極細導電繊維2が、歪をなくそうとして、接触加熱されて軟化し低粘度化した表面近傍の組成物の内部でランダムに3次元的方向に動いて無配向状態となり、近接して含有されていた極細導電繊維2同士がお互いに接触する機会が著しく増加すると共に、動きを抑制する軟化樹脂組成物量の少ない表面方向に動いて、表面に露出するか、更に動いて表面から突出するか、又は露出や突出するまでは動かないが表面から100nm未満の内部にまで動いて固定された状態となるためである、と思われる。
そのため、加熱前に1012Ω/□以上の表面抵抗率を示した押出成形体4は、加熱により1012Ω/□未満の表面抵抗率とすることができるし、一方、加熱前に1012Ω/□未満の表面抵抗率を示した押出成形体4は、加熱により、これより表面抵抗率を低下させることが可能となる。この加熱による表面抵抗率の低下により、加熱前の表面抵抗率より1桁乃至12桁低下した表面抵抗率とすることができる。具体的には、例えば、表面抵抗率が加熱前に1013Ω/□であるとすれば、加熱後には1012Ω/□乃至101Ω/□の範囲となるように低下する。
このように、板状押出成形体4の表面を、極細導電繊維2が可能な限り抵抗なく動くことができるようにするために、前記組成物を融点温度より30℃低い温度から融点温度より30℃高い温度の温度範囲になるように接触加熱するか、及び/又は、前記組成物の粘度が1.0×104Pa・s以上5.0×106Pa・s未満の範囲となるようにすることが好ましい。接触による加熱が表面近傍のみであれば、図2(4)(5)(6)(7)(8)(9)に示すように、表面に表面抵抗率が低下した導電層1が形成され、板状押出成形体の表面抵抗率が低下する。しかし、板状押出成形体の厚さが薄くて、例えば5mm以下であると内部まで加熱されて、表面も内部も軟化し極細導電繊維2全体で動いて、図2(1)(2)(3)に示すように、全厚さが表面抵抗率を低下させた導電層1となり、表面抵抗率も体積抵抗率も低下する。
上記加熱ロール45は、その内部に加熱媒体供給源(不図示)に接続された加熱流路451が設けられていて、その加熱流路451に加熱油、熱水、水蒸気、加圧水蒸気などの加熱媒体を循環させて、加熱ロール45が加熱できるようになされている。加熱ロール45は、そのロール表面の温度を前記組成物のガラス転移温度の温度から融点温度よりも30℃高い温度の温度範囲となして、板状押出成形体4の表面を前記温度範囲となすか、又は/及び、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となるようにロール表面温度を調整する。
このガラス転移温度や融点は、使用する樹脂により異なり、結晶性樹脂であれば示差走査熱量を測定することで求めることができる。しかし、非晶性樹脂であれば示差走査熱量で測定することができないので、上記粘度となるように加熱すればよい。
なお、加熱する手段は加熱媒体によるものに限らず公知の手段を用いることができ、例えば、高周波や電気ヒーターなどにより直接ロール45を加熱することもでき、この場合は加熱流路の代わりに高周波発生装置を設けたり、電気ヒーターを内蔵させておけばよい。
また、板状押出成形体4の表面を、上記温度範囲に曝しておく時間は、極細導電繊維2が動いて上記状態になる必要があるので、1分以上、好ましくは5〜20分間、より好ましくは5〜20分間保っておくことが望ましい。
そして、板状押出成形体4の表面の加熱が加熱ロールへの接触による直接の加熱であるので、加熱速度が速くて、内部が加熱される前に表面が上記温度範囲又は/及び上記粘度範囲となされ、押出成形体4の形状が変形する前に導電層1を形成することができる。そのため、押出成形体4の形状の維持をすることができる。
図5は導電性押出成形体Aの他の製造方法を示す説明図である。
該製造方法は、前記図3に示した製造方法において、押出成形金型43から押出された板状押出成形体4を一旦冷却した後に、加熱ロール45に接触させて加熱する点が異なるだけであるので、他の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
この製造方法において、板状押出成形体4は支持ロール48を通過中に自然冷却されるので、該板状押出成形体4の形状が精度よく形成されるという利点がある。また、冷却後に、加熱ロール45により加熱されるので、その表面のみが加熱されて内部までは加熱され難く、板状押出成形体4の変形防止がより確実になされる利点がある。しかし、一旦冷却されているために、加熱ロール45の温度を高めたり、加熱時間を長くしたり、ライン速度を遅くしたりして、板状押出成形体4の表面温度を上記温度範囲又は/及び上記粘度範囲にする必要がある。
図6は本発明の導電性押出成形体Aのさらに他の製造方法を示す説明図である。
この製造方法は、前記極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を押出成形機51に供し、スクリュー52で可塑化・溶融し、押出成形金型53により一定厚さを有する板状押出成形体5に押出成形した後に、加熱エンドレスベルト55を通過中に接触加圧されて厚みが微調整されると共に、加熱されて板状押出成形体5の表面温度を極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点よりも30℃高い温度の温度範囲及び/又は極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となるようになされる。好ましい表面温度は融点よりも30℃低い温度から融点よりも30℃高い温度の温度範囲であり、好ましい粘度は1.0×104Pa・s以上5.0×106Pa・s未満の範囲である。
このような温度範囲又は/及び粘度範囲となると、前記に記載したように、極細導電繊維2は表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有したりして、表面抵抗率が低下した導電層1を形成して、本発明の板状押出導電性成形体Aを製造することができる。
なお、48は支持ロール、59は切断機を示す。
