JP2006183359A - 什器 - Google Patents

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康人 福田
Yoshitsugu Miura
義継 三浦
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Masamichi Haijima
Katsuaki Tanaka
克明 田中
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【課題】従前の什器に電動の施錠装置を新たに実装することによる製造コストの高騰を抑える。
【解決手段】抽斗に設けられ手動ロック位置と手動アンロック位置P6との間で動作可能な手動作動子51と、手動式の錠5と、前記手動作動子51が手動ロック位置にある場合に前記抽斗を什器本体にロックする一方前記手動作動子51が手動アンロック位置P6にある場合に前記抽斗の前記什器本体に対する開閉動作を許容するロック機構とを備えてなる什器において、前記手動ロック位置に対応する電動ロック位置P1と前記手動アンロック位置P6に対応する電動アンロック位置との間で動作可能に設けられ前記ロック機構と協働して前記抽斗を前記什器本体に対してロックしまたはアンロックする電動作動子41と、この電動作動子41を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置P1と電動アンロック位置との間で作動させるための電動式の錠4とを設けた。
【選択図】図11

Description

本発明は、セキュリティを向上させるべくオフィス等において好適に使用される、什器に関する。
近時、各種の組織運営において、情報漏洩の問題が大きくクローズアップされており、組織の信頼性を維持するためにセキュリティ対策の改善が喫緊の課題となっている。とりわけ、昨今の組織内オフィスにおける構成員の多様化は急速に進んでおり、いわゆる正社員や契約社員等のメインワーカー以外にも派遣社員、アルバイター、外部のメンテナンス業者等のサブワーカーが比較的自由に活動できる環境が成立している。そして、かかる環境を利用して何らの権限も持たない者が外部から侵入する可能性も無視できない状況となっている。
このような環境の下で、重要情報を記録している媒体や機密書類等の保護すべき対象物を保護するための対策として、旧来より、保護対象物を収納、保管するワゴンの抽斗や収納庫の扉に施錠することが行われており、施錠機能を有するワゴン、袖机、収納庫等のオフィス向け什器(例えば、下記特許文献を参照)も広汎に流通している。
特許2671696号公報
従前の手動の施錠装置では、ワゴンの抽斗等を施解錠する操作をその使用者自身が意識的に行うことが必須となる。故に、頻繁に席を立って作業を行うワーカーにとっては、施解錠操作を何度も強制されることとなる。言うまでもなく、手動の施錠装置における施解錠は、鍵を取り出し、その鍵を錠シリンダーに差し入れ、錠を操作してデッドボルトを駆動し、しかる後鍵を錠シリンダーより抜き出すという比較的煩雑な手順を伴う。従って、つい面倒になって施錠を行わなかったり、施錠を忘れたり、あるいは鍵を錠シリンダーに差しっぱなしにしてしまったりすることが多くなり、現実にはセキュリティの向上につながらないケースがままある。
使用者の使い勝手を損なうことなく実効的にセキュリティを向上させる具体的対策の一つとして、電動駆動される施錠装置を什器に実装することが考えられる。電動の施錠装置は、使用者が自身の手で行ってきた操作手順の少なくとも一部を肩代わりして自動化してくれるため、使用者に煩わしさを強いることなく確実な施錠を実現し、セキュリティの向上をもたらしてくれる。
しかしながら、手動の施錠装置とは別に独立した電動の施錠装置を作り込もうとすると、部材・部品の点数や製造工程の工数が顕著に増加し、どうしても製造コストの高騰を招くことが避けられない。
上述した課題を解決するべく、本発明では、抽斗や扉等の可動部材と、この可動部材を開閉動作可能に支持する什器本体と、これら可動部材及び什器本体のいずれか一方に設けられ手動ロック位置と手動アンロック位置との間で動作可能な手動作動子と、鍵を用いた手動操作に基づいて前記手動作動子を手動ロック位置または手動アンロック位置に作動させる手動式の錠と、前記手動作動子が手動ロック位置にある場合に前記可動部材を什器本体にロックする一方前記手動作動子が手動アンロック位置にある場合に前記可動部材の前記什器本体に対する開閉動作を許容するロック機構とを備えてなる什器において、前記手動作動子の手動ロック位置に対応する電動ロック位置と前記手動作動子の手動アンロック位置に対応する電動アンロック位置との間で動作可能に設けられ前記ロック機構と協働して前記可動部材を前記什器本体に対してロックしまたはアンロックする電動作動子と、この電動作動子を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置と電動アンロック位置との間で作動させるための電動式の錠とを設けたことを特徴とする什器を構成した。ここで、電動式の錠は、例えば、回転動作または進退動作を行う出力端を備えた電動アクチュエータと、この電動アクチュエータの出力端の動作を電動作動子の進退動作に変換する動作伝達機構とを備えてなるものである。
このようなものであれば、手動の施錠装置におけるロック機構と、電動の施錠装置におけるロック機構とを共用化することができる。並びに、手動式の錠をほぼ既存のまま使用することができる。よって、従前の什器に電動の施錠装置を新たに実装することによる製造コストの高騰を抑えることが可能となる。
また、抽斗や扉等の可動部材と、この可動部材を開閉動作可能に支持する什器本体と、これら可動部材及び什器本体のいずれか一方に設けられ手動ロック位置と手動アンロック位置との間で動作可能な手動作動子と、鍵を用いた手動操作に基づいて前記手動作動子を手動ロック位置または手動アンロック位置に作動させる手動式の錠と、前記手動作動子が手動ロック位置にある場合に前記可動部材を什器本体にロックする一方前記手動作動子が手動アンロック位置にある場合に前記可動部材の前記什器本体に対する開閉動作を許容するロック機構とを備えてなる什器において、前記手動作動子の手動ロック位置に対応する電動ロック位置と前記手動作動子の手動アンロック位置に対応する電動アンロック位置との間で動作可能に設けられ前記ロック機構と協働して前記可動部材を前記什器本体に対してロックしまたはアンロックする電動作動子と、この電動作動子を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置と電動アンロック位置との間で作動させるための電動式の錠と、前記電動ロック位置に停止している電動作動子を前記手動作動子の動きを利用して機械的に電動アンロック位置に強制復帰させる強制復帰機構とを設けたことを特徴とする什器を構成すれば、既存の手動式の錠の動作を電動式の錠についてのフェイルセーフとして応用できる。即ち、給電の遮断や電気回路の故障等により電動式の錠が作動不能となった場合に、手動式の錠を操作してロック機構を駆動しロックを解除することが可能となる。前記強制復帰機構は、例えば、前記電動作動子を電動アンロック位置に付勢する弾性付勢要素と、前記動作伝達機構に組み込んだクラッチ機構と、前記手動作動子の動きを利用して前記クラッチ機構を操作し前記動作伝達機構による動作伝達を一時的に切断するためのクラッチ操作機構とを備えたものとする。
既知の什器への適用に際しては、前記可動部材に、前記手動作動子及び前記手動式の錠を設けたものにおいて、その可動部材に、前記電動作動子、前記電動式の錠をさらに設けるようにすることが好ましい。上記の構成により、可動部材の取り替えを通じて電動の施錠装置を伴わない従前の什器を電動の施錠装置を実装した什器に改変することができる。
