JP2007284626A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物および当該組成物が塗布されたフィルム - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物および当該組成物が塗布されたフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 高い摩耗強度、優れた光沢や耐薬品性、高い伸長性等を有する熱硬化性等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物であって、硬化後の伸長性が25℃で20〜250%のモノマー(a1)および硬化後の伸長性が25℃で20〜250%のオリゴマー(a2)からなる群から選ばれる1以上と、0〜30重量%のフィラーとを含む樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線が照射されると硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物および当該組成物が塗布されたフィルムに関する。さらに、本発明は、床材や自動車外装部品の基材等の対象物を保護または補修する物品保護補修方法にも関する。
コンビニエンスストアや病院等のように人の出入りが多く、かつ清潔な状態を維持することが求められる各種の施設等では、コンクリート製の床に、塩化ビニールシートやポリオレフィンタイル等の各種床材を配置して床材を形成している。そして、この床材を、たとえば、所定の光沢、摩擦および摩耗強度等に維持するためには、洗浄した後乾燥した床材に、各種の液状のワックスを塗布することにより保護する方法が一般的であった。
しかしながら、人や台車等の出入りが多く、通行量の多い通路の床材では、塗布されたワックスは比較的短期間で摩耗するため、高頻度で塗布済みワックスの除去および新たなワックスの塗布というメンテナンス作業を行う必要があった。このメンテナンス作業には、比較的長い作業時間を必要とするため、作業コストが高くなると共に、施設の利用者に不便をもたらしていた。
また、ワックスによる床面保護では磨耗強度に限界があり、床材自体の損傷が進行しやすい。さらには、メンテナンス作業におけるポリッシャー(床磨機)の使用によっても床材が損傷するため、床材の張替え頻度を高くしていた。
そこで、最近では、簡略な作業によって床材をメンテナンスして所定の状態にできる床用保護シートが提案されている(たとえば、特開2005−68687号公報(特許文献1))。
これら従前の床用保護シートでは、硬化後の硬度の高い硬化性樹脂組成物を用いることによって耐摩耗性を得ていた。しかしながら、かかる高硬度の樹脂組成物を用いた床用保護フィルムでは、人の歩行頻度や台車等の通過頻度の高い条件では表面の割れ・破壊等が進行しやすいという欠点を有する。また、鉛筆硬度には優れており引っ掻き傷への耐性はあるものの、テーバー磨耗強度で評価されるような、繰り返し与えられる細かい擦過傷への耐性に劣っている。このため、やはり通過頻度の高い条件では傷による表面の荒れ・透明性の低下が生じるという問題があった。また、硬化被膜が固く脆いことから、床用保護シートを製造した後ロールにて保管する際や床材に展張する際にも表面の割れが生じることがあり、取り扱いの簡便性に劣るという問題点があった。
また、ドアミラー等の自動車外装部品等に耐傷付防止コートを設けることが知られているが、これらの防止コートは耐傷付防止性、膜密着性、耐溶剤性、耐候性および真空成形による打ち抜きの際における伸長性等の要求性能を満たすことは難しかった。
特開2005−68687号公報
上記の状況の下、たとえば、高い摩耗強度を有し、被着体用保護シート、特に床用保護シートに用いることができる熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物が求められている。また、たとえば、優れた光沢や耐薬品性を有する熱硬化性または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が求められている。また、たとえば、簡略かつ短時間の作業でメンテナンスでき、かつ、上記特性を有する被着体用保護シート、特に床用保護シートが求められている。
また、たとえば、伸長性に優れた熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物が求められており、具体的には、真空成形による打ち抜きの際における充分な伸長性を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が求められている。
本発明者等は、フィラーを添加しないまたは一定量以上を添加しないで、かつ、伸長性が高い熱硬化性または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、ならびに、当該組成物を用いて得られるフィルムは、テーバー磨耗強度で評価される(擦過傷による)耐摩耗性に優れていることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は以下のような、熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化されたこれらの樹脂組成物を含むフィルム、ならびに、これらを用いた物品保護補修方法等を提供する。
[1] 熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物であって、硬化後の伸長性が25℃で20〜250%のモノマー(a1)および硬化後の伸長性が25℃で20〜250%のオリゴマー(a2)からなる群から選ばれる1以上と、0〜30重量%のフィラーとを含む樹脂組成物。
[2] モノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーがエポキシ基を有する、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] モノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーが脂環式エポキシ基を有する、[1]に記載の樹脂組成物。
[4] モノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーが、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである、[1]に記載の樹脂組成物。
[5] モノマー(a1)とオリゴマー(a2)からなる群から選ばれる1以上を25〜55重量%含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] フィラーを含まない、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] さらに、硬化後の伸長性が25℃で5〜15%のモノマー(a3)および硬化後の伸長性が25℃で5〜15%のオリゴマー(a4)からなる群から選ばれる1以上を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するモノマーが、ウレタン(メタ)アクリレートと多官能性モノマーとからなる群から選ばれる1以上である、[7]に記載の樹脂組成物。
[9] モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するモノマーが、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびエトキシ化フェニルアクリレートからなる群から選ばれる1以上である、[7]に記載の樹脂組成物。
[10] モノマー(a3)とオリゴマー(a4)からなる群から選ばれる1以上を25〜25重量%含む、[7]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] さらに、ポリオール(B)、活性エネルギー線重合触媒(C)およびレベリング剤(D)からなる群から選ばれる1以上を含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物。
[12] 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを25〜55重量%と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはエトキシ化フェニルアクリレートを5〜25重量%と、ポリオール(B)として水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを少なくとも1つ含む(メタ)アクリル共重合体で、水酸基にラクトンモノマーを付加させた(メタ)アクリル共重合体または3官能のポリエステルポリオールを30〜60重量%と、活性エネルギー線重合触媒(C)としてトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩を3〜9重量%と、レベリング剤(D)としてアクリル系共重合物またはアクリル系共重合溶液を0.3〜1.5重量%とを含む、活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物。
[13] 熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物であって、硬化後の前記組成物のテーバー摩耗強度が1600〜3000rpmである、樹脂組成物。
[14] 熱可塑性樹脂基材層と、[1]〜[13]のいずれかに記載された硬化後の樹脂組成物の層とを含むフィルム。
[15] [1]〜[13]のいずれかに記載された硬化前の樹脂組成物を塗布する、または、[14]に記載のフィルムを貼着させることによって、対象物を保護または補修する物品保護補修方法。
[16] 対象物が床材または自動車外装部品である、[15]に記載の物品保護補修方法。
[17] [1]〜[13]のいずれかに記載された硬化前の樹脂組成物をフィルムに塗布する工程、当該樹脂組成物を硬化させる工程、および、樹脂組成物の硬化後にフィルムを真空成形してからインサート成形する工程を含む、自動車部品の製造方法。
[18] 塗膜が施されれたフィルムに樹脂組成物を塗布する、[17]に記載の自動車部品の製造方法。
[19]
塗膜が施されれたフィルムに透明なフィルムをラミネートした後に樹脂組成物を塗布する、[17]に記載の自動車部品の製造方法。
[20]
塗膜が金属光沢を有する、[17]または[18]に記載の自動車部品の製造方法。
本明細書中、アクリレートとメタクリレートの両者を示すために「(メタ)アクリレート」のように表記することがある。また、熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物は特に言及がなければ、硬化前の組成物も硬化後の組成物も含むものである。
本発明の好ましい態様に係る熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物は、たとえば、高い摩耗強度を有する。また、本発明の好ましい態様に係る熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物は、たとえば、優れた光沢や耐薬品性を有する。
さらに、本発明の好ましい態様に係る熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物を含む床用保護シートを用いることによって、簡略かつ短時間の作業で床材をメンテナンスできる。
また、本発明の好ましい態様に係る熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物は、自動車外装部品や自動車内装部品の基材であるフィルム等に塗布されることによって、耐傷付防止性、膜密着性、耐溶剤性、耐候性および真空成形による打ち抜きの際における伸長性等の要求性能を高度に満たすことができる。
1 本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