上記加熱エンドレスベルト55は、ステンレスなどの金属製帯状体を前ロール553と後ロール554との間に掛け渡して張設されてエンドレスとなされた上エンドレスベルト551と下エンドレスベルト552とから構成されている。この上下エンドレスベルト551、552の内部には前後ロール553、554間に亘って設けられた挟持ロール56、56が設けられていて、該挟持ロール56、56でエンドレスベルト551、552を下方向及び上方向に動かないように押さえて、上下エンドレスベルト551,552間に板状押出成形体5が導かれてきたときに接触させて加熱・加圧できるようになされている。
また、この挟持ロール56、56には、冷却媒体供給装置又は加熱媒体供給装置(不図示)に接続されて冷却媒体又は加熱媒体を循環する流路57が設けられていて、加熱エンドレスベルト55の前側の前ベルト部(押出成形機側)と中間の中ベルト部に配設された挟持ロール56には加熱媒体が循環される加熱流路571が設けられ、後側の後ベルト部に配設された挟持ロール56には冷却媒体を循環する冷却流路572が設けられている。このために、前ベルト部と中ベルト部では加熱流路571により狭持ロール56と上下エンドレスベルト551、552とが加熱された加熱ゾーン581となされ、後ベルト部では冷却流路572により狭持ロール56と上下エンドレスベルト551、552とが冷却された冷却ゾーン582となされている。前記加熱媒体としては温水、熱水、水蒸気、加圧水蒸気、加熱油などが、また冷却媒体としては水、冷却水、冷却ガスなどが用いられる。
このような構成の加熱エンドレスベルト55に板状押出成形体5が導かれると、該板状押出成形体5は上下エンドレスベルト551、552間で加圧されながら厚さが微調製され、また、上下エンドレスベルト551、552の鏡面が転写されて板状押出成形体5の表面に艶が付与されながら通過する。
この通過の間に、板状押出成形体5は、まず、上下エンドレスベルト551、552の前端に接触・加圧されて保形される。この板状押出成形体5に含有されている極細導電繊維2は、押出成形時に押出成形金型53の押出流路面からの強い剪断力を受けて押出方向に強制的に配列・配向させられて、歪を有した状態で分散し含有されている。続いて、加熱ゾーン581に導かれると、加熱された上下エンドレスベルト551,552に接触・加圧された板状押出成形体5は少なくとも表面が加熱されて、該表面が上記温度範囲又は/及び上記粘度範囲となされる。このように加熱されて軟化すると、前記のように、歪を有していた極細導電繊維2が上記理由により表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有された状態となる。続いて、冷却ゾーン582に導かれると、冷却された上下エンドレスベルト551,552に接触・加圧された板状押出成形体5は冷却され、極細導電繊維2が上記状態のまま固定されて表面抵抗率が低下した導電層1が形成され、その後、切断機59で切断されて、本発明の導電性押出成形体Aを製造することができる。
上記加熱ゾーン581での接触加熱は、前ベルト部では板状押出成形体5の表面を前記組成物の融点温度から30℃低い温度から融点温度から30℃高い温度範囲、及び/又は、粘度が1.0×104Pa・s以上5.0×106Pa・s未満の範囲となし、中ベルト部ではこれより低い温度となして徐々に高温から低温となるように接触させると、極細導電繊維2が露出したり突出したり表面から100nm未満の内部に含有されたりすることが確実になされるし、その状態での固定が確実になされるので、より好ましい。
上記の加熱ゾーン581で接触加熱を行なう時間は、極細導電繊維2が動いて上記状態になる必要があるので、その加熱ゾーン581で1〜20分間程度、好ましくは5〜20分間程度加熱することが好ましい。 また、該加熱ゾーン581での加圧は必ずしも必要ではないが、接触又は近接させて加熱できるようにしておく必要がある。接触加圧しないと、図2(2)(5)(8)のように突出した状態とすることも可能であるが、接触加圧すると板状成形体5の表面より突出しようとしてもエンドレスベルト551、552が存在するために突出できず、図2(1)(3)(4)(6)(7)(9)のように、露出又は表面から100nm未満の内部に含有された状態となる。
なお、冷却ゾーン582は必ずしも必要ではない。この場合は、加熱ゾーン581の最後では板状押出成形体5が冷却・固化される温度となされて、形状を保つようにする必要がある。
図7は導電性押出成形体Aの他の製造方法を示す説明図である。
該製造方法は、前記図6に示した製造方法において、押出成形金型53から押出された板状押出成形体5を、加熱エンドレスベルト55の前ベルト部で接触冷却し、続いて、中ベルト部で接触加熱する点が異なるだけであるので、他の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
この製造方法に用いる加熱エンドレスベルト55は、その前ベルト部は冷却媒体が循環される冷却流路572が配設された狭持ロール56を設け、中ベルト部は加熱媒体が循環される加熱流路571が配設された狭持ロール56を設け、後ベルト部は冷却媒体を循環する冷却流路572が配設された狭持ロール56を設けている。このために、板状押出成形体5は、前ベルト部の冷却ゾーン582で一旦接触冷却された後に、中ベルト部の加熱ゾーン581で接触加熱されて極細導電繊維2が露出したり突出したり表面から100nm未満の内部に含有されたりして、表面抵抗率が低下した導電層1が形成され、さらに後ベルト部の冷却ゾーン582で冷却されて固定されることとなる。
この製造方法において、板状押出成形体5は前ベルト部を通過中に接触冷却されるので、該板状押出成形体5の厚さが精度よく形成されるという利点がある。また、冷却後に中ベルト部により加熱されるので、その表面のみが加熱されて内部までは加熱され難く、板状押出成形体5の変形防止がより確実になされる利点がある。しかし、一旦冷却されているために、中ベルト部の加熱温度を高めたり、加熱時間を長くしたり、ライン速度を遅くしたりして、板状押出成形体5の表面温度を上記温度範囲にする必要がある。
