JP2012251149A - ダイボンディング用樹脂ペースト並びに、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的低い温度で接着する必要がある支持部材に対して、印刷法によって容易に供給・塗布でき、かつ硬化後のボイド発生および膜減りを抑制するダイボンディング用樹脂ペーストを提供すること。
【解決手段】(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを含有してなり、25℃での粘度が5〜1000Pa・sであり、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下であることを特徴とするダイボンディング用樹脂ペースト。
【選択図】なし
【解決手段】(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを含有してなり、25℃での粘度が5〜1000Pa・sであり、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下であることを特徴とするダイボンディング用樹脂ペースト。
【選択図】なし
Description
本発明は、IC、LSI等の半導体素子とリードフレームや絶縁性支持基板等の支持部材との接合材料(ダイボンディング材)として用いられるダイボンディング用樹脂ペースト及びそれを用いた半導体装置の製造方法、半導体装置等の用途に関するものである。
ICやLSIとリードフレームとの接合材料として、従来から、Au−Si共晶合金、半田あるいは銀ペースト等が知られている。
また、本出願人は、特定のポリイミド樹脂を用いた接着フィルム、特定のポリイミド樹脂に導電性フィラーもしくは無機フィラーを加えたダイボンディング用接着フィルムを先に提案している(特許文献1〜3参照)。
また、本出願人は、特定のポリイミド樹脂を用いた接着フィルム、特定のポリイミド樹脂に導電性フィラーもしくは無機フィラーを加えたダイボンディング用接着フィルムを先に提案している(特許文献1〜3参照)。
上記Au−Si共晶合金は、耐熱性及び耐湿性は高いが、弾性率が大きいために大型チップへ適用した場合に割れやすい。また、高価な難点もある。
半田は安価であるものの、耐熱性が劣り、その弾性率はAu−Si共晶合金と同様に高く、大型チップへの適用は難しい。
銀ペーストは、安価で、耐湿性が高く、弾性率はこれらの中では最も低く、350℃の熱圧着型ワイヤボンダーに適用できる耐熱性もあるので、現在はダイボンディング材の主流である。しかし、ICやLSIの高集積化が進み、それに伴ってチップが大型化していくなかで、ICやLSIとリードフレームとを銀ペーストで接合しようとすると、これをチップ全面に広げて塗布しなければならず、それには困難を伴う。
本出願人が先に提案したダイボンディング用接着フィルムは、比較的低温で接着でき、かつ良好な熱時接着力をもつためダイボンド用として42アロイリードフレームに好適に使用できる。
しかし、近年のパッケージの小型・軽量化に伴い、絶縁性支持基板の使用が広範になっており、また、製造コストの低減を目的として、ダイボンディング材を量産性の高い印刷法で供給しようとする方法が注目されている。しかしながら、ダイボンディング材の硬化条件によっては、その硬化後にボイドが発生し、接着強度あるいはパッケージの信頼性を低下させる、硬化後にペーストの膜厚が薄くなる等の問題があった。
したがって、本発明は、これらの課題を解決し、比較的低い温度で接着する必要がある支持部材に対して、印刷法によって容易に供給・塗布でき、かつ硬化後のボイド発生および膜減りを抑制するダイボンディング用樹脂ペーストを提供することを目的とする。また、本発明は、そのダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置の製造方法、半導体装置等の用途を提供することを目的とする。
半田は安価であるものの、耐熱性が劣り、その弾性率はAu−Si共晶合金と同様に高く、大型チップへの適用は難しい。
銀ペーストは、安価で、耐湿性が高く、弾性率はこれらの中では最も低く、350℃の熱圧着型ワイヤボンダーに適用できる耐熱性もあるので、現在はダイボンディング材の主流である。しかし、ICやLSIの高集積化が進み、それに伴ってチップが大型化していくなかで、ICやLSIとリードフレームとを銀ペーストで接合しようとすると、これをチップ全面に広げて塗布しなければならず、それには困難を伴う。
本出願人が先に提案したダイボンディング用接着フィルムは、比較的低温で接着でき、かつ良好な熱時接着力をもつためダイボンド用として42アロイリードフレームに好適に使用できる。
しかし、近年のパッケージの小型・軽量化に伴い、絶縁性支持基板の使用が広範になっており、また、製造コストの低減を目的として、ダイボンディング材を量産性の高い印刷法で供給しようとする方法が注目されている。しかしながら、ダイボンディング材の硬化条件によっては、その硬化後にボイドが発生し、接着強度あるいはパッケージの信頼性を低下させる、硬化後にペーストの膜厚が薄くなる等の問題があった。
したがって、本発明は、これらの課題を解決し、比較的低い温度で接着する必要がある支持部材に対して、印刷法によって容易に供給・塗布でき、かつ硬化後のボイド発生および膜減りを抑制するダイボンディング用樹脂ペーストを提供することを目的とする。また、本発明は、そのダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置の製造方法、半導体装置等の用途を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では以下の構成をとった。
すなわち、本発明は、(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを含有してなり、25℃での粘度が5〜1000Pa・sであり、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下であることを特徴とするダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
但し、上記粘度はE型回転粘度計を用いて、25℃で、回転数0.5rpmで測定したときの値とする。
