JP4932442B2 - 錠装置、錠装置の使用方法及び錠付格納装置 - Google Patents

錠装置、錠装置の使用方法及び錠付格納装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4932442B2
JP4932442B2 JP2006305227A JP2006305227A JP4932442B2 JP 4932442 B2 JP4932442 B2 JP 4932442B2 JP 2006305227 A JP2006305227 A JP 2006305227A JP 2006305227 A JP2006305227 A JP 2006305227A JP 4932442 B2 JP4932442 B2 JP 4932442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lock
locking
movable member
unlocking
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006305227A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008121255A (ja
Inventor
暢彦 北田
真 岸田
京子 秋山
啓治 伊津野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Itoki Corp
Original Assignee
Itoki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Itoki Corp filed Critical Itoki Corp
Priority to JP2006305227A priority Critical patent/JP4932442B2/ja
Publication of JP2008121255A publication Critical patent/JP2008121255A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4932442B2 publication Critical patent/JP4932442B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、キャビネット等の格納装置に施解錠機能を追加するための技術に関する。
キャビネット等の格納装置に施解錠機能を追加するための技術として、特許文献1に開示のものがある。
特許文献1は、収納本体部に対して開閉自在に取付けられた扉に後付け可能な錠装置を開示している。
特開2006−257822号公報
ところで、扉を施解錠する装置については、ロック機構や、施解錠動作を受けて前記ロック機構を動作させる施解錠機構等のメンテナンスが必要とされる場合がある。
また、例えば、上記のようなロック機構や施解錠機構等については、劣化、破損することがある。さらに、例えば、施解錠を行う方式としては、電子的な認証方式や、機械的な施解錠機構を利用したもの等、種々の方式が存在する。そこで、ロック機構や施解錠機構等について、容易に他のものに交換することができれば便利である。
そこで、本発明は、ロックや施解錠を行う機構を、容易にメンテナンスでき、かつ、それらの交換を容易に行えるようにする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、この錠装置は、収納本体部に対して開閉自在とされた開閉部材に取付けられる錠装置であって、前記開閉部材に取付けられる装置本体部と、前記装置本体部に着脱自在に取付けられると共に、前記装置本体部に取付けられた状態で、前記開閉部材のロック開動作を不能にする開不能位置と前記開閉部材のロック開動作を可能にする開可能位置との間で移動自在とされ、前記開不能位置で前記装置本体部から取外せず、前記開可能位置で前記開不能位置とは反対側に移動して前記装置本体部から取外し可能とされた着脱自在な可動部材と、施錠動作に応じて前記可動部材を前記開不能位置にロックし、解錠動作に応じて前記可動部材のロックを解除する施解錠ロック部と、を備え、前記施解錠ロック部は、前記可動部材に一体的に取付けられて、前記可動部材と共に前記装置本体部に着脱自在とされたものである。
この場合に、前記開不能位置は、前記可動部材が前記開閉部材のロック状態を解除させるための操作部を操作不能にする位置であってもよい。
また、前記装置本体部は、前記開閉部材のロック状態を解除させるための操作部を露出させる窓部を有し、前記可動部材は、前記窓部を遮蔽することで前記操作部を操作不能にして前記開閉部材を開動作不能にする開不能位置と前記窓部を開放することで前記操作部を操作可能にして前記開閉部材を開動作可能にする開可能位置との間で移動自在に取付けられたものであってもよい。
さらに、前記施解錠ロック部は、前記可動部材から出退自在で、かつ、前記可動部材から突出した状態で前記装置本体部又は前記開閉部材に係合することで、前記可動部材を前記開不能位置にロックするロック部を有する構成であってもよい。
また、前記装置本体部は、前記可動部材を前記開不能位置と前記開可能位置との間で移動自在に支持するガイド溝を有する一対のガイドレールを備え、前記一対のガイドレールのガイド溝は、前記開不能位置側の端部で閉塞しており、前記開可能位置側の端部で開放している構成であってもよい。
さらに、前記可動部材に、前記一対のガイドレールの少なくとも一方のガイド溝に向けて付勢されつつ突出する抜止め片が設けられると共に、前記一対のガイドレールのうちの少なくとも一方のガイド溝に、前記可動部材が前記開可能位置に移動した状態で前記抜止め片が係合可能な抜止め凹部が形成されていてもよい。
また、前記抜止め片は、前記一対のガイドレールのうちの少なくとも一方のガイド溝に沿って前記閉塞された端部側から加えられる解除操作力を受けて退避可能に構成されていてもよい。
また、前記施解錠ロック部は、電子認証錠、ダイヤル錠、ボタン錠又は鍵錠であってもよい。
また、上記したいずれかの錠装置の使用方法は、前記開閉部材に装置本体部を取付けると共に前記装置本体部に、第1の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材を取付けるステップと、前記開閉部材に装置本体部を取付けたままで、前記第1の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材を、前記第1の施解錠方式とは異なる第2の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材に交換するステップと、を備えたものである。
さらに、この錠付格納装置は、収納本体部に対して開閉自在とされた開閉部材を有する格納装置と、前記開閉部材に取付けられた上記したいずれかの錠装置とを備えたものである。
この錠装置によると、前記施解錠ロック部は、前記可動部材に一体的に取付けられて、前記可動部材と共に前記装置本体部に着脱自在とされているため、施解錠ロック部と前記可動部材とを一体として、装置本体部から取外すことができる。したがって、ロックや施解錠を行う施解錠ロック部を、容易にメンテナンスでき、かつ、それらの交換を容易に行える。
