JP2007267624A - 食品の調味改良材 - Google Patents

食品の調味改良材 Download PDF

Info

Publication number
JP2007267624A
JP2007267624A JP2006094505A JP2006094505A JP2007267624A JP 2007267624 A JP2007267624 A JP 2007267624A JP 2006094505 A JP2006094505 A JP 2006094505A JP 2006094505 A JP2006094505 A JP 2006094505A JP 2007267624 A JP2007267624 A JP 2007267624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seasoning
food
starch
fermented
mirin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006094505A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4641963B2 (ja
Inventor
Takehiro Ishida
丈博 石田
Tatsuya Kawabe
達也 河辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takara Shuzo Co Ltd
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takara Shuzo Co Ltd filed Critical Takara Shuzo Co Ltd
Priority to JP2006094505A priority Critical patent/JP4641963B2/ja
Publication of JP2007267624A publication Critical patent/JP2007267624A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4641963B2 publication Critical patent/JP4641963B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Abstract

【課題】 食品の調味改良材、中でも食品の調味向上材、及び食品の水分保持・食感保持材を提供する。
【解決手段】 デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有していることを特徴とする食品の調味改良材。食肉類又は魚介類を、当該食品の調味改良材で処理する工程を包含することを特徴とする食肉類又は魚介類の調味改良方法。当該食品の調味改良材の例には、上記成分を含有する調味液がある。
【効果】 調味の向上した食品が得られる。また、食材の乾燥が抑えられ、食感が保持された食品を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品の調味改良材に関する。詳細には、食品の調味改良材、及びそれを用いる食品の調味改良方法に関する。
コンビニエンスストアやスーパーなどで市販されている惣菜の製造において、原材料の品質が季節や産地等により異なるため、同じ調味液、同じ製造条件でも、調味液の食材への浸透が異なるため、出来上りの食品の味付けが異なる場合がある。
調味液の食材への浸透が悪い場合でも、出来上った食品の味付けが向上する方法の開発が望まれていた。
また、コンビニエンスストアやスーパーなどで市販されている惣菜は、製造直後に食する場合には特に問題とはならないが、調理してから食するまでに時間が経過すると、食材の乾燥が進み、肉や魚介類などは硬くなる。調味液に片栗粉やくず粉を添加して、食材の乾燥を防ぐ方法もあるが、この場合は時間が経過すると、これらデンプンが老化して、調味液が粘性を失うことによりその効力がなくなってしまう。また、食感もかなり悪くなってしまう。
このような状況下で、食材の乾燥を防ぐ方法、すなわち食品の水分を保持する方法、また、食感を保持する方法の開発が望まれていた。
本発明の目的は、前記したような要望に応えるような食品の調味改良材を提供することにある。
具体的には、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有している、調味液、例えば、たれ類を食品に添加することにより、食材への浸透に影響を受けることなく、食品の調味を向上する、食品の調味向上材を提供することにある。
また、前記した調味液、例えば、たれ類を食品に添加することにより、食材の風味に影響を与えることなく、食材の乾燥を防ぎ、食感を保持する、食品の水分保持・食感保持材を提供することにある。
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有している食品の調味改良材であり、本発明の第2の発明は、第1の発明の食品の調味改良材が、食品の調味向上材、あるいは食品の水分保持・食感保持材である第1の発明に記載の食品の調味改良材であり、本発明の第3の発明は、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有している、調味液である第1の発明に記載の食品の調味改良材であり、本発明の第4の発明は、デンプン類が化学的又は物理的に処理が施されたデンプンである第1〜第3の発明のいずれか1つに記載の食品の調味改良材であり、本発明の第5の発明は、デンプン類の含有量が1.0〜4.0質量%である第1〜第4の発明のいずれか1つに記載の食品の調味改良材であり、本発明の第6の発明