前記可動部材を、可動部材本体と、この可動部材本体の前面に着脱可能に装着した表装体とを有したものとし、その表装体に支持させて前記手動式の錠、前記手動作動子、前記電動作動子、前記電動式の錠をそれぞれ設けていれば、可動部材全体を取り替える以外に、表装体のみを取り替えることによっても従前の什器に電動の施錠装置を実装可能となる。具体的には、前記可動部材が抽斗であるとき、抽斗本体の前板に着脱可能に装着した鏡板が前記表装体に該当する。
前記什器本体に可動部材である複数の抽斗を支持させた什器であって、前記ロック機構が、什器本体に設けられロック爪突出位置とロック爪没入位置との間で動作可能なロック爪支持体と、前記各抽斗に対応させてこのロック爪支持体に設けられ前記ロック爪突出位置において対応する抽斗にそれぞれ係合し当該抽斗をそれぞれ閉止位置にロックする複数のロック爪とを具備してなるものであり、特定の抽斗に設けた前記手動作動子及び前記電動作動子の少なくとも一方でそのロック爪支持体を付勢することによって当該ロック爪支持体を動作させ得るように構成すれば、単一のメカニズムで複数の抽斗を同時に施解錠可能となる。
前記手動作動子と前記電動作動子とを相互に平行な姿勢で近接させて前記錠のハウジングにそれぞれスライド可能に支持させたものであり、これら手動作動子及び電動作動子で同時にまたは選択的に前記ロック爪支持体の共通の作用位置を付勢し得るようにしているならば、例えば電動作動子を通過させるための透孔を新たに形成する等の追加加工を施すことなしに電動の施錠装置を実装できる。
全ての抽斗が閉止位置に復帰した場合に閉止完了信号を出力する開閉検知手段と、この開閉検知手段から閉止完了信号が出力された場合に限って電動式の錠のロック方向への作動を許容する施錠制御手段をさらに備えているならば、抽斗が什器本体より引き出されている状態で電動作動子が作動して電動ロック位置に変位してしまい、各抽斗を適切にロックできなかったり、抽斗を什器本体内に押し入れられなくなってしまったりする不具合を回避できる。ここで、信号の出力とは、当該信号によって次に必要となる処理・動作を惹起すること一般を意味しており、所定の電流信号や電磁波信号等を送出することのみに限定されず、電流信号、電磁波信号等を変化させまたはその送出を停止することで次に必要な処理・動作を惹起することもこれに含まれる。
開閉検知手段が、全ての抽斗の鏡板が面一に揃っているか否かを検出する整列検出センサと、特定の抽斗が閉止位置にあるか否かを検出する閉止検出センサと、これらのセンサにより全ての抽斗の鏡板が面一に揃い且つ特定の抽斗が閉止位置にあると判定した場合に閉止完了信号を出力する閉止判定回路とを備えたものであるならば、複数段の抽斗のうちの一つに、特に、抽斗が三段存在するものにおいてその中間段の抽斗に、これらセンサ及び閉止判定回路を集合させて設けることができる。このことは、中間段の抽斗のみを取り替えることで什器に電動の施錠装置を実装できるという、ユニット化の効用をもたらす。
加えて、前記電動式の錠が、無線方式による本人認証が行われた結果出力されるロック解除信号に基づいて前記作動子を前記ロック位置から前記アンロック位置に作動させるように設定されたものであれば、ロックを解除しようとする使用者が自身の手で施錠装置に対し何らかの手動操作を行う必要がなくなり、使い勝手が良化する。
本発明によれば、手動の施錠装置におけるロック機構と、電動の施錠装置におけるロック機構とを共用化することができる。並びに、手動式の錠をほぼ既存のまま使用することができる。よって、什器に電動の施錠装置を新たに実装することによる製造コストの高騰を抑えることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図15に示す本実施形態は、抽斗A、B、Cを備えるワゴン、袖机等の什器Wに、抽斗A、B、Cの開閉操作を抑止するロック機構を設け、このロック機構のロック/アンロックをユーザ認証を通じて制御可能としたものである。
本実施形態の什器Wは、図1、図2に示すように、可動部材たる複数段の抽斗A、B、Cを什器本体1(袖机にあっては、袖部に構成される構造体である)内に収容して保持する。抽斗A、B、Cは、図2、図4に示すように、底板21、左右の側板22、後板(図示せず)及び前板23を備え上方に開口する収納空間を形成する可動部材本体たる抽斗本体2に、表装体たる鏡板3を前方より組み付けてなる。抽斗本体2は、例えば板金材を折曲加工して作製される。抽斗本体2の側板22の外側面には、前後方向に伸長する突条(図示せず)を設けてあり、この突条を什器本体1内に取り付けたレール16(サスペンションレールであることがある)にスライド可能に支持させる。
鏡板3は、図4に示すように、取手35を配設する凹陥を有する面板部31と、面板部31の上縁より後方に屈曲する上端部32と、面板部31の下縁より後方に屈曲する下端部33と、面板部31の側縁より後方に屈曲する側端部34とが略角盆状をなす、例えば樹脂成形品である。取手35は、抽斗A、B、Cを什器本体1に係留するラッチ36を駆動するためのものであり、その回転軸の両端が凹陥を貫通して面板部31の背面側に導かれ回動可能に支持されている。ラッチ36は、基端を側端部34の内面側に設けた枢着部37に水平旋回可能に枢支させるとともに、その先端を抽斗本体2の前板23に形成した透窓(図示せず)を介して後方に突出させているもので、抽斗A、B、Cが什器本体1内に押し入れられたときに什器本体1に予め設けてあるラッチ受け(図示せず)に掛かって抽斗A、B、Cを什器本体1に係留する。取手35が回動操作されると、この取手35に従動してラッチ36が旋回し、ラッチ36とラッチ受けとの係合が解消される。
什器本体1は、図3に示すように、左右に並立する側壁11を、後壁(図示せず)及び横架材12により連結し、抽斗A、B、Cを収容する内部空間を前方に連通させたものである。側壁11は、当該側壁11の外側面及び前端面をなす外板の前縁部位に、内向面及び後向面をなす内板を溶接等により固定してなるもので、これら外側面、前端面、内向面及び後向面によって剛性を補強する前補強部111を構成するとともに、その内に上下方向に延伸する扁平な空間領域を有している。
抽斗A、B、Cをロックするロック機構は、上記の空間領域内に配置されるロック爪支持体13並びにこのロック爪支持体13に支持されるロック爪131を主体とする。ロック爪支持体13は、上下に長尺な板状体であり、例えば板金素材をプレス加工等して作製する。ロック爪支持体13は、上下両端に一体成形した軸部132、133を有しており、これら軸部132、133を軸受体14、15に軸承させることで水平旋回可能に支持させてある。ロック爪支持体13の下端の軸部133を軸承する軸受体15は、側壁11の内板から前補強部111内の空間領域へ切り起こした舌片状のもので、平面視略ハート形をなす軸孔を有している。上端の軸部132を支持する軸受体14は、例えば樹脂成形品であって、やはり軸部132を収容する軸孔を有している。軸受体14の什器本体1への装着は、その一部を内板の上縁ないし横架材12の上面に穿った切欠に圧入することで行う。
ロック爪支持体13の後縁部には、抽斗A、B、Cの段数に応じた数のロック爪131を設けている。これらロック爪131は、ロック爪支持体13から切り起こしてなり、内側方に向けて略水平に突出する。ロック爪131は、ロック爪支持体13の立面に略直交する後端縁と、ロック爪支持体13の立面に平行な方向よりもやや前方に傾斜する側端縁とが、平面視略直角三角形状をなすものである。また、側壁11の内板における各ロック爪131に対応する位置には、ロック爪131を通過させ得る爪突没口112を穿ってある。
