JP2007270191A - マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】切断時における割れの発生を防止するのと共に切断後のバリ発生をも抑制する。
【解決手段】質量%で、C:0.15〜0.22%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:12.00〜14.00%、N:0.01%〜0.05%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法である。前記マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製管後、鋼管外表面温度が135〜175℃になるまで空冷し、その後管端部を切断する。
【効果】鋼管自体の割れ感受性を低く抑えつつ、特定の温度範囲で切断することで、切断部分の割れを発生させることなく、かつバリの発生も抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】質量%で、C:0.15〜0.22%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:12.00〜14.00%、N:0.01%〜0.05%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法である。前記マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製管後、鋼管外表面温度が135〜175℃になるまで空冷し、その後管端部を切断する。
【効果】鋼管自体の割れ感受性を低く抑えつつ、特定の温度範囲で切断することで、切断部分の割れを発生させることなく、かつバリの発生も抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、管端切断部分の割れを発生させること無く、かつバリの発生をも抑制できるマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法に関するものである。
13Cr等のマルテンサイト系ステンレス鋼管は割れ感受性が高いので、製造された鋼管の端部をソーで切断すると、管端部に割れが発生する。したがって、切断時の管端部の割れ発生を抑制するために、従来は切断前の鋼管の外表面(以下、単に表面という。)温度を130℃以下、好ましくは50℃以下まで冷却していた。
特開平4−2409号公報
しかしながら、鋼管の表面が前記のような低温になるまで冷却すると、鋼管が過度に冷却されることになって切断後にバリが発生しやすくなる。切断後にバリが発生するのは、鋼管の温度低下により熱間加工性が低下し、鋼管を切断する際に切断面に過大な負荷をかけることにより鋼管の切断面とソーの間での加工発熱が大きくなるためである。そして、生産能率の観点から、切断時は鋼管を数本まとめて切断して切断後に搬送するが、バリが発生した場合には、搬送の際に鋼管同士の接触により外面疵が発生してしまう。
また、生産能率の低下を抑制するためには、特許文献1に開示されているように、水冷等の強制冷却設備の設置が必要であるが、これには設備増設等のコストがかかるという問題もある。
本発明が解決しようとする問題点は、従来は、マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造に際し、切断時における割れ発生の防止と共に切断後のバリ発生をも抑制することに着目した技術はないという点である。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法は、
切断時における割れの発生を防止するのと共に切断後のバリ発生をも抑制するために、
質量%(以下、成分含有量についての%は質量%を意味する)で、
C:0.15〜0.22%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:12.00〜14.00%、N:0.01%〜0.05%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製管後、
鋼管の表面温度が135〜175℃になるまで空冷し、
その後管端部を切断することを最も主要な特徴としている。
切断時における割れの発生を防止するのと共に切断後のバリ発生をも抑制するために、
質量%(以下、成分含有量についての%は質量%を意味する)で、
C:0.15〜0.22%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:12.00〜14.00%、N:0.01%〜0.05%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製管後、
鋼管の表面温度が135〜175℃になるまで空冷し、
その後管端部を切断することを最も主要な特徴としている。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法において、
Feの一部に代えて、
V:0.200%以下、Ti:0.200%以下、Nb:0.200%以下、B:0.0100%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.25%以下、Al:0.1%以下、Ca:0.0050%以下の1種または2種以上を含有させたマルテンサイト系ステンレス鋼管とすれば、さらに被衝撃加工部の遅れ破壊効果を防止する効果や、鋼の熱間加工性の改善効果、鋼管の外被れ疵の発生防止効果が得られる。
