JPH08307106A - 共振器構造およびそれよりなる高周波フィルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振器の構造およびそれを用いた高周波フィ
ルタに関し、小型軽量の移動電話に使用するのに適し、
製造段階での共振器の特性のばらつきをも少くすること
を目的とする。 【解決手段】 伝送線共振器ＳＲと、該伝送線共振器の
共振周波数を段階的に切り替えるようにした調整素子と
を含み、該調整素子は該共振器の固有インピーダンスの
種々の値に対応する少なくとも三つの状態を有するスイ
ッチＳＷ３を含むように構成される。なおＫＥ３は結合
素子、ＳＬ１は伝送線である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は共振器の構造及び高
周波フィルターに関し、これは、好ましくは螺旋型、ス
トリップライン型、誘電体又は空気絶縁型の共振器から
成る伝送線共振器と、前記共振器構造の固有インピーダ
ンスを、従って該伝送線共振器の共振周波数を、段階的
に変更することを可能にする調整素子とから成るもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】無線送受信器では、送信される信号が受
信機に入るのを防止すると共に受信される信号が送信機
に入るのを防止するために伝送線共振器に基づく複式フ
ィルターが広く使用されている。各マルチチャネル無線
電話通信網は、指定された送受信周波数帯域を持ってい
る。また、接続中の受信周波数と送信周波数との差、即
ちデュプレックスインターバル、は通信網の仕様に従
う。通常の帯域フィルター又は帯域消去フィルターの通
過帯域及び消去帯域の間の周波数差もデュプレックスイ
ンターバルと呼ばれる。各通信網に適するフィルターを
設計することが可能である。現在の製造方法によれば、
種々の通信網に特有のフィルターを自由に且つ安価に製
造することができる。周波数調整方法は、即ちいわゆる
スイッチング方法は、通信網を分割して複数のブロック
とすることによって、一つのブロックのみに適するよう
に設計された一つの小型のフィルターにより周波数帯域
全体をカバーし得るようにすることを狙っている。該フ
ィルターは、常に、使用中のブロックに切り替えられて
いる、即ち使用されている周波数範囲に合わされてい
る。

【０００３】フィルターの切換即ち周波数調整は、該フ
ィルターに含まれている伝送線共振器の固有インピーダ
ンス（specific impedance) を、従ってその共振周波数
を、変化させることに基づいている。固有インピーダン
スは、伝送線共振器と、それを囲む接地された金属ケー
シングとの寸法によって決まると共に該共振器の近傍に
配置される調整カップリングにより決まる。従来技術に
おいて、伝送線共振器の近くに伝送線（図１）を置い
て、それと伝送線共振器との間に電磁結合Ｍ１を生じさ
せることによって伝送線共振器の共振周波数を調整する
方法が知られている。この場合、その伝送線は結合素子
と呼ばれる。該結合素子の電気的特性は、該共振器の共
振周波数がどのように変化するかを決定する。

【０００４】図１に示されているように、閉じたときに
結合素子ＫＥ１の１端をグランドに接続するスイッチＳ
Ｗ１を結合素子ＫＥ１の近くに配置することによって共
振周波数を変更することのできるスイッチング共振器を
作ることが知られている。そのとき伝送線共振器ＳＲの
共振周波数は、スイッチＳＷ１が開いているときより高
い。一つの結合素子に２状態スイッチを結合させた場合
には、共振器の共振周波数を一方の値から他方の値に変
更し得るに過ぎない。この種のシステムは２段階スイッ
チングと呼ばれる。

