JP2007273844A - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007273844A
JP2007273844A JP2006099232A JP2006099232A JP2007273844A JP 2007273844 A JP2007273844 A JP 2007273844A JP 2006099232 A JP2006099232 A JP 2006099232A JP 2006099232 A JP2006099232 A JP 2006099232A JP 2007273844 A JP2007273844 A JP 2007273844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
region
less
semiconductor element
type conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006099232A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanari Kawaguchi
真生 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2006099232A priority Critical patent/JP2007273844A/ja
Publication of JP2007273844A publication Critical patent/JP2007273844A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】GaN系半導体の窒素面上に、コンタクト抵抗の低いn電極を形成する。
【解決手段】GaN基板上に形成された半導体レーザ素子においてGaN基板の窒素面を研磨して薄片化する。その後、N面にn電極形成の前処理、たとえば、ICP装置によるプラズマ処理を加える。このとき、前処理条件を適切に設定することで、面の表面粗さのRMSを、60nm以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、GaN系半導体におけるn電極のコンタクト抵抗を低減する技術に関する。
GaN系半導体は、高耐圧、高速電子デバイスのほか、青色または白色LED、青紫色レーザなどの発光素子に用いられる重要な材料である。GaN系半導体のn型コンタクト抵抗を低減することで、素子の動作電圧を低減し、高効率な素子、たとえば、高出力かつ高信頼性の青紫色レーザが実現可能となる。
GaN系半導体素子において、高効率動作および高信頼性を実現するためには、n電極における電圧降下を低く保つ必要がある。そのために、高い熱的安定性を持ち、コンタクト抵抗が低いn電極が必要である。従来、GaN系半導体素子には六方晶GaN系結晶が用いられ、そのGa面に対して幅広く電極技術の開発がなされてきた(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年、n型導電性の六方晶GaN基板のN面や、R面サファイア基板上R面GaNなど、Ga面以外の面を用いたGaN系素子の研究開発が行われつつある。これは、たとえば、Ga面にp電極を、反対側のN面にn電極を有するGaN系青紫色レーザでは、Ga面にpおよびn電極の両方を有する場合にくらべてチップサイズを低減できるほか、プロセスが簡便となりコスト削減が可能となるなど、Ga面以外の面を活用することで、新しいデバイス構成や機能が実現できるためである。
この、N面にn電極を有するGaN系青紫色レーザとしては、例えば、特許文献2や特許文献3に記載されたものが知られている。
特許文献2には、研磨されたGaN基板の裏面を反応性イオンエッチングによりエッチングして清浄化を行って鏡面とし、さらにAlを含む電極を形成することが記載されている。
特許文献3には、GaN基板の裏面を研磨して裏面の凹凸を平均30nm以下、例えば1nmとし、さらにその上にTi/Al電極を形成することが記載されている。
特開平7−45867号公報 特開2004−6718号公報 特開2002−185085号公報
ところで、GaN系半導体素子を実装するにあたり、半導体素子にワイヤボンディングを施すことや、サブマウントに載置することが行われる。その際、GaN基板の裏面側に半田づけを行う。この半田づけ工程は通常半田が融解する温度以上で行われるが、半田の融点が通常のGaN系半導体素子のプロセス温度(結晶成長やp型アニール技術)よりも低いために、この半田づけの際の熱の影響については考慮が払われていなかった。
本願発明者らは、GaN基板のN面にn電極を形成した場合、Ga面にくらべてコンタクト抵抗が高く、また、コンタクト抵抗の耐熱性が劣る(熱処理を行うとコンタクト抵抗が上昇する)という課題を見いだし、その課題に対し様々な対策を講じた。本願発明は、これらの対策を通じて得られた知見によりなされたものである。
発明者は、N面にn電極を形成する場合、これらの面の表面平坦性を高めれば、電極のコンタクト抵抗を低くできることを見出した。すなわち、表面平坦性を高めれば、後に高い温度で熱処理を行っても、コンタクト抵抗を許容範囲内に収めることができる。