図8は本発明の導電性押出成形体Aのさらに他の製造方法を示す説明図である。
この製造方法は、前記極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を押出成形機61に供し、スクリュー62で可塑化・溶融して、異形押出成形金型63によりL形のアングル形状を有するアングル押出成形体6に押出成形し、加熱サイジング金型64に導かれてサイジングされると共に少なくとも表面が加熱されて、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点温度よりも30℃高い温度の温度範囲及び/又は極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となされるようになされ、極細導電繊維2を表面に露出させたり、表面から突出させたり、表面から100nm未満の内部に含有させたりして、表面抵抗率が低下した導電層1を形成することで、本発明のアングル状導電性押出成形体Aを製造することができる。
上記加熱サイジング金型64は、アングル押出成形体6をアングル形状に整形しつつ加熱・冷却するための金型であり、その前部は図8(2)で示すように、アングル押出成形体6が接しながら通過するサイジング通路の周りに加熱流路641が設けられた加熱ゾーン691となされ、該加熱流路641に熱水、水蒸気、加圧水蒸気、加熱油などの加熱媒体が循環されて前部を加熱していて、この前部のサイジング通路に接触したアングル押出成形体6の表面を上記温度範囲及び/又は上記粘度範囲となるように接触加熱できるようになされている。また、加熱サイジング金型64の後部は、図8(3)に示すように、サイジング通路の周りに冷却流路642が設けられた冷却ゾーン692であり、該加熱流路642に水、冷却水、冷却空気、冷却ガスなどの冷却媒体が循環されて後部を冷却していて、この後部のサイジング通路に接触したアングル押出成形体6の表面を接触冷却できるようになされている。
なお、異形押出成形金型63と加熱サイジング金型64の間に空間を設けることなく、金型63と加熱サイジング金型64を直接接続させて成形してもよい。
このような構成の加熱サイジング金型64にアングル押出成形体6が導かれると、まず、該金型64の前端のサイジング通路に接触して整形される。このアングル押出成形体6に含有されている極細導電繊維2は、押出成形時に押出成形金型63の押出流路面からの強い剪断力を受けて押出方向に強制的に配列・配向させられて、歪を有した状態で分散し含有されている。続いて、加熱サイジング金型64の前部の加熱ゾーン691に導かれると、加熱流路641で加熱されたサイジング通路の内面に接触しながら通過する間にアングル押出成形体6は表面が加熱されて、該表面が上記温度範囲及び/又は上記粘度範囲となされ、極細導電繊維2が上記理由により表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有されたりした状態となる。続いて、冷却流路642で冷却された冷却ゾーン692に導かれると、サイジング通路の内面に接触しながら通過している間に冷却されて、極細導電繊維2が上記状態のまま固定されて表面抵抗率が低下した導電層1が形成され、その後、切断機68で切断されて、本発明のアングル状導電性押出成形体Aを製造することができる。
上記加熱サイジング金型64の加熱ゾーン691での接触加熱は、最初はアングル押出成形体6の表面を前記組成物の融点温度から30℃低い温度から融点温度から30℃高い温度範囲及び/又は粘度が1.0×104Pa・s以上5.0×106Pa・s未満の範囲となし、続いて、徐々に該温度より低い温度となして、融点温度付近の高温から徐々に低温となるように接触させると、極細導電繊維2が上記のように確実に動いたり固定されたりするので、より好ましい。
上記の加熱サイジング金型64の加熱ゾーン691での接触時間は、その時間内で極細導電繊維2を動かして上記状態の導電層1となすことが必要なために、その接触時間を1〜20分間程度、好ましくは5〜20分間程度の時間にすることが好ましい。
図9は本発明の導電性押出成形体Aのさらに他の製造方法を示す説明図である。
この製造方法は、前記図8に示した製造方法において、異形押出成形金型63から押出されたアングル押出成形体6を、サイジング金型66で保形し、続いて加熱サイジング金型65で加熱し、さらに冷却金型67で冷却する点が異なるだけであるので、他の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
この製造方法に用いるサイジング金型66は、アングル押出成形体6をアングル形状に整形しつつ冷却するための金型であり、図9(2)で示すように、アングル押出成形体6が接しながら通過するサイジング通路の周りに冷却流路661が設けられていて、該冷却流路661に水、冷却水、冷却空気、冷却ガスなどの冷却媒体が循環されて、サイジング金型66が冷却されている。また、加熱サイジング金型65は、図9(3)に示すように、サイジング金型66を通過したアングル押出成形体6が接しながら通過するサイジング通路の周りに加熱流路651が設けられていて、該加熱流路651に温水、水蒸気、加圧水蒸気、加熱油などの加熱媒体が循環されて、加熱サイジング金型65が加熱され、アングル押出成形体6の表面を上記温度範囲又は/及び上記粘度範囲となるように加熱している。さらに、冷却金型67はサイジング金型66と同様の構造をなしていて冷却流路により冷却されていて、アングル押出成形体6を冷却している。
このために、アングル押出成形体6は、サイジング金型66で冷却されてアングル形状に整形され、続いて加熱サイジング金型65にて加熱されて極細導電繊維2が露出したり突出したり表面から100nm未満の内部に含有されたりし、さらに冷却金型67で冷却されて極細導電繊維2が上記状態のまま固定されて表面抵抗率が低下した導電層1が形成され、その後、切断機68で切断されて、本発明のアングル状導電性押出成形体Aを製造することができる。
