JP2007266524A - 半導体レーザ素子の駆動条件設定方法 - Google Patents

半導体レーザ素子の駆動条件設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体レーザ素子を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときに、良好な階調表現を得られるようにする。
【解決手段】写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子31を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときの半導体レーザ素子31の動作条件設定方法において、前記半導体レーザ素子31の駆動電流に高周波信号を重畳して駆動する状態で、半導体レーザ素子31から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときに、半導体レーザ素子31の光出力の変化に対して前記特定領域の波長が略同一の波長を維持するように、半導体レーザ素子31の動作温度を設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときの半導体レーザ素子の動作条件設定方法に関する。
半導体レーザ素子の出射レーザ光を光源として、写真感光材料上に画像を露光形成するための階調表現の手法としては、下記特許文献1に記載のように発光時のレーザ光出力は一定として発光時間に対して変調をかけるパルス幅変調により階調表現する手法の他に、半導体レーザ素子の駆動電流を画像データの階調値に応じて変調することで、半導体レーザ素子の出射光強度を強度変調する階調表現の手法も考えられている。
下記特許文献1では、半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳するいわゆる高周波重畳の技術を用いることなく、温度制御によってモードホッピング雑音を抑制しようとする技術であるが、半導体レーザ素子の出射光強度を画像データの階調値に応じてダイナミックに変化させる方式では、上記の高周波重畳の技術が必要になる。
特開2001−244554号公報
高周波重畳技術は、モードホップの悪影響を低減する技術としてよく知られているが、高周波重畳を行っている状態で半導体レーザ素子の出射光強度を直接変調にて強度変調する際の挙動については必ずしも明確ではなく、特に、半導体レーザ素子の出射光強度の強度変化に対して、露光形成した画像の階調が適正に表現されるようにするために、半導体レーザ素子の動作条件をどのように設定すれば良いかについての指針はなかった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、半導体レーザ素子を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときに、良好な階調表現を得られるようにする点にある。
本出願の第1の発明は、写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときの半導体レーザ素子の動作条件設定方法において、前記半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳して駆動する状態で、半導体レーザ素子から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときに、半導体レーザ素子の光出力の変化に対して前記特定領域の波長が略同一の波長を維持するように、半導体レーザ素子の動作温度を設定する。
本発明の発明者は、高周波重畳をかけた状態としながら、画像データの階調値に応じて直接変調にて半導体レーザ素子の出射光強度を強度変調して、その出射光強度の変化で階調表現をするための基礎実験として、高周波重畳をかけながら、出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化の様子を観察する実験を行った。
その結果、出射光強度が小さいときは、高周波重畳の効果で、波長スペクトルは半導体レーザ素子の利得分布(利得の波長分布)に対応して幅広い波長範囲に拡がったマルチモード発振となるが、更に出射光強度を上げて行くと、特定領域の波長成分の光強度が大きくなり、他の波長成分との光強度差が極端に大きくなってくる。
換言すると、その特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなる。
但し、いわゆるシングルモードと呼ばれる単一縦モードのみが支配的となっているのではなく、高周波重畳がかかっていることとの関係で前記特定領域の波長幅は、シングルモードの波長幅よりも広くなっている。
このように、出射光強度が大きい領域でいわゆるマルチモード発振とは異なる挙動を示すのは、出射光強度に対して高周波重畳の振幅レベルが相対的に小さくなるためと考えられる。
