JP2007291815A - 電子ロック機構を備えたケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ロック用ソレノイド15を励磁させ、そのロック用ソレノイド15の鉄心を介して直接または間接的に施錠または解錠を行う電子ロック機構を備えたケースにおいて、上記電子ロック機構には補助用ソレノイド16を設けるとともに、この補助用ソレノイド16の鉄心の軸線が、上記ロック用ソレノイド15の鉄心の軸線と交差する関係にし、かつ、上記補助用ソレノイド16の励磁あるいは非励磁に応じて、ロック用ソレノイド15の鉄心が施錠時において解錠方向に移動するのを規制する構成にした電子ロック機構を備える。
【選択図】 図2
Description
この従来の電子ロック機構には、例えば自己保持型ソレノイドが用いられている。この自己保持型ソレノイドは、コイルを通電することによって、鉄心を施錠位置から解錠位置に移動したり、解錠位置から施錠位置に移動したりするとともに、スプリングのバネ力や永久磁石の磁力によって上記鉄心を施錠位置あるいは解錠位置に保持するようにしている。
そして、第1の発明は、上記電子ロック機構に補助用ソレノイドを設けるとともに、この補助用ソレノイドの鉄心の軸線が、上記ロック用ソレノイドの鉄心の軸線と交差する関係にし、かつ、上記補助用ソレノイドの励磁あるいは非励磁に応じて、ロック用ソレノイドの鉄心が、施錠時において解錠方向に移動するのを規制する点に特徴を有する。
第2の発明は、上記ロック用ソレノイドの鉄心の軸線と、補助用ソレノイドの鉄心の軸線とを直交させた点に特徴を有する。
しかも、補助用ソレノイドの鉄心の軸線方向から衝撃が与えられ、次に連続的にロック用ソレノイドの鉄心の軸線方向から衝撃が与えられない限り、ロック用ソレノイドが解錠方向に移動することはない。そのために、衝撃によって電子ロック機構の施錠が解除されることはほとんどない。
このように、衝撃によって電子ロック機構の施錠が解除されることがほとんどなく、ケースの施錠状態を確実に保持することができる。
したがって、衝撃によってケースの施錠が解除される可能性がより低くなり、ケースをより確実に施錠状態に保つことができる。
図1に示すケースCは、蓋体1と本体2とからなり、上記蓋体1の開口面には、その一部を塞ぐように鉄製の板部材3が設けられている。この板部材3には、その長手方向両側近傍に二つのフック挿入孔4,4を形成するとともに、蓋体1が閉じる方向に突出する押し込みブロック5およびスイッチ部材Sを設けている。なお、上記押し込みブロック5の先端には、所定の傾斜角を有する傾斜部5aが形成されている。
図2は、蓋体1と本体2とが僅かに開いた状態における、板部材3と電気錠ユニットUとの関係を示す図であり、図3は、蓋体1と本体2とが完全に閉じるとともに、板部材3と電気錠ユニットUとの対向面が密着した状態を示す図である。
すなわち、ケースCの開状態では、スライド部材11が引張バネ12のバネ力によって図2の開位置に保持されているが、ケースCを閉じる過程において、押し込みブロック5の傾斜部5aが、切り欠き部11bを図2中左方向に押す。したがって、ケースCを閉じる過程において、スライド部材11が引張バネ12のバネ力に抗して図3の閉位置までスライドすることとなる。
なお、ケースCが完全に閉じた状態で、押し込みブロック5の先端と凹部11aの底部との間に僅かな隙間ができる寸法関係を維持している。
そして、図3に示すように、ケースCが完全に閉じた状態において、引っ掛け部13b,13bがフック挿入孔4,4を貫通して板部材3の背面に位置するとともに、板部材3と箱体7とが互いに離れないように機能することとなる。
このように、ケースCを閉じた状態では、いまだケースCはロックされていないため、蓋体1と本体2とを互いに離すようにすれば、簡単にケースCを開くことができる。
このように、スライド部材11が引張バネ12のバネ力によって開位置にスライドするのを阻止して、ケースCをロックするのが電子ロック機構である。
ロック部材14は、図2,3に示すように7字形の部材であって、スライド部材11から下方に突出した後スライド方向に折れ曲がり、その先端にさらに直角に折れ曲がるロック部14aを備えてなる。
上記掛け止め部材15aが図2の解錠位置に保持された状態で、コイルを通電してソレノイドを励磁することによって、その掛け止め部材15aが解錠位置から施錠位置に移動する。そして、掛け止め部材15aが施錠位置に移動したときソレノイドを再び非励磁状態にすれば、スプリングのバネ力あるいは永久磁石の磁力によって当該施錠位置を保持することができる。
