JP2007273445A - ポリマーゲル電解質およびそれを用いたポリマー二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レート特性およびサイクル特性を向上させることが可能なポリマー電池用ポリマーゲル電解質およびポリマー電池を提供する。
【解決手段】 非プロトン性有機溶媒、支持塩、および直鎖状スルホン酸エステル、環状スルホン酸エステル等のイオウ含有有機化合物を含むポリマーゲルからなるポリマーゲル電解質、およびそれを用いたリチウムポリマー二次電池。
【選択図】 なし
Description
また、電極材料、形状、製造条件、電解液等についての材料などについての様々な提案が行われている。
本発明は、ポリマー電池のレート特性、サイクル特性の向上、あるいは充放電に繰り返しによる電池の膨れ防止等を実現できる、ポリマーゲル電解質の提供、およびポリマー二次電池の提供を課題とするものである。
イオウ含有有機化合物が、鎖状スルホン酸エステルである前記のポリマーゲル電解質である。
環状構造を有するイオウ含有有機化合物が、下記の化学式1,2のいずれかである前記のポリマーゲル電解質である。
ただし、化学式1において、Xは、側鎖を有していても良いアルキレン基、または酸素原子を示す。Yは、側鎖を有していても良いアルキレン基、無置換のアルキレン基を示す。Zは、メチレン基または単結合を示す。
化学式2において、nは、0,1,2のいずれかであり、R1〜R6は、水素原子または炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上6以下のシクロアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基からそれぞれ独立に選択される。
環状構造を有するイオウ含有有機化合物が、メチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート及びプロピレンメタンジスルホネートから選ばれる少なくとも一種の環状ジスルホン酸エステルである前記のポリマーゲル電解質である。
イオウ含有有機化合物が非プロトン性有機溶媒と支持塩の合計の100質量部に対して、0.005質量部以上10質量部以下の量を含有する前記のポリマーゲル電解質である。
ビニレンカーボネート又はその誘導体を含む前記のポリマーゲル電解質である。
前記溶媒が、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類およびそれらのフッ素誘導体、からなる群から選択された一以上の非プロトン有機化合物を含む前記のポリマーゲル電解質である。
支持塩として、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、LiAlCl4、およびLiN(CnF2n+1SO2)(CmF2m+1SO2)(n,mは自然数)、からなる群から選択された少なくとの一種以上の物質を含む前記のポリマーゲル電解質である。
ポリマーゲルを構成するポリマーが、ポリアクリレート、ポリエチレンオキシド、及びポリプロピレンオキシドのいずれかである前記のポリマーゲル電解質である。
本発明のポリマーゲル電解質は、スルホン酸エステル等のイオウ含有有機化合物を含有しているので、初期充電時のガス発生を抑制でき、レート特性、サイクル特性の向上を行うことができる。
本発明のポリマーゲルによって以上のような特性が向上する理由は定かではないが、初期の充電によりスルホン酸エステルなどのイオウ含有有機化合物によって負極表面に形成される皮膜が、負極活物質と電子との受け渡しを円滑にする等の効果を果たしているものと推察される。
また、鱗片状黒鉛を負極材料に用いたリチウムポリマー電池においても、初期充電時の気体発生を抑制できるという効果も得られる。
本発明において、化学構造中に−O−SO2−を少なくとも1個有するイオウ含有有機化合物は、−O−SO2−Rにおいて、Rがアルキル基、アルキレン基以外にも、RにOが結合した化合物も意味する。
具体的には、鎖状モノエステル、鎖状ジエステル、環状ジエステル、及びスルトン等の分子内環状エステルおよびその誘導体を挙げることができる。
また、重合性の官能基を有する重合性モノマーと、非プロトン性有機溶媒、支持塩、および化学構造中に−O−SO2−を少なくとも1個有するイオウ含有有機化合物等を重合開始剤と混合して、熱もしくは光等によって架橋して重合体とする方法によっても製造することができる。
特に、後者のように重合性モノマーと所望の成分を混合したものを電池外装容器内においてin situ重合することが好ましい。
鎖状スルホン酸エステルとしては、メタンスルホン酸メチルエステル、メタンスルホン酸エチルエステル、ブスルファン(テトラメチレン−ビス(メタンスルホネート)等が挙げられる。
環状モノスルホン酸エステルとしては、環状分子内エステルである1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、α−トリフルオロメチル−γ−スルトン、β−トリフルオロメチル−γ−スルトン、γ−トリフルオロメチル−γ−スルトン、α−メチル−γ−スルトン、α,β−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α,α−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α−ウンデカフルオロペンチル−γ−スルトン、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトン等があげられる。
環状ジスルホン酸エステルとしてはメチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート、プロピレンメタンジスルホネート等があげられる。
