JP2011182159A - 無線受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナ入力ダイナミックレンジを広げるため、受信感度と最大入力レベルが同時に改善される無線受信機を提供することを目的とするものである。
【解決手段】Q値を可変にしたRFバンドバスフィルタ2と、低雑音増幅回路3と、広帯域の信号を検波する第1の検波回路11と、希望波を検波する第2の検波回路12と、Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値を指定する制御信号を発生する制御回路13とを有し、希望波と妨害波の信号レベルが所定の閾値より大きい場合は低Qのバンドパスフィルタを用いて最大入力レベルを改善し、希望波と妨害波の信号レベルが所定の閾値より小さい場合は高Qのバンドパスフィルタを用いて受信感度を改善することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信相手から送信された電波を受信して信号を復調する無線受信機に関し、特に、受信電力のダイナミックレンジを改善した無線受信機に関するものである。

無線受信機は、通信相手から送信された電波を受信して信号を復調できるので、物理的な拘束から解放されて使用場所を選ばないことが最大の特徴である。そのため、広いエリアで使用可能となる無線受信機は、特にユーザメリットが大きい。
中でも車載ラジオ受信機やテレビ受像機など移動体に搭載される無線受信機は、移動体の到達しうるあらゆる地点で、ユーザが必要とする情報が載せられた電波をを受信し、ノイズや歪みなく音声・映像・データ等を復調できることが望ましい。しかし、通信相手との距離や反射物、地形などの影響により電波のレベルは場所によって様々に変化している。
ここで公共放送の電波の受信レベルについて検討すると、東京タワーなど基地局アンテナ近傍では数キロワット級であるのに対し、数百キロメートル離れた地点ではナノワット以下まで減衰してしまう。従って、無線受信機をできるだけ広いエリアで使用するためには、できるだけ幅広い受信電力のダイナミックレンジを持つことが要求される。
一方、無線受信機は、ユーザが受信しようとする周波数帯域の信号(希望波)以外の不要な信号(妨害波)によって、希望波が遮蔽されることを防ぐため、妨害波を排除する性能(選択度)も要求される。
一般に無線受信機は、アンテナ位置の電界強度が弱くなるほど復調信号の信号対雑音比(SN比)が低下する。実用に耐えうる所定のSN比の復調信号が得られるような最小のアンテナ受信電力レベルを「実用感度」と言い、アンテナ受信電力レベルのダイナミックレンジの下限として使用される。
また、電界強度が強い強電界環境では、アンテナ直下の高周波増幅器や混合回路が歪むことで相互変調妨害や混変調妨害が発生することがある。歪みによるSN比の劣化が発生しない最大のアンテナ受信電力レベルとして「最大入力レベル」が定義され、アンテナ受信電力レベルのダイナミックレンジの上限として使用される。実用感度や最大入力レベル、選択度は、主に無線受信機のアンテナ直下に接続されるフロントエンド回路の性能の影響が大きい。
受信感度と選択度の改善の両立を実現するために、フロントエンド回路内にQ値可変の同調回路を使用し、妨害波の受信レベルが所定のレベル以上の場合は妨害波排除を優先して同調回路を低いQ値に設定し、妨害波の受信レベルが所定のレベル以下であれば実用感度改善を優先して同調回路を高いQ値に設定するものとして、Q値を可変に構成した同調回路と、妨害波のレベルを検出する第2のレベル検出部と、検出した妨害波のレベルに応じて同調回路のQ値を切り替えるように制御する制御部とを備え、妨害波のレベルが所定の閾値より小さいときは同調回路を高いQ値に設定することにより、同調回路の後段に接続されたFE回路の入力信号レベルが大きくなるようにして受信感度を高くする一方、妨害波のレベルが所定の閾値以上のときは同調回路を低いQ値に設定することにより、FE回路の入力信号レベル、妨害波の入力レベルが小さくなるようにして妨害特性を良好にす
ることができるようにするものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、最大入力レベルを改善する技術については、、アンテナ直下にAGC(Auto
Gain Control)回路やバンドパスフィルタを置くことで、強いレベルの信号を受信する時には、増幅器や混合回路の前で信号を減衰させて歪み特性を改善するものとして、アンテナ入力レベルが強くなるにつれて、まずレベル検波回路および比較器による狭帯域のAGC動作とレベル検波回路による広帯域のAGC動作とを行い、さらに強入力となると、バイアス切換回路が、レベル検波回路からの第1のAGC電圧を混合回路のトランジスタ回路へバイアス電流として与えて、混合回路のダイナミックレンジを強入力側とした後、前記第1のAGC電圧によってAGC動作を行う技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2009−164981号公報 特開平8−84089号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、妨害波の受信レベルに応じて同調回路(RFバンドパスフィルタ)のQを切り替えるため、妨害波の受信レベルが極めて弱く(例えば−10dBμV)、希望波の受信レベルが非常に強い条件(例えば120dBμV)においても高QのRFバンドパスフィルタが使用される。従って、RFバンドパスフィルタの挿入損失が小さいために最大入力レベルが劣化するという課題があった。
また、特許文献2に記載された技術においては、アンテナ受信信号に含まれる希望波の信号レベルが弱く、実用感度と同等程度となる条件(例えば5dBμV)においても、強いレベルの信号を受信する時(例えば120dBμV)と同一のRFバンドパスフィルタを使用する。従って、RFバンドパスフィルタの挿入損失が大きく、実用感度の改善が望めないという課題があった。
また、特許文献1に記載された受信機と特許文献2に記載された受信機の利得制御装置とを互いに組み合わせることにより、Q値可変RFバンドパスフィルタとAGCを併用するフロントエンド回路が成立するが、これら2つの文献で考慮された条件と課題は、アンテナ受信信号における希望波レベルが弱電界環境にある条件での選択度と実用感度を同時に改善するという課題と、アンテナ受信レベルが強電界環境にある条件での最大入力レベルを改善するという課題に限られていた。