上記のようなロック用ソレノイド15を励磁することによって、その掛け止め部材15aが図2の解錠位置から図3の施錠位置まで下方に移動するが、スライド部材11が閉位置にあるとき、掛け止め部材15aを解錠位置から施錠位置まで移動させると、上記止め部15bとロック部14aとがかみ合うような関係を保っている。したがって、ケースCを閉じた状態でロック用ソレノイド15を励磁すれば、スライド部材11が開位置にスライドするのを阻止して、ケースCをロックすることができる。
そして、ロック用ソレノイド15の掛け止め部材15aが施錠位置にあるとき、補助用ソレノイド16を励磁すると、掛け止め部材16aが図2の解除位置から図3の規制位置に移動して、掛け止め部材15aが解錠方向へ移動するのを規制する。
言い換えれば、ロック用ソレノイド15がロック部14aをロックしたとき、補助用ソレノイド16を励磁すれば、その掛け止め部材16aがロック用ソレノイド15の掛け止め部材15aの解錠方向への移動を規制する。
そして、上記制御部17が、リミットスイッチ19,20からの検知信号あるいは操作部6からの操作信号に基づいて両ソレノイド15,16を励磁あるいは非励磁状態にするが、この制御部17の具体的な制御について、作用の説明において詳細に述べることとする。なお、図中符号18aは、スイッチング18に設けたスイッチ片である。
図2に示す状態からケースCを閉じると、押し込みブロック5がスライド部材11を閉位置にスライドさせるとともに、引っ掛け部13b,13bが、板部材3の背面に位置すること前記したとおりであるが、このとき、図3に示すように、スライド部材11のスライドに伴ってロック部材14も図中左方向に移動する。また、上記板部材3に設けたスイッチ部材Sが、箱体7に形成したスイッチ孔10を貫通してスイッチング18のスイッチ片18aに接触する。
上記の状態から操作部6を操作して電気錠ユニットUの電源をオンにすると、制御部17が起動するとともに、図4の手順にしたがって電子ロック機構を制御する。なお、ケースCが開いている場合や、何らかの原因でスイッチ部材Sがスイッチング18に接触していない場合は、電源回路が開状態となって、電源をオンにすることができないようにしている。
一方、電気錠ユニットUの電源がオンになってから10秒以内に暗証番号が入力された場合には、ステップ103において、入力された暗証番号と、予め制御部17が記憶している番号とが一致するかどうかを制御部17が判別する。
一方、ステップ103において、制御部17が、入力された暗証番号と、予め記憶した番号とが一致すると判別した場合は、ステップ105において、掛け止め部材15aが施錠位置まで移動するようにロック用ソレノイド15を励磁する。
一方、ロック用ソレノイド15の掛け止め部材15aが施錠位置まで移動したという信号が、所定の時間内にリミットスイッチ19から制御部17に送信された場合は、ステップ108において、掛け止め部材16aが規制位置まで移動するように補助用ソレノイド16を励磁する。
一方、補助用ソレノイド16の掛け止め部材16aが規制位置まで移動したという信号がリミットスイッチ20から制御部17に送信された場合は、施錠完了の通知を行うとともに、ステップ111に進んで制御部17の電源をオフにして操作を終了する。
一方、上記のようにして電子ロック機構を施錠した状態から、電子ロック機構の施錠を解除する場合には、図5の手順にしたがって電子ロック機構を制御する。
一方、電気錠ユニットUの電源がオンになってから10秒以内に暗証番号が入力された場合には、ステップ203において、制御部17が、入力された暗証番号と、予め制御部17が記憶している番号とが一致するかどうかを判別する。
一方、ステップ203において、制御部17が、入力された暗証番号と、予め記憶した番号とが一致すると判別した場合は、ステップ205において、掛け止め部材16aを解除方向に移動するように補助用ソレノイド16を励磁する。
一方、補助用ソレノイド16の掛け止め部材16aが解除位置まで移動したという信号が、所定の時間内にリミットスイッチ20から制御部17に送信された場合は、ステップ208において、その掛け止め部材15aを解錠方向に移動するようにロック用ソレノイド15を励磁する。
一方、ロック用ソレノイド15の掛け止め部材15aが解錠位置まで移動したという信号が、所定の時間内にリミットスイッチ19から制御部17に送信された場合は、ステップ211で解錠通知を行う。
すなわち、ケースCが施錠されている状態においては、スイッチング18によって電源回路が閉状態を保っており、また、ロック用ソレノイド15の掛け止め部材15aが施錠位置に、補助用ソレノイド16の掛け止め部材16aが規制位置に移動している。制御部17は、スイッチング18および両ソレノイド15,16が、上記の状態にあることを判別しているが、この状態においてケースCをこじ開けると、スイッチング18の電源回路が遮断される。