は、みりん及び/又は発酵調味料の含有量が、デンプン類の含有量に対して10質量%以上である第1〜第5の発明のいずれか1つに記載の食品の調味改良材であり、本発明の第7の発明は、食肉類又は魚介類を、第1〜第6の発明のいずれか1つに記載の食品の調味改良材で処理する工程を包含する食肉類又は魚介類の食品の調味改良方法に関する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有している調味液を食品に添加することにより、食品の調味を改良することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の食品の調味改良材は、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有している、例えば、調味液であり、この調味液を食品に添加することにより、調味が改良した、例えば調味が向上した食品を得ることができる。また、使用する調味液の量を減らして、本発明の方法を用いない場合と同等の調味の向上が可能であり、経済的なメリットがある。
更に、前記の調味液を用いることにより、食材の乾燥が抑えられ、食感が保持された食品を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明における食品の調味改良材は、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有していることを特徴とする。食品に添加する調味液は、例えば、たれ類等の形態が好ましい。本発明でいう調味液は、特に限定されないが、例えば、ぶりの照焼きに使用するたれ、肉じゃがを調理する際に使用する調味液あるいは調理した後に添加する調味液等が挙げられる。
本発明でいうデンプン類は、化学的又は物理的に処理が施されたデンプン、いわゆる変性デンプン、加工デンプンであり、食用に供されるものであればよい。化学的変性の場合は、分解デンプン(デキストリン、酸処理デンプン、酸化デンプン等)、誘導体デンプン(架橋デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、グラフト共重体等)等が挙げられる。物理的変性の場合は、α化デンプン、分別アミロース、湿熱処理デンプン等が挙げられる。
物理的処理(熱処理)のみで、デンプンの結晶構造を変化させ、膨潤抑制したデンプンが好ましく、ワキシコーンスターチを原料とするNOVATION2300、NOVATION2600、NOVATION2700〔日本エヌエスシー(株)製〕等が好適な例として挙げられる。
本発明でいうみりんとは、酒税法でいうみりんであればよい。例えば、みりん(本みりん)、焼酎乙類を加えた2種(旧式)みりん等が挙げられる。また、使用するみりんの製造方法は、酒税法に則ったみりんの製造方法であれば特に限定はない。例えば、一般的なみりんの製造方法は、搗精、洗米等の原料処理を行い、麹、酵素等を添加して仕込醪となし、糖化・熟成する。糖化・熟成を終えた醪は圧搾機で上槽して搾汁と粕に分離する。得られた搾汁は精製工程で火入れし、滓下げして清澄な製品みりんとなる。ここでいう原料処理には、精白、洗浄、浸漬、水切り、蒸煮、放冷の工程があるが、更に掛原料の液化及び/又は糖化工程も含んでいる。原料は米、米麹、醸造用アルコール又は焼酎以外に、デンプン部分加水分解物を使用してもよい。また、必要に応じて酵素製剤を掛原料の処理の液化及び/又は糖化工程並びに醪へ添加してもよい。
本発明でいう発酵調味料は、酒類の不可飲処置による免税措置に基づいて食塩を添加して発酵することを基本とし、これに糖質原料、米麹、変性アルコールなど目的に応じた副原料を添加して製造されたものであり、酒税のかからない醸造調味料である。また、使用する発酵調味料の製造方法は、発酵工程と熟成工程からなる。発酵工程では蒸煮した糖質原料、米麹、酵母及び食塩を混合して醪となし発酵させる。発酵後の醪は、圧搾・ろ過して搾汁と粕に分ける。次の熟成工程ではこの搾汁を米麹へ添加して、糖化・熟成させ、熟成後、圧搾ろ過し搾汁と粕に分離する。搾汁は滓下げ、清澄及び仕上げろ過して液分の発酵調味料を得る。この発酵調味料は常法により、粉末化して粉末発酵調味料にしてもよい。粉末化の方法は特に限定はなく、例えば、スプレードライ、ドラム乾燥、凍結乾燥等が挙げられる。
本発明による、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料との2種又は3種の必須成分は、それぞれを同時に、又は任意の順序で添加してもよい。任意の順序で行う場合には、予め一部を予備混合しておいてもよい。なお、既にデンプン類を含有している市販の調味液に対しては、本発明に従って、みりん及び/又は発酵調味料のみを含有させるだけで、本発明の目的の食品の調味改良材を製造してもよい。その場合、当然のことながら、デンプン類が不足している場合には、補充してもよい。本発明において、食品の調味改良材が調味液である場合には、当該調味液を食品に添加する方法は特に限定されない。
本発明の食品の調味改良材は、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料を含有していればよく、好ましくはデンプン類の含有量が1.0〜4.0質量%、みりん及び/又は発酵調味料の含有量がデンプン類の含有量に対して10質量%以上であればよい。より好ましくは、デンプン類の含有量が1.5〜3.5質量%であればよい。
デンプン類の含有量が1.0質量%未満の食品の調味改良材では、例えば調味液の場合、食材に十分調味液が絡まないので、調味の向上は不十分となるし、時間経過と共に食材が乾燥して硬くなる。デンプン類の含有量が4.0質量%を超える食品の調味改良材では、前記した食品の調味は改良するが、口触りが悪い。