Feの一部に代えて、
V:0.200%以下、Ti:0.200%以下、Nb:0.200%以下、B:0.0100%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.25%以下、Al:0.1%以下、Ca:0.0050%以下の1種または2種以上を含有させたマルテンサイト系ステンレス鋼管とすれば、さらに被衝撃加工部の遅れ破壊効果を防止する効果や、鋼の熱間加工性の改善効果、鋼管の外被れ疵の発生防止効果が得られる。
本発明によれば、特定の成分を有するマルテンサイト系ステンレス鋼管を用いることで、鋼管自体の割れ感受性を低く抑えつつ、特定の温度範囲で切断することにより、切断部分の割れを発生させることなく、かつバリの発生も抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法は、
C:0.15〜0.22%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:12.00〜14.00%、N:0.01%〜0.05%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる、
望ましくは、
前記Feの一部に代えて、
V:0.200%以下、Ti:0.200%以下、Nb:0.200%以下、B:0.0100%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.25%以下、Al:0.1%以下、Ca:0.0050%以下の1種または2種以上を含有させたマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を使用することが第1の特徴である。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法は、
C:0.15〜0.22%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:12.00〜14.00%、N:0.01%〜0.05%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる、
望ましくは、
前記Feの一部に代えて、
V:0.200%以下、Ti:0.200%以下、Nb:0.200%以下、B:0.0100%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.25%以下、Al:0.1%以下、Ca:0.0050%以下の1種または2種以上を含有させたマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を使用することが第1の特徴である。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法において、前記成分系のマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を使用するのは、以下の理由による。
C:
CはNとともに製管後の鋼管の固溶強化をもたらす。固溶強化による被衝撃加工部の遅れ破壊を防止するためには、0.22%以下とする必要がある。しかしながら、C含有量をあまり低減させると熱処理後に適正な強度を保つことができなくなる。また、Cはオーステナイト生成元素であるから、Cを過度に少なくするとδフェライトによる製管後の中被れ疵が発生する。これらの理由から、本発明では、Cの含有量は0.15%以上であることが必要である。より好ましい範囲は、0.18%〜0.21%である。
CはNとともに製管後の鋼管の固溶強化をもたらす。固溶強化による被衝撃加工部の遅れ破壊を防止するためには、0.22%以下とする必要がある。しかしながら、C含有量をあまり低減させると熱処理後に適正な強度を保つことができなくなる。また、Cはオーステナイト生成元素であるから、Cを過度に少なくするとδフェライトによる製管後の中被れ疵が発生する。これらの理由から、本発明では、Cの含有量は0.15%以上であることが必要である。より好ましい範囲は、0.18%〜0.21%である。
Si:
Siは鋼の脱酸剤として利用されるが、その含有量が0.10%未満の場合にはその効果がなく、反対に1.00%を超えると靭性が劣化する。必要な靭性を確保するためには、その含有量は0.75%以下が好ましい。より好ましい範囲は、0.20〜0.35%である。
Siは鋼の脱酸剤として利用されるが、その含有量が0.10%未満の場合にはその効果がなく、反対に1.00%を超えると靭性が劣化する。必要な靭性を確保するためには、その含有量は0.75%以下が好ましい。より好ましい範囲は、0.20〜0.35%である。
Mn:
Mnは鋼の強度向上に効果的な元素であり、またSiと同様に脱酸作用がある。さらに鋼中のSをMnSとして固定し、熱間加工性を改善する。しかしながら、その含有量が0.10%未満ではその効果がなく、反対に1.00%を超えると靭性が劣化する。したがって、本発明ではその範囲を0.10〜1.00%とした。
Mnは鋼の強度向上に効果的な元素であり、またSiと同様に脱酸作用がある。さらに鋼中のSをMnSとして固定し、熱間加工性を改善する。しかしながら、その含有量が0.10%未満ではその効果がなく、反対に1.00%を超えると靭性が劣化する。したがって、本発明ではその範囲を0.10〜1.00%とした。
