JP2007266549A - Igbt及びigbtの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アノード・ショート型のIGBTを高い生産性で製造することが可能となるIGBTを提供する。
【解決手段】n型半導体基板122及びn型エピタキシャル層124を含む半導体基体120と、半導体基体120の第1主面に形成され、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域AR並びにゲートパッド領域GP及びガードリング領域GRを含む非能働領域からなるMOS構造と、半導体基体120の第2主面に形成され、半導体基体120との間にショットキ接合を形成する金属層140と、半導体基体120の第2主面側からNd−YAGレーザ光を部分的に照射することで半導体基体120の第2主面側に形成された非晶質領域142とを備えることを特徴とするIGBT10。
【選択図】図1

Description

本発明は、IGBT及びIGBTの製造方法に関する。
pn接合からホールを注入する代わりにショットキ接合からホールを注入するIGBTが知られている(例えば、特許文献1参照。)。図10は、そのような従来のIGBT800を説明するために示す図である。
従来のIGBT800は、図10に示すように、n型半導体基板810と、n型半導体基板810の上面に形成されたn型エピタキシャル層812と、n型エピタキシャル層812の表面に形成されたp型ベース領域814と、p型ベース領域814の表面に形成されたn型エミッタ領域816と、p型ベース領域814の表面にゲート絶縁膜818を介して形成されたゲート電極820と、n型半導体基板810の裏面に形成されたショットキ金属膜を含むコレクタ電極826とを備えている。n型エミッタ領域816はエミッタ電極824と接続されている。
従来のIGBT800によれば、pn接合からホールを注入するIGBTの場合と比較して、ホールの注入量が少ないため、ターンオフ時間を短縮してスイッチング速度を高速化することが可能となる。
しかしながら、従来のIGBT800においては、内部転流ダイオードを有しないため、転流用ダイオードを必要とする用途に用いる場合には、IGBTのコレクタ・エミッタ間に転流用ダイオードを外付けする必要があるという問題があった。
なお、pn接合からホールを注入するIGBTにおいて、コレクタ電極が形成される側に反転マスクを用いてn層とp層とを交互に配置した、いわゆるアノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTが提案されている(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照。)。図11は、そのような従来のIGBTのうち特許文献2に開示されたIGBT900を説明するために示す図である。従来のIGBT900によれば、IGBTに対して逆並列の内部転流ダイオードをモノリシックに集積することが可能になる。その結果、IGBTのコレクタ・エミッタ間に転流用ダイオードを外付けする必要がなくなる。
従って、従来のIGBT800においても、このようなアノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTの技術を転用することにより、IGBTに対して逆並列の内部転流ダイオードをモノリシックに集積することが考えられる。
特開2005-129747号公報 (図6) 特許第2864629号公報 (第3図) "蛍光灯インバータ用新型IGBT Light Technical Report"、図1(c)、[online]、インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社営業本部、[平成17年2月3日検索]、インターネット<URL:http://www.infineon.com/uploa(i/Document/LightMOS.pdf>
しかしながら、従来のIGBT800をアノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTにするには、n型半導体基板の厚さを薄くした状態で、反転マスクを用いたイオン注入によりn型半導体基板の裏面側に部分的にn層を形成する必要があるため、高い生産性でIGBTを製造することは容易ではないという問題がある。
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、アノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTを高い生産性で製造することが可能となるIGBT及びIGBTの製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明のIGBTは、半導体基体と、前記半導体基体の第1主面に形成され、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造と、前記半導体基体の第2主面に形成され、前記半導体基体との間にショットキ接合を形成する金属層と、前記半導体基体の前記第2主面側からエネルギービームを部分的に照射することで前記半導体基体の前記第2主面側に形成された非晶質領域とを備えることを特徴とする。
(2)本発明のIGBTは、半導体基体と、前記半導体基体の第1主面に形成され、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造と、前記半導体基体の第2主面に形成され、前記半導体基体との間にショットキ接合を形成する金属層と、前記金属層にエネルギービームを部分的に照射することで前記金属層と前記半導体基体とを合金化させることにより形成された合金領域とを備えることを特徴とする。
このため、本発明のIGBTによれば、半導体基体の第2主面側からエネルギービームを部分的に照射して非晶質領域を形成したり、金属層にエネルギービームを部分的に照射して合金領域を形成したりするだけで、アノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTとなる。その結果、半導体基体の厚さを薄くした状態で反転マスクを用いたイオン注入を行う必要がなくなるため、本発明のIGBTは、高い生産性でアノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTを製造することが可能な構造を有するIGBTとなる。