写真感光材料に画像を露光形成するについて、種々の感度特性を有する多様な写真感光材料に対応できるようにするためには、半導体レーザ素子の出射光強度の変調範囲を広くして半導体レーザ素子の光出力を定格いっぱいまで使用することになるが、そのような場合に、出射光強度の大きい領域で高周波重畳の振幅レベルをあまり大きくしてしまうと、半導体レーザ素子の光出力が定格を超えてしまうことになる。
従って、上記のように、特定領域の波長成分が支配的となる状況下でも使用せざるを得ないことになる。
ところが、上記の実験による半導体レーザ素子の出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化を観察すると、特定領域の波長成分が支配的となる領域で、出射光強度の変化に対して支配的となっている特定領域の波長成分の波長が大きな波長飛びを起こすことを確認できた。
もちろん、上記のように、単一縦モードでのシングルモード発振をしているわけではないので、いわゆるモードホップそのものではない。
出射光強度を強度変調して画像の露光形成に利用する場合では、出射光強度の変化に対して波長(中心波長)が滑らかに変化してくれるのであれば、適正な階調表現を実現できるが、上記のような大きな波長の飛びが発生してしまうと、その波長の差による感光材料の感度の差に起因して、階調が不連続となり適正な階調表現が困難となってしまう。
そこで、本発明の発明者は、出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化のしかたは温度に依存することも考えられることから、半導体レーザ素子の動作温度を複数段階に変化させて同様に実験を行った。
そうすると、半導体レーザ素子の動作温度によっては、特定領域の波長成分の光強度が支配的となる領域において、高周波重畳をかけた状態で半導体レーザ素子の出射光強度を変化させてもその特定領域の波長範囲の位置が変化しない状態が存在することを見出した。
従って、このような動作温度に半導体レーザ素子の動作温度を設定することで、画像の階調に大きな飛びが発生してしまうのを回避できる。
又、本出願の第2の発明は、写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときの半導体レーザ素子の動作条件設定方法において、前記半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳して駆動する状態で、半導体レーザ素子から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときの、半導体レーザ素子の光出力の変化に対する前記特定領域の波長の変化の度合いが、半導体レーザ素子の光出力の変化に対する半導体レーザ素子の縦モード上の利得分布のピーク波長の変化の度合いと略同一となるように、半導体レーザ素子の動作温度を設定する。
本発明の発明者は、高周波重畳をかけた状態としながら、画像データの階調値に応じて直接変調にて半導体レーザ素子の出射光強度を強度変調して、出射光強度の変化で階調表現をするための基礎実験として、高周波重畳をかけながら、出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化の様子を観察する実験を行った。
その結果、出射光強度が小さいときは、高周波重畳の効果で、波長スペクトルは半導体レーザ素子の利得分布(利得の波長分布)に対応して幅広い波長範囲に拡がったマルチモード発振となるが、更に出射光強度を上げて行くと、特定領域の波長成分の光強度が大きくなり、他の波長成分との光強度差が極端に大きくなってくる。
換言すると、その特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなる。
但し、いわゆるシングルモードと呼ばれる単一縦モードのみが支配的となっているのではなく、高周波重畳がかかっていることとの関係で前記特定領域の波長幅は、シングルモードの波長幅よりも広くなっている。
このように、出射光強度が大きい領域でいわゆるマルチモード発振とは異なる挙動を示すのは、出射光強度に対して高周波重畳の振幅レベルが相対的に小さくなるためと考えられる。
写真感光材料に画像を露光形成するについて、種々の感度特性を有する多様な写真感光材料に対応できるようにするためには、半導体レーザ素子の出射光強度の変調範囲を広くして半導体レーザ素子の光出力を定格いっぱいまで使用することになるが、そのような場合に、出射光強度の大きい領域で高周波重畳の振幅レベルをあまり大きくしてしまうと、半導体レーザ素子の光出力が定格を超えてしまうことになる。
従って、上記のように、特定領域の波長成分が支配的となる状況下でも使用せざるを得ないことになる。
ところが、上記の実験による半導体レーザ素子の出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化を観察すると、特定領域の波長成分が支配的となる領域で、出射光強度の変化に対して支配的となっている特定領域の波長成分の波長が大きな波長飛びを起こすことを確認できた。
もちろん、上記のように、単一縦モードでのシングルモード発振をしているわけではないので、いわゆるモードホップそのものではない。