この製造方法において、アングル押出成形体6はサイジング金型66を通過中に接触冷却されるので、該アングル押出成形体6の形状が精度よく形成されるという利点がある。また、冷却後に加熱サイジング金型65により再加熱されるので、その表面のみが加熱されて内部までは加熱され難く、アングル押出成形体6の変形防止がより確実になされる利点がある。しかし、一旦冷却されているために、加熱サイジング金型65の加熱温度を高めたり、加熱時間を長くしたり、ライン速度を遅くしたりして、アングル押出成形体6の表面温度を上記温度範囲にする必要がある。
図10は本発明の他の製造方法で作製された導電性押出成形体を示す拡大断面図である。
図10に示す導電性押出成形体Bは、熱可塑性樹脂からなり且つ極細導電繊維を含有しない基材層3と、その両面に積層された極細導電繊維2を含有する極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなる表面抵抗率を低下させた導電層1、1とからなる3層構造の導電性押出成形体である。
なお、導電性押出成形体Bは、導電層1が基材層3の片面に形成されたり、又は基材層3の全表面に形成されていてもよい。
上記基材層3は、熱可塑性樹脂を、必要なら熱可塑性樹脂の押出成形に必要な添加剤が含有された熱可塑性樹脂組成物を押出溶融成形して形成された層であり、極細導電繊維は含有していない。
該基材層3に用いられる熱可塑性樹脂としては、前記導電性押出成形体Aに使用された樹脂がいずれも好ましく使用されるが、導電層1に使用される樹脂と同一、相溶性のある樹脂が相互の密着接合性を高めるうえで望ましい。この樹脂には、抗酸化剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、抗菌剤、難燃剤、顔料 、染料などの各樹脂に一般に使用される添加剤が適宜添加されて押出形成されている。この基材層3の厚さは0.1〜30.0mm程度になされることが好ましい。
また、上記導電層1、1は、前記導電性押出成形体Aの導電層1と同じであり、これに含有されている極細導電繊維2も同じで、この分散状態も、表面に露出したり表面から突出したり表面から100nm未満の内部に含有させたりして、表面抵抗率を低下させて形成されたものであることも同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。しかし、導電層1の厚さは、表面に積層され、表面抵抗率を101Ω/□以上1012Ω/□未満の範囲になして制電ないし導電機能を発揮させるためのものであるので、0.01〜5.0mm程度になされるのが好ましい。
そして、導電層1は、前記導電性押出成形体Aの導電層1と同様に、押出成形により得られた基材層3と極細導電繊維2を含有する表面層との3層構造の多層押出成形体を、加熱された加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触させて、多層押出成形体の表面層を極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点温度より30℃高い温度の温度範囲に、好ましくは融点温度よりも30℃低い温度から融点温度よりも30℃高い温度の温度範囲に、及び/又は極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となるように、好ましくは1.0×104Pa・s以上5.0×106Pa・s未満の範囲となされるように加熱して、極細導電繊維2を多層押出成形体表面に露出させるか、その表面から突出させるか、その表面から100nm未満の内部に含有させて、表面抵抗率を低下させた導電層1,1を形成したものである。
極細導電繊維2が、加熱ロール、加熱エンドレスベルト、又は加熱サイジング金型に多層押出成形体を接触し加熱することにより上記状態になる詳細な理由は、前記前記導電性押出成形体Aの導電層1と同様であるので説明を省略する。
このような導電性押出成形体Bは、基材層3が絶縁性であっても導電性であってもよく、また、機械的強度を高めた組成物で形成されてもよいし、樹脂再生品を使用して形成されてもよいし、更にはガラス補強材を添加した組成物で形成されてもよいし、基材層を多層にしてもよく、該基材層3により導電性押出成形体Bに導電性以外の必要な性能を付与することができる。
また、導電層1は導電性押出成形体Bに101Ω/□以上1012Ω/□未満の範囲の表面抵抗率を付与して制電ないし導電機能を発揮させるためであるので、必要以上に厚くする必要はなく、薄くなった分、極細導電繊維2の含有量を少なくでき、安価な導電性押出成形体Bにすることができる。
この導電性押出成形体Bは、図11に示す本発明の次の製造方法により製造することができる。
まず予め、熱可塑性樹脂と極細導電繊維2と、必要なら樹脂の押出溶融成形に必要な上記添加剤とを、均一に混合して極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を作製する。一方、熱可塑性樹脂に、必要なら上記添加剤を均一に混合した樹脂組成物を作製する。
そして、図11(1)に示すように、一方の押出成形機71に樹脂組成物を供すると共に他方の押出成形機72に極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を供し、これを三層共押出金型73から共押出成形して、図11(2)に示す、熱可塑性樹脂からなる基材層3の上下両面に極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなる表面層11,11が積層された、3層板状構造の3層共押出成形体7(多層押出成形体)を作製する。
このように共押出成形されると、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物は共押出成形金型73の押出通路の内面からの剪断力を受け、表面層11,11に含有されている極細導電繊維2も押出方向に剪断力を受けて、歪を有した状態で押出方向に強制的に配列・配向させられて、特に、表面層11,11は共押出成形金型73に接しながら押出されるので、極細導電繊維2の配列・配向はより強制的になされて大きな歪を有して含有されている。
