JP2007270130A - ダイボンディング用樹脂ペースト、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

ダイボンディング用樹脂ペースト、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的低い温度で接着する必要がある支持部材に対して、印刷法によって容易に供給・塗布でき、かつBステージ工程の時間を短縮するために、Bステージ化と後硬化の工程を異なる方法で行うことが可能で、良好な接着強度があり、硬化後のボイド及び膜減りを抑制するペースト、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)光重合開始剤、(D)熱硬化性樹脂及び(E)フィラーを含有してなるダイボンディング用樹脂ペースト、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC、LSI等の半導体素子とリードフレームや絶縁性支持基板等の支持部材との接合材料(ダイボンディング材)として用いられるダイボンディング用樹脂ペースト、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
ICやLSIとリードフレームとの接合材料として、従来から、Au−Si共晶合金、半田、銀ペースト等が知られている。
また、本出願人は、特定のポリイミド樹脂を用いた接着フィルム、特定のポリイミド樹脂に導電性フィラー又は無機フィラーを加えたダイボンディング用接着フィルムを先に提案している(特許文献1〜3参照)。
特開平07−228697号公報 特開平06−145639号公報 特開平06−264035号公報
上記、Au−Si共晶合金は、耐熱性及び耐湿性は高いが、弾性率が大きいために大型チップへ適用した場合に割れやすい。また高価であるという難点もある。
半田は安価であるものの、耐熱性が劣り、その弾性率はAu−Si共晶合金と同様に高く、大型チップへの適用は難しい。
銀ペーストは、安価で、耐湿性が高く、弾性率はこれらの中では最も低く、350℃の熱圧着型ワイヤボンダーに適用できる耐熱性もあるので、現在はダイボンディング材の主流である。
しかし、ICやLSIの高集積化が進み、それに伴ってチップが大型化していくなかで、ICやLSIとリードフレームとを銀ペーストで接合しようとすると、これをチップ全面に広げて塗布しなければならず、それには困難を伴う。
上記、特許文献1〜3のダイボンディング用接着フィルムは、比較的低温で接着でき、かつ良好な熱時接着力をもつためダイボンド用として42アロイリードフレームに好適に使用できる。
しかし、近年のパッケージの小型・軽量化に伴い、比較的低い温度で貼り付ける必要のある絶縁性支持基板の使用が広範になっており、また製造コストの低減を目的として、印刷法によりダイボンディング材を形成できる印刷型ペースト状接着剤が注目されている。
比較的低い温度で貼り付ける必要がある基板に対して、印刷法によりダイボンディング材を形成する場合、過度の圧力によって必要以上にダイボンディング材の面積を広げないことや均一な膜厚形成のため、ダイボンディング時の温度、圧力のコントロールが重要となる。
また、ダイボインディング時のコントロールをしやすくするための半導体チップ搭載方法として、基板上に所定量のペーストを塗布後、乾燥工程によりペーストを半硬化(Bステージ化)させ、Bステージ化したダイボンディング用樹脂に半導体チップを搭載する方法が広く用いられている。
しかし、Bステージ化を熱で行おうとすると、硬化温度の離れている2つ以上の硬化系を含む材料又は硬化反応速度が比較的緩い材料を用い、さらに低温で長時間の加熱を行わなければならず、工程時間の短縮が可能なペーストの開発が求められている。
また、従来のペーストでは、Bステージ化によってペースト中の溶剤が揮発するため、硬化後にペーストの膜厚が薄くなる等の欠点もあった。
本発明は、上記の問題点を解決し、比較的低い温度で接着する必要がある支持部材に対して、印刷法によって容易に供給・塗布でき、かつBステージ工程の時間を短縮するために、Bステージ化と後硬化の工程を異なる方法で行うことが可能で、良好な接着強度があり、硬化後のボイド及び膜減りを抑制するペーストを提供するものである。
また、ダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供するものである。
本発明は、(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)光重合開始剤、(D)熱硬化性樹脂及び(E)フィラーを含有してなるダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、(E)フィラーが、非導電性フィラーを含有したものである前記のダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、非導電性フィラーが、シリカフィラーを含有したものである前記のダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、(D)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である、前記のダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、(1)支持部材上に前記のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを光照射によりBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
また、本発明は、(1)支持部材上に前記のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを光照射によりBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(4)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置に関する。