本発明の第1の半導体素子は、六方晶窒化ガリウム(GaN)系結晶からなり、窒素(N)面の表面を有する半導体基板と、前記半導体基板のうち前記窒素面が露出する部分に形成されたn型導電性領域と、前記n型導電性領域における前記窒素面の少なくとも一部の表面上に形成されたn電極とを備え、前記n型導電性領域と前記n電極との界面における前記窒素面の表面粗さの平均平方根(Root Mean Square,RMS)が60nm以下である。
このように、平均平方根が60nm以下であれば、n電極を形成した後に200℃程度の温度で熱処理を行っても、n型導電性領域とn電極との間のコンタクト抵抗を許容範囲内に収めることができる。
本発明の第1の半導体素子において、前記n電極のうち前記n型導電性領域と接する面と反対側の面の上は、PbSn半田を介してサブマウントに接着されていてもよい。
本発明の第1の半導体素子において、前記平均平方根が20nm以下であってもよい。この場合には、300℃程度の温度で熱処理を行っても、コンタクト抵抗を許容範囲内に収めることができる。
この場合には、前記n電極のうち前記n型導電性領域と接する面と反対側の面の上は、AnSn半田を介してサブマウントに接着されていてもよい。
本発明の第1の半導体素子において、前記半導体基板のうち前記n型導電性領域における前記窒素面には、前記平均平方根が60nm以下の領域と60nmより大きい領域とが存在し、前記n電極は、前記n型導電性領域における前記窒素面のうち、前記平均平方根が60nm以下の領域の上を含む領域に形成されていてもよい。
この場合には、前記n型導電性領域の前記窒素面において、前記平均平方根が60nm以下の領域は、前記n型導電性領域における前記窒素面の全体のうちの10%よりも大きくてもよい。
また、前記半導体基板のうち前記n型導電性領域における前記窒素面には段差が形成され、前記段差の下側の淵に沿って前記平均平方根が60nmより大きい領域が形成され、前記段差の下側の淵から離れた領域に前記平均平方根が60nm以下の領域が形成されていてもよい。
本発明の第1の半導体素子において、前記n電極が、Ti膜と、前記Ti膜上に形成されたPt膜とを含んでいてもよい。
本発明の第1の半導体素子において、前記n電極がVを含んでいてもよい。
なお、N面において、特に大きな凹凸、例えば、低密度に分布する径または高さが大きい突起や、研磨傷が存在する場合には、RMSは、これらの凹凸や突起を含まずに見積もるものとする。
本発明の半導体素子によると、コンタクト抵抗を許容範囲内に収めることができる。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態にかかる半導体素子およびその製造方法について、GaN系材料を用いる青紫色レーザを例として説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における青紫色レーザをサブマウントに実装した構造を示す断面図である。なお、図1において、外見上の細かな凹凸などの図示は省略している。
図1に示すように、本実施形態の半導体素子は、n−GaN基板1と、n−AlGaNクラッド層2と、InGaN量子井戸活性層(QW)3と、p−AlGaNオーバーフロー抑制層(OFS)4と、p−AlGaN超格子(SLs)クラッド層5とがこの順に積層された構造を有する。
p−AlGaN超格子(SLs)クラッド層5の一部は、他の領域よりも突出した形状で形成されており、この部分の上にはp−GaNコンタクト層6が形成されている。p−AlGaN超格子(SLs)クラッド層5の一部およびp−GaNコンタクト層6から構成される凸部は、ストライプ状の平面形状で形成され、導波路として機能する。p−GaNコンタクト層6の上にはPd/Pt−p電極8が形成されている。そして、p−AlGaN超格子(SLs)クラッド層5のうち導波路以外の領域の上は、SiO2絶縁膜7により覆われている。SiO2絶縁膜7およびPd/Pt−p電極8の上はTi/Pt/Au配線電極9により覆われている。Ti/Pt/Au配線電極9の上には、Auパッド電極10が形成されている。
一方、n−GaN基板1の下面上には、Ti/Pt/Au裏面n電極12が形成されている。Ti/Pt/Au裏面n電極12の下には、PbSn半田13およびAlNサブマウント14がこの順に形成されている。
図1において、n−GaN基板1の上面はGa面であり、下面はN面である。図1に示す半導体素子は、PbSn半田13によりAlNサブマウント14へと実装を行った、表裏面電極形の青紫色レーザである。
本実施形態の半導体素子において、n−GaN基板1のN面(下面)におけるRMSは60nm以下である。なお、図1には、n−GaN基板1の下面上に凹凸を示している。この凹凸は、N面上の一部に凹凸が形成されている様子をわかりやすくするために示すものであり、このサイズは実際のものとは異なっている。