従って、アンテナ受信信号における希望波と妨害波が弱電界から強電界に至る様々な変化が生じる実環境において、選択度と実用感度、最大入力レベルを同時に改善することは考慮されていないため、実環境における無線受信機のアンテナ受信レベルのダイナミックレンジを広げることができないという課題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、アンテナ受信レベルのダイナミックレンジを改善することのできる無線受信機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の無線受信機は、希望波の周波数に同調して受信信号を濾波するRFバンドパスフィルタに関連して同調信号の挿入損失を少なくても2値以上に変化させうるQ値可変RFバンドバスフィルタと、受信信号の増幅を行う増幅回路と、
受信レベルを検波する第1の検波回路と、受信レベルを検波する第2の検波回路と、前記Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値を指定する制御信号を出力する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第1の検波回路の出力と前記第2の検波回路の出力に応じて算出される希望波と妨害波の受信レベルに応じて、前記Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値を切り替える制御信号を発生する構成を有する。
本発明によれば、無線受信機の使用条件により希望波と妨害波の受信レベルが非常に幅広く変化する中で、受信感度と最大入力レベルを同時に改善して無線受信機のダイナミックレンジを広げることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態における無線受信機の電気的構成を示すブロック図 本発明の実施の形態におけるQ値可変RFバンドパスフィルタの一例の等価回路図 本発明の実施の形態におけるQ値可変RFバンドパスフィルタのQ値を変えた回路シミュレーション結果である挿入損失の周波数特性を示す図 (a)本発明の実施の形態におけるQ値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替え閾値を示す図(b)従来のQ値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替え閾値を示す図 無線受信機のアンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移(条件X)を示す図 無線受信機のアンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移(条件Y)を示す図 無線受信機のアンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移(条件Z)を示す図 従来の無線受信機においてアンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移(条件Z)を示す図
以下、本発明の実施の形態における無線受信機について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態における無線受信機1の電気的構成を示すブロック図である。
図1において、アンテナ2で受信した信号は、Q値可変RFバンドパスフィルタ(RF−BPF)3に入力される。Q値可変RFバンドパスフィルタ3は、所定の同調周波数f0と通過帯域幅BWを持ち、入力された信号から、同調周波数f0を中心とする帯域幅BWに含まれる信号のみを選択的に通過させ、出力する。
より具体的には、Q値可変RFバンドパスフィルタ3に入力される信号のうち、同調周波数f0を中心とする帯域幅BWに含まれる信号は、より少ない減衰(例えば1dB)を受けて出力され、同調周波数f0を中心とする帯域幅BWに含まれない信号は、より大きな減衰(例えば3dB以上)を受けて出力される。
従って、同調周波数f0を希望波の周波数と同一に設定することにより、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は、入力される信号から希望波のみを選択的に通過させることができる。
一般に、妨害波となる信号の周波数は同調周波数f0を中心とする帯域幅BWに含まれないので、妨害波は希望波より大きな減衰を受けてから出力される。
Q値可変RFバンドパスフィルタ3の出力信号は低雑音増幅器(LNA)4を通過することで信号レベルが増幅されて、混合回路(MIX)5に入力される。
混合回路5は、局部発信回路6の出力信号と低雑音増幅回路4の出力信号とを周波数混合する処理を行い、中間周波数信号を生成して出力する。
混合回路5から出力された中間周波数信号は、中間周波数バンドパスフィルタ(IF−BPF)7に入力され、復調に必要な帯域幅の周波数帯の信号が選択的に出力され、中間周波数増幅回路8により信号レベルが増幅される。
中間周波数増幅回路8の出力信号は、復調回路9で復調されることにより音声信号やデータ信号が抽出され、増幅や信号処理を受けてから出力回路10に入力される。出力回路は、例えば、スピーカやディスプレイ、データ格納用メモリなどである。
混合回路5の出力信号は、第1の検波回路11にも入力されることで信号レベルPwdが検出される。検出信号レベルPwdは、希望波と妨害波を含む広帯域信号の信号レベルである。
また、中間周波数増幅回路8の出力信号は、第2の検波回路12にも入力されることで信号レベルPnrが検出される。検出信号レベルPnrは、希望波のみの狭帯域信号の信号レベルである。
第1の検波回路11の検出信号と第2の検波回路12の検出信号とは、制御回路13に入力される。制御回路13では、広帯域信号レベルPwdと狭帯域信号レベルPnrとに応じて、Q値可変RFバンドパスフィルタ3に出力する制御信号を決定する。
制御回路13では、広帯域信号レベルPwdと狭帯域信号レベルPnrとから、希望波信号のLNA入力レベルPdと妨害波信号のLNA入力レベルPuとを以下のようにして決定している。
すなわち、Pd=Pnr−Gif+Lif−Grf、Pu=Pwd−(Pnr−Gif+Lif)−Grfである。ただし、ここで、Grfは低雑音増幅器と混合回路のゲインの積(dB)を示す。また、Lifは中間周波数バンドパスフィルタの挿入損失(dB)を示し、Gifは中間周波数増幅回路のゲイン(dB)を示す。
図2に、Q値可変RFバンドパスフィルタの構成例の等価回路図を示す。また、図3に、図2のQ値可変RFバンドパスフィルタ103のQ値を変えたときの挿入損失の周波数特性の回路シミュレーションを行った結果を示す。
