JPWO2013005264A1 - 可変フィルタ装置および通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変フィルタの通過帯域の中心周波数と共に通過帯幅も可変にする。【解決手段】可変フィルタ装置は、信号線路に直列に接続され、可変容量とインダクタンスとを含み、直列共振器を構成する第1の直列アームと、第1の直列アームの両側において、信号線路と接地間に接続された第1、第2の並列アームであって、それぞれ可変容量とインダクタンスとを含み、接地された直列共振器を構成する第1、第2の並列アームと、を有し、第1の直列アームが通過帯域の中心周波数を規定し、第1、第2の並列アームが通過帯域を挟む減衰極を規定する。
Description
本発明は、高周波信号の帯域通過に用いられる可変フィルタ装置、およびそれを用いた通信装置に関する。
図6A〜6Dは、帯域通過に用いられる、従来のバンドパスフィルタを説明するための等価回路図及び特性を示すグラフである。高周波通信においては、特定の周波数帯の信号のみを選択的に通過させるバンドパスフィルタを用いる用途がある。バンドパスフィルタの特性は、まず、通過帯域の中心周波数と通過帯域幅と規定される。
図6Aは、複数の直列共振器を、信号線路に直列に接続したバンドパスフィルタを示す。通過帯域を規定する直列共振器SRi、SRi+1、SRi+2、...が電気長(λ/4)×nの結合部Zi,Zi+1、...を介して、信号線路に直列に接続されている。各直列共振器SRは、容量CとインダクタンスLの直列接続を含み、概略的に図6Bに示す透過特性を有する。複数段の直列共振器を接続すると、特性はそれらを乗じたものとなる。中心周波数と通過帯域幅が同一の直列共振器を直列に接続すると、中心周波数、通過帯域幅は変わらず、急峻性が増加する。但し通過損失も増加する。
図6Cは、複数の並列共振器PR1〜PRnを電気長(λ/4)×nの結合部Z1〜Zn−1を介して、信号線路に並列(信号線路と設置間)に接続した構成である。信号線路に並列に接続した並列共振器も、図6Bに示す特性を有する。図6Dは、複数の並列共振器と複数の直列共振器とを交互に接続したラダー構成である。図6C,6Dの回路は、バンドパスフィルタの特性を示し、Q値と段数に依存して急峻性が決まることは、図6Aの直列共振器の場合と同様である。なお、電気長(λ/2)の共振器は(λ/4)×nの条件を満たし、結合部となることができる。ラダー構成の場合、信号線路に直列に接続した直列共振器にとっては信号線路に並列に接続した並列共振器が結合部を構成し、信号線路に並列に接続した並列共振器にとっては信号線路に直列に接続した直列共振器が結合部を構成する。
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信(モバイル通信)の市場が拡大するとともに、そのサービスの高機能化が進展している。移動体通信に利用される周波数帯は、次第にギガヘルツ(GHz)以上の高い周波数帯にシフトし、しかも多チャンネル化される傾向がある。また、ソフトウェアによって、通信システムを変更するソフトウェア無線(SDR:software-defined-radio)の将来的な導入の可能性も盛んに検討されている。ソフトウェア無線を実現するには、回路特性の大幅な調整可能範囲が望まれる。
図7は、従来の周波数可変フィルタ100jを示す回路図である。周波数可変フィルタ100jは、複数のチャンネルフィルタ101a,101b,101c…、およびスイッチ102a,102bを有する。スイッチ102a,102bを切り換えることによってチャンネルフィルタ101a,101b,101c…のいずれかを選択し、周波数帯域を切り換える。入力端子103から入力される高周波信号は、選択されたチャンネルフィルタ101に応じたフィルタリングが行われ、出力端子104から出力される。
この周波数可変フィルタ100jは、チャンネル数分のチャンネルフィルタを有する。多チャンネルとすると、チャネルフィルタ数が増加して、構成が複雑となり、サイズとコストも増加する。ソフトウエア無線の実現可能性も低い。