また、前記開不能位置は、前記可動部材が前記開閉部材のロック状態を解除させるための操作部を操作不能にする位置であると、そのような操作部を有する開閉部材に対して、本錠装置を容易に後付して、施錠機能を追加することができる。
また、前記開閉部材のロック状態を解除させるための操作部を露出させる窓部を有し、前記可動部材は、前記窓部を遮蔽することで前記操作部を操作不能にして前記開閉部材を開動作不能にする開不能位置と前記窓部を開放することで前記操作部を操作可能にして前記開閉部材を開動作可能にする開可能位置との間で移動自在に取付けられていると、比較的多様な構成の開閉部材に対して、本錠装置を容易に後付して、施錠機能を追加することができる。
また、前記施解錠ロック部は、前記可動部材から出退自在で、かつ、前記装置本体部又は前記開閉部材に係合することで、前記可動部材を前記開不能位置にロックするロック部を有していると、前記施解錠ロック部が前記可動部材に一体的に取付けられた構成において、可動部材を開不能位置にロックすることができる。
また、前記一対のガイドレールのガイド溝は、前記開不能位置側の端部で閉塞しており、前記開可能位置側の端部で開放していると、ロック状態で可動部材を取外せないようすると共に、アンロックで可動部材を取外すようにすることができる。
また、前記可動部材に、前記一対のガイドレールの少なくとも一方のガイド溝に向けて付勢されつつ突出する抜止め片が設けられると共に、前記一対のガイドレールのうちの少なくとも一方のガイド溝に、前記可動部材が前記開可能位置に移動した状態で前記抜止め片が係合可能な抜止め凹部が形成されていると、可動部材がガイドレールから容易に抜出してしまうことを防止できる。
また、前記抜止め片は、前記一対のガイドレールのうちの少なくとも一方のガイド溝に沿って前記閉塞された端部側から加えられる解除操作力を受けて退避可能に構成されていると、可動部材を開可能位置に配設した状態で、可動部材を取外し易くすることができる。
また、この錠装置の使用方法は、前記開閉部材に装置本体部を取付けると共に前記装置本体部に、第1の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材を取付けるステップと、前記開閉部材に装置本体部を取付けたままで、前記第1の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材を、前記第1の施解錠方式とは異なる第2の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材に交換するステップとを備えているため、必要性等に応じて施解錠方式を容易に変更できる。
また、この錠付格納装置によると、収納本体部に対して開閉自在とされた開閉部材を有する格納装置と、前記開閉部材に取付けられた上記のいずれかの錠装置とを備えているため、ロックや施解錠を行う施解錠ロック部を、容易にメンテナンスでき、かつ、それらの交換を容易に行える。
以下、実施形態に係る錠装置、錠装置の使用方法、錠装置用部品及び錠付格納装置について説明する。
<1.錠付格納装置の全体構成>
まず、本錠装置が適用された錠付格納装置の全体構成について説明する。図1は錠付格納装置の全体構成を示す斜視図である。
この錠付格納装置10は、格納装置としてのキャビネット12と、錠装置20とを備えている。
キャビネット12は、収納本体部14と、当該収納本体部14に対して開閉自在とされた開閉部材としての扉16a,16bと、引出部18とを備えている。より具体的には、収納本体部14の上半部に収納スペース14aが形成されると共に、収納本体部14の下半部に3つの収納スペース14b,14c,14dが形成されている。収納スペース14aの開口部には、両開きタイプの扉16a,16bが開閉自在に取付けられている。また、各収納スペース14b,14c,14dには、それぞれ引出部18が開閉自在、換言すれば、引出し及び押込自在に設けられている。
上記扉16a,16bを閉じた状態では、扉16a,16bの合せ目部分が重なり合って配設されるようになっており、一方(図1の右方)の扉16aを閉じた状態では、他方(図1の左方)の扉16bを開くことができない構成となっている。また、一方の扉16aには、操作部としての取っ手部17aと、ラッチ機構17bとが取付けられている。ラッチ機構17bは、扉16aに組込まれ、当該扉16aを閉状態に保つようにロックする機構である。このような機構としては、爪部を収納本体部14側に係脱自在に係合させるようにした周知機構を含む種々の構成を採用することができる。取っ手部17aは、扉16aの外面側に姿勢変更自在に取付けられている。この取っ手部17aの姿勢変更に連動して、上記ラッチ機構17bが扉16aを閉状態に保つようにロックし、或は、当該ロック状態を解除する。
そして、扉16a,16bを閉じることで、上記ラッチ機構17bがロック状態になって扉16a,16bが閉じた状態に保たれる。また、この状態で、取っ手部17aを引張るように解除操作することで、上記ラッチ機構17bのロック状態が解除され、扉16aを開くことができるようになる。また、扉16aを開くことで、扉16bも開くことができるようになる。つまり、取っ手部17aは、扉16a,16bのロック状態を解除させるための操作部として機能する。
また、引出部18は、上方に開口する筺状に形成されており、取っ手部19aと、操作レバー19bと、ラッチ機構19cとを有している。
ラッチ機構19cは、引出部18の前面側の部分に組込まれており、引出部18を閉じた状態に保つようにロックする機構である。このような機構としては、爪部を収納本体部14に係脱自在に係合させるようにした周知機構を含む種々の構成を採用することができる。
取っ手部19aは、引出部18を引出し容易にするために設けられた掴み用の部材であり、上記引出部18の前面に設けられている。この取っ手部19aの内側に、上記操作レバー19bが姿勢変更自在に取付けられている。そして、この操作レバー19bの姿勢変更に連動して、上記ラッチ機構19cが引出部18を閉状態に保つようにロックし、或は、当該ロック状態を解除する。つまり、本操作レバー19bは、引出部18のロック状態を解除させるための操作部として機能する。
そして、引出部18を閉じることで、上記ラッチ機構19cがロック状態になって該引出部18が閉じた状態に保たれる。また、この状態で、操作レバー19bを掴んで操作することで、ラッチ機構19cのロック状態が解除され、取っ手部19aを掴んで引出部18を引出せるようになる。
本錠装置20は、上記のようなキャビネット12における扉16a,引出部18の外面に取付けられる。より具体的には、図1の2点鎖線で示すように、錠装置20は、扉16aにおける取っ手部17aを覆う位置と、各引出部18における取っ手部19a及び操作レバー19bを覆う各位置に取付けられる。
<2−1.錠装置の全体構成>
錠装置20の全体構成について説明する。図2は錠装置を示す分解斜視図であり、図3は可動部材が開可能位置に移動した状態における錠装置を示す斜視図であり、図4は可動部材が開不能位置に移動した状態における錠装置を示す斜視図であり、図5は可動部材が開可能位置に移動した状態における錠装置と取外し用の治具を示す平面図である。