図2に示す等価回路図は、Q値可変RFバンドパスフィルタ回路103が、入力ポート101と出力ポート102に接続された構成である。
Q値可変RFバンドパスフィルタ回路103は、固定キャパシタンス104、可変キャパシタンス105、可変キャパシタンス106、インダクタンス107、インダクタンス107の電流損失に相当する抵抗108、可変キャパシタンス109、固定キャパシタンス110から構成されている。
無線受信機1に組み込んで使用する回路はQ値可変RFバンドパスフィルタ回路103の部分のみである。可変キャパシタンス105、106、109には、例えば可変容量ダ
イオードやバリコン(バリアブルコンデンサ)が利用できる。
Q値可変RFバンドパスフィルタ回路103の中心となる共振回路はインダクタンス107および可変キャパシタンス106から構成される。可変キャパシタンス106は、不図示のチューニング電圧が印加されることにより容量が変化する。その結果、Q値可変RFバンドパスフィルタ103の同調周波数が変化して、使用者が指定した周波数に無線受信機1が同調を取ることができる。
入力インピーダンス調整回路は、キャパシタンス104および可変キャパシタンス105、出力インピーダンス調整回路は可変キャパシタンス109、キャパシタンス110から構成されている。
ここで、可変キャパシタンス105および可変キャパシタンス109の容量を変化させるため、制御回路13の出力信号が可変キャパシタンス105および可変キャパシタンス109に入力される。可変キャパシタンス105および可変キャパシタンス109の容量を変化させる目的は、フィルタのQ値(負荷Q)を変化させることである。
一般に、フィルタの損失を表す負荷Q(Qload)は、無負荷Q(Qun)と外部Q(Qext)を用いて、1/Qload=1/Qun+1/Qextと表すことができる。従って、負荷Q(Qload)の変化は、無負荷Q(Qun)か、外部Q(Qext)のいずれかを変化させることで実現される。
図2においては、可変キャパシタンス105および可変キャパシタンス109の容量が増大するとき、共振回路の入出力インピーダンスが低下する。このとき、外部Q(Qext)が低下するため、負荷Q(Qload)も低下する。
なお、本実施の形態においてQ値可変RFバンドパスフィルタ3の「Q値」とは、挿入損失と逆相関の変数として定義される。
すなわち、フィルタの同調周波数における挿入損失が大きいほど、Q値が低いという意味である。上記のフィルタ回路の説明に用いた共振回路のQ(負荷Q、無負荷Q、外部Q)の値とは直接には相関しないものとする。
次に、図3を用いて、図2のQ値可変RFバンドパスフィルタ回路103のQ値を変えたときの挿入損失の周波数特性の回路シミュレーションを行った結果について説明する。また、表1に、この回路シミュレーションに用いた図2に示される各素子の素子値を示す。表2に、同調周波数と挿入損失を示す。
図3および表2からわかるように、条件1および条件2ともに同調周波数は100MHzであるが、挿入損失が0.97dBから2.15dBまで変化している。
条件1は、条件2よりも挿入損失が小さいので、フィルタのQが高い(高Q)条件であり、条件2はフィルタのQが低い(低Q)条件である。
フィルタのQ、すなわち挿入損失が変化した理由は、主に、可変キャパシタンス105および可変キャパシタンス109を変化させたことにより外部Q(Qext)および負荷Q(Qload)が変化したためであると理解できる。
条件1の挿入損失(0.97dB)をLrf(高Q)、条件2の挿入損失(2.15dB)をLrf(低Q)で表すことにする。
なお、フィルタのQを変化させ得るQ値可変RFバンドバスフィルタ回路の構成例は、図2に示される構成例の回路図だけにとどまるものではない。
例えば、複同調フィルタにおける共振器間結合リアクタンスを可変キャパシタンスで構成すれば、図2に示される構成例の回路図と同じように挿入損失が変化する効果が得られる回路を設計可能である。
以上のように構成された無線受信機1にについて、以下に無線受信機1の制御回路13が実行する処理動作を説明する。
図4(a)は、本発明の実施の形態における無線受信機1の制御回路13で行うQ値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値切り替え閾値を示す図である。
図4(a)には、無線受信機1のアンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPuを横軸、同じく希望波のLNA入力レベルPdを縦軸にとったとき、原点をO、(Pu、Pd)=(Pus1、0)となる点A、(Pu、Pd)=(0、Pds1)となる点Bを結ぶ、三角形OABが示されている。原点Oは、希望波および妨害波のLNA入力レベルが非常に小さい状態(例えば−20dBuV)に相当する。
無線受信機1の制御回路13は、前述した方法で広帯域信号レベルPwdと狭帯域信号レベルPnrから、アンテナ受信信号に含まれる希望波信号のLNA入力レベルPdと妨害波信号のLNA入力レベルPuを決定し、希望波のLNA入力レベルPdと妨害波のLNA入力レベルPuが、三角形OABの内側に相当するか、三角形OABの外側に相当するかを判断する。
さらに、無線受信機1の制御回路13は、アンテナ受信信号に含まれる希望波のLNA入力レベルPdと妨害波のLNA入力レベルPuが、三角形OABの内側に相当する場合は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が高Qのフィルタとなるための制御信号を生成し、アンテナ受信信号に含まれる希望波のLNA入力レベルPdと妨害波のLNA入力レベルPuが、三角形OABの外側に相当する場合は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が低Qのフィルタとなるための制御信号を生成して、生成した制御信号をQ値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
つまり、図4(a)に示される直線ABは、希望波および妨害波の双方のレベルに依存したQ値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値切り替え閾値を示している。
なお、Pus1は、アンテナ受信信号に含まれる希望波のLNA入力レベルPdが極めて弱い条件(例えば−20dBuV)での妨害波のLNA入力レベルにおけるQ値切り替え閾値であり、Pds1は、妨害波のLNA入力レベルが極めて弱い(例えば―20dBuV)条件での希望波のLNA入力レベルにおけるQ値切り替え閾値である。
Pus1、Pds1は、ともに、低雑音増幅器4の最大入力レベル以下の値として指定される。低雑音増幅器4の最大入力レベルとしては、例えば利得1dB圧縮レベル(P1dB)などが使用される。