そして、このロック爪支持体13を、各ロック爪131が前補強部111に形成された空間領域内に没入する方向に弾性付勢している。図示例では、ねじりコイルばね17をロック爪支持体13の軸部132に巻装し、その一端を側壁11の外板に支持させつつ、他端をロック爪支持体13に支持させるものとしている。
爪突没口112を介して突没するロック爪131は、各段の抽斗A、B、Cをそれぞれロックすることができる。図2に示しているように、抽斗本体2の側板22には、予め爪突没口112に対向する係止孔221(または、係合突起)を突設してある。爪突没口112より内側方に突出したロック爪131の後端縁は、係止孔221の開口縁(または、係合突起の前端縁)に係合して、抽斗A、B、Cの前方へのスライド移動を阻止する。
ねじりコイルばね17による弾性付勢により、平時にはロック爪131が什器本体1の側壁11内に没入している状態にある。従って、抽斗A、B、Cをロックするには、何らかの手法によってロック爪支持体13を弾性付勢力に抗して変位させ、ロック爪131を爪突没口112より突出させる必要がある。従前の什器Wでは、鍵を差し入れて操作することで作動子を進退させることが可能な錠を何れかの抽斗A、B、Cの鏡板3に実装しておき、この錠を手動操作して作動子を外側方に進出させロック爪支持体13を駆動できるようにしていた。外側方に進出した作動子の先端は、什器本体1の側壁11に予め穿たれている透孔113を経て前補強部111内に進入し、ロック爪支持体13の軸部132、133よりも前方の部位を外側方に押す。これにより、ロック爪支持体13の後端部が内側方に旋回して、ロック爪支持体13がロック爪131を突出させるロック爪突出位置P3に位置づけられ、抽斗A、B、Cがロックされる。逆に、作動子がロック爪支持体13を押していないと、弾性付勢されているロック爪支持体13はロック爪131を没入させるロック爪没入位置P4に位置づけられ、抽斗A、B、Cをロックしない。
しかして、従前の什器Wが保有している抽斗A、B、Cの一つを換装(この抽斗B全体を取り替えてもよく、この抽斗Bの鏡板3のみを取り替えてもよい)して、この什器Wに電動式の錠4によるノーマリーロック機能及びユーザ認証を通じたアンロック機能を新たに付加している。本実施形態では、三段の抽斗A、B、Cのうちの中間段の抽斗B、または中間段の抽斗Bの鏡板3を取り替えている。この中間段の抽斗Bは、その鏡板3の背面側に、電動式の錠4と、手動式の錠5とを両備する。
電動式の錠4は、電動作動子41を作動させる作動力を出力する電動アクチュエータと、電動アクチュエータが出力する作動力を電動作動子41に伝達する動作伝達機構と、電動アクチュエータを制御する認証判断モジュール6及び制御モジュール7とを具備してなる。
図5に示すように、電動作動子41は、かんぬき状の薄板体で、鏡板3の背面側にあって電動アンロック位置P2と電動ロック位置P1との間を幅方向に進退移動可能にハウジング47に支持させてある。電動作動子41が図11に示す電動ロック位置P1にあるとき、その先端は抽斗本体2の前板23に形成されている開口231を介して外側方に突出し、さらに什器本体1の側壁11の透孔113を介して前補強部111内に進入してロック爪支持体13を外側方に押す。つまり、電動作動子41が電動ロック位置P1にあるとき、ロック爪支持体13がロック爪突出位置P3に位置づけられ、ロック爪131が爪突没口112より突出して抽斗A、B、Cをロックする。一方、電動作動子41が図12、図13または図15に示す電動アンロック位置P2にあるときには、その先端は什器本体1の側壁11の透孔113にまでは至らず、ロック爪支持体13と係わり合わない。よって、ロック爪支持体13がロック爪没入位置P4に位置づけられ、ロック爪131が側壁11内に没入して抽斗A、B、Cの移動を許容する(但し、後述する手動作動子51が手動アンロック位置P6にあることが条件である)。
電動アクチュエータは、例えば、出力軸を正逆方向に回転駆動可能なモータ42と、モータ42の出力軸の回転を伝達する減速ギヤとを要素とする。出力軸及び減速ギヤは、ギヤボックス43内に存在している。電動アクチュエータは、外部の給電コンセントより電力供給を受けるものとしてもよく、電池(その種類は問わない)より電力供給を受けるものとしてもよいが、本実施形態では電動アクチュエータを電池で駆動するものとしている。電池を収める電池ボックス48もまた、同じ抽斗Bの鏡板3に設けてある。電池の交換等を容易とするために、この電池ボックス48が鏡板3の前面側に開口し、電池の交換等を抽斗Bの前方より(言い換えるならば、鏡板3を抽斗本体2より取り外すことなく)行い得るものであることが好ましい。
動作伝達機構は、減速ギヤを介してモータ42の回転力の伝達を受けて正逆回転する回転部材44と、回転部材44と電動作動子41とを機械的に接続する接続部材45とを要素とする。回転部材44は、背面視略円盤状をなし、その外周部に複数個の突片441を間欠的に設けてある。これら突片441は、回転部材44の後面より後方に突き出している。接続部材45は、回転部材44と同心軸回りに自由に回動可能であるように軸支させた部材であって、回転部材44の後面に重合配置してある。接続部材45は、電動作動子41に向けて延伸するアーム451を有している。アーム451の先端部は、ピン411を介して電動作動子41に連結している。また、アーム451は、回転部材44の突片441間に位置づけられており、何れかの突片441がアーム451の側縁に係合することで回転部材44の回転が接続部材45に伝達されるようになっている。接続部材45及びそのアーム451は、後背に取り付けたばね46によって回転部材44に接近する方向に絶えず付勢されている。
モータ42が正方向に回転すると、減速ギヤを介して回転力の伝達を受けた回転部材44が図11、図12等の背面図中時計回りに回転する。そして、突片441がアーム451の側縁に係合し、アーム451及び接続部材45を図中時計回りに回転させる。結果、電動作動子41が背面図中右方向即ち外側方に変位して電動ロック位置P1に至る。モータ42が逆方向に回転すると、減速ギヤを介して回転力の伝達を受けた回転部材44が背面図中反時計回りに回転する。そして、突片441がアーム451の側縁に係合し、アーム451及び接続部材45を図中反時計回りに回転させる。結果、電動作動子41が背面図中左方向即ち内側方に変位して電動アンロック位置P2に至る。
電動作動子41の基端には、鉛直下方に垂下する制動体412を取り付けてある。並びに、この制動体412を挟むように対をなすリミットスイッチ71、72を設けてある。リミットスイッチ71、72は、電動作動子41を適当な位置で制止するために機能する。幅方向に変位する電動作動子41が電動ロック位置P1に至ったときには、制動体412が背面図中右側のリミットスイッチ71に接触し、電動作動子41が電動アンロック位置P2に至ったときには、制動体412が背面図中左側のリミットスイッチ72に接触する。後述するように、制動体412が何れかのリミットスイッチ71、72に接触した時点でモータ42の回転を停止することで、電動作動子41を電動ロック位置P1または電動アンロック位置P2に適切に制止させることができる。
抽斗本体2内に収納される保護対象物を正当な権限を有する使用者以外の者から防護するという目的を達成するには、使用者の認証に成功した場合にのみ電動作動子41を作動してロックを解除すればよい。認証判断モジュール6及び制御モジュール7は、ユーザ認証と電動アクチュエータの制御とを司る。認証判断モジュール6及び制御モジュール7は、外部の給電コンセントより電力供給を受けるものとしてもよく、電池より電力供給を受けるものとしてもよいが、通常は電動アクチュエータと電力供給源を同じくする。
