JP2007278523A - 熱源システムおよびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電圧低下が発生し、電動モータ、冷却水ポンプおよび冷水ポンプの少なくとも一つが停止した場合であっても、所定時間内は、無停電電源からの給電を受けて、電動モータ、冷却水ポンプおよび冷水ポンプに対して運転指令信号を出力し続けるとともに、所定時間内に復電した場合に、運転指令信号により、電動モータ、冷却水ポンプおよび冷水ポンプを再起動することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
冷凍機が停止する場合には、異常停止(トリップ)や電圧低下停止等がある。トリップは、冷凍機を構成する各機器の異常発生が原因となるため、適切なメンテナンスや日常管理によって回避することができる。しかし、電圧低下停止については、メンテナンスや日常管理によって避けることができない。
一般的に、定格電圧に対して15%以上の電圧低下があると、多くの電気機器が停止することから、定格点圧の85%以下の状態が電圧低下であると理解されている。電圧低下の中には、通常の長時間にわたる電圧低下だけでなく、落雷などに起因する瞬時電圧低下(以下「瞬低」という。)といわれる短時間(200msec〜2sec)の電圧低下がある。このような200msec〜2sec程度の短時間の電圧低下であっても、無停電源を持たない冷凍機などの多くの機器を停止させてしまう(瞬低停止)のが現状である。
一方、瞬低停止からの復帰については、特許文献1に示すように、瞬低停止前の負荷熱量に基づいて運転台数制御を再開するという技術が知られている。
すなわち、本発明にかかる熱源システムは、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機にて圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器にて凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁にて膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機を駆動する電動モータと、前記凝縮器に供給された冷媒を冷却する冷却水を供給する冷却水ポンプと、前記蒸発器に供給された冷媒に冷却される冷水を供給する冷水ポンプと、前記電動モータを含む冷凍機を制御する冷凍機制御部と、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプを含む熱源システムの運転を制御するシステム制御部と、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプとは接続されず、前記冷凍機制御部及び前記システム制御部に接続された無停電電源と、を備えた熱源システムにおいて、電圧低下が発生し、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプの少なくとも一つが停止した場合であっても、所定時間内は、前記無停電電源からの給電を受けて、前記冷凍機制御部を介して前記電動モータに対して運転指令信号を出力し続け、かつ、前記システム制御部を介して前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプに対して運転指令信号を出力し続けるとともに、前記所定時間内に電圧復帰した場合に、前記運転指令信号により、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプを再起動することを特徴とする。
ここで、「所定時間」とは、瞬低停止の期間と同等かそれ以上の期間を意味し、例えば、200msec〜5sec程度の時間を意味する。
「待機時間」は、「所定時間」よりも短い時間に設定され、例えば、3秒程度に設定される。
電動モータ回転数取得手段としては、電動モータに取り付けられた回転パルスセンサを用いることができる。
ここで、「所定時間」とは、瞬低の期間と同等かそれ以上の期間を意味し、例えば、200msec〜5sec程度の時間を意味する。
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。
図1には、熱源システム1の概略が示されている。
熱源システム1は、ターボ冷凍機(熱源機)3を備えている。なお、本実施形態では、ターボ冷凍機3が1台とされているが、2台以上であってもかまわない。
電動モータ15及びインバータ17を駆動する電力は、必要とする電源容量が大きいため無停電電源には接続されておらず、電圧低下時のバックアップはなされていない。
冷却水ポンプ30を駆動する電力は、必要とする電源容量が大きいため無停電電源には接続されておらず、電圧低下時のバックアップはなされていない。
還用冷水配管35には、冷水を圧送するための冷水ポンプ40が設けられている。冷水ポンプ40には、インバータ41が設けられており、冷水ポンプ40の回転周波数が変更できるようになっている。インバータ41は、システム制御盤5によって制御される。システム制御盤5の指示により、インバータ41の周波数が適宜設定され、これにより冷水ポンプ40の吐出流量が決定される。
冷水ポンプ40は、無停電電源には接続されておらず、電圧低下時のバックアップはなされていない。
また、冷凍機制御盤20は、無停電電源45に接続されており、電圧低下時にも給電されるようになっている。
システム制御盤5は、無停電電源46に接続されており、電圧低下時にも給電されるようになっている。なお、システム制御盤5の無停電電源46は、冷凍機制御盤20の無停電電源45と共通化しても良い。