本発明の第1の態様は熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。この熱硬化性または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、モノマーおよび/またはオリゴマー(A)を含み、さらにポリオール(B)、紫外線感応触媒(C)、レベリング剤(D)からなる群から選ばれる1種以上を含む。
1.1 モノマーまたはオリゴマー(A)
本発明の熱硬化または活性エネルギー線硬化樹脂組成物に含まれるモノマー(a1)およびオリゴマー(a2)からなる群から選ばれる1以上は、それ自体を硬化した後の樹脂の伸長性が25℃で20〜250%となる性質を有する。
当該樹脂組成物は、さらに、それ自体を硬化した後の樹脂の伸長性が25℃で5〜15%のモノマー(a3)およびオリゴマー(a4)からなる群から選ばれる1以上を含むことが好ましい。
なお、伸長性は、JIS K7113に準拠して測定された値である。
(1) 伸長性が25℃で20〜250%のモノマー(a1)またはオリゴマー(a2)
モノマー(a1)およびオリゴマー(a2)は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線が照射されると硬化する性質を有し、活性エネルギー線の照射による硬化後の伸長性は25℃で20〜250%であり、さらに50〜200%であることが好ましい。
モノマー(a1)およびオリゴマー(a2)は、上記伸長性を有すれば組成は特に限定されるものではないが、モノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーがエポキシ基を有することが好ましく、脂環式エポキシ基を有することがさらに好ましい。
本発明のモノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成する脂環式エポキシ基を有するモノマーとしては、たとえば、少なくとも1個の脂環族環を有するポリグリシジルエーテル、シクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキサンオキサイドや、シクロペンテンオキサイド含有化合物等が挙げられる。その他にも、上記モノマーとしては、たとえば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチルー3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタンジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
さらに、脂環式エポキシ基を有する本発明のモノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーとしては、たとえば、下記一般式(1)に示す構造を有する脂環式エポキシ化合物(a)も挙げられる。
Figure 2007284626
(式(1)中、R1〜R10は、水素又はC1〜C20の飽和又は不飽和炭化水素基であり、該炭化水素基内にはエーテル結合、エステル結合またはアルコール性水酸基を含んでいてもよい。さらにR1〜R10は、(1)式に示す構造からR1〜R10のいずれか一つが除かれた残基又はR1〜R10のいずれか一つから水素が除かれた残基であってもよい。なお、基内とは、基の内部、基の末端、又は基の結合を含むことを意味する。)
さらに、脂環式エポキシ基を有する本発明のモノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーとしては、たとえば、下記一般式(2)に示す構造を有する脂環式エポキシ化合物(a’) が挙げられる。
Figure 2007284626
(式(2)中、R21は水素又はk価のC1〜C20の炭化水素基であり、該炭化水素基内にはエーテル結合、エステル結合またはアルコール性水酸基を含んでいてもよく、R22は水素、ヒドロキシ基、又はC1〜C20の炭化水素基であり、該炭化水素基内にはエーテル結合、エステル結合またはアルコール性水酸基を含んでいてもよく、R23およびR24は水素またはC1〜C20の炭化水素基であり、好ましくは水素またはメチル基であり、R21またはR22のいずれか少なくとも一つに上記一般式(1)に示す構造からR1〜R10のいずれか一つが除かれた残基を含む。nは3〜10の整数であり、mは2〜10の整数であり、kは1〜10の整数であり、複数個のR3及びR4は互いに同一または異なっていてもよく、kが2以上のときはk個の基構造は互いに同一又は異なっていてもよい。なお、基内とは、基の内部、基の末端、又は基の結合を含むことを意味する。)
上記一般式(1)で表される、脂環式エポキシ基を有する本発明のモノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーの具体例としては、たとえば、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンビニル基を有する脂環式モノエポキシド(ダイセル化学工業(株)製、商品名「CEL−2000」)、1,2,8,9−ジエポキシリモネン脂環式エポキシ希釈剤(ダイセル化学工業(株)製、商品名「CEL−3000」)等が挙げられる。
また、前記式(2)に該当する化合物として、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製、商品名「CEL−2081」)、4官能脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製、商品名「エポリードGT−401」;ダイセル化学工業(株)製、商品名「エポリードGT−403」)、3官能脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製、商品名「エポリードGT−301」;ダイセル化学工業(株)製、商品名「エポリードGT−302」、アジピン酸ジグリシジルエステル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコール701」等が挙げられる。その他、前記式(2)に該当する化合物として、レゾルシンジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−421」、「デナコールEX−201」)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−211」、「デナコールEX−911」)、アジピン酸ジグリシジルエステル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−701」)等が挙げられる。
脂環式エポキシ基を有する本発明のモノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーとしては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートであることが特に好ましい。
エポキシ基を有する本発明のモノマー(a1)およびオリゴマー(a2)を構成するモノマーの重量平均分子量は、通常200〜20000程度であり、好ましくは300〜10000程度である。
また、本発明の樹脂組成物の全重量に対して、モノマー(a1)とオリゴマー(a2)とが合わせて25〜55重量%含まれていることが好ましく、35〜50重量%であることがさらに好ましい。
(2) 伸長性が25℃で5〜15%のモノマー(a3)またはオリゴマー(a4)
モノマー(a3)およびオリゴマー(a4)は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線が照射されると硬化する性質を有し、活性エネルギー線の照射による硬化後の伸長性は25℃で5〜15%であり、さらに7〜12%であることが好ましい。
モノマー(a3)およびオリゴマー(a4)は、上記伸長性を有すれば組成は特に限定されるものではないが、モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するモノマーがエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート類、多官能性モノマーまたはこれらの組み合わせであることが好ましく、さらには、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレートまたはそれらの組み合わせであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物の全重量に対して、モノマー(a3)とオリゴマー(a4)からなる群から選ばれる1以上を5〜25重量%含まれていることが好ましく、10〜20重量%であることがさらに好ましい。
<エポキシ(メタ)アクリレート>
モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するエポキシ(メタ)アクリレートは、たとえば、エポキシ化合物とカルボキシル基含有アクリル化合物とを反応させることにより得ることができる。
この際、エポキシ化合物を25〜75重量部およびカルボキシル基含有アクリル化合物を75〜25重量部反応させると、得られるエポキシ(メタ)アクリレートの硬化後の伸長性が好ましい範囲となる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリレートを製造するために用いられるエポキシ化合物は、エポキシ基を有すれば特に限定されるものではないが、たとえば、ビスフェノール型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等)等が挙げられる。また、エポキシ樹脂には、分子量の大きなエポキシ樹脂(フェノキシ樹脂)も含まれる。等を挙げることができる。
同様に、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートを製造するために用いられるカルボキシル基含有アクリル化合物は、そのような基を有すれば特に限定されるものではないが、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、それらの低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル等)、アクリレートモノマー等が挙げられる。前記アクリレートモノマーとしては、たとえば、ジアクリレート(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリイソプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびビスフエノールAジメタクリレート等);トリアクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリロールモノヒドロキシトリアクリレートおよびトリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート等);テトラアクリレート(ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびジートリメチロールプロパンテトラアクリレート等)およびペンタアクリレート(ジペンタエリトリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレート等)を挙げることができる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリレートを製造する際に、エポキシ化合物に対するアクリル化合物の使用量は、特に制限されるものではないが、エポキシ化合物のエポキシ基の1化学当量に対してアクリル化合物を0.3〜2.0化学当量であり、さらには、0.5〜1.5化学当量用いることが好ましい。得られたエポキシ基を有する(メタ)アクリレートの硬化後の伸長性が好ましい範囲となるからである。