本発明によれば、比較的低い温度で接着する必要がある支持部材に対して、印刷法によって容易に供給・塗布でき、かつBステージ工程の時間を短縮するために、Bステージ化と後硬化の工程を異なる方法で行うことが可能で、良好な接着強度があり、後硬化のボイド及び膜減りを抑制するダイボンディング用樹脂ペーストを提供することにある。このダイボンディング用樹脂ペーストを用いることにより、チップ搭載前のBステージ化の時間を大幅に低減することができる。
また、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、耐熱性及び耐白化性があり、扱いやすく、低温接着性に優れていると共に樹脂ペーストの粘度が室温においても安定であり、扱いやすさに優れている。
さらに、フィルム状接着剤に比べ支持部材に対する密着性が向上するため、パッケージ信頼性が高まる。ダイボンド用として有機基板などの絶縁性支持基板や銅リードフレームに好適に使用でき、また42アロイリードフレームにも使用できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)光重合開始剤、(D)熱硬化性樹脂及び(E)フィラーを含有してなるダイボンディング用樹脂ペーストに関するものである。
本発明に用いられる(A)成分のアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物としては、1分子中に1個以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物であり、下記の一般式(I)〜(X)で表される化合物が使用できる。
(1)一般式(I)
Figure 2007270130
〔式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜100、好ましくは炭素数1〜36の2価の脂肪族又は環状構造を持つ脂肪族炭化水素基を表す〕で示される化合物。
一般式(I)で示される化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、2−(トリシクロ)[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−8又は9−イルオキシエチルアクリレート等のアクリレート化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロ [5.2.1.02,6]デシルメタクリレート、2−(トリシクロ)[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−8又は9−イルオキシエチルメタクリレート等のメタクリレート化合物が挙げられる。
(2)一般式(II)
Figure 2007270130
〔式中、R及びRはそれぞれ一般式(I)におけるものと同じものを表す〕で示される化合物。
一般式(II)で示される化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ダイマージオールモノアクリレート等のアクリレート化合物、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ダイマージオールモノメタクリレート等のメタクリレート化合物等が挙げられる。
(3)一般式(III)
Figure 2007270130
〔式中、Rは一般式(I)におけるものと同じものを表し、Rは水素、メチル基又はフェノキシメチル基を表し、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はベンゾイル基を表し、nは1〜50の整数を表す〕で示される化合物。
一般式(III)で示される化合物としては、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等のアクリレート化合物、ジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート化合物が挙げられる。
(4)一般式(IV)
Figure 2007270130
〔式中、Rは一般式(I)におけるものと同じものを表し、Rはフェニル基、ニトリル基、−Si(OR(Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す)又は下記の式の基
Figure 2007270130
(R、R及びRはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R10は水素又は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す)を表し、mは0、1、2又は3の数を表す〕で示される化合物。
一般式(IV)で示される化合物としては、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロピラニルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルアクリレート、アクリロキシエチルホスフェート、アクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等のアクリレート化合物、ベンジルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロピラニルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メタクリロイルオキシエチルフェニルアシッドホスフェート等のメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等のメタクリレート化合物が挙げられる。
(5)一般式(V)
Figure 2007270130
〔式中、R及びRはそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表す〕で示される化合物。