図2(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る半導体素子の製造工程を示す断面図である。本実施形態の半導体素子の製造方法では、まず、n−GaN基板1の上に、たとえば有機金属気相成長法(Metalorganic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)により、n−AlGaNクラッド層2、InGaN量子井戸活性層3、p−AlGaNオーバーフロー抑制層4、p−AlGaN超格子クラッド層5およびp−GaNコンタクト層6を順次成長させる。その後、たとえばプラズマCVD法により、導波路形成のために、ストライプ状のSiO2膜11をn−GaN基板1の上に形成する。その後、SiO2膜11をマスクとして、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)ドライエッチングを行うことにより、ストライプ形状(リッジストライプ)を作成する(図2(a))。
その後、たとえばプラズマCVD法により、SiO2絶縁膜7を再度基板上面(Ga面)側に成膜し、フォトリソグラフィーによって、SiO2絶縁膜7のうち導波路の上を覆う部分を除去する。これにより、SiO2膜7に、導波路を露出する窓を形成する。さらに、フォトリソグラフィーによるリフトオフと、たとえばEB蒸着装置を用いることにより、導波路の上に、Pd/Pt−p電極8を形成する(図2(b))。
その後、フォトリソグラフィーと、たとえばEB蒸着装置を行うことにより、Ti/Pt/Au配線電極9およびAuパッド電極10を形成する(図2(c))。
次に、へき開による共振器形成が可能となるように、ダイヤモンド研磨粉を用いた機械的な研磨により基板N面(下面)を研磨する。
その後、N面にn電極を形成する前の前処理、たとえば、ICP装置によるプラズマ処理(前処理)を加える。この前処理によりN面上に凹凸が生じる。前処理条件を適切に設定することで、面の表面粗さのRMSを60nm以下とする。RMSを60nm以下とするためには、例えばICPプラズマ処理において、通常100W程度であるプラズマ誘起のためのRF出力を300Wに、通常10W程度であるイオン引き込みのためのRF出力を50W程度以上にまで高めればよい。このようにプラズマ出力を増すことにより、RMSを低減させることができる。
その後、Ti/Pt/Au裏面n電極12を、たとえばEB蒸着装置を用いて成膜する(図2(d))。なお、ここで「/」の表示は、「/」の左側の材料が先に形成され、「/」の右側の材料が後に形成されることを意味する。例えば、図2(d)の裏面n電極12についてはTi/Pt/Auと標記したが、これはTi、Pt、Auの順に電極が形成されることを意味する。
次に、ウェハを、たとえば共振器方向(図2において紙面に垂直な方向)に500μm、横方向(図2において紙面に平行な方向)に300μmの長さにへき開してチップを形成する。さらに、チップを、窒化アルミニウム(AlN)製のサブマウント14に、PbSn半田13を用いて接着する(図2(e))。ここで、サブマウント14は両側金属によりコーティングされている。このとき、PbSn半田の融点が約200℃であることから、200℃程度の熱がn電極に加わる。
発明者は、前処理後のGaN系半導体表面を原子間力顕微鏡(AFM)およびレーザ干渉顕微鏡を用いて観察した。これにより、前処理後のN面に凹凸が形成されていることがわかった。
図3(a)は、RMSが60nmよりも大きい場合のGaN系半導体の表面を示す図であり、図3(b)は、RMSが60nmよりも大きい場合に、GaN系半導体の上に電極を形成した状態を示す図である。図3(a)、(b)に示すように、RMSが60nmよりも大きい場合には、N面の全体に凹凸が形成されている。
一方、図4(a)は、RMSが60nm以下の場合のGaN系半導体の表面を示す図であり、図4(b)は、RMSが60nm以下の場合に、GaN系半導体の上に電極を形成した状態を示す図である。図4(a)、(b)に示すように、RMSが60nm以下の場合、N面の一部のみに凹凸が形成され、他の領域には平坦な面が露出する。
発明者は、RMSの異なるGaN基板を用いてコンタクト抵抗を測定した。図5は、コンタクト抵抗と、電極形成後の熱処理温度との関係を示すグラフ図である。図5に示す測定結果は、n−GaN基板1のN面をプラズマ処理し、Ti/Pt/Au裏面n電極12を形成した後に、様々な温度で熱処理を行うことにより得られた。
図5より、いずれのプロファイルにおいても、熱処理を行わない場合(熱処理温度が0℃の場(as−deposited)でのコンタクト抵抗が低いことがわかる。さらに、RMSを小さくすることで、コンタクト抵抗が上昇する温度が高くなる(耐熱性が増す)ことが分かる。
発明者の解析結果より、RMSが60nm以下である場合、200℃の熱処理を行っても、コンタクト抵抗の値を許容範囲内とできることが分かった。
なお、本実施形態において、Ti/Pt/Au裏面n電極12におけるTiの厚みを20nm、より望ましくは10nm以下とすると、n電極形成面のRMSを60nm以下とした場合において、コンタクト抵抗を低くする効果がより一層顕著となる。
また、本実施形態では、半田材料としてPbSnを記載したが、接着温度が200℃程度までの材料であれば、他の材料を用いてもかまわない。
