JP2007266336A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】IPAなどの有機溶媒を気化させて得られるガス成分を含む溶剤ガスを用いて液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法において、乾燥領域に新たに付着する水滴を確実に除去して該水滴に起因するウォーターマーク発生等を防止する。
【解決手段】近接ブロック3の対向面31が基板表面Wfに対して近接配置され、対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPに液密層23が形成された状態で近接ブロック3が移動方向Xに移動するとともに、液密層23の上流側端部231に向けて液体に溶解して表面張力を低下させるIPAベーパを含む溶剤ガスが供給される。さらに、移動方向Xにおいてガス供給位置(乾燥領域)の上流側(+X)に位置する溶媒供給位置にIPA液体を供給し、乾燥領域に水滴が付着してもIPA液体に置換される。
【選択図】図2
【解決手段】近接ブロック3の対向面31が基板表面Wfに対して近接配置され、対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPに液密層23が形成された状態で近接ブロック3が移動方向Xに移動するとともに、液密層23の上流側端部231に向けて液体に溶解して表面張力を低下させるIPAベーパを含む溶剤ガスが供給される。さらに、移動方向Xにおいてガス供給位置(乾燥領域)の上流側(+X)に位置する溶媒供給位置にIPA液体を供給し、乾燥領域に水滴が付着してもIPA液体に置換される。
【選択図】図2
Description
この発明は、液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法に関するものである。なお、乾燥処理対象となる基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板等が含まれる。
処理液による洗浄処理および純水などのリンス液によるリンス処理が行われた後、基板上面に液膜状に付着するリンス液を除去すべく、数多くの乾燥方法が従来より提案されている。そのうちのひとつとして、マランゴニ効果を利用した乾燥方法が知られている。この乾燥方法としては、例えば特許文献1に記載された乾燥方法が知られている。この乾燥方法を実行する基板処理装置は、洗浄処理とすすぎ(リンス処理)が施された基板を複数のローラにより搬送しながら、該基板を乾燥させる装置である。この装置では、基板の搬送経路に沿って支切り板と水切りブロックとが直列配置されている。このため、水滴が付着している基板が支切り板に搬送されてくると、その水滴の大半が支切り板により除去される。それに続いて、基板は水切りブロックに搬送されてくるが、搬送中の基板と水切りブロックとの間には、僅かの隙間が形成されているため、支切り板をすり抜けてきた水滴は毛細管現象によって水切りブロックの幅方向に拡散される。さらに、この水切りブロックの出口側では、イソプロピルアルコール(IPA)ガスを混合させた不活性ガスが基板表面に向けて供給されている。このガス供給によってマランゴニ効果が生じて残存水滴が蒸発乾燥される。
ところで、特許文献1に記載の基板処理装置では、マランゴニ効果を得るために不活性ガスにIPAガスを混合させて溶剤ガスを調製している。このIPAガスを得るために、IPA液体を気化させている。このため、IPA液体の気化処理を行った際に温度低下が発生し、溶剤ガスの温度を低下させることがあった。そして、この溶剤ガスは乾燥処理のために基板表面に供給されるが、次のような問題が発生することがあった。すなわち、低温の溶剤ガスが基板表面に供給されると、その供給領域の表面温度が低下する。そして、基板表面の供給領域はマランゴニ効果により乾燥されるものの、該供給領域(乾燥領域)において結露が生じることがあった。つまり、供給領域の表面温度が低下することで該供給領域に対して水滴が付着することがある。そして、水滴付着によってウォーターマーク発生等の乾燥不良を引き起こしてしまうことがあった。
また、基板表面に形成されるパターンの微細化が近年急速に進められている。そして、乾燥された基板表面に形成されているパターンの間に上記のようにして水滴が付着すると、次のような問題が発生することもあった。すなわち、乾燥処理を行ったにもかかわらず、溶剤ガスの温度低下に起因して微細パターン間に水滴が付着してしまうことがある。そして、水滴が自然乾燥していく間に、微細パターン同士が引き寄せられて倒壊することがあった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、IPAなどの有機溶媒を気化させて得られるガス成分を含む溶剤ガスを用いて液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法において、乾燥領域に新たに付着する水滴を確実に除去して該水滴に起因するウォーターマーク発生等を防止することを目的とする。
