JP2007264532A - 画像露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像データの階調値に応じて、写真感光材料上で適正な階調表現を得られるようにする。
【解決手段】写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子31と、その半導体レーザ素子31を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するレーザ駆動回路45とが備えられた画像露光装置において、レーザ駆動回路45が、半導体レーザ素子に高周波重畳をかけながら、前記出射光強度の変調範囲内で、特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなる出射光強度の領域が存在する状態で駆動する条件下で、前記写真感光材料上に形成する画像の目標濃度に対する出射光強度を、前記階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態と、前記境界の出射光強度をまたいで変化する状態とで異ならせるように半導体レーザ素子31の出射光強度を補正する。
【選択図】図3

Description

本発明は、写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子と、その半導体レーザ素子を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するレーザ駆動回路とが備えられた画像露光装置に関する。
半導体レーザ素子の出射レーザ光を光源として、写真感光材料上に画像を露光形成するための階調表現の手法としては、下記特許文献1に記載のように発光時のレーザ光出力は一定として発光時間に対して変調をかけるパルス幅変調により階調表現する手法の他に、半導体レーザ素子の駆動電流を画像データの階調値に応じて変調することで、半導体レーザ素子の出射光強度を強度変調する階調表現の手法も考えられている。
下記特許文献1では、半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳するいわゆる高周波重畳の技術を用いることなく、温度制御によってモードホッピング雑音を抑制しようとする技術であるが、半導体レーザ素子の出射光強度を画像データの階調値に応じてダイナミックに変化させる方式では、上記の高周波重畳の技術が必要になる。
特開2001−244554号公報
しかしながら、高周波重畳技術は、半導体レーザ素子をマルチモード発振させてモードホップの悪影響を低減する技術としてよく知られているが、高周波重畳を行っている状態で半導体レーザ素子の出射光強度を直接変調にて強度変調する際には、高周波信号の印加条件によってはマルチモード発振を維持しない場合もある。
そのような場合には、半導体レーザ素子の出射光の波長スペクトルは、出射光強度の変化に対して独特の変化を示し、写真感光材料上に適正な濃度階調を表現するためには、そのような変化に対応した出射光強度の制御を行う必要がある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、画像データの階調値に応じて、写真感光材料上で適正な階調表現を得られるようにする点にある。
本出願の第1の発明は、写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子と、その半導体レーザ素子を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するレーザ駆動回路とが備えられた画像露光装置において、前記レーザ駆動回路は、前記半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳して駆動すると共に、前記出射光強度の変調範囲内で、半導体レーザ素子から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなる出射光強度の領域が存在する状態で駆動するように構成され、前記特定領域の波長が飛躍的に変化する境界の出射光強度の近くの出射光強度において、前記写真感光材料上に形成する画像の目標濃度に対する出射光強度を、前記階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態と、前記階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化する状態とで異ならせるように前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する強度補正手段が設けられている。
本発明の発明者は、高周波重畳をかけた状態としながら、画像データの階調値に応じて直接変調にて半導体レーザ素子の出射光強度を強度変調して、その出射光強度の変化で階調表現をするための基礎実験として、高周波重畳をかけながら、出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化の様子を観察する実験を行った。
その結果、出射光強度が小さいときは、高周波重畳の効果で、波長スペクトルは半導体レーザ素子の利得分布(利得の波長分布)に対応して幅広い波長範囲に拡がったマルチモード発振となるが、更に出射光強度を上げて行くと、特定領域の波長成分の光強度が大きくなり、他の波長成分との光強度差が極端に大きくなってくることを確認した。
換言すると、その特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなるのである。
但し、いわゆるシングルモードと呼ばれる単一縦モードのみが支配的となっているのではなく、高周波重畳がかかっていることとの関係で前記特定領域の波長幅は、シングルモードの波長幅よりも広くなっている。