一般式(V)で示される化合物としては、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ダイマージオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート等のジアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ダイマージオールジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート等のジメタクリレート化合物が挙げられる。
(6)一般式(VI)
Figure 2007270130
〔式中、R、R及びnはそれぞれ独立に一般式(III)におけるものと同じものを表す〕で示される化合物。
一般式(VI)で示される化合物としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物が挙げられる。
(7)一般式(VII)
Figure 2007270130
〔式中、Rはそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表し、R11及びR12はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表す〕で示される化合物。
一般式(VII)で示される化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルアクリレート2モルとの反応物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルメタクリレート2モルとの反応物等が挙げられる。
(8)一般式(VIII)
Figure 2007270130
〔式中、R、R11及びR12はそれぞれ独立に一般式(VII)におけるものと同じものを表しR13及びR14はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1〜20の整数を表す〕で示される化合物。
一般式(VIII)で示される化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジメタクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物のジメタクリレート等が挙げられる。
(9)一般式(IX)
Figure 2007270130
〔式中、Rはそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表し、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表し、xは1〜20の整数を表す〕で示される化合物。
一般式(IX)で示される化合物としては、ビス(アクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アクリロイルオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ビス(メタクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビス(メタクリロイルオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー等が挙げられる。
(10)一般式(X)
Figure 2007270130
〔式中、Rはそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表し、r、s、t及びuはそれぞれ独立に繰り返し数の平均値を示す0以上の数であり、r+tは0.1以上、好ましくは0.3〜5であり、s+uは1以上、好ましくは1〜100である〕で示される化合物。
一般式(X)で示される化合物としては、無水マレイン酸を付加させたポリブタジエンと分子内に水酸基を持つアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物を反応させて得られる反応物及びその水素添加物があり、例えばMM−1000−80、MAC−1000−80(共に、新日本石油化学(株)商品名)等が挙げられる。
(A)成分のアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物としては、上記の化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、ブタジエン系の液状ゴム成分を用いる。ブタジエン系の液状ゴム成分としては、(B)エポキシ化ポリブタジエン及びカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体から選択される少なくとも1種類以上の液状ゴム成分である。
本発明に用いられる(B)の液状ゴム成分としては、エポキシ当量が好ましくは1000(g/eq)以下、より好ましくは50〜500(g/eq)であり、室温での粘度が好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは10〜100Pa・sであるエポキシ化ポリブタジエン、室温での粘度が好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは50〜500Pa・sであるカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体それぞれの単独又は組み合わせて使用することができる。
なお、エポキシ当量は過塩素酸法により求めたものである。粘度は、樹脂ペーストの粘度の測定方法と同じ方法により測定することができる。
エポキシ化ポリブタジエンとしては、例えば、E−1000−8〔新日本石油化学(株)商品名〕、PB−4700〔ダイセル化学(株)商品名〕が挙げられる。
また、カルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体としては、Hycer CTB−2009X162、CTBN−1300X31、CTBN−1300X8、CTBN−1300X13、CTBNX−1300X9〔いずれも宇部興産(株)商品名〕、NISSO−PB−C−2000〔日本曹達(株)商品名〕等が挙げられる。
エポキシ化ポリブタジエンとして、分子内に少なくとも1つの水酸基を持つものを使用しても良い。
