JP2007281909A - 受信装置とこれを用いた電子機器 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、受信回路が受信する信号の品質を向上させることを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために本発明の受信装置７は、制御部２１からの制御によって可変可能な信号通過帯域を有する帯域可変フィルタ９と、この帯域可変フィルタ９から出力された信号の品質を検出する検出部２０とを有する。そして、制御部２１は、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、複数の受信状態における検出部２０からの検出結果に基づいて、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域を決定する。
【選択図】図１

Description

本発明は、受信装置とこれを用いた携帯端末や自動車搭載用テレビなどの電子機器に関するものである。

以下、従来の受信装置について図３を用いて説明する。

図３において、受信装置１は、アンテナ２で受信した信号のうち所望の帯域の信号を通過させる帯域可変フィルタ３と、この帯域可変フィルタ３からの信号の周波数を中心周波数に変換する受信回路４と、この受信回路４からの信号を復調する復調回路５とを有する。

また、受信装置１は、ユーザが選局したチャンネルによって帯域可変フィルタ３の信号通過帯域を制御する帯域制御部６を有する。例えば、第１チャンネルが選局された場合、帯域制御部６は、帯域可変フィルタ３の信号通過帯域を第１チャンネルに決定し、受信回路４に第１チャンネルの信号を受信させる。

なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献１が知られている。
特開２００２−２９０２５３号公報

ユーザが選択したチャンネル若しくはその近傍の周波数帯に妨害波が存在する場合、受信回路が受信する信号の品質が劣化するという問題があった。

そこで本発明は、受信回路が受信する信号の品質を向上させることを目的とする。

上記目的を達成するために本発明の受信装置は、制御部からの制御によって可変可能な信号通過帯域を有する帯域可変フィルタと、この帯域可変フィルタから出力された信号の品質を検出する検出部とを有する。そして、制御部は、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、前記複数の受信状態における前記検出部からの検出結果に基づいて、帯域可変フィルタの信号通過帯域を決定する。

上記構成により、制御部はユーザが選択したチャンネル若しくはその近傍の周波数帯のうち受信品質の良い周波数帯に帯域可変フィルタを決定するので、帯域可変フィルタの後段に接続された受信回路が受信する信号の品質を向上させることができる。

（実施の形態１）
以下、本発明における実施の形態について図１を用いて説明する。図１は、本発明の実施の形態１における受信装置のブロック図である。

受信装置７は、アンテナ８の出力側に接続された帯域可変フィルタ９と、この帯域可変フィルタ９からの信号の周波数を中心周波数に変換する受信回路１０と、この受信回路１０からの信号を復調する復調回路１１とを有する。また、この受信装置７を搭載した電子機器は、復調回路の出力側に接続された信号処理回路（図示せず）と、この信号処理回路の出力側に接続された表示部（図示せず）等を有する。

アンテナ８は、例えば、ＵＨＦ（Ｕｌｔｒａ Ｈｉｇｈ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ）帯用のアンテナであり、約４７０ＭＨｚから約７７０ＭＨｚ帯を受信する。このＵＨＦ帯は複数のチャンネルの周波数帯から構成され、各々のチャンネルの周波数帯は、例えば１３個のセグメントの周波数帯から構成されている。

帯域可変フィルタ９は、ユーザが選局したチャンネルに対応する周波数帯内にてセグメント単位で可変可能な通過帯域特性を有し、例えば、図２に示す様に、回路にシリーズに接続された入力可変容量１２と、この入力可変容量１２の出力側にシリーズに接続された出力可変容量１３と、入力可変容量１２と出力可変容量１３との間にシャントに接地接続された共振可変容量１４及び固定インダクタ１５とからなる。なお、入力可変容量１２及び出力可変容量１３及び共振可変容量１４は例えばバリキャップダイオードであり、これら入力可変容量１２及び出力可変容量１３及び共振可変容量１４に対して供給する電圧が変化することにより、これら入力可変容量１２及び出力可変容量１３及び共振可変容量１４の容量が変化する。

受信回路１０は、例えば、ＲＦ−ＩＣからなり、帯域可変フィルタ９からの信号の利得を増幅する高周波増幅部１６と、この増幅部１６からの高周波信号を中心周波信号に変換する混合部１７と、この混合部１７からの信号のノイズを除去するフィルタ１８と、このフィルタ１８からの信号の利得を増幅する中間周波増幅部１９とを有する。