このように、出射光強度が大きい領域でいわゆるマルチモード発振とは異なる挙動を示すのは、出射光強度に対して高周波重畳の振幅レベルが相対的に小さくなるためと考えられる。
写真感光材料に画像を露光形成するについて、種々の感度特性を有する多様な写真感光材料に対応できるようにするためには、半導体レーザ素子の出射光強度の変調範囲を広くして半導体レーザ素子の光出力を定格いっぱいまで使用することになるが、そのような場合に、出射光強度の大きい領域で高周波重畳の振幅レベルをあまり大きくしてしまうと、半導体レーザ素子の光出力が定格を超えてしまうことになる。
従って、上記のように、特定領域の波長成分が支配的となる状況下でも使用せざるを得ないことになる。
ところが、上記の実験による半導体レーザ素子の出射光強度の変化に対する波長スペクトルの変化を観察すると、特定領域の波長成分が支配的となる領域で、出射光強度の変化に対して支配的となっている特定領域の波長が飛躍的な波長飛びを起こすことを確認できた。
もちろん、上記のように、単一縦モードでのシングルモード発振をしているわけではないので、いわゆるモードホップそのものではない。
上記の飛躍的な波長飛びの発生は、上述のような基礎実験では、その発生位置が安定しているが、実際に任意の画像を露光形成する場合のように出射光強度がダイナミックに変化する状況では、また異なった挙動を見せる。
すなわち、上述の基礎実験のように、各出射光強度毎に平均光出力を一定にした状態で波長スペクトルの測定を行う場合と異なり、出射光強度をダイナミックに変化させる場合では、上記の波長の飛躍的な変化が発生する出射光強度が必ずしも安定しないのである。
具体的には、半導体レーザ素子の出射光強度を通常の画像の露光形成時に相当する速度で低下させたときに、上述の基礎実験では飛躍的な波長飛びが発生した出射光強度では、その波長飛びが発生せず、若干遅れて発生するのを確認した。
これは、高い光出力で半導体レーザ素子を駆動して、半導体レーザ素子の内部の温度が高温となっている状態で、駆動電流を減少させて出射光強度を低下させても、その駆動電流の低下ほど高速には半導体レーザ素子の内部温度が低下しないため、波長飛びに遅れが発生するものと考えられる。
同様のことは、半導体レーザ素子の出射光強度を通常の画像の露光形成時に相当する速度で上昇させたときにも発生し、出射光強度の変化に対して波長飛びに遅れが生じる。
通常、画像データの階調値と半導体レーザ素子の出射光強度の対応関係の設定は、上述の基礎実験のように平均光出力を一定にした状態で行うものであるので、そのような条件下で半導体レーザ素子の駆動条件を設定した状態の下で、上記のような波長飛びの遅れが発生すると、露光形成される画像上に濃度が適正に形成されない濃度異常が現われる。
顕著な例で具体的に説明すると、例えばシアン等の高濃度領域101の周囲をグレーの低濃度領域102で囲む図6のような画像を、高濃度領域101の長手方向に半導体レーザ素子の出射光を走査することによって形成したとして、半導体レーザ素子を高出力で駆動して写真感光材料上に画像を露光形成している状態(高濃度領域101を形成する状態)から、ステップ的に半導体レーザ素子の出射光強度を低下させて低濃度領域102を形成すると、光出力を低下させる前の画像領域(高濃度領域101)の端から光出力を低下させた後の画像領域(低濃度領域102)に弱く尾を引くような像103が形成されてしまう。
これは、例えば写真感光材料の一例として印画紙の感度の波長特性を青色感度特性SB,緑色感度特性SG及び赤色感度特性SRとして示す図5のように、写真感光材料の感度に波長依存性が存在し、上記の波長飛びの前後で感度が相当程度に異なる(図5の赤色感度特性SRにおいて、Δλの波長差があればΔSの感度差が発生することを示す)ことに起因している。
つまり、高濃度領域101を形成する出射光強度と低濃度領域102を形成する出射光強度との間で波長飛びが発生し、高濃度領域101を形成するときの波長における写真感光材料の感度が102を形成するときの波長における写真感光材料の感度よりも高いとき、高濃度領域101では、波長飛びが発生する前の感度(感度が高い)での画像データの階調値と出射光強度との関係によって出射光強度を設定し、低濃度領域102では、波長飛びが発生した後の感度(感度が低い)での画像データの階調値と出射光強度との関係によって設定する。
この状態で、高濃度領域101から低濃度領域102へ一連に描画したとき、高濃度領域101と低濃度領域102との境目において、上記の波長飛びが発生して、感度の高い波長から感度の低い波長へ変化したものとして半導体レーザ素子の出射光強度の設定が変化する。
ところが、実際には、上述のように波長飛びの発生が遅れており、高濃度領域101から低濃度領域102に入ったところで、感度の低い波長の光が照射されているものとして設定した出射光強度で、感度が高いままの波長の光が照射されていることになり、本来予定している濃度よりも高い濃度の像103が形成されてしまうのである。
そこで、写真感光材料上に形成する画像の目標濃度に対する出射光強度を、階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態と、階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化する状態とで異ならせるように前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正するものとして、写真感光材料上に形成したい画像の濃度が同じであっても、その濃度の画像を形成する前の状態が、前記境界をまたぐかまたがないかで出射光強度を異ならせるように補正し、上記のような波長飛びの遅れが発生しても所望通りの濃度が画像が得られるようにしたのである。