システム制御盤5から起動信号が発せられる。この起動信号を受けて、ターボ冷凍機3は、一連の起動シーケンスを経て起動される。具体的には、ターボ冷凍機3へ起動信号を送り、冷凍機制御盤20から発せられた、冷却水ポンプ30および冷水ポンプ40の起動信号をシステム制御盤5が受け、冷却水ポンプ30及び冷水ポンプ40を起動する。これによって冷却水および冷水が流される。冷却水流量および冷水流量が所定値を超えたことを、各差圧スイッチ33,39の出力値および各インバータ31,41から得られる所定回転数に達したこと、または所定時間の経過から冷凍機制御盤20において確認し、ターボ圧縮機9を起動する。
冷媒は、ターボ圧縮機9にて圧縮された後、凝縮器11へと送られ、凝縮液化する。凝縮熱は冷却水によって除去される。凝縮液化した冷媒は、膨張弁12にて膨張させられた後、蒸発器13へと送られ、蒸発器13にて蒸発する。蒸発する際に、冷水から蒸発潜熱を奪い、冷水を冷却する。冷却された冷水は、外部の熱負荷へと供給され、クリーンルームや工場プロセスに用いられる。
電圧低下が発生すると、電動モータ9、冷却水ポンプ30および冷水ポンプ40には給電されなくなるので、各インバータ17,31,41にて電圧低下が検出される。また、冷却水ポンプ30および冷水ポンプ40への給電が停止されると、冷却水流量および冷水流量が急激に低下する。この流量低下は各差圧スイッチ33,39によって検出される。このように、インバータ17,31,41によって検出された電圧低下信号または差圧スイッチ33,39によって検出された低流量信号は、冷凍機制御盤20へと送信される。これに基づいて、システム制御盤5及び冷凍機制御部20は、停止シーケンスを行う。停止シーケンスに従い、各機器は停止させる。その後、電圧復帰すると、起動シーケンスにしたがって、各機器が起動させられる。
図2は、各信号に対する時間変化が示されている。
同図において、「冷水ポンプINV瞬停検出信号」とは、冷水ポンプ40のインバータ41によって検出される電圧低下信号である。この信号は、冷凍機制御盤20へと出力される。冷水ポンプINV瞬停検出信号は、Hiが電圧低下を検出していないことを示し、Loが電圧低下を検出していることを示す。
同図からわかるように、時刻t0において電圧低下(図において「瞬低」)し、駆動電力の供給が停止しても、非常に短い時間では(例えば10msec)検知できないため時間遅れが生じ、即座には電圧低下は検出されない。時刻t0から所定時間遅延した後の時刻t1において電圧低下が検出される(信号はLo)。その後、時刻t2にて電圧復帰すると、信号はHiとなる。
無停電電源45,46に冷凍機制御盤20およびシステム制御盤5を接続し、電圧低下時にも電力を供給し、電動モータ15のインバータ17、冷却水ポンプ30のインバータ31および冷水ポンプ40のインバータ41に対し、運転指令信号を出力し続けることとしたので、電圧低下した場合に即座に熱源システム1が停止シーケンスに入ることがない。したがって、停止シーケンス後に起動シーケンスを行って再起動するという迂遠なシーケンスを経る必要がない。
そして、所定時間内に電圧復帰した場合には、システム制御盤5および冷凍機制御盤20から出力され続けている運転指令信号を受けて、起動シーケンスを行わずに、電動モータ9、冷却水ポンプ30、冷水ポンプ31を起動することとしたので、短時間で通常運転に復帰させることができる。
また、電圧低下が発生しても、所定時間内であれば、冷却水流量または冷水流量が停止シーケンス閾値以下となりインターロックが発生した場合であっても、熱源システム1の停止シーケンスを行わないこととした。これにより、停止シーケンス及び起動シーケンスといった一連の再起動のシーケンスを経ずに、短時間で通常運転に復帰させることができる。なお、このような冷水流量や冷却水流量によるインターロックに限らず、油圧インターロックやポンプインターロックについても同様に適用することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、図2に対応した瞬低による停止・復帰シーケンスの一部が異なり、その他は同様である。したがって、第1実施形態に対する相違点のみ説明する。
本実施形態は、時刻t1にて電圧低下が検知される前に、例えば冷水流量または冷却水流量が低下して、インターロックが発生した場合の制御方法である。
冷却水ポンプ30や冷水ポンプ40に駆動電力が供給されなくなり、ポンプの駆動力が低下すると、冷却水や冷水の流量は即座に低下する。このように冷却水や冷水の流量低下の応答が早いので、インバータ31,41によって電圧低下を検知する前に、流量低下が検知されてしまう場合がある。このように、電圧低下を検出する前に、冷却水流量または冷水流量が停止シーケンス閾値以下となりインターロックが発生した場合には、熱源システム1は、停止シーケンスに入ってしまう。これでは、瞬低の場合であっても、停止シーケンス及び起動シーケンスといった一連の再起動のシーケンスを行うことになり、通常運転への復帰に時間がかかることになる。
したがって、時刻t1’にて流量が閾値以下となり、待機時間△t内にインバータ31,41等によって電圧低下が検出されれば、第1実施形態と同様に、復帰シーケンスが行われる。
これに対して、待機時間△t内に電圧低下が検出されない場合には、通常の停止シーケンスが行われる。
以上の通り、本実施形態によれば、電圧低下の検知よりも前に冷却水流量または冷水流量が低下してインターロックが発生した場合であっても、停止シーケンス及び起動シーケンスを経ずに通常運転に復帰させることができる。
3 ターボ冷凍機
9 ターボ圧縮機
11 凝縮器
12 膨張弁
13 蒸発器
15 電動モータ
17 インバータ