さらに、本実施形態では、n電極12がサブマウント14に接し、p電極8がn−GaN基板1をはさんでn電極12と対向するジャンクションアップ構成について記載したが、p電極がサブマウントに接するジャンクションダウン構成であってもよい。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態にかかる半導体素子およびその製造方法について、GaN系材料を用いる青紫色レーザを例として説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態における青紫色レーザをサブマウントに実装した構造を示す断面図である。本実施形態の半導体素子のうち第1の実施形態と異なる点は、AlNサブマウント14とn−GaN基板1との接着に、PbSn半田ではなくAnSn半田15を用いている点である。AnSnは、環境に対する負荷の小さな材料として注目されている。それ以外の構造は第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
次に、本実施形態における半導体素子の製造方法について説明する。本実施形態において、リッジストライプ形成から裏面研磨までの工程は、第1の実施形態と同様である(図2(a)〜(c)参照)。n−GaN基板1の裏面を研磨した後、第1の実施形態と同様に前処理を施すが、このとき、前処理条件を適切に設定することで、前処理後の表面粗さのRMSを、20nm以下とする。その後、n−GaN基板1の裏面に、Ti/Pt/Au裏面n電極12を、たとえばEB蒸着装置を用いて成膜する(図7)。
次に、ウェハを、たとえば共振器方向(図2において紙面に垂直な方向)に500μm、横方向(図2において紙面に平行な方向)に300μmの長さにへき開する。その後、窒化アルミニウム(AlN)製のサブマウント14(図6に示す)に、AnSn半田15を用いて接着する。AnSnは、PbSnに比べて共晶温度がおよそ100℃高く300℃程度であることから、実装時の熱負荷によるn電極のコンタクト抵抗が上昇しやすい。図5に示すように、RMSが50nmのプロファイルでは、200℃程度の温度で熱処理を行うと抵抗値が急激に増大しているのに対し、RMSが16nmのプロファイルでは、300℃程度の温度で熱処理を行っても、抵抗値が低く保たれている。
発明者の解析によると、プラズマ処理後のRMSを20nmよりも小さくすることで、300℃の熱処理を加えた後のコンタクト抵抗を低く保つことが可能となることがわかった。この原因は明らかではないが、RMSを小さくすることによりコンタクト抵抗を小さくすることができる効果が、RMSを20nmよりも小さくすることにより顕著になっているためと考えられる。さらに、500℃程度の温度で熱処理を行ってもコンタクト抵抗を許容範囲内に収めるためには、RMSを5nmよりも小さくすればよいことがわかった。
なお、本実施形態において、Ti/Pt/Au裏面n電極12におけるTiの厚みを20nm、より望ましくは10nmよりも小さくすると、n電極形成面のRMSを20nm以下とした場合において、コンタクト抵抗を低くする効果がより一層顕著となる。
また、本実施形態では、半田材料としてAnSnを記載したが、接着温度が300℃程度までの材料であれば、他の材料を用いてもかまわない。
さらに、本実施形態では、n電極12がサブマウント14に接し、p電極8がn−GaN基板1をはさんでn電極12と対向するジャンクションアップ構成について記載したが、p電極がサブマウントに接するジャンクションダウン構成であってもよい。
(その他の実施形態)
上述の2つの実施形態では、六方晶GaN系半導体の一例としてGaNを基板に用いる場合について説明した。しかしながら、本発明は、他のGaN系半導体、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化ボロン(BN)やそれらの混晶にも適用することができる。
また、上述の2つの実施形態では、n電極材料としてTi/Pt/Auを用いる場合について説明した。Ti/Ptは、酸化されやすい材料であるAlを含まないことから、これを電極として用いた場合には、経時劣化を抑制することができる。ここで、発明者の検討によれば、Ti/Ptを、RMSが60nmよりも大きいGaN系半導体N面に形成すると、コンタクト抵抗が、N面にTi/Alを形成した場合よりも高くなる。一方、Ti/Ptを、RMSが60nm以下のGaNのN面に形成すると、コンタクト抵抗は、N面にTi/Alを形成した場合と同等にまで低下する。すなわち、n電極にTi/Ptを用いる場合、n電極形成面のRMSを60nm以下とすることで、コンタクト抵抗を、Ti/Alと同等の水準にまで低減することが可能となる。
なお、本発明では、n電極として、Ti/Pt以外の材料を用いてもよい。つまり、n型GaN系半導体に対してコンタクト電極となる材料であれば、他の材料からなる電極を用いてもよい。図8は、Ti/Al系材料をn電極として用いた場合の、コンタクト抵抗と熱処理温度との関係を示すグラフ図である。図8に示すように、Ti/Al系電極においても、RMSを60nm以下とすることで、コンタクト抵抗を低減することができる。
また、本発明では、n電極がV(バナジウム)を含んでいてもよい。このVは、基板に接して形成されていることが好ましい。発明者の検討によれば、Vを、RMSが60nmよりも大きいGaN系半導体N面に形成すると、コンタクト抵抗が、N面にTi/Alを形成した場合に比べて高くなる。一方、Vを、RMSが60nm以下のGaNのN面に形成すると、コンタクト抵抗は、N面にTi/Alを形成した場合と同等にまで低下する。すなわち、n電極にVを用いる場合、n電極形成面のRMSを60nm以下とすることで、コンタクト抵抗を、Ti/Alと同等の水準にまで低減することが可能となる。