【０００５】３つ以上の共振周波数のうちから一つの周
波数を選択できることが好ましい場合もある。この場
合、３段階以上の切換を行う。多段階切換の在来の実施
例がフィンランド特許ＦＩ−８８４４２（ＵＳ５２９８
８７３）に記載されており、それが図２に示されてい
る。その方法では、２個以上の結合素子ＫＥ１、ＫＥ２
と、対応するスイッチＳＷ１、ＳＷ２とが伝送線共振器
ＳＲの近傍に配置される。結合素子ＫＥ１と伝送線共振
器ＳＲとの間の電磁結合は符号Ｍ１で指示されており、
結合素子ＫＥ２と伝送線共振器ＳＲとの間の電磁結合は
Ｍ２で指示されている。全てのスイッチが開いていると
き、共振器の共振周波数は或る値ｆ１を有する。一つの
スイッチが閉じられたとき、共振周波数の値はｆ２とな
る。他方のスイッチを閉じれば該周波数は第３の値ｆ３
に変化する。共振周波数の値の数は、結合素子とスイッ
チの数により決まる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】各々の結合素子とスイ
ッチとが共振器の近傍の空間を占有するので、共振器と
それで構成されるフィルターとを余り小さく作ることが
できないということが在来の構成の欠点である。フィル
ターは小型で軽量の移動電話に使用されるのであるか
ら、サイズは非常に重要である。また、より多くの結合
素子を使用すれば、共振器と結合素子との電磁結合が共
振器のＱ値により強く影響を及ぼすことになる。製造段
階で結合素子の寸法にある程度の偏差が生じ、それが共
振器の特性にばらつきを生じさせるが、それを思い通り
に管理するのは困難である。１共振器中の結合素子の数
が多いほど、製造段階での偏差の影響が大きくなる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記した欠
点は回避されている。それは、伝送線共振器の近傍に、
少なくとも３つの状態を有するスイッチを含む一つの調
整素子を配置することにより達成される。このスイッチ
は、該調整素子の電気的特性を変化させる。該スイッチ
の３つ以上の状態は、該調整素子の種々の電気的特性
に、従って共振器構造の種々の固有インピーダンス値及
び種々の共振周波数に、対応する。

【０００８】本発明の特徴は、共振器構造の種々の固有
インピーダンス値に対応する少なくとも３つの状態を有
するスイッチを含む調整素子を伝送線共振器の近傍に配
置したことにある。

【０００９】調整素子は、例えば伝送線共振器に接続さ
れるストリップライン又は側回路として実現される調整
素子等の、従来技術に含まれる種々のものの中のいずれ
でも良い。一つの好ましい実施例は、該共振器及び／又
はフィルター構造に含まれる他のストリップライン回路
と同時に製造段階で形成される結合素子である。この実
施例の特徴は、該結合素子に接続されているスイッチの
状態を変えることにより該結合素子のインピーダンスが
変化し、その結果として共振器の固有インピーダンス
が、従って共振周波数が、変化するようになっているこ
とにある。本発明によれば、スイッチが選択し得る結合
素子インピーダンス値が少なくとも三つあるので、該シ
ステムを使用すれば唯一の結合素子と一つのスイッチと
を使って３以上の段階で切換を実施し得ることになる。

【００１０】

【発明の実施の形態】添付図面を参照して本発明を詳細
に説明する。

【００１１】従来技術のカップリング（図１及び図２）
については既に説明したので、次に主として図３乃至図
８を参照して本発明を説明する。

【００１２】図３は、本発明の実施例の配線図である。
この配線図は、伝送線共振器ＳＲと、その近くに配置さ
れた結合素子ＫＥ３とを含んでおり、これは電磁結合Ｍ
３を通して共振器の共振周波数に影響を及ぼす。３状態
スイッチＳＷ３が該結合素子に接続されており、このス
イッチは、図示のように開いているか、或いは該結合素
子の１端を直接接地し、又は該結合素子の１端を伝送線
ＳＬ１を通して接地する。

【００１３】第１の状態では、スイッチＳＷ３は開いて
おり、結合素子ＫＥ３は結合Ｍ３を通して共振器の共振
周波数に影響を及ぼす。共振周波数は、伝送線共振器と
結合素子との寸法に依存する値ｆ１を有する。第２の状
態ではスイッチＳＷ３は結合素子の１端を直接接地し、
これにより共振器構造の固有インピーダンス（specific
impedance) が変化し、共振周波数は、特許ＦＩ−８８
４４２（ＵＳ５２９８８７３）に従ってｆ１より高い値
ｆ２となる。第３の状態では、スイッチＳＷ３は結合素
子の１端を伝送線ＳＬ１を通して接地し、これにより共
振器構造の固有インピーダンスは再び変化して、共振周
波数はｆ１よりは高いけれどもｆ２よりは低い値ｆ３と
なる。

【００１４】上記の原理によれば、より多くの段階の切
換を実現することもできる。そのためには、３つ以上の
状態を有するスイッチが使用される。各状態は異なるイ
ンピーダンス値に対応し、例えば、スイッチは、異なる
大きさを持つ伝送線を通して結合素子の１端を接地す
る。図６は他の実施例の配線図であるが、この場合には
スイッチＳＷ５の状態は大きさの異なる伝送線ＳＬ３、
ＳＬ４、ＳＬ５を通しての接地に対応する。スイッチＳ
Ｗ５はいずれの状態でも開いてはおらず、いずれの状態
も結合素子ＫＥ４の端部の直接接地には対応しない。ス
イッチの状態の一つは開放状態（図７）であっても良
く、またその状態の一つは直接接地（図８）であって良
いけれども、そのいずれも発明の要件からは必須ではな
い。