また、本発明のIGBTによれば、非晶質領域又は合金領域の面積や形状を調整してアノード・ショート率又はカソード・ショート率を調整することで、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
なお、本発明のIGBTにおいては、エネルギービームとしてレーザ光を用いることが好ましい。レーザ光はビームスポットが小さく、エネルギー密度が高く、走査性が良いため、所望形状の非晶質領域又は合金領域を効率よく形成することが可能となる。
(3)本発明のIGBTにおいては、前記半導体基体は、前記第2主面側に位置し第1導電型不純物を含有する第1半導体層と、前記第1主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第2半導体層とを含むことが好ましい。
このように構成することにより、比較的不純物濃度が高い第1半導体層と金属層との間でショットキ接合が形成されることとなるため、比較的バリアハイトの高いショットキ金属(例えば、AlSi、Irなど。)を用いてショットキ接合を形成した場合に、ホールの注入量が適切な値になり、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
(4)本発明のIGBTにおいては、前記半導体基体は、前記第1半導体層よりも前記第2主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第3半導体層をさらに含むことが好ましい。
このように構成することにより、比較的不純物濃度が低い第3半導体層と金属層との間でショットキ接合が形成されることとなるため、一般的なショットキ金属(例えば、Ptなど。)を用いてショットキ接合を形成した場合に、ホールの注入量が適切な値になり、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
(5)本発明のIGBTにおいては、前記非晶質領域又は前記合金領域は、前記第2半導体層までは到達しないように形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、非晶質領域又は合金領域を形成することに起因して漏れ電流が増加することもなくなる。
(6)本発明のIGBTにおいては、前記非晶質領域又は前記合金領域は、島状に形成され、各前記非晶質領域又は各前記合金領域の平均間隔は、前記IGBTのドリフト領域の厚さよりも大きい値を有することが好ましい。
ところで、本発明のIGBTにおいては、スナップバック現象により低電流状態における損失が大きくなり易いという傾向がある。すなわち、低電流状態においては、エミッタ領域からの多数キャリアは、接合抵抗のあるショットキ接合を介してではなく接合抵抗のない非晶質領域又は合金領域を介してコレクタ電極へ流れ込むようになるため、ショットキ接合からの少数キャリアの注入は起こりにくくなるからである。
これに対して、上記(6)に記載の本発明のIGBTによれば、上記のように構成することにより、IGBT動作をしているIGBTにおけるエミッタ領域と非晶質領域又は合金領域との間の距離をある程度長くすることができるため、当該エミッタ領域からの多数キャリアは、低電流状態においてもショットキ接合を介してコレクタ電極へ流れ込むようになる。このため、ショットキ接合からの少数キャリアの注入が起こり易くなる結果、スナップバック現象により低電流状態における損失が大きくなるのを抑制することが可能となる。
なお、この明細書で、非晶質領域又は合金領域が「島状に形成されている」とは、非晶質領域又は合金領域が互いに孤立した複数の領域に分離して形成されていることをいう。
本発明のIGBTにおいては、前記非晶質領域又は前記合金領域は、島状に形成されていなくてもよい。その場合は、前記非晶質領域又は前記合金領域の形成パターンにおける最小幅を前記IGBTのドリフト領域の厚さよりも大きい値を有するように設定することが好ましい。
このように構成することによっても、IGBT動作をしているIGBTにおけるエミッタ領域と非晶質領域又は合金領域との間の距離をある程度長くすることができるため、当該IGBTにおけるエミッタ領域からの多数キャリアは、低電流状態においてもショットキ接合を介してコレクタ電極へ流れ込むようになる。このため、ショットキ接合からの少数キャリアの注入が起こり易くなる結果、スナップバック現象により低電流状態における損失が大きくなるのを抑制することが可能となる。
(7)本発明のIGBTにおいては、前記非晶質領域又は前記合金領域は、前記非能働領域の直下にのみ形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、コレクタからエミッタへの通常の電流経路から離れたところにのみオーミック接合を形成することで、転流用ダイオードを形成することに起因してIGBTの飽和電圧(VCE(sat))が増大することがなくなる。
(8)本発明のIGBTにおいては、前記非晶質領域又は前記合金領域は、チップ化したときにチップ端面に露出しないように形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、チップ端面に非晶質領域又は合金領域が露出することがなくなるため、チップとしての機械的強度が低下することもなくなる。
(9)本発明のIGBTの製造方法は、半導体基体を準備する半導体基体準備工程と、前記半導体基体の第1主面に、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造を形成するMOS構造形成工程と、前記半導体基体の第2主面に金属層を形成して前記半導体基体と前記金属層との間にショットキ接合を形成するショットキ接合形成工程とを含むIGBTの製造方法において、前記ショットキ接合形成工程の前に、前記半導体基体の第2主面にエネルギービームを部分的に照射することで前記半導体基体の第2主面側に非晶質領域を形成する非晶質領域形成工程をさらに含むことを特徴とする。