尚、ここでの前記境界の出射光強度は、上記の基礎実験のように半導体レーザ素子の平均光出力を一定に設定した定常状態としながら測定したものである。
又、本出願の第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、前記半導体レーザ素子の平均光出力を動的には変化させない定常状態で、画像データの各階調値と前記出射光強度との関係を示す基本出力設定情報が予め求められて記憶保持され、
入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態では、前記半導体レーザ素子の出射光強度として前記基本出力設定情報によって決定される出射光強度をそのまま使用するように構成され、
前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに、前記半導体レーザ素子の出射光強度として前記基本出力設定情報によって決定される出射光強度を補正して使用するように構成されている。
すなわち、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態は、上述のような大きな波長飛びが発生しない状態での半導体レーザ素子の駆動がある程度に時間に亘って連続することになるので、半導体レーザ素子の平均光出力を動的には変化させない定常状態で、画像データの各階調値と出射光強度との関係を示す基本出力設定情報を求めた条件と近似的に同等の条件にあると見なすことができる。
一方、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときは、前記基本出力情報の上では上述の大きな波長飛びが発生しているにも拘わらず、実際の半導体レーザの光出力では、その大きな波長飛びが遅れて発生することになる。
そこで、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態では、半導体レーザ素子の出射光強度として前記基本出力設定情報によって決定される出射光強度をそのまま使用するものとし、一方、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに、半導体レーザ素子の出射光強度として前記基本出力設定情報によって決定される出射光強度を補正して使用するようにしたのである。
又、本出願の第3の発明は、上記第2の発明の構成に加えて、前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する際の補正の程度を、時間の経過と共に小さくして行くように構成されている。
すなわち、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するとき、当初は上述の大きな波長飛びが発生しないものの、時間が経過することによって、半導体レーザ素子の内部温度が光出力の変動に追従して変化し、上述の大きな波長飛びが発生する。
実際に上記の波長飛びが発生した後も出射光強度の補正を行うことは、不必要に出射光強度を補正してしまうことになるが、実使用状態においてこの波長飛びの発生タイミングをリアルタイムで高速に測定することは困難であり、実際に上記波長飛びの発生を検知した時点で出射光強度の補正を停止する、というような制御は困難である。
そこで、半導体レーザ素子の出射光強度を補正する際の補正の程度を、時間の経過と共に小さくして行くことで、上記波長飛びの遅れによる出射光強度の補正をかけながらも、その補正が過剰な補正となってしまうのを極力回避することができる。
又、本出願の第4の発明は、上記第3の発明の構成に加えて、前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する期間の長さを、前記境界の出射光強度をまたいで変化するまでに、連続して前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側において露光する時間に応じて変化させるように構成されている。
すなわち、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに一律に出射光強度の補正が必要になるわけではなく、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化する際に、半導体レーザ素子の内部温度が、それまでの半導体レーザ素子の駆動状態にどれだけ影響を受けていたかによって必要な出射光強度の補正の程度が異なってくる。
具体的には、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで高出力側から低出力側へ変化する場合では、その変化の前に高出力側で駆動されている期間が長ければ、半導体レーザ素子に蓄積される熱が大となって、低出力側へ変化した後に冷えにくくなることが考えられる。
そこで、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで高出力側から低出力側へ変化する場合では、連続して前記境界の出射光強度の高出力側において露光する時間が長いほど、上記変化後において出射光強度の補正を行う期間を長くして、適正に補正されるようにするのである。
入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで低出力側から高出力側へ変化する場合においても、同様のことが成り立つ。
又、本出願の第5の発明は、上記第2〜第4の何れかの発明の構成に加えて、前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する際の補正の程度を、前記特定領域の波長の飛躍的な変化の前後の波長における前記写真感光材料の感度差に応じて変化させるように構成されている。
すなわち、上記の大きな波長飛びの発生遅れに起因する濃度異常は、その波長飛びの前後での写真感光材料の感度差が大きいほど大きくなる。