また、上述の2つの実施形態では、半田としてPbSnまたはAnSnを用いる場合について説明した。しかしながら、本発明では、半田として次の表に示す材料を用いてもよい。これらの材料を用いた場合にも、RMSを60nm以下とすることにより、本発明の効果を得ることができる。
Figure 2007273844
また、発明者の解析結果より、N面において、RMSが60nm以下の領域と、RMSが60nmよりも大きい領域が同時に存在する場合もあることがわかった。この場合には、n電極を、RMSが60nm以下の領域を含む領域の上に形成することが好ましい。
また、N面の上に、前処理に対して耐性を有する材料から成るマスクを形成した後に前処理を施すと、N面のうちマスクに近い部分に、マスクの形状に沿ってRMSが60nmよりも大きな領域が形成され、マスクからおよそ10μm程度離れた領域にRMSが60nm以下の領域が形成された。一方、マスクを形成せずに同条件の前処理を施すと、N面全体にRMSが60nmよりも大きな領域が形成されやすいことがわかった。すなわち、マスクを用いて前処理を行うことにより、RMSが60nm以下の領域を部分的に形成しやすくなるため、この領域の上に電極を形成すれば、コンタクト抵抗の低減が可能となる。
なお、N面に、RMSが60nmよりも大きい領域と60nm以下の領域との両方が形成される場合には、RMSが60nm以下の領域が全領域の少なくとも10%以上を占めていることが好ましい。この場合には、他の領域のコンタクト抵抗が高い場合においても、全体としてのコンタクト抵抗を低く保つことが可能となるためである。
また、N面上に段差を形成した状態で前処理を行ってもよい。この場合には、段差の下側の淵に沿ってRMSが60nmよりも大きい領域が形成され、下側の淵と高さが同じで淵から離れた領域のRMSが60nm以下となることがわかった。発明者の検討によれば、意図的に段差を設けることで、マスクを形成する場合と同様に、段差の形状に沿ってRMSが60nmよりも大きな領域が形成され、段差からおよそ10μm程度はなれた領域にRMSが60nm以下の領域が形成されることがわかった。一方、段差を形成せずに同条件の前処理を施すと、GaN系半導体N面全面にRMSが60nmよりも大きな領域が形成されやすいことがわかった。すなわち、GaN系半導体のN面の一部をエッチングした後に前処理を施すことにより、RMSが60nm以下の領域を部分的に形成しやすくなるため、この領域の上に電極を形成すれば、コンタクト抵抗の低減が可能となる。
なお、上述の2つの実施形態では、前処理としてプラズマ処理を行う場合について述べた。しかしながら、RMSを向上させるために、各種の酸やアルカリを用いてもよい。例えば、沸酸、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムまたはこれらの混合液を用いてもよい。
本発明にかかるGaN系半導体素子は、低抵抗な光源や増幅素子として、高密度ディスクへの高速書き込みや、携帯電話基地局における高出力送信などに用いることができる。
本発明の第1の実施形態における青紫色レーザをサブマウントに実装した構造を示す断面図である。 (a)〜(e)は、第1の実施形態に係る半導体素子の製造工程を示す断面図である。 (a)は、RMSが60nmよりも大きい場合のGaN系半導体の表面を示す図であり、(b)は、RMSが60nmよりも大きい場合に、GaN系半導体の上に電極を形成した状態を示す図である。 (a)は、RMSが60nm以下の場合のGaN系半導体の表面を示す図であり、(b)は、RMSが60nm以下の場合に、GaN系半導体の上に電極を形成した状態を示す図である。 コンタクト抵抗と、電極形成後の熱処理温度との関係を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施形態における青紫色レーザをサブマウントに実装した構造を示す断面図である。 第2の実施形態に係る半導体素子の製造工程のうちの一部を示す断面図である。 Ti/Al系材料をn電極として用いた場合の、コンタクト抵抗と熱処理温度との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 n−GaN基板
2 n−AlGaNクラッド層
3 InGaN量子井戸活性層
4 p−AlGaNオーバーフロー抑制層
5 p−AlGaN超格子クラッド層
6 p−GaNコンタクト層
7 SiO2絶縁膜
8 Pd/Pt−p電極
9 Ti/Pt/Au配線電極
10 Auパッド電極
11 SiO2
12 Ti/Pt/Au裏面n電極
13 PbSn半田
14 サブマウント

Claims (9)

  1. 六方晶窒化ガリウム系結晶からなり、窒素面の表面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板のうち前記窒素面が露出する部分に形成されたn型導電性領域と、
    前記n型導電性領域における前記窒素面の少なくとも一部の表面上に形成されたn電極とを備え、
    前記n型導電性領域と前記n電極との界面における前記窒素面の表面粗さの平均平方根(Root Mean Square,RMS)が60nm以下である、半導体素子。
  2. 請求項1に記載の半導体素子であって、
    前記n電極のうち前記n型導電性領域と接する面と反対側の面の上は、PbSn半田を介してサブマウントに接着されている、半導体素子。