この発明は、液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法であって、上記目的を達成するため、以下のように構成している。すなわち、基板処理装置は、基板表面に対向する対向面を有し、該対向面が基板表面から離間配置されるとともに該対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体が満たされて液密層が形成された状態で、基板に対して所定の移動方向に相対移動自在な近接部材と、近接部材を基板に対して移動方向に相対移動させる駆動手段と、液体に溶解して表面張力を低下させる第1有機溶媒を気化して該第1有機溶媒のガス成分を取り出し、該ガス成分を必須的に含む溶剤ガスを移動方向の上流側における液密層の端部に向けて供給する溶剤ガス供給手段と、基板表面のうち、溶剤ガスが供給されるガス供給位置に対して移動方向の上流側の溶媒供給位置に第2有機溶媒を供給する溶媒供給手段とを備えたことを特徴としている。また、基板処理方法は、基板表面に対向する対向面を有する近接部材を、対向面が基板表面から離間するように配置することによって対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体を満たして液密層を形成する工程と、液密層が形成された状態を維持しつつ近接部材を基板に対して所定の移動方向に相対移動させる工程と、液体に溶解して表面張力を低下させる第1有機溶媒を気化して該第1有機溶媒のガス成分を取り出し、該ガス成分を必須的に含む溶剤ガスを調製するとともに、移動方向の上流側における液密層の端部に向けて溶剤ガスを供給する工程と、溶剤ガスの供給により生じたマランゴニ効果により乾燥された基板表面の乾燥領域に対し、乾燥直後に第2有機溶媒を供給する工程とを備えたことを特徴としている。
このように構成された発明(基板処理装置および方法)では、近接部材の対向面が基板表面から離間配置されるとともに該対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体が満たされて液密層が形成されている。そして、この状態を維持しつつ近接部材が基板に対して所定の移動方向に相対移動する。このため、該移動方向の上流側における液密層の界面(以下「上流側界面」という)、つまり気液固界面の位置が近接部材によってコントロールされ、上流側界面の乱れを防止することができる。また、液体に溶解して表面張力を低下させる第1有機溶媒のガス成分を必須的に含む溶剤ガスが上記移動方向の上流側における液密層の端部(以下「上流側端部」という)に向けて供給される。これにより該上流側端部で第1有機溶媒のガス成分が液体に溶解して液密層の上流側界面での表面張力が低下してマランゴニ対流が引き起こされる。これによって、液密層を構成する液体が移動方向の下流側に引っ張られて上流側界面も下流側に移動する。その結果、この界面移動に対応する基板表面領域が乾燥する。
ここで、第1有機溶媒を気化することで該第1有機溶媒のガス成分を取り出しているため、上記「発明が解決しようとする課題」の項で説明したと同様の問題が発生する可能性がある。つまり、気化処理により第1有機溶媒および該溶媒のガス成分の温度低下が発生し、溶剤ガスの温度を低下させることがあった。そして、マランゴニ効果により乾燥された基板表面領域(以下「乾燥領域」という)の表面温度が低下して結露が発生することがあった。しかしながら、この発明では、移動方向においてガス供給位置の上流側に位置する溶媒供給位置に第2有機溶媒が供給され、仮に乾燥領域に水滴が付着しても第2有機溶媒に置換される。そのため、ウォーターマークの発生が確実に防止される。また、基板表面に微細パターンが形成され、該微細パターンの間に水滴が付着したとしても、微細パターンの間に第2有機溶媒が入り込み置換される。その結果、パターンの倒壊が有効に防止される。
また、第1および第2有機溶媒としてはアルコール系有機溶媒を用いることができる。安全性、価格等の観点からイソプロピルアルコール、エチルアルコールまたはメチルアルコールを用いることができるが、特にイソプロピルアルコール(IPA)が好適である。第1および第2有機溶媒として互いに異なるものを用いてもよいが、同一の有機溶媒を用いるのが望ましい。
また、上記移動方向において液密層の上流側に位置する上流側雰囲気を取り囲むカバー部材を設けて、上流側雰囲気に溶剤ガスを供給するようにしてもよい。これにより、溶剤ガスがカバー部材によって閉じ込められ、上流側雰囲気におけるガス成分の濃度を高濃度に保つことができる。その結果、液密層の上流側端部での表面張力の低下を促進させ、パターン倒壊防止効果を高めることができる。
また、カバー部材の移動方向の上流側外壁に向けて第2有機溶媒を吐出し、該上流側外壁に沿わして溶媒供給位置に第2有機溶媒を供給するように構成してもよい。これにより、第2有機溶媒が移動方向における上流側雰囲気の上流側、つまり乾燥領域に隣接した基板表面領域に供給される。したがって、仮に溶剤ガスの温度低下に起因する水滴が乾燥領域に付着したとしても、直ちに第2有機溶媒が供給されて置換され、ウォーターマーク発生やパターン倒壊がより確実に防止される。
また、対向面の移動方向の上流側において基板表面に対向しながら離間配置されるとともに、ガス吐出口が開口された上流側対向部位を近接部材にさらに設け、ガス吐出口から溶剤ガスを液密層の移動方向の上流側に向けて吐出させるようにしてもよい。この構成によれば、ガス吐出口から吐出された溶剤ガスは液密層の上流側端部に接触した後、上流側対向部位と基板表面とに挟まれた空間を介して移動方向上流側あるいは移動方向に対して側方に排出されていく。そのため、溶剤ガスの流れを均等にして溶剤ガスの滞留を防止することができる。したがって、パーティクルの発生を抑制するとともに、基板表面を均一に乾燥させることができる。