そして、両ソレノイド15,16の掛け止め部材15a,16aが施錠位置、規制位置にあると検知している状態で、制御部17が、スイッチング18の遮断を検知する(ステップ300)。
すると、ステップ301に進んでブザーやランプ等によってこじ開け警報を行うとともに、制御部17がこじ開け情報を記憶する。なお、こじ開け情報とは、制御部17がケースCのこじ開けを判別した時間等である。
このように、ケースCのこじ開けを検知した場合に、30秒間警報を鳴らすことで、第三者が無断でケースCをこじ開けるのを防止するようにしている。
また、こじ開け情報として、例えばこじ開けの発生時間を記憶するようにすれば、ケースCがどこでこじ開けられたかがわかる。このように、さまざまなこじ開け情報を記憶することによって、ケースCのセキュリティを強化することができる。
すなわち、制御部17は、両掛け止め部材15a,16aがそれぞれ施錠位置,規制位置にあること検知している(ステップ400)。この状態において、ケースCに所定の大きさ以上の衝撃が与えられると、衝撃によって補助用ソレノイド16の掛け止め部材16aが、解除位置に移動してしまうおそれがある。
このように、補助用ソレノイド16の掛け止め部材16aが規制位置に移動するまでの極めて短い時間内に、ロック用ソレノイド15の掛け止め部材15aが解錠位置に移動しなければ、電子ロック機構の施錠が解除されることはない。
また、補助用ソレノイド16の掛け止め部材16a(補助用ソレノイド16の鉄心)が解除位置に移動しない限り、ロック用ソレノイド15の掛け止め部材15a(ロック用ソレノイド15の鉄心)が移動することはないので、一方向からの衝撃によって電子ロック機構の施錠が解除されることはない。
したがって、衝撃によってケースの施錠が解除されることがほとんどなく、ケースの施錠状態を確実に保持することができる。
すなわち、制御部17は、掛け止め部材15aが解錠位置にあることを検知している(ステップ500)。この状態において、ケースCに所定の大きさ以上の衝撃が与えられると、衝撃によってロック用ソレノイド15の掛け止め部材15aが、施錠位置に移動してしまうおそれがある。そして、掛け止め部材15aが衝撃によって施錠位置に移動した場合には、リミットスイッチ19が、掛け止め部材15aが施錠位置に移動したことを検知するとともに、当該情報が制御部17に送信される。(ステップ501)。
上記のようにして、衝撃によって移動してしまった掛け止め部材15aを、もとの解錠位置に移動したら、ステップ504に進んで電子ロック機構の制御を終了する。
なお、操作部6はケースC外部からテンキーのようなものを操作して暗証番号を入力してもよいし、赤外線で暗証番号を入力するようにしてもよい。いずれにしても、操作部6から制御部17に対して入力した暗証番号が送信される構成であればどのような構成でも構わない。
また、上記第1実施形態の制御部17が行う制御において、警報を行う時間や、暗証番号を入力するための待機時間等は一例に過ぎず、当該時間等は任意に決定すればよいものである。
なお、第2実施形態においては、スライド部材の形状および電子ロック機構の構造のみ上記第1実施形態と異なり、その他の構造、作用、および電子ロック機構の制御については、上記第1実施形態と同じである。したがって、上記第1実施形態と同様の構成要素については同様の符号を付するとともに、上記第1実施形態と異なる部分のみ説明することとする。
上記掛け止め部材22aは、図8に示すように、ロック用ソレノイド22の鉄心の軸心線上に突出するが、その先端には、スライド部材21のスライド方向後端側(図2中右方向)に直角に折れ曲がり、さらにその先端が直角に折れ曲がった止め部22bを備える。また、掛け止め部材22aには、その軸方向から突出する切換片22cを形成するとともに、その反対側には突起部22dを形成している。
上記掛け止め部材23aは、図8に示すように、補助用ソレノイド23の鉄心の軸心線上に突出するが、その先端には直角に折れ曲がる突起部23bを備える。また、掛け止め部材23aには、その軸方向から突出する切換片23cを形成している。
そして、ロック用ソレノイド22の掛け止め部材22aが施錠位置にあるとき、補助用ソレノイド23を励磁すると、掛け止め部材23aが図8の解除位置から図9の規制位置に移動する。すると、上記掛け止め部材22aから突出する突起部22dと、掛け止め部材23aの突起部23bとが対向する位置に移動して、ロック用ソレノイド22の掛け止め部材23aが解錠方向へ移動するのを規制する。