  3. 請求項1に記載の半導体素子であって、
    前記平均平方根が20nm以下である、半導体素子。
  4. 請求項3に記載の半導体素子であって、
    前記n電極のうち前記n型導電性領域と接する面と反対側の面の上は、AnSn半田を介してサブマウントに接着されている、半導体素子。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体素子であって、
    前記半導体基板のうち前記n型導電性領域における前記窒素面には、前記平均平方根が60nm以下の領域と60nmより大きい領域とが存在し、前記n電極は、前記n型導電性領域における前記窒素面のうち、前記平均平方根が60nm以下の領域の上を含む領域に形成されている、半導体素子。
  6. 請求項5に記載の半導体素子であって、
    前記n型導電性領域の前記窒素面において、前記平均平方根が60nm以下の領域は、前記n型導電性領域における前記窒素面の全体のうちの10%よりも大きい、半導体素子。
  7. 請求項5に記載の半導体素子であって、
    前記半導体基板のうち前記n型導電性領域における前記窒素面には段差が形成され、前記段差の下側の淵に沿って前記平均平方根が60nmより大きい領域が形成され、前記段差の下側の淵から離れた領域に前記平均平方根が60nm以下の領域が形成されている、半導体素子。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体素子であって、
    前記n電極が、Ti膜と、前記Ti膜上に形成されたPt膜とを含む、半導体素子。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の半導体素子であって、
    前記n電極がVを含む、半導体素子。
JP2006099232A 2006-03-31 2006-03-31 半導体素子 Pending JP2007273844A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099232A JP2007273844A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 半導体素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099232A JP2007273844A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 半導体素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007273844A true JP2007273844A (ja) 2007-10-18

Family

ID=38676309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006099232A Pending JP2007273844A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 半導体素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007273844A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012023213A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Sumitomo Electric Device Innovations Inc 半導体装置の製造方法
WO2012090252A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 Dowaエレクトロニクス株式会社 半導体装置及びその製造方法
WO2012090254A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 Dowaエレクトロニクス株式会社 n型III族窒化物半導体層とのオーミック接触用の電極とその製造方法
JP2014510409A (ja) * 2011-03-16 2014-04-24 スペクトラセンサーズ, インコーポレイテッド 周波数安定性改良用半導体レーザマウンティング
JP2015076506A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 日産自動車株式会社 半導体装置及びその製造方法
US9646949B2 (en) 2011-08-17 2017-05-09 Spectrasensors, Inc. Solderless mounting for semiconductor lasers
US9711937B2 (en) 2011-02-14 2017-07-18 Spectrasensors, Inc. Semiconductor laser mounting with intact diffusion barrier layer

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000216498A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子及びその製造方法