みりん及び/又は発酵調味料の含有量がデンプン類の含有量に対して10質量%未満の食品の調味改良材では、デンプン臭があり、食品の風味が損なわれる。
本発明の食品の調味改良材は、必要に応じてオリゴ糖を含有してもよい。オリゴ糖を含有することにより、食品の調味改良材に含有するデンプン類の老化を制御することができる。
以下、検討例によって更に具体的に説明する。
検討例1
食品に添加する調味液に含有するデンプン類の量について検討を行った。まず、牛ばら肉100gをサラダ油で1分間炒め、表1に示す配合の調味液を200ml加え、20分間煮た。調理した牛ばら肉と調味液とを分け、この調味液に対してデンプン類を種々の含有量となるように添加混合し調製した調味液を、牛ばら肉に絡めた。対照は、牛ばら肉100gをサラダ油で1分間炒め、表1に示す配合の調味液を200ml加え、20分間煮たものとした。これらの官能評価を行った。
デンプン類は、NOVATION2700〔日本エヌエスシー(株)製〕を用いた。
Figure 2007267624
官能評価は、パネラー6名で行い、3点法(1;対照より濃い、2;対照と同等、3;対照より薄い)で評価した。各パネラーによる官能評価の評点の平均値より、1.0〜1.5を◎、1.5超〜2.0を○、2.0超〜2.5を△、2.5超〜3.0を×で示した。評価項目としては、牛ばら肉の味の濃さについて行った。
官能評価の結果を表2及び表3に示す。
なお、以下に示す%は、質量%を示している。
Figure 2007267624
Figure 2007267624
表2、表3の結果より、デンプン類の含有量が1.0〜4.0%において、対照とほぼ同等か対照より味が濃く感じた。特に、デンプン類の含有量が1.5〜3.5%のとき、対照より味を濃く感じ、良好な結果となった。
検討例2
デンプン類含有の調味液に含有させるみりん及び/又は発酵調味料の量について検討を行った。まず、牛ばら肉100gをサラダ油で1分間炒め、検討例1と同様の調味液を200ml加え、20分間煮た。調理した牛ばら肉と調味液とを分け、この調味液に対してデンプン類を一定の比率とし、発酵調味料を調味液に対して種々の含有量となるように添加混合し調製した調味液を、牛ばら肉に絡めた。
デンプン類は、NOVATION2700〔日本エヌエスシー(株)製〕を用いた。デンプン類の含有量は、検討例1の結果で対照より味が濃く感じ、良好であった2.0%と3.5%とした。発酵調味料は、味しるべM−P〔武田キリン食品(株)製〕を用いた。
官能評価は、パネラー6名で行い、3点法(1;良、2;普通、3;悪)で評価した。各パネラーによる官能評価の評点の平均値より、1.0〜1.5を◎、1.5超〜2.0を○、2.0超〜2.5を△、2.5超〜3.0を×で示した。評価項目としては、デンプン臭の抑制について行った。
デンプン類を2.0%含有する調味液を絡めた牛肉甘辛煮の官能評価の結果を表4、デンプン類を3.5%含有する調味液を絡めた牛肉甘辛煮の官能評価の結果を表5に示す。
Figure 2007267624
Figure 2007267624
表4の結果より、デンプン類を2.0%含有する調味液を絡めた牛肉甘辛煮において、発酵調味料の含有量が0.2%以上でデンプン臭が抑えられていた。
表5の結果より、デンプン類を3.5%含有する調味液を絡めた牛肉甘辛煮において、発酵調味料の含有量が0.35%以上でデンプン臭が抑えられていた。
上述の結果より、デンプン類の含有量に対して、発酵調味料の含有量が10%以上において、デンプン臭が抑えられることがわかった。
以上述べたように、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有する調味液を用いて食材を調理する、あるいは調理した食材に当該調味液を付与することにより、調味液の食材への浸透が悪い場合でも、出来上った食品の味付けが向上する食品を提供することができる。
検討例3
食品に添加する調味液に含有するデンプン類の量について検討を行った。
表6に示す配合の調味液にぶり切身を1時間漬込んだ後、180℃で10分焼いた。別途、デンプン類を調味液に対して種々の含有量となるように添加混合し調製した調味液を、ぶり切身に塗布して、更に180℃で1分焼いた。これらを5℃にて保存し、48時間後に官能評価を行った。
デンプン類は、NOVATION2700〔日本エヌエスシー(株)製〕を用いた。
Figure 2007267624
官能評価は、パネラー6名で行い、3点法(1;良、2;普通、3;悪)で評価した。各パネラーによる官能評価の評点の平均値より、1.0〜1.5を◎、1.5超〜2.0を○、2.0超〜2.5を△、2.5超〜3.0を×で示した。評価項目としては、ぶり切身の食感について行った。
官能評価の結果を表7及び表8に示す。
Figure 2007267624
Figure 2007267624
表7、表8の結果より、デンプン類の含有量が1.0〜4.0%において、ぶり切身が硬くならず、ふっくらと柔らかく仕上っていた。特に、デンプン類の含有量が1.5〜3.5%のとき、食感は良好であった。
検討例4
デンプン類含有の調味液に含有させるみりん及び/又は発酵調味料の量について検討を行った。検討例3と同様の調味液にぶり切身を1時間漬込んだ後、180℃で10分焼いた。別途、デンプン類を一定の比率とし、発酵調味料を調味液に対して種々の含有量となるように添加混合し調製した調味液を、ぶり切身に塗布して、更に180℃で1分焼いた。これらを5℃にて保存し、48時間後に官能評価を行った。
デンプン類は、NOVATION2700〔日本エヌエスシー(株)製〕を用いた。デンプン類の含有量は、検討例3の結果で食感が良好であった2.0%と3.5%とした。発酵調味料は、味しるべM−P〔武田キリン食品(株)製〕を用いた。