Cr:
Crは、鋼の耐食性を向上させる基本成分である。特に、12.00%以上含有させた場合に孔食および隙間腐食に対する耐食性を改善できるとともに、CO2環境下での耐食性を著しく向上させる。一方、Crはフェライト形成元素であるから、その含有量が14.00%を超えると高温での加工の際にδフェライトが生成し易くなって、熱間加工性が損なわれる。また、過度のCr添加は製造コストを高くする。したがって、本発明ではその範囲を12.00〜14.00%とした。より好ましい範囲は12.40〜13.10%である。
Crは、鋼の耐食性を向上させる基本成分である。特に、12.00%以上含有させた場合に孔食および隙間腐食に対する耐食性を改善できるとともに、CO2環境下での耐食性を著しく向上させる。一方、Crはフェライト形成元素であるから、その含有量が14.00%を超えると高温での加工の際にδフェライトが生成し易くなって、熱間加工性が損なわれる。また、過度のCr添加は製造コストを高くする。したがって、本発明ではその範囲を12.00〜14.00%とした。より好ましい範囲は12.40〜13.10%である。
N:
Nはオーステナイト安定化元素で、鋼の熱間加工性を改善して内面疵の発生を防止する。そのためには、0.01%以上含有させることが必要である。一方、過度にNを含有すると被衝撃加工部の遅れ破壊を引き起こす。従って、その上限を0.05%とする。より好ましい範囲は、0.02〜0.035%である。
Nはオーステナイト安定化元素で、鋼の熱間加工性を改善して内面疵の発生を防止する。そのためには、0.01%以上含有させることが必要である。一方、過度にNを含有すると被衝撃加工部の遅れ破壊を引き起こす。従って、その上限を0.05%とする。より好ましい範囲は、0.02〜0.035%である。
P:
Pは鋼の不純物の一つであり、その含有量が多いと熱処理後の製品の靭性が低下する。したがって、その許容上限値を0.020%とした。その含有量はできるだけ少ないことが好ましい。
Pは鋼の不純物の一つであり、その含有量が多いと熱処理後の製品の靭性が低下する。したがって、その許容上限値を0.020%とした。その含有量はできるだけ少ないことが好ましい。
S:
Sは鋼の熱間加工性を低減させる不純物であるから、その含有量は少ないほどよい。0.010%は許容上限値である。より好ましい範囲は、0.003%以下である。
Sは鋼の熱間加工性を低減させる不純物であるから、その含有量は少ないほどよい。0.010%は許容上限値である。より好ましい範囲は、0.003%以下である。
V、Ti、NbおよびB:
これらの元素は含有しなくても良い。しかしながら、これらの元素を含有させれば、被衝撃加工部の遅れ破壊効果を防止する効果を発揮する。そのためには、これらの元素の1種または2種以上を含有させることが好ましく、その場合の含有量は、V,Ti,Nbは0.005%以上、Bは0.0005%以上含有させるのが好ましい。しかしながら、含有量が多すぎると熱処理後の窒化物生成による硬度上昇によって耐食性の劣化や靭性低下を招き、また、強度ばらつきの原因となる。従って、V,Ti,Nbは0.200%以下に、Bは0.0100%以下に制限する必要がある。
これらの元素は含有しなくても良い。しかしながら、これらの元素を含有させれば、被衝撃加工部の遅れ破壊効果を防止する効果を発揮する。そのためには、これらの元素の1種または2種以上を含有させることが好ましく、その場合の含有量は、V,Ti,Nbは0.005%以上、Bは0.0005%以上含有させるのが好ましい。しかしながら、含有量が多すぎると熱処理後の窒化物生成による硬度上昇によって耐食性の劣化や靭性低下を招き、また、強度ばらつきの原因となる。従って、V,Ti,Nbは0.200%以下に、Bは0.0100%以下に制限する必要がある。
Ni:
NiもV、Ti、NbおよびBと同様、含有しなくても良い。しかしながら、Niは、オーステナイト安定化元素であり、含有させれば鋼の熱間加工性が改善される。そのためには0.001%以上含有させるのが好ましい。一方、含有量が過剰になると耐硫化物応力腐食割れ性が低下するので、その上限は0.5%とした。
NiもV、Ti、NbおよびBと同様、含有しなくても良い。しかしながら、Niは、オーステナイト安定化元素であり、含有させれば鋼の熱間加工性が改善される。そのためには0.001%以上含有させるのが好ましい。一方、含有量が過剰になると耐硫化物応力腐食割れ性が低下するので、その上限は0.5%とした。
Cu:
Cuも含有しなくても良い。Cuは、鋼の耐食性を向上させる元素であり、またオーステナイト安定化元素であるから、含有させれば鋼の熱間加工性が改善される。そのためには0.001%以上含有させるのが好ましい。一方、Cuは低融点であり、含有量が過剰になるとかえって熱間加工性を低下させるので、その上限は0.25%とした。
Cuも含有しなくても良い。Cuは、鋼の耐食性を向上させる元素であり、またオーステナイト安定化元素であるから、含有させれば鋼の熱間加工性が改善される。そのためには0.001%以上含有させるのが好ましい。一方、Cuは低融点であり、含有量が過剰になるとかえって熱間加工性を低下させるので、その上限は0.25%とした。
Al:
Alも含有しなくても良い。Alは、鋼の脱酸剤として有効であり、鋼管の外被れ疵の発生防止にも有効である。そのためには0.001%以上含有させることが好ましい。一方、含有量が多すぎると鋼の洗浄度を低下させ、また連続鋳造時に浸漬ノズル詰まりを発生させるので、その上限を0.1%とした。