言い換えれば、ロック用ソレノイド22がロック部21aをロックしたとき、補助用ソレノイド23を励磁すれば、掛け止め部材23aがロック用ソレノイド22の掛け止め部材22aの解錠方向への移動を規制する。
なお、上記第1,2実施形態においては、ロック部を有するスライド部材を備える構成にしたが、この発明を実施するにあたっては必ずしもスライドレールを設ける必要はなく、また、両ソレノイドの形状や構造も上記実施形態に限られない。例えば、第3実施形態として、電子ロック機構を図10(a),(b)に示すような構成にしてもよい。
ロック用ソレノイド25の鉄心に固定する掛け止め部材25aの先端には、この掛け止め部材25aから直角に折れ曲がる止め部25bを形成する。
そして、ケースを図10(a)に示す開状態から、図10(b)に示す閉状態にすると、押し込みブロック24が図10(b)に示す位置まで移動するとともに、ロック部24aと止め部25bとが同じ高さに位置する。この状態でロック用ソレノイド25を励磁して図10(a)の解除位置から図10(b)の施錠位置まで移動すれば、ロック部24aと止め部25bとによって電子ロック機構を施錠することができる。
上記掛け止め部材26aは、補助用ソレノイド26の鉄心の軸心線上に突出するが、その先端には上記止め部25bと同じ方向に折れ曲がる突起部26bを備える。
上記のように、ロック部24aと止め部25bとがロックされた状態で、補助用ソレノイド26を励磁して、その掛け止め部材26aを図10(a)の解除位置から図10(b)の規制位置に移動すれば、補助用ソレノイド26の突起部26bによって、ロック用ソレノイド25の掛け止め部材25aが解錠方向へ移動するのを規制することができる。
すなわち、図11(a)に示すように、ロック用ソレノイド27の掛け止め部材27aは、その先端に直角に折れ曲がる止め部27bを有するとともに、補助用ソレノイド28の掛け止め部材28aも、上記止め部27bと同じ方向に折れ曲がる突起部28bをその先端に形成している。
すなわち、この第5実施形態におけるロック用ソレノイド30は、その鉄心に掛け止め部材30aを回転自在に設けている。つまり、掛け止め部材30aは、鉄心の軸方向への移動に伴って点Oを中心にして、図12(a)の解錠位置から図12(b)の施錠位置まで、円弧状の軌跡を描きながら移動する。
また、補助用ソレノイド31には、その鉄心に固定した掛け止め部材31aを備えるとともに、この掛け止め部材31aの先端には、ロック用ソレノイド30側に向かって直角に折れ曲がる突起部31bを形成している。
上記のように、ロック部24aと止め部30bとがロックされた状態で、補助用ソレノイド31の掛け止め部材31aを図12(a)の解除位置から図12(b)の規制位置に移動すれば、突起部31bによって、ロック用ソレノイド30の掛け止め部材30aすなわちロック用ソレノイド30の鉄心が解錠方向へ移動するのを規制することができる。
なお、掛け止め部材はソレノイドの鉄心に固定されているため、掛け止め部材が移動することができなければ、ソレノイドの鉄心も移動することができないこと当然である。したがって、各実施形態においてロック用ソレノイドに設けた掛け止め部材が移動することができない状態においては、ソレノイドを励磁しても、その鉄心を移動することができないことを意味するものである。
16,23,26,28,31 補助用ソレノイド
C ケース
Claims (2)
- ロック用ソレノイドを励磁させ、そのロック用ソレノイドの鉄心を介して直接または間接的に施錠または解錠を行う電子ロック機構を備えたケースにおいて、上記電子ロック機構には補助用ソレノイドを設けるとともに、この補助用ソレノイドの鉄心の軸線が、上記ロック用ソレノイドの鉄心の軸線と交差する関係にし、かつ、上記補助用ソレノイドの励磁あるいは非励磁に応じて、ロック用ソレノイドの鉄心が施錠時において解錠方向に移動するのを規制する構成にした電子ロック機構を備えてなるケース。
- 上記ロック用ソレノイドの鉄心の軸線と、補助用ソレノイドの鉄心の軸線とを直交させた上記請求項1記載の電子ロック機構を備えたケース。
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JP2002309817A (ja) * | 2001-04-10 | 2002-10-23 | Toyo Commun Equip Co Ltd | 可搬型金庫のロック機構 |
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