この錠装置20は、装置本体部22と、可動部材40と、施解錠ロック部60とを備えている。
装置本体部22は、上記開閉部材としての扉16aや引出部18の前面に取付けられる部材であり、上記操作部としての取っ手部17a又は操作レバー19bを露出させる窓部25を有している。また、この装置本体部22は、上記可動部材40を開可能位置と開不能位置との間で移動自在に支持している。そして、可動部材40を開可能位置に移動させた状態では(図3及び図5参照)、窓部25から取っ手部17a又は操作レバー19bを露出させる一方、可動部材40を開不能位置に移動させた状態では(図4参照)、可動部材40で取っ手部17a又は操作レバー19bを操作不能に覆うようになっている。
より具体的には、装置本体部22は、板状部材24と、一対のガイドレール26とを有している。
板状部材24は、上記取っ手部17a及び操作レバー19bよりも大きな広がりを有する板状部材、ここでは、略方形板状部材に形成されている。また、この板状部材24には、取っ手部17a又は操作レバー19bを露出させる程度の大きさの窓部25、ここでは、板状部材24の一端部側部分(図2〜図4の左斜下の部分)に略方形状の窓部25が形成されている。本板状部材24は、当該窓部25を通じて、取っ手部17a又は操作レバー19bを露出させるようにして、扉16aや引出部18の前面に取付固定される。この板状部材24は、強力な接着剤や強力な粘着テープ、ネジ止、溶接等、容易に取外しできない態様で、扉16aや引出部18の前面に取付固定される。
また、この板状部材24のうち窓部25よりも一端部の縁部(図2〜図4の左斜下の縁部)は他の部分よりも大きな厚みを持つ肉厚部24aに形成されている。この肉厚部24aは、可動部材40が板状部材24の一端部から抜出るのを防止する役割を有している。
また、板状部材24には、位置規制用孔部24b及び検知用孔部24cが形成されている。位置規制用孔部24bは、施解錠ロック部60が可動部材40を開不能位置にロックするための構成として用いられる。また、検知用孔部24cは、施解錠ロック部60が、可動部材40が開不能位置に位置しているか否かを検知するための構成として用いられる。これらのロック及び位置検知に係る構成については後に詳述する。
一対のガイドレール26は、上記板状部材24上で、可動部材40を開不能位置と開可能位置との間で移動自在に支持するガイド溝28を有している。より具体的には、ガイドレール26は、棒状部材に形成されており、板状部材24の両側部(図2〜図4の左斜上及び右斜下の各側部)に当該縁部に沿って、ネジ止等で固定されている。また、一対のガイドレール26のうち互いに対向する側の面に、その長尺方向に沿って延びるガイド溝28が形成されている。各ガイド溝28は、可動部材40が開不能位置に移動する側の端部(図2〜図4で左斜下側の端部)で閉塞しており、また、可動部材40が開可能位置に移動する側の端部(図2〜図4で右斜上側の端部)で開放している。これにより、上記可動部材40を、各ガイド溝28に対してその開放端側より装着可能となり、また、閉塞端側からの抜け防止が図られている。
また、各ガイド溝28には、位置規制凹部28aと、抜止め凹部29とが形成されている。位置規制凹部28aは、可動部材40が開不能位置に移動した状態で、後述する抜止め片44がはまり込むように係合可能な位置に形成されている。また、抜止め凹部29は、可動部材40が開可能位置に移動した状態で、後述する抜止め片44がはまり込むように係合可能な位置に形成されている。抜止め片44がこれらの位置規制凹部28a及び抜止め凹部29に係合する構成については後に詳述する。
可動部材40は、上記装置本体部22に対して着脱自在に取付けられると共に、装置本体部22に取付けられた状態で、取っ手部17a又は操作レバー19bを開動作不能にする開不能位置(図4参照)と、取っ手部17a又は操作レバー19bを開動作可能にする開可能位置(図3及び図5参照)との間で移動自在とされている。
より具体的には、可動部材40は、上記一対のガイドレール26間に配設可能な、扁平な略筺状形状に形成されている。すなわち、一対のガイドレール26を結ぶ方向において、可動部材40は、一対のガイドレール28間寸法よりも僅かに小さい寸法を有している。また、一対のガイドレール26の延在方向において、可動部材40は、上記窓部25を露出及び閉塞可能な寸法、即ち、ガイドレール26の延在方向において、同方向における窓部25の寸法よりも大きく、かつ、同方向において板状部材24の寸法から窓部25の寸法を引いた寸法よりも小さくなっている。
また、可動部材40の両側外面の両端部には、それぞれ当該両側部の延在方向に沿ってガイド突部42が設けられている。各ガイド突部42は、上記ガイド溝28内に沿って移動可能な長尺形状を有している。また、各ガイド突部42の外面には、その延在方向に沿って溝部42gが形成されている。
そして、可動部材40の両側外面の各ガイド突部42を、一対のガイドレール26のガイド溝28内にその解放端部側から挿入することで、各ガイド突部42が一対のガイドレール26のガイド溝28に沿って移動自在に支持される。これにより、可動部材40が板状部材24の一主面上であって一対のガイドレール26間で、上記窓部25を閉塞することで当該窓部25を通じた取っ手部17a又は操作レバー19bの操作を不能にする開不能位置(図4参照)と、窓部25を開放することで取っ手部17a又は操作レバー19bに対する操作を可能にする開可能位置(図3及び図5参照)との間で移動自在に支持される。
また、可動部材40には、上記一対のガイドレール26のガイド溝28に向けて付勢されつつ突出する抜止め片44が設けられている(図2及び図5参照)。ここでは、可動部材40の両側外面の長手方向略中央部に、それぞれ抜止め片44が設けられている。
抜止め片44は、一端部が狭幅でかつ他端部が広幅な細長い形状に形成されている。そして、抜止め片44の広幅部分45をガイド溝28の解放端部側に向けた姿勢で、抜止め片44の狭幅部分が可動部材40の両側部分に回転自在に軸支されている。抜止め片44の狭幅部分が可動部材40の両側部分に軸支された状態では、抜止め片44の広幅部分45を可動部材40の両側外面から突出させた突出姿勢と、当該広幅部分45を可動部材40の両側外面側に退避させた退避姿勢との間で姿勢変更自在とされている。また、抜止め片44の軸支部分には、当該抜止め片44を突出方向に付勢する付勢手段として、ねじりコイルバネ46が取付けられている。
そして、可動部材40が開不能位置と開可能位置との間で移動する際、上記各抜止め片44はそれぞれ一対のガイドレール26のガイド溝28内を移動する。そして、可動部材40が開不能位置に移動した状態では、各抜止め片44は上記突出方向への付勢力により位置規制凹部28aにはまり込むように係合する。これにより、可動部材40が開不能位置に位置状に停止保持される。一方、可動部材40が開可能位置に移動した状態では、各抜止め片44はその突出方向への付勢力により上記抜止め凹部29にはまり込むように係合する。これにより、可動部材40が開可能位置に位置決め状に停止保持される。