P1dBの代表的な値は、例えば70dBuVなどである。また、P1dBからバックオフマージンを設けてさらに低い値(例えば60dBuV)に設定し、受信機の線形性を改善することも可能である。
また、低雑音増幅器4の代わりに混合回路5のP1dBを使用することも可能である。Pus1およびPds1の値は、設計者の無線受信機設計の指針に従って適宜決めることができる。
図4(b)は、従来技術におけるQ値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替え閾値を示す図である。
従来の無線受信機1の制御回路13は、前述した方法で広帯域信号レベルPwdと狭帯域信号レベルPnrから、アンテナ受信信号に含まれる妨害波信号のLNA入力レベルPuを決定し、妨害波のLNA入力レベルPuが閾値Pus1より大きいか小さいかを判断する。
さらに、従来の無線受信機1の制御回路13は、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPuが、図4(b)に示す閾値Pus1より小さい場合は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が高Qのフィルタとなるための制御信号を生成し、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPuが、図4(b)に示す閾値Pus1より大きい場合は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が低Qのフィルタとなるための制御信号を生成して、生成した制御信号をQ値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
つまり、図4(b)に示される直線ACは、妨害波のLNA入力レベルPuだけに依存し、希望波のLNA入力レベルPdに依存しないQ値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値切り替え閾値を示している。
以下では、従来のものと比較して本発明の実施の形態のものでは、無線受信機のアンテナ入力レベル(受信電力)のダイナミックレンジが広がることを説明する。
表3は、本発明の実施の形態1における無線受信機1と従来技の無線受信機について、アンテナ受信信号に含まれる希望波のLNA入力レベルと妨害波のLNA入力レベルの異なる幾つかの条件において、Q値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値が高Qまたは低Qのどちらに設定されるかを示す表である。
表3には、アンテナ受信信号に含まれる希望波の信号レベルと妨害波の信号レベルの条件の異なる条件X、Y、Zを示している。条件Xでのアンテナ受信信号に含まれる希望波のLNA入力レベルはPd1、妨害波のLNA入力レベルPu1である。図4(a)および図4(b)において、条件Xを示す点は点P1である。
本実施の形態においては、妨害波のLNA入力レベルPu=Pu1(ただしPu1>Pus1を満たす)のとき、Q値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値切替の条件(閾値)は、希望波のLNA入力レベルPd=無入力レベルO(例えば−20dBuV)となることである。
条件Xのときの希望波のLNA入力レベルPd1は、Pd1>Oを満たす。従って、制御回路13は、図4(a)内で条件Xを示す点P1は、三角形OABの外側であると判断して、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が低Qのフィルタとなるための制御信号を生成
してQ値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
次に、条件Yでのアンテナ受信信号に含まれる希望波のLNA入力レベルはPd2、妨害波のLNA入力レベルPu2である。
図4(a)および図4(b)において、条件Yを示す点は点P2である。本実施の形態においては、妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のとき、Q値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値切替の条件(閾値)は、希望波のLNA入力レベルPd=Pds2(Pds2の値はPu2の値に応じて変化する)となることである。
条件Yのときの希望波のLNA入力レベルPd2は、Pd2<Pds2を満たす。従って、制御回路13は、図4(a)におけるで条件Yを示す点P2が、三角形OABの内側であると判断して、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が高Qのフィルタとなるための制御信号を生成してQ値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
次に、条件Zでのアンテナ受信信号に含まれる希望波のLNA入力レベルはPd3、妨害波のLNA入力レベルPu2である。図4(a)および図4(b)において、条件Zを示す点は点P3である。
本実施の形態においては、妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のとき、Q値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値切替の条件(閾値)は、希望波のLNA入力レベルPd=Pds2(ただしPu2<Pus1を満たす)となることである。
条件Zのときの希望波のLNA入力レベルPd3は、Pd3>Pds2を満たす。従って、制御回路13は、図4(a)における条件Zを示す点P3が、三角形OABの外側であると判断して、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が低Qのフィルタとなるための制御信号を生成してQ値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
一方、従来のものにおいては、図4(b)に示すように、Q値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値切り替え条件は、希望波のLNA入力レベルPdによらずに、妨害波のLNA入力レベルPu=Pus1である。
条件Xのときの妨害波のLNA入力レベルPu1は、Pu1>Pus1を満たし、条件Yおよび条件Zのときの妨害波のLNA入力レベルPu2は、Pu2<Pus1を満たす。