また、正極にマンガン酸リチウム等のリチウムマンガン複合酸化物を含む場合にはゲル中に溶出したマンガンが負極表面に吸着することを防止する。その結果、抵抗上昇によるレート特性の低下の抑制やサイクル特性向上に有効であると考えられる。
また、0.01質量部以上とすることがより好ましく、0.05質量部以上のとすることが更に好ましい。これによって、電池特性を向上させることができる。また、10質量部よりも増加すると、リチウムイオンの移動抵抗が大きくなる。より好ましくは、5質量部以下である。
なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレートのいずれか、または両者を含む物質を意味する。
以上のモノマー、オリゴマー、またはポリマーは、単独であるいは複数種を混合して使用することができ、またその他のゲル化可能な成分を混合して使用することができる。
また、あらかじめ電池外装体に、ポリマーゲル形成用の組成物を収容した後、重合を行っても良い。あるいは、正極電極、負極電極、あるいはセパレータ上にポリマーゲル電解質を塗布層を形成した後に、電池を組み立てても良い。
リチウムイオンを吸蔵、放出する材料としては、リチウムを吸蔵および放出する炭素材量、金属酸化物、金属を用いることができる。
炭素材料としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ等の炭素材料を挙げることができる。特に黒鉛材料または非晶質炭素であることが好ましい。特に、黒鉛材料は、電子伝導性が高く、銅などの金属からなる集電体との接着性と電圧平坦性が優れており、高い処理温度によって形成されるため含有不純物が少なく、負極性能の向上有利に働くために好ましい。
これは、酸化シリコンが安定で他の化合物との反応を引き起こさないため、またアモルファス構造が結晶粒界、欠陥といった不均一性に起因する劣化を導かないためである。成膜方法としては、蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの方法を用いることができる。
金属材料としては、リチウム、リチウム合金を挙げることができる。リチウム合金としては、Al、Si、Sn、In、Ag、Ba、Ca、Pd、Pt、Zn、Laなどの金属とリチウムとの2元または3元以上の合金により構成される。リチウム金属やリチウム合金としては、特にアモルファス状のものが好ましい。これは、アモルファス構造により結晶粒界、欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくいためである。
リチウム金属またはリチウム合金は、融液冷却方式、液体急冷方式、アトマイズ方式、真空蒸着方式、スパッタリング方式、プラズマCVD方式、光CVD方式、熱CVD方式、ゾルーゲル方式、などの適宜な方式で形成することができる。
また、金属リチウム対極電位で4.5V以上にプラトーを有するリチウム含有複合酸化物を用いることもできる。リチウム含有複合酸化物としては、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物、オリビン型リチウム含有複合酸化物、逆スピネル型リチウム含有複合酸化物等が例示される。リチウム含有複合酸化物は、例えば下記一般式で表される化合物とすることができる。
Lia(MxMn2-x)O4
式中、0<x<2、0<a<1.2である。Mは、Ni、Co、Fe、CrおよびCuよりなる群から選ばれる少なくとも一種である。
本発明における正極は、これらの活物質を、カーボンブラック等の導電性物質、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等の結着剤とともにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤中に分散混練し、これをアルミニウム箔等の基体上に塗布することにより得ることができる。
図1は本発明のリチウムポリマー電池の正極の構成を説明する図であり、図2は本発明のリチウムポリマー電池の負極の構成を説明する図であり、図3は本発明のリチウムポリマー電池の巻回後の電池要素の構成を説明する断面図であり、図4は本発明のリチウムポリマー電池の外装工程を説明する図である。
試験用電池の作製
図1により正極の作製について説明する。LiMn2O4を85質量%、導電補助材としてアセチレンブラックを7質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン8質量%とを混合したものに、N−メチルピロリドンを加えてさらに混合して正極スラリーを作製した。これをドクターブレード法により集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔2の両面にロールプレス処理後の厚さが160μmになるように塗布し、正極活物質塗布部3を形成した。なお、両端部にはいずれの面にも正極活物質が塗布されていない正極活物質非塗布部4を設け、一方の正極活物質非塗布部4に正極導電タブ6を設け隣り合わせて片面のみ塗布した正極活物質片面塗布部5を設けて正極1とした。
得られたリチウムポリマー二次電池を、20℃において電池電圧4.2Vまで充電電流0.2Cで定電流充電を行った後、総充電時間が6.5時間となるまで定電圧充電で充電した。次いで、0.2Cの放電電流で電池電圧3.0Vまで放電し、そのときの放電容量を初期容量とした。
サイクルの条件は、充電:上限電圧4.2Vまで充電電流1Cで定電流充電を行い、その後定電圧で総充電時間時間2.5時間の充電を行った。放電:下限電圧3.0V、電流:1Cで放電を行った。いずれも20度で実施した。容量維持率は1サイクル目の放電容量(1C)に対する100サイクル目の放電容量(1C)の割合で表1に示した。