認証判断モジュール6は、予め各使用者に供与されている認証用キー要素8と微弱無線にて無線交信してユーザ認証を行う。認証判断モジュール6は、例えば、図6に示すように、プロセッサ、メインメモリ、フラッシュメモリ(不揮発性メモリ)及び/またはROM(Read Only Memory)等を内包するプロセッサユニット61と、アンテナ、アンプ、復調回路、変調回路等を有してなる微弱無線通信ユニット62とを備えている。フラッシュメモリまたはROMには、プロセッサによって実行されるべきプログラムが格納されており、その実行時にはメインメモリに読み込まれ、プロセッサによって解読される。認証判断モジュール6は、当該プログラムに従ってハードウェア資源を作動し、ユーザ認証に必要な処理を実施する。認証判断モジュール6は、少なくとも、抽斗A、B、Cを開閉する権能を有する使用者の認証に成功した場合に、その旨を示す信号を制御モジュール77に向けて出力する。
認証判断モジュール6と制御モジュール7とは電気的に接続しており、制御モジュール7は認証判断モジュール6より送出される信号を受け取ることができる。制御モジュール7に実装されたアクチュエータ制御回路は、使用者の認証に成功した旨を示す信号を認証判断モジュール6より受け取ったときに、ロック機構によるロックを解除させるためのロック解除信号を出力する。本実施形態において、ロック解除信号とは即ちモータ42に印加されてモータ42を逆回転させる電気信号である。
認証判断モジュール6が認証用キー要素8と無線交信して認証を行う機会は制限されている。具体的には、使用者または使用者以外の者が抽斗A、B、Cを開閉しようとする際の積極動作を行ったことを検知してはじめて、無線交信を開始するものとしている。使用者または使用者以外の者による積極動作を検知するのは、動作検知センサ63である。動作検知センサ63は、積極動作が行われた旨の検出結果を得た場合に認証開始信号を出力する。省電力を実現するべく、動作検知センサ63には、待機電力を消費しない態様のスイッチ等を採用することが望ましい。本実施形態では、動作検知センサとして、押下ボタンに代表される手動操作スイッチ63を、抽斗Bに露出させて設けている。抽斗A、B、Cのロックを解除して抽斗A、B、Cを開閉操作しようとする者は、積極動作として、この手動操作スイッチを操作する。積極動作を検知した手動操作スイッチは、その旨を示す所定の信号を出力する。この信号が、認証開始信号となる。但し、動作検知センサ63は、押下ボタン等には限られない。例えば、抽斗A、B、Cを開閉する際に触れざるを得ない箇所、即ち取手35が把持されたときに切り替わるようなスイッチ等を抽斗A、B、C(の鏡板3)に設けておき、これを動作検知センサ63としてもよい。あるいは、取手35の近傍に手指が接近したことを検知可能なセンサ(赤外線センサ、超音波センサ等)を動作検知センサ63として採用するということも考えられる。
動作検知センサ63と認証判断モジュール6とは電気的に接続しており、認証判断モジュール6は動作検知センサ63より送出される認証開始信号を受け取ることができる。認証判断モジュール6は、動作検知センサ63が出力する認証開始信号を受け取った場合に、認証用キー要素8との無線交信及び認証を実施するプログラムルーチンを実行開始する。
他方、抽斗A、B、Cを開閉操作する権限を有している使用者は、それぞれ認証用キー要素8を所持している。認証用キー要素8は、抽斗A、B、Cに対するロックを解除するための鍵の役目を果たす。認証用キー要素8は、例えば、図7に示すように、プロセッサ、メインメモリ、フラッシュメモリ及び/またはROM等を内包するプロセッサユニット81と、アンテナ、アンプ、復調回路、変調回路等を有してなる微弱無線通信ユニット82とを備えている。認証用キー要素8は、電池(その種類は問わない)より電力供給を受けて駆動される。認証用キー要素8の外形は、特に限定されない。認証用キー要素8は、タグ状またはカード状であるとは限られず、これらよりも大きい形状(例えば、フォルダ、ファイル等)をなすものとしてもよく、これらよりも小さな形状(例えば、クリップ、リング、ステープル、チップ等)をなすものとしてもよい。フラッシュメモリまたはROMには、プロセッサによって実行されるべきプログラムが格納されており、その実行時にはメインメモリに読み込まれ、プロセッサによって解読される。認証用キー要素8は、当該プログラムに従ってハードウェア資源を作動し、什器W側の認証判断モジュール6と微弱無線にて無線交信する。
以降、ユーザ認証に関して述べる。使用者がそれぞれ所持する認証用キー要素8には、予め認証識別子が割り当てられている。認証識別子は、使用者個人または複数人を包括するグループを識別するものであって、各人または各グループについて所定長(例えば、4バイト)の値としている。認証用キー要素8に実装されたフラッシュメモリまたはROMには、当該認証用キー要素8に割り当てられた認証識別子が記憶されている。
他方、什器W側の認証判断モジュール6に実装されたフラッシュメモリまたはROMには、認証の対象となる認証識別子が記憶されている。認証の対象となる認証識別子とは、即ち抽斗A、B、Cを開閉操作して保護対象物を持ち出す権能を有する使用者または使用者のグループに係る認証識別子である。
ユーザ認証の手順を、図8、図9のフローチャートに示す。図8は、什器W側の認証判断モジュール6が実行する処理手順を示しており、図9は、使用者が所持する認証用キー要素8が実行する処理手順を示している。既に述べたように、什器W側の認証判断モジュール6は、使用者または使用者以外の者による積極動作を、動作検知センサ63を介して検知する。動作検知センサ63が出力する認証開始信号を受け取ることで積極動作を検知した認証判断モジュール6は、認証の対象となる認証識別子の一部分(例えば、後半2バイト)を含む要求信号を認証用キー要素8に向けて無線にて発信する(ステップS1)。
要求信号を受信した(ステップS5)認証用キー要素8は、その要求信号に含まれる認証識別子の一部分が自身に割り当てられている認証識別子に内在しているか否かを判断し(ステップS6)、内在している場合には自身に割り当てられている認証識別子の残存部分(例えば、前半2バイト)を含む応答信号を認証判断モジュール6に向けて無線にて返信する(ステップS7)。内在していない場合には応答信号の返信は行わない。
要求信号を発信した認証判断モジュール6は、認証用キー要素8よりもたらされる応答信号を待ち受ける。そして、応答信号を受信したとき(ステップS2)、その応答信号に含まれる認証識別子の残存部分が認証の対象となる認証識別子に対応しているか否かを判断し(ステップS3)、対応している場合には認証が成功したとしてロックを解除するための制御を実行する。具体的には、制御モジュール7にロック解除信号を出力させる(ステップS4)。なお、要求信号を発信した後、所定の制限時間内に認証の対象となっている認証識別子を割り当てられた認証用キー要素8による応答信号を受信できなければ、認証の不成功即ち正当な権限を有する使用者が近傍に存在しないとしてロックを解除しない。
ユーザ認証の一例を、図10に示している。図示例では、正当な権限を有する使用者またはグループに係る認証識別子「00 11 22 22」が認証判断モジュール6に記憶されているとともに、当該使用者が所持する認証用キー要素8(8K)にも記憶されている。ユーザ認証の開始にあたり、認証判断モジュール6は、認証の対象となる認証識別子の一部分たる後半2バイト「22 22」を含む要求信号を発信する。