また、上流側対向部位に移動方向におけるガス吐出口の上流側で溶媒吐出口を基板表面を臨むように開口し、この溶媒吐出口から基板表面に向けて第2有機溶媒を吐出し、溶媒供給位置に第2有機溶媒を供給するように構成してもよい。これにより、乾燥領域に隣接した基板表面領域に第2有機溶媒が供給される。つまり、溶剤ガスによる基板乾燥が行われた直後に乾燥領域に対して第2有機溶媒が供給される。したがって、仮に溶剤ガスの温度低下に起因する水滴が乾燥領域に付着したとしても、直ちに第2有機溶媒が供給されて置換され、ウォーターマーク発生やパターン倒壊がより確実に防止される。
また、移動方向における溶媒供給位置の上流側で不活性ガスを基板表面に向けて吐出して基板表面上の第2有機溶媒を除去する不活性ガス供給手段をさらに設けてもよい。これにより、近接部材が基板に対して移動方向に相対移動している間に、基板表面領域において、乾燥処理、第2有機溶媒へ置換処理および第2有機溶媒の除去とが連続的に行われ、基板処理の効率化を図ることができる。
なお、近接部材は、(1)親水性材料であること、(2)清浄度が要求されること、(3)加工容易性等の観点から石英で形成するのが好ましい。
この発明によれば、基板表面から離間配置された対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体を満たして液密層を形成した状態で基板に対して近接部材を所定の移動方向に相対移動させるとともに、移動方向の上流側における液密層の端部に向けて液体に溶解して表面張力を低下させる第1有機溶媒のガス成分を必須的に含む溶剤ガスを供給している。これにより、上流側界面の位置を近接部材によってコントロールしつつ、上流側界面でマランゴニ対流が引き起こされ、上流側界面が下流側に移動して、該界面移動に対応する基板表面領域が乾燥する。さらに、乾燥領域に第2有機溶媒を供給しているため、仮に乾燥領域に水滴が付着しても第2有機溶媒に置換され、ウォーターマーク発生やパターンの倒壊を有効に防止することができる。
<第1実施形態>
図1は、この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の部分拡大図である。詳しくは、図2(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着した汚染物質を除去するための洗浄処理に用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、パターンが形成された基板表面Wfに対して薬液による薬液処理および純水やDIW(=deionized water)などのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス処理を受けた基板Wに対して乾燥処理を行う装置である。この基板処理装置では、最終的にリンス処理を受けた基板Wには、リンス液が基板表面Wfの全体に付着した、いわゆるパドル状のリンス層が形成されており、この状態で乾燥処理を実行する。
図1は、この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の部分拡大図である。詳しくは、図2(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着した汚染物質を除去するための洗浄処理に用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、パターンが形成された基板表面Wfに対して薬液による薬液処理および純水やDIW(=deionized water)などのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス処理を受けた基板Wに対して乾燥処理を行う装置である。この基板処理装置では、最終的にリンス処理を受けた基板Wには、リンス液が基板表面Wfの全体に付着した、いわゆるパドル状のリンス層が形成されており、この状態で乾燥処理を実行する。
この基板処理装置は、基板Wをその表面Wfを上方に向けた状態で水平に保持して回転させるスピンチャック1と、スピンチャック1に保持された基板Wと対向しながら離間配置される近接ブロック3と、基板Wの上方から溶剤ガスを吐出する溶剤ガスノズル5と、基板Wの上方からイソプロピルアルコール(IPA)液体を吐出する溶媒ノズル9とを備えている。
スピンチャック1は、回転支柱11がモータを含むチャック回転駆動機構13の回転軸に連結されており、チャック回転駆動機構13の駆動により鉛直軸回りに回転可能となっている。この回転支柱11の上端部には、円盤状のスピンベース15が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4からの動作指令に応じてチャック回転駆動機構13を駆動させることによりスピンベース15が鉛直軸回りに回転する。
スピンベース15の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン17が立設されている。チャックピン17は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース15の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン17のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部17aと、基板支持部17aに支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部17bとを備えている。各チャックピン17は、基板保持部17bが基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部17bが基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