反応は、通常、常圧下で、50℃〜150℃の範囲の温度で、1〜8時間程度、行なわれる。反応の際、好ましくは、触媒が用いられる。触媒としては、具体例としては、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩、又は第四級ホスホニウム塩、そのほか、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類や、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等を挙げることができる。
また、反応の際、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルセロソルブアセテート、エチルセロブアセテート等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を反応溶剤として用いることができる。反応の際、重合禁止剤として、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、4−メチルキノリン、フェノチアジン等を反応系に共存させてもよい。
反応に際して、重合反応を抑制するために、場合によっては、空気等の気流下に反応を行なうこともできる。また、その際に、空気による酸化反応を防止するために2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤を併用してもよい。
さらに、モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、過酸化法で合成されるポリオレフィン系エポキシ樹脂;シクロペンタジエンオキシド、シクロヘキセンオキシドまたはヘキサヒドロフタル酸とエピクロルヒドリンとから得られるポリグリシジルエステル等の脂環式エポキシ樹脂;ビスフェノールA、カテコール、レゾシノール等の多価フェノールまたは(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビトール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンとから得られるポリグリシジルエーテル;エポキシ化植物油またはノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとから得られるエポキシノボラック;フェノールフタレインとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂;グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートアクリル系モノマーまたはスチレン等との共重合体;上記エポキシ化合物とモノカルボン酸含有(メタ)アクリル酸とのグリシジル基開環反応により得られるエポキシアクリレート等が挙げられる。これらの合成反応は、公知の方法、たとえば、特開2000−327950号公報に記載の方法に従って行うことができる。
これらの他にも、モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、脂環式エポキシ基を有するアクリレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「サイクロマーA200」)、脂環式エポキシ基 を有するメタクリレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「サイクロマーM100」)等が挙げられる。
このようにして得られるエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、通常200〜20000程度であり、好ましくは300〜10000程度である。
<ウレタン(メタ)アクリレート>
モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するウレタン(メタ)アクリレートは、たとえば、ポリオール化合物と(ポリ)イソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを反応させることにより得ることができる。この際、ポリオール化合物を12.5〜37.5重量部、(ポリ)イソシアネートを12.5〜37.5重量部およびヒドロキシル基含有(メタ)アクリル化合物を25〜75重量部を重合反応させると、得られるウレタンアクリレートの硬化後の伸長性が好ましい範囲となる。
反応は、通常、常圧下で、50℃〜150℃の範囲の温度で、1〜8時間程度、行なわれる。
ウレタン(メタ)アクリレートを製造するために用いられるポリオール化合物としては、たとえば、ジオール(ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のC2−10アルキレングリコール等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシC2−4アルキレングリコール等);ポリオール(グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体等)等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートを製造するために(ポリ)イソシアネート化合物を用いることができる。たとえば、イソシアネート類としては、分子中に少なくとも1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを製造するために用いられる(ポリ)イソシアネート化合物としては、たとえば、芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート[ビス(4−イソシアネート−3−メチルフェニル)メタン]、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等);脂肪族ジイソシアネート(1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等);脂環族ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等);ポリイソシアネートの変性体(多価アルコールに対してポリイソシアネートが付加したアダクト体、二量体、イソシアヌレート環を有する三量体、アロハネート変性体、ウレア変性ポリイソシアネート、ビュレット変性ポリイソシアネート)等が挙げられる。前記アダクト体における多価アルコールには、3以上のヒドロキシル基を有する低分子量ポリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等のトリオール、ペンタエリスリトール等テトラオール等が含まれ、特に、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価のイソシアネート化合物が好ましい
ウレタン(メタ)アクリレートを製造するためにヒドロキシル基含有アクリル化合物を用いることができる。
ヒドロキシル基含有アクリル化合物として、たとえば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート等);ハロゲン含有ヒドロキシC2−6アルキル(メタ)アクリレート(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等);ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等);2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するウレタン(メタ)アクリレートを製造するために、ポリオール化合物と(ポリ)イソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと共に、さらに水酸基含有ポリエステルや水酸基含有ポリエーテルを用いることができる。
水酸基含有ポリエステルとして、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の多塩基酸或いは1種または2種以上のラクトン類との反応によって得られる水酸基含有ポリエステルが好ましい。この反応で用いられる多価アルコールとしては、たとえば、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられ、これらの多価アルコールは単独で又は二種以上組合せて使用してもよい。
また、前記反応で用いられる多塩基酸としては、たとえば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。ラクトン類としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
水酸基含有ポリエーテルとして、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルが好ましい。この反応で用いられる、多価アルコールは、前述した化合物と同様であり、たとえばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが挙げられる。
<ポリエステル(メタ)アクリレート>
モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するポリエステル(メタ)アクリレートは、たとえば、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得ることができる。
反応は、通常、常圧下で、50℃〜150℃の範囲の温度で、1〜8時間程度、行なわれる。
この反応で使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の1塩基酸、多塩基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルである。前記多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。また、前記反応で用いられる1塩基酸としては、たとえばギ酸、酢酸、酪酸、安息香酸等が挙げられ、多塩基酸としては、たとえばアジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
<ポリエーテル(メタ)アクリレート>
モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するポリエーテル(メタ)アクリレートは、たとえば、水酸基含有ポリエーテルとメタ(アクリル)酸とを反応させて得ることができる。
反応は、通常、常圧下で、50℃〜150℃の範囲の温度で、1〜8時間程度、行なわれる。
この反応で使用することができる水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルである。当該反応で用いられる多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。また、当該反応で用いられるアルキレンオキサイドとしては、たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するポリエーテル(メタ)アクリレートとして好ましく用いられるものは、分子中に少なくとも1個の水酸基を持つ芳香族または脂肪族アルコール、および、そのアルキレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートであり、たとえば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
<多官能性モノマー>
モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成する多官能性モノマーは、たとえば、多官能(メタ)アクリレート、たとえば、2官能(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の(ポリオキシ)C2-20アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;ビスオキシエチレン化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスオキシプロピレン化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)、3官能(メタ)アクリレート(トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリロールトリ(メタ)アクリレート(PETIA)等)、4官能(メタ)アクリレート(テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等)、6官能(メタ)アクリレート(ジペンタエリスリロールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)等)等が挙げられる。なお、多官能性モノマーとしては、前述のヒドロキシル基又はカルボキシル基含有(メタ)アクリレートを使用してもよい。
また、これらの多官能性モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
1.2 ポリオール(B)
本発明の熱硬化または活性エネルギー線硬化樹脂組成物は、さらにポリオール(B)を含むことが好ましい。ポリオール(B)は、そのような基を有すれば特に限定されるものではないが、ポリオール(B)としてたとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、キシレングリコール等の低分子量ジオール、たとえば、グリセリン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン等の低分子量トリオール、たとえば、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニット等の水酸基を4個以上有する低分子量ポリオール、たとえば、ポリエーテルポリオール 、ポリエステルポリオール 、ポリカーボネートポリオール 、アクリルポリオール 、エポキシポリオール 、天然油ポリオール 、シリコンポリオール 、フッ素ポリオール 、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
本発明で用いられるポリオール(B)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを少なくとも1つ含む(メタ)アクリル共重合体であって水酸基にラクトンモノマーを付加させた(メタ)アクリル共重合体、または、3官能のポリエステルポリオールが好ましい。
本発明の樹脂組成物の全重量に対して、ポリオール(B)が30〜60重量%含まれることが好ましく、35〜50重量%含むことがさらに好ましい。
1.3 活性エネルギー線重合触媒(C)
本発明の活性エネルギー線硬化樹脂組成物は、さらに活性エネルギー線重合触媒(C)を含むことが好ましい。
活性エネルギー線重合触媒(C)は、一般的に用いられている紫外線カチオン重合触媒 がいずれも使用でき、たとえばアリルジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩やVIa族アリロニウム塩(PF6、AsF6、SbF6のようなアニオンをもつアリルスルフォニウム塩)や鉄−アレン錯体、スルホン酸エステル、シリルエーテル−アルミニウム錯体等が挙げられる。これらのなかでも特にアリルスルフォニウム塩が好ましく、トリアリルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩が特に好ましい。これらは単独での使用のみならず、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、活性エネルギー線重合触媒(C)は、光重合開始剤(芳香族ケトン類、モルフォリン系重合開始剤、ホスフィン系重合開始剤、スルフィド系重合開始剤等)、ラジカル重合開始剤(たとえば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等)を含有していてもよい。
芳香族ケトン類としては、たとえば、アセトフェノン又はプロピオフェノン系重合開始剤が挙げられ、具体的には、アセトフェノンジエチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1―オン、ベンジルメチルケタール(たとえば、チバガイギー社製:イルガキュア651)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(たとえば、チバガイギー社製、商品名「イルガキュア184」)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)―フェニル]−2−ヒドロキシジ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが挙げられる。また、芳香族ケトン類としては、ベンゾフェノン系重合開始剤(ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン等)、ベンゾイン系重合開始剤(ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等)、チオキサントン系重合開始剤(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1―オン、ベンジル等が挙げられる。
モルフォリン系重合開始剤としては、たとえば、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパノン−1−オン(たとえば、チバガイギー社製:イルガキュア907)や2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン(たとえば、チバガイギー社製、商品名「イルガキュア369」)等が挙げられる。
ホスフィン系重合開始剤としては、たとえば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6―ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(たとえば、チバガイギー社製:イルガキュア1700;ビス−(2,6―ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド/2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパン−1−オン=25/75(重量%))等が挙げられる。
スルフィド系重合開始剤としては、たとえば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジフェニルジスルフィド等が挙げられる。
これら重合開始剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
特に、重合性単量体及び/又はオリゴマーa1について脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物を用いる場合は、光又は熱によりカチオン種を発生させるカチオン重合開始剤を用いることが好ましい。カチオン重合開始剤としてはスルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、ジアゾニウム塩系、アレン−イオン錯体系等の化合物が使用できる。たとえばスルホニウム塩系のVACURE1590、UVACURE1591(以上、ダイセルUCB社製)、DAICAT11(ダイセル化学社製)、CD−1011(サートマー社製)、SI−60L、SI−80L、SI−100L(以上、三新化学社製)等;ヨードニウム塩系のDAICAT12(ダイセル化学社製)、CD−1012(サートマー社製);ジアゾニウム塩系のSP−150,SP−170(旭電化工業社製)等が挙げられる。さらに、トリフェニルシラノール等のシラノール系のカチオン触媒も使用することができる。
また、活性エネルギー線重合触媒(C)として、酸無水物を使用することもできる。酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物等の、好ましくは分子中に脂肪族環又は芳香族環を1個又は2個有すると共に、酸無水物基を1個又は2個有する、炭素原子数4〜25個、好ましくは8〜20個程度の酸無水物が好ましい。
この場合、酸無水物としては、カルボキシル基(COOH基)を有する化合物の含有量が、酸無水物硬化剤に対して、0.5重量%以下(即ち、0〜0.5重量%)が好ましく、0.4重量%以下(即ち、0〜0.4重量%)のものを使用することがさらに好ましい。またさらに、酸無水物としてカルボキシル基(COOH基)を有する化合物の含有量が、酸無水物硬化剤に対して0.3重量%以下(即ち、0〜0.3重量%)が好ましく、さらに0.25重量%以下(即ち、0〜0.25重量%)のものが好ましい。カルボキシル基含有量が一定量(たとえば0.5重量%)以上であると結晶化するおそれがあるからである。
なお、活性エネルギー線重合触媒(C)としての酸無水物の配合量は、エポキシ基を有するエポキシ化合物のエポキシ基1モルに対し、硬化剤中の酸無水物基の比を0.3〜0.7モルの範囲とすることが望ましい。0.3モル未満では硬化性が不十分であり、0.7モルを超えると、未反応の酸無水物が残存し、ガラス転移温度の低下となるおそれがある。より望ましくは0.4〜0.6モルの範囲である。また、その他、フェノール系の硬化剤等も使用することができる。
本発明の樹脂組成物の全重量に対して、活性エネルギー線重合触媒(C)が光重合開始剤を含む場合、光重合開始剤の添加量(全量)は、モノマーまたはオリゴマー(A)100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部程度、さらに好ましくは3〜10重量部程度であることが好ましい。光重合開始剤の添加量が1重量部未満では、被膜の硬化性か不十分となり十分な耐磨耗性、密着性および耐候性が得られにくい。他方、光重合開始剤の全添加量が20重量部を超えると、増量効果が認められず不経済であるとともに、被膜の着色や未反応開始剤の析出の恐れもあり、さらに耐侯性も低下しやすく硬化物の物性低下招くので好ましくない。
1.4 レベリング剤(D)
本発明の樹脂組成物を基材等上へ塗布する際、該基材上へのぬれ性が乏しい場合や、形成された該組成物層の表面性が悪い場合は、それらを改善するために該組成物中に種々のレベリング剤(D) を添加することが可能である。レベリング剤(D)の種類としては、シリコン系、フッ素系、ポリエーテル系、アクリル酸共重合物系、チタネート系等の種々の化合物を用いることができる。これらのなかでも、特にアクリル系共重合物またはアクリル系共重合溶液を用いることが好ましい。
レベリング剤(D)は、該組成物を紫外線により硬化させて得られる本発明の配向膜上に液晶性化合物層を形成する際の該液晶性化合物の該配向膜上へのぬれ性や、該液晶性化合物層の配向に影響しない程度に添加することが好ましい。
そこで、本発明の樹脂組成物の全重量に対して、レベリング剤(D)が3〜9重量%含まれることが好ましく、4〜6重量%含むことがさらに好ましい。
1.5 溶媒
本発明の樹脂組成物に含まれてもよい溶媒は、特に限定されるものではないが、たとえば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルセロソルブアセテート、エチルセロブアセテート等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノール等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
1.6 フィラー
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物は、フィラーを全く含まない、または30重量%を越えて含まないことを特徴とする。フィラーを一定量以上含むと、被膜硬度は高くなるが脆くなって、被膜表面への衝突・衝撃の影響を受けやすくなり、テーバー磨耗強度は低下するからである。そして、結果的に、フィラーを一定以上含む組成物は、床材保護材料のように靴、台車の車輪、砂・塵埃等により細かい傷付きが繰り返されるような用途には適さないことになるからである。
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれるフィラーは無機フィラーであっても有機フィラーであってもよい。