また、初期充電後のセル体積を1.0とし、サイクル後のセル体積との比で表1に表した。
1,3−プロパンスルトンを0.05質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−2の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを0.5質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−3の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを0.1質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−4の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを2.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−5の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを3.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−6の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを4.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−7の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを5.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−8の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを10質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−9の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを添加しなかった点を除き実施例1−1と同様にして比較試料1−1の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
1,3−プロパンスルトンを12.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして比較試料1−2の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
メチレンメタンジスルホネートの調製
反応フラスコに炭酸銀213.94g(0.772mol)とアセトニトリル749mlとを仕込み、これにメタンジスルホン酸クロライド77.93g(0.366mol)のアセトニトリル491ml溶液を40℃以下で滴下した。
25℃で24時間撹拌後、濾過・アセトニトリルで洗浄して、991.35gのメタンスルホン酸銀塩のアセトニトリル溶液を得た。メタンスルホン酸銀塩として126.28g(0.324mol)を含んでいた。このメタンスルホン酸銀塩のアセトニトリル溶液991.35gにジヨードメタン207.44g(0.771mol)を仕込み、還流下24時間撹拌したた。濾過・アセトニトリルで洗浄・濃縮して、黄色のペースト状残渣 89.11gを得た。塩化メチレン100mlを3回加えて溶出した。溶出した塩化メチレン溶液を、活性炭で脱色・濾過した後、約5mlまで濃縮、析出した結晶を濾過し、50℃で乾燥し 白色針状結晶4.19gを得た。融点:146〜147℃であった。また、1H−NMRにより、化合物1のメチレンメタンジスルホネートであることを確認した。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを1質量部を用いた点を除き実施例1−1と同様にして試料1−10の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネート0.05質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−11の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを0.5質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−12の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを0.1質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−13の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを2.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−14の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを3.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−15の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを4.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−16の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを5.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−17の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネートを10.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして試料1−18の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
