JP2007278353A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】作業車両は、摩擦接続によって伝動力制御をする走行用クラッチ(21a…)および作業機用クラッチ(26)を内装してエンジンから受けた動力を変速伝動する変速伝動部と、この変速伝動部のクラッチ制御をおこなう制御部(41)とを備えて構成され、上記制御部(41)は、上記クラッチ接続のピストンストロークに基づいてクラッチを制御するとともに、少なくとも一つのクラッチのピストンストロークをそのストローク動作に基づいて推定処理する調整モードを備えるものである。
【選択図】図6
Description
これらのクラッチの制御は、クラッチおよび駆動制御系の構成の設計仕様に応じた動作特性により一定精度でクラッチを制御することができる。
上記制御部によって調整モードの処理がされるとクラッチのピストンストロークが現実のストローク動作に基づいて推定され、このピストンストロークによってクラッチが制御される。
走行伝動系の遮断とクラッチの突き回り等によるミッション内負荷の影響の遮断とによって測定が安定化され、また、モーメンタリ式操作部によりオペレータの介入を受けて測定がされる。
クラッチの入位置までの現実のストローク動作に要するストローク時間が得られる。
ストローク動作の繰り返えしによる二回目以降のストローク動作により、オイル循環の不十分なエンジン始動直後より状態が安定化される。
ストローク動作異常に対する判定により、動作異常のクラッチが所定時間内に判定される。
本発明の作業車両の1例としての農用トラクタ1は、機体側面図を図14に示すように、前輪2、2と後輪3、3とを備えた機体前部のボンネット内にエンジン4を搭載し、このエンジン4の回転動力をミッションケース5内の変速伝動部5aに伝達し、この変速伝動部5aで適宜減速された動力を前輪2、2と後輪3、3とに伝達するとともに、後部のPTO軸6を介して作業機6aに出力するように構成している。
また、オペレータによる操作のために、ミッションケース5の上部に操縦席7を設けて操作部を構成し、ステアリングハンドル11の近傍に前後進切換の前後進切換レバー13、基部にクラッチペダル15等が配置され、制御部Cにより自動変速可能に構成される。
油圧制御系の制御構成は、図3に示すように、制御部41の入力側にモーメンタリ式操作部としてのクラッチペダルの踏込み検出スイッチ42pと踏込みストロークを検出するストロークセンサ42s、アクセルの踏込みストロークを検出するアクセルセンサ43、副変速位置センサ24p、前後進操作レバー21p、チェックスイッチ44等の操作機器を接続して操作信号を入力し、油温センサ32t、前後進圧力センサ34p、1速3速クラッチの圧力センサ37p、2速4速クラッチの圧力センサ37q、高低速変速機構23のクラッチセンサ38p、38q等の機器動作センサによるセンサ信号を入力する。
変速伝動部の要部拡大軸線展開図を図4に示すように、走行系動力伝達機構のコントロールバルブブロック50をミッションケース5の外側面に配置し、クラッチCをコントロールする油路をミッションケース5に、クラッチCを配置するシャフトSに加工油路を通して作動油を供給する場合は、シャフトSの長手方向の穴径およびミッションケース5側油路51、52の穴径を大きく、クラッチCと直接接する穴53(シャフトSの長手方向に直交する穴)を小さく形成する。
調整モードはクラッチの動作制御に必要な各クラッチの入位置を設定するクラッチ初期調整を行うモードである。このクラッチ初期調整は、調整モードの適用指示のためのチェックモード信号によって制御部41により処理し、走行用クラッチを含む作業車両のクラッチのピストンストロークをそのストローク動作の測定によって推定を行う。
まず、調整モードの開始については、フローチャート(1)を図6に示すように、データ読込(S1)により、制御部の電源投入直後(S2)においては、所定の3条件、すなわち、チェックモードが入力チェック判定(S3)、モーメンタリ式操作部である増減速スイッチが共にオンの判定処理(S4)、副変速レバーが中立位置の判定処理(S5)により全て該当することを条件に、エンジンが所定回転数以上(S6)になるのを待ってクラッチ初期調整モード処理(S7)に入る。