【００１５】各配線図に示されている全ての要素（伝送
線共振器、それに結合されている結合素子、３状態スイ
ッチ及び伝送線）は、それ自体としては公知であり、そ
れらを技術的に実施することは当業者にとっては困難な
ことではない。伝送線共振器は、好ましくは、円筒状の
コイルをなすように巻かれた導体からなる螺旋共振器
（helix resonator)、又は誘電体（例えばセラミック）
のブロック内の伝導性コーティングがメッキされた孔か
らなる螺旋共振器である。結合素子及び伝送線は、好ま
しくは、低損失基板又はセラミックの表面に形成された
ストリップラインである。３状態スイッチは、好ましく
は、ＰＩＮダイオード又は数個のＰＩＮダイオードから
なるカップリングである。ストリップラインを該フィル
ター構造に含まれる他のストリップラインと同時に製造
することができると共に、スイッチダイオード以外の他
の独立の素子はカップリングには不要であるので、スト
リップラインで実現される実施例は特に好ましい。

【００１６】図５は、図３の第１実施例の工業的的実施
に使用される印刷回路基板を示す。これは櫛構造型螺旋
フィルター用の印刷回路基板であり、各垂直枝路は、円
筒状コイル即ち螺旋（図示せず）をなすように巻かれた
導体により囲まれている。該印刷回路基板は、低損失基
板から成っていてフィルター構造のための支持要素とし
て作用するものであり、電気的動作に必要な導体及び接
合パッドは在来の方法でその表面に形成される。該枝路
の上方部分の太いＴの形の導体ＧＮＤは、結合素子ＫＥ
３のための接地電位へのガルバニック結合（galvanic c
oupling)を生じさせる。共通カソード結合をなす２個の
ＰＩＮダイオードを含む３ポート素子が結合素子の下で
接合パッドＫＴ１、ＫＴ２、及びＫＴ３に取り付けられ
ている。この素子は、該ポートに接続されたＤＣバイア
ス電圧で結合機能が実現されることとなるように、３状
態スイッチＳＷ３として機能する。共通カソードの電位
がどのアノードの電位よりも高いとき、スイッチは開い
ている。共通カソードの電位が一方のアノードの電位よ
り低いとき、スイッチは前記アノードを共通カソードに
接続する。

【００１７】伝送線ＳＬ１は記号ＫＴ２が付されている
接合パッドから始まっており、その１端は、接合パッド
ＫＴ４及びＫＴ７に取り付けられている抵抗器と、接合
パッドＫＴ５及びＫＴ６に取り付けられているキャパシ
タとを通して接地電位に接続されている。対応する接地
が伝送線を伴わない接合パッドＫＴ３に配置されてい
る。

【００１８】図４は、本発明の他の実施例の配線図を示
す。この配線図は、伝送線共振器ＳＲと、これにガルバ
ニックに結合された側回路とを含んでおり、この側回路
は、容量性素子Ｃ１と、伝送線ＳＬ２と、本発明による
３状態スイッチＳＷ４とを含んでいる。この実施例で
は、側回路のために二つの位置でガルバニック結合を生
じさせることが可能である場合には、これらの伝送線共
振器のみを使用することができる。伝送線共振器ＳＲは
好ましくは螺旋共振器であり、側回路は該螺旋共振器の
ための支持構造として役立つ印刷回路基板上のストリッ
プライン及び別々の素子から成る。ガルバニック結合
は、支持枝路の縁まで延在するストリップラインを共振
器導体にはんだ付けすることにより形成される。

【００１９】この実施例でも、スイッチＳＷ４は、共振
器のための支持構造として役立つ印刷回路基板の表面上
のストリップラインを使ってバイアス電圧をかけるよう
になっている２個のＰＩＮダイオードの共通カソード結
合であることが好ましい。このスイッチは、図示のよう
に開いているか、又はキャパシタンスＣ１と伝送線ＳＬ
２とを直列に接続するか、又は伝送線ＳＬ２を完全に迂
回（バイパス）する。低い無線電話周波数では、容量性
素子Ｃ１は好ましくは独立の素子であるが、１０００Ｍ
Ｈｚを上回る周波数ではＣ１は印刷回路基板上のストリ
ップラインから成ることもできる。