近年、MEMS(micro electro mechanical systems)を用いた小型の周波数可変フィルタが注目されている。MEMS技術を利用したMEMSデバイス(マイクロマシンデバイス)は、高いQ(クオリティファクタ)が得られ、高い周波数帯域の可変フィルタへの適用が可能である(特許文献1、2、非特許文献1、2、3)。また、MEMSデバイスは、小型でありかつ低損失であるため、CPW(coplanar
waveguide)分布定数共振器にしばしば用いられる。
waveguide)分布定数共振器にしばしば用いられる。
非特許文献3には、三段の分布定数線路をMEMSデバイスによる複数の可変キャパシタが跨ぐ構造のフィルタが開示されている。このフィルタにおいて、MEMSデバイスの駆動電極に制御電圧Vbを印加して可変キャパシタを変位させ、分布定数線路との間のギャップを変化させ、静電容量を変化させる。静電容量の変化によって、フィルタの通過帯域が変化する。従来のフィルタは、通過帯域の中心周波数を可変することは可能であるが、通過帯域幅を大きく変化させることはできない。
バンドパスフィルタにおいて、通過帯域の中心周波数、帯域幅と共に、通過帯域の急峻性が要求されることも多い。共振器のQ値を高くし、共振器の段数を増加することにより、急峻性を高めることができる。但し、段数を増やすと、通過損失が増大し、実用に耐えなくなることも多い。周波数可変範囲を広く取るためには、構成が複雑化し易い。
D. Peroulis et al,"Tunable LumpedComponents with Applications to Reconfigurable MEMS Filters", 2001 IEEE MTT-S Digest, p341-344
E. Fourn et al, "MEMS SwitchableInterdigital Coplanar Filter", IEEE Trans. MicrowaveTheory Tech., vol. 51, NO.1 p320-324, January 2003
A. A. Tamijani et al, "Miniature and TunableFilters Using MEMS Capacitors ", IEEE Trans. MicrowaveTheory Tech., vol. 51, NO.7, p1878-1885, July 2003
本発明の1つの目的は、通過帯域の中心周波数とともに通過帯域幅を調整することのできるフィルタ、および通信装置を提供することである。
1実施形態によれば、
信号線路に直列に接続され、可変容量とインダクタンスとを含み、直列共振器を構成する第1の直列アームと、
前記信号線路の前記第1の直列アームの両側において、前記信号線路と接地間に接続された第1、第2の並列アームであって、それぞれ可変容量とインダクタンスとを含み、接地された直列共振器を構成する第1、第2の並列アームと、
を有し、前記第1の直列アームが通過帯域の中心周波数を規定し、前記第1、第2の並列アームが前記通過帯域を挟む減衰極を規定する、可変フィルタ装置
が提供される。
信号線路に直列に接続され、可変容量とインダクタンスとを含み、直列共振器を構成する第1の直列アームと、
前記信号線路の前記第1の直列アームの両側において、前記信号線路と接地間に接続された第1、第2の並列アームであって、それぞれ可変容量とインダクタンスとを含み、接地された直列共振器を構成する第1、第2の並列アームと、
を有し、前記第1の直列アームが通過帯域の中心周波数を規定し、前記第1、第2の並列アームが前記通過帯域を挟む減衰極を規定する、可変フィルタ装置
が提供される。
通過帯域の中心周波数とともに、通過帯域幅を調整することができる。
図1Aは、実施例による、通信装置を概略的に示す。制御回路CTLは、受信帯域の中心周波数と帯域幅に従って、データベースDBからパラメータを選択し、可変バンドパスフィルタVBPを制御する。アンテナAntから入力した高周波信号は、可変バンドパスフィルタVBPにおいて所望の周波数帯域が選択され、増幅器Ampで増幅される。増幅された高周波信号は、ミキサMixで周波数をコンバートし、アナログ/デジタル変換器A/Dにおいてアナログ信号からデジタル信号に変換され、デジタルシグナルプロセッサDSPにおいて信号処理される。得られたデジタル信号は種々の目的に利用される。