JP2001148357A (ja) * 1999-09-08 2001-05-29 Sharp Corp Iii−n系化合物半導体装置
JP2003347660A (ja) * 2002-05-30 2003-12-05 Sharp Corp 窒化物半導体装置の製造方法
JP2004006718A (ja) * 2002-03-26 2004-01-08 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2004047675A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子及びそれを搭載した装置とその製造方法
JP2004071657A (ja) * 2002-08-01 2004-03-04 Nec Corp Iii族窒化物半導体素子、iii族窒化物半導体基板およびiii族窒化物半導体素子の製造方法
JP2005072572A (ja) * 2003-08-06 2005-03-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物結晶基板の製造方法、それに用いるエッチング液、iii族窒化物結晶基板、ならびにそれを用いた半導体素子
JP2005209733A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Nichia Chem Ind Ltd 半導体発光素子
JP2005268769A (ja) * 2004-02-20 2005-09-29 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子及び窒化物半導体基板の製造方法、並びに窒化物半導体素子の製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000216498A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子及びその製造方法
JP2001148357A (ja) * 1999-09-08 2001-05-29 Sharp Corp Iii−n系化合物半導体装置
JP2004006718A (ja) * 2002-03-26 2004-01-08 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2003347660A (ja) * 2002-05-30 2003-12-05 Sharp Corp 窒化物半導体装置の製造方法
JP2004047675A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子及びそれを搭載した装置とその製造方法
JP2004071657A (ja) * 2002-08-01 2004-03-04 Nec Corp Iii族窒化物半導体素子、iii族窒化物半導体基板およびiii族窒化物半導体素子の製造方法
JP2005072572A (ja) * 2003-08-06 2005-03-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族窒化物結晶基板の製造方法、それに用いるエッチング液、iii族窒化物結晶基板、ならびにそれを用いた半導体素子
JP2005209733A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Nichia Chem Ind Ltd 半導体発光素子
JP2005268769A (ja) * 2004-02-20 2005-09-29 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子及び窒化物半導体基板の製造方法、並びに窒化物半導体素子の製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012023213A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Sumitomo Electric Device Innovations Inc 半導体装置の製造方法
US8896025B2 (en) 2010-07-14 2014-11-25 Sumitomo Electric Device Innovations, Inc. Method for fabricating semiconductor device
WO2012090252A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 Dowaエレクトロニクス株式会社 半導体装置及びその製造方法
WO2012090254A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 Dowaエレクトロニクス株式会社 n型III族窒化物半導体層とのオーミック接触用の電極とその製造方法
US8963290B2 (en) 2010-12-28 2015-02-24 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method therefor