(10)本発明のIGBTの製造方法は、半導体基体を準備する半導体基体準備工程と、前記半導体基体の第1主面に、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造を形成するMOS構造形成工程と、前記半導体基体の第2主面に金属層を形成して前記半導体基体と前記金属層との間にショットキ接合を形成するショットキ接合形成工程とを含むIGBTの製造方法において、前記ショットキ接合形成工程の後に、前記金属層にエネルギービームを部分的に照射することで前記金属層と前記半導体基体とを合金化させて合金領域を形成する合金領域形成工程をさらに含むことを特徴とする。
このため、本発明のIGBTの製造方法によれば、ショットキ接合形成工程の前に半導体基体の第2主面側からエネルギービームを部分的に照射して非晶質領域を形成したり、ショットキ接合形成工程の後に金属層にエネルギービームを部分的に照射して合金領域を形成したりするだけで、半導体基体の第2主面側に非晶質領域又は合金領域を形成することが可能となり、アノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTを製造することが可能となる。その結果、半導体基体の厚さを薄くした状態で反転マスクを用いたイオン注入を行う必要がなくなるため、高い生産性でアノード・ショート型又はカソード・ショート型のIGBTを製造することが可能となる。
また、本発明のIGBTの製造方法によれば、非晶質領域又は合金領域の面積や形状を調整してアノード・ショート率又はカソード・ショート率を調整することで、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
本発明のIGBTの製造方法においては、エネルギービームとしてレーザ光を用いることが好ましい。レーザ光はビームスポットが小さく、エネルギー密度が高く、走査性が良いため、所望形状の非晶質領域又は合金領域を効率よく形成することが可能となる。
なお、上記(9)に記載のIGBTの製造方法によれば、ショットキ接合形成工程の前に非晶質領域形成工程を行っているため、非晶質領域形成工程を行うことによってコレクタ電極の品質を劣化させることがなくなり、例えば、ダイボンド時におけるはんだボイドの発生を抑制することが可能となる。
(11)本発明のIGBTの製造方法においては、前記半導体基体は、前記第2主面側に位置し第1導電型不純物を含有する第1半導体層と、前記第1主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第2半導体層とを含むことが好ましい。
このような方法とすることにより、比較的不純物濃度が高い第1半導体層と金属層との間でショットキ接合が形成されることとなるため、比較的バリアハイトの高いショットキ金属(例えば、AlSi、Irなど。)を用いてショットキ接合を形成した場合に、ホールの注入量が適切な値になり、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
(12)本発明のIGBTの製造方法においては、前記半導体基体は、前記第1半導体層よりも前記第2主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第3半導体層をさらに含むことが好ましい。
このような方法とすることにより、比較的不純物濃度が低い第3半導体層と金属層との間でショットキ接合が形成されることとなるため、一般的なショットキ金属(例えば、Ptなど。)を用いてショットキ接合を形成した場合に、ホールの注入量が適切な値になり、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
(13)本発明のIGBTの製造方法において、前記非晶質領域形成工程又は前記合金領域形成工程においては、前記第2半導体層までは到達しないように前記非晶質領域又は前記合金領域を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、非晶質領域又は合金領域を形成することに起因して漏れ電流が増加することもなくなる。
(14)本発明のIGBTの製造方法において、前記非晶質領域又は前記合金領域を、島状に、かつ、各前記非晶質領域又は各前記合金領域の平均間隔が前記IGBTのドリフト領域の厚さよりも大きい値を有するように形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、IGBT動作をしているIGBTにおけるエミッタ領域と非晶質領域又は合金領域との間の距離をある程度長くすることができるため、当該エミッタ領域からの多数キャリアは、低電流状態においてもショットキ接合を介してコレクタ電極へ流れ込むようになる。このため、ショットキ接合からの少数キャリアの注入が起こり易くなる結果、スナップバック現象により低電流状態における損失が大きくなるのを抑制することが可能となる。
本発明のIGBTの製造方法においては、必ずしも前記非晶質領域又は前記合金領域を島状に形成する必要はない。その場合は、前記非晶質領域又は前記合金領域の形成パターンにおける最小幅を前記IGBTのドリフト領域の厚さよりも大きい値を有するように設定することが好ましい。
このような方法とすることによっても、IGBT動作をしているIGBTにおけるエミッタ領域と非晶質領域又は合金領域との間の距離をある程度長くすることができるため、当該エミッタ領域からの多数キャリアは、低電流状態においてもショットキ接合を介してコレクタ電極へ流れ込むようになる。このため、ショットキ接合からの少数キャリアの注入が起こり易くなる結果、スナップバック現象により低電流状態における損失が大きくなるのを抑制することが可能となる。
(15)本発明のIGBTの製造方法において、前記非晶質領域形成工程又は前記合金領域形成工程においては、前記非能働領域の直下にのみ前記非晶質領域又は前記合金領域を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、コレクタからエミッタへの通常の電流経路から離れたところにのみオーミック接合を形成するで、転流用ダイオードを形成することに起因してIGBTの飽和電圧(VCE(sat))が増大することがなくなる。
(16)本発明のIGBTの製造方法において、前記非晶質領域形成工程又は前記合金領域形成工程においては、チップ化したときにチップ端面に露出しないように前記非晶質領域又は前記合金領域を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、チップ端面に非晶質領域又は合金領域が露出することがなくなるため、チップとしての機械的強度が低下することもなくなる。