続いて、この3層共押出成形体7を、図6に示す製造方法と同じ加熱エンドレスベルト55に導き、上下エンドレスベルト551、552間で加圧しながら厚さを微調整しつつ、鏡面を転写して表面に艶を付与する。そして、この通過の間に、3層共押出成形体7は、加熱ゾーン581にて3層共押出成形体7の表面層11が加熱されて、該表面層11の少なくとも表面を上記温度範囲及び/又は上記粘度範囲になされて、共押出成形時の剪断力を受けて歪を有していた極細導電繊維2が上記理由により表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有された状態となる。続いて、冷却ゾーン582に導かれて冷却されると、極細導電繊維2が上記状態のまま固定されて、表面抵抗率が低下した導電層1が形成され、その後、切断機59で切断されて、図10に示す、本発明の3層構造の導電性押出成形体Bを製造することができる。
なお、3層共押出成形体7が基材層3の片面に表面層11が形成されていたり、又は基材層3の周囲の全表面に表面層11が形成されていてもよく、この場合は、片面のみに導電層1となされた2層構造の導電性押出成形体B、又は全表面が導電層1で被覆された被覆導電性押出成形体Bとなる。
本製造方法において、極細導電繊維2が加熱により動いて表面抵抗率を低下させた導電層1を形成する理由、加熱エンドレスベルトの構造、挟持ロールの構造、加熱エンドレスベルトの温度条件、加熱エンドレスベルトでの加熱時間、加熱エンドレスベルト内における3層共押出成形体の加熱・冷却などは、前記図6に示す加熱エンドレスベルトの構造や各条件と同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。
本製造方法では、極細導電繊維含有熱可塑性組成物からなる表面層11は基材層3の表面に積層されるために薄い層とすることができ、3層共押出成形体7の表面層11を接触して加熱されると、該表面層11の略全厚が上記温度範囲及び/又は上記低粘度範囲となされ、表面層11全体が表面抵抗率を低下させた導電層1になる。なお、表面層11の表面部分のみが加熱されて、該部分のみに導電層1が形成された導電性押出成形体を除外するものではない。
また、3層共押出成形体7の表面層11の加熱は、加熱エンドレスベルト55による直接の加圧・接触によるものであるので、表面層11の加熱が容易になされて導電層1が形成され易いし、表面層11のみを上記温度範囲に加熱すればよいので基材層3は加熱される必要もなく、3層共押出成形体7の厚さの微調整が行なわれ易く、製造が容易である。そして、基材層3は加熱する必要がないために、該基材層3に使用する樹脂を表面層11とは異なる溶融温度の高い樹脂を使用することもでき、表面層11の樹脂をより軟化させやすくなる。
この板状の導電性押出成形体Bは、加熱エンドレスベルトを使用して製造されているが、図3、図5に示す加熱ロールを使用する製造方法によっても、図7に示す加熱エンドレスベルトを使用する製造方法によっても同様に製造することができる。また、3層共押出成形体の形状がアングル形状をなしておれば、図8、9に示す加熱サイジング金型を使用する製造方法によって同様に製造することができる。
図12は本発明の導電性押出成形体の他の製造方法を示す説明図である。
この製造方法により得られる導電性押出成形体Bは、熱可塑性樹脂からなり且つ極細導電繊維を含有しない基材層3と、その片面に積層された極細導電繊維2を含有する極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなる表面抵抗率を低下させた導電層1との二層構造をなしている。
該二層構造の導電性押出成形体Bは、以下の本製造方法により製造することができる。
まず前記と同様に、熱可塑性樹脂と極細導電繊維2と、必要なら樹脂の押出成形加工に必要な上記添加剤とを、均一に混合して極細導電繊維含有熱可塑性熱可塑性樹脂組成物を作製する。一方、熱可塑性樹脂に、必要なら上記添加剤を均一に混合した樹脂組成物を作製する。
次に、図12(1)に拡大して示すように、ポリエチレンテレフタレートなどの剥離フィルム101に、上記極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解して得た塗液を塗布固化して、極細導電繊維2を含有する表面層102を形成することにより、転写フィルム103を作製する。必要なら、接着性樹脂を溶剤に溶解して得た接着塗液を作製し、上記表面層の表面に塗布固化して接着層が形成された転写フィルムを作製する。
この転写フィルム103は、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物塗液を剥離フィルム101に塗布する際に、塗布方向に剪断力を受けて強制的に配列・配向させられていて、歪を有している。極細導電繊維2の含有量が少ないか及び/又は分散が悪いと、図12(1)に拡大して示すように、極細導電繊維2も塗布圧力方向に配列・配向させられて1012Ω/□以上となり、極細導電繊維2の含有量が多いか及び/又は分散がよいと、塗布圧力方向への剪断力が小さいことと相まって、該繊維2同士の接触がある程度得られて、1012Ω/□未満の表面抵抗率を示すこととなる。
そして、図12(1)に示すように、樹脂組成物を押出成形機104に供して、スクリューで混錬・溶融して押出成形金型105から板状の成形体106を押出成形しつつ、その上面に前記転写フィルム103を、その表面層11が成形体側となるように重ねる。続いて、図6に示す製造方法に用いたのと同様の加熱エンドレスベルト55に導き、上下エンドレスベルト551、552の前端に接触・加圧して、図12(2)に示すように、押出成形された成形体106(基材層3)と転写フィルム103とが積層された転写押出成形体10(積層押出成形体)を作製する。この転写溶融成形体10に転写された表面層102も、極細導電繊維2が転写フィルム103の時と同じ状態で分散し同様の表面抵抗率を有している。