認証判断モジュール6と無線交信可能な位置にある認証用キー要素8(8J、8K、8L、8M、8N)は、それぞれ要求信号を受信して、応答信号を返信すべきか否かを判断する。つまり、各認証用キー要素8J、8K、8L、8M、8Nにおいて、自身が記憶している認証識別子の後半2バイトと要求信号に含まれる認証識別子の後半2バイトとが合致するか否かを判断する。これら認証用キー要素8のうち、応答信号を返信するのは、認証用キー要素8K及び8Nである。認証用キー要素8Kは、自身に割り当てられている認証識別子の残存部分たる前半2バイト「00 11」を含む応答信号を返信し、認証用キー要素8Nは、自身に割り当てられている認証識別子の前半2バイト「33 44」を含む応答信号を返信する。その他の認証用キー要素8J、8L、8Mは、応答信号を返信しない。
しかして、認証判断モジュール6は、認証用キー要素8K及び8Nが返信する応答信号をそれぞれ受信して、最終的な認証判断を行う。本例では、認証用キー要素8Kよりもたらされた応答信号に含まれる認証識別子の前半2バイトが、認証対象である認証識別子「00 11 22 22」の前半2バイトに合致している。従って、正当な権限を有する使用者が近傍に存在しており、抽斗A、B、Cに対するロックを解除すべきと判断される。
上記例からも明らかなように、認証判断モジュール6が発信した要求信号に対して複数の認証用キー要素8が応答することがあり得る。従って、認証用キー要素8は、ステップS7において、乱数を発生させてこれを基にウェイト時間を決定し、決定したウェイト時間が経過してから応答信号の返信を実行することが好ましい。これにより、要求信号に対して応答信号を返信する認証用キー要素8が複数あったとしても、互いに応答信号の返信タイミングをずらすことが可能となる。
ユーザ認証に成功した暁には、認証判断モジュール6より制御モジュール7にその旨を示す信号が入力される。この信号の入力を受け付けた制御モジュール7のアクチュエータ制御回路は、ロック解除信号を出力、即ち電動アクチュエータのモータ42に通電してこれを逆回転させ、電動作動子41を電動ロック位置P1から電動アンロック位置P2に移動させる。なお、先に述べたリミットスイッチ72、71が制御モジュール7に電気的に接続しており、この制御モジュール7は電動作動子41が電動アンロック位置P2または電動ロック位置P1に至ったことをリミットスイッチ72、71を介して感知できる。制御モジュール7は、電動作動子41が電動アンロック位置P2または電動ロック位置P1に至った時点でモータ42への通電を止め、モータ42の回転を停止させる。電動作動子41が電動アンロック位置P2に移動すると、各ロック爪131は什器本体1の側壁11内に没入し、各段の抽斗A、B、Cに対するロックを解除する。
翻って、電動作動子41が電動ロック位置P1に移動すると、各ロック爪131が側壁11より突出して各段の抽斗A、B、Cをロックする。つまるところ、本実施形態におけるロック機構は、解錠、施錠をともに電動作動子41の変位を通じて惹起する。但し、中間段の抽斗Bを含めて全段の抽斗A、B、Cが什器本体1内に収容されている状態で電動作動子41を電動ロック位置P1に変位させないと、抽斗A、B、Cを適切にロックできなかったり、抽斗A、B、Cを什器本体1内に押し入れられなくなったりする等の不具合が発生する。このような事態を避けるべく、全段の抽斗A、B、Cが什器本体1内に収容されていることを検知するための開閉検知手段を設けておく必要がある。
開閉検知手段は、例えば、全段の抽斗A、B、Cの鏡板3が面一に揃っているか否かを検出する整列検出センサ64、65と、特定の抽斗A、B、Cが什器本体1内に収容された閉止位置にあるか否かを検出する閉止検出センサ66とを用いて構成する。整列検出センサ64、65、閉止検出センサ66は、待機電力を必要としない態様のスイッチ、例えばメカスイッチとする。本実施形態では、これら整列検出センサ64、65、閉止検出センサ66を中間段の抽斗Bに集合させて設けている。
中間段の抽斗Bの鏡板3の上端部32に設置した整列検出センサ64は、中間段の抽斗Bの直上にある上段の抽斗Aの鏡板3の下端部33が中間段の抽斗Bの鏡板3の上端部32に平面視重なり合うように近接していることを検知する。より具体的には、上段の抽斗Aの鏡板3の下端部33が整列検出センサ64の作動体に接触したときに、整列検出センサ64がその旨を示す信号を出力する。同様に、中間段の抽斗Bの鏡板3の下端部33に設置した整列検出センサ65は、中間段の抽斗Bの直下にある下段の抽斗Cの鏡板3の上端部32が中間段の抽斗Bの鏡板3の下端部33に平面視重なり合うように近接していることを検知する。即ち、下段の抽斗Cの鏡板3の上端部32が整列検出センサ65の作動体に接触したときに、整列検出センサ65がその旨を示す信号を出力する。
また、閉止検出センサ66は、中間段の抽斗Bが什器本体1に完全に押し入れられた閉止位置に位置づけられたことを検知する。閉止検出センサ66は、中間段の抽斗Bの鏡板3の側端部34近傍に設置してあり、その作動体を抽斗本体2の前板23に形成した透窓234を介して後方に突出させている。中間段の抽斗Bを押し入れて什器本体1内に収容したとき、抽斗本体2の前板23の背面とともに閉止検出センサ66の作動体が什器本体1の側壁11の前端面に当接する。このときの閉止検出センサ66が、その旨を示す信号を出力する。
なお、整列検出センサ64、65、閉止検出センサ66が、メカスイッチ等であるとは限られない。これらのセンサは、要するに二つの部材(即ち、上下に隣接する二つの抽斗A、B、Cの鏡板3、または、抽斗A、B、Cの鏡板3と什器本体1)が相互に十分に近接したことを検知し得るものであればよく、よって、例えば、既知のマグネットセンサ等を整列検出センサ64、65または閉止検出センサ66として利用することも可能である。
整列検出センサ64、65、閉止検出センサ66は、認証判断モジュール6に電気的に接続している。認証判断モジュール6は、整列検出センサ64、65、閉止検出センサ66より送出される認証開始信号を受け取ることができる。認証判断モジュール6は、プログラムに従い、全ての整列検出センサ64、65及び閉止検出センサ66が出力する信号を受け取った場合に全段の抽斗A、B、Cが什器本体1に完全に押し入れられた閉止位置に位置づけられたものと判断して、制御モジュール7に向けて閉止完了信号を送出する。総じて言えば、プログラムに則って閉止完了信号を出力する認証判断モジュール6(のプロセッサユニット61)が本実施形態における閉止判定回路としての役割を担い、この閉止判定回路、整列検出センサ64、65及び閉止検出センサ66が協働して開閉検知手段を構成している。
そして、制御モジュール7は、認証判断モジュール6より出力される閉止完了信号を受け取った場合に、モータ42に通電してこれを正回転させ、電動作動子41を電動ロック位置P1に移動させる。並びに、電動作動子41が電動ロック位置P1に至ったことをリミットスイッチ71を介して感知した時点で、モータ42の回転を停止させる。上記のように制御モジュール7(のアクチュエータ制御回路)を構成することで、全段の抽斗A、B、Cが什器本体1内に収容されたときに自動的にロックされるノーマリーロックが具現される。このときの制御モジュール7は、閉止完了信号の出力があった場合に限り電動式の錠4による抽斗A、B、Cの施錠を許容する施錠制御手段として働く。
ところで、停電または電池切れによる給電の遮断や電気系統の故障等が発生したときのために、抽斗A、B、Cを手動で施解錠できるようにしておくことが望ましいと言える。本実施形態の什器Wには、電動式の錠4とともに手動式の錠5を併設してあり、手動操作による施解錠が可能である。