出射光強度を強度変調して画像の露光形成に利用する場合では、出射光強度の変化に対して波長(中心波長)が滑らかに変化してくれるのであれば、適正な階調表現を実現できるが、上記のような大きな波長の飛びが発生してしまうと、その波長の差による感光材料の感度の差に起因して、階調が不連続となり適正な階調表現が困難となってしまう。
そこで、本発明の発明者は、出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化のしかたは温度に依存することも考えられることから、半導体レーザ素子の動作温度を複数段階に変化させて同様に実験を行った。
そうすると、半導体レーザ素子の動作温度によっては、特定領域の波長成分の光強度が支配的となる領域において、高周波重畳をかけた状態で半導体レーザ素子の出射光強度を変化させると、大きな波長飛びが発生するのではなく、出射光強度の増大に対して緩やかに波長がシフトしていく状態が存在することを見出した。
従って、このような動作温度に半導体レーザ素子の動作温度を設定することで、画像の階調に大きな飛びが発生してしまうのを回避できる。
上記第1の発明によれば、画像の階調に大きな飛びが発生してしまうのを回避できるので、半導体レーザ素子を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときに、良好な階調表現を得られるものとなった。
又、上記第2の発明によれば、画像の階調に大きな飛びが発生してしまうのを回避できるので、半導体レーザ素子を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときに、良好な階調表現を得られるものとなった。
以下、本発明の半導体レーザ素子の駆動条件設定方法を、写真プリントシステムに搭載される露光用光源装置の製造過程で用いる場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態で例示する写真プリントシステムDPは、いわゆるデジタルミニラボ機として知られているものであり、図2のブロック構成図に示すように、各種の画像データ入力機器を備えて写真プリントを作製するための画像データを取込む画像入力装置IRと、画像入力装置IRにて入力された画像データに基づいて写真感光材料PSの1例である印画紙2に露光処理する露光・現像装置EPとから構成されている。
〔画像入力装置IRの概略構成〕
画像入力装置IRには、図2に概略的に示すように、写真フィルムの駒画像を読み取ってデジタル画像データとして出力するフィルムスキャナ3と、メモリカードリーダ,光磁気ディスクドライブ及びCD−Rドライブ等の画像データ入力機器を備えた外部入出力装置4と、パーソナルコンピュータにて構成されてフィルムスキャナ3や外部入出力装置4の制御のほか写真プリントシステムDP全体の管理を実行する主制御装置5とが備えられ、更に、主制御装置5には、仕上がりプリント画像をシミュレートしたシミュレート画像や各種の制御用の情報を表示するモニタ5aと、露光条件の手動設定等や制御情報の入力操作をするための操作卓5bとが接続されている。
〔露光・現像装置EPの全体構成〕
露光・現像装置EPは、筐体内部に、印画紙2の乳剤面に画像を露光形成する画像露光装置EXと、画像露光装置EXにて露光された印画紙2を現像処理する現像処理装置PPと、印画紙マガジン6から引き出された印画紙2を多数の搬送ローラ9等にて現像処理装置PPへ搬送する印画紙搬送系PTとが設けられている。
図示を省略するが、露光・現像装置EPの筐体外部には、現像処理装置PPにて現像処理及び乾燥処理された印画紙2をオーダ毎に分類するためのソータが備えられ、現像処理装置PPの印画紙排出口から排出された印画紙2をこのソータへ搬送するコンベア10が筐体上面に備えられている。
更に、印画紙搬送系PTの搬送経路の途中には、印画紙マガジン6から引き出された長尺の印画紙2を設定プリントサイズに切断するカッタ11と、印画紙2の搬送列を複数の搬送列に振り分けるための振り分け装置12とが備えられている。
〔画像露光装置EXの構成〕
画像露光装置EXは、印画紙2に画像を露光形成する露光ユニット13と、露光ユニット13を制御する露光制御装置14とを主要部として構成されている。
〔露光ユニット13の構成〕
露光ユニット13は、強度変調された光ビームを印画紙2上で走査して、印画紙2上に画像を露光形成するいわゆるレーザビーム走査露光式を採用しており、その概略構成を図1のブロック構成図に示す。
露光ユニット13には、赤色用光源装置21と、緑色用光源装置22と、青色用光源装置23と、緑色用光源装置22及び青色用光源装置23から出射した光ビームを強度変調するための音響光学変調素子24(以下、「AOM素子24」と略記する)と、光ビームの光路を屈曲させるミラー25と、球面レンズ26と、シリンドリカルレンズ27と、図示を省略するモータにて回転駆動されるポリゴンミラー28と、f−θ特性と面倒れ補正機能とを有するレンズ群29とが備えられている。
〔赤色用光源装置21の構成〕