官能評価は、パネラー6名で行い、3点法(1;良、2;普通、3;悪)で評価した。各パネラーによる官能評価の評点の平均値より、1.0〜1.5を◎、1.5超〜2.0を○、2.0超〜2.5を△、2.5超〜3.0を×で示した。評価項目としては、デンプン臭の抑制について行った。
デンプン類を2.0%含有する調味液を塗って焼いたぶりの照焼きの官能評価の結果を表9、デンプン類を3.5%含有する調味液を塗って焼いたぶりの照焼きの官能評価の結果を表10に示す。
Figure 2007267624
Figure 2007267624
表9の結果より、デンプン類を2.0%含有する調味液を塗って焼いたぶりの照焼きにおいて、発酵調味料の含有量が0.2%以上でデンプン臭が抑えられていた。
表10の結果より、デンプン類を3.5%含有する調味液を塗って焼いたぶりの照焼きにおいて、発酵調味料の含有量が0.35%以上でデンプン臭が抑えられていた。
上述の結果より、デンプン類の含有量に対して、発酵調味料の含有量が10%以上において、デンプン臭が抑えられることがわかった。
以上述べたように、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有する調味液を用いて食材を調理する、あるいは調理した食材に当該調味液を付与することにより、食材の乾燥を防ぎ、柔らかい食感を保持する食品を提供することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
牛ばら肉100gをサラダ油で1分間炒め、表11に示す配合の調味液を200ml加え、20分間煮た。調理した牛ばら肉と調味液とを分け、この調味液に対してデンプン類を2.7%、発酵調味料を0.3%となるように添加混合し調製した調味液を牛ばら肉に絡めた(本発明1、本発明2)。対照は、牛ばら肉100gをサラダ油で1分間炒め、表11に示す配合の調味液を200ml加え、20分間煮たものとした。これらの官能評価、塩分の測定を行った。なお、本発明1における調味液中の調味料配合量は、対照における調味液中の調味料配合量の90%である。同様に、本発明2における調味液中の調味料配合量は、対照における調味液中の調味料配合量の85%である。
デンプン類は、NOVATION2700〔日本エヌエスシー(株)製〕を用いた。
発酵調味料は、味しるべM−P〔武田キリン食品(株)製〕を用いた。
Figure 2007267624
官能評価は、パネラー6名で行い、3点法(1;対照より濃い、2;対照と同等、3;対照より薄い)で評価した。各パネラーによる官能評価の評点の平均値より、1.0〜1.5を◎、1.5超〜2.0を○、2.0超〜2.5を△、2.5超〜3.0を×で示した。評価項目としては、牛ばら肉の味の濃さについて行った。
結果を表12に示す。
Figure 2007267624
表12の結果より、本発明1では、対照に比べると塩分が高く、やや味が濃く感じられ、本発明2では、対照と同等の塩分で、味の濃さも同等であった。すなわち、配合する調味料の量が、対照の調味液中の調味料配合量の85%より多い場合は、対照よりも濃い味付けが可能であり、対照の調味液と同等の味の濃さとするには、対照の調味液中の調味料配合量の85%までにすることが可能であった。このように、デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有する調味液を用いることにより、使用する調味液の量を減らしても、食品の調味を向上させることができた。
表6に示す配合の調味液にぶり切身を1時間漬込んだ後、180℃で10分焼いた。別途、デンプン類を調味液に対して2.7%、みりん又は発酵調味料を0.3%となるように添加混合し調製した調味液を、ぶり切身に塗布して、更に180℃で1分焼いた(本発明3、本発明4)。これらを5℃にて保存した。対照は、デンプン類とみりん又は発酵調味料とを添加しない調味液をぶり切身に塗布して、同様に焼き、保存したものとした。保存して48時間後にこれらの官能評価、水分の測定、破断応力の測定を行った。
デンプン類は、NOVATION2700〔日本エヌエスシー(株)製〕を用いた。
みりんは、タカラ本みりん〔宝酒造(株)製〕を用いた。
発酵調味料は、味しるべM−P〔武田キリン食品(株)製〕を用いた。
官能評価は、パネラー6名で行い、3点法(1;良、2;普通、3;悪)で評価した。各パネラーによる官能評価の評点の平均値より、1.0〜1.5を◎、1.5超〜2.0を○、2.0超〜2.5を△、2.5超〜3.0を×で示した。評価項目としては、ぶり切身の食感について行った。
破断応力の測定は、テクスチャー・アナライザー〔Stable Micro Systems社製〕を用いて、室温(温度25℃)において、概略2cm×2cmに切断したぶり切身を、刃状のプローブにより測定した。測定条件は、Pre−Speed:2.0mm/秒、Test−Speed:1.0mm/秒、Distance:30.0mm、Auto:5gで行った。
結果を表13に示す。
Figure 2007267624
表13の結果より、本発明3、本発明4は、対照に比べて水分が高く、破断応力も低い結果となった。また、官能評価においても、対照は硬くしまりすぎているが、本発明3、本発明4は、柔らかい、ふっくらと柔らかいという評価であった。発酵調味料を用いた本発明4の方が、ふっくら柔らかく仕上っていた。
デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有する本発明の食品の調味改良材のうち、食品の調味向上材は、食材への浸透に影響を受けることなく、食品の調味を向上することができる。特に、食肉類や魚介類の調味向上に優れているので、本発明は有用である。
また、本発明の食品の水分保持・食感保持材は、食材の風味に影響を与えることなく、食材の乾燥を防ぎ、食感を保持することができる。特に、食肉類や魚介類の水分保持・食感保持に優れているので、本発明は有用である。