図1Bは、可変バンドパスフィルタVBPに用いられる可変フィルタのブロック図である。信号線路に直列アームSA1,SA2、...が直列に接続されている。直列アームSAのそれぞれの両端と接地との間に並列アームPA1,PA2,PA3、...が接続されている。直列アームSA1の両端には並列アームPA1,PA2が接続され、直列アームSA2の両端には並列アームPA2とPA3が接続されている。直列アームSA1,SA2、...は、それぞれ、例えば図1Cまたは図1Dに示すような可変容量VCとインダクタンスLの直列接続を含み、直列共振器を構成する。各直列共振器は、図6Bに示すような透過特性を有する。可変容量VCを変化させることにより、通過帯域の中心周波数を変化させることができる。図1Cと図1Dの直列共振器は可変容量とインダクタンスの接続順序が入れ替わっているのみであり、回路的には等価である。
並列アームPA1,PA2,PA3は、それぞれ、図1Cまたは図1Dに示すような、可変容量VCとインダクタンスLの直列接続を含み、接地された直列共振器を構成する。即ち、並列アームPA1,PA2,PA3,...は、信号線路を特定周波数で接地し、減衰極を形成する機能を有する。
図1Eは、1つの直列アームSAとその両側の並列アームPAが構成する基本フィルタ構成の特性を示す。直列アームSAによって中心周波数f0の通過帯域が形成され、並列アームPAによって、通過帯域の上下、周波数fH,fLに減衰極が形成される。以下、減衰極をfH,fLと呼ぶことがある。並列アームPAの可変容量VCを変化させることにより、減衰極fH,fLの周波数を変化させることができる。減衰極fH,fLの変化によって通過帯域の帯域幅Wを可変に設定できる。
図1Bに示すように、任意数の直列アームSAを信号線路に直列に接続し、各直列アームの両側と接地との間に並列アームPAを接続できる。直列アームの数は1でもよい。この場合、図1Bの直列アームSA2,並列アームPA3は省略される。複数の直列アームSAを信号線路に直列に接続すると、バンドパスフィルタの周波数選択性が増強される。複数の直列アームに対して、その間の並列アームPAが(λ/4)×2=(λ/2)の結合部を形成する。複数の並列アームPAに対して、その間の直列アームSAも(λ/4)×2=(λ/2)の結合部を形成する。直列アーム両側に接地された直列共振器を含む並列アームを接続することで、通過周波数帯域の上下に減衰極fH,fLを形成できる。通過帯域幅を制御できると共に、急峻性を与えることができる。
図2A、2Bは、実施例1による、フィルタ用の2つのエレメントを示す。図2Aは、信号線路に直列に2つの可変キャパシタC0,C1が接続され、可変キャパシタC0,C1の相互接続点と接地との間に並列アームとして、可変容量C2とインダクタンスL2の直列接続が接続されたキャパシティブエレメントCEを示す。直列アームの可変容量C0,C1は、共振周波数の設定に用いられる。C0,C1は、可変である。可変容量C2とインダクタンスL2の直列接続は、直列共振器を構成し、信号線路に対し減衰極を形成する並列アームを規定する。
図2Bは、信号線路に直列に2つのインダクタンスL0,L1が接続され、インダクタンスL0,L1の相互接続点と接地との間に並列アームとして、可変容量C3とインダクタンスL3の直列接続が接続されたインダクティブエレメントLEを示す。インダクタンスL0,L1は、例えば等しい値を有するが、異なる値でもよい。可変容量C3とインダクタンスL3の直列接続は、直列共振器を構成し、信号線路に対し減衰極を形成する並列アームを規定する。
図2A,2Bに示したエレメントCE,LEを交互に接続することにより、バンドパスフィルタを構成することができる。エレメントCE,LEの順序、数は、目的に応じて、任意に設定できる。キャパシティブエレメントCE、インダクティブエレメントLEを、交互に接続することにより、接地に接続されたLC並列共振器を結合部として、信号線路に直列に複数のLC直列共振器を形成することができる。