【００２０】２つの周波数切り替え原理のみとの関係で
本発明を説明したけれども、本発明はこれら二つの実施
例に限定されるものではなく、本発明の結合素子又は側
回路の多状態段階的切換は、公知の多数の周波数切り替
え原理を実施するために使用し得るものである。全ての
実施例の観点から本質的であるのは、共振周波数を変更
するために使用される調整素子が、上記したように、少
なくとも三つの状態を持っていて、単純ではあっても該
調整素子の使用に多様な可能性を与えるスイッチである
ということである。

【００２１】

【発明の効果】従来技術との比較における本発明の利点
は、特に、必要なスペースが小さくなったことである。
手持ち電話に必要な小型フィルターにおいても、一つの
結合素子を伝送線共振器の領域に配置することが可能で
ある。一つの結合素子が共振器のＱ値に及ぼす影響は、
従来技術により多数の結合素子を使用した場合と比べ
て、著しく小さい。結合素子を１個だけ使用する場合に
は、該カップリングを物理的に実現するために利用し得
るスペースは、３段切換の場合には在来の構成の場合の
２倍大きく、切換段数がもっと多ければもっと大きくな
る。カップリングを非常に安定したものとすることがで
き、製造段階で生じる寸法の偏差が個々のフィルターに
大きなばらつきを生じさせることはない。

【００２２】本発明の小型フィルターは、３段以上の段
数での切換が可能であり、例えば移動電話システムの手
持ち電話など、広範な用途を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】２段階切換の従来例を示す図である。

【図２】３段階切換の従来例を示す図である。

【図３】本発明による３段階切換の実施例の配線図であ
る。

【図４】本発明による３段階切換の第２の実施例の配線
図である。

【図５】本発明による螺旋形フィルターの工業的実施と
関連する印刷回路基板を示す図である。

【図６】本発明による３段階切換の第３の実施例の配線
図である。

【図７】本発明による３段階切換の第４の実施例の配線
図である。

【図８】本発明による３段階切換の第５の実施例の配線
図である。

【符号の説明】

ＳＲ…伝送線共振器 ＫＥ１，ＫＥ２，ＫＥ３，ＫＥ４，ＫＥ５，ＫＥ６…結
合素子 ＳＷ３，ＳＷ４，ＳＷ５，ＳＷ６，ＳＷ７…三状態スイ
ッチ ＳＬ１，ＳＬ２，ＳＬ３，ＳＬ４，ＳＬ５，ＳＬ６，Ｓ
Ｌ７，ＳＬ８，ＳＬ９…伝送線 Ｃ１…キャパシタ