続いて、この転写押出成形体10を、図6に示すと同様の、加熱エンドレスベルト55の加熱ゾーン581に導いて、転写押出成形体10の転写フィルム103の表面層102を加熱して、該表面層102を極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点よりも30℃高い温度の温度範囲に、及び/又は極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となされるようになして、塗布時に剪断力を受けて歪を有していた極細導電繊維2が上記理由により表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有された状態となる。続いて、冷却ゾーン582に導いて冷却すると、極細導電繊維2が上記状態のまま固定されて、表面抵抗率が低下した導電層1が形成される。引き続いて、加熱エンドレスベルト55を通過した後に、転写押出成形体10から剥離フィルム101を剥離し、切断機59で切断すると、図12(3)に示す、表面抵抗率が1012Ω/□以上の転写押出成形体10は1012Ω/□未満の成形体に、1012Ω/□未満の転写押出成形体10はさらに表面抵抗率を低下させた、本発明の2層構造の導電性押出成形体Bを製造することができる。
なお、107はガイドロール、108は剥離ロールを示す。
本製造方法において、極細導電繊維2が加熱により動いて表面抵抗率を低下させた導電層1を形成する理由、加熱エンドレスベルトの構造、挟持ロールの構造、加熱エンドレスベルトの温度条件、加熱エンドレスベルトでの加熱時間、加熱エンドレスベルト内における成形体の加熱・冷却などは、前記図6に示す加熱エンドレスベルトの構造や各条件と同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。
この2層構造の導電性押出成形体Bは、加熱エンドレスベルトを使用して製造されているが、図3及び図5に示す加熱ロールを使用しても、図7に示す加熱エンドレスベルトを使用する製造方法によっても同様に製造することができる。
図13は本発明の導電性押出成形体の他の製造方法を示す説明図である。
この製造方法により得られる導電性押出成形体Bは、熱可塑性樹脂からなり且つ極細導電繊維を含有しない基材層3と、その片面に積層された極細導電繊維2を含有する極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなる表面抵抗率を低下させた導電層1との二層構造をなしている。
上記二層構造の導電性押出成形体Bは、以下の本製造方法により製造することができる。
まず前記と同様に、熱可塑性樹脂と極細導電繊維2と、必要なら樹脂の押出成形加工に必要な上記添加剤とを、均一に混合して極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を作製する。一方、熱可塑性樹脂に、必要なら上記添加剤を均一に混合した樹脂組成物を作製する。
次に、図13(1)に拡大して示すように、アクリルフィルムなどよりなる接着性フィルム111に、上記極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解して得た塗液を塗布固化して、極細導電繊維2を含有する表面層112を形成することにより、ラミネート用フィルム113を作製する。
このラミネート用フィルム113は、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物塗液を接着性フィルム111に塗布する際に、塗布方向に剪断力を受けて強制的に配列・配向させられていて、歪を有している。極細導電繊維2の含有量が少ないか及び/又は分散が悪いと、図13(1)に拡大して示すように、極細導電繊維2も塗布圧力方向に配列・配向させられて1012Ω/□以上となり、極細導電繊維2の含有量が多いか及び/又は分散がよいと、塗布圧力方向への剪断力が小さいことと相まって、該繊維2同士の接触がある程度得られて、1012Ω/□未満の表面抵抗率を示すこととなる。
そして、図13(1)に示すように、樹脂組成物を押出成形機114に供して、スクリューで混錬・溶融して押出成形金型115から板状に成形体116を押出成形しつつ、その上面に前記ラミネート用フィルム113を、その接着性フィルム111が成形体116側となるように重ねる。続いて、図6に示す製造方法に用いたのと同様の加熱エンドレスベルト55の前端に接触させて、図12(2)に示す、成形体116とラミネート用フィルム113とが積層されたラミネート押出成形体11(積層押出成形体)を作製する。
続いて、このラミネート押出成形体11を、図6に示すと同様の、エンドレスベルト55の加熱ゾーン581に導いて、ラミネート押出成形体11の表面層112を加熱して、該表面層112の少なくとも表面を極細導電繊維含有樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点よりも30℃高い温度の温度範囲に、及び/又は極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となされるようになして、塗布時に剪断力を受けて歪を有していた極細導電繊維2が上記理由により表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有された状態となる。続いて、冷却ゾーン582に導いて冷却すると、極細導電繊維2が上記状態のまま固定されて、表面抵抗率が低下した導電層1が形成される。続いて、切断機59で切断されると、図13(3)で示す、本発明の3層構造の導電性押出成形体Bを製造することができる。
なお、117はガイドロールを示す。
上記のラミネート用フィルム113は、接着性フィルム111に極細導電繊維を含有する表面層112を形成させてなるものであるが、これに代えて、上記極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなるラミネート用フィルムを押出成形やブロー成形などの押出成形法にて予め作製し、これを同様に、押出成形中の成形体と該ラミネート用フィルムとが積層されたラミネート押出成形体(積層押出成形体)を作製し、更にエンドレスベルトに導いて加熱することにより導電性押出成形体Bを製造することもできる。この場合、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の樹脂と基材層との樹脂とは同一化相溶性のある樹脂を選択することが好ましい。