赤色用光源装置21は、図3に概略的に示すように、光源として赤色レーザ光を出射する半導体レーザ素子31と、半導体レーザ素子31の出射光を集光する集光レンズ32と、半導体レーザ素子31の出射光を光出力検出用の光ビームと露光対象物である印画紙2への照射用の光ビームとに分岐させるビームスプリッタ33と、ビームスプリッタ33にて分岐された赤色レーザ光の強度を検出するためのフォトダイオード34と、半導体レーザ素子31を加熱又は冷却するためのいわゆるペルチェ素子と呼ばれる熱電変換装置35とが備えられている。
〔露光制御装置14の構成〕
露光制御装置14には、図1に概略的に示すように、上記構成の露光ユニット13を制御するために、画像入力装置IRから入力される赤色,緑色及び青色夫々の露光用画像データを露光ユニット13の露光特性を考慮した画像データに補正するルックアップテーブル41と、ルックアップテーブル41にて補正された画像データを赤色,緑色及び青色の各色毎に記憶する画像データメモリ42と、赤色,緑色及び青色の各色毎に備えられて画像データメモリ42の出力データをD/A変換するD/Aコンバータ43と、緑色及び青色についてD/Aコンバータ43からの入力信号に応じて変調されたAOM素子24の駆動信号を生成するAOM制御回路44と、赤色についてD/Aコンバータ43から入力される画像信号に応じて赤色用光源装置21の半導体レーザ素子31の駆動電流を変調するLD駆動回路45と、図示を省略する温度センサの検出情報に基づいて半導体レーザ素子31の動作温度を調整するための熱電変換装置35を制御する温度制御装置46とが備えられている。
LD駆動回路45には、図3に概略的に示すように、半導体レーザ素子31のモードホップ雑音を抑制するための高周波重畳回路51と、フォトダイオード34の出力電流を電圧信号に変換する電流/電圧変換回路52と、半導体レーザ素子31の出射光強度が入力画像信号に応じて変化するように半導体レーザ素子31の駆動電流を制御するオペアンプ53とが備えられる他、図示を省略するが、オペアンプ53の出力によって半導体レーザ素子31の通電電流を調整するトランジスタ等が備えられている。
オペアンプ53の入力には、D/Aコンバータ43からの画像信号と電流/電圧変換回路52からの信号とが入力され、オペアンプ53は、電流/電圧変換回路52から入力される信号がD/Aコンバータ43から入力される画像信号に一致するように半導体レーザ素子31の駆動電流を制御する。すなわち、いわゆるAPCをかけて半導体レーザ素子31の出射光量を制御している。
これによって、画像データに基づいて生成されたD/Aコンバータ43から送られてくるアナログ画像信号によって半導体レーザ素子31を直接変調している。
換言すると、画像入力装置IRから露光用の画像データとして送られてくる画像データの階調値に応じて、直接変調にて半導体レーザ素子の出射光強度を強度変調している。
尚、高周波重畳回路51の出力信号は、フォトダイオード34及び電流/電圧変換回路52により構成されるフィードバックループの応答周波数帯域よりも十分に高い周波数であるので、高周波重畳回路51はオペアンプ53による半導体レーザ素子31の出力制御には影響しない。
〔赤色用光源装置21の製作方法〕
本発明を適用して製作する赤色用光源装置21は、半導体レーザ素子31,集光レンズ32,ビームスプリッタ33及びフォトダイオード34を、図示を省略する筐体に組み込み、その筐体による機械的な位置精度で光学系を組み上げることになる。
この際に問題となるのは、半導体レーザ素子31の動作温度をどのように設定するかである。
以下、この設定方法を具体的なデータに基づいて説明する。
赤色用光源装置21に使用するものとして690nm帯の半導体レーザ素子31について、波長スペクトルを測定した結果を図4に示す。
この波長スペクトルの測定は、図3に示す回路によって(すなわち、半導体レーザ素子31の駆動電流に高周波重畳回路51による高周波信号を重畳して駆動する状態で)、半導体レーザ素子31の出射光強度を1.5mWから30mWまで1.5mWステップで変化させて行い、出射光強度の増大によって波長スペクトルがどのように変化して行くかを把握し易いように、各出射光強度の波長スペクトルをまとめて図示している。尚、図4の測定結果は光スペクトラムアナライザによる測定結果であるが、半導体レーザ素子31の縦モードの一本一本を明瞭に分解する分解能を有していない。
出射光強度の変化に対して波長スペクトルがどのように変化していくかを概略的に説明すると、出射光強度が小さいときは、高周波重畳の効果によって幅広い波長範囲に拡がったマルチモード発振となる。この低出射光強度での波長スペクトルは、半導体レーザ素子31の利得分布(利得の波長分布)に対応するものである。
図4では、出射光強度が上記の典型的にマルチモード発振している領域に属する波長スペクトルを細線の点線にて示しており、出射光強度が1.5mWから12mWまでの波長スペクトルがこれに属する。
出射光強度を更に上げて行くと、図4において矢印Aあるいは矢印Bで示すような特定領域の波長成分の光強度が大きくなり、他の波長成分との光強度差が極端に大きくなってくる。尚、図4の縦軸の単位は「dBm」であり、「5」異なれば光出力が「3.16倍」となる。