図2Cは、入力端子IN、出力端子OUT間に、3つのエレメントEm1、Em2,Em3を接続したフィルタであり、エレメントEm1,エレメントEm2,エレメントEm3は、それぞれキャパシティブエレメントCE,インダクティブエレメントLE,キャパシティブエレメントCEで形成されている。エレメントEm3のキャパシティブエレメントは左右反転されている。エレメントEm1の出力側可変容量C1とエレメントEm2の入力側インダクタンスL0が直列共振器を構成し、さらにエレメントEm2の出力側インダクタンスL1とエレメントEm3の入力側可変容量C1が直列共振器を構成する。
インダクタンスL0,L1、2つの容量C1が等しい場合、中心周波数の等しい2段のバンドパスフィルタが構成され、通過帯域が規定される。例えば、中心周波数f0の通過帯域が規定される。エレメントEm1、Em3の並列アームに含まれる、C2,L2の直列共振器が1つの減衰極、例えばfH,を規定し、エレメントEm2の並列アームに含まれる、C3,L3の直列共振器が他の1つの減衰極、例えばfLを規定する。中心周波数f0に対して減衰極fH,fLを適切に配置することにより、所望の帯域幅を得る。
図2Dは、入力端子IN、出力端子OUT間に、3つのエレメントEm1、Em2,Em3を接続したフィルタであり、エレメントEm1,エレメントEm2,エレメントEm3は、それぞれインダクティブエレメントLE,キャパシティブエレメントCE、インダクティブエレメントLEで形成されている。図2Cと同様に、信号線路に直列に中心周波数の等しい2つのLC直列共振器を接続できる。並列アームは2つのL2C2直列共振器と1つのL3C3直列共振器を構成する。L2C2、L3C3の選択は自由である。高周波側の急峻性を望む場合はL2C2によりfHを規定し、L3C3によりfLを規定すればよい。
なお、フィルタのエレメント接続段数は3に限らない。2でもよく4以上としてもよい。並列アームにおけるLとCの順序は交換してもよい。信号線路再外側の直列アームにおける外側のLまたはCは省略することができる。例えば、可変バンドパスフィルタの段数は2〜10段とし、インダクタンスLは0.2nH〜30nH、キャパシタンスCは0.2pF〜100pFとする。
図3Aは、図2Cの構成において、減衰極形成用直列共振器の可変容量C2,C3を調整して減衰極fH,fLの周波数を変化させた時の通過帯域幅の変化を示すグラフである。
図3Bは、図2Cの構成において、可変容量C0,C1,C2,C3のキャパシタンスを変化させた時の、可変バンドパスフィルタの通過特性の変化を示すグラフである。横軸が周波数をGHzで示し、縦軸が通過率を単位dBで示す。1例において、通過帯域の中心周波数は、約4.4GHzから約2.06GHzまで変化している。
図4Aは、図2Cの構成において、LC直列共振器を分布定数線路に置き換えた構成を示す。直列アームの2つのLC直列共振器が2つの可変分布定数線路DL1に置換され、並列アームのエレメントEm1,Em3のLC直列共振器がそれぞれ可変分布定数線路DL2(+可変容量)に置換され、並列アームのエレメントEm2のLC直列共振器が可変分布定数線路DL3(+可変容量)に置換されている。分布定数線路は、伝送線路に分布容量を形成して、構成することができる。
図4Bは、分布容量線路の構成例を示す断面図である。誘電体基板20の上に例えば銅製の伝送線路Lが形成される。伝送線路Lは、底部が両側に張り出して上部より幅広くされ、張り出し部上方に可変キャパシタVCの可動電極MEを収容する空間を確保している。伝送線路Lの張り出し部が、可変キャパシタVCの固定電極FEを構成する。可変容量は、線路に沿って任意数形成する。張り出し部上面には、絶縁層27が形成され、短絡防止と実効誘電率向上の機能を果たす。絶縁層は、無機絶縁材料で形成しても有機絶縁材料で形成してもよい。場合によって、絶縁層はなくてもよい。このような構造は、例えば外郭を規定する開口を備えたレジストパターンを用いた2回のメッキ工程を利用して作成することができる。
可動電極MEは、誘電体基板20上に形成された、例えば銅製の片持ち梁構造CLに支持される。片持ち梁CLの先端が可動電極MEを構成すると考えることもできる。このような構造は、例えば立体形状を有する開口を備えたレジストパターンを用いたメッキ工程で作成することができる。外郭を規定する開口を備えたレジストパターンを用いた2回のメッキ工程で形成してもよい。誘電体基板20上の、片持ち梁CLの可動部下方に、駆動電極DEが形成される。駆動電極は、例えば伝送線路の張り出し部と同時に作成することができる。伝送線路とは別の金属材料を別の工程で形成してもよい。この場合はスパッタリング等別のプロセスを用いてもよい。