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して10〜100重量部使用することが好ましく、30〜80重量部使用することがより好ましい。この配合量が10重量部未満であるとチップ反り低減効果に劣る傾向があり、100重量部を超えると、粘度が増大し、樹脂ペーストの作業性が低下する傾向がある。
本発明に用いられる(C)の光重合開始剤としては特に制限はなく、各種のものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の配合量は、(A)成分の総量100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、0.5〜10重量部が特に好ましい。この配合割合が0.01重量部未満であると、硬化性が低下する傾向があり、30重量部を超えると、揮発分が多くなり、硬化物中にボイドと呼ばれる空隙が生じ易くなる傾向がある。
本発明に用いられる(D)熱硬化性樹脂とは、熱により架橋反応を起こしうる反応性化合物を言う。このような化合物としては例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含有する樹脂、トリアリルトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成される熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら熱硬化樹脂は単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
この中において、高温において優れた接着力を持たせることができ、また取り扱い性の点から、エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。
このような理由により、本発明の他の一実施形態は、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストに関するものである。
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては特に制限はないが、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を持つものが好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールF若しくはハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂等のグリシジルエーテルなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂の配合量は、(A)成分の総量100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましく、2〜30重量部が特に好ましい。この配合割合が100重量部を超えると、低応力の特性を発揮しにくい傾向がある。
熱硬化性樹脂を用いる場合、これを硬化させるために、硬化剤、硬化促進剤、触媒等の添加剤を樹脂ペースト中に適宜加えることができる。触媒を添加する場合は、必要に応じて助触媒を使用することができる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合は、通常、硬化促進剤と共に用いられる。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂を硬化させるために用いられるものであればよい。このようなものとしては、例えば、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等が挙げられる。
硬化促進剤の量は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。この配合割合が50重量部を超えると、低応力の効果を発揮しにくい傾向がある。
本発明に用いるフィラー(E)としては、銀粉、金粉、銅粉等の導電性(金属)フィラー、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機物質フィラー等がある。
フィラーのうち、銀粉、金粉、銅粉等の導電性(金属)フィラーは、接着剤に導電性、伝熱性又はチキソトロピー性を付与する目的で添加される。
また、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機物質フィラーは、接着剤に低熱膨張性、低吸湿率、チキソトロピー性を付与する目的で添加される。
また、半導体装置の電気的信頼性を向上させるフィラーとして、無機イオン交換体を加えても良い。ペースト硬化物を熱水中で抽出したとき、水溶液中に抽出されるイオン、例えば、Na、K、Cl、F、RCOO、Br等のイオン捕捉作用が認められるものが有効である。このようなイオン交換体としては、天然に産出されるゼオライト、沸石類、酸性白土、白雲石、ハイドロタルサイト類等の天然鉱物、人工的に合成された合成ゼオライトなどが例として挙げられる。
これら導電性フィラー又は無機物質フィラーは、2種以上を混合して用いることもできる。
また、物性を損なわない範囲で導電性フィラーと無機物質フィラーとを混合して用いてもよい。
フィラーの量は、樹脂ペースト総量に対して、通常1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部である。1重量部未満ではペーストに十分なチキソトロピー性(チキソトロピー指数:1.5以上)を付与しにくい。また、100重量部を超えて多いと接着性が低下する場合がある。更に硬化物の弾性率が高くなり、その結果、ダイボンディング材の応力緩和能が低くなり半導体装置の実装信頼性が低下する場合がある。
また、本発明の他の一実施形態は、フィラーが、無機物質フィラーを含有したものである前記のダイボンディング用樹脂ペーストに関するものである。
また、本発明の他の一実施形態は、無機物質フィラーが、シリカフィラーを含有したものである前記のダイボンディング用樹脂ペーストに関するものである。