Claims (7)

  1. デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有していることを特徴とする、食品の調味改良材。
  2. 食品の調味改良材が、食品の調味向上材、あるいは食品の水分保持・食感保持材である請求項1記載の食品の調味改良材。
  3. デンプン類と、みりん及び/又は発酵調味料とを含有している、調味液である請求項1記載の食品の調味改良材。
  4. デンプン類が化学的又は物理的に処理が施されたデンプンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品の調味改良材。
  5. デンプン類の含有量が1.0〜4.0質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品の調味改良材。
  6. みりん及び/又は発酵調味料の含有量が、デンプン類の含有量に対して10質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品の調味改良材。
  7. 食肉類又は魚介類を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の食品の調味改良材で処理する工程を包含することを特徴とする食肉類又は魚介類の調味改良方法。
JP2006094505A 2006-03-30 2006-03-30 食品の調味改良材 Active JP4641963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006094505A JP4641963B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 食品の調味改良材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006094505A JP4641963B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 食品の調味改良材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007267624A true JP2007267624A (ja) 2007-10-18
JP4641963B2 JP4641963B2 (ja) 2011-03-02

Family

ID=38671076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006094505A Active JP4641963B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 食品の調味改良材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4641963B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014197999A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 エバラ食品工業株式会社 肉質改善機能を有する焼肉用調味料