誘電体基板20は、セラミックス層21の上にAg等で形成され、接地層となる導電金属層22を配置し、その上にさらにセラミックス層23を形成した構成を有する。このような構造は、セラミックスグリーンシート層、導電層(配線層)、セラミックスグリーンシート層を位置合わせして積層し、焼結することにより形成することができる。セラミックス層には層間接続用の金属ビアや、高周波信号のDC駆動パスへの漏れを防ぐための高インピダンス抵抗ビアが形成されている。セラミックスの誘電率は約3から約100の範囲で選択できる。片持ち梁CLの支持部下方、駆動電極の下方には、ビア導電体が埋め込まれる。片持ち梁CLは接地層22に接続され、駆動電極DEは貫通ビア導電体25を介して、誘電体基板20裏面に形成された端子26に接続される。誘電体基板の裏面にRF信号、DC駆動信号を入力、出力するためのパッドを形成してもよい。これらのパッドは基板内部の金属ビアと高インピダンス抵抗ビアを介して、基板表面にある構造体や基板内部の配線と接続する。
図4Bの構成においては可動電極MEは接地層に接続されている。駆動電極DEに10V〜100V程度の直流電圧を印加する。静電引力により、可動電極MEは固定電極FEに引き寄せられる。伝送線路Lの電気長は可変キャパシタVCの可変容量と伝送線路Lの回路定数によって決まる。可変容量を大きくすると電気長を長くすることができる。
図4Cは(両持ち)梁構造の可変キャパシタの構成例を示す。誘電体基板20上に一対の柱状導電支持部PLが形成され、その間に梁構造の可動電極MEが形成される。可動電極MEの下方の誘電体基板20上に伝送線路Lが配置される。伝送線路Lの両側の誘電体基板20上に駆動電極DEが形成される。伝送線路L、および駆動電極DEの上には誘電体層27,29が形成される。伝送線路L、および駆動電極DEの上に誘電体層27,29が無くてもよい。誘電体基板20内の構成は図4Bの構成と同様である。
バンドパスフィルタを構成する可変容量は、MEMSキャパシタ、バラクタダイオード、キャパシタアレイとスイッチ群等の種々の形態で実現することができる。
図5Aは、信号通路中に接続される可変キャパシタVCの構成例を示す断面図である。誘電体基板20上に、底部に張り出し電極を有する下電極線路L01、頂部に張り出し電極を有する上電極線路L02が張り出し電極部をオーバラップさせて、可変キャパシタを形成する。上電極線路L02の張り出し電極下方には駆動電極DEが形成される。下電極線路L01の張り出し電極上面には絶縁膜28が形成されている。駆動電極DEは貫通ビア導電体25を介して、誘電体基板20裏面の端子26に接続されている。上電極線路L01の張り出し電極は片持ち梁構造であり、駆動電極に直流電圧を印加して静電引力を発生させることにより下方に変位する。
図5Bは、バラクタを用いた可変キャパシタを示す。バラクタダイオードBDは逆バイアス下で容量を変化させる。逆バイアスを印加するためのインダクタL11,L12がバラクタBDの正極、負極に接続される。バラクタを通過して高周波信号を流し、直流バイアス電圧は遮断するためのキャパシタC11,C12がバラクタBDの正極、負極に接続される。
図5Cは、キャパシタアレイとスイッチ群を用いた可変容量を示す。キャパシタCとスイッチSが直列に接続され、スイッチ付きキャパシタアレイを形成している。入力端子INにキャパシタCj1〜Cj5,Ck1〜Ck5の入力端子に接続され、スイッチSj1〜Sj5,Sk1〜Sk5の他端が出力端子OUTに接続されている。任意のスイッチSを閉じる(接続する)と、対応するキャパシタが入力端子IN,出力端子OUT間に並列接続される。キャパシタの容量値、個数は自由に選択できる。
以上実施例に沿って説明したが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。例えば、セラミックス基板に換え、ガラスエポキシ基板を用いることも可能である。また、上記実施例のフィルタの両側ないし片側にさらに他の形態のフィルタ(バンドパスフィルタband