ここで、上記位置規制凹部28aは、ガイド溝28の延在方向に沿って両端部側から略中央部に向けて徐々に深さ寸法が大きくなる略U字状の凹形状に形成されている。また、抜止め凹部29のうちガイド溝28の延在方向に沿ってその閉塞端側の部分は、その略中央部に向けて徐々に深くなる傾斜ガイド面29aに形成されている。一方、抜止め凹部29のうちガイド溝28の延在方向に沿ってその解放端側の部分は、ガイド溝28の延在方向に沿って略垂直に落込む抜止め面29bに形成されている。
また、抜止め片44の広幅部分45の端部は、該抜止め片44を突出させた状態で、ガイド溝28の延在方向に沿って略垂直となる当接面45aに形成されている。
そして、本抜止め片44が位置規制凹部28aにはまり込んだ状態で、可動部材40を移動させようとすると、抜止め片44は位置規制凹部28aの傾斜面に接触しつつ退避し、位置規制凹部28aから容易に離脱する。また、本抜止め片44が抜止め凹部29にはまり込んだ状態で、可動部材40をガイド溝の閉塞端側へ移動させようとすると、抜止め片44は傾斜ガイド面29aに接触しつつ退避し、抜止め凹部29から容易に離脱する。
一方、本抜止め片44が抜止め凹部29にはまり込んだ状態で、可動部材40をガイド溝28の開放端側へ移動させようとすると、抜止め片44の当接面45aが抜止め凹部29の抜止め面29bに当接し、それらの係合状態が維持される。これにより、可動部材40が開可能位置からガイド溝28の解放端側へ移動するのを規制している。
この可動部材40は、次の構成により、抜止め片44と抜止め凹部29との係合を解除して、装置本体部22から取外せるようになっている。
すなわち、本抜止め片44が抜止め凹部29にはまり込んだ状態で、抜止め片44のうちガイド溝28の閉塞端側の部分は、当該閉塞端側に向けて突出寸法が徐々に小さくなる離脱用傾斜面45bとなるように構成されている。そして、抜止め片44は、上記ガイドレール26に沿って前記閉塞端部側から離脱用傾斜面に解除操作力を受けることによって、退避可能に構成されている。
すなわち、取外し用の治具90として、直線棒状部92を有するものが準備される。ここでは、金属線等の線状部材の一端部を丸めた構成のもの、即ち、環状部94と、環状部94の一点から接線方向に沿って延びる直線棒状部92とを有する治具90が準備される。そして、その直線棒状部92をガイドレール26のガイド溝28の閉塞端側から斜めに挿入し、ガイド突部42の溝部42g内に挿入する(図5において下側の治具90参照)。そして、治具90をより深く挿入し、直線棒状部92の先端部を抜止め片44の離脱用傾斜面45bに当接させて、強く押込むようにして解除操作力を加える。(図5において上側の治具90参照)。すると、当該解除操作力を受けて、抜止め片44は、ねじりコイルバネ46の付勢力に抗して退避する。これにより、抜止め片44と抜止め凹部29との係合が解除され、可動部材40はガイド溝28の開放端側へ移動可能になる。したがって、上記状態で、可動部材40をガイド溝28の開放端側へ移動させることで、当該可動部材40を装置本体部22から取外すことができる。
施解錠ロック部60は、施錠動作に応じて可動部材40を開不能位置にロックすると共に、解錠動作に応じて可動部材40の前記ロック状態を解除する。ここでは、施解錠ロック部60は、施解錠ロック部60は、電子キー80からの認証情報に基づいてロック及びアンロックを行う電子認証錠とされている。
また、この施解錠ロック部60は、上記可動部材40に一体的に取付けられている。ここでは、可動部材40内に一体的に組付けられている。そして、上記可動部材40と共に装置本体部22に着脱自在とされる構成となっている。
<2−2.錠装置の施解錠ロック部に係る構成>
図6は施解錠ロック部を示す概略正面図であり、図7はロック状態でのロック機構を示す概略断面図であり、図8は非ロック状態でのロック機構を示す概略断面図であり、図9はロック機構を示す説明図である。
より具体的には、施解錠ロック部60は、電子キー80をセット可能なセット部61と、ロック機構部64と、錠側制御部76とを備えている。
セット部61は、電子キー80を挿脱自在な凹部形状を有しており、このセット部61内に電子キー80が所定姿勢で保持される。セット部61内には、上記錠側制御部76と電気的に接続されると共に電子キー80側の接触端子62と接触可能な接触端子63が設けられている。そして、電子キー80をセット部61内にセットすることで、両接触端子62,63が電気的に接続され、電子キー80との間で通信可能になる。なお、電子キー80と錠側制御部76とは無線通信を行う構成であってもよい。
錠側制御部76は、マイコンチップ等で錠側制御部として機能するように電子回路が形成された制御基板を有している。この錠側制御部76は、施解錠ロック部60に内蔵された電源78からの電力供給を受けて動作し、電子キー80との間で通信を行って後述する所定の処理を実行する。
ロック機構部64は、錠側制御部76の制御に応じて可動部材40をロック又はロック解除するように構成されている。
より具体的には、ロック機構部64は、駆動部66と、上記可動部材40から出退自在に配設されたロック部68と、前記駆動部66の駆動を受けてロック部68を移動させる駆動力伝達片70とを備えている。
駆動部66は、可動部材40内に固定された駆動本体部66aからロッド部66bが出退自在とされており、上記錠側制御部76の制御に応じて前記ロッド部66bを出退駆動させる。このロッド部66bの先端部には鍔部66cが取付けられている。ここでは、駆動部66は、プランジャ型のソレノイドによって構成されており、電源78からの電流を駆動部66に流すことで、ロッド部66bが退避駆動されるようになっている。
ロック部68は、略円柱状部材に形成されており、上記可動部材40の裏面、即ち、板状部材24に対向する側面から出退自在とされている。ここでは、可動部材40内に樹脂等で形成されたブラケット48が固定されており、このブラケット48に可動部材40の裏面に貫通する丸孔部48hが形成されている。上記ロック部68は丸孔部48h内に挿入配置されることで、当該ロック部68は、その一端部を可動部材40の裏面から突出させたロック位置と、当該裏面から退避した非ロック位置との間で出退自在となる。なお、ロック部68が配設される位置は、可動部材40が開不能位置にある状態で、位置規制用孔部24b内に配設される位置である。そして、可動部材40を開不能位置に移動させた状態で、ロック部68を可動部材40の裏面側から突出させると当該ロック部68が位置規制用孔部24b周縁部に係合し、即ち、装置本体部22に係合して、可動部材40を開不能位置にロックする。また、この状態で、ロック部68を可動部材40の裏面側から退避させると、当該ロック部68と位置規制用孔部24b周縁部との係合が解除され、可動部材40は開不能位置から移動可能になる。
また、ロック部68の軸方向略中間部における一側部には、駆動力伝達片70からの駆動力を受ける凹部68hが形成されている。
なお、上記ロック部68が非ロック位置に移動した状態で、ロック部68の他端部は上記セット部61内に突出するようになっている。そして、ロック部68の他端部が、上記セット部61内に突出すると、当該セット部61内に挿入された電子キー80に形成されたキー抜止め凹部81に入り込むように係合する(図8参照)。これにより、電子キー80の抜止めが図られるようになっている。