20 冷凍機制御盤(制御部)
30 冷却水ポンプ
31 インバータ
40 冷水ポンプ
41 インバータ
45,46 無停電電源
Claims (6)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
該圧縮機にて圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
該凝縮器にて凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、
該膨張弁にて膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
前記圧縮機を駆動する電動モータと、
前記凝縮器に供給された冷媒を冷却する冷却水を供給する冷却水ポンプと、
前記蒸発器に供給された冷媒に冷却される冷水を供給する冷水ポンプと、
前記電動モータを含む冷凍機を制御する冷凍機制御部と、
前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプを含む熱源システムの運転を制御するシステム制御部と、
前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプとは接続されず、前記冷凍機制御部及び前記システム制御部に接続された無停電電源と、
を備えた熱源システムにおいて、
電圧低下が発生し、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプの少なくとも一つが停止した場合であっても、所定時間内は、前記無停電電源からの給電を受けて、前記冷凍機制御部を介して前記電動モータに対して運転指令信号を出力し続け、かつ、前記システム制御部を介して前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプに対して運転指令信号を出力し続けるとともに、
前記所定時間内に復電した場合に、前記運転指令信号により、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプを再起動することを特徴とする熱源システム。 - 電圧低下が発生し、該電圧低下を検出した後に、当該熱源システムの停止シーケンスを開始するインターロックが発生した場合であっても、前記所定時間内は停止シーケンスを行わないことを特徴とする請求項1記載の熱源システム。
- 電圧低下が発生し、該電圧低下を検出する前に、当該熱源システムの停止シーケンスを開始するインターロックが発生した場合であっても、所定の待機時間内は停止シーケンスを行わないことを特徴とする請求項2記載の熱源システム。
- 前記電動モータの回転数を変更可能とするインバータ装置と、
前記電動モータの回転数を得る電動モータ回転数取得手段と、を備え、
電圧復帰した場合に、前記電動モータ回転数取得手段によって得られた回転数に基づき、
前記インバータ装置を制御して前記電動モータを再起動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱源システム。 - 前記電動モータは、一定の回転数で回転する固定速モータとされ、
前記電動モータの回転数を得る電動モータ回転数取得手段を備え、
復電した場合に、前記電動モータ回転数取得手段によって得られた回転数が0となった後に、前記電動モータを再起動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱源システム。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、
該圧縮機にて圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
該凝縮器にて凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、
該膨張弁にて膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
前記圧縮機を駆動する電動モータと、
前記凝縮器に供給された冷媒を冷却する冷却水を供給する冷却水ポンプと、
前記蒸発器に供給された冷媒に冷却される冷水を供給する冷水ポンプと、
前記電動モータを含む冷凍機を制御する冷凍機制御部と、
前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプを含む熱源システムの運転を制御するシステム制御部と、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプとは接続されず、前記制御部および前記システム制御部に接続された無停電電源と、
を備えた熱源システムの制御方法において、
電圧低下が発生し、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプの少なくとも一つが停止した場合であっても、所定時間内は、前記無停電電源からの給電を受けて、前記冷凍機制御部を介して前記電動モータに対して運転指令信号を出力し続け、かつ、システム制御部を介して前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプに対して運転指令信号を出力し続けるとともに、
前記所定時間内に復電した場合に、前記運転指令信号により、前記電動モータ、前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプを再起動することを特徴とする熱源システムの制御方法。
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