pass filter,ローパスフィルタlow pass filter,ハイパスフィルタhigh pass filter,ノッチフィルタnotch
filter等)を接続してもよい。その他、種々の変更、置換、改良、組み合わせ等が可能なことは、当業者に自明であろう。
pass filter,ローパスフィルタlow pass filter,ハイパスフィルタhigh pass filter,ノッチフィルタnotch
filter等)を接続してもよい。その他、種々の変更、置換、改良、組み合わせ等が可能なことは、当業者に自明であろう。
Ant アンテナ、
VBP 可変バンドパスフィルタ、
Amp 増幅器、
Mix ミキサ、
A/D アナログーデジタル変換器、
DSP デジタルシグナルプロセッサ、
CTL 制御回路、
DB データベース、
SA 直列アーム、
PA 並列アーム、
VC 可変キャパシタ、
L インダクタンス、
C 容量、
CE キャパシティブエレメント、
LE インダクティブエレメント、
Em エレメント、
IN 入力端子、
OUT 出力端子、
DL 分布定数線路、
ME 可動電極、
FE 固定電極、
DE 駆動電極、
CL 片持ち梁構造、
20 誘電体基板、
21、23 セラミックス層、
22 接地層、
25 貫通ビア導電体、
26 端子、
27,28,29 絶縁膜、
PL 柱状導電支持部、
BD バラクタダイオード、
S スイッチ。
VBP 可変バンドパスフィルタ、
Amp 増幅器、
Mix ミキサ、
A/D アナログーデジタル変換器、
DSP デジタルシグナルプロセッサ、
CTL 制御回路、
DB データベース、
SA 直列アーム、
PA 並列アーム、
VC 可変キャパシタ、
L インダクタンス、
C 容量、
CE キャパシティブエレメント、
LE インダクティブエレメント、
Em エレメント、
IN 入力端子、
OUT 出力端子、
DL 分布定数線路、
ME 可動電極、
FE 固定電極、
DE 駆動電極、
CL 片持ち梁構造、
20 誘電体基板、
21、23 セラミックス層、
22 接地層、
25 貫通ビア導電体、
26 端子、
27,28,29 絶縁膜、
PL 柱状導電支持部、
BD バラクタダイオード、
S スイッチ。
図6Cは、複数の並列共振器PR1〜PRnを電気長(λ/4)×nの結合部Z1〜Zn−1を介して、信号線路に並列(信号線路と接地間)に接続した構成である。信号線路に並列に接続した並列共振器も、図6Bに示す特性を有する。図6Dは、複数の並列共振器と複数の直列共振器とを交互に接続したラダー構成である。図6C,6Dの回路は、バンドパスフィルタの特性を示し、Q値と段数に依存して急峻性が決まることは、図6Aの直列共振器の場合と同様である。なお、電気長(λ/2)の共振器は(λ/4)×nの条件を満たし、結合部となることができる。ラダー構成の場合、信号線路に直列に接続した直列共振器にとっては信号線路に並列に接続した並列共振器が結合部を構成し、信号線路に並列に接続した並列共振器にとっては信号線路に直列に接続した直列共振器が結合部を構成する。
三段の分布定数線路をMEMSデバイスによる複数の可変キャパシタが跨ぐ構造のフィルタが開示されている(例えば非特許文献3)。このフィルタにおいて、MEMSデバイスの駆動電極に制御電圧Vbを印加して可変キャパシタを変位させ、分布定数線路との間のギャップを変化させ、静電容量を変化させる。静電容量の変化によって、フィルタの通過帯域が変化する。従来のフィルタは、通過帯域の中心周波数を可変することは可能であるが、通過帯域幅を大きく変化させることはできない。
Claims (12)
- 信号線路に直列に接続され、共振周波数可変の可変直列共振器を構成する第1の直列アームと、
前記信号線路の前記第1の直列アームの両側において、前記信号線路と接地間に接続された第1、第2の並列アームであって、共振周波数可変の可変直列共振器を構成する第1、第2の並列アームと、
を有し、前記可変直列共振器の各々は、可変容量とインダクタンスとの直列接続か、可変分布定数線路を含む可変フィルタ装置。 - 前記第1の直列アームが通過帯域の中心周波数を規定し、前記第1、第2の並列アームが前記通過帯域を挟む減衰極を規定する、請求項1記載の可変フィルタ装置。