スピンベース15に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン17を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン17を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン17は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース15から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。基板Wは、その表面(パターン形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で保持される。
さらに、基板Wに対して薬液処理およびリンス処理を実行する際に、薬液およびリンス液が基板Wの周辺に飛散するのを防止するために、スピンベース15の周囲に飛散防止カップ19が配備されている。この飛散防止カップ19は、基板搬送手段(図示せず)がスピンベース15に対して基板Wが受渡しされる際、および後述するようにして近接ブロック3により基板表面Wfに対して乾燥処理を実行する際には、基板搬送手段および近接ブロック3との干渉を避けるため制御ユニット4からの制御信号に応じて、薬液およびリンス液を捕集可能な上方位置(図1の実線位置)から下方に退避した下方位置(図1の破線位置)に駆動される。
図3は、近接ブロックの斜視図である。近接ブロック3は、本発明の「近接部材」として、垂直断面形状が略台形となっている直角柱体であり、その一側面がリンス液で濡れた基板表面Wfと対向する対向面31となっている。近接ブロック3は水平方向に移動自在に設けられ、ブロック駆動機構41が近接ブロック3に連結されている。そのため、制御ユニット4からの動作指令に応じてブロック駆動機構41を作動させることで近接ブロック3を所定の速度で水平方向Xに往復移動可能となっている。つまり、ブロック駆動機構41の作動により近接ブロック3を基板Wの側方に退避した退避位置(図1の破線位置)から水平方向Xに移動させることで、近接ブロック3を基板表面Wfに近接して対向させながら基板全面にわたって後述する乾燥処理を実行可能となっている。
この実施形態では、水平方向Xのうち同図の左手方向(−X)に近接ブロック3を移動させることで乾燥処理を実行しており、この水平方向(−X)が本発明の「所定の移動方向」に相当しているため、以下の説明においては、水平方向(−X)を単に「移動方向」と称する。なお、ブロック駆動機構41としては、水平方向Xに延設されたガイドおよびボールネジに沿ってモータ駆動により近接ブロック3を移動させる送りネジ機構などの公知の機構を採用することができる。このように、この実施形態ではブロック駆動機構41が本発明の「駆動手段」として機能している。
近接ブロック3の他の側面32は移動方向の上流側(+X)で、かつ上方を向いた面となっている。詳しくは、側面32が対向面31を規定する辺部のうち移動方向の上流側(+X)に位置する上流辺部33と接続されるとともに該上流辺部33から移動方向の上流側(+X)を臨みながら基板表面Wfから離れる方向に傾斜して延設されている。上流辺部33は、移動方向に対して直交する方向(図2(b)の上下方向、以下「幅方向」という)に延びるとともに、幅方向の長さが基板径とほぼ同等あるいはそれ以上の長さで形成されており、近接ブロック3が移動方向に移動されることで、基板表面全体を処理可能となっている。また、近接ブロック3の上流側端部では、対向面31と側面32(延設面)とが鋭角θをなしている。
そして、対向面31が基板表面Wfから僅かに離間するように近接ブロック3を配置することで基板表面Wfにパドル状態で付着しているリンス層21を構成するリンス液の一部が毛細管現象により対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SP全体に入り込んで液密層23が形成される。なお、このような近接ブロック3は、(1)親水性材料であること、(2)清浄度が要求されること、(3)加工容易性等の観点から石英で形成することが好ましい。
近接ブロック3の上流側端部の上方には、移動方向の上流側(+X)における液密層23の端部、つまり上流側端部231に向けて溶剤ガスを供給するための溶剤ガスノズル5が配設されている。溶剤ガスノズル5は溶剤ガス供給ユニット43と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶剤ガス供給ユニット43を作動させることで溶剤ガスを溶剤ガスノズル5に圧送する。溶剤ガスとしては、リンス液(純水の場合、表面張力:72dyn/cm)に溶解して表面張力を低下させる第1有機溶媒のガス成分、例えばIPA(イソプロピルアルコール)ベーパ(表面張力:21〜23dyn/cm)を窒素ガス等の不活性ガスに混合させたものが用いられる。なお、ガス成分はIPAベーパに限定されず、エチルアルコール、メチルアルコールなどのアルコール系有機溶媒のベーパを用いるようにしてもよい。要はリンス液に溶解して表面張力を低下させる有機溶媒を本発明の「第1有機溶媒」として用いることができる。このように、この実施形態によれば、溶剤ガスノズル5および溶剤ガス供給ユニット43が本発明の「溶剤ガス供給手段」として機能している。