手動操作による施解錠を司る手動作動子51は、電動作動子41と概ね同形のかんぬき状の薄板体で、電動作動子41の前方、電動作動子41に対して略平行に配置される。手動作動子51もまた、鏡板3の背面側にあって手動アンロック位置P6と手動ロック位置P5との間を幅方向に進退移動可能にハウジング47に支持させてある。手動作動子51が図13に示す手動ロック位置P5にあるとき、その先端は抽斗本体2の前板23に形成されている開口231を介して外側方に突出し、さらに什器本体1の側壁11の透孔113を介して前補強部111内に進入してロック爪支持体13を外側方に押す。つまり、手動作動子51が手動ロック位置P5にあるとき、ロック爪支持体13がロック爪突出位置P3に位置づけられ、ロック爪131が爪突没口112より突出して抽斗A、B、Cをロックする。手動作動子51が図11、図12または図14に示す手動アンロック位置P6にあるときには、その先端は什器本体1の側壁11の透孔113にまでは至らず、ロック爪支持体13と係わり合わない。手動作動子51が手動アンロック位置P6にあり、さらに電動作動子41が電動アンロック位置P2にあるときには、ロック爪支持体13がロック爪没入位置P4に位置づけられ、ロック爪131が側壁11内に没入して抽斗A、B、Cの移動を許容する。
手動作動子51は、手動式の錠5によって作動される。即ち、鍵を手動式の錠5に差し入れてこの錠5を操作することで、手動作動子51を手動ロック位置P5または手動アンロック位置P6に移動させることができる。よって、少なくとも、電動作動子41による抽斗A、B、Cの施錠が実施されていない状況下において、鍵を使用した錠の手動操作により抽斗A、B、Cを施解錠することができる。
その上で、電動作動子41により抽斗A、B、Cが施錠されている場合に、鍵を使用した錠5の手動操作を通じて抽斗A、B、Cを解錠できるようにもしている。本実施形態では、手動作動子51の動きを利用して電動ロック位置P1にある電動作動子41を機械的に電動アンロック位置P2に退避させる強制復帰機構を設けている。強制復帰機構は、電動作動子41をアンロック位置に付勢する弾性付勢要素と、電動アクチュエータが出力する作動力を電動作動子41に伝達する動作伝達機構に組み込んであるクラッチ機構と、クラッチ機構による作動力の伝達を一時的に切断するためのクラッチ操作機構とを具備してなる。
本実施形態における弾性付勢要素は、一端を鏡板3に固定し、他端を接続部材45のアーム451に取り付けたつるまきばね49である。このつるまきばね49は、電動作動子41を電動アンロック位置P2に向かう方向に引っ張り付勢している。
クラッチ機構は、回転部材44と、接続部材45と、接続部材45を回転部材44に接近する方向に付勢するばね46とによって構成されている。既に述べたように、電動アクチュエータが出力する作動力は回転部材44の突片441を介して接続部材45のアーム451に伝達される。そして、電動作動子41が電動ロック位置P1にあるとき、電動作動子41には上記の弾性付勢要素たるつるまきばね49による引っ張り付勢力が作用しているが、この付勢力に抗して電動作動子41を電動ロック位置P1に維持しているのが回転部材44(及び減速ギヤ)である。つまり、つるまきばね49に引っ張られているアーム451は図12、図13等の背面図中反時計回りに回転しようとするが、回転部材44の突片441がアーム451の側縁に係合してこれを阻止するため、電動作動子41が電動ロック位置P1から電動アンロック位置P2に引き戻されることはない。
よって、接続部材45のアーム451をばね46による付勢力に抗して回転部材44より引き離してやれば、回転部材44の突片441がアーム451の側縁に係合し得なくなり、電動作動子41を電動アンロック位置P2に強制的に退避させることが可能である。接続部材45のアーム451を回転部材44より引き離す、言い換えるならば回転部材44からアーム451への動作伝達を切断する役割を担うのが、クラッチ操作機構である。本実施形態にあって、クラッチ操作機構は、手動作動子51に取り付けたクラッチ操作部材511を主体とする。クラッチ操作部材511は、手動作動子51の基端より延出する背面視略L字型をなし、その先端部位がちょうどアーム451の前面側と係わり合ってアーム451を後方に傾倒させることができるように延伸している。
図11に示すように電動作動子41が電動ロック位置P1にあり、手動作動子51が手動アンロック位置P6にあるときに、手動作動子51を手動操作して手動ロック位置P5に移動させると、手動作動子51とともに外側方に変位したクラッチ操作部材511の先端部位がアーム451の前面側と係わり合ってアーム451を後方に傾倒させる。すると、回転部材44の突片441によって係止されていたアーム451の内側方の側縁が突片441より外れ、つるまきばね49による弾性付勢力によりアーム451が内側方に引き込まれて、結果として電動作動子41が電動アンロック位置P2に移動する。電動作動子41が強制的に電動アンロック位置P2に移動した状態を、図13及び図14に示している。このときのアーム451は、それ以前の時点で係合していた回転部材44の突片441の後面に後方より当接し、ちょうど突片441に乗っかっている形となる。
図13に示す状態では、電動作動子41は電動アンロック位置P2にあるものの、手動作動子51が手動ロック位置P5にあり、依然として抽斗A、B、Cはロックされている。従って、抽斗A、B、Cに対するロックを解除するには、さらに錠5を操作して手動作動子51を再び手動アンロック位置P6に移動させる必要がある。手動作動子51が手動アンロック位置P6に移動して什器Wに対するロックが解除された状態を、図15に示す。
手動作動子51が手動アンロック位置P6に戻った図15の状態では、クラッチ操作部材511の先端部位がアーム451の前面側より離間する。図15に示す状態から、認証判断モジュール6と認証用キー要素8との間で無線交信が行われてユーザ認証が完了し、モータ42が逆回転すると、回転部材44が図中時計回りに回転し、アーム451の前面に当接している突片441が周回する。突片441が背面視アーム451と重なり合わない位置まで移動すると、ばね46によって付勢されている接続部材45のアーム451が再び突片441と突片441との間隙に収まり、回転部材44から作動力の伝達を受け得る状況となる。しかる後、アーム451の内側方の側縁に突片441が係合してアーム451及び電動作動子41を作動させ、最終的には図11に示しているように電動作動子41を電動ロック位置P1にまで移動させることとなる。
因みに、手動作動子51の先端側を短く切断すれば、手動作動子51を作動させて接続部材45のアーム451を回転部材44より引き離す際にこの手動作動子51の先端がロック爪支持体13と係わり合ってロック爪支持体13をロック爪突出位置P3に位置づけることを回避できる。言い換えるならば、鍵を使用した手動式の錠5の操作を通じてクラッチ機構の切断のみが行われ、手動作動子51による抽斗A、B、Cの施錠が惹起されない態様をとり得る。つまりは、抽斗A、B、Cや扉等の可動部材と、この可動部材を開閉動作可能に支持する什器本体1と、これら可動部材及び什器本体1のいずれか一方に設けられ(位置P5と位置P6との間で)動作可能な手動作動子51と、鍵を用いた手動操作に基づいて前記手動作動子51を(位置P5または位置P6に)作動させる手動式の錠5とを備えてなる什器Wにおいて、電動ロック位置P1と電動アンロック位置P2との間で動作可能な電動作動子41と、この電動作動子41を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置P1と電動アンロック位置P2との間で作動させるための電動式の錠4と、前記電動作動子41が電動ロック位置P1にある場合に前記可動部材を什器本体1にロックする一方前記電動作動子41が電動アンロック位置P2にある場合に前記可動部材の前記什器本体1に対する開閉動作を許容するロック機構と、前記電動ロック位置P1に停止している電動作動子41を前記手動作動子51の動きを利用して機械的に電動アンロック位置P2に強制復帰させる強制復帰機構とを設けた什器を構成することが可能である。