樹脂ペーストの粘度は通常、5〜1000Pa・sの範囲であるが、5〜500Pa・sの範囲であることがより好ましく、さらに好ましくは、スクリーンメッシュ版等のようにマスク開口部にメッシュ等が張ってある場合は、メッシュ部の抜け性を考慮して5〜200Pa・sの範囲であることが好ましく、ステンシル版等の場合は20〜500Pa・sの範囲に調整されていることが好ましい。樹脂ペーストの粘度が5Pa・s未満、あるいは1000Pa・sを超えると、印刷作業性が低下する傾向にある。
また、樹脂ペーストを室温で48時間放置した場合の粘度変化率が±20%を超えると、樹脂ペーストの可使時間が非常に短く、使い勝手が悪くなる。
また、本発明は、ダイボンディング用樹脂ペーストの非導電性フィラーが、疎水化処理されたシリカフィラーである前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、ダイボンディング用樹脂ペーストのシリカフィラーの1次粒子の平均粒径が10μm以下である前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、(1)支持部材上に前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(3)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
また、本発明は、(1)支持部材上に前記ダイボンディング用ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを乾燥してBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(4)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
また、本発明は、前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置に関する。
すなわち、本発明は、(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを含有してなり、25℃での粘度が5〜1000Pa・sであり、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下であることを特徴とするダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
但し、上記粘度はE型回転粘度計を用いて、25℃で、回転数0.5rpmで測定したときの値とする。
樹脂ペーストの粘度は通常、5〜1000Pa・sの範囲であるが、5〜500Pa・sの範囲であることがより好ましく、さらに好ましくは、スクリーンメッシュ版等のようにマスク開口部にメッシュ等が張ってある場合は、メッシュ部の抜け性を考慮して5〜200Pa・sの範囲であることが好ましく、ステンシル版等の場合は20〜500Pa・sの範囲に調整されていることが好ましい。樹脂ペーストの粘度が5Pa・s未満、あるいは1000Pa・sを超えると、印刷作業性が低下する傾向にある。
また、樹脂ペーストを室温で48時間放置した場合の粘度変化率が±20%を超えると、樹脂ペーストの可使時間が非常に短く、使い勝手が悪くなる。
また、本発明は、ダイボンディング用樹脂ペーストの非導電性フィラーが、疎水化処理されたシリカフィラーである前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、ダイボンディング用樹脂ペーストのシリカフィラーの1次粒子の平均粒径が10μm以下である前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
また、本発明は、(1)支持部材上に前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(3)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
また、本発明は、(1)支持部材上に前記ダイボンディング用ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを乾燥してBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(4)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
また、本発明は、前記記載のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置に関する。
本発明により、比較的低い温度で接着する必要がある支持部材に対して、印刷法によって容易に供給・塗布でき、かつ硬化後のボイド発生および膜減りを抑制する、信頼性の高いダイボンディング用樹脂ペーストを提供できる。また、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、耐熱性及び耐白化性があり、扱いやすく、低温接着性に優れている。また、樹脂ペーストの粘度が室温においても安定であり、扱いやすさに優れている。さらに、フィルム状接着剤に比べ支持部材に対する密着性が向上するため、パッケージ信頼性が高まる。ダイボンド用として有機基板などの絶縁性支持基板や銅リードフレームに好適に使用でき、また、42アロイリードフレームにも使用できる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の一実施形態は(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを含有してなり、25℃での粘度が5〜1000Pa・sであり、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下であるダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
本発明の一実施形態は(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを含有してなり、25℃での粘度が5〜1000Pa・sであり、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下であるダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