復調回路１１は、例えば、ＯＦＤＭ−ＩＣからなり、受信回路１０からの信号の品質を検出する検出部２０と、この検出部２０が検出した受信信号の品質に基づいて、帯域可変フィルタの通過帯域を制御する制御部２１と、この制御部２１に接続された記憶部２２とを有する。

次に、受信装置７の動作を説明する。

まず、受信装置７の処理による（表１）に示すテーブルの作成方法を説明する。尚、（表２）は（表１）に示すテーブルの初期状態であり、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域と帯域可変フィルタ９に供給される電圧との関係を示している。

まず、ユーザが例えばＵＨＦ帯１４チャンネルの第７セグメントの番組を選択すると、制御部２１が、帯域可変フィルタ９に供給される電圧を０．１Ｖとすることにより、ＵＨＦ帯１４チャンネルに対応する周波数帯内であって第７セグメントの周波数帯より低い周波数の中心周波数を有する信号通過帯域Ａに帯域可変フィルタ９を設定する。なお、この信号通過帯域Ａは、信号通過帯域Ａの中心周波数における信号減衰量から例えば３ｄＢ減衰する帯域幅を有し、希望周波数帯である第７セグメントの周波数帯も含む。そして、帯域可変フィルタ９がアンテナ８からの信号のうち信号通過帯域Ａの信号を通過させる。次に、受信回路１０が帯域可変フィルタ９からの信号通過帯域Ａの信号を受信する。そして、検出部２０が、信号通過帯域Ａの信号の品質を示すＣ／Ｎ（Ｃａｒｒｉｅｒ／Ｎｏｉｓｅ）比を検出する。このＣ／Ｎ比が例えば４０ｄＢであったとする。さらに、制御部２１が、この検出部２０からの信号通過帯域Ａの信号の品質を示すＣ／Ｎ比４０ｄＢを記憶部２２に記憶する。

次に、制御部２１が、帯域可変フィルタ９に供給される電圧を０．１１Ｖとすることにより、ＵＨＦ帯１４チャンネルに対応する周波数帯内であって第７セグメントの周波数帯に中心周波数を有する信号通過帯域Ｂに帯域可変フィルタ９を設定する。なお、この信号通過帯域Ｂは、信号通過帯域Ｂの中心周波数における信号減衰量から例えば３ｄＢ減衰する帯域幅を有する。そして、帯域可変フィルタ９がアンテナ８からの信号のうち信号通過帯域Ｂの信号を通過させる。次に、受信回路１０が帯域可変フィルタ９からの信号通過帯域Ｂの信号を受信する。そして、検出部２０が、信号通過帯域Ｂの信号の品質を示すＣ／Ｎ比を検出する。このＣ／Ｎ比が例えば６０ｄＢであったとする。さらに、制御部２１が、この検出部２０からの信号通過帯域Ｂの信号の品質を示すＣ／Ｎ比６０ｄＢを記憶部２２に記憶する。

さらに、制御部２１が、帯域可変フィルタ９に供給される電圧を０．１２Ｖとすることにより、ＵＨＦ帯１４チャンネルに対応する周波数帯内であって第７セグメントの周波数帯より高い周波数の中心周波数を有する信号通過帯域Ｃに帯域可変フィルタ９を設定する。なお、この信号通過帯域Ｃは、信号通過帯域Ｃの中心周波数における信号減衰量から例えば３ｄＢ減衰する帯域幅を有し、希望周波数帯である第７セグメントの周波数帯も含む。そして、帯域可変フィルタ９がアンテナ８からの信号のうち信号通過帯域Ｃの信号を通過させる。次に、受信回路１０が帯域可変フィルタ９からの信号通過帯域Ｃの信号を受信する。そして、検出部２０が、信号通過帯域Ｃの信号の品質を示すＣ／Ｎ比を検出する。このＣ／Ｎ比が例えば５０ｄＢであったとする。さらに、制御部２１が、この検出部２０からの信号通過帯域Ｃの信号の品質を示すＣ／Ｎ比５０ｄＢを記憶部２２に記憶する。このように、記憶部２２内において（表１）に示すテーブルが完成する。

そして、制御部２１は、記憶部２２が記憶した（表１）に示すテーブルに基づいて、帯域可変フィルタ９に供給される電圧を０．１１Ｖとすることにより、最もＣ／Ｎ比の良い信号通過帯域Ｂに帯域可変フィルタ９を決定する。

以上により、制御部２１はユーザが選択したチャンネルの周波数帯のうち受信品質が最良の周波数帯に帯域可変フィルタ９を決定するので、受信回路１０が受信する信号の品質を向上させることができる。