さらに、上記セット部61内であってロック部68の他端部が突出する部分近傍に、ロック部移動抑制バネ片69が配設されている。ロック部移動抑制バネ片69の一端部は、セット部61の周縁部の一定位置に固定されており、ロック部移動抑制バネ片69の他端部はセット部61の周縁部のからロック部68の他端部が突出する部分に向けて延在している。そして、電子キー80をセットしない状態では、ロック部68の他端部がロック部移動抑制バネ片69に当接することで、当該ロック部68が非ロック位置に移動しないように規制している。一方、電子キー80をセット部61にセットすると、当該電子キー80がロック部移動抑制バネ片69の他端部をセット部61の周縁部に押退け(矢符69A参照)る。これにより、ロック部68は非ロック位置に移動可能になり、ロック部68の他端部がセット部61内に突出して電気キー80に抜止め状に係合可能になる。
また、駆動力伝達片70は、駆動部66の駆動力をロック部68に伝達してロック部68を移動させる要素である。
より具体的には、駆動力伝達片70は、金属板等を適宜打抜き屈曲すること等で形成された部材であり、概略L字状の部材に形成されている。駆動力伝達片70の一端部には上記駆動部66のロッド部66bに連結可能な駆動元側連結片71が延設されると共に、駆動力伝達片70の他端部にはロック部68に連結可能な駆動先側連結片72が延設されている。駆動元側連結片71には、略U字状のスリット部71bが形成されており、上記ロッド部66bをスリット部71b内に挿入することで、駆動元側連結片71とロッド部66bとが連結される。また、駆動先側連結片72は、ロック部68の凹部68hに挿入可能な小片形状に形成されており、駆動先側連結片72が当該ロック部68の凹部68hに挿入されることで、駆動先側連結片72とロック部68との連結がなされる。
この駆動力伝達片70は、駆動元側連結片71をロッド部66bに連結すると共に駆動先側連結片72をロック部68に連結させた姿勢で、上記ブラケット48に軸部を介して揺動自在に支持されている。また、その軸部には、ロック部68をロック位置に向けて付勢する付勢手段としてねじりコイルバネ73が取付けられている。
そして、通常状態では、ねじりコイルバネ73の付勢力により、ロック部68はロック位置に向けて付勢されている(図7参照)。この状態で、駆動部66に通電してロッド部66bを退避させると、その駆動力が駆動力伝達片70を介してロック部68に伝達され、ロック部68に対して非ロック位置に向けた力が作用することになる(図8参照)。
なお、可動部材40には、可動部材40開不能位置に位置しているか否かを検知する検知手段としてマイクロスイッチ74が組込まれている。マイクロスイッチ74は、可動部材40の裏面側に出退自在に突出するスイッチ部74aを有している。このスイッチ部74aは、可動部材40が開不能位置にある状態で、検知用孔部24c内に位置して突出する。そして、可動部材40が開可能位置や、開可能位置と開不能位置との間にある状態では、板状部材24の主面に当接して退避した状態となっている。そして、スイッチ部74aが突出している状態で、可動部材40開不能位置に位置している旨の検知信号を出力し、錠側制御部76に与える。
<2−3.錠装置の電気的構成>
図10は錠装置と電子キーとの電気的構成を示すブロック図である。
すなわち、電子キー80は、電子的な認証によって錠装置20を施錠及び解錠するためのものであり、キー側制御部82と、記憶部84とを有している。なお、この電子キー80は、利用者に応じた各錠装置20の解錠の可否情報を書込んだ状態で、錠付格納装置10の利用者に対して発行される。
キー側制御部82は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータにより構成され、その演算動作はすべて予め格納されたソフトウェアプログラムによって実行される要素である。このキー側制御部82には、解錠可否情報を記憶した記憶部84が組込まれており、電子キー80が上記セット部61にセットされると、接触端子62,63を介して錠側制御部76との間で通信を行って、認証に関する所定の処理を実行する。なお、記憶部84は、キー側制御部82とは別構成とされていてもよい。
錠装置20は、錠側制御部76と記憶部76aとを有している。錠側制御部76は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータにより構成され、その演算動作はすべて予め格納されたソフトウェアプログラムによって実行される要素である。この錠側制御部76には、上記認証動作に必要な所定の情報を記憶した記憶部76aが組込まれている。なお、記憶部76aと錠側制御部76とは別構成とされていてもよい。
そして、電子キー80が上記セット部61にセットされると、上記電子キー80との間で通信を行って、錠側制御部76又はキー側制御部82、又はそれらが連携して認証に関する所定の処理を実行する。そして、認証結果が利用可である場合に、スイッチ部77をオンにして駆動部66に電源78からの電流を流す。これにより、駆動部66の駆動によりロック部68が非ロック位置に移動し、可動部材40は開不能位置から開可能位置に向けて移動可能になる。この後、可動部材40が開可能位置に向けて移動され、マイクロスイッチ74のスイッチ部74aが退避した状態になると、可動部材40が開不能位置には存在しない旨検知され、錠側制御部76はスイッチ部77をオフにして駆動部66に対する電流を遮断する。この状態では、ロック部68は板状部材24の主面に接触した状態となっているので、非ロック位置のまま保たれる。このように駆動部66に対する通電時間をなるべく短くすることで省電力化を図ることができる。
なお、本実施形態では、施解錠ロック部60が電源を内蔵している構成について説明しているが、電子キー80からの電源供給を受けて上記認証動作及び駆動部66の駆動を行わせるようにしてもよい。この場合、接触式及び非接触式のいずれの給電方式であってもよい。
ここでの認証処理としては周知の種々の方式を採用できるが、そのうちの一つを例示すると次のような処理である。すなわち、キー側制御部82の記憶部84には、ある利用者に関して、複数の扉16aや各引出部18(つまり、錠装置20が取付けられた格納場所)の識別符号とそれぞれの利用可否とを対応づけたテーブルが記憶されている。また、錠側制御部76には、各格納場所の識別符号が記憶されている。そして、電子キー80がセットされると、錠側制御部76からキー側制御部82に、識別符号が与えられる。これにより、キー側制御部82は、前記テーブルを参照して対象となった格納場所の利用可否を判断する。利用可と判断された場合に、利用許可指令を錠側制御部76に与える。この指令を受けて、錠側制御部76は、スイッチ部77をオンにして、駆動部66を動作させてロック部68を非ロック位置に移動させる。これにより、可動部材40が開放可能な状態となる。