以下、本発明のIGBT及びIGBTの製造方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
まず、実施形態1に係るIGBT10について、図1を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係るIGBT10を説明するために示す図である。図1(a)はIGBT10の断面図であり、図1(b)はIGBT10の上面図であり、図1(c)は図1(b)の符号Bで示す部分における非晶質領域142を説明するために示す拡大図であり、図1(d)は図1(b)の符号Cで示す部分における非晶質領域142を説明するために示す拡大図である。なお、図1(a)においては、IGBT10における第1主面側の構造は簡略化している。また、図1(a)においては、IGBT10の構造を模式的に示しており、n型半導体基板122の厚さ及びn型エピタキシャル層124の厚さなどの半導体基体120の厚み方向に沿った厚さや深さについては、半導体基体120の第1主面に平行な方向に沿った距離や間隔についてよりも誇張して示している。
図2は、実施形態1に係るIGBT10を説明するために示す図である。図2(a)は図1(c)の符号Bで示す部分におけるIGBT10の断面図であり、図2(b)は図1(c)の符号Bで示す部分におけるIGBT10の断面図である。
実施形態1に係るIGBT10は、図1及び図2に示すように、半導体基体120と、半導体基体120の第1主面に形成され、絶縁ゲートトランジスタ130を含む能働領域AR並びにゲートパッド領域GP及びガードリング領域GRを含む非能働領域からなるMOS構造と、半導体基体120の第2主面に形成され、半導体基体120との間にショットキ接合を形成する金属層140と、半導体基体120の第2主面側からエネルギービームを部分的に照射することで半導体基体120の第2主面側に形成された非晶質領域142(図1(a)、図1(c)、図1(d)及び図2(a)参照。)とを備える。
なお、第1主面とはMOS構造が形成される側の面のことをいい、第2主面とは金属層が形成される側の面のことをいう。
半導体基体120は、第2主面側に位置しn型(第1導電型)不純物を含有する第1半導体層としてのn型半導体基板122と、第1主面側に位置しn型半導体基板122が含有するよりも低濃度のn型不純物を含有する第2半導体層としてのn型エピタキシャル層124とを含む。
絶縁ゲートトランジスタ130は、図2に示すように、n型エピタキシャル層124の表面に形成されたp型ベース領域126と、p型ベース領域126の表面に形成されたn型エミッタ領域128と、n型エピタキシャル層124の上方にゲート絶縁膜132を介して形成されたゲート電極134と、n型エミッタ領域128と電気的に接続されゲート電極134の上方に層間絶縁膜136を介して形成されたエミッタ電極138とを有する。
金属層140は、図1(a)及び図2に示すように、半導体基体120におけるn型半導体基板122の第2主面に形成され、半導体基体120との間にショットキ接合を形成する。金属層140としては、例えばIrを含む金属層を好適に用いることができる。
なお、ここでは図示による説明を省略するが、金属層140の表面には他の金属層が積層され、この積層膜をコレクタ電極として用いている。他の金属層としては、例えばNi,Agの積層膜を好適に用いることができる。
実施形態1に係るIGBT10は、エミッタ電極138に対してコレクタ電極(図示せず。)に正電圧を印加した状態で、ゲート電極134にしきい値以上の正電圧を印加することによりターンオンする。すなわち、ゲート電極134にしきい値以上の正電圧を印加すると、p型ベース領域126におけるチャネル形成領域139の表面にチャネルが形成され、n型エミッタ領域128からチャネルを通って半導体基体120内に電子が流入する。すると、これに対応して、ショットキ接合から半導体基体120内にホールの注入が起こり、半導体基体120が伝導度変調を起こす。このため、実施形態1に係るIGBT10は、本来は高抵抗に設定されている半導体基体120が伝導度変調により低抵抗化するため、高耐圧素子であってもオン抵抗を低くすることが可能となる。
一方、実施形態1に係るIGBT10は、ゲート電極134にしきい値以下の電圧を印加することによりターンオフする。すなわち、ゲート電極134にしきい値以下の電圧を印加すると、チャネル形成領域139においてチャネルは消滅し、n型エミッタ領域128からの電子の流入が止まる。しかし、半導体基体120内には依然として電子やホールが存在する。半導体基体120内に蓄積したホールの大部分はp型ベース領域126を通り、エミッタ電極138へ流入するが、一部は半導体基体120内に存在する電子と再結合して消滅する。半導体基体120内に蓄積したホールのすべてが消滅した時点でターンオフが完了する。
このとき、実施形態1に係るIGBT10によれば、ショットキ接合からホールを注入するように構成されているため、pn接合からホールを注入するIGBTの場合と比較して、ホールの注入量が少なくなり、ターンオフ時間を短縮してスイッチング速度を高速化することが可能となる。
非晶質領域142は、図1及び図2に示すように、半導体基体120の第2主面側からエネルギービームを部分的に照射することで、半導体基体120の第2主面側に形成されている。
エネルギービームとしては、Nd−YAGレーザ光を用いている。Nd−YAGレーザ光は、ビームスポットが小さく、エネルギー密度が高く、走査性が良いため、所望形状の非晶質領域142を効率よく形成することが可能となる。
以上のように構成された実施形態1に係るIGBT10によれば、半導体基体120の第2主面側からNd−YAGレーザ光を部分的に照射して非晶質領域142を形成するだけで、アノード・ショート型のIGBTとなる。その結果、半導体基体120の厚さを薄くした状態で反転マスクを用いたイオン注入を行う必要がなくなるため、実施形態1に係るIGBT10は、高い生産性でアノード・ショート型のIGBTを製造することが可能な構造を有するIGBTとなる。
また、実施形態1に係るIGBT10によれば、非晶質領域142の面積や形状を調整してアノード・ショート率を調整することで、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