このような溶剤ガスノズル5は1本でも幅方向にわたって溶剤ガスを拡散させて液密層23の上流側端部231全体に供給することが可能であるが、幅方向に複数本のノズルあるいは幅方向に複数の吐出孔を開口させたノズルを配設することにより、液密層23の上流側端部231全体にわたって均等に溶剤ガスを供給することができる。
図4は、溶剤ガス供給ユニットの構成の一例を示す図である。この溶剤ガス供給ユニット43は、第1有機溶媒としてIPA液体を貯留する溶剤タンク51を備え、溶剤タンク51内の貯留空間のうちIPA液体が貯留されている貯留領域SRが配管52を介して窒素ガス供給部53に連通されている。また、溶剤タンク51内の貯留空間のうちIPA液体が貯留されていない未貯留領域USが配管54を介して溶剤ガスノズル5に連通されている。したがって、窒素ガス供給部53から窒素ガスを溶剤タンク51に圧送することでIPA液体がバブリングされ、その一部が気化されてIPAベーパが得られる。また、このIPAベーパは窒素ガスに溶解して溶剤ガス(窒素ガス+IPAベーパ)が調製される。こうして得られた溶剤ガスが未貯留領域USに出現する。配管54には、開閉弁55および溶剤ガス用の流量制御部56が介挿されており、窒素ガス供給部53、開閉弁55、流量制御部56を制御ユニット4により動作制御することで溶剤ガスノズル5への溶剤ガスの供給・供給停止を制御することができる。
溶剤ガスノズル5は近接ブロック3と同期して移動方向に移動されるように構成されている。すなわち、溶剤ガスノズル5と近接ブロック3とはリンク機構(図示せず)によって連結されており、ブロック駆動機構41の作動により近接ブロック3と溶剤ガスノズル5とが一体的に移動方向に移動する。これにより、近接ブロック3の移動中に、近接ブロック3と溶剤ガスの吐出位置との間隔が予め定められた離間距離に保たれる。その結果、液密層23の上流側端部231に吹き付けられる溶剤ガスの物理特性(流速や流量など)が安定し、乾燥処理を安定して良好に行うことができる。なお、溶剤ガスノズル5に独立した駆動手段を設けて溶剤ガスノズル5を近接ブロック3と連動して移動させるように構成してもよいが、溶剤ガスノズル5と近接ブロック3とを単一の駆動手段により一体的に移動させることにより、駆動構成を簡素化できる。これらの点については後で説明するノズル9や不活性ガス供給ユニットも同様である。
溶媒ノズル9は移動方向Xにおいて溶剤ガスノズル5の上流側であって、基板Wの上方位置に設けられている。このノズル9は近接ブロック3と同様に移動方向Xとほぼ直交する幅方向に延設されたスリットノズルであり、ノズル5と同様に、近接ブロック3と同期して移動方向Xに移動されるように構成されている。また、ノズル先端部、つまり吐出口は基板表面のうち溶剤ガスが供給されるガス供給位置(乾燥領域)に対して移動方向Xの上流側(+X)位置、つまり溶媒供給位置を向いている。
この溶媒ノズル9は溶媒供給ユニット47と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶媒供給ユニット47が作動することでノズル9からIPA液体を本発明の「第2有機溶媒」として基板表面に供給可能となっている。すなわち、ノズル9はIPA液体を貯留するタンク51と接続されており、溶媒供給ユニット47に設けられたポンプなどの送給手段によってノズル9に圧送可能となっている。そして、制御ユニット4によりポンプを動作制御することで溶媒ノズル9へのIPA液体の供給・供給停止を制御することができる。このため、IPA液体がポンプなどにより圧送されると、移動方向Xにおける溶剤ガスノズル5の上流側基板表面領域(溶媒供給位置)にIPA液体がノズル9から供給され、基板表面にIPA層24が形成される。なお、この実施形態では、タンク51内のIPA液体を利用しているが、タンク51と異なるタンクを第2有機溶媒用として別途設け、該タンクに貯留したIPA液体を第2有機溶媒としてノズル9に圧送するように構成してもよい。このように、この実施形態によれば、溶媒ノズル9および溶媒供給ユニット47が本発明の「溶媒供給手段」として機能している。
次に、上記のように構成された基板処理装置における乾燥動作および水滴除去動作について図5および図6を参照しつつ説明する。図5は、図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。また、図6は、近接ブロックの移動による乾燥動作および水滴除去動作(IPA層への置換処理)を示す図である。基板搬送手段(図示せず)によって未処理の基板Wが装置内に搬入されると、制御ユニット4は飛散防止カップ19をスピンベース15を包囲する上方位置(図1の実線位置)に配置して、基板Wに対して洗浄処理(薬液処理+リンス処理+乾燥処理+置換処理)を実行する。先ず、基板Wに対して薬液が供給され、所定の薬液処理が実行された後、基板Wに対してリンス処理が実行される。すなわち、図5(a)に示すように、リンスノズル8から基板表面Wfにリンス液を供給するとともに、チャック回転駆動機構13の駆動により基板Wを回転させることでリンス液が遠心力により広げられ基板表面Wf全体がリンス処理される。
所定時間のリンス処理が終了すると、基板Wの回転が停止される。リンス処理を受けた基板表面Wf全体にはリンス液が盛られた状態で付着して、いわゆるパドル状のリンス層21が形成される(図5(b))。なお、リンス処理終了後に改めてリンスノズル8からリンス液を吐出させて基板表面Wfにパドル状のリンス層21を形成するようにしてもよい。