なお、上記認証処理の他、例えば、キー側制御部82から錠側制御部76に利用可否情報を与え、錠側制御部76で利用可否を判断するようにしてもよい。要するに、電子認証錠には、電子キー80側の記憶部84に記憶された利用可否情報に基づいて、キー側制御部82と錠側制御部76との通信を通じて利用可否を決定する等、種々の電子的な認証構成が含まれる。
<3.錠付格納装置、錠装置の動作等>
上記のように構成された錠装置20及び錠付格納装置10の動作について、その使用手順と共に説明する。
まず、初期状態では、扉16a,16bや引出部18は閉じられている。また、それぞれに取付けられた錠装置20の可動部材40は開不能位置に移動した状態である(図4及び図7参照)。この状態では、ロック部68はねじりコイルバネ73の付勢力により付勢され、可動部材40の裏面側に突出して位置規制用孔部24bに位置決め状に係合した状態である。また、ロック部移動抑制バネ片69により、ロック部68は非ロック位置に移動できない状態でもある(図6参照)。さらに、マイクロスイッチ74のスイッチ部74aは、検知用孔部24c内で可動部材40の裏面側に突出した状態である。
上記初期状態において、電子キー80をセット部61にセットすると、まず、電子キー80がロック部移動抑制バネ片69の他端部をセット部61の周縁部に押退け、ロック部68は非ロック位置に移動可能な状態になる(図6参照)。
そして、上記認証動作の結果、利用不可と判断されると、ロック部68が非ロック位置にある状態が保たれる。したがって、利用者は、扉16a,16bや引出部18を開いて利用できない。
一方、認証動作の結果、利用可と判断されると、駆動部66に通電され、ロック部68が非ロック位置に向けて移動する(図8参照)。これにより、可動部材40は、開不能位置から開可能位置に向けて移動可能な状態になる。また、ロック部68の他端部が電子キー80のキー抜止め凹部81に係合し、電子キー80は抜けない状態になる。
この状態で、可動部材40を開可能位置に向けて移動させると、マイクロスイッチ74のスイッチ部74aが板状部材24の主面に接触して退避した状態になる。これにより、錠側制御部76は駆動部66に対する電流を遮断する。この状態では、ロック部68は板状部材24の主面に接触した状態となっているので、非ロック位置のまま保たれる。
そして、可動部材40を開可能位置に位置させると、取っ手部17a又は操作レバー19bが窓部25から露出するようになる(図3及び図5参照)。これにより、利用者は、窓部25を通じて、取っ手部17a又は操作レバー19bを操作して、扉16a,16bや引出部18を開いて利用できるようになる。
なお、この状態では、上記したように電子キー80は抜けない状態が維持されてる。したがって、利用後、扉16a,16bや引出部18を開いたまま電子キー80を抜いて放置される、といった事態が防止される。
また、上記状態では、可動部材40の両側部に設けられた抜止め片44が抜止め凹部29にはまり込み、その当接面45aが抜止め凹部29の抜止め面29bに当接している。このため、可動部材40が開可能位置からガイド溝28の解放端側へ移動して離脱するのが防止される。
利用者が利用を終了すると、可動部材40を開可能位置から開不能位置に向けて移動させる。可動部材40が開不能位置に位置すると、ねじりコイルバネ73の付勢力によりロック部68は非ロック位置に移動して、その一端部が位置規制用孔部24bに係合するので、可動部材40は開不能位置にロックされる。またロック部68が非ロック位置に移動することにより、ロック部68の他端部と電子キー80との係合が解除され、電子キー80を抜けるようになる。そして、電子キー80を抜くと、上記初期状態に復帰する。
本可動部材40及び施解錠ロック部60をメンテナンスしたり、又は、別のものに交換する場合には次のようにする。
すなわち、上記と同様にして、可動部材40を開可能位置に位置させる。この状態で、上記治具90を用いて、装置本体部22から可動部材40及び施解錠ロック部60を取外す。つまり、装置本体部22を扉16aや引出部18に取付けたままで、可動部材40及び施解錠ロック部60を取外すことができる。そして、メンテナンス後又は他の新しいものに交換された可動部材40及び施解錠ロック部60を装置本体部22に取付ける。これにより、メンテナンス又は交換作業が終了する。
このように構成された錠装置20、錠付格納装置10によると、施解錠ロック部60は可動部材40に一体的に取付けられて、可動部材40と共に装置本体部22に着脱自在とされているため、施解錠ロック部60と可動部材40とを一体として装置本体部22から取外し、メンテナンスしたり、他と交換することができる。したがって、ロックや施解錠を行う施解錠ロック部60を容易にメンテナンスでき、かつ、それらの交換を容易に行える。
また、可動部材40の開不能位置は、可動部材40が操作部としての取っ手部17aや操作レバー19bを操作不能にする位置であるため、そのような取っ手部17aや操作レバー19bを有する開閉部材としての扉16aや引出部18に容易に後付けして、施錠機能を追加することができる。
特に、装置本体部22は操作部としての取っ手部17aや操作レバー19bを露出させる窓部25を有しており、可動部材40は窓部25を遮蔽することでそれらを操作不能にし、また、窓部25を開放することでそれらを操作可能にする構成であるため、窓部25内に配設可能な操作部構成であれば、本錠装置20を容易に後付けして、施錠機能を追加することができ、便利である。
また、施解錠ロック部60は、可動部材40から出退自在で、かつ、装置本体部22に係合することで、可動部材40を開不能位置にロックするロック部68を有しているため、施解錠ロック部60が可動部材40に一体的に取付けられた構成において、当該可動部材40を開不能位置にロックすることができる。
さらに、一対のガイドレール26は、開不能位置側の端部で閉塞しており、開可能位置側の端部で開放しているため、開不能位置で可動部材40を取外せないようにすると共に、開可能位置で可動部材40を取外すことができるようにすることができる。これにより、開不能位置で可動部材40を取外すことによる不正な利用を排除できる。
しかも、可動部材40に一対の抜止め片44が設けられると共に、一対のガイドレール26に可動部材40が開可能位置に移動した状態で、前記抜止め片44が係合可能な抜止め凹部29が形成されていると、可動部材40がガイドレール26から容易に抜出してしまうことを防止できる。
また、上記一対の抜止め片44は、ガイドレール26に沿ってその閉塞側端部から加えられる解除操作力を受けて退避可能に構成されているため、可動部材40を開可能位置に配設した状態で、当該可動部材40を取外し易くすることができる。
なお、上記抜止め片44及び抜止め凹部29は、必ずしも一対設けられている必要はなく、ガイドレール26の一方側だけに設けられていてもよい。
<4.錠装置の変形例及びそれを用いた錠装置の使用方法>
上記実施形態では、錠装置20の施解錠ロック部60が電子認証錠である場合で説明したが、必ずしもそうである必要はない。
例えば、図11に示す第1変形例では、可動部材140に組込まれた施解錠ロック部160は、ボタン錠とされている。つまり、可動部材140の表面に複数種のボタン142(ここでは、数字を割りふったボタン)が設けられており、予め設定された番号に応じたボタン142を押すことで、内部の所定のロック機構が解除される。そして、この解除状態で、アンロックボタン144を操作することで、上記実施形態と同様に、内蔵されたロック部(実施形態のロック部68に対応)が非ロック位置に移動して、可動部材140を移動できるようになっている。