クラッチ初期調整モードは、フローチャート(2)(3)を図7、図8にそれぞれ示すように、調整動作中についての判定処理(S11)により該当するまでの間、クラッチペダルスイッチ42p、増減速スイッチの全てがオンからオフへ変化して調整動作中セット、調整動作スタートセットの処理(S13a〜S13c)を待ち、その上で、クラッチペダルスイッチオンの判定処理(S12)により、該当すればペダル操作解除の上で再調整を要する旨の所定の表示処理(S12a)をして終了する。
クラッチペダル操作部には、2つの検出手段、すなわち、クラッチペダル踏み込み位置付近で切り替わるスイッチ42pとクラッチペダルの操作ストロークをアナログ的に検出するセンサ42sとを設け、ペダル位置に対する指示圧力を決めるために前述の初期調整モードを設ける。この調整モードにより、図12のペダル動作線図(a)およびセンサ展開線図(b)に示すように、クラッチペダルスイッチ42pの切り替わり位置H2を基準にクラッチペダルストロークセンサ42sの圧力指示位置を設定する。調整処理の完了時には、正常、異常の判定に応じたブザー出力および異常判定時にその旨をモニター表示により警告する。
メカニカルなエンジンのアクセル操作装置(メカガバナ)と連動して動作し、ガバナ側のアクセル操作量を検出するセンサを設けた構成において、初期調整モードを設け、調整モードの中でセンサ指示値(検出値)とエンジン回転数の関係のラインCを形成して制御に使用する場合に、図13(a)のセンサ検出特性図に示すように、調整モードではアイドリング回転と対応するLoアイドルP1付近と、定格回転と対応するHiアイドルP2付近と、その他の中間位置P3の少なくとも3点のアクセルセンサ指示値とそのときのエンジン回転数を検出し、各ポイントP1,P3,P2を順に直線で結んだラインL1,L2を指示位置と判断して制御に使用するように構成する。
13 前後進切換レバー
15 クラッチペダル
18 変速レバー
21 前後進切替部
21a 前進クラッチ
21b 後進クラッチ
21p 前後進操作レバー
22 四速変速機構
22a〜22d 1速〜4速クラッチ
23 高低速変速機構
23a Loクラッチ
23b Hiクラッチ
24 副変速部
26 PTOクラッチ
34a 前後進圧力センサ
37c 圧力センサ
37d 圧力センサ
41 制御部(ECU)
43 アクセルセンサ
44 チェックスイッチ
Ts 基準イニシャル時間
Claims (5)
- 摩擦接続によって伝動力制御をする走行用クラッチ(21a…)および作業機用クラッチ(26)を内装してエンジンから受けた動力を変速伝動する変速伝動部(5a)と、この変速伝動部(5a)のクラッチ制御をおこなう制御部(41)とを備える作業車両において、
上記制御部(41)は、上記クラッチ接続のピストンストロークに基づいてクラッチを制御するとともに、少なくとも一つのクラッチのピストンストロークをそのストローク動作に基づいて推定処理する調整モードを備えることを特徴とする作業車両。 - 前記変速伝動部(5a)は、副変速レバー(18)によって変速比を切換える副変速機構(24)を前記走行変速用クラッチ(22a〜22d)と直列に備え、かつ、前記制御部(41)による調整モードの処理は、調整モードの適用指示のためのチェックモード信号に加え、上記副変速レバー(18)が中立位置で、前記クラッチ(21a…)の動作指示用のモーメンタリ式操作部(42p)が操作オンである場合であって、エンジン始動後の同モーメンタリ式操作部(42p)の操作オフを条件とすることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
- 前記調整モードは、クラッチの切位置から入動作させる作動用バルブへの圧力制御出力を行い、この圧力制御出力の開始からクラッチの入位置と対応する規定圧に達するまでの基準イニシャル時間(Ts)を測定し、この基準イニシャル時間(Ts)に基づいてそのピストンストロークの推定をすることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
- 前記調整モードは、対象のクラッチのストローク動作を繰り返し、その二回目以降のストローク動作に基づいてそのピストンストロークを推定することを特徴とする請求項1記載の作業車両。
- 前記調整モードは、圧力制御出力から別途設定による最大駆動時間内に前記規定圧に達しない場合にそのピストンストロークの推定をすることなく、異常と判定することを特徴とする請求項3記載の作業車両。
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