実施形態1に係るIGBT10においては、半導体基体120は、n型半導体基板122と、n型半導体基板122の第1主面側に位置しn型半導体基板122が含有するよりも低濃度のn型不純物を含有するn型エピタキシャル層124とを含むため、比較的不純物濃度が高いn型半導体基板122と金属層140との間でショットキ接合が形成されることとなる。このため、比較的バリアハイトの高いショットキ金属(例えば、AlSi、Irなど。)を用いてショットキ接合を形成した場合に、ホールの注入量が適切な値になり、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
実施形態1に係るIGBT10においては、非晶質領域142は、図1(a)に示すように、n型エピタキシャル層124までは到達しないように形成されているため、非晶質領域142を形成することに起因して漏れ電流が増加することもなくなる。
また、実施形態1に係るIGBT10においては、図1(c)及び図1(d)に示すように、非晶質領域142は島状に形成され、各非晶質領域142の平均間隔は、IGBT10のドリフト領域の厚さ(n型エピタキシャル層124の厚さに相当。)よりも大きい値を有しているため、IGBT動作をしているIGBT10におけるn型エミッタ領域128と非晶質領域142との間の距離をある程度長くすることができるため、当該n型エミッタ領域128からの電子(多数キャリア)は、低電流状態においてもショットキ接合を介してコレクタ電極140へ流れ込むようになる。その結果、ショットキ接合からのホール(少数キャリア)の注入が起こり易くなり、スナップバック現象により低電流状態における損失が大きくなるのを抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBT10においては、図示による説明は省略するが、チップ化したときに非晶質領域142がチップ端面に露出しないように形成されているため、チップ端面に非晶質領域142が露出することがなくなり、チップとしての機械的強度が低下することもなくなる。
実施形態1に係るIGBT10の効果を比較例に係るIGBT10aと比較しながら説明する。
図3は、比較例に係るIGBT10aを説明するために示す図である。図3において、図1(a)と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図4は、実施形態1に係るIGBT10の効果を説明するために示す図である。図4中、横軸はエミッタを基準としてコレクタに印加する電圧VCEであり、縦軸はコレクタからエミッタに流れる電流ICEである。
比較例に係るIGBT10aは、基本的には実施形態1に係るIGBT10と同様の構成を有しているが、図3に示すように、非晶質領域を備えていない点で、実施形態1に係るIGBT10とは異なっている。
実施形態1に係るIGBT10は、図4に示すように、IGBTを逆バイアスで動作させたとき(エミッタに対してコレクタに負の電圧を印加したとき)に、比較例に係るIGBT10aの場合と比較して大きな電流が流れていることがわかる。このため、実施形態1に係るIGBT10には、内部転流ダイードが形成されていることがわかる。
次に、実施形態1に係るIGBTの製造方法について、図5及び図6を用いて説明する。
図5及び図6は、実施形態1に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。図5(a)〜図6(e)は実施形態1に係るIGBTの製造方法の各工程を示す図である。
実施形態1に係るIGBTの製造方法は、上記した実施形態1に係るIGBT10を製造するための方法であって、図5及び図6に示すように、以下の(a)〜(e)の工程をこの順序で含んでいる。以下、これら各工程を順次説明する。
(a)半導体基体準備工程
上面にn型エピタキシャル層124が形成されたn型半導体基板122を準備する(図5(a)参照。)。n型エピタキシャル層124の不純物濃度は、例えば2×10+14個/cmとする。n型半導体基板122の不純物濃度は、例えば1×10+15個/cmとし、n型半導体基板122の厚さは、例えば400μmとする。
(b)MOS構造形成工程
次に、図5(b)に示すように、半導体基体120(n型エピタキシャル層124)の第1主面に、絶縁ゲートトランジスタ130を含む能働領域AR並びにゲートパッド領域GP及びガードリング領域GRを含む非能働領域からなるMOS構造を形成する。
MOS構造のうち絶縁ゲートトランジスタ130は、n型エピタキシャル層124の表面にp型ベース領域126を形成し、p型ベース領域126の表面にn型エミッタ領域128を形成した後、n型エピタキシャル層124の上方にゲート絶縁膜132を介してゲート電極134を形成し、ゲート電極134の上方に層間絶縁膜136を介してエミッタ電極138を形成する(図2参照。)。これにより、半導体基体120(n型エピタキシャル層124)の第1主面に絶縁ゲートトランジスタ130を形成することができる。
(c)半導体基板研磨工程
次に、n型半導体基板122の第2主面側を研磨することによって、n型半導体基板122の厚さを薄くする(図5(c)参照。)。n型半導体基板122の厚さは、例えば50μmとする。
(d)非晶質領域形成工程
次に、半導体基体120(n型半導体基板122)の第2主面側からエネルギービームとしてのNd−YAGレーザ光を部分的に照射することで、n型半導体基板122の第2主面側全面にわたって非晶質領域142を島状に、かつ、各非晶質領域142の平均間隔がIGBT10のドリフト領域の厚さ(n型エピタキシャル層124の厚さに相当。)よりも大きい値を有するように形成する(図6(d)参照。)。
このとき、n型エピタキシャル層124までは到達しないように非晶質領域142を形成する。
(e)ショットキ接合形成工程
そして、半導体基体120(n型半導体基板122)の第2主面に金属層140を形成してn型半導体基板122と金属層140との間にショットキ接合を形成する(図6(e)参照。)。
以上により、実施形態1に係るIGBT10を製造することができる。