無機フィラーとしては、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、グラファイト、夕ルク、黒鉛、珪砂、ガラス、酸化鉄、アルミナその他の金属等が挙げられ、その形状は、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状又は中空状及び繊維状等のいずれであってもよい。具体的には、炭化珪素、窒化珪素、シリ力、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラック等の粉粒状充填材、雲母、セリサイト、パイロフィライト、黒鉛等の平板状もしくは鱗片状充填材、シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバルーン、軽石等の中空状充填材、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウイスカー、金属繊維、シリコンカーバイト繊維、アスベスト、ウオストナイト等の鉱物繊維等が挙げられる。これら無機フィラーの表面は、ステアリン酸、オレイン酸、バルミチン酸またはそれらの金属塩、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はそれらの変性物、有機シラン、有機ボラン、有機チタネート等を使用して表面処理を施したものを使用でき、表面処理を施した無機フィラーを使用すると、樹脂組成物の中でフィラーがよく混合するので好ましい。
これらの無機フィラーの形状は特に制限されないが、実質的に球状もしくは楕円状のものが好ましい。また、光散乱法により測定した無機フィラーの粒径は0.01〜300μmが好ましく、0.05〜100μmがさらに好ましく、0.1〜10μmが特に好ましい。
無機フィラーは、樹脂組成物に対して30重量%を越えて含むことはなく、20重量%以上含まないことが好ましく、10重量%以上含まないことがさらに好ましく、全く含まないことが最も好ましい。
有機フィラーとしては、たとえば、アクリル系単量体(アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等)、スチレン系単量体(スチレン、アルキル置換スチレン等)、架橋性単量体(ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等)との共重合体;メラミン系樹脂;ベンゾグアナミン系樹脂;フェノール系樹脂 ;シリコーン系樹脂 等が挙げられる。これらは、付加重合法で得たものであってもよいし、重縮合や重付加反応で得たものでもよい。フィラーを構成する有機ポリマーは非架橋タイプであっても架橋タイプであってもよいが、耐熱性の点から架橋タイプの方が好ましい。有機ポリマーを微粒子化する方法も制限されないが、乳化重合や懸濁重合等の方法を用い、重合時に直接微粒子化する方法が好ましい。これらの重合方法を採用する場合は、自己乳化性を付与し得る特殊構造の極性モノマーを少量共重合する手段を採用してもよい。
これらの有機フィラーの形状は特に制限されないが、実質的に球状もしくは楕円状のものが好ましい。また、光散乱法により測定した有機フィラーの粒径は0.01〜300μmが好ましく、0.05〜100μmがさらに好ましく、0.1〜10μmが特に好ましい。
有機フィラーは、樹脂組成物に対して30重量%を越えて含むことはなく、
20重量%以上含まないことが好ましく、10重量%以上含まないことがさらに好ましく、全く含まないことが最も好ましい。
1.7 その他の添加剤
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物は、必要により種々の添加剤(重合禁止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、活性エネルギー線吸収剤、活性エネルギー線安定剤、熱安定剤等)、帯電防止剤、顔料、充填剤、アンチブロッキング剤等)を含んでいてもよい。
<重合禁止剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい重合禁止剤は、特に限定されるものではなく、公知の重合禁止剤を用いることができる。具体的には、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、p−メトキシフェノール、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−m−クレゾール、ピロガロール、β-ナフトール等のフェノール類、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン等のキノン類;ニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、2−メチル−2−ニトロソプロパン、α−フェニル−tert−ブチルニトロン、5,5−ジメチル−1−ピロリン−1−オキシド等のニトロ化合物またはニトロソ化合物;クロラニル-アミン、ジフェニルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジン、フェノール−α−ナフチルアミン、ピリジン、フェノチアジン等のアミン類;ジチオベンゾイルスルフィド、ジベンジルテトラスルフィド等のスルフィド類等が挙げられる。
これらの重合禁止剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、重合禁止剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
<消泡剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい消泡剤は、特に限定されるものではなく、公知の消泡剤を用いることができる。具体的には、シリコーン系化合物、非シリコーン系化合物の何れでもよいく、シリコーン系化合物としては、たとえばポリシロキサン共重合物等が挙げられる。また、非シリコーン系化合物化合物としては、脂肪酸エステル系化合物、ウレア樹脂系化合物、HLBが1以上、4未満のパラフィン系化合物、ポリオキシアルキレングリコール系化合物、アクリルエステル共重合物、エステル系重合物、エーテル系重合物、ミネラルオイルの乳化タイプ、ポリシロキサンアダクト、フッ素系化合物、ビニル系重合物、アセチレンアルコール、アクリル系ポリマー、特殊ビニル系ポリマー、エチレングリコール、高級アルコール(オクチルアルコール、シクロヘキサノール等)等が挙げられる。
これらの消泡剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、消泡剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲が好ましい。
<塗布性改良剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい塗布性改良剤は、特に限定されるものではなく、公知の塗布性改良剤を用いることができる。具体的には、脂環式エポキシ希釈剤(セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製))等が挙げられる。
これらの塗布性改良剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、塗布性改良剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
<増粘剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい増粘剤は、特に限定されるものではなく、公知の増粘剤を用いることができる。具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。尚、イソシアネート系増粘剤も場合により使用することができる。
これらの増粘剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、増粘剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲が好ましい。
<滑剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい滑剤は、特に限定されるものではなく、公知の滑剤を用いることができる。具体的には、シラン化合物、ポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アミド(ラウリル酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド等)等が挙げられる。
これらの滑剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、滑剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲が好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい酸化防止剤は、特に限定されるものではなく、公知の酸化防止剤を用いることができる。具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、酸化防止剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲が好ましい。
<活性エネルギー線吸収剤・活性エネルギー線安定剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい安定剤は、活性エネルギー線吸収剤や活性エネルギー線安定剤を使用できる。
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい活性エネルギー線吸収剤は特に限定されることはなく、組成物に均一に溶解し、かつ必要な耐候性が付与できるものであれば使用できる。特に、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、安息香酸フェニル系から誘導された化合物で、それらの最大吸収波長が240〜380nmの範囲にある活性エネルギー線吸収剤が好ましく、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系の活性エネルギー線吸収剤が好ましく、さらにこの上記2種を組み合わせて用いるのが最も好ましい。活性エネルギー線吸収剤としては、たとえば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタテシロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキン−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンフェニルサリシレート、p−tert−プチルフェニルサリシレート、p−(1、1,3,3、−テトラメチルプチル)フェニルサリシレート、3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニレン−1、3−ジベンゾエート、2−(2−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−プチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロギシ3、5−tert−プチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロギシ−5−tert−プチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロギシ−4−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3、5−トリアジンとグリシジルアルキル(C12−C13)エーテルとの反応生成物等が挙げられるが、これらのうちベンゾフェノン系の2−ヒドロキシ4−オクトキシベンゾフェノン、及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、べンゾトリアゾール系の2−(2−ヒドロキシ−tert−プチルフェニル)ベンゾトリアゾールが特に好ましく、これらは2種以上を組み合わせて使うのがより好ましい。