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 伝送線共振器（ＳＲ）と、当該共振器構
   造の固有インピーダンスを、従って該伝送線共振器の共
   振周波数を、段階的に切り替えることを可能にする調整
   素子とを含む共振器構造において、前記調整素子は、該
   共振器構造の固有インピーダンスの種々の値に対応する
   少なくとも三つの状態を有するスイッチ（ＳＷ３；ＳＷ
   ４；ＳＷ５；ＳＷ６；ＳＷ７）を含むことを特徴とする
   共振器構造。
2. 【請求項２】 前記調整素子は、該伝送線共振器と少な
   くとも三つの状態を有する前記スイッチ（ＳＷ３；ＳＷ
   ５；ＳＷ６；ＳＷ７）との近傍に配置された結合素子
   （ＫＥ３；ＫＥ４；ＫＥ５；ＫＥ６）を含む回路であ
   る、請求項１に記載の共振器構造。
3. 【請求項３】 前記結合素子（ＫＥ３；ＫＥ４；ＫＥ
   ５；ＫＥ６）は二つの接続点を有し、前記結合素子は第
   １の接続点で接地され、前記スイッチ（ＳＷ３；ＳＷ
   ５；ＳＷ６；ＳＷ７）は該結合素子の第２接続点に接続
   されている、請求項２に記載の共振器構造。
4. 【請求項４】 前記回路は接地と伝送線（ＳＬ１）とを
   含んでおり、 ａ） 第１状態において前記スイッチ（ＳＷ３）は開い
   ており、 ｂ） 第２状態において前記スイッチ（ＳＷ３）は該接
   地に結合され、従って該結合素子（ＫＥ３）の該第２接
   続点を直接接地し、 ｃ） 第３状態において前記スイッチ（ＳＷ３）は該伝
   送線（ＳＬ１）を通して該接地に結合され、従って該結
   合素子（ＫＥ３）の第２接続点を該伝送線（ＳＬ１）を
   通して接地するようにした、請求項３に記載の共振器構
   造。
5. 【請求項５】 前記回路は接地と三つの伝送線（ＳＬ
   ３、ＳＬ４、ＳＬ５）とを含んでおり、少なくとも三つ
   の状態を有する前記スイッチ（ＳＷ５）は、各状態にお
   いて、異なる伝送線を通して該接地に結合され、従って
   該結合素子（ＫＥ４）の第２接続点を異なる伝送線を通
   して接地するようにした、請求項３に記載の共振器構
   造。
6. 【請求項６】 前記回路は接地と二つの伝送線（ＳＬ６
   及びＳＬ７）とを包んでおり、 ａ） 第１状態において前記スイッチ（ＳＷ６）は開い
   ており、 ｂ） 第２状態において前記スイッチ（ＳＷ６）は該第
   １伝送線（ＳＬ６）を通して該接地に結合され、従って
   該結合素子（ＫＥ５）の第２接続点を該第１伝送線（Ｓ
   Ｌ６）を通して接地し、 ｃ） 第３状態において前記スイッチ（ＳＷ６）は該第
   ２伝送線（ＳＬ７）を通して該接地に結合され、従って
   該結合素子（ＫＥ５）の第２接続点を該第２伝送線（Ｓ
   Ｌ７）を通して接地するようにした、請求項３に記載の
   共振器構造。
7. 【請求項７】 前記回路は接地と二つの伝送線（ＳＬ８
   及びＳＬ９）とを含んでおり、 ａ） 第１状態において前記スイッチ（ＳＷ７）は該接
   地に結合され、従って該結合素子（ＫＥ６）の第２接続
   点を直接接地し、 ｂ） 第２状態において前記スイッチ（ＳＷ７）は該第
   １伝送線（ＳＬ８）を通して該接地に結合され、従って
   該結合素子（ＫＥ６）の第２接続点を該第１伝送線（Ｓ
   Ｌ８）を通して接地し、 ｃ） 第３状態において前記スイッチ（ＳＷ７）は該第
   ２伝送線（ＳＬ９）を通して該接地に結合され、従って
   該結合素子（ＫＥ６）の第２接続点を該第２伝送線（Ｓ
   Ｌ９）を通して接地するようにした、請求項３に記載の
   共振器構造。
8. 【請求項８】 該結合素子及び該伝送線はストリップラ
   インで実現されるようにした、請求項２〜７のいずれか
   １項に記載の共振器構造。
9. 【請求項９】 前記調整素子は、少なくとも三つの状態
   を有する前記スイッチ（ＳＷ４）を一部として含む、該
   伝送線共振器にガルバニック結合された側回路である、
   請求項１に記載の共振器構造。
10. 【請求項１０】 該側回路は、前記スイッチ（ＳＷ４）
    の他に、容量性素子（Ｃ１）と誘導性素子、好ましくは
    伝送線（ＳＬ２）とを含んでおり、前記各素子は、 ａ） 該スイッチ（ＳＷ４）が第１状態であるときには
    該側回路は開いており、 ｂ） 該スイッチ（ＳＷ４）が第２状態であるときに
    は、該容量性素子及び誘導性素子（Ｃ１、ＳＬ２）及び
    該スイッチはその両端が該伝送線共振器に結合された直
    列接続を形成し、 ｃ） 該スイッチ（ＳＷ４）が第３状態にあるときに
    は、前記容量性素子（Ｃ１）及びスイッチ（ＳＷ４）
    は、その両端が該伝送線共振器にガルバニック結合され
    た直列接続を形成するように構成されている、請求項９
    に記載の共振器構造。
11. 【請求項１１】 少なくとも二つの共振器から成る高周
    波フィルターにおいて、その共振器のうちの少なくとも
    一つは、伝送線共振器（ＳＲ）と、前記共振器の固有イ
    ンピーダンスを、従って該共振器の共振周波数を段階的
    に切り替えることを可能にする調整素子とを含んでお
    り、前記調整素子は該共振器構造の固有インピーダンス
    の種々の値に対応する少なくとも三つの状態を有するス
    イッチ（ＳＷ３；ＳＷ４；ＳＷ５；ＳＷ６；ＳＷ７）を
    含むことを特徴とする高周波フィルター。
12. 【請求項１２】 携帯無線通信装置に用いられる、請求
    項１〜１０のいずれか１項に記載の共振器構造。
13. 【請求項１３】 携帯無線通信装置に用いられる、請求
    項１１に記載の高周波フィルター。