1,3−プロパンスルトンに代えてメチレンメタンジスルホネート12.0質量部添加した点を除き実施例1−1と同様にして比較試料1−3の試験電池を作製し、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
正極の活物質として、LiCoO2を87質量%、導電補助材としてアセチレンブラックを5質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン8質量%を混合したものに、N−メチルピロリドンを加えてさらに混合して正極スラリーを作製した点を除き実施例1−1と同様にして正極を作製し、また、実施例1−1に記載のポリマーゲル電解質形成用組成物にビニレンカーボネート0.5質量部を更に添加して試料1−19のポリマー二次電池を作製した点を除き実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
1,3−プロパンスルトンの配合量を0.5質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−20の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
1,3−プロパンスルトンの配合量を2.5質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−21の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
1,3−プロパンスルトンの配合量を3.5質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−22の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
1,3−プロパンスルトンの配合量を5.0質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−23の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
1,3−プロパンスルトンの配合量を10.0質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−24の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
ビニレンカーボネートを添加せず、1,3−プロパンスルトンの添加量を0.3質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−25の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
ビニレンカーボネートを添加せず、1,3−プロパンスルトンの添加量を6.0質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−26の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
ビニレンカーボネートを添加せず、1,3−プロパンスルトンの添加量を8.0質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に試料1−27の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
ビニレンカーボネート、1,3−プロパンスルトンのいずれも添加しなかった点を除き、実施例1−19と同様に比較試料1−4の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
ビニレンカーボネートを添加せず、1,3−プロパンスルトンの添加量を12.0質量部とした点を除き、実施例1−19と同様に比較試料1−5の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表3に示す。
1,3−プロパンスルトンの添加量を1質量部とし、ビニレンカーボネートの添加量を表4に記載のように、0.05ないし8.0質量部まで変えて、試料1−27ないし1−33の試験電池を作製して実施例1−1と同様に評価を行い、その結果を表4に示す。
実施例1−10において作製した試料1−10の試験電池を、実施例1−1の評価方法に代えて、サイクルの試験を500サイクル行って、実施例1−1と同様のサイクル試験を500サイクル行い、500サイクル後の容量維持率、および500サイクル後の体積変化を同様に評価を行った。その結果を表5に示す。
エチレンメタンジスルホネートの調製
無水エチレングリコール(6.21g;100mmol)の1,2−ジメトキシエタン(DME)(1000ml)溶液中に、窒素気流中、−34〜−40℃で撹拌下、メタンジスルホニルクロライド(21.33g;100mmol)の1,2−ジメトキシエタン(140ml)溶液を20分かけて滴下した。その後、トリエチルアミン(20.27g;200mmol)の1,2−ジメトキシエタン(140ml)溶液を反応液中に、窒素気流中、−11〜−20℃で撹拌した後、反応液を25℃において、1時間撹拌を続けた。溶媒を減圧留去後、残渣を氷冷水中に注ぎ、10分間撹拌後、析出した白色結晶を濾取し、濾上物を氷冷水で洗浄後、50℃で減圧乾燥することにより、化合物2であるエチレンメタンジスルホネートの10.86g(53.71mmol;53.7%)を得た。なお、融点は168〜170℃を示した。