本発明に用いられる無機物質フィラーのシリカとしては、特に制限はないが、疎水性の表面処理をしているものが好ましい。疎水性の表面処理をしていると、ペーストが吸湿しにくくなり、吸湿によりペーストの粘度が変化するのを防ぎ、室温での経時粘度変化率を低くすることができる。
疎水性の表面処理の方法としては、特に制限はなく、例えば無機物質フィラーの表面に、メチル基等のアルキル基やトリメチルシリル基等の疎水性基を導入する方法や、ジメチルシリコーンオイル、オクチルシラン等で表面処理をする方法があげられる。
疎水性の表面処理がされたシリカフィラーとしては、例えば、アエロジルR972、R972V、R972CF、R974、RX200、RY200、R805(いずれも日本アエロジル(株)商品名)が挙げられる。
本発明になる樹脂ペーストには、さらに必要に応じてアクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンアクリレート等の靭性改良材、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物等の接着力向上剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤、シリコーン油等の消泡剤や、ペースト形状を保持させるためのスペーサーフィラー、スペーサー樹脂等を適宜添加することができる。
さらに、必要に応じ溶剤を用いることもできる。溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライムともいう)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライムともいう)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、γ−ブチロラクトン、イソホロン、カルビトール、カルビトールアセテート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、アニソールのほかに、印刷用インキの溶剤として使われる石油蒸留物を主体とした溶剤などが挙げられる。
本発明における樹脂ペーストの製造は、(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)光重合開始剤、(D)熱硬化性樹脂及び(E)フィラーを必要に応じて用いられる各種添加剤と共に、一括又は分割して撹拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等の分散・溶解装置を適宜組み合わせ、必要に応じて加熱して、混合、溶解、解粒混練又は分散して行われる。各成分が均一になるように分散させることが好ましい。
樹脂ペーストの粘度は通常、5〜1000Pa・sの範囲であるが、5〜500Pa・sの範囲であることがより好ましく、さらに好ましくは、スクリーンメッシュ版等のようにマスク開口部にメッシュ等が張ってある場合は、メッシュ部の抜け性を考慮して5〜200Pa・sの範囲であることが好ましく、ステンシル版等の場合は20〜500Pa・sの範囲に調整されていることが好ましい。
樹脂ペーストの粘度が5Pa・s未満、あるいは1000Pa・sを超えると、印刷作業性が低下する傾向にある。但し、上記粘度はE型回転粘度計を用いて、25℃で、回転数0.5rpmで測定したときの値とする。
また、本発明の他の一実施形態は、(1)支持部材上に得られたダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを光照射によりBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載する工程を含む、半導体装置の製造方法に関するものである。
具体的には、得られたダイボンディング用樹脂ペーストは、42アロイリードフレーム、銅リードフレーム等のリードフレーム又はポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂等のプラスチックフィルム、さらには、ガラス不織布などの基材にポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂等のプラスチックを含浸・硬化させたもの若しくはアルミナなどのセラミックス製の支持部材(板状)などに、本発明の樹脂ペーストを印刷法によって供給・塗布する。
次いで、光照射により半硬化させてBステージ状態の接着剤付き支持部材とし、さらに、このBステージ接着剤付き支持部材に、IC、LSI等の半導体素子(チップ)を接着し、必要に応じて加熱させて支持部材に接着する。
その後、樹脂ペーストは、実装信頼性に影響がない範囲で封止材の硬化工程により硬化させてもよいが、封止材の硬化工程の前に樹脂ペーストを硬化させる方がより好ましい。
この為、本発明の他の一実施形態は、(1)支持部材上に得られたダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを光照射によりBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(4)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む半導体装置の製造方法に関するものである。
本発明の樹脂ペーストによれば、比較的低い温度で硬化することが可能であり、硬化温度は、好ましくは140〜200℃、より好ましくは150〜180℃である。
また、本発明の半導体装置は、本発明の樹脂ペーストを用いて製造されたものであれば特にその構造に制限はなく、例えば、半導体素子と支持部材とを接着している本発明の樹脂ペーストを含有する半導体装置が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに制限するものではない。
(実施例1〜5)
表1に示す配合割合で各材料をらいかい機に入れ、混練した後、5Torr以下で1時間脱泡混練を行い、ダイボンディング用樹脂ペーストを得た。
(比較例1、2)