以上の各工程を含む実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、ショットキ接合形成工程の前に、半導体基体120(n型半導体基板122)の第2主面側からNd−YAGレーザ光を部分的に照射するだけで、半導体基体120の第2主面側に非晶質領域142を形成することが可能となり、アノード・ショート型のIGBTを製造することが可能となる。その結果、半導体基体120の厚さを薄くした状態で反転マスクを用いたイオン注入を行う必要がなくなるため、高い生産性でアノード・ショート型のIGBTを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBTの製造方法によれば、ショットキ接合形成工程の前に非晶質領域形成工程を行っているため、非晶質領域形成工程を行うことによってコレクタ電極の品質を劣化させることがなくなり、例えば、ダイボンド時におけるはんだボイドの発生を抑制することが可能となる。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係るIGBT12を説明するために示す図である。図7(a)は実施形態2に係るIGBT12の断面図であり、図7(b)は実施形態2に係るIGBT12の上面図であり、図7(c)は図7(b)の符号Bで示す部分における非晶質領域144を説明するために示す拡大図であり、図7(d)は図7(b)の符号Cで示す部分における非晶質領域144を説明するために示す拡大図である。図7において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、図7(a)においては、図1(a)の場合と同様に、IGBT12における第1主面側の構造は簡略化している。また、図7(a)においては、IGBT12の構造を模式的に示しており、n型半導体基板122の厚さ及びn型エピタキシャル層124の厚さなどの半導体基体120の厚み方向に沿った厚さや深さについては、半導体基体120の第1主面に平行な方向に沿った距離や間隔についてよりも誇張して示している。
実施形態2に係るIGBT12は、基本的には実施形態1に係るIGBT10とよく似た構造を有しているが、能働領域AR直下に非晶質領域が配置されていない点で、実施形態1に係るIGBT10とは異なっている。すなわち、実施形態2に係るIGBT12においては、図7に示すように、非晶質領域144は、能働領域ARの直下には形成されず、ゲートパッド領域GP及びガードリング領域GRを含む非能働領域の直下にのみ形成されている。
このように、実施形態2に係るIGBT12は、能働領域ARの直下に非晶質領域が配置されていない点で実施形態1に係るIGBT10の場合とは異なっているが、実施形態1に係るIGBT10の場合と同様に、半導体基体120の第2主面側からNd−YAGレーザ光を部分的に照射して非晶質領域144を形成するだけで、アノード・ショート型のIGBTとなる。その結果、半導体基体120の厚さを薄くした状態で反転マスクを用いたイオン注入を行う必要がなくなるため、実施形態2に係るIGBT12は、高い生産性でアノード・ショート型のIGBTを製造することが可能な構造を有するIGBTとなる。
また、実施形態2に係るIGBT12においては、図7(a)に示すように、非晶質領域142が非能働領域の直下にのみ形成されているため、すなわち、オン電流が流れる領域である能働領域ARの直下には非晶質領域144が形成されていないため、IGBTの飽和電圧(VCE(sat))を増大させることもない。
実施形態2に係るIGBT12は、能働領域ARの直下に非晶質領域が配置されていない点以外の点では実施形態1に係るIGBT10の場合と同様の構造を有しているため、実施形態1に係るIGBT10が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係るIGBT14の断面図である。図8において、図1(a)と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、図8においては、図1(a)の場合と同様に、IGBT14における第1主面側の構造は簡略化している。また、図8においては、IGBT14の構造を模式的に示しており、n型半導体基板156の厚さ、n型エピタキシャル層152の厚さ及びn型エピタキシャル層154の厚さなどの半導体基体150の厚み方向に沿った厚さや深さについては、半導体基体150の第1主面に平行な方向に沿った距離や間隔についてよりも誇張して示している。
実施形態3に係るIGBT14は、基本的には実施形態1に係るIGBT10とよく似た構造を有しているが、半導体基体の構成が、実施形態1に係るIGBT10とは異なっている。
すなわち、実施形態3に係るIGBT14においては、図8に示すように、半導体基体150は、第2主面側に位置しn型(第1導電型)不純物を含有する第1半導体層としてのn型エピタキシャル層152と、n型エピタキシャル層152の第1主面側に位置しn型エピタキシャル層152が含有するよりも低濃度のn型不純物を含有する第2半導体層としてのn型エピタキシャル層154と、n型エピタキシャル層152の第2主面側に位置しn型エピタキシャル層152が含有するよりも低濃度のn型不純物を含有する第3半導体層としてのn型半導体基板156とを含むものである。なお、金属層160としては、例えばPtを含む金属層を用いている。
このように、実施形態3に係るIGBT14は、半導体基体の構成が実施形態1に係るIGBT10の場合とは異なっているが、実施形態1に係るIGBT10の場合と同様に、半導体基体150の第2主面側からNd−YAGレーザ光を部分的に照射して非晶質領域146を形成するだけで、アノード・ショート型のIGBTとなる。その結果、半導体基体の厚さを薄くした状態で反転マスクを用いたイオン注入を行う必要がなくなるため、実施形態3に係るIGBT14は、高い生産性でアノード・ショート型のIGBTを製造することが可能な構造を有するIGBTとなる。
実施形態3に係るIGBT14においては、半導体基体150は、n型エピタキシャル層152の第2主面側に位置しn型エピタキシャル層152が含有するよりも低濃度のn型不純物を含有するn型半導体基板156をさらに含んでいる。これにより、不純物濃度が比較的低いn型半導体基板156と金属層160との間でショットキ接合が形成されることとなるため、一般的なショットキ金属(例えば、Ptなど。)を用いてショットキ接合を形成した場合に、ホールの注入量が適切な値になり、飽和電圧(VCE(sat))とターンオフ時間とを適切な値に調整することが可能となる。
実施形態3に係るIGBT14は、半導体基体の構成以外の点では実施形態1に係るIGBT10の場合と同様の構造を有しているため、実施形態1に係るIGBT10が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態4]