本発明に用いられる(A)成分のアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物としては、1分子中に1個以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物であり、下記の一般式(I)〜(X)で表される化合物が使用できる。
(1)一般式(I)
〔式中、R1は水素又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜100、好ましくは炭素数1〜36の2価の脂肪族又は環状構造を持つ脂肪族炭化水素基を表す〕で示される化合物。
一般式(I)で示される化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート、2−(トリシクロ)[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−8又は9−イルオキシエチルアクリレート等のアクリレート化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロ [5.2.1.02,6]デシルメタクリレート、2−(トリシクロ)[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−8又は9−イルオキシエチルメタクリレート等のメタクリレート化合物がある。
(2)一般式(II)
〔式中、R1及びR2はそれぞれ一般式(I)におけるものと同じものを表す〕で示される化合物。
一般式(II)で示される化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ダイマージオールモノアクリレート等のアクリレート化合物、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ダイマージオールモノメタクリレート等のメタクリレート化合物等がある。
(3)一般式(III)
〔式中、R1は一般式(I)におけるものと同じものを表し、R3は水素、メチル基又はフェノキシメチル基を表し、R4は水素、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はベンゾイル基を表し、nは1〜50の整数を表す〕で示される化合物。
一般式(III)で示される化合物としては、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等のアクリレート化合物、ジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート化合物がある。
(4)一般式(IV)
〔式中、R1は一般式(I)におけるものと同じものを表し、R5はフェニル基、ニトリル基、−Si(OR6)3(R6は炭素数1〜6のアルキル基を表す)、又は下記の式の基
(R7、R8及びR9はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R10は水素又は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す)を表し、mは0、1、2又は3の数を表す〕で示される化合物。
一般式(IV)で示される化合物としては、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロピラニルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルアクリレート、アクリロキシエチルホスフェート、アクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等のアクリレート化合物、ベンジルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロピラニルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メタクリロイルオキシエチルフェニルアシッドホスフェート等のメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等のメタクリレート化合物がある。
(5)一般式(V)
〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表す〕で示される化合物。
一般式(V)で示される化合物としては、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ダイマージオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート等のジアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ダイマージオールジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート等のジメタクリレート化合物がある。
(6)一般式(VI)
〔式中、R1、R3及びnはそれぞれ独立に一般式(III)におけるものと同じものを表す〕で示される化合物。
一般式(VI)で示される化合物としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物がある。
(7)一般式(VII)
〔式中、R1はそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表し、R11及びR12はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表す〕で示される化合物。
一般式(VII)で示される化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルアクリレート2モルとの反応物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルメタクリレート2モルとの反応物等がある。
(8)一般式(VIII)
〔式中、R1、R11及びR12はそれぞれ独立に一般式(VII)におけるものと同じものを表しR13及びR14はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1〜20の整数を表す〕で示される化合物。