そして、制御ユニット4は飛散防止カップ19を下方位置(図1の破線位置)に下降させて、スピンベース15を飛散防止カップ19の上方から突出させた後、基板表面Wfに対する乾燥処理を実行する。すなわち、図5(c)に示すように、ブロック駆動機構41を作動させることで近接ブロック3を一定速度で移動方向に移動させるとともに、溶剤ガス供給ユニット43を作動させて溶剤ガスノズル5から溶剤ガスを吐出させる。また、溶媒ノズル9より乾燥領域にIPA液体を供給する。
このように対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPにはリンス液(液体)が満たされて液密層23が形成されており、例えば図6(a)に示す状態から同図(b)に示す状態に近接ブロック3が移動方向に移動すると、移動方向における液密層23の上流側端部231が近接ブロック3から外れて露出する。このとき液密層の上流側端部231に向けて供給された溶剤ガスが液密層23を構成する液体に溶解して液密層23の上流側界面231a(気液固界面)での表面張力が低下してマランゴニ対流が引き起こされる。これによって、液密層23を構成する液体が移動方向の下流側(−X)に引っ張られて上流側界面231aも下流側に移動し、この界面移動に対応する基板表面領域が乾燥する。
また、上記のように上流側界面231aの移動に伴って乾燥領域が移動方向の下流側(−X)に広がっていくが、乾燥領域に水滴が付着することがある。というのも、この実施形態では上記したようにIPA液体の一部を気化してIPAベーパを得ているためである。このように気化処理を行った際にはタンク51内で温度低下を招き、溶剤ガス(窒素ガス+IPAベーパ)の温度も低下する。そして、低温状態の溶剤ガスが乾燥領域に供給されることから基板表面温度が低下する。その結果、乾燥領域に面する雰囲気中の水蒸気成分が凝集し、水滴25となって乾燥領域に新たに付着することがある(同図(b))。
そこで、この実施形態では、溶剤ガスを供給するガス供給位置に対して移動方向Xの上流側(+X)位置、つまり溶媒供給位置に溶媒ノズル9からIPA液体が供給されてIPA層24が形成される。したがって、同図(c)に示すように、近接ブロック3の移動に伴ってIPA層24が広がり、基板表面に付着する水滴25がIPA液体に置換されて基板表面から水滴が確実に除去される。このような乾燥処理および水滴除去処理(IPA層への置換処理)が基板表面Wf全体に対して実行されて基板表面WfにIPA層24が形成される。
こうして基板表面Wfに対する乾燥処理が終了すると、IPA層24および裏面Wbに付着した液体成分を基板Wから除去するために、基板Wを回転させる。すなわち、図5(d)に示すように、制御ユニット4は飛散防止カップ19を上方位置に配置するとともに、チャック回転駆動機構13の駆動により基板Wを回転させることでIPA層24および裏面Wbに付着する液体成分の振り切り処理を実行する。これによって、基板表面Wfでは、図6(d)に示すように、IPA層24が除去される。その後、制御ユニット4は、飛散防止カップ19を下方位置に配置させて、スピンベース15を飛散防止カップ19の上方から突出させる。この状態で基板搬送手段が処理済の基板Wを装置から搬出して、1枚の基板Wに対する一連の洗浄処理が終了する。
以上のように、この実施形態によれば、近接ブロック3を基板表面Wfに対して近接させて液密層23を形成した状態で近接ブロック3を移動方向に移動させるとともに、液密層23の上流側端部231に向けて、液密層23を構成する液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤成分を含む溶剤ガスを供給している。これにより、上流側界面231a(気液固界面)の位置をコントロールしつつ、上流側端部231でマランゴニ対流を引き起こして上流側界面231aを下流側に移動させることで基板表面領域を乾燥させている。このように、近接ブロック3により上流側界面231aの乱れを防止しながらマランゴニ効果によって基板表面領域を乾燥させることができる。その結果、リンス液に起因するウォーターマーク等の乾燥不良の発生を防止することができる。
また、図6に示すように基板表面領域に微細パターンFPが形成されていたとしても、上流側界面231a(気液固界面)の位置をコントロールしながら、マランゴニ効果により基板表面Wfを乾燥させているので、上流側界面231aが移動方向に行きつ戻りつして液密層23を構成する液体が微細パターンFPに負荷を与えることがなく、パターン倒壊を有効に防止しながら基板表面Wfを乾燥させることができる。
また、上記実施形態では、移動方向Xにおいてガス供給位置(乾燥領域)の上流側(+X)に位置する溶媒供給位置にIPA液体を供給しているので、乾燥領域に水滴25が付着してもIPA液体に置換される。そのため、水滴25に起因するウォーターマークの発生が確実に防止される。また、図6に示すように基板表面Wfに微細パターンFPが形成され、該微細パターンFPの間に水滴25が付着したとしても、水滴25に比べて表面張力が小さいIPA液体が微細パターンFPの間に入り込み完全に置換される。その結果、パターンの倒壊が有効に防止される。
<第2実施形態>