すなわち、シングルモード発振のように特定の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなるのである。
但し、図4の矢印Aあるいは矢印Bで示す前記特定領域の波長幅は「0.7nm」程度であり、単一縦モードのみが支配的となっているのではなく、高周波重畳がかかっていることとの関係で、複数の縦モードが混在している。
このように、特定領域の波長成分が支配的となる光強度差が発生する出射光強度に属するグループの波長スペクトルを図4では実線の太線で示しており、出射光強度が13.5mWから30mWの範囲のものが属する。
図4では、特定領域の波長成分が支配的となる領域において、出射光強度の増大によって、その特定領域の波長が矢印Aで示す領域から矢印Bで示す領域に移行し、ちょうど発振波長が「1nm」程度ジャンプすることになる。
ちなみに、図4の測定例では、出射光強度が「21mW」と「22.5mW」との間でジャンプが発生している。
従って、この特性の半導体レーザ素子31をそのまま光源として使用すると、画像入力装置IRから入力されてくる画像データの階調値がわずかに変化しただけで半導体レーザ素子31の波長が「1nm」ジャンプしてしまうことになり、印画紙2の感度の波長特性から階調差よりもかなり大きな濃度差が印画紙2上で発生してしまうことになり、画像の適正な階調表現を行いにくいものとなってしまう。
図4の測定は、同図中にも「TLD=20℃」と記載しているように、半導体レーザ素子31の動作温度を温度制御装置46及び熱電変換装置35によって、20℃に安定化して行ったものであるが、同一の半導体レーザ素子31に対して、この動作温度の条件のみを変化させて、図4と同様の測定を行った結果が、図5乃至図7に示すものである。
半導体レーザ素子31の駆動の仕方、座標の取り方及び出射光強度の設定範囲等は全て図4のものと共通であり、又、図5乃至図7においても、マルチモード発振している領域に属する波長スペクトルを細線の点線にて示し、特定領域の波長成分が支配的となる光強度差が発生する出射光強度に属するグループの波長スペクトルを実線の太線で示している。
図5乃至図7は、夫々、半導体レーザ素子31の動作温度を25℃,30℃及び35℃として測定したものであるが、図4乃至図7の測定結果の対比から明らかなように、他の波長成分に比べて支配的な光強度差を有する領域(前記特定領域)の現れ方が半導体レーザ素子31の動作温度によって異なっている。
特に、図6では、出射光強度を変化させても前記特定領域の波長成分(図6において矢印Cで示す)がジャンプすることなく安定している。
これは、赤色用光源装置21の光源として使用する半導体レーザ素子31について、半導体レーザ素子31の動作温度を変化させて、各動作温度毎で出射光強度の変化に対する波長スペクトルを測定することで、適正な階調表現が得られる半導体レーザ素子31の動作条件(設定すべき動作温度)を特定できることを意味している。
すなわち、その一連の測定によって、図6に示すような、半導体レーザ素子31から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときに、半導体レーザ素子31の光出力の変化に対して前記特定領域の波長が略同一の波長を維持するような、半導体レーザ素子31の動作温度を探し出し、半導体レーザ素子31を赤色用光源装置21に組み付けて写真プリントシステムDPの画像露光装置EXに使用するときに、半導体レーザ素子31の動作温度がその探し出した動作温度(図4乃至図7の測定結果例では、30℃)に維持されるように温度制御装置46等を設定するのである。
これによって、図4や図7に見られるような前記特定領域の波長成分のジャンプを発生させないようにすることができ、印画紙2上に形成される露光画像において階調飛びを防止できるものとなる。
更に、図4乃至図7の測定結果において、図5(TLD=25℃)に着目すると、同図中において符号Dでくくったグループ(出射光強度が「27mW」以上のグループ)を除いて、大まかには、半導体レーザ素子31から出射されているレーザ光において前記特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときの、半導体レーザ素子31の光出力の変化に対する前記特定領域の波長の変化の度合いが、半導体レーザ素子31の光出力の変化に対する半導体レーザ素子31の縦モード上の利得分布のピーク波長の変化の度合いと略同一となっている。
すなわち、図5中において概略的に太線の破線Eで示すような変化傾向で波長がシフトしている。
従って、赤色用光源装置21の光源として使用する半導体レーザ素子31について、半導体レーザ素子31の動作温度を変化させて、各動作温度毎で出射光強度の変化に対する波長スペクトルを測定することで、上記の図6のような変化パターン以外にも、適正な階調表現が得られる半導体レーザ素子31の動作条件を特定できることを意味している。