一般式(VIII)で示される化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジメタクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物のジメタクリレート等がある。
(9)一般式(IX)
〔式中、R1はそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表し、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素又はメチル基を表し、xは1〜20の整数を表す〕で示される化合物。
一般式(IX)で示される化合物としては、ビス(アクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アクリロイルオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ビス(メタクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビス(メタクリロイルオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー等がある。
(10)一般式(X)
〔式中、R1はそれぞれ独立に一般式(I)におけるものと同じものを表し、r、s、t及びuはそれぞれ独立に繰り返し数の平均値を示す0以上の数であり、r+tは0.1以上、好ましくは0.3〜5であり、s+uは1以上、好ましくは1〜100である]で示される化合物。
一般式(X)で示される化合物としては、無水マレイン酸を付加させたポリブタジエンと分子内に水酸基を持つアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物を反応させて得られる反応物及びその水素添加物があり、例えばMM−1000−80、MAC−1000−80(共に、新日本石油化学(株)商品名)等がある。
(A)成分のアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物としては、上記の化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、(B)エポキシ化ポリブタジエン及びカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体から選択される少なくとも1種類以上の液状ゴム成分を用いる。本発明に用いられる(B)の液状ゴム成分としてはエポキシ当量が好ましくは1000(g/eq)以下、より好ましくは50〜500(g/eq)であり、室温での粘度が好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは10〜100Pa・sであるエポキシ化ポリブタジエン、室温での粘度が好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは50〜500Pa・sであるカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体それぞれの単独又は組み合わせて使用することができる。なお、エポキシ当量は過塩素酸法により求めたものである。粘度は、樹脂ペーストの粘度の測定方法と同じ方法により測定することができる。
エポキシ化ポリブタジエンとしては、例えば、E−1000−8(新日本石油化学(株)商品名)、PB−4700(ダイセル化学(株)商品名)が挙げられる。また、カルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体としては、Hycer CTB−2009X162、CTBN−1300X31、CTBN−1300X8、CTBN−1300X13、CTBNX−1300X9(いずれも宇部興産(株)商品名)、NISSO−PB−C−2000(日本曹達(株)商品名)などが挙げられる。
エポキシ化ポリブタジエンとして、分子内に少なくとも1つの水酸基を持つものを使用しても良い。
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して10〜100重量部使用することが好ましく、30〜80重量部使用することがより好ましい。この配合量が10重量部未満であるとチップ反り低減効果に劣る傾向があり、100重量部を超えると、粘度が増大し、樹脂ペーストの作業性が低下する傾向がある。
本発明に用いられる(C)のラジカル開始剤としては特に制限はないが、ボイド等の点から過酸化物が好ましく、また樹脂ペーストの硬化性および粘度安定性の点から、急速加熱試験での過酸化物の分解温度が70〜170℃のものが好ましい。ラジカル開始剤の具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、クメンハイドロパーオキサイド等がある。
ラジカル開始剤の配合量は、(A)成分の総量100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部が特に好ましい。この配合割合が0.1重量部未満であると、硬化性が低下する傾向があり、10重量部を超えると、揮発分が多くなり、硬化物中にボイドと呼ばれる空隙が生じ易くなる傾向がある。
発明に用いられる(D)の非導電性フィラーとしては特に制限はなく、各種のものを用いることができ、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等からなるフィラーがある。これらの非導電性フィラーは、樹脂ペーストに低熱膨張性、低吸湿率、チキソトロピー性を付与する。
また、半導体装置の電気的信頼性を向上させるフィラーとして、無機イオン交換体を加えても良い。ペースト硬化物を熱水中で抽出したとき、水溶液中に抽出されるイオン、例えば、Na+、K+、Cl−、F−、RCOO−、Br−等のイオン捕捉作用が認められるものが有効である。このようなイオン交換体としては、天然に産出されるゼオライト、沸石類、酸性白土、白雲石、ハイドロタルサイト類などの天然鉱物、人工的に合成された合成ゼオライトなどが例として挙げられる。