本製造方法において、極細導電繊維2が加熱により動いて表面抵抗率を低下させた導電層1を形成する理由、加熱エンドレスベルトの構造、挟持ロールの構造、加熱エンドレスベルトの温度条件、加熱エンドレスベルトでの加熱時間、加熱エンドレスベルト内におけるラミネート押出成形体の加熱・冷却などは、前記図6に示す加熱エンドレスベルトの構造や各条件と同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。
この3層構造の導電性押出成形体Bは、加熱エンドレスベルトを使用して製造されているが、図3、図5に示す加熱ロールを使用する製造方法によっても、図7に示す加熱エンドレスベルトを使用する製造方法によっても同様に製造することができる。
図14は本発明の導電性押出成形体の他の製造方法を示す説明図である。
この製造方法により得られる導電性押出成形体Bは、熱可塑性樹脂からなり且つ極細導電繊維を含有しない基材層3と、その周囲の全表面に積層された極細導電繊維2を含有する極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなる表面抵抗率を低下させた導電層1との被覆構造をなしている。
上記被覆構造の導電性押出成形体Bは、以下の本製造方法により製造することができる。
まず前記と同様に、熱可塑性樹脂と極細導電繊維2と、必要なら樹脂の押出成形加工に必要な上記添加剤とを、均一に混合して極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を作製する。一方、熱可塑性樹脂に、必要なら上記添加剤を均一に混合した樹脂組成物を作製する。
そして、図14(1)に示すように、一方の押出機121に熱可塑性樹脂組成物を供すると共に他方の押出機122に極細導電繊維含有樹脂組成物を供し、これを共押出金型123から共押出成形して、図14(2)に示す、熱可塑性樹脂からなる基材層3の周囲の全表面に極細導電繊維含有樹脂組成物からなる表面層124が積層された、被覆構造の被覆共押出成形体12(積層押出成形体)を作製する。
このように被覆共押出成形されると、共押出金型123の成形流路内面からの剪断力を受け、表面層124に含有されている極細導電繊維2も押出し方向に力を受けて、押出し方向に配列・配向し、特に、表面に近い表面層124は共押出金型123の成形流路に接しながら共押出されるので、極細導電繊維2の配列・配向はより強制的になされていて大きな歪を有している。そのため、表面層124に含有された極細導電繊維2の含有量が少ないか及び/又は分散が悪いと、極細導電繊維2同士の接触が得られず、極細導電繊維2を含有していても表面抵抗率は1012Ω/□以上の高い値を示す。しかし、極細導電繊維2の含有量が多いか及び/又は分散がよいと、極細導電繊維2が例え成形流れ方向に強制的に配列・配向させられても、該繊維2同士の接触がある程度得られて、1012Ω/□未満の表面抵抗率を示すこととなる。
続いて、この被覆共押出成形体12を、前述の図8に示す加熱サイジング金型64に導いて、同様に加熱ゾーン691にて加熱すると、極細導電繊維2が表面層124の表面に露出したり、表面から突出したり、表面から100nm未満の内部に含有されるような状態となり、表面抵抗率を低下させた導電層1が形成される。そのため、加熱前に1012Ω/□以上の表面抵抗率を示した被覆共押出成形体12は、加熱により1012Ω/□未満の表面抵抗率とすることができるし、一方、加熱前に1012Ω/□未満の表面抵抗率を示した被覆共押出成形体12は、加熱により、これより表面抵抗率を低下させることが可能となる。
続いて、冷却ゾーン692に導かれると、サイジング通路の内面に接触しながら通過している間に冷却されて、極細導電繊維2が上記状態のまま固定されて表面抵抗率が低下した導電層1が形成され、その後、切断機68で切断されて、本発明の基材層3の全表面が導電層1で被覆されたアングル状導電性押出成形体Bを製造することができる。
本製造方法において、極細導電繊維2が加熱により動いて表面抵抗率を低下させた導電層1を形成する理由、加熱サイジング金型の構造、加熱サイジング金型の温度条件、加熱サイジング金型での加熱時間、加熱サイジング金型内における被覆共押出成形体の加熱・冷却などは、前記図8に示す加熱サイジング金型の構造や各条件と同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。
上記各実施形態において、板状又はアングル状の導電性押出成形体について説明したが、チャンネル状や丸棒状や筒状などの他形状でも同様に製造できることはいうまでもない。
次に、本発明の更に具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
市販のポリプロピレン樹脂と、直径が10〜20nmである多層カーボンナノチューブ(CNT社製)とを均一に混合して、多層カーボンナノチューブが3.5質量%含有された多層カーボンナノチューブ含有ポリプロピレン樹脂組成物を作製した。このポリプロピレン樹脂の融点温度は172℃であった。
この組成物を、図6に示す、押出成形機に供し押出成形金型により5mmの厚さを有する板状押出成形体に押出成形し、エンドレスベルトに導いた。該エンドレスベルトは、その加熱ゾーンを200℃に加熱し、冷却ゾーンを70℃に冷却していた。板状押出成形体は該エンドレスベルトの加熱ゾーンで約8分間加熱された後に、冷却ゾーンで約2分間冷却され、切断機で切断することにより、実施例1の成形板を得た。
この多層カーボンナノチューブ含有ポリプロピレン樹脂組成物の200℃における粘度を、動的粘弾性測定装置(Pear社製Modular Compact Rheameter MCR300)にて測定したところ、剪断速度1sec-1のとき5.5×103Pa・sであった。