従って、制御回路13は、条件Xのときに、妨害波のLNA入力レベルPu1が閾値Pus1より大きいと判断して、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が低Qのフィルタとなるための制御信号を生成してQ値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
一方、制御回路13は、条件Yと条件Zのときに、妨害波のLNA入力レベルPu2が閾値Pus2より小さいと判断して、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が高Qのフィルタとなるための制御信号を生成してQ値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
従って、表3に示すように、条件Zの場合に、本実施の形態の無線受信機1と従来の無線受信機とにおいて、制御回路13により選択されるQ値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値が異なるため、無線受信機のアンテナ受信レベルのダイナミックレンジが変わる。
以下では、表3の条件X、Y、Zについて、無線受信機のアンテナ受信レベルのダイナミックレンジ(すなわちアンテナ受信レベルの最大入力レベルと実用感度)を考察する。
図5は、本実施の形態の無線受信機および従来の無線受信機において、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベルが条件Xの場合の、アンテナ2から低雑音増幅器(LNA)4入力までの、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移を示す図である。
既に説明したように、条件Xのときは、本実施の形態の無線受信機1においても従来の無線受信機においても、制御回路13は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3が低Qのフィルタとなるための制御信号を生成し、Q値可変RFバンドパスフィルタ3へ出力する。
従って、アンテナ2で受信した信号は、低QフィルタとなったQ値可変RFバンドパスフィルタ3に入力され、Q値可変RFバンドパスフィルタ3の出力信号が低雑音増幅器4へ入力される。
図5の縦軸は信号レベルを示す。図5の縦軸には、低雑音増幅器4の最大入力レベルをレベルFとして示す。同様に、復調信号が所定のSN比となるアンテナ受信レベルである実用感度に対応する低雑音増幅器4の入力レベルをレベルDとして示す。すなわち、低雑音増幅器4の最大入力レベルがF、最小入力レベルがDである。
図5の横軸は、アンテナ1で受信した信号が、図1に示される回路ブロック図の各ブロックを流れる向きを示す。
妨害波51、希望波52などの曲線(または直線)は、所定の条件における妨害波、希望波の、図1の回路ブロック図の各ブロックにおける信号レベルの推移を表す。
それぞれの信号レベルの推移を表す曲線(妨害波51、希望波52など)において、アンテナ入力レベルよりも、LNA入力レベルの方が信号レベルが下がっている。
信号レベルが下がる理由は、アンテナ1で受信した信号が、Q値可変RFバンドパスフィルタ3に入力され、Q値可変RFバンドパスフィルタ3の所定の挿入損失の減衰をした後に出力されて、LNA(低雑音増幅器)4に入力されるためである。
つまり、それぞれの信号レベルの推移を表す曲線(妨害波51、希望波52など)において、アンテナ入力レベルとLNA入力レベルの差は、それぞれの信号におけるQ値可変RFバンドパスフィルタ3の挿入損失を示す。
図5において、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のLNA入力レベルが条件Xの場合の、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のレベル推移をレベル曲線妨害波51、希望波のレベル推移をレベル曲線希望波52として示す。
レベル曲線希望波53は、レベル曲線希望波52の信号レベルを変化させて、希望波のアンテナ入力レベルが最小入力レベル(すなわち実用感度)となるときのレベル推移を示す。
同様に、レベル曲線希望波54は、レベル曲線希望波52の信号レベルを変化させて、希望波のアンテナ入力レベルが最大入力レベルとなるときのレベル推移を示す。
なお、図4(a)および図4(b)に示すように、条件Xのときのアンテナ受信信号に含まれる希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波52の信号レベルを上下させても、Q値可変RFバンドパスフィルタ3のQ値は変わらない。
条件Xの場合の、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルはPu1であるので、妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波51は、横軸「LNA入力」縦軸「Pu1」の点を通る。
同様に、希望波のLNA入力レベルはPd1であるので、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波52は、横軸「LNA入力」縦軸「Pd1」の点を通る。条件Xのとき、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は低Qのフィルタとなるので、同調周波数に設定された希望波の挿入損失はLrf(低Q)である。
従って、希望波のアンテナ入力レベルはPd1+Lrf(低Q)となり、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波52は、横軸「アンテナ入力」縦軸「Pd1+Lrf(低Q)」の点を通る。
同様に、妨害波もQ値可変RFバンドパスフィルタ3を通過するときに減衰を受ける。妨害波の挿入損失は、妨害波の周波数によって異なるが、希望波の挿入損失Lrf(低Q)より大きい。
従って、図5における妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波51は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3の前後で(すなわちアンテナ入力レベルとLNA入力レベルの差は)、希望波の挿入損失Lrf(低Q)より大となる減衰が発生することを、レベル曲線妨害波51とレベル曲線希望波52の傾きの違いとして示している。