フィラーの量は、樹脂ペースト総量に対して、通常1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部である。1重量部未満ではペーストに十分なチキソトロピー性(チキソトロピー指数:1.5以上)を付与しにくい。また、100重量部を超えて多いと接着性が低下する場合がある。更に硬化物の弾性率が高くなり、その結果、ダイボンディング材の応力緩和能が低くなり半導体装置の実装信頼性が低下する場合がある。
また、本発明の一実施形態は、ダイボンディング用樹脂ペーストの非導電性フィラーとしてシリカを含有させてなり、かつそのフィラーが疎水化処理(疎水性の表面処理)をされているダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
発明に用いられる非導電性フィラーのシリカとしては、疎水性の表面処理をしているものが好ましい。疎水性の表面処理をしていないと、ペーストが吸湿しやすくなり、吸湿によりペーストの粘度が変化し、室温での経時粘度変化率が高くなりやすい。疎水性の表面処理の方法としては、特に制限はなく、例えば非導電性フィラーの表面に、メチル基等のアルキル基やトリメチルシリル基等の疎水性基を導入する方法や、ジメチルシリコーンオイル、オクチルシラン等で表面処理をする方法があげられる。
疎水性の表面処理がされたシリカフィラーとしては、例えば、アエロジルR972、R972V、R972CF、R974、RX200、RY200、R805(いずれも日本アエロジル(株)商品名)が挙げられる。
また、本発明の一実施形態は、ダイボンディング用樹脂ペーストのシリカとして、1次粒子の平均粒径が10μm以下であるシリカを含有させてなるダイボンディング用樹脂ペーストに関する。
発明に用いられるシリカとしては、1次粒子の平均粒径が10μm以下のものが好ましく、1μm以下がより好ましく、1nm〜100nmが特に好ましい。1次粒子の平均粒径が10μmを超えると、ペーストに十分なチキソトロピー性を付与しにくい。なお、上記平均粒径は、例えばレーザー光回折法による粒度分布測定により測定することができる。また、平均粒径はメジアン径として求めることができる。
また、本発明の樹脂ペーストには、熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、及び必要に応じエポキシ樹脂と共に用いられるフェノール樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂は、通常、硬化促進剤と共に用いられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールFもしくはハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル等がある。
エポキシ樹脂を用いる場合、その量は、(A)成分の総量100重量部に対して0〜100重量部が好ましく、0〜30重量部が特に好ましい。この配合割合が100重量部を超えると、低応力の特性を発揮しにくい傾向がある。
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール、フェノールアラルキル樹脂等がある。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂100重量部に対して0〜150重量部、好ましくは0〜120重量部用いられる。この配合割合が150重量部を超えると、硬化性が不十分となる傾向がある。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂を硬化させるために用いられるものであればよい。このようなものとしては、例えば、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等が用いられる。
硬化促進剤の量はエポキシ樹脂100重量部に対し、0〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。この配合割合が50重量部を超えると、低応力の効果を発揮しにくい傾向がある。
本発明になる樹脂ペーストには、さらに必要に応じてアクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンアクリレート等の靭性改良材、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物等の接着力向上剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤、シリコーン油等の消泡剤や、ペースト形状を保持させるためのスペーサーフィラー、スペーサー樹脂等を適宜添加することができる。
さらに必要に応じ溶剤を用いることもできる。溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライムともいう)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライムともいう)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、γ―ブチロラクトン、イソホロン、カルビトール、カルビトールアセテート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、アニソールのほかに、印刷用インキの溶剤として使われる石油蒸留物を主体とした溶剤などがある。
本発明における樹脂ペーストの製造は、(A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを必要に応じて用いられる各種添加剤とともに、一括または分割して撹拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等の分散・溶解装置を適宜組み合わせ、必要に応じて加熱して、混合、溶解、解粒混練または分散して行われる。各成分が均一になるように分散させることが好ましい。
樹脂ペーストの粘度は通常、5〜1000Pa・sの範囲であるが、5〜500Pa・sの範囲であることがより好ましく、さらに好ましくは、スクリーンメッシュ版等のようにマスク開口部にメッシュ等が張ってある場合は、メッシュ部の抜け性を考慮して5〜200Pa・sの範囲であることが好ましく、ステンシル版等の場合は20〜500Pa・sの範囲に調整されていることが好ましい。樹脂ペーストの粘度が5Pa・s未満、あるいは1000Pa・sを超えると、印刷作業性が低下する傾向にある。但し、上記粘度はE型回転粘度計を用いて、25℃で、回転数0.5rpmで測定したときの値とする。