図9は、実施形態4に係るIGBT16の断面図である。図9において、図1(a)と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、図9においては、図1(a)の場合と同様に、IGBT16における第1主面側の構造は簡略化している。また、図9においては、IGBT16の構造を模式的に示しており、n型半導体基板122の厚さ及びn型エピタキシャル層124の厚さなどの半導体基体120の厚み方向に沿った厚さや深さについては、半導体基体120の第1主面に平行な方向に沿った距離や間隔についてよりも誇張して示している。
実施形態4に係るIGBT16は、基本的には実施形態1に係るIGBT10とよく似た構造を有しているが、非晶質領域の代わりに合金領域を備える点で実施形態1に係るIGBT10とは異なっている。すなわち、実施形態4に係るIGBT16においては、非晶質領域に代わる合金領域として、図9に示すように、金属層140にNd−YAGレーザ光を部分的に照射することで金属層140と半導体基体120におけるn型半導体基板122とを合金化させることにより形成された合金領域148を有している。
なお、実施形態4に係るIGBT16を製造する場合には、上述した実施形態1に係るIGBTの製造方法において、非晶質領域形成工程を行う前にショットキ接合形成工程を行えばよい。そして、ショットキ接合形成工程を行うことによって形成された金属層140に、エネルギービームとしてNd−YAGレーザ光を照射して当該金属層140とn型半導体基板122とを合金化させて合金領域148を形成する合金領域形成工程を行う。
このように、実施形態4に係るIGBT16は、非晶質領域の代わりに合金領域を備える点で実施形態1に係るIGBT10の場合とは異なっているが、金属層140にNd−YAGレーザ光を部分的に照射して合金領域148を形成するだけで、アノード・ショート型のIGBTとなる。その結果、実施形態1に係るIGBT10の場合と同様に、半導体基体120の厚さを薄くした状態で反転マスクを用いたイオン注入を行う必要がなくなるため、実施形態4に係るIGBT16は、高い生産性でアノード・ショート型のIGBTを製造することが可能な構造を有するIGBTとなる。
実施形態4に係るIGBT16は、非晶質領域の代わりに合金領域を備える点以外の点では実施形態1に係るIGBT10の場合と同様の構造を有しているため、実施形態1に係るIGBT10が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
以上、本発明のIGBT及びIGBTの製造方法を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態においては、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としてもよい。この場合、カソード・ショート型のIGBTとなる。
(2)上記各実施形態においては、エネルギービームとして、Nd−YAGレーザ光を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。エネルギービームとしては、Nd-YAG以外のレーザ光や、レーザ光以外のエネルギービーム(例えば、電子ビーム、イオンビーム)をも好ましく用いることができる。
(3)上記実施形態1においては、金属層140の表面に他の金属層を積層してこの積層膜をコレクタ電極として用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属層140をそのままコレクタ電極として用いることもできる。
(4)上記各実施形態においては、非晶質領域142,144,146又は合金領域148は、島状に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、島状に形成されていないものも含むものである。その場合は、非晶質領域又は合金領域の形成パターンにおける最小幅を、IGBTのドリフト領域の厚さよりも大きい値を有するように設定することが好ましい。
実施形態1に係るIGBT10を説明するために示す図である。 実施形態1に係るIGBT10を説明するために示す図である。 比較例に係るIGBT10aを説明するために示す図である。 実施形態1に係るIGBT10の効果を示す図である。 実施形態1に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態1に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態2に係るIGBT12を説明するために示す図である。 実施形態3に係るIGBT14の断面図である。 実施形態4に係るIGBT16の断面図である。 従来のIGBT800を説明するために示す図である。 従来のIGBT900を説明するために示す図である。
符号の説明
10,10a,12,14,16…IGBT、120,150…半導体基体、122…n型半導体基板、124,154…n型エピタキシャル層、126…p型ベース領域、128…n型エミッタ領域、130…絶縁ゲートトランジスタ、132…ゲート絶縁膜、134…ゲート電極、136…層間絶縁膜、138…エミッタ電極、139…チャネル形成領域、140,160…金属層、142,144,146…非晶質領域、148…合金領域、152…n型エピタキシャル層、156…n型半導体基板、800…IGBT、810…n型半導体基板、812…n型エピタキシャル層、814…p型ベース領域、816…n型エミッタ領域、818…ゲート絶縁膜、820…ゲート電極、822…層間絶縁膜、824…エミッタ電極、826…コレクタ電極、828…n型チャネルストッパ領域、830…絶縁膜、900…IGBT、901…ゲート電極、902…p型ベース領域、903…n型ソース領域、904…n型半導体基板、905…n層、906…p層、907…エミッタ電極、908…コレクタ電極、921…p層、AR…能働領域、DR…固定電位拡散領域、GP…ゲートパッド領域、GR…ガードリング領域

Claims (16)

  1. 半導体基体と、
    前記半導体基体の第1主面に形成され、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造と、