活性エネルギー線吸収剤の添加量(全量)は、本発明の樹脂組成物100重量部に対し2〜30重量部であることが好ましく、5〜15重量部であることがさらに好ましい。活性エネルギー線吸収剤の添加量が2重量部未満では、被膜の硬化性か不十分となり十分な耐磨耗性、密着性および耐候性が得られにくい。他方、活性エネルギー線吸収剤の全添加量が30重量部を越えると被膜の着色を招きやすく、耐侯性も低下しやすい。
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい活性エネルギー線安定剤は特に限定されることはなく、たとえば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルー4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ビベリジル)セバケート、ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ペンチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘプチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ノニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−デカニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ドデシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられるが、これらのうちビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートが好ましい。
活性エネルギー線安定剤の添加量(全量)は、本発明の樹脂組成物100重量部に対し0.1〜5重量部であることが好ましく、0.5〜2重量部であることがさらに好ましい。
活性エネルギー線安定剤の添加量が0.1重量部末満では、硬化被膜の耐候性及び耐久性か不十分になりやすく、5重量部を超えると被膜自身の硬化が不十分となり、硬化被膜の強靭性、耐熱性、耐摩耗性が低下しやすい。
<熱安定剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい熱安定剤は、特に限定されるものではなく、公知の熱安定剤を用いることができる。具体的には、ヒンダートフェノール、ヒドロキノン、チオエーテル、ホスファイト類およびこれらの置換体等が挙げられる。
これらの熱安定剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、熱安定剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲が好ましい。
<帯電防止剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい帯電防止剤は、特に限定されるものではなく、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの帯電防止剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、帯電防止剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して10〜30重量部の範囲が好ましい。
<顔料>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい顔料は、特に限定されるものではなく、公知の顔料を用いることができる。具体的には、具体的には、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエロー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む)、または、アルミニウム、真鍮、等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢顔料(パール顔料)等が挙げられる。
これらの顔料は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、顔料の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜25重量部の範囲が好ましい。
<アンチブロッキング剤>
本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよいアンチブロッキング剤は、特に限定されるものではなく、公知のアンチブロッキング剤を用いることができる。具体的には、有機系のアンチブロッキング剤(ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシリルトセスキオキサン(シリコーン)、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂等);無機系のアンチブロッキング剤(炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、マイカ等)等が挙げられる。アンチブロッキング剤 の微細形状は、いかなる形状であってもよく、球状、角状、柱状、針状、板状、不定形状等任意の形状とすることができる
これらのアンチブロッキング剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、アンチブロッキング剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲が好ましい。
<界面活性剤>
公知の充填剤、消泡剤等を用いることによって、組成物の微小凹部への充填性、硬化塗膜の表面平滑性、組成物の消泡性及び表面張力等を調整することができる。それ以外の方法として、ジメチルシロキサン骨格を有するシリコン系界面活性剤または炭化水素系界面活性剤の疎水基をフッ素原子で一部または全部を置換したフッ素系の界面活性剤を添加剤として、本発明の熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物に含まれてもよい。
ジメチルシロキサン骨格を有するシリコン系界面活性剤としては、たとえばBYK333(ビックケミー社製)を、炭化水素系界面活性剤の疎水基をフッ素原子で一部または全部を置換したフッ素系の界面活性剤としては、たとえば、FC−430(住友スリーエム社製)が挙げられる。
これらの界面活性剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、界面活性剤の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明のモノマー(A)とポリオール(B)の合計量の100重量部に対して0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部の範囲が好ましい。界面活性剤の配合量が0.05重量部より少ない場合、微小凹部への充填性、表面平滑性、また組成物の消泡性に問題を生じ易くなる一方で、他方、配合量が5重量部より多い場合、表面張力低下に起因して組成物塗布時のクレーター、フローティング、オレンジピール、フィッシュアイを生じ易くなり、また、組成物の消泡性等の問題も生じ易くなり、増量効果が認められないと同時に不経済であるとともに、硬化物の物性低下を招くため、上記範囲が好ましい。
1.6 用途
本発明の樹脂は、床材に塗布され硬化させることによって、床材補修用または床材保護用に用いられる床材補修用(保護用)樹脂組成物として用いることができる。
また、本発明の樹脂は、自動車外装部品の基材であるフィルム等に塗布され硬化させることによって、自動車外装部品用または自動車部品内装部品用の樹脂組成物として用いることができる。
なお、本発明の樹脂は、基材や床材等に直接塗布して硬化してもよいし、後述するようなフィルムの形態で用いられてもよい。
2 本発明のフィルム
本発明の第2の態様は、熱可塑性樹脂の基材の層と、本発明の第1の態様の熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた樹脂組成物の層とを含むフィルムである。
2.1 基材
熱可塑性樹脂の基材は、そのような樹脂であれば特に限定されるものではないが、たとえば、塩化ビニルフィルム、アクリルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポバールフィルム、酢酸セルロースフィルム等が用いられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや熱可塑性ポリエステルフィルムは、透明度が高く機械的強度に優れ、厚さに選択性を有するから、基材として好ましく用いられる。
また、基材の厚さは特に限定されるものではない。しかしフィルムが薄すぎるとフィルムを床材に貼着する際に皺を発生して変形し易くなるため施工が困難となり、他方、厚すぎると床材に段差を生じてしまう。したがって、本発明で用いられる基材は50〜300μmが好ましく、75〜125μmがさらに好ましい。
基材の表面に、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布した後、活性エネルギー線照射することによって得られる活性エネルギー線硬化樹脂被膜の厚さは特に限定されるものではない。しかし、薄すぎると充分な強度を有する硬化被膜が得られず、他方、厚すぎると加工性や透明度が低下し、フィルムの反りが生じる。従って、一般的には、活性エネルギー線硬化樹脂被膜の厚さは、2〜30μmであることが好ましく、3〜25μmであればさらに好ましい。
2.2 接着剤層
基材の裏面には、床材への貼着のために、予め粘着性の接着剤を塗布して接着剤層を形成することができる。接着剤層の成分は、所定の接着力を有していれば特に限定されないが、たとえば、溶媒希釈タイプのアクリル系共重合体を主成分とし、希釈剤としては酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、水等が選択される。
本発明のフィルムにおける接着剤層の引っ張り強度は特に限定されるものではないが、引っ張り強度が小さすぎると掃除機等で直ちに剥がれてしまい、他方、当該強度が大きすぎると床材からの剥離が困難となってしまう。そこで、一般的には、接着剤層の引っ張り強度は、4.0〜14.0N/25mmが好ましく、10.0〜14.0N/25mmがさらに好ましい。
また、接着剤層は、基材および活性エネルギー線硬化性樹脂による色や光沢を阻害しないよう、無色透明であることが好ましい。
基材の裏面に形成される接着剤層の厚さは特に限定されるものではない。しかし、接着剤層の厚さが厚すぎると、必要以上に粘着力が増加して、その剥離性が悪くなって補修作業の妨げとなり、他方、薄すぎると、粘着力が減少してしまう。従って、一般的には、接着剤層の厚さは、20〜60μmが好ましく、25〜35μmがさらに好ましい。
接着剤層としては、前記本発明保護シートの裏面に市販の両面テープを貼着しておくことも可能である。該両面テープは基材としてポリエステルフィルムを用い、その両面にアクリル系の粘着剤を有するもので、透明性に優れるために接合部分が目立つことがなく、接着力や再剥離性においても上記接着剤層に匹敵するものを、適宜に選択して用いることが好ましい。
また、本発明のフィルムの保存の観点から接着剤層の表面に、防汚剤を塗布してもよい。接着剤層を形成する接着剤成分は必然的に塵埃等を取り込みやすいため、その表面にフッ素系溶剤(たとえばパーフロロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル)等をコーティングすることが望ましい。
2.3 本発明のフィルムの製造方法