また、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下である。室温とは、好ましくは10〜30℃である。経時粘度変化率(48時間)とは、樹脂ペーストを室温にて48時間放置した前後の粘度の変化の割合である。なお、経時粘度変化率は、樹脂ペースト作成後の任意の時点で測定することができる。
経時粘度変化率は、好ましくは±15%以下であり、より好ましくは±10%以下である。樹脂ペーストを室温で48時間放置した場合の粘度変化率が±20%を超えると、樹脂ペーストの可使時間が非常に短く、使い勝手が悪くなる。樹脂ペーストの経時粘度変化率(48時間)を±20%以下にするためには、例えば、樹脂ペーストの組成として、吸湿性の高い材料を避けてペーストを作成することが好ましい。
また、本発明は、(1)支持部材上に得られたダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(3)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む、半導体装置の製造方法に関する。
具体的には、得られたダイボンディング用樹脂ペーストは、42アロイリードフレームや銅リードフレーム等のリードフレーム、又は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂等のプラスチックフィルム、更には、ガラス不織布等の基材にポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂等のプラスチックを含浸・硬化させたもの、あるいは、アルミナ等のセラミックス製の支持部材(板状)等に、本発明の樹脂ペーストを印刷法によって供給・塗布した後に、半導体素子を貼り付け、その後、加熱してチップを支持部材に接着する。その後、硬化させる工程によりチップが支持部材に搭載される。硬化工程は、実装信頼性に影響がない範囲で封止材の硬化工程により硬化させてもよい。
本発明の樹脂ペーストによれば、比較的低い温度で硬化することが可能であり、硬化温度は、好ましくは140〜200℃、より好ましくは150〜180℃である。
また、樹脂ペーストを印刷法によって供給・塗布した後に、乾燥半硬化させることによりBステージ接着剤付き支持部材とし、その後、このBステージ接着剤付き支持部材に、IC、LSI等の半導体素子(チップ)を貼り付け、加熱してチップを支持部材に接着することもできる。
したがって、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態は、(1)支持部材上にダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを乾燥してBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(4)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む、半導体装置の製造方法に関する。
また、本発明の半導体装置は、本発明の樹脂ペーストを用いて製造されたものであれば特にその構造に制限はなく、例えば、半導体素子と支持部材とを接着している本発明の樹脂ペーストを含有する半導体装置が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
(実施例1〜5、比較例2)
表1に示す配合割合で各材料をらいかい機に入れ、混練した後、5Torr以下で1時間脱泡混練を行い、ダイボンディング用樹脂ペーストを得た。
表1に示す配合割合で各材料をらいかい機に入れ、混練した後、5Torr以下で1時間脱泡混練を行い、ダイボンディング用樹脂ペーストを得た。
(比較例1)
あらかじめエポキシ樹脂(YDCN−702)11重量部及びフェノール樹脂(H−1)8重量部のカルビトールアセテート(29重量部)溶液(熱硬化性樹脂の固形分の濃度は約40重量%)を用意しておき、表1に示す割合で各材料とともにらいかい機に入れ、混練した後、5Torr以下で1時間脱泡混練を行い、ダイボンディング用樹脂ペーストを得た。
あらかじめエポキシ樹脂(YDCN−702)11重量部及びフェノール樹脂(H−1)8重量部のカルビトールアセテート(29重量部)溶液(熱硬化性樹脂の固形分の濃度は約40重量%)を用意しておき、表1に示す割合で各材料とともにらいかい機に入れ、混練した後、5Torr以下で1時間脱泡混練を行い、ダイボンディング用樹脂ペーストを得た。
これらの樹脂ペーストの特性(粘度、チキソトロピー指数、室温放置2日後の粘度、熱時ダイシェア強度、ボイド占有率)を下記に示す方法で調べた。その結果を表1に示す。
(1)粘度:樹脂ペーストを0.4ml測りとり、EHD型粘度計((株)トキメック製)で、3°コーンを用いて25℃における0.5rpmの粘度(Pa・s)を測定した。
(2)室温放置2日後(48時間後)の粘度:ペーストの入った容器を密閉した状態で23℃の条件下に2日間(48時間)放置したペーストを0.4ml測りとり、EHD型粘度計((株)トキメック製)で、3°コーンを用いて25℃における0.5rpmの粘度(Pa・s)を測定した。
(3)不揮発分濃度:金属シャーレ(直径60mm、深さ10mm)に樹脂ペーストを1.5g測りとり、その重量を精秤し、200℃のオーブンで2時間硬化させる。その後、重量を精秤し、次式により不揮発分濃度を計算した。
(4)熱時ダイシェア強度:樹脂ペーストを8×10mmの42アロイリードフレーム上に5×5mmの大きさで印刷し、その樹脂ペースト上に5×5mmのシリコンチップ(厚さ0.4mm)を、室温で50gの荷重をかけて1秒間圧着させた。その後、180℃のオーブンで1時間硬化させた。これを、自動接着力試験機(デイジ社製)を用い、250℃における剪断強さ(kg/チップ)を測定した。