上述した電動式の錠4、手動式の錠5、開閉検知手段、施錠制御手段及び強制復帰機構は、おしなべて抽斗A、B、Cの鏡板3に実装されている。この鏡板3は、抽斗本体2に対して着脱可能に装着される。例えば、鏡板3の上端部32の後縁近傍より下方に突出している突出爪321を抽斗本体2の前板23に形成されている上部係合孔に挿入し、なおかつ、鏡板3の下端部33に設けた係合凸部331を前板23から底板21にかけて形成されている下部矩形孔233に嵌め入れて、鏡板3を抽斗本体2に装着する。
什器Wの実際の使用法としては、例えば、就業時間中等の使用者が在席している間は電動式の錠4を利用した抽斗A、B、Cの施解錠を行い、就業時間外や出張時等の使用者が在席していない間は(図示しない電源スイッチをOFFにする等して)手動式の錠5を利用した抽斗A、B、Cの施解錠を行うことが考えられる。
本実施形態によれば、抽斗A、B、Cや扉等の可動部材と、この可動部材を開閉動作可能に支持する什器本体1と、これら可動部材及び什器本体1のいずれか一方に設けられ手動ロック位置P5と手動アンロック位置P6との間で動作可能な手動作動子51と、鍵を用いた手動操作に基づいて前記手動作動子51を手動ロック位置P5または手動アンロック位置P6に作動させる手動式の錠5と、前記手動作動子51が手動ロック位置P5にある場合に前記可動部材を什器本体1にロックする一方前記手動作動子51が手動アンロック位置P6にある場合に前記可動部材の前記什器本体1に対する開閉動作を許容するロック機構とを備えてなる什器Wにおいて、前記手動作動子51の手動ロック位置P5に対応する電動ロック位置P1と前記手動作動子51の手動アンロック位置P6に対応する電動アンロック位置P2との間で動作可能に設けられ前記ロック機構と協働して前記可動部材を前記什器本体1に対してロックしまたはアンロックする電動作動子41と、この電動作動子41を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置P1と電動アンロック位置P2との間で作動させるための電動式の錠4とを設けたことを特徴とする什器Wを構成したため、手動の施錠装置におけるロック機構と、電動の施錠装置におけるロック機構とを共用化することができる。並びに、手動式の錠5をほぼ既存のまま使用することができる。よって、従前の什器Wに電動の施錠装置を新たに実装することによる製造コストの高騰を抑えることが可能となる。
また、抽斗A、B、Cや扉等の可動部材と、この可動部材を開閉動作可能に支持する什器本体1と、これら可動部材及び什器本体1のいずれか一方に設けられ手動ロック位置P5と手動アンロック位置P6との間で動作可能な手動作動子51と、鍵を用いた手動操作に基づいて前記手動作動子51を手動ロック位置P5または手動アンロック位置P6に作動させる手動式の錠5と、前記手動作動子51が手動ロック位置P5にある場合に前記可動部材を什器本体1にロックする一方前記手動作動子51が手動アンロック位置P6にある場合に前記可動部材の前記什器本体1に対する開閉動作を許容するロック機構とを備えてなる什器Wにおいて、前記手動作動子51の手動ロック位置P5に対応する電動ロック位置P1と前記手動作動子51の手動アンロック位置P6に対応する電動アンロック位置P2との間で動作可能に設けられ前記ロック機構と協働して前記可動部材を前記什器本体1に対してロックしまたはアンロックする電動作動子41と、この電動作動子41を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置P1と電動アンロック位置P2との間で作動させるための電動式の錠4と、前記電動ロック位置P1に停止している電動作動子41を前記手動作動子51の動きを利用して機械的に電動アンロック位置P2に強制復帰させる強制復帰機構とを設けたことを特徴とする什器Wを構成し、既存の手動式の錠5の動作を電動式の錠4についてのフェイルセーフとして応用しているため、給電の遮断や電気回路の故障等により電動式の錠4が作動不能となった場合に、手動式の錠5を操作してロック機構を駆動しロックを解除することが可能となっている。
前記可動部材に、前記手動作動子51及び前記手動式の錠5を設けたものにおいて、その可動部材に、前記電動作動子41、前記電動式の錠4をさらに設けるようにしており、可動部材の取り替えを通じて電動の施錠装置を伴わない従前の什器Wを電動の施錠装置を実装した什器Wに改変することができる。
前記可動部材を、可動部材本体と、この可動部材本体の前面に着脱可能に装着した表装体とを有したものとし、その表装体に支持させて前記手動式の錠5、前記手動作動子51、前記電動作動子41、前記電動式の錠4をそれぞれ設けているため、可動部材全体を取り替える以外に、表装体のみを取り替えることによっても従前の什器Wに電動の施錠装置を実装可能となっている。
前記什器本体1に可動部材である複数の抽斗A、B、Cを支持させた什器Wであって、前記ロック機構が、什器本体1に設けられロック爪突出位置P3とロック爪没入位置P4との間で動作可能なロック爪支持体13と、前記各抽斗A、B、Cに対応させてこのロック爪支持体13に設けられ前記ロック爪突出位置P3において対応する抽斗A、B、Cにそれぞれ係合し当該抽斗A、B、Cをそれぞれ閉止位置にロックする複数のロック爪131とを具備してなるものであり、特定の抽斗A、B、Cに設けた前記手動作動子51及び前記電動作動子41の少なくとも一方でそのロック爪支持体13を付勢することによって当該ロック爪支持体13を動作させ得るように構成しているため、単一のメカニズムで複数の抽斗A、B、Cを同時に施解錠可能となる。
前記手動作動子51と前記電動作動子41とを相互に平行な姿勢で近接させて前記錠のハウジング47にそれぞれスライド可能に支持させたものであり、これら手動作動子51及び電動作動子41で同時にまたは選択的に前記ロック爪支持体13の共通の作用位置(即ち、ロック爪支持体13の軸部132、133よりも前方の部位)を付勢し得るようにしているため、例えば電動作動子41を通過させるための透孔を新たに形成する等の追加加工を施すことなしに電動の施錠装置を実装できる。
全ての抽斗A、B、Cが閉止位置に復帰した場合に閉止完了信号を出力する開閉検知手段と、この開閉検知手段から閉止完了信号が出力された場合に限って電動式の錠4のロック方向への作動を許容する施錠制御手段をさらに備えているため、抽斗A、B、Cが什器本体1より引き出されている状態で電動作動子41が作動して電動ロック位置P1に変位してしまい、各抽斗A、B、Cを適切にロックできなかったり、抽斗A、B、Cを什器本体1内に押し入れられなくなってしまったりする不具合を回避できる。
開閉検知手段が、全ての抽斗A、B、Cの鏡板3が面一に揃っているか否かを検出する整列検出センサ64、65と、特定の抽斗A、B、Cが閉止位置にあるか否かを検出する閉止検出センサ66と、これらのセンサにより全ての抽斗A、B、Cの鏡板3が面一に揃い且つ特定の抽斗A、B、Cが閉止位置にあると判定した場合に閉止完了信号を出力する閉止判定回路とを備えたものであるため、複数段の抽斗A、B、Cのうちの一つに、特に、抽斗A、B、Cが三段存在するものにおいてその中間段の抽斗Bに、これらセンサ及び閉止判定回路を集合させて設けることができる。このことは、中間段の抽斗Bのみを取り替えることで什器Wに電動の施錠装置を実装できるという、ユニット化の効用をもたらす。