従って、出射光強度を補正する際の補正の程度を、大きな波長飛びの前後の波長における写真感光材料の感度差が大きいほど大きくして、適正な濃度補正を行う。
上記第1の発明によれば、前記境界をまたぐかまたがないかで出射光強度を異ならせるように補正して、上記のような波長飛びの遅れが発生しても所望通りの濃度が画像が得られるようにしたので、画像データの階調値に応じて、写真感光材料上で適正な階調表現を得られるものとなった。
又、上記第2の発明によれば、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときだけ、半導体レーザ素子の出射光強度として前記基本出力設定情報によって決定される出射光強度を補正して使用するようにしたので、半導体レーザ素子の出射光強度の補正処理を簡素化できる。
又、上記第3の発明によれば、上記波長飛びの遅れによる出射光強度の補正をかけながらも、その補正が過剰な補正となってしまうのを極力回避することができるので、より的確に写真感光材料上で適正な階調表現を得られるものとなった。
又、上記第4の発明によれば、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに、それまで連続して前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側において露光する時間が長いほど、上記変化後において出射光強度の補正を行う期間を長くして、より的確に写真感光材料上で適正な階調表現を得られるものとなった。
又、上記第5の発明によれば、出射光強度を補正する際の補正の程度を、大きな波長飛びの前後の波長における写真感光材料の感度差が大きいほど大きくして、適正な濃度補正を行うことで、より的確に写真感光材料上で適正な階調表現を得られるものとなった。
以下、本発明の画像露光装置を、写真プリントシステムに搭載した場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態で例示する写真プリントシステムDPは、いわゆるデジタルミニラボ機として知られているものであり、図2のブロック構成図に示すように、各種の画像データ入力機器を備えて写真プリントを作製するための画像データを取込む画像入力装置IRと、画像入力装置IRにて入力された画像データに基づいて写真感光材料PSの1例である印画紙2に露光処理する露光・現像装置EPとから構成されている。
〔画像入力装置IRの概略構成〕
画像入力装置IRには、図2に概略的に示すように、写真フィルムの駒画像を読み取ってデジタル画像データとして出力するフィルムスキャナ3と、メモリカードリーダ,光磁気ディスクドライブ及びCD−Rドライブ等の画像データ入力機器を備えた外部入出力装置4と、パーソナルコンピュータにて構成されてフィルムスキャナ3や外部入出力装置4の制御のほか写真プリントシステムDP全体の管理を実行する主制御装置5とが備えられ、更に、主制御装置5には、仕上がりプリント画像をシミュレートしたシミュレート画像や各種の制御用の情報を表示するモニタ5aと、露光条件の手動設定等や制御情報の入力操作をするための操作卓5bとが接続されている。
〔露光・現像装置EPの全体構成〕
露光・現像装置EPは、筐体内部に、印画紙2の乳剤面に画像を露光形成する画像露光装置EXと、画像露光装置EXにて露光された印画紙2を現像処理する現像処理装置PPと、印画紙マガジン6から引き出された印画紙2を多数の搬送ローラ9等にて現像処理装置PPへ搬送する印画紙搬送系PTとが設けられている。
図示を省略するが、露光・現像装置EPの筐体外部には、現像処理装置PPにて現像処理及び乾燥処理された印画紙2をオーダ毎に分類するためのソータが備えられ、現像処理装置PPの印画紙排出口から排出された印画紙2をこのソータへ搬送するコンベア10が筐体上面に備えられている。
更に、印画紙搬送系PTの搬送経路の途中には、印画紙マガジン6から引き出された長尺の印画紙2を設定プリントサイズに切断するカッタ11と、印画紙2の搬送列を複数の搬送列に振り分けるための振り分け装置12とが備えられている。
〔画像露光装置EXの構成〕
画像露光装置EXは、印画紙2に画像を露光形成する露光ユニット13と、露光ユニット13を制御する露光制御装置14とを主要部として構成されている。
〔露光ユニット13の構成〕
露光ユニット13は、強度変調された光ビームを印画紙2上で走査して、印画紙2上に画像を露光形成するいわゆるレーザビーム走査露光式を採用しており、その概略構成を図1のブロック構成図に示す。
露光ユニット13には、赤色用光源装置21と、緑色用光源装置22と、青色用光源装置23と、緑色用光源装置22及び青色用光源装置23から出射した光ビームを強度変調するための音響光学変調素子24(以下、「AOM素子24」と略記する)と、光ビームの光路を屈曲させるミラー25と、球面レンズ26と、シリンドリカルレンズ27と、図示を省略するモータにて回転駆動されるポリゴンミラー28と、f−θ特性と面倒れ補正機能とを有するレンズ群29とが備えられている。
〔赤色用光源装置21の構成〕
赤色用光源装置21は、図3に概略的に示すように、光源として赤色レーザ光を出射する半導体レーザ素子31と、半導体レーザ素子31の出射光を集光する集光レンズ32と、半導体レーザ素子31の出射光を光出力検出用の光ビームと露光対象物である印画紙2への照射用の光ビームとに分岐させるビームスプリッタ33と、ビームスプリッタ33にて分岐された赤色レーザ光の強度を検出するためのフォトダイオード34と、半導体レーザ素子31を加熱又は冷却するためのいわゆるペルチェ素子と呼ばれる熱電変換装置35とが備えられている。
赤色用光源装置21は、緑色用光源装置22及び青色用光源装置23がSHG素子にて波長変換したビームを出射しているのに対して、半導体レーザ素子31の出射レーザ光がそのまま印画紙2上に照射される。