図7は、この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。また、図8は図7の基板処理装置の部分拡大図である。詳しくは、図8(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この第2実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、大きく2点存在する。まず第1点目は、近接ブロック3にカバー部材58が装着されている点である。また第2点目は、移動方向Xにおいて近接ブロック3の下流側において基板表面Wfにリンス液と同一の液体を供給する点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第1実施形態と同様であるため、ここでは同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
図7は、この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。また、図8は図7の基板処理装置の部分拡大図である。詳しくは、図8(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この第2実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、大きく2点存在する。まず第1点目は、近接ブロック3にカバー部材58が装着されている点である。また第2点目は、移動方向Xにおいて近接ブロック3の下流側において基板表面Wfにリンス液と同一の液体を供給する点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第1実施形態と同様であるため、ここでは同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、移動方向において近接ブロック3の上流側(+X)には、液密層23の上流側端部231の全体を覆うようにカバー部材58が近接ブロック3に取り付けられている。これにより、液密層23の上流側(+X)に位置する上流側雰囲気UAがカバー部材58によって取り囲まれる。カバー部材58の上面には、1個または幅方向に複数個のガス供給孔581が形成されており、ガス供給孔581を介して溶剤ガス供給ユニット43とカバー部材58で取り囲まれた上流側雰囲気UAとが連通されている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶剤ガス供給ユニット43が作動することで溶剤ガス供給ユニット43から上流側雰囲気UAに溶剤ガスが供給される。したがって、溶剤ガスがカバー部材58によって閉じ込められ、上流側雰囲気UAにおける溶剤ガスの濃度を高濃度に保つことができる。その結果、液密層23の上流側端部231での表面張力の低下を促進させ、パターン倒壊防止効果を高めることができる。
また、移動方向Xにおいて近接ブロック3の下流側であって、基板Wの上方位置に液体供給用の液体ノズル7が1本または複数本設けられている。この液体ノズル7には液体供給ユニット45が接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて液体供給ユニット45を作動させることで基板Wに付着するリンス液と同一成分の液体を液体ノズル7に圧送する。これにより液体ノズル7から基板表面Wfに接液するリンス層21に、さらにはリンス層21から液密層23に液体が供給される。この第2実施形態では、近接ブロック3を移動させて乾燥処理を行っている間、上記のようにしてノズル7からの液体供給を行っている。この液体供給により、基板表面Wfに付着するリンス液が基板Wから排出され、液密層23の上流側界面よりも移動方向の下流側において基板表面Wfに接液するリンス液が液体ノズル7から追加供給された液体に置換される。
このように第2実施形態では、基板表面Wf全体が乾燥されるまでの間、液体ノズル7からリンス層21に液体を供給することで、上流側界面231aよりも移動方向の下流側(−X)において基板表面Wfと接液する液体を追加供給したフレッシュな液体に置換している。したがって、仮に基板Wの一部が液体に溶出したとしても、該液体は上記置換動作によって基板表面Wfから排出され、乾燥処理を行っている間、基板表面Wf上の液体に含まれる溶出物の量を抑制することができる。その結果、ウォータマークの発生を確実に防止して基板表面Wfを良好に乾燥させることができる。
<第3実施形態>
図9は、この発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態にかかる基板処理装置が第2実施形態と大きく相違する点は、IPA液体の供給態様である。すなわち、第2実施形態ではノズル9をカバー部材58に隣接して配置しているのに対し、第3実施形態ではカバー部材58の移動方向Xの上流側外壁582に向けてIPA液体を吐出し、該上流側外壁582に沿わして溶媒供給位置に供給している。したがって、第3実施形態では乾燥領域とIPA層24とが隙間なく隣り合う。その結果、仮に乾燥領域に水滴25(図6(b))が付着したとしても、近接ブロック3の移動に伴い直ちにIPA液体が供給されて置換され、ウォーターマーク発生やパターン倒壊がより確実に防止される。
図9は、この発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態にかかる基板処理装置が第2実施形態と大きく相違する点は、IPA液体の供給態様である。すなわち、第2実施形態ではノズル9をカバー部材58に隣接して配置しているのに対し、第3実施形態ではカバー部材58の移動方向Xの上流側外壁582に向けてIPA液体を吐出し、該上流側外壁582に沿わして溶媒供給位置に供給している。したがって、第3実施形態では乾燥領域とIPA層24とが隙間なく隣り合う。その結果、仮に乾燥領域に水滴25(図6(b))が付着したとしても、近接ブロック3の移動に伴い直ちにIPA液体が供給されて置換され、ウォーターマーク発生やパターン倒壊がより確実に防止される。