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09503549A (ja) * 1994-07-29 1997-04-08 ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション 熱抑制したデンプン及びフラワー並びにその製造のための方法
JPH10136931A (ja) * 1996-11-08 1998-05-26 House Foods Corp 調味ソース
JPH10155452A (ja) * 1996-11-27 1998-06-16 Japan Organo Co Ltd ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法
WO2000041579A1 (fr) * 1999-01-13 2000-07-20 Takara Shuzo Co., Ltd. Boissons contenant des epices
JP2001327262A (ja) * 2000-05-22 2001-11-27 Kikkoman Corp 澱粉類含有液状調味料の製造方法
JP2002186447A (ja) * 2000-12-18 2002-07-02 Matsutani Chem Ind Ltd つゆ、たれ類
JP3365656B2 (ja) * 1993-08-31 2003-01-14 三和興産株式会社 変性澱粉の製造法
JP2003219812A (ja) * 2002-01-28 2003-08-05 Takara Holdings Inc 食品用加工剤

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3365656B2 (ja) * 1993-08-31 2003-01-14 三和興産株式会社 変性澱粉の製造法
JPH09503549A (ja) * 1994-07-29 1997-04-08 ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション 熱抑制したデンプン及びフラワー並びにその製造のための方法
JPH10136931A (ja) * 1996-11-08 1998-05-26 House Foods Corp 調味ソース
JPH10155452A (ja) * 1996-11-27 1998-06-16 Japan Organo Co Ltd ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法
WO2000041579A1 (fr) * 1999-01-13 2000-07-20 Takara Shuzo Co., Ltd. Boissons contenant des epices
JP2001327262A (ja) * 2000-05-22 2001-11-27 Kikkoman Corp 澱粉類含有液状調味料の製造方法
JP2002186447A (ja) * 2000-12-18 2002-07-02 Matsutani Chem Ind Ltd つゆ、たれ類
JP2003219812A (ja) * 2002-01-28 2003-08-05 Takara Holdings Inc 食品用加工剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014197999A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 エバラ食品工業株式会社 肉質改善機能を有する焼肉用調味料

Also Published As

Publication number Publication date
JP4641963B2 (ja) 2011-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008211995A (ja) パン粉組成物及びパン粉
JP4566968B2 (ja) 麺類用ほぐれ剤および麺類のほぐれ改善方法
JPWO2008059992A1 (ja) 澱粉含有食品及び改質澱粉の製造方法
TW201720315A (zh) 具有風味改善作用之米飯改良劑
JP6571559B2 (ja) 麺類の製造方法
JP6577279B2 (ja) 即席麺の製造方法
JP2020115850A (ja) 麺皮食品の皮に適用されるための組成物
JP6533398B2 (ja) ノンフライ加熱調理用食品の製造方法及びノンフライ加熱調理用ミックス並びにノンフライ加熱調理用食品
JP4803753B2 (ja) ノンフライから揚げ様食品に使用するブレッダーミックス並びにこれを使用したから揚げ様食品及びその製造方法
JPH06292505A (ja) 水中油型乳化組成物及びその製造方法
JP4641963B2 (ja) 食品の調味改良材
JP3445961B2 (ja) パスタサラダ
JP4641962B2 (ja) 食品の焦付き防止材
JP3461792B2 (ja) マヨネーズ様食品
JP4222506B2 (ja) パン用のドレッシング類又はソース類
JPWO2013122249A1 (ja) デンプン加工品の改質方法
JP4429169B2 (ja) 穀類加工食品用品質改良剤およびこれを用いた穀類加工食品
JP3960466B2 (ja) 食品用加工剤
JP2017012070A (ja) 炊飯用液体調味料
JP2002354992A (ja) 米飯改良組成物および米飯の製造方法
JP6487292B2 (ja) 乾麺の製造方法
JP2020043845A (ja) 食材の加熱調理のための下処理用組成物、及び加熱調理食品の製造方法
JP6962734B2 (ja) 揚げ衣用又は揚げ皮用組成物、及び揚げ物用改質剤、並びに、前記揚げ衣用又は揚げ皮用組成物或いは前記揚げ物用改質剤を用いた揚げ物
JP4560648B2 (ja) 米飯食品の製造法
JP4275382B2 (ja) 米飯改良剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4641963

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250