〔露光制御装置14の構成〕
露光制御装置14には、図1に概略的に示すように、上記構成の露光ユニット13を制御するために、画像入力装置IRから入力される赤色,緑色及び青色夫々の露光用画像データを露光ユニット13の露光特性を考慮した画像データに補正するルックアップテーブル41と、ルックアップテーブル41にて補正された画像データを赤色,緑色及び青色の各色毎に記憶する画像データメモリ42と、赤色,緑色及び青色の各色毎に備えられて画像データメモリ42の出力データをD/A変換するD/Aコンバータ43と、緑色及び青色についてD/Aコンバータ43からの入力信号に応じて変調されたAOM素子24の駆動信号を生成するAOM制御回路44と、赤色についてD/Aコンバータ43から入力される画像信号に応じて赤色用光源装置21の半導体レーザ素子31の駆動電流を変調するレーザ駆動回路45と、図示を省略する温度センサの検出情報に基づいて半導体レーザ素子31の動作温度を調整するための熱電変換装置35を制御する温度制御装置46と、画像データメモリ42に記憶されている画像データを読出して適宜に補正処理する強度補正処理部47とが備えられている。
レーザ駆動回路45には、図3に概略的に示すように、半導体レーザ素子31のモードホップ雑音を抑制するために半導体レーザ素子31の駆動電流に高周波信号を重畳する高周波重畳回路51と、フォトダイオード34の出力電流を電圧信号に変換する電流/電圧変換回路52と、半導体レーザ素子31の出射光強度が入力画像信号に応じて変化するように半導体レーザ素子31の駆動電流を制御するオペアンプ53とが備えられる他、図示を省略するが、オペアンプ53の出力によって半導体レーザ素子31の通電電流を調整するトランジスタ等が備えられている。
オペアンプ53の入力には、D/Aコンバータ43からの画像信号と電流/電圧変換回路52からの信号とが入力され、オペアンプ53は、電流/電圧変換回路52から入力される信号がD/Aコンバータ43から入力される画像信号に一致するように半導体レーザ素子31の駆動電流を制御する。すなわち、いわゆるAPCをかけて半導体レーザ素子31の出射光量を制御している。
これによって、画像データに基づいて生成されたD/Aコンバータ43から送られてくるアナログ画像信号によって半導体レーザ素子31を直接変調している。
換言すると、レーザ駆動回路45は、画像入力装置IRから露光用の画像データとして送られてくる画像データの階調値(例えば、8ビット,256階調)に応じて、直接変調にて半導体レーザ素子の出射光強度を強度変調している。
尚、高周波重畳回路51の出力信号は、フォトダイオード34及び電流/電圧変換回路52により構成されるフィードバックループの応答周波数帯域よりも十分に高い周波数であるので、高周波重畳回路51はオペアンプ53による半導体レーザ素子31の出力制御には影響しない。
〔赤色用光源装置21における出射光強度の設定について〕
次ぎに、画像入力装置IRから入力される画像データの階調値に応じて実質的に半導体レーザ素子31の出射光強度を設定するルックアップテーブル41及び強度補正処理部47の動作についてさらに説明する。
ルックアップテーブル41及び強度補正処理部47の動作についての説明に先だって、先ず、前提となる半導体レーザ素子31の特性について説明する。
赤色用光源装置21には690nm帯の半導体レーザ素子31を使用しており、それの波長スペクトルを測定した結果を図4に示す。
この波長スペクトルの測定は、同図中にも「TLD=20℃」と記載しているように、半導体レーザ素子31の動作温度を温度制御装置46及び熱電変換装置35によって、20℃に安定化して行ったものであり、図3に示す回路によって(すなわち、半導体レーザ素子31の駆動電流に高周波重畳回路51による高周波信号を重畳して駆動する状態で)、半導体レーザ素子31の出射光強度を1.5mWから30mWまで1.5mWステップで変化させて行い、出射光強度の増大によって波長スペクトルがどのように変化して行くかを把握し易いように、各出射光強度の波長スペクトルをまとめて図示している。
尚、夫々の出射光強度における波長スペクトルの測定は、半導体レーザ素子31の平均光出力を動的には変化させない定常状態、すなわち、実際の画像形成時にように画像データの階調値に応じて半導体レーザ素子31の光出力を動的に変化させて強度変調する状態ではなく、半導体レーザ素子31の平均光出力を出射光強度の各段階毎に一定に設定した状態で測定している。
又、図4の測定結果は光スペクトラムアナライザによる測定結果であるが、半導体レーザ素子31の縦モードの一本一本を明瞭に分解する分解能を有していない。
出射光強度の変化に対して波長スペクトルがどのように変化していくかを概略的に説明すると、出射光強度が小さいときは、高周波重畳の効果によって幅広い波長範囲に拡がったマルチモード発振となる。この低出射光強度での波長スペクトルは、半導体レーザ素子31の利得分布(利得の波長分布)に対応するものである。
図4では、出射光強度が上記の典型的にマルチモード発振している領域に属する波長スペクトルを細線の点線にて示しており、出射光強度が1.5mWから12mWまでの波長スペクトルがこれに属する。
出射光強度を更に上げて行くと、図4において矢印Aあるいは矢印Bで示すような特定領域の波長成分の光強度が大きくなり、他の波長成分との光強度差が極端に大きくなってくる。尚、図4の縦軸の単位は「dBm」であり、「5」異なれば光出力が「3.16倍」となる。
すなわち、シングルモード発振のように特定の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなるのである。
但し、図4の矢印Aあるいは矢印Bで示す前記特定領域の波長幅は「0.7nm」程度であり、単一縦モードのみが支配的となっているのではなく、高周波重畳がかかっていることとの関係で、複数の縦モードが混在している。