あらかじめエポキシ樹脂(YDCN−702)11重量部及びフェノール樹脂(H−1)8重量部のカルビトールアセテート(29重量部)溶液(熱硬化性樹脂の固形分の濃度は約40重量%)を用意しておき、表1に示す割合で各材料と共にらいかい機に入れ、混練した後、5Torr以下で1時間脱泡混練を行い、ダイボンディング用樹脂ペーストを得た。
これらの樹脂ペーストの特性(不揮発分濃度、内部ボイド、熱時ダイシェア強度)を下記に示す方法で調べた。その結果を表1に示す。
(1)不揮発分濃度:金属シャーレ(直径60mm、深さ10mm)に樹脂ペーストを1.5g測りとり、その重量を精秤し、200℃のオーブンで2時間硬化させる。その後、重量を精秤し、次式により不揮発分濃度を計算した。
Figure 2007270130
(2)内部ボイド:樹脂ペーストを8×10mmの42アロイリードフレーム上に8×10mmの大きさで印刷し、それぞれ表1に示すBステージ条件にてBステージ化させた。この上に8mm×10mmのシリコンチップ(厚さ0.4mm)を表1に示すダイアタッチ条件で貼り付けた。その後、180℃のオーブンで1時間硬化させ、サンプルを作成した。このサンプルのペースト層の部分を、走査型超音波顕微鏡を用いて、ペースト層のボイドを観察した。
(3)熱時ダイシェア強度:樹脂ペーストを8×10mmの42アロイリードフレーム上に5×5mmの大きさで印刷し、それぞれ表1に示す条件にてBステージ化させた。その樹脂ペースト上に5×5mmのシリコンチップ(厚さ0.4mm)を、表1に示すダイアタッチ条件で貼り付けた。その後、180℃のオーブンで1時間硬化させた。これを、自動接着力試験機(デイジ社製、BT−400)を用い、250℃における剪断強さ(kg/チップ)を測定した。
Figure 2007270130
なお、表1において、種々の記号は下記の意味である。
SR−349:サートマー社、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート。
FA−512M:日立化成工業株式会社、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート。
CTBN−1300X8:宇部興産株式会社、カルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体。
PB−4700:ダイセル化学株式会社、エポキシ化ポリブタジエン。
イルガキュア369:ラジカル系光重合開始剤、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4−モルフォリノブチルフェノン。
YDCN−702:東都化成株式会社、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量195〜220)。
EXA−4850−150:大日本インキ化学工業株式会社、エポキシ樹脂、エポキシ当量450。
EXA−4850−1000:大日本インキ化学工業株式会社、エポキシ樹脂、エポキシ当量350。
H−1:明和化成株式会社、フェノールノボラック樹脂(OH当量106)
2P4MHZ:四国化成工業株式会社、キュアゾール、2−フェニルー4−メチルー5−5−ヒドロキシメチルイミダゾール。
DICY:ジシアンジアミド。
AEROSIL 380:日本アエロジル株式会社、シリカフィラー。
AEROSIL R972:日本アエロジル株式会社、ジメチルジクロロシランで表面処理した疎水性のシリカフィラー。
表1に示されるように、本発明のダイボンディング用樹脂ペースト(実施例1〜3)は、従来のエポキシ樹脂を用いた樹脂ペースト(比較例1、2)に比較して短時間にてBステージ化を行うことができ、硬化後のボイドの発生も抑制し、熱時ダイシェア強度で良好な値を示すことが明らかである。
比較例1においてもダイシェア強度は良好な値を示したが、Bステージ工程において150℃のオーブンにて50分加熱をしなければならない。
また、比較例2のようにBステージ工程を短時間で行うと、ペーストはBステージ状態にはならず(ペースト状のままで)、この状態でチップを貼り付け、硬化させると、ペースト層にボイドが発生した。
さらに、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、不揮発分濃度が高いことから硬化によるペーストの膜減りを抑制することができた。このことから、本発明により、Bステージ工程の時間を短縮し、扱いやすさに優れ、硬化後のボイド発生及び膜減りを抑制する、信頼性の高いダイボンディング用樹脂ペーストを提供できることが確認された。

Claims (7)

  1. (A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)光重合開始剤、(D)熱硬化性樹脂及び(E)フィラーを含有してなるダイボンディング用樹脂ペースト。
  2. (E)フィラーが、非導電性フィラーを含有したものである請求項1記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
  3. 非導電性フィラーが、シリカフィラーを含有したものである請求項2記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
  4. (D)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
  5. (1)支持部材上に請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを光照射によりBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載する工程を含む半導体装置の製造方法。
  6. (1)支持部材上に請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを光照射によりBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(4)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置。
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