JP5847732B2 (ja) * 2010-12-28 2016-01-27 Dowaエレクトロニクス株式会社 半導体装置及びその製造方法
US9368934B2 (en) 2011-02-14 2016-06-14 Spectrasensors, Inc. Semiconductor laser mounting for improved frequency stability
US9711937B2 (en) 2011-02-14 2017-07-18 Spectrasensors, Inc. Semiconductor laser mounting with intact diffusion barrier layer
JP2014510409A (ja) * 2011-03-16 2014-04-24 スペクトラセンサーズ, インコーポレイテッド 周波数安定性改良用半導体レーザマウンティング
US9646949B2 (en) 2011-08-17 2017-05-09 Spectrasensors, Inc. Solderless mounting for semiconductor lasers
US10224693B2 (en) 2011-08-17 2019-03-05 Spectrasensors, Inc. Semiconductor laser mounting with intact diffusion barrier layer
JP2015076506A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 日産自動車株式会社 半導体装置及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5025540B2 (ja) 窒化物系半導体素子
JP3933592B2 (ja) 窒化物系半導体素子
US7652299B2 (en) Nitride semiconductor light-emitting device and method for fabrication thereof
JP2006352129A (ja) 発光ダイオードの製造方法
JP2005223165A (ja) 窒化物系発光素子
JP2006237074A (ja) 窒化物系半導体素子の製造方法及び窒化物系半導体素子
JP2007273844A (ja) 半導体素子
JP2008140918A (ja) 発光素子の製造方法
JP2009164233A (ja) 窒化物半導体レーザ素子およびその製造方法
US7968430B2 (en) Compound semiconductor device and method for manufacturing same
US20110013659A1 (en) Semiconductor laser device and method of manufacturing the same
JP4493041B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2007173369A (ja) 半導体発光素子及び半導体発光素子の製造方法
JP3920910B2 (ja) 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP2009212179A (ja) 半導体レーザ素子および半導体レーザ素子の製造方法
JP2007116076A (ja) 半導体素子
JPWO2004086580A1 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
JP2007184644A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP4148976B2 (ja) 窒化物系半導体素子の製造方法
JP2008016845A (ja) 端面発光型半導体レーザチップ
JP2007116192A (ja) 窒化物系半導体装置
JP3896149B2 (ja) 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JP4017654B2 (ja) 窒化物系半導体素子
US20130217162A1 (en) Method for forming a cleaved facet of semiconductor device
JP4078380B2 (ja) 窒化物系半導体素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101102

A977 Report on retrieval

Effective date: 20101102

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A521 Written amendment

Effective date: 20101222

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A02 Decision of refusal

Effective date: 20111004

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02