なお、検出部２０は、帯域可変フィルタ９から出力される信号のＢＥＲ（Ｂｉｔ Ｅｒｒｏｒ Ｒａｔｅ）を検出し、制御部２１は、検出部２０が検出した帯域可変フィルタ９からの複数の周波数帯の信号のＢＥＲに基づいて、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域を決定しても良い。これにより、検出部２０は信号の品質をさらに正確に検出することができ、受信回路１０が受信する信号の品質を向上させることができる。一方、検出部２０が検出する信号の品質がＣ／Ｎ比の場合、検出部２０による信号品質の検出時間を短縮することができる。

また、制御部２１は、所定の時間間隔ごとに、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、複数の受信状態における検出部２０からの検出結果に基づいて、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域を決定しても良い。これにより、受信回路１０が受信する信号の品質を継続的に向上させることができる。

さらに、制御部２１は、電池残量が所定値より多い場合、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、複数の受信状態における検出部２０からの検出結果に基づいて、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域を決定しても良い。これにより、電子機器の電池残量が所定値より少ない場合に、制御部２１による処理によって電池が消費することを防止することができる。

さらにまた、制御部２１は、検出部２０が検出した信号の品質が所定レベル以下の場合、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、複数の受信状態における検出部２０からの検出結果に基づいて、帯域可変フィルタ９の信号通過帯域を決定しても良い。これにより、電力消費を抑えつつ受信回路１０が受信する信号の品質を継続的に向上させることができる。

また、制御部２１は、復調回路１１の出力側に接続された信号処理回路に設けられていても良い。一般に、信号処理回路の処理速度は復調回路１１の処理速度より速いので、制御部２１が帯域可変フィルタ９の信号通過帯域を決定する時間を短縮することができる。

本発明の受信装置は、受信回路が受信する信号の品質を向上させることができ、携帯端末や自動車搭載用テレビなどの電子機器に有用である。

本発明の実施の形態１における受信装置のブロック図 同帯域可変フィルタの回路図 従来の帯域可変フィルタの回路図

符号の説明

７ 受信装置
８ アンテナ
９ 帯域可変フィルタ
１０ 受信回路
１１ 復調回路
１６ 高周波増幅部
１７ 混合部
１８ フィルタ
１９ 中間周波増幅部
２０ 検出部
２１ 制御部
２２ 記憶部

Claims (11)

1. 制御部からの制御によって可変可能な信号通過帯域を有する帯域可変フィルタと、この帯域可変フィルタから出力された信号の品質を検出する検出部とを有し、前記制御部は、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、前記複数の受信状態における前記検出部からの検出結果に基づいて、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域を決定する受信装置。
2. 前記帯域可変フィルタの信号通過帯域の中心周波数は、所定チャンネルに対応する周波数帯域内にてセグメント単位で可変可能である請求項１に記載の受信装置。
3. 前記複数の受信状態における前記信号通過帯域は、何れも希望セグメントに対応する周波数帯を含む請求項１に記載の受信装置。
4. 前記制御部に接続されると共に前記複数の受信状態における前記検出部からの検出結果を記憶する記憶部を有する請求項１に記載の受信装置。
5. 前記信号の品質は、信号のＣ／Ｎ比である請求項１に記載の受信装置。
6. 前記信号の品質は、信号のＢＥＲである請求項１に記載の受信装置。
7. 前記制御部は、所定の時間間隔ごとに、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、前記複数の受信状態における前記検出部からの検出結果に基づいて、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域を決定する請求項１に記載の受信装置。
8. 前記制御部は、電池残量が所定値より多い場合、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、前記複数の受信状態における前記検出部からの検出結果に基づいて、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域を決定する請求項１に記載の受信装置。
9. 前記制御部は、前記検出部が検出した信号の品質が所定レベル以下の場合、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、前記複数の受信状態における前記検出部からの検出結果に基づいて、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域を決定する請求項１に記載の受信装置。
10. 制御部からの制御によって可変可能な信号通過帯域を有する帯域可変フィルタと、この帯域可変フィルタから出力された信号の品質を検出する検出部と、帯域可変フィルタの出力側に接続された受信回路と、この受信回路の出力側に接続された復調回路と、この復調回路の出力側に接続された信号処理回路とを有し、前記制御部は、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域の中心周波数を変化させることによって複数の受信状態を設定し、前記複数の受信状態における前記検出部からの検出結果に基づいて、前記帯域可変フィルタの前記信号通過帯域を決定する電子機器。
11. 前記制御部は前記信号処理回路に設けられた請求項１０に記載の電子機器。

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