また、図12に示す第2変形例では、可動部材240に組込まれた施解錠ロック部260は、ダイヤル錠とされている。つまり、可動部材240の表面に1又は複数(ここでは3つ)のダイヤル242が回転可能に設けられており、ダイヤル242の数字を予め設定された所定の番号に合わせることで、内部の所定のロック機構が解除される。そして、この解除状態で、アンロックレバー244を操作することで、上記実施形態と同様に、内蔵されたロック部(実施形態のロック部68に対応)が非ロック位置に移動して、可動部材240を移動できるようになっている。
さらに、図13に示す第3変形例では、可動部材340に組込まれた施解錠ロック部360は、鍵錠とされている。つまり、可動部材240の表面にシリンダー錠等等の鍵錠部342が組込まれており、鍵を鍵錠部342に差込んで回すことで、内部の所定のロック機構が解除されると共に、内蔵されたロック部(実施形態のロック部68に対応)が非ロック位置に移動して、可動部材340を移動できるようになっている。
なお、上記第1〜第3変形例におけるボタン錠、ダイヤル錠、鍵錠自体のロック及びアンロックに係る構成自体は、周知の錠装置に適用される構成等を採用できる。
また、ロック部68によるロック及びアンロック、ガイドレール26を移動する構成等については、上記錠装置20と同様構成とされている。
したがって、同一構成の装置本体部22に対して、上記異なる施解錠方式の施解錠ロック部60,160,260,360を組込んだ可動部材40,140,240,340を任意に選択して取付けることができる。
これを利用した錠装置20の使用方法について説明する。
まず、上記異なる施解錠方式の施解錠ロック部60,160,260,340を組込んだ可動部材40,140,240,340のうちの一つを選択し(第1の施解錠方式)、これを装置本体部22に取付ける。そして、装置本体部22を扉16aや引出部18の開閉部材に取付ける。なお、装置本体部22を扉16aや引出部18等の開閉部材に取付けた後に、可動部材40,140,240,340のうちの一つを装置本体部22に取付けてもよい。
そして、上記したように錠装置20を利用する。
利用中に、施解錠方式変更のニーズが生じた場合には、装置本体部22を扉16aや引出部18等の開閉部材に取付けたままで、上記第1の施解錠方式に係る可動部材40,140,240,340を取外す。この後、第1の施解錠方式とは異なる第2の施解錠方式を選択し、当該選択に係る40,140,240,340を装置本体部22に取付ける。
これにより、装置本体部22については取外しや交換等をすることなく、必要性等に応じて施解錠方式を容易かつ安価に変更できることになる。
{変形例}
なお、格納装置は、上記のようなキャビネット12に限られない。格納手段の全体が扉にて開閉される構成であってもよいし、また、複数の引出し部のみを有する構成であってもよい。つまり、本錠装置20は、収納本体部に対して開閉自在とされた開閉部材を備えた種々の格納装置に適用可能である。
また、錠装置20における可動部材40は、上記のような取っ手部17a又は取っ手部19a及び操作レバー19を覆う構成に限られない。
例えば、取っ手部17a又は操作レバー19の全体を覆わず部分的に係合して、動かなくするような構成であってもよい。つまり、開不能位置は、可動部材が操作部としての取っ手部17a又は取っ手部19a及び操作レバー19を動かなくするような全ての位置及び態様を含む。
さらには、例えば、可動部材40は、取っ手部17a又は操作レバー19に作用してそれらを動かないようにするだけでなく、例えば、扉16aや引出部18の周縁隙間等からラッチ機構17b,19cに当接して当該ラッチ機構17b,19cを動かなくするような構成であってもよい。つまり、可動部材40が開不能位置に移動した状態で、開閉部材のロック解除動作が不能になり、開可能位置に移動した状態で開閉部材のロック解除が可能になればよい。
また、上記実施形態では、ロック部68が装置本体部22の位置規制用孔部24bに係合することで、可動部材40を開不能位置にロックしているが、ロック部を開閉部材の部分、例えば、取っ手部17aが設けられた凹状空間周縁部に当接させることで、可動部材40を開不能位置にロックするようにしてもよい。
錠付格納装置の全体構成を示す斜視図である。 錠装置を示す分解斜視図である。 可動部材が開可能位置に移動した状態における錠装置を示す斜視図である。 可動部材が開不能位置に移動した状態における錠装置を示す斜視図である。 可動部材が開可能位置に移動した状態における錠装置と取外し用の治具を示す平面図である。 施解錠ロック部を示す概略正面図である。 ロック状態でのロック機構を示す概略断面図である。 非ロック状態でのロック機構を示す概略断面図である。 ロック機構を示す説明図である。 錠装置と電子キーとの電気的構成を示すブロック図である。 第1変形例を示す図である。 第2変形例を示す図である。 第3変形例を示す図である。
符号の説明
10 錠付格納装置
12 キャビネット
16a 扉
17a 取っ手部
18 引出部
19b 操作レバー
20 錠装置
22 装置本体部
24b 位置規制用孔部
25 窓部
26 ガイドレール
28 ガイド溝
29 抜止め凹部
29b 抜止め面
40,140,240,340 可動部材
44 抜止め片
45a 当接面
45b 離脱用傾斜面
46 ねじりコイルバネ
60,160,260,340 施解錠ロック部
64 ロック機構部
68 ロック部
76 錠側制御部
80 電子キー
142 ボタン
242 ダイヤル
342 鍵錠部

Claims (10)

  1. 収納本体部に対して開閉自在とされた開閉部材に取付けられる錠装置であって、
    前記開閉部材に取付けられる装置本体部と、
    前記装置本体部に着脱自在に取付けられると共に、前記装置本体部に取付けられた状態で、前記開閉部材のロック開動作を不能にする開不能位置と前記開閉部材のロック開動作を可能にする開可能位置との間で移動自在とされ、前記開不能位置で前記装置本体部から取外せず、前記開可能位置で前記開不能位置とは反対側に移動して前記装置本体部から取外し可能とされた着脱自在な可動部材と、
    施錠動作に応じて前記可動部材を前記開不能位置にロックし、解錠動作に応じて前記可動部材のロックを解除する施解錠ロック部と、
    を備え、
    前記施解錠ロック部は、前記可動部材に一体的に取付けられて、前記可動部材と共に前記装置本体部に着脱自在とされた、錠装置。
  2. 請求項1記載の錠装置であって、
    前記開不能位置は、
    前記可動部材が前記開閉部材のロック状態を解除させるための操作部を操作不能にする位置である、錠装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の錠装置であって、
    前記装置本体部は、
    前記開閉部材のロック状態を解除させるための操作部を露出させる窓部を有し、