加えて、前記電動式の錠4が、無線方式による本人認証が行われた結果出力されるロック解除信号に基づいて前記作動子を前記ロック位置から前記アンロック位置に作動させるように設定されたものであるため、ロックを解除しようとする使用者が自身の手で施錠装置に対し何らかの手動操作を行う必要がなくなり、使い勝手が良好なものとなる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、ロック機構によりロック/アンロックされる可動部材が抽斗A、B、Cには限られないことは言うまでもない。
その他、各部の具体的構成や詳細な処理手順等は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態の什器を示す斜視図。 同実施形態の什器の要部平断面図。 同実施形態における什器本体の要部分解斜視図。 同実施形態における抽斗の要部分解斜視図。 同実施形態における電動式の錠及び手動式の錠を示す要部斜視図。 同実施形態における認証判断モジュール、制御モジュールのハードウェア資源構成図。 同実施形態における認証用キー要素のハードウェア資源構成図。 認証判断モジュールが実行する処理の手順を示すフローチャート。 認証用キー要素が実行する処理の手順を示すフローチャート。 無線方式による本人認証の実施例を示す図。 電動作動子及び手動作動子の動作を説明する要部背面図。 電動作動子及び手動作動子の動作を説明する要部背面図。 電動作動子及び手動作動子の動作を説明する要部背面図。 電動作動子及び手動作動子の動作を説明する要部側面図。 電動作動子及び手動作動子の動作を説明する要部背面図。
符号の説明
W…什器
1…什器本体
A、B、C…抽斗(可動部材)
4…電動式の錠
41…電動作動子
5…手動式の錠
51…手動作動子
P1…電動ロック位置
P2…電動アンロック位置
P5…手動ロック位置
P6…手動アンロック位置

Claims (12)

  1. 抽斗や扉等の可動部材と、この可動部材を開閉動作可能に支持する什器本体と、これら可動部材及び什器本体のいずれか一方に設けられ手動ロック位置と手動アンロック位置との間で動作可能な手動作動子と、鍵を用いた手動操作に基づいて前記手動作動子を手動ロック位置または手動アンロック位置に作動させる手動式の錠と、前記手動作動子が手動ロック位置にある場合に前記可動部材を什器本体にロックする一方前記手動作動子が手動アンロック位置にある場合に前記可動部材の前記什器本体に対する開閉動作を許容するロック機構とを備えてなる什器において、
    前記手動作動子の手動ロック位置に対応する電動ロック位置と前記手動作動子の手動アンロック位置に対応する電動アンロック位置との間で動作可能に設けられ前記ロック機構と協働して前記可動部材を前記什器本体に対してロックしまたはアンロックする電動作動子と、
    この電動作動子を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置と電動アンロック位置との間で作動させるための電動式の錠とを設けたことを特徴とする什器。
  2. 抽斗や扉等の可動部材と、この可動部材を開閉動作可能に支持する什器本体と、これら可動部材及び什器本体のいずれか一方に設けられ手動ロック位置と手動アンロック位置との間で動作可能な手動作動子と、鍵を用いた手動操作に基づいて前記手動作動子を手動ロック位置または手動アンロック位置に作動させる手動式の錠と、前記手動作動子が手動ロック位置にある場合に前記可動部材を什器本体にロックする一方前記手動作動子が手動アンロック位置にある場合に前記可動部材の前記什器本体に対する開閉動作を許容するロック機構とを備えてなる什器において、
    前記手動作動子の手動ロック位置に対応する電動ロック位置と前記手動作動子の手動アンロック位置に対応する電動アンロック位置との間で動作可能に設けられ前記ロック機構と協働して前記可動部材を前記什器本体に対してロックしまたはアンロックする電動作動子と、
    この電動作動子を電動アクチュエータを用いて電動ロック位置と電動アンロック位置との間で作動させるための電動式の錠と、
    前記電動ロック位置に停止している電動作動子を前記手動作動子の動きを利用して機械的に電動アンロック位置に強制復帰させる強制復帰機構とを設けたことを特徴とする什器。
  3. 前記可動部材に、前記手動作動子及び前記手動式の錠を設けたものにおいて、その可動部材に、前記電動作動子、前記電動式の錠をさらに設けている請求項1または2記載の什器。
  4. 前記可動部材が、可動部材本体と、この可動部材本体の前面に着脱可能に装着した表装体とを有したものであり、その表装体に支持させて前記手動式の錠、前記手動作動子、前記電動作動子、前記電動式の錠をそれぞれ設けている請求項3記載の什器。
  5. 前記可動部材が抽斗であり、前記表装体が抽斗本体の前板に着脱可能に装着した鏡板である請求項4記載の什器。
  6. 前記什器本体に可動部材である複数の抽斗を支持させた什器であって、前記ロック機構が、什器本体に設けられロック爪突出位置とロック爪没入位置との間で動作可能なロック爪支持体と、前記各抽斗に対応させてこのロック爪支持体に設けられ前記ロック爪突出位置において対応する抽斗にそれぞれ係合し当該抽斗をそれぞれ閉止位置にロックする複数のロック爪とを具備してなるものであり、特定の抽斗に設けた前記手動作動子及び前記電動作動子の少なくとも一方でそのロック爪支持体を付勢することによって当該ロック爪支持体を動作させ得るようにしている請求項3、4または5記載の什器。
  7. 前記手動作動子と前記電動作動子とを相互に平行な姿勢で近接させて前記錠のハウジングにそれぞれスライド可能に支持させたものであり、これら手動作動子及び電動作動子で同時にまたは選択的に前記ロック爪支持体の共通の作用位置を付勢し得るようにしている請求項6記載の什器。
  8. 全ての抽斗が閉止位置に復帰した場合に閉止完了信号を出力する開閉検知手段と、この開閉検知手段から閉止完了信号が出力された場合に限って電動式の錠のロック方向への作動を許容する施錠制御手段をさらに備えている請求項6または7記載の什器。
  9. 開閉検知手段が、全ての抽斗の鏡板が面一に揃っているか否かを検出する整列検出センサと、特定の抽斗が閉止位置にあるか否かを検出する閉止検出センサと、これらのセンサにより全ての抽斗の鏡板が面一に揃い且つ特定の抽斗が閉止位置にあると判定した場合に閉止完了信号を出力する閉止判定回路とを備えたものである請求項8記載の什器。
  10. 前記電動式の錠が、回転動作または進退動作を行う出力端を備えた電動アクチュエータと、この電動アクチュエータの出力端の動作を電動作動子の進退動作に変換する動作伝達機構とを備えたものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の什器。
  11. 前記電動式の錠が、回転動作または進退動作を行う出力端を備えた電動アクチュエータと、この電動アクチュエータの出力端の動作を電動作動子の進退動作に変換する動作伝達機構とを備えたものであり、前記強制復帰機構が、前記電動作動子を電動アンロック位置に付勢する弾性付勢要素と、前記動作伝達機構に組み込んだクラッチ機構と、前記手動作動子の動きを利用して前記クラッチ機構を操作し前記動作伝達機構による動作伝達を一時的に切断するためのクラッチ操作機構とを備えたものである請求項2記載の什器。
  12. 前記電動式の錠は、無線方式による本人認証が行われた結果出力されるロック解除信号に基づいて前記作動子を前記ロック位置から前記アンロック位置に作動させるように設定されたものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の施錠装置。
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