レベル曲線希望波53は、レベル曲線希望波52の信号レベルを下げて、希望波のLNA入力レベルが、LNAの最小入力レベルである実用感度レベルDと等しくなった時を示している。
レベル曲線希望波53の示す希望波のアンテナ入力レベルは、D+Lrf(低Q)となる。従って、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu1(ただしPu1>Pus1を満たす)のときに、希望波のアンテナ入力の最小入力レベルはD+Lrf(低Q)となる。
レベル曲線希望波54は、レベル曲線希望波52の信号レベルを上げて、希望波のLNA入力レベルが、LNAの最大入力レベルFと等しくなった時を示している。
レベル曲線希望波54が示す希望波のアンテナ入力レベルは、F+Lrf(低Q)となる。従って、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu1(ただしPu1>Pus1を満たす)のときに、希望波のアンテナ入力の最大入力レベルはF+Lrf(低Q)となる。
以上の検討から、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu1(ただしPu1>Pus1を満たす)のときに、アンテナ受信信号に含まれる希望波のダイナミックレンジDRは、D+Lrf(低Q)<DR<F+Lrf(低Q)となる。
図6は、本実施の形態の無線受信機と従来の無線受信機とにおいて、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベルが条件Yの場合の、アンテナ2から低雑音増幅器(LNA)4入力までの、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移を示す図である。
図6において、条件Yの場合の、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のレベル推移をレ
ベル曲線妨害波61、希望波のレベル推移をレベル曲線希望波62として示す。
レベル曲線希望波63は、レベル曲線希望波62の信号レベルを下げて、希望波のアンテナ入力レベルが最小入力レベル(すなわち実用感度)となるときのレベル推移を示す。
なお、図4(a)に示すように、本実施の形態においては、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)であるときは、希望波のLNA入力レベルPd2<Pds2が成立する限り、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は高Qのフィルタとなる。
また、図4(b)に示すように、従来技術においても、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2であるときは、Pu2<Pus1であるので、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は高Qのフィルタとなる。
条件Yのとき、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2であるので、妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波61は、横軸「LNA入力」縦軸「Pu2」の点を通る。
同様に、希望波のLNA入力レベルはPd2であるので、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波62は、横軸「LNA入力」縦軸「Pd2」の点を通る。条件Yのとき、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は高Qのフィルタとなるので、同調周波数に設定された希望波の挿入損失はLrf(高Q)である。
従って、希望波のアンテナ入力レベルはPd2+Lrf(高Q)となり、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波62は、横軸「アンテナ入力」縦軸「Pd2+Lrf(高Q)」の点を通る。同様に、妨害波もQ値可変RFバンドパスフィルタ3を通過するときに減衰を受ける。
妨害波の挿入損失は、妨害波の周波数によって異なるが、希望波の挿入損失Lrf(高Q)より大きい。
従って、図6における妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波61は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3の前後で(すなわちアンテナ入力レベルとLNA入力レベルの差は)、希望波の挿入損失Lrf(高Q)より大となる減衰が発生することを、レベル曲線妨害波61とレベル曲線希望波62の傾きの違いとして示している。
レベル曲線希望波63は、レベル曲線希望波62の信号レベルを下げて、希望波のLNA入力レベルが、LNAの最小入力レベルである実用感度レベルDと等しくなった時を示している。
レベル曲線希望波63の示す希望波のアンテナ入力レベルは、D+Lrf(高Q)となる。
従って、アンテナ受信信号に含まれる妨害波の信号レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のときに、アンテナ受信信号における希望波の最小入力レベルはD+Lrf(高Q)となる。
図7は、本実施の形態の無線受信機において、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のLNA入力レベルが条件Zの場合の、アンテナ2から低雑音増幅器(LNA)4入力までの、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移を示す図である。
図7において、条件Zの場合の、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のレベル推移をレベル曲線妨害波71、希望波のレベル推移をレベル曲線希望波72として示す。
レベル曲線希望波73は、レベル曲線希望波72の信号レベルを上げて、希望波のアンテナ入力レベルが最大入力レベルとなるときのレベル推移を示す。
なお、図4(a)に示すように、本発明では、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2であるときは、希望波のLNA入力レベルPd3>Pds2が成立する限り、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は低Qのフィルタとなる。