(5)ボイド:樹脂ペーストを8×10mmの42アロイリードフレーム上に8×10mmの大きさで印刷し、この上に8mm×10mmのシリコンチップ(厚さ0.4mm)を50gの荷重をかけて1秒間圧着させた。その後、180℃のオーブンで1時間硬化させ、サンプルを作成した。このサンプルのペースト層の部分を、走査型超音波顕微鏡を用いて観察し、硬化後の樹脂ペースト中に含まれるボイドの占有面積を求めた。
(6)ペースト開放時の安定性:金属シャーレ(直径60mm、深さ10mm)に樹脂ペースト約12.0gを入れ、均等にならして85℃−85%RHの恒温恒湿槽に投入し、所定時間放置した後、上記(1)の方法にてペーストの粘度を測定し、恒温恒湿槽へ投入する前の粘度との変化率が20%を超える時間を求めた。
なお、表1において、種々の記号は下記の意味である。
R−712:日本化薬株式会社、ビスフェノールFポリエチレングリコールジアクリレート
SR−349:サートマー社、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート
AMP−20GY:新中村化学工業株式会社、フェノキシジエチレングリコールアクリレート
FA−512M:日立化成工業株式会社、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
YDCN−702:東都化成株式会社、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量220)
EXA−830CRP:大日本インキ化学工業株式会社、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
H−1:明和化成株式会社、フェノールノボラック樹脂(OH当量106)
CTBN−1300X8:宇部興産株式会社、カルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体
PB−4700:ダイセル化学株式会社、エポキシ化ポリブタジエン
2P4MHZ:四国化成工業株式会社、キュアゾール
DICY:ジシアンジアミド
AEROSIL 380:日本アエロジル株式会社、シリカフィラー
AEROSIL R972:日本アエロジル株式会社、疎水性の表面処理を行ったシリカフィラー
R−712:日本化薬株式会社、ビスフェノールFポリエチレングリコールジアクリレート
SR−349:サートマー社、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート
AMP−20GY:新中村化学工業株式会社、フェノキシジエチレングリコールアクリレート
FA−512M:日立化成工業株式会社、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
YDCN−702:東都化成株式会社、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量220)
EXA−830CRP:大日本インキ化学工業株式会社、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
H−1:明和化成株式会社、フェノールノボラック樹脂(OH当量106)
CTBN−1300X8:宇部興産株式会社、カルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体
PB−4700:ダイセル化学株式会社、エポキシ化ポリブタジエン
2P4MHZ:四国化成工業株式会社、キュアゾール
DICY:ジシアンジアミド
AEROSIL 380:日本アエロジル株式会社、シリカフィラー
AEROSIL R972:日本アエロジル株式会社、疎水性の表面処理を行ったシリカフィラー
表1の結果から、本発明のダイボンディング用樹脂ペースト(実施例1〜6)は、従来のエポキシ樹脂を用いた樹脂ペースト(比較例1)に比較して熱時ダイシェア強度で良好な値を示し、ボイドの発生も抑制することができた。さらに、不揮発分濃度が高いことから、硬化によるペーストの膜減りを抑制することができる。また、非導電性フィラーとして表面処理されていないシリカフィラーを用いた樹脂ペースト(比較例2)に比較してペースト開放時の安定性を延ばすことができた。このことから、本発明により、扱いやすさに優れ、硬化後のボイド発生および膜減りを抑制する、信頼性の高いダイボンディング用樹脂ペーストを提供できることが確認された。
Claims (6)
- (A)アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物、(B)エポキシ化ポリブタジエン又はカルボキシ末端アクリロニトリルブタジエン共重合体、(C)ラジカル開始剤、および(D)非導電性フィラーを含有してなり、
さらに(A)成分の総量100重量部に対して100重量部以下のエポキシ樹脂を含有するか、または、エポキシ樹脂を含有せず、
25℃での粘度が5〜1000Pa・sであり、室温における経時粘度変化率(48時間)が±20%以下であることを特徴とするダイボンディング用樹脂ペースト。 - 非導電性フィラーが、疎水化処理されたシリカフィラーである請求項1に記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- シリカフィラーの1次粒子の平均粒径が10μm以下である請求項2記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (1)支持部材上に請求項1〜3いずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(3)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む、半導体装置の製造方法。
- (1)支持部材上に請求項1〜3いずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを塗布し、(2)前記樹脂ペーストを乾燥してBステージ化し、(3)Bステージ化した前記樹脂ペーストに半導体チップを搭載し、(4)前記樹脂ペーストを硬化する工程を含む、半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜3いずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた半導体装置。
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