すなわち、その一連の測定によって、図5に示すような、半導体レーザ素子31から出射されているレーザ光において前記特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときの、半導体レーザ素子31の光出力の変化に対する前記特定領域の波長の変化の度合いが、半導体レーザ素子31の光出力の変化に対する半導体レーザ素子の縦モード上の利得分布のピーク波長の変化の度合いと略同一となるような、半導体レーザ素子31の動作温度を探し出し、半導体レーザ素子31を赤色用光源装置21に組み付けて写真プリントシステムDPの画像露光装置EXに使用するときに、半導体レーザ素子31の動作温度がその探し出した動作温度(図4乃至図7の測定結果例では、25℃)に維持されるように温度制御装置46等を設定するのである。
例えば、図5の測定例では、出射光強度が「25.5mW」以下の範囲で、前記特定領域の波長成分の光強度が支配的となった出射光強度の領域においても、マルチモード発振しているときの波長変化傾向と近似した波長変化傾向を示すので、図4や図7に見られるような前記特定領域の波長成分の大きなジャンプを回避でき、印画紙2上に形成される露光画像において階調飛びを防止できるものとなる。
〔写真プリントの作製動作の概要〕
次ぎに、上記構成の写真プリントシステムDPにおける写真プリントの作製動作を概略的に説明する。
オペレータが、フィルムスキャナ3あるいは外部入出力装置4からプリント対象の画像データを入力すると、適宜に画像処理等が施され、画像処理後の露光用画像データがルックアップテーブル41へ送信される。
画像入力装置IRから入力された赤色,緑色及び青色の露光用画像データに基づいて、AOM素子24及びLD駆動回路45にて強度変調された赤色,緑色及び青色の光ビームは、各光学部品を通過してポリゴンミラー28の反射面に照射され、回転駆動されているポリゴンミラー28の反射面で反射された光ビームは、レンズ群29によって印画紙2上に集光される。光ビームの走査方向(主走査方向)は印画紙2の搬送方向(副走査方向)と直交しており、光ビームの走査と印画紙2の搬送移動によって、印画紙2上にプリントする写真画像が潜像として露光形成される。これが現像処理装置PPで現像処理されて写真プリントとして仕上がる。
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、写真感光材料PSとして印画紙2を例示しているが、感光フィルムや感光ドラム等の写真感光材料に、半導体レーザ素子を光源とする画像露光装置で画像を露光形成する場合にも本発明を適用できる。
(2)上記実施の形態では、半導体レーザ素子31として赤色半導体レーザ素子を例示しているが、緑色用光源装置22及び青色用光源装置23において、光源として緑色半導体レーザ素子あるいは青色半導体レーザ素子を使用し、それらの半導体レーザ素子を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときにも本発明を適用できる。
本発明の実施の形態にかかる画像露光装置の概略構成図 本発明の実施の形態にかかる写真プリントシステムの概略構成図 本発明の実施の形態にかかる要部概略構成図 本発明の実施の形態にかかる波長スペクトルの測定例を示す図 本発明の実施の形態にかかる波長スペクトルの測定例を示す図 本発明の実施の形態にかかる波長スペクトルの測定例を示す図 本発明の実施の形態にかかる波長スペクトルの測定例を示す図
符号の説明
PS 写真感光材料
31 半導体レーザ素子

Claims (2)

  1. 写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときの半導体レーザ素子の動作条件設定方法であって、
    前記半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳して駆動する状態で、
    半導体レーザ素子から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときに、半導体レーザ素子の光出力の変化に対して前記特定領域の波長が略同一の波長を維持するように、半導体レーザ素子の動作温度を設定する半導体レーザ素子の駆動条件設定方法。
  2. 写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときの半導体レーザ素子の動作条件設定方法であって、
    前記半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳して駆動する状態で、
    半導体レーザ素子から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなっているときの、半導体レーザ素子の光出力の変化に対する前記特定領域の波長の変化の度合いが、半導体レーザ素子の光出力の変化に対する半導体レーザ素子の縦モード上の利得分布のピーク波長の変化の度合いと略同一となるように、半導体レーザ素子の動作温度を設定する半導体レーザ素子の駆動条件設定方法。
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