このように、特定領域の波長成分が支配的となる光強度差が発生する出射光強度に属するグループの波長スペクトルを図4では太線の実線で示しており、出射光強度が13.5mWから30mWの範囲のものが属する。
図4では、特定領域の波長成分が支配的となる領域において、出射光強度の増大によって、その特定領域の波長が矢印Aで示す領域から矢印Bで示す領域に移行し、前記特定領域の波長が「1nm」程度飛躍的に変化する大きな波長飛びが発生する。
ちなみに、図4の測定例では、出射光強度が「21mW」と「22.5mW」との間で上記の大きな波長飛びが発生しており、その間に、大きな波長飛びが発生する境界の出射光強度が存在することになる。
このような大きな波長飛びが発生すると、図5によって概略的に説明したように、波長飛びの前後で印画紙2の感度が「ΔS」変化してしまうことになる。尚、印画紙2の感度の波長特性は、印画紙2の種類によって異なる特性を有するが、大まかな波長依存性は図5に例示するものに類似する。
レーザ駆動回路45による半導体レーザ素子31の出射光強度の変調範囲には、図4において細線の点線で示すマルチモード発振となっている範囲のみならず、太線の実線で示す前記特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなる出射光強度の領域も存在させて、そのような領域を利用して変調範囲を広く確保して、半導体レーザ素子31を駆動している。
このため、ルックアップテーブル41のテーブルデータのうちの赤色露光についてのデータも、図4に示す大きな波長飛びが存在するものとして作製されている。
〔ルックアップテーブル41のデータの設定〕
ルックアップテーブル41のテーブルデータは、画像入力装置IRから入力される画像データの各階調値のデータを、その階調値に対応する濃度が写真プリント上(すなわち印画紙2上)で得られるデータに変換するものであり、赤色露光についてのルックアップテーブル41の出力データは、上述のように、半導体レーザ素子31の出射光強度を設定するデータである。
ルックアップテーブル41のテーブルデータの設定は、実際にテストプリントを作製し、その作製したテストプリントの濃度測定結果をフィードバックして設定される。このテーブルデータは、写真プリントシステムDPの工場出荷時に設定されると共に、システムの稼働開始後に適宜のタイミングでその設定値が修正される。
上記のテストプリントは、例えば図6に示すような一定濃度のパターン(高濃度領域101の部分)の画像を入力される階調値毎に作製するもので良く、各階調値毎に、半導体レーザ素子31の平均出力を動的には変化させないで(すなわち、一定の階調値及び平均光出力で)定常状態で作製する。
この際、極力安定したデータが得られるように、高濃度領域101の主走査方向後端寄りの位置の濃度測定値を利用する。
各階調値毎の濃度測定値からテーブルデータを更新し、適宜にテストプリントの作製を繰り返して、各テーブルデータが所望のプリント濃度が得られるデータとなるように調整する。
このとき、テストプリントを作製する階調値はできるだけ細かく設定するのが望ましい。
以上のようにして作製したルックアップテーブル41のテーブルデータは、半導体レーザ素子31の平均出力を動的には変化させない定常状態で、画像データの各階調値と半導体レーザ素子31の出射光強度との関係を示す基本出力設定情報として記憶保持される。
尚、本実施形態においては、ルックアップテーブル41に入力される画像データの階調値の増加に対して、ルックアップテーブル41の出力値が増加し、半導体レーザ素子31の出射光強度も増加する方向となるように設定されているものとして説明する。
このルックアップテーブル41のデーブルデータの設定の後、更に、赤色用光源装置21に組み込んだ半導体レーザ素子31について、図4の波長スペクトルの測定を行い、上記の大きな波長飛びが、どの階調値とどの階調値との間で発生するかを特定しておく。大きな波長飛びが発生する階調値の情報は、その階調値に対応するルックアップテーブル41の出力データの形で波長飛び発生位置データとして強度補正処理部47に記憶させる。
〔強度補正処理部47における処理動作〕
画像入力装置IRから入力される画像データは、基本的に、上記のようにして求めた基本出力設定情報(ルックアップテーブル41のテーブルデータ)によって半導体レーザ素子31の出射光強度の設定データに変換されるが、既に説明したように、半導体レーザ素子31の出射光強度を強度変調するときに、前記特定領域の波長が大きな波長飛びを起こして飛躍的に変化する境界付近では、階調値が前記境界の出射光強度をまたいで、図4の波長スペクトルにおいて、支配的となっている前記特定領域の波長が矢印Aで示す領域から矢印Bで示す領域へ、あるいは、その逆に変化するときは、その際の波長飛びの遅れを考慮した出力設定を行う必要があり、この処理を強度補正処理部47が行う。
画像入力装置IRからプリント対象の画像データが入力され、その入力された画像データをルックアップテーブル41が上述の基本出力設定情報にて変換処理して画像データメモリ42へ書込むと、強度補正処理部47は、画像データメモリ42に記憶されている画像データをD/Aコンバータ43への送り順に従って順次に読出す。
その読み出したデータ列において、隣合う画像データのデータ値間に上記の波長飛び発生位置データが存在し、波長飛び発生位置データをまたいで変化しているとき、その位置を波長飛び箇所として記録すると共に、波長飛びの方向(図4において、矢印Aの特定領域の波長から矢印Bの特定領域の波長への飛びであるか、あるいは、その逆方向の飛びであるか)を記録し、更に次ぎの前記波長飛び箇所を検出したときに、波長飛び箇所と次の波長飛び箇所との間に存在する画像データのデータ数を記録する。