条件Zのとき、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2であるので、妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波71は、横軸「LNA入力」縦軸「Pu2」の点を通る。
同様に、希望波のLNA入力レベルはPd3であるので、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波62は、横軸「LNA入力」縦軸「Pd3」の点を通る。条件Zのとき、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は低Qのフィルタとなるので、同調周波数に設定された希望波の挿入損失はLrf(低Q)である。
従って、希望波のアンテナ入力レベルはPd3+Lrf(低Q)となり、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波72は、横軸「アンテナ入力」縦軸「Pd3+Lrf(低Q)」の点を通る。
同様に、妨害波もQ値可変RFバンドパスフィルタ3を通過するときに減衰を受ける。妨害波の挿入損失は、妨害波の周波数によって異なるが、希望波の挿入損失Lrf(低Q)より大きい。
従って、図7における妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波71は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3の前後で(すなわちアンテナ入力レベルとLNA入力レベルの差は)、希望波の挿入損失Lrf(低Q)より大となる減衰が発生することを、レベル曲線妨害波71とレベル曲線希望波72の傾きの違いとして示している。
レベル曲線希望波73は、レベル曲線希望波72の信号レベルを上げて、希望波のLNA入力レベルが、LNAの最大入力レベルであるレベルFと等しくなった時を示している。
レベル曲線希望波73の示す希望波のアンテナ入力レベルは、F+Lrf(低Q)となる。従って、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のときに、アンテナ受信信号における希望波の最大入力レベルはF+Lrf(低Q)となる。
なお、レベル曲線希望波74は、図6に示したレベル曲線希望波63の示す、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のときの、アンテナ受信信号における希望波の最小入力レベルのレベル推移を示す曲線である。
以上の検討から、本実施の形態においては、アンテナ受信信号に含まれる妨害波の信号レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のときに、アンテナ受信信号に含まれる希望波のダイナミックレンジDRは、D+Lrf(高Q)<DR<F+Lrf(低Q)となる。
図8は、従来の無線受信機において、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベルが条件Zの場合の、アンテナ2から低雑音増幅器(LNA)4入力までの、アンテナ受信信号に含まれる希望波と妨害波のレベル推移を示す図である。
図8において、条件Zの場合の、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のレベル推移をレベル曲線妨害波81、希望波のレベル推移をレベル曲線希望波82として示す。
レベル曲線希望波83は、レベル曲線希望波82の信号レベルを上げて、希望波のアンテナ入力レベルが最大入力レベルとなるときのレベル推移を示す。
なお、図4(b)に示すように、本実施の形態においては、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)であるときは、希望波の信号レベルに関わりなく、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は高Qのフィルタとなる。
条件Zのとき、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2であるので、妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波81は、横軸「LNA入力」縦軸「Pu2」の点を通る。
同様に、希望波のLNA入力レベルはPd3であるので、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波62は、横軸「LNA入力」縦軸「Pd3」の点を通る。
条件Zのとき、Q値可変RFバンドパスフィルタ3は高Qのフィルタとなるので、同調周波数に設定された希望波の挿入損失はLrf(高Q)である。
従って、希望波のアンテナ入力レベルはPd3+Lrf(高Q)となり、希望波のレベル推移を示すレベル曲線希望波82は、横軸「アンテナ入力」縦軸「Pd3+Lrf(高Q)」の点を通る。
同様に、妨害波もQ値可変RFバンドパスフィルタ3を通過するときに減衰を受ける。妨害波の挿入損失は、妨害波の周波数によって異なるが、希望波の挿入損失Lrf(高Q)より大きい。
従って、図8における妨害波のレベル推移を示すレベル曲線妨害波81は、Q値可変RFバンドパスフィルタ3の前後で(すなわちアンテナ入力レベルとLNA入力レベルの差は)、希望波の挿入損失Lrf(高Q)より大となる減衰が発生することを、レベル曲線妨害波81とレベル曲線希望波82の傾きの違いとして示している。
レベル曲線希望波83は、レベル曲線希望波82の信号レベルを上げて、希望波のLNA入力レベルが、LNAの最大入力レベルであるレベルFと等しくなった時を示している。レベル曲線希望波73の示す希望波のアンテナ入力レベルは、F+Lrf(高Q)となる。従って、アンテナ受信信号に含まれる妨害波の信号レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のときに、アンテナ受信信号における希望波の最大入力レベルはF+Lrf(高Q)となる。
なお、レベル曲線希望波84は、図6に示したレベル曲線希望波63の示す、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のときの、アンテナ受信信号における希望波の最小入力レベルのレベル推移を示す曲線である。
以上の検討から、従来技術では、アンテナ受信信号に含まれる妨害波のLNA入力レベ
ルPu=Pu2(ただしPu2<Pus1を満たす)のときに、アンテナ受信信号に含まれる希望波のダイナミックレンジDRは、D+Lrf(高Q)<DR<F+Lrf(高Q)となる。