(比較例1)
上記組成物を、実施例1と同様に押出成形して、5mmの厚さを有する板状押出成形体となした後、加熱ゾーンと冷却ゾーンとを全て70℃となしたエンドレスベルトに導いて冷却して、比較例1の成形板を得た。
これらの実施例1と比較例1との各成形板について、それぞれ表面抵抗率を測定した。その結果、実施例1の成形板は1.2×103Ω/□の表面抵抗率を示し導電機能を発揮したが、比較例1の成形板は1.0×1014Ω/□以上の表面抵抗率しか示さずに、制電機能も導電機能も示さなかった。
このことより、エンドレスベルトで加熱した後で冷却することにより、冷却しただけの成形板に比べて11桁も表面抵抗率が低下することがわかる。
尚、表面抵抗率は三菱化学(株)製の低抵抗測定器とロレスタGPと高抵抗測定器ハイレスタUPで測定した値である。ロレスタGPは10-2〜107Ω/□の、ハイレスタUPは106〜1014の範囲の表面抵抗率の測定に用いる測定器であり、それぞれの表面抵抗率に応じて使い分けた。
本発明により製造された導電性押出成形体を示す断面図である。 その導電性押出成形体の拡大断面図である。 本発明の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 その製造方法における板状押出成形体内部の極細導電繊維の配向を示す説明図である。 本発明の他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明の他の製造方法により製造された導電性押出成形体を示す断面図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明のさらに他の導電性押出成形体の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
A、B 導電性押出成形体
1 導電層
2 極細導電繊維
3 基材層
4 板状押出成形体
45 加熱ロール
5 板状押出成形体
55 加熱エンドレスベルト
6 アングル押出成形体
65 加熱サイジング金型
7 3層共押出成形体(多層押出成形体)
10 転写押出成形体(積層押出成形体)
103 転写フィルム
11 ラミネート押出成形体(積層押出成形体)
113 ラミネート用フィルム
12 被覆共押出成形体

Claims (6)

  1. 極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物を押出成形して導電性押出成形体を製造する方法であって、成形金型から押出された押出成形体を、加熱された加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触させて該押出成形体の少なくとも表面を加熱し、極細導電繊維を押出成形体の表面に露出させるか、又はその表面から突出させるか、又はその表面から100nm未満の内部に含有させて、表面抵抗率を低下させた導電層を形成することを特徴とする導電性押出成形体の製造方法。
  2. 極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物と熱可塑性樹脂組成物を多層押出成形金型を用いて押出成形して導電性押出成形体を製造する方法であって、多層押出成形金型から押出された多層押出成形体を、加熱された加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触させて該多層押出成形体の少なくとも表面を加熱し、極細導電繊維を多層押出成形体の表面に露出させるか、又はその表面から突出させるか、又はその表面から100nm未満の内部に含有させて、表面抵抗率を低下させた導電層を形成することを特徴とする導電性押出成形体の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂組成物を押出成形し、転写フィルム又はラミネート用フィルムを積層して導電性押出成形体を製造する方法であって、極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物からなる表面層が形成された転写フィルム若しくはラミネート用フィルム、又は極細導電繊維を含有するラミネート用フィルムを予め作製し、該転写フィルム又はラミネート用フィルムを押出成形されている成形体に積層して積層押出成形体となし、続いて、加熱された加熱ロール、加熱エンドレスベルト、加熱サイジング金型のいずれかに接触さて該積層押出成形体の少なくとも表面を加熱し、極細導電繊維を積層押出成形体の表面に露出させるか、又はその表面から突出させるか、又はその表面から100nm未満の内部に含有させて、表面抵抗率を低下させた導電層を形成することを特徴とする導電性押出成形体の製造方法。
  4. 上記加熱により、押出成形体の表面が極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の温度から融点温度より30℃高い温度の温度範囲となされることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の導電性押出成形体の製造方法。
  5. 上記加熱により、押出成形体の表面の極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物の粘度が5.0×103Pa・s以上1.0×107Pa・s未満の範囲となされることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の導電性押出成形体の製造方法。
  6. 極細導電繊維含有熱可塑性樹脂組成物に含有される極細導電繊維がカーボンナノチューブであって、該カーボンナノチューブが前記組成物に0.01〜12.0質量%含有され、導電性押出成形体の表面抵抗率が101Ω/□以上1012Ω/□未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の導電性押出成形体の製造方法。
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