Alも含有しなくても良い。Alは、鋼の脱酸剤として有効であり、鋼管の外被れ疵の発生防止にも有効である。そのためには0.001%以上含有させることが好ましい。一方、含有量が多すぎると鋼の洗浄度を低下させ、また連続鋳造時に浸漬ノズル詰まりを発生させるので、その上限を0.1%とした。
Ca:
Caも含有しなくても良い。Caは、鋼中のSと結合してSの粒界偏析による熱間加工性の低下を防止する。そのためには0.0001%以上含有させることが好ましい。一方、Caが多量に含有されると地疵の原因となるので、その上限を0.0050%とした。
Caも含有しなくても良い。Caは、鋼中のSと結合してSの粒界偏析による熱間加工性の低下を防止する。そのためには0.0001%以上含有させることが好ましい。一方、Caが多量に含有されると地疵の原因となるので、その上限を0.0050%とした。
また、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法は、前記成分系のマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製管後、鋼管の表面温度が135〜175℃になるまで空冷し、その後管端部を切断することが第2の特徴である。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法において、切断時の鋼管の表面温度を135〜175℃としたのは以下の理由による。
すなわち、切断時の鋼管の表面温度が175℃を超えた場合には、管端部に割れが発生するおそれがあるからである。一方、135℃未満となるまで冷却すると、割れ感受性は低下するが切断後にバリが発生し、外面疵の発生につながるおそれがあるからである。
すなわち、切断時の鋼管の表面温度が175℃を超えた場合には、管端部に割れが発生するおそれがあるからである。一方、135℃未満となるまで冷却すると、割れ感受性は低下するが切断後にバリが発生し、外面疵の発生につながるおそれがあるからである。
以下、本発明の効果を確認するために実験した結果について説明する。
下記表1に示す化学成分のビレットを溶製し、マンネスマン・マンドレルミルでビレットから熱間加工により種々の外径(すなわち、種々の外径加工度)を有する、長さが10mの継目無鋼管を製造した後、炉内温度が1050℃の再加熱炉に16分間在炉させて再加熱した後、空冷にて冷却した。
下記表1に示す化学成分のビレットを溶製し、マンネスマン・マンドレルミルでビレットから熱間加工により種々の外径(すなわち、種々の外径加工度)を有する、長さが10mの継目無鋼管を製造した後、炉内温度が1050℃の再加熱炉に16分間在炉させて再加熱した後、空冷にて冷却した。
空冷の時間を変化させて種々の表面温度の時に、下記表2に示す仕様のブレードを有するソーで、下記表3に示す条件にて鋼管端部を切断し、切断後、下記評価方法にて割れおよびバリを評価した。なお、鋼管の表面温度は放射温度計によって測定した。
(割れ評価方法)
ショットブラストにより鋼管内外面のスケールを除去した後に酸洗し、端部を外面目視検査することにより割れの有無を評価した。
ショットブラストにより鋼管内外面のスケールを除去した後に酸洗し、端部を外面目視検査することにより割れの有無を評価した。
(バリ評価方法)
切断後の鋼管切断部のバリの最大長さを測定し、バリの最大長さが20mm以上の場合にバリが発生したと判定した。
切断後の鋼管切断部のバリの最大長さを測定し、バリの最大長さが20mm以上の場合にバリが発生したと判定した。
本発明の温度範囲である135〜175℃の温度範囲で切断を行った場合は、図1に示すように、割れ・バリの発生とも無く良好であった。
一方、本発明の温度範囲外である175℃を超えた温度で切断を行った場合は、割れが発生した。また、本発明の温度範囲外である135℃未満の温度で切断を行った場合は、バリが発生した。
一方、本発明の温度範囲外である175℃を超えた温度で切断を行った場合は、割れが発生した。また、本発明の温度範囲外である135℃未満の温度で切断を行った場合は、バリが発生した。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範囲内で、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.15〜0.22%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜1.00%、Cr:12.00〜14.00%、N:0.01%〜0.05%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製管後、
鋼管外表面温度が135〜175℃になるまで空冷し、
その後管端部を切断することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。 - Feの一部に代えて、
質量%で、V:0.200%以下、Ti:0.200%以下、Nb:0.200%以下、B:0.0100%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.25%以下、Al:0.1%以下、Ca:0.0050%以下の1種または2種以上を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
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