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂の基材の表裏いずれかの面に、第1の態様の熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布することによって塗膜を形成し、次いで、加熱または紫外線や電子線等の活性エネルギー線等の活性エネルギー線を照射することによって該塗膜を硬化させ、表面に活性エネルギー線硬化樹脂膜を形成して製造される。たとえば、紫外線を用いて硬化される場合、紫外線を照射するUVランプとして、高圧水銀ランプ、金属ハライドランプ等を使用することができる。ランプから発生する輝線については、400nmよりも短波長であれば特に制限されないが、光開始剤の吸収波長領域に強い輝線があるUVランプを用いると、より効果的に硬化させることができる。また、硬化時の雰囲気は空気下でも、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下でも良く、種々の酸素濃度で硬化させることができる。
また、任意に、公知の方法で、基材の裏面に微粘着性接着剤層を形成したり、または、剥離紙付きの両面テープを貼着させることもできる。
3 本発明の物品保護補修方法
本発明の第3の態様は物品を保護または補修する方法(保護補修方法)に関する。具体的には、保護または補修の対象となる物品の一部(たとえば表面)に第1の態様の熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布することによって塗膜を形成し、次いで、加熱または紫外線や電子線等の活性エネルギー線等の活性エネルギー線を照射することによって該塗膜を硬化させ、表面に活性エネルギー線硬化樹脂膜を形成することによって、当該物品を保護または補修することができる。
保護または補修の対象となる物品は特に限定されるものではないが、たとえば、床材等の建材等の基材がその対象物品となり得る。
3.1 床材の保護補修方法
床材保護補修方法は、床材に第1の態様の熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布することよって行われる。また、本発明の床材保護補修方法は、床材に本発明のフィルムを貼着させることによっても行われる。フィルムを貼着する際、界面活性剤水溶液を該床材に噴霧若しくは塗布することにより、当該フィルムの位置決めや修正作業が容易となるので好ましい。また、フィルムを貼着する際に、スキージー等によって、床材とフィルムとの間に残存する空気や水分の除去を行うことによって均一な接着面を得ることができる。
また、本発明のフィルム同士を繋ぎ合わせる部分等に、ゴミ、ホコリ、水分や油分等が付着して、美観を損なうことを未然に防止するため、フィルム同士の継ぎ目に、更に防汚剤を塗布しておくことが好ましい。
なお、保護補修する床材に、既に樹脂等の皮膜が付着している場合には、これらを剥離または研削によって除去した後に、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布する、または、本発明のフィルムを貼着させることが好ましい。
4 自動車部品の製造方法
本発明の樹脂組成物を用いた自動車部品の製造方法は、たとえば次のように行われる。
まず、予め銀色層等の塗膜が施されたのフィルム(アクリルフィルム等)を準備し、このフィルムに第1の態様の熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、当該樹脂組成物を硬化させる。樹脂組成物の硬化後に、フィルムを真空成形によって容器形状に形造る。その後、容器形状となったフィルムを金型に挿入して射出成形により厚物にするインサート成形を行う。このようにして、本発明の樹脂組成物を用いた自動車部品が製造される。
また、予め銀色層等の塗膜が施されたのフィルムの代わりに、塗膜が施されていないフィルムを用いて、第1の態様の熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、当該樹脂組成物を硬化させた後に、銀色層等をラミネートで張り合わせることもできる。張り合わせた後の工程は、上記方法と同様である。
当該製造方法で製造される自動車部品は、自動車外装部品(ドアミラー、エンブレム、サイドモール、ライトボックス、ドアモール、グリル、ガーニッシュ等)と自動車内装部品(メーターパネル、センターコンソール、グローブボックス等)を含む。
第1の態様の熱硬化性樹脂組成物または活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は伸長性に富むため、当該樹脂を基材に付着してから、真空成形によって打ち抜いても、樹脂に亀裂やしわ等の欠陥が生じず、極めて高品質の自動車部品を提供できる。
以下、合成例や実施例等により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[合成例1]活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1
モノマー(a1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」)を28.4重量部、ポリオール(B)として、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを少なくとも1つ含む(メタ)アクリル共重合体で、水酸基にラクトンモノマーを付加させた(メタ)アクリル共重合体(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルEPA5860」)を66.8重量部、活性エネルギー線重合触媒(C)として、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Uvacure1590」)を4.4重量部、および、レベリング剤(D)として、BYK CHEMIE社製BYK−361Nを0.4重量部、溶剤としてメチルエチルケトン46.6重量部を温度60℃で1時間攪拌混合して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1を作製した。
[合成例2]活性エネルギー線硬化性樹脂組成物2
モノマー(a1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」)を50重量部、ポリオール(B)として、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを少なくとも1つ含む(メタ)アクリル共重合体で、水酸基にラクトンモノマーを付加させた(メタ)アクリル共重合体(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルEPA5860」)を50重量部、活性エネルギー線重合触媒(C)として、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Uvacure1590」を4.8重量部、および、レベリング剤(D)として、BYK CHEMIE社製BYK−361Nを0.4重量部、溶剤としてメチルエチルケトン100重量部を温度60℃で1時間攪拌混合して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物2を作製した。
[合成例3]活性エネルギー線硬化性樹脂組成物3
モノマー(a1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」)を60重量部、ポリオール(B)として、3官能のポリエステルポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルPCL308」))を36.5重量部、活性エネルギー線重合触媒(C)として、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Uvacure1590」を3重量部、および、レベリング剤(D)として、BYK CHEMIE社製BYK−361Nを0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン100重量部を温度60℃で1時間攪拌混合して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物3を作製した。
[合成例4]活性エネルギー線硬化性樹脂組成物4
モノマー(a1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」)を38.8重量部、ポリオール(B)として、3官能のポリエステルポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルPCL308」)を54.7重量部、活性エネルギー線重合触媒(C)として、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Uvacure1590」を6重量部、および、レベリング剤(D)として、BYK CHEMIE社製BYK−361Nを0.5重量部、溶剤としてメチルエチルケトン100重量部を温度60℃で1時間攪拌混合して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物4を作製した。
[実施例1]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1をメチルエチルケトンで希釈し、固形分40重量%となるように調整し、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。このようにして得られた樹脂組成物をマグネティックスターラーで充分に攪拌してコーティング液を調整した。このコートコーティング液を、片面易接着コートPETフィルム[帝人デュポンフィルム(株)製,商品名「HS74」(厚さ:100μm)]にメイヤーバーを用いて下記の条件で卓上コーティングした。
方法:メイヤーバーによる卓上塗布
番手:#48(WET 48g/m2相当)
コーティング液濃度:固形分≒40重量%
塗布量:約20g/m2
コーティング後、熱風乾燥機を用いて100℃で1分間乾燥後、下記の条件で紫外線を照射して、樹脂膜を形成した。
装置:フュージョンジャパン株式会社製 卓上型UV照射装置
UV強度:120W/cm
照射速度:15m/分
照射回数:3回
このようにして得られた樹脂膜を有するフィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性および全光線透過率・ヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
テーバー摩耗強度
テーバー摩耗強度は、JIS K5400に準じて測定した。具体的には、樹脂膜が磨耗によって全て剥がれ、PETフィルムにまで磨耗が及び始めた時点を磨耗終点とした。その際のトータル回転数をテーバー摩耗強度とした。評価条件は以下の通りで行った。
装置:(株)安田精機製作所 Taber ABRASER
磨耗輪:CS-0+S-42(粗目ヘ゜ーハ゜ー)×2
荷重:500gf
回転速度:60rpm
バキューム距離:3mm
備考:500回転毎に磨耗輪を新品に交換
測定環境:23℃ 50%RH
試験に使用するサンプルは23℃×50%RHの恒温恒湿機にて24時間調湿したものを用いた。
伸長性(破断伸度%)
伸長性は、JIS K7113に準じて測定した。評価条件は以下の通りで行った。
装置:ORIENTEC(株)製 万能引張試験機 RTC-1210A
引張速度:300mm/min
チャック間距離:50mm
ロードセル:500N−100%
N数:N=3
試験に使用するサンプルは23℃×50%RHの恒温恒湿機にて24時間調湿したものを用いた。
鉛筆硬度
鉛筆硬度はJIS K5400に準じ、SURFACE PROPERTY TESTER HEIDON-14Dの装置を用いて評価した。三菱鉛筆株式会社製の鉛筆硬度試験用鉛筆を使用し、45度法・荷重1kgf・引掻き距離50mm以上で評価を行った。評価の判断は外観観察によって行い、樹脂膜表面に傷が確認できたものはNGとした。