    前記可動部材は、前記窓部を遮蔽することで前記操作部を操作不能にして前記開閉部材を開動作不能にする開不能位置と前記窓部を開放することで前記操作部を操作可能にして前記開閉部材を開動作可能にする開可能位置との間で移動自在に取付けられた、錠装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の錠装置であって、
    前記施解錠ロック部は、前記可動部材から出退自在で、かつ、前記可動部材から突出した状態で前記装置本体部又は前記開閉部材に係合することで、前記可動部材を前記開不能位置にロックするロック部を有する、錠装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の錠装置であって、
    前記装置本体部は、
    前記可動部材を前記開不能位置と前記開可能位置との間で移動自在に支持するガイド溝を有する一対のガイドレールを備え、
    前記一対のガイドレールのガイド溝は、前記開不能位置側の端部で閉塞しており、前記開可能位置側の端部で開放している、錠装置。
  6. 請求項5記載の錠装置であって、
    前記可動部材に、前記一対のガイドレールの少なくとも一方のガイド溝に向けて付勢されつつ突出する抜止め片が設けられると共に、
    前記一対のガイドレールのうちの少なくとも一方のガイド溝に、前記可動部材が前記開可能位置に移動した状態で前記抜止め片が係合可能な抜止め凹部が形成された、錠装置。
  7. 請求項6記載の錠装置であって、
    前記抜止め片は、前記一対のガイドレールのうちの少なくとも一方のガイド溝に沿って前記閉塞された端部側から加えられる解除操作力を受けて退避可能に構成された、錠装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の錠装置であって、
    前記施解錠ロック部は、電子認証錠、ダイヤル錠、ボタン錠又は鍵錠である、錠装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の錠装置の使用方法であって、
    前記開閉部材に装置本体部を取付けると共に前記装置本体部に、第1の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材を取付けるステップと、
    前記開閉部材に装置本体部を取付けたままで、前記第1の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材を、前記第1の施解錠方式とは異なる第2の施解錠方式である施解錠ロック部を一体的に取付けた可動部材に交換するステップと、
    を備えた錠装置の使用方法。
  10. 収納本体部に対して開閉自在とされた開閉部材を有する格納装置と、
    前記開閉部材に取付けられた請求項1〜請求項8のいずれかに記載の錠装置と、
    を備えた錠付格納装置。
JP2006305227A 2006-11-10 2006-11-10 錠装置、錠装置の使用方法及び錠付格納装置 Active JP4932442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006305227A JP4932442B2 (ja) 2006-11-10 2006-11-10 錠装置、錠装置の使用方法及び錠付格納装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006305227A JP4932442B2 (ja) 2006-11-10 2006-11-10 錠装置、錠装置の使用方法及び錠付格納装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008121255A JP2008121255A (ja) 2008-05-29
JP4932442B2 true JP4932442B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=39506308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006305227A Active JP4932442B2 (ja) 2006-11-10 2006-11-10 錠装置、錠装置の使用方法及び錠付格納装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4932442B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4567299B2 (ja) * 2003-06-03 2010-10-20 株式会社イトーキ 金庫システム
JP4627202B2 (ja) * 2005-03-18 2011-02-09 株式会社イトーキ 錠装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008121255A (ja) 2008-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002317575A (ja) 引き出し回転操作型扉用ロックハンドル装置
JP4627202B2 (ja) 錠装置
JP2010270590A (ja) 錠装置
CN105378197B (zh) 带凹入式弹出旋钮的锁芯
JP2008208661A (ja) 錠装置
JP4936918B2 (ja) 電気錠用取手及び該取手を用いた電気錠システム
JP4932442B2 (ja) 錠装置、錠装置の使用方法及び錠付格納装置
JP5974845B2 (ja) キースイッチ
JP2008156973A (ja) 格納システム及び認証錠装置
JP5479217B2 (ja) 物品収納什器における開閉体の施解錠装置
JP6324073B2 (ja) 電気錠システム
JP5816521B2 (ja) 錠装置
JP2007231549A (ja) 格納システム、認証錠装置
JP2010095970A (ja) 扉の解錠・施錠装置
JP5330732B2 (ja) プッシュプル電気錠
JP5931157B2 (ja) 電子キー装置
JP2009024329A (ja) 扉ロックシステム
JP3544201B2 (ja) 引き出し回転操作型扉用ロックハンドル装置
JP2005054504A (ja) 電気錠制御装置
US20230295962A1 (en) Locking device
JP4932540B2 (ja) ボタン式錠装置
JP3576536B2 (ja) 引き出し回転操作型扉用ロックハンドル装置
JP4925811B2 (ja) 錠装置及び錠付格納装置
JP5107780B2 (ja) プッシュプル電気錠
JP2006183359A (ja) 什器

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090924

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4932442

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250