    前記半導体基体の第2主面に形成され、前記半導体基体との間にショットキ接合を形成する金属層と、
    前記半導体基体の前記第2主面側からエネルギービームを部分的に照射することで前記半導体基体の前記第2主面側に形成された非晶質領域とを備えることを特徴とするIGBT。
  2. 半導体基体と、
    前記半導体基体の第1主面に形成され、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造と、
    前記半導体基体の第2主面に形成され、前記半導体基体との間にショットキ接合を形成する金属層と、
    前記金属層にエネルギービームを部分的に照射することで前記金属層と前記半導体基体とを合金化させることにより形成された合金領域とを備えることを特徴とするIGBT。
  3. 請求項1又は2に記載のIGBTにおいて、
    前記半導体基体は、
    前記第2主面側に位置し第1導電型不純物を含有する第1半導体層と、
    前記第1主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第2半導体層とを含むことを特徴とするIGBT。
  4. 請求項3に記載のIGBTにおいて、
    前記半導体基体は、
    前記第1半導体層よりも前記第2主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第3半導体層をさらに含むことを特徴とするIGBT。
  5. 請求項3又は4に記載のIGBTにおいて、
    前記非晶質領域又は前記合金領域は、前記第2半導体層までは到達しないように形成されていることを特徴とするIGBT。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のIGBTにおいて、
    前記非晶質領域又は前記合金領域は、島状に形成され、
    各前記非晶質領域又は各前記合金領域の平均間隔は、前記IGBTのドリフト領域の厚さよりも大きい値を有することを特徴とするIGBT。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のIGBTにおいて、
    前記非晶質領域又は前記合金領域は、前記非能働領域の直下にのみ形成されていることを特徴とするIGBT。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のIGBTにおいて、
    前記非晶質領域又は前記合金領域は、チップ化したときにチップ端面に露出しないように形成されていることを特徴とするIGBT。
  9. 半導体基体を準備する半導体基体準備工程と、
    前記半導体基体の第1主面に、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造を形成するMOS構造形成工程と、
    前記半導体基体の第2主面に金属層を形成して前記半導体基体と前記金属層との間にショットキ接合を形成するショットキ接合形成工程とを含むIGBTの製造方法において、
    前記ショットキ接合形成工程の前に、前記半導体基体の第2主面にエネルギービームを部分的に照射することで前記半導体基体の第2主面側に非晶質領域を形成する非晶質領域形成工程をさらに含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  10. 半導体基体を準備する半導体基体準備工程と、
    前記半導体基体の第1主面に、絶縁ゲートトランジスタを含む能働領域並びにゲートパッド領域及びガードリング領域を含む非能働領域からなるMOS構造を形成するMOS構造形成工程と、
    前記半導体基体の第2主面に金属層を形成して前記半導体基体と前記金属層との間にショットキ接合を形成するショットキ接合形成工程とを含むIGBTの製造方法において、
    前記ショットキ接合形成工程の後に、前記金属層にエネルギービームを部分的に照射することで前記金属層と前記半導体基体とを合金化させて合金領域を形成する合金領域形成工程をさらに含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載のIGBTの製造方法において、
    前記半導体基体は、
    前記第2主面側に位置し第1導電型不純物を含有する第1半導体層と、
    前記第1主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第2半導体層とを含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  12. 請求項11に記載のIGBTの製造方法において、
    前記半導体基体は、
    前記第1半導体層よりも前記第2主面側に位置し前記第1半導体層が含有するよりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第3半導体層をさらに含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  13. 請求項11又は12に記載のIGBTの製造方法において、
    前記非晶質領域形成工程又は前記合金領域形成工程においては、前記第2半導体層までは到達しないように前記非晶質領域又は前記合金領域を形成することを特徴とするIGBTの製造方法。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記非晶質領域又は前記合金領域を、島状に、かつ、各前記非晶質領域又は各前記合金領域の平均間隔が前記IGBTのドリフト領域の厚さよりも大きい値を有するように形成することを特徴とするIGBTの製造方法。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記非晶質領域形成工程又は前記合金領域形成工程においては、前記非能働領域の直下にのみ前記非晶質領域又は前記合金領域を形成することを特徴とするIGBTの製造方法。
  16. 請求項9〜15のいずれかに記載のIGBTの製造方法において、
    前記非晶質領域形成工程又は前記合金領域形成工程においては、チップ化したときにチップ端面に露出しないように前記非晶質領域又は前記合金領域を形成することを特徴とするIGBTの製造方法。
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