具体的には、ある硬さの鉛筆でまず評価を行い、傷が付かなった場合1つ上の硬さの鉛筆で評価を行うという作業を繰り返し、傷が確認できたらその1つ下の硬さで再評価した。また、傷が確認できなかったら再度1段階上の硬さの鉛筆を用い、2回以上の再現性が確認できた場合、傷が付かない最も硬い鉛筆の硬度をその樹脂膜の鉛筆硬度とした。評価結果は鉛筆の芯の硬度で表す。
また、試験に使用するフィルムは23℃×50%RHの恒温恒湿機にて24時間調湿したものを用いた。
その結果、実施例1のフィルムの鉛筆硬度は「<H」であった。
耐スチールウール性
耐スチールウール性は、JISに準じて評価した。スチールウール#0000を使用し、荷重200gfで20往復させて樹脂膜の表面を擦った際の傷付きの程度を外観により官能評価した。
判断基準は以下の通りとした。
傷無:樹脂膜の表面に傷が確認できない
傷少:樹脂膜の表面に少し傷あり
傷大:樹脂膜の表面に多量の傷あり
また、試験に使用するフィルムは23℃×50%RHの恒温恒湿機にて24時間調湿したものを用いた。
全光線透過率・ヘーズ(HAZE)
全光線透過率およびヘーズを下記の評価条件で測定した。
装置:日本分光A−300型
N数:N=5
測定条件:23℃・50%RH
[実施例2]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が90:10であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[実施例3]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が80:20であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[実施例4]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物2をメチルエチルケトンで希釈し、固形分40重量%となるように調整し、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[実施例5]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物2とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が90:10であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[実施例6]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物3をメチルエチルケトンで希釈し、固形分40重量%となるように調整し、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[実施例7]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物3とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が90:10であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[実施例8]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物4をメチルエチルケトンで希釈し、固形分40重量%となるように調整し、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[実施例9]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物4とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が90:10であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
〔比較例1〕
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が60:40であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[比較例2]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「DPHA−B」)をメチルエチルケトンで希釈し、固形分40重量%となるように調整し、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[比較例3]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「DPHA−B」)とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が90:10であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[比較例4]
ペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「PETIA」)をメチルエチルケトンで希釈し、固形分40重量%となるように調整し、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
[比較例5]
ペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「PETIA」)とエトキシ化フェニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「Ebecry1114」)との固形分の重量比が90:10であり、全体の固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、コーティング用の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調整した。
このようにして得られた樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに塗布し、樹脂膜を有するフィルムを作成した。そして、実施例1と同様に、当該フィルムについて、テーバー摩耗強度、伸長性、鉛筆硬度、耐スチールウール性、全光線透過率およびヘーズ(HAZE)の物性を評価した。
このようにして得られた、実施例1〜9および比較例1〜5の物性評価は表1に記載されたとおりであった。
Figure 2007284626
本発明の活用法として、たとえば、コンビニエンスストアや病院等のように人の出入りが多く、かつ清潔な状態を維持することが求められる各種の施設等における床材の補修を挙げることができる。また、本発明の活用法として、たとえば、自動車外装部品の基材のコーティングを挙げることができる。

Claims (20)

  1. 熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物であって、
    硬化後の伸長性が25℃で20〜250%のモノマー(a1)および硬化後の伸長性が25℃で20〜250%のオリゴマー(a2)からなる群から選ばれる1以上と、0〜30重量%のフィラーとを含む樹脂組成物。
  2. モノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーがエポキシ基を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. モノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーが脂環式エポキシ基を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. モノマー(a1)またはオリゴマー(a2)を構成するモノマーが、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. モノマー(a1)とオリゴマー(a2)からなる群から選ばれる1以上を25〜55重量%含む、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. フィラーを含まない、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. さらに、硬化後の伸長性が25℃で5〜15%のモノマー(a3)および硬化後の伸長性が25℃で5〜15%のオリゴマー(a4)からなる群から選ばれる1以上を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するモノマーが、ウレタン(メタ)アクリレートと多官能性モノマーとからなる群から選ばれる1以上である、請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. モノマー(a3)またはオリゴマー(a4)を構成するモノマーが、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびエトキシ化フェニルアクリレートからなる群から選ばれる1以上である、請求項7に記載の樹脂組成物。
  10. モノマー(a3)とオリゴマー(a4)からなる群から選ばれる1以上を25〜25重量%含む、請求項7〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. さらに、ポリオール(B)、活性エネルギー線重合触媒(C)およびレベリング剤(D)からなる群から選ばれる1以上を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物。
  12. 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを25〜55重量%と、
    ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはエトキシ化フェニルアクリレートを5〜25重量%と、
    ポリオール(B)として水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを少なくとも1つ含む(メタ)アクリル共重合体で、水酸基にラクトンモノマーを付加させた(メタ)アクリル共重合体または3官能のポリエステルポリオールを30〜60重量%と、
    活性エネルギー線重合触媒(C)としてトリアリルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェイト塩を3〜9重量%と、
    レベリング剤(D)としてアクリル系共重合物またはアクリル系共重合溶液を0.3〜1.5重量%と
    を含む、活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物。
  13. 熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物であって、硬化後の前記組成物のテーバー摩耗強度が1600〜3000rpmである、樹脂組成物。
  14. 熱可塑性樹脂基材層と、請求項1〜13のいずれかに記載された硬化後の樹脂組成物の層とを含むフィルム。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載された硬化前の樹脂組成物を塗布する、または、請求項14に記載のフィルムを貼着させることによって、対象物を保護または補修する物品保護補修方法。
  16. 対象物が床材または自動車外装部品である、請求項15に記載の物品保護補修方法。
  17. 請求項1〜13のいずれかに記載された硬化前の樹脂組成物をフィルムに塗布する工程、当該樹脂組成物を硬化させる工程、および、樹脂組成物の硬化後にフィルムを真空成形してからインサート成形する工程を含む、自動車部品の製造方法。
  18. 塗膜が施されれたフィルムに樹脂組成物を塗布する、請求項17に記載の自動車部品の製造方法。
  19. 塗膜が施されれたフィルムに透明なフィルムをラミネートした後に樹脂組成物を塗布する、請求項17に記載の自動車部品の製造方法。
  20. 塗膜が金属光沢を有する、請求項17または18に記載の自動車部品の製造方法。


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