- 前記第1の直列アーム、前記第1、第2の並列アームの各々が、可変容量とインダクタンスとの直列接続を含む、請求項1記載の可変フィルタ装置。
- 前記第1の直列アームと直列に、前記第1又は第2の並列アームを介して、信号線路に直列に接続され、可変容量とインダクタンスとの直列接続を含み、共振周波数可変の可変直列共振器を構成する第2の直列アームと、
前記信号線路の前記第2の直列アームの外側において、前記信号線路と接地間に接続された第3の並列アームであって、可変容量とインダクタンスとの直列接続を含み、共振周波数可変の可変直列共振器を構成する第3の並列アームと、
を更に有する、請求項3記載の可変フィルタ装置。 - 前記第2の直列アームが前記第1の直列アームと共に、通過帯域の中心周波数を規定し、前記第3の並列アームが前記第1、第2の並列アームと共に、通過帯域を挟む減衰極を規定する、請求項4記載の可変フィルタ装置。
- 前記直列共振器の少なくとも1つが可変分布定数線路を含む請求項1記載の可変フィルタ装置。
- 前記可変分布定数線路が、伝送線路と、前記伝送線路を一方の電極とし、前記接地に接続された対向電極を他方の電極とする可変キャパシタとを含む、請求項6記載の可変フィルタ装置。
- 信号線路に直列に接続され、可変容量とインダクタンスとを含み、直列共振器を構成する第1の直列アームと、
前記信号線路の前記第1の直列アームの両側において、前記信号線路と接地間に接続された第1、第2の並列アームであって、それぞれ可変容量とインダクタンスとを含み、接地された直列共振器を構成する第1、第2の並列アームと、
を有する可変フィルタ装置。 - 直列接続された第1、第2の可変容量と、前記第1、第2の可変容量の相互接続点と接地との間に接続され、第3の可変容量と第1のインダクタンスとの直列接続を含む第1の直列共振器と、を有する第1のフィルタエレメントと;
直列接続された第2、第3のインダクタンスと、前記第2、第3のインダクタンスの相互接続点と接地との間に接続され、第4の可変容量と第4のインダクタンスとの直列接続を含む第2の直列共振器と、を有する第2のフィルタエレメントと;
を含み、
前記第1のフィルタエレメントの前記第1、第2の可変容量の一方と、前記第2のフィルタエレメントの前記第2、第3のインダクタンスの一方とが直列接続され、第3の直列共振器を構成する可変フィルタ装置。 - 前記第1のフィルタエレメントの前記第1、第2の可変容量の他方と直列接続され、直列接続された第5、第6のインダクタンスと、前記第5、第6のインダクタンスの相互接続点と接地との間に接続され、第5の可変容量と第7のインダクタンスとの直列接続を含む第4の直列共振器と、を有する第3のフィルタエレメント;
前記第2のフィルタエレメントの前記第2、第3のインダクタンスの他方と直列接続され、直列接続された第6、第7の可変容量と、前記第6、第7の可変容量の相互接続点と接地との間に接続され、第8の可変容量と第8のインダクタンスとの直列接続を含む第5の直列共振器と、を有する第4のフィルタエレメント;
の少なくとも一方をさらに有する請求項9記載の可変フィルタ装置。 - アンテナと、
前記アンテナに接続された信号線路と、
前記信号線路に接続された可変バンドパスフィルタと、
を含み、前記可変バンドパスフィルタは、
前記信号線路に直列に接続され、共振周波数可変の可変直列共振器を構成する第1の直列アームと、
前記信号線路の前記第1の直列アームの両側において、前記信号線路と接地間に接続された第1、第2の並列アームであって、共振周波数可変の可変直列共振器を構成する第1、第2の並列アームと、
を有し、前記可変直列共振器の各々は、可変容量とインダクタンスとの直列接続か、可変分布定数線路を含む通信装置。 - 通過帯域の中心周波数と帯域幅に応じて、複数組の制御パラメータを記憶するメモリと、
前記メモリを介して、前記可変バンドパスフィルタを制御する制御回路と、
をさらに有する請求項11記載の通信装置。
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