メチレンメタンジスルホネート1質量部に加えてビニレンカーボネート1質量部を添加した点を除き実施例1−10と同様にして試料2−3の試験電池を作製し、実施例2−1と同様に評価を行った。その結果を表5に示す。
メチレンメタンジスルホネート1質量部に加えて1,3−プロパンスルトン1質量部を添加した点を除き実施例1−10と同様にして試料2−4の試験電池を作製し、実施例2−1と同様に評価を行った。その結果を表5に示す。
メチレンメタンジスルホネート1質量部に加えてビニレンカーボネート1質量部、1,3−プロパンスルトン1質量部を添加した点を除き実施例1−10と同様にして試料2−4の試験電池を作製し、実施例2−1と同様に評価を行った。その結果を表5に示す。
非プロトン性有機溶媒として、エチレンカーボネート(EC)30質量%とジエチルカーボネート(DEC)58質量%に代えて、プロピレンカーボネート(PC)19質量%、エチレンカーボネート(EC)21質量%、ジエチルカーボネート(DEC)48質量%を用いるとともに、負極活物質として鱗片状黒鉛に代えて非晶質炭素を用いた点を除き実施例1−6と同様にして試料3−1の試験電池を作製し、実施例2−1と同様に評価を行った。その結果を表6に示す。
メチレンメタンジスルホネートに代えてエチレンメタンジスルホネート1質量部添加した点を除き実施例1−10と同様にして試料3−2の試験電池を作製し、実施例2−1と同様に評価を行った。その結果を表6に示す。
試料3−1と同様の試験電池を作製し、満充電状態での保存状態における二次電池の直流抵抗値を測定した。
まず、作製した二次電池を20℃において、実施例1−1と同様に0.2Cで4.2Vに達するまで定電流充電を行った後、総充電時間が6.5時間となるまで定電圧充電を行った。その後、0.2Cで3.0Vになるまで定電流放電を行った。この時の放電容量を初期容量とし、この時に測定した抵抗を初期抵抗とした。
その後、定電流定電圧で所定の電圧まで2.5時間充電後、20℃、45℃、60℃の条件下で90日間放置した。
放電後の20℃において、0.2Cで3.0Vになるまで放電を行い、1Cで定電流充電を行った後、総充電時間が2.5時間となるまで定電圧充電を行った。その後、0.2Cで3.0Vになるまで定電流放電を行い、再び1Cで定電流充電を行った後、総充電時間が2.5時間になるまで定電圧充電を行った。充電時の抵抗を測定し、その結果を表7に示す。
メチレンメタンジスルホネートに代えてエチレンメタンジスルホネート1質量部添加した点を除き実施例4−1と同様にして試料4−2の試験電池を作製し、実施例4−1と同様に評価を行った。その結果を表7に示す。
Claims (11)
- 非プロトン性有機溶媒、支持塩、および化学構造中に−O−SO2−を少なくとも1個有するイオウ含有有機化合物を含有することを特徴とするポリマーゲル電解質。
- イオウ含有有機化合物が、鎖状スルホン酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のポリマーゲル電解質。
- 環状構造を有するイオウ含有有機化合物が、1,3−プロパンスルトン又は1,4−ブタンスルトンの少なくとも一種である請求項3記載のポリマーゲル電解質。
- 環状構造を有するイオウ含有有機化合物が、メチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート及びプロピレンメタンジスルホネートから選ばれる少なくとも一種の環状ジスルホン酸エステルであることを特徴とする請求項3記載のポリマーゲル電解質。
- イオウ含有有機化合物が、非プロトン性有機溶媒、支持塩の合計の100質量部に対して、0.005質量部以上10質量部以下の量を含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載のポリマーゲル電解質。
- ビニレンカーボネート又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載のポリマーゲル電解質。
- 請求項1から10のいずれかに記載のポリマーゲル電解質において、前記非プロトン性有機溶媒が、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類およびそれらのフッ素誘導体からなる群から選択される少なくともいずれか一種を含むことを特徴とするポリマーゲル電解質。
- 支持塩として、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、LiAlCl4、およびLiN(CnF2n+1SO2)(CmF2m+1SO2)(n,mは自然数)、からなる群から選択される少なくともいずれか一種の物質を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載のポリマーゲル電解質。
- ポリマーゲルを構成するポリマーが、ポリアクリレート、ポリエチレンオキシド、及びポリプロピレンオキシドから選択される少なくともいずれか一種であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のポリマーゲル電解質。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載のポリマーゲル電解質を有し、正極活物質としてリチウム含有複合酸化物を含む正極を有し、負極活物質としてリチウムを吸蔵、放出できる物質を含む負極を有することを特徴とするポリマー二次電池。
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