すなわち、画像データメモリ42から読出す画像データのデータ並びが、図7に模式的に示すように、……,Dn,Dn+1,……(nは整数)であり、Dm−pのデータと一つ前のデータとの間に前記波長飛び発生位置データが存在したとき、その位置を「Jm−1(mは整数)」の前記波長飛び箇所として記録すると共に、波長飛びの方向に対応するものとして画像データが増加方向への変化であるかあるいは減少方向への変化であるかを記録し、更に、その次の前記波長飛び箇所「Jm」との間の画像データ数「p」を記録して行く。
ここで、上記のように、画像データメモリ42から読出すデータは、レーザビームの走査と対応する時系列データであり、データ並びが時間の経過と直接的に対応している。
補正対象となる画像データは、前記波長飛び箇所に後続する画像データであり、それ以外の、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態は補正対象とはならず、前記基本出力設定情報(ルックアップテーブル41のテーブルデータ)により決定される出射光強度がそのまま使用される。
今、前記波長飛び箇所「Jm」以降の画像データ(Dn,Dn+1,……)を補正するものとして説明すると、補正後の画像データのデータ値をDn+i’(i=0,1,2,……)として、直前の前記波長飛び箇所(「Jm」)での波長飛びの方向が画像データの増加方向(図4において、矢印Aの特定領域の波長から矢印Bの特定領域の波長へ向かう長波長側への飛び)であるときは、i≦p/10の範囲で、Dn+i’= Dn+i×{Rs−i×(Rs−1)/(p/10)}とし、i>p/10の範囲で、Dn+i’= Dn+i(すなわち、補正なし)とする。
更に、直前の前記波長飛び箇所(「Jm」)での波長飛びの方向が画像データの減少方向(図4において、矢印Bの特定領域の波長から矢印Aの特定領域の波長へ向かう短波長側への飛び)であるときは、i≦p/10の範囲で、Dn+i’= Dn+i/{Rs−i×(Rs−1)/(p/10)}とし、i>p/10の範囲で、Dn+i’= Dn+i(すなわち、補正なし)とする。
ここで、Rsは、上記の波長飛びの前後の波長での印画紙2の感度の比率であり、Rs>1すなわち、分母を短波長側の感度とし、分子を長波長側の感度としている。
上記の補正処理の考え方は、例えば、短波長側への波長飛びの場合について説明すると、短波長側への波長飛びによって印画紙2の感度は、長波長側の感度に比べて「1/Rs」となっているはずのところを、実際には、その波長飛びの発生は遅れており、感度の高い長波長側のレーザ光が印画紙2に照射されているので、波長飛びが発生しているはずとして設定している「Dn」を「Dn/Rs」に補正する。つまり、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに半導体レーザ素子31の出射光強度を補正する際の補正の程度を、前記特定領域の波長の飛躍的な変化の前後の波長における印画紙2の感度差に応じて変化させるのを基本としている。
但し、その後も一律に「1/Rs」を乗じるのではなく、i=p/10に達した時点では全く補正がかからない状態とすると共に、それまでの間は、補正の程度が均等に小さくなるように勾配をつけている。
換言すると、入力される画像データの階調値が上記の波長飛びが生じる境界の出射光強度をまたいで変化するときに半導体レーザ素子31の出射光強度を補正する際の補正の程度を、時間の経過と共に小さくして行くように構成されている。
又、入力される画像データの階調値が上記の波長飛びが生じる境界の出射光強度をまたいで変化するときに半導体レーザ素子31の出射光強度を補正する期間の長さ(上記「p/10」)を、前記境界の出射光強度をまたいで変化するときまでに、連続して前記境界の出射光高度の高出力側又は低出力側において露光する時間(上記「p」)に応じて変化させるように構成されている。
ここで、出射光強度を補正する期間の長さ「p/10」における分母の「10」は経験値であり、半導体レーザ素子31の特性やレーザビームの走査速度等によって適宜に設定変更される数値である。又、長波長側から短波長側への波長飛びの場合と、短波長側から長波長側の波長飛びの場合とで、上記「p/10」における分母の「10」の値を異ならせるように設定しても良い。
以上は、長波長側(矢印Bで示す前記特定領域の位置)から短波長側(矢印Aで示す前記特定領域の位置)への波長飛びの場合について説明したが、短波長側から長波長側への波長飛びの場合についても上記と同様の考え方である。
尚、短波長側から長波長側への波長飛びとなる形成画像の濃度の増大側への変化においては、濃度異常の発生が目立ちにくいため、強度補正処理部47による出射光強度の補正を行わないようにして、強度補正処理部47の処理負担を軽減しても良い。
以上のように、半導体レーザ素子31の出射光強度を補正する強度補正手段PCである強度補正処理部47は、前記特定領域の波長が飛躍的に変化する境界の出射光強度の近くの出射光強度において、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化する状態においてのみ上記のように補正処理を実行しており、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態では、上記の基本出力設定情報(ルックアップテーブル41のテーブルデータ)で設定した出射光強度でそのままレーザ駆動回路45を動作させている。
従って、印画紙2上に形成する画像の目標濃度が同じであっても、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態と、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化する状態とで、目標濃度に対する出射光強度を異ならせている。
〔写真プリントの作製動作の概要〕