以上、本発明と従来技術の無線受信機におけるアンテナ受信レベルのダイナミックレンジについて検討した結果を表4に示す。
つまり、本実施の形態の無線受信機のアンテナ受信レベルのダイナミックレンジDRは、アンテナ受信信号における妨害波のLNA入力レベルPu<Pus1のときは、D+Lrf(高Q)<DR<F+Lrf(低Q)となる。
一方、従来の無線受信機のアンテナ受信レベルのダイナミックレンジDRは、アンテナ受信信号における妨害波のLNA入力レベルPu<Pus1のときは、D+Lrf(高Q)<DR<F+Lrf(高Q)となる。
Lrf(低Q)>Lrf(高Q)であるから、本発明の無線受信機では、アンテナ受信信号における妨害波の信号レベルPu<Pus1のときの最大入力レベルが、従来技術の無線受信機より改善した(信号レベルが上がった)ことが明らかである。
以上のように本実施の形態によれば、Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替え条件を、妨害波がより小さい信号レベルになるほど、希望波がより大きい信号レベルとなることとして定めたため、妨害波の信号レベルに応じて、希望波のアンテナ受信レベルのダイナミックレンジの最大入力レベルを改善させる(上げる)ことができる。従って、無線受信機のダイナミックレンジを広げることができる。
なお、Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替え閾値を、図4(a)に示される点ABを結ぶ直線とした。従って、制御回路13は、Pus1とPds1の値を記憶しておくことにより、次のようにして、Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替え条件を算出できる。
(1)妨害波のLNA入力レベルPu>Pus1であるとき、希望波のLNA入力レベルPdに無関係に低Qのフィルタを指定する。
(2)妨害波のLNA入力レベルPu<Pus1であるとき、希望波のLNA入力レベルPd<−(Pds1/Pus1)×Pu+Pds1であれば、高Qのフィルタを指定する。
(3)妨害波のLNA入力レベルPu<Pus1であるとき、希望波のLNA入力レベルPd>−(Pds1/Pus1)×Pu+Pds1であれば、低Qのフィルタを指定する。
以上のようにして、アンテナ受信信号における妨害波と希望波のLNA入力レベルに応じたQ値切り替え閾値の算出が可能である。
なお、実施の形態1では、Q値可変RFバンドパスフィルタ3と混合回路5の間に増幅回路4が挿入された構成としたが、増幅回路を省略する構成においても同様に実現可能である。
また、混合回路5には、サンプリングミキサを用いることも可能である。また、Q値可変バンドパスフィルタの構成素子として、MEMSによる可変リアクタンス素子や、可変抵抗素子などを用いることも可能である。
なお、実施の形態では、Q値切り替え閾値が、アンテナ受信信号における希望波と妨害波のLNA入力レベルに応じて直線的に変化する構成としたが、閾値は曲線的に変化しても問題ない。
なお、信号レベルが時間的に激しく変動する環境において、Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替えがノイズ源となることを防止するため、制御回路13は、制御回路13が出力するQ値可変RFバンドパスフィルタのQ値制御信号を一定時間保持し、保持時間中はQ値制御信号を変更せず、保持時間が経過したのちに、次のQ値制御信号を出力するようにしてもよい。
なお、Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値切り替えは、高Qと低Qの2段階だけで行われる必要はなく、多段、もしくは連続的に変化するようにしてもよい。Q値切り替えを多段化し一度に切りかえるQ値切り替え幅を小さくしたり、Q値を連続的に変化させたりすることによって、低雑音増幅器4の入力レベルの時間的な変化を緩やかにすることができ、無線受信機の安定性を向上させることができる。
なお、無線受信機1の電気的構成にはAGC回路を含んでも良い。例えば、可変アテネータ回路をアンテナ1と低雑音増幅器4の間に設置しても良い。図1に示す電気的構成からなる無線受信機にAGC回路を追加することによって、無線受信機1のアンテナ受信レベルのダイナミックレンジをさらに広げることができる。
本発明の無線受信機は、特に移動体に搭載された無線受信機、車載ラジオ放送受信機、TV放送受信機等として有用である。
1 無線受信機
2 アンテナ
3 Q値可変バンドパスフィルタ
4 低雑音増幅器
5 混合回路
6 局部発振回路
7 中間周波数バンドパスフィルタ
8 中間周波数増幅期
9 復調回路
10 出力回路
11 第1の検波回路
12 第2の検波回路
13 制御回路

Claims (2)

  1. 希望波の周波数に同調して受信信号を濾波するRFバンドパスフィルタに関連して同調信号の挿入損失を少なくとも2値以上に変化させうるQ値可変RFバンドバスフィルタと、受信信号の増幅を行う増幅回路と、受信レベルを検波する第1の検波回路と、受信レベルを検波する第2の検波回路と、前記Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値を指定する制御信号を出力する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記第1の検波回路の出力と前記第2の検波回路の出力に応じて算出される希望波と妨害波の受信レベルに応じて、前記Q値可変RFバンドパスフィルタのQ値を切り替える制御信号を前記Q値可変RFバンドパスフィルタへ出力することを特徴とする無線受信機。
  2. 前記制御回路は、閾値であるPus1と他の閾値であるPds1の値とを記憶し、
    前記妨害波の受信レベルがPus1より大であるとき、前記Q値可変RFバンドパスフィルタが低Qのフィルタとなる制御信号を出力し、
    前記妨害波の受信レベルがPus1より小であるとき、前記希望波の受信レベルが−(Pds1/Pus1)×(妨害波の受信レベル)+Pds1より小であれば前記Q値可変RFバンドパスフィルタが高Qのフィルタとなる制御信号を前記Q値可変RFバンドパスフィルタへ出力し、
    前記妨害波の受信レベルがPus1より小であるとき、前記希望波の受信レベルが−(Pds1/Pus1)×(妨害波の受信レベル)+Pds1より大であれば前記Q値可変RFバンドパスフィルタが低Qのフィルタとなる制御信号を前記Q値可変RFバンドパスフィルタへ出力することを特徴とする、請求項1に記載の無線受信機。
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