次ぎに、上記構成の写真プリントシステムDPにおける写真プリントの作製動作を概略的に説明する。
オペレータが、フィルムスキャナ3あるいは外部入出力装置4からプリント対象の画像データを入力すると、適宜に画像処理等が施され、画像処理後の露光用画像データがルックアップテーブル41へ送信され、赤色露光用の画像データについては、ルックアップテーブル41による変換処理後に適宜に上述のように補正処理される。
画像入力装置IRから入力された赤色,緑色及び青色の露光用画像データに基づいて、AOM素子24及びLD駆動回路45にて強度変調された赤色,緑色及び青色の光ビームは、各光学部品を通過してポリゴンミラー28の反射面に照射され、回転駆動されているポリゴンミラー28の反射面で反射された光ビームは、レンズ群29によって印画紙2上に集光される。光ビームの走査方向(主走査方向)は印画紙2の搬送方向(副走査方向)と直交しており、光ビームの走査と印画紙2の搬送移動によって、印画紙2上にプリントする写真画像が潜像として露光形成される。これが現像処理装置PPで現像処理されて写真プリントとして仕上がる。
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、写真感光材料PSとして印画紙2を例示しているが、感光フィルムや感光ドラム等の写真感光材料に、半導体レーザ素子を光源とする画像露光装置で画像を露光形成する場合にも本発明を適用できる。
(2)上記実施の形態では、半導体レーザ素子31として赤色半導体レーザ素子を例示しているが、緑色用光源装置22及び青色用光源装置23において、光源として緑色半導体レーザ素子あるいは青色半導体レーザ素子を使用し、それらの半導体レーザ素子を、画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するときにも本発明を適用できる。
本発明の実施の形態にかかる画像露光装置の概略構成図 本発明の実施の形態にかかる写真プリントシステムの概略構成図 本発明の実施の形態にかかる要部概略構成図 本発明の実施の形態にかかる波長スペクトルの測定例を示す図 印画紙の分光感度特性を例示する図 形成画像のパターンを示す図 本発明の実施の形態にかかる補正処理対象の画像データの並びを説明する図
符号の説明
PC 強度補正手段
PS 写真感光材料
31 半導体レーザ素子
45 レーザ駆動回路

Claims (5)

  1. 写真感光材料を露光するための光源となる半導体レーザ素子と、その半導体レーザ素子を画像データの階調値に応じて直接変調にて出射光強度を強度変調するレーザ駆動回路とが備えられた画像露光装置であって、
    前記レーザ駆動回路は、前記半導体レーザ素子の駆動電流に高周波信号を重畳して駆動すると共に、前記出射光強度の変調範囲内で、半導体レーザ素子から出射されているレーザ光において特定領域の波長成分が他の波長成分に対して支配的となる光強度差を有するものとなる出射光強度の領域が存在する状態で駆動するように構成され、
    前記特定領域の波長が飛躍的に変化する境界の出射光強度の近くの出射光強度において、前記写真感光材料上に形成する画像の目標濃度に対する出射光強度を、前記階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態と、前記階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化する状態とで異ならせるように前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する強度補正手段が設けられている画像露光装置。
  2. 前記半導体レーザ素子の平均光出力を動的には変化させない定常状態で、画像データの各階調値と前記出射光強度との関係を示す基本出力設定情報が予め求められて記憶保持され、
    入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側の一方で連続する状態では、前記半導体レーザ素子の出射光強度として前記基本出力設定情報によって決定される出射光強度をそのまま使用するように構成され、
    前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに、前記半導体レーザ素子の出射光強度として前記基本出力設定情報によって決定される出射光強度を補正して使用するように構成されている請求項1記載の画像露光装置。
  3. 前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する際の補正の程度を、時間の経過と共に小さくして行くように構成されている請求項2記載の画像露光装置。
  4. 前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する期間の長さを、前記境界の出射光強度をまたいで変化するまでに、連続して前記境界の出射光強度の高出力側又は低出力側において露光する時間に応じて変化させるように構成されている請求項3記載の画像露光装置。
  5. 前記強度補正手段は、入力される画像データの階調値が前記境界の出射光強度をまたいで変化するときに前記半導体レーザ素子の出射光強度を補正する際の補正の程度を、前記特定領域の波長の飛躍的な変化の前後の波長における前記写真感光材料の感度差に応じて変化させるように構成されている請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009229764A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Noritsu Koki Co Ltd 光量補正方法および画像形成装置

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