また、この第3実施形態では、図9に示すように、基板表面Wfに接液するリンス層21に直接に液体を供給するのに替えて、近接ブロック3の上面34に液体を供給している。具体的には、近接ブロック3の上方位置に液体供給用の液体ノズル71が1本または幅方向に沿って複数本設けられている。この液体ノズル71には液体供給ユニット45が接続されており、近接ブロック3の移動とともに、液体供給ユニット45から基板Wに付着するリンス液と同一成分の液体が液体ノズル71に圧送され、該液体ノズル71から近接ブロック3の上面34に向けて吐出される。これにより、液密層23の上流側界面231aの移動とともに近接ブロック3の上面34に液体が供給される。なお、その他の構成および動作は第2実施形態と同様であるため、ここでは同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
近接ブロック3の上面34に供給された液体は、上面34から側面32(延設面)に沿って上流辺部33に向けて流下する一方、上面34から近接ブロック3の下流側を臨む側面35に沿って、対向面31を規定する辺部のうち移動方向の下流側(−X)に位置する下流辺部36に向けて流下する。これにより、上流辺部33に向けて流下した液体は液密層23の上流側界面231aに供給される一方、下流辺部36に向けて流下した液体はリンス層21と液密層23との境界部分に供給される。その結果、上流側界面231aまたは該上流側界面231aよりも移動方向の下流側(−X)において基板表面Wfと接液する液体が追加供給されたフレッシュな液体に置換される。したがって、上記実施形態と同様にして、基板Wに接液するリンス液(液体)の滞留を防止して基板表面Wfを良好に乾燥させることができる。
また、この実施形態によれば、液体ノズル71から吐出された液体が側面32に沿って上流辺部33に向けて流下する間に該液体に溶剤ガスを溶け込ませることができる。これにより、基板表面Wfに接液するリンス液(液体)に対して表面張力が低下された液体が液密層23の上流側界面231aに効率良く送り込まれる。したがって、上流側界面231aでの表面張力を効果的に低下させることができ、マランゴニ対流を効率良く引き起こして基板表面Wfに対する乾燥効率を高めることができる。しかも、この実施形態によれば、対向面31と側面(延設面)32とが鋭角をなすように構成しているので、側面(延設面)32を介して液体を液密層23の上流側界面231aに徐々に流下させることが可能となり、液体が側面32を流下する間に確実に溶剤ガスを該液体に溶け込ませることができる。その結果、基板表面Wfに対する乾燥効率をさらに高めることができる。
また、この実施形態によれば、次のような優れた作用効果を発揮することができる。すなわち、基板表面Wfに向けて近接ブロック3を介して液体を供給、より具体的には近接ブロックの側面32、34、35に沿って液体を基板表面Wfに供給しているので液体ノズル71から吐出された液体は近接ブロック3により整流されて基板表面Wfに導かれる。このため、基板表面Wfに直接に液体を供給する場合と比較して、液体の流れを均一にして液体を基板表面Wfに供給することができ、液体が飛散するなどして基板表面Wfに液滴残りが発生するのを抑制することができる。
また、液体ノズル71から吐出された液体を上流辺部33に向けて導いているので、液密層23の上流側界面231aにフレッシュな液体が直接に供給される。このため、上流側界面231aでの液体の置換効率を高めてウォーターマーク発生をさらに効果的に防止することができる。すなわち、上流側界面231aに対応する基板表面領域が乾燥される際に、基板表面Wfに接液するリンス液(液体)に基板Wから溶出した溶出物が析出することがウォーターマーク発生の一因として考えられている。したがって、上流側界面231aにおいて溶出物を基板外に排出することができれば、最も効率良くウォーターマークの発生を防止することが可能となる。そこで、この実施形態では、上流側界面231aにフレッシュな液体を直接に供給することで、上流側界面231aで基板表面Wfに滞留する液体をフレッシュな液体に置換している。したがって、上流側界面231aに対応する基板表面領域が乾燥される際に、基板表面上の液体に含まれる溶出物の量を抑制することができ、ウォーターマーク発生を効果的に防止することができる。
また、基板表面Wfの乾燥不良を防止する上では、乾燥速度、つまり液密層23の上流側界面231aの移動速度を一定とすることが望ましい。この実施形態は、このような乾燥速度を一定とする上でも、非常に有効となっている。すなわち、この実施形態によれば、液密層23の上流側界面231aに液体が供給されることで、上流側界面231aにて、溶剤成分が液体に溶解した溶液(液体+溶剤成分)中の溶剤成分濃度の変化を抑制することができる。これにより、上流側界面231aでの表面張力の低下度合いをほぼ一定として、マランゴニ対流による上流側界面231a(気液固界面)の移動速度を一定にすることができる。このように、上流側界面231aの移動速度を一定にすることで、基板表面Wfへの液滴残りを防止しながら基板表面Wfを均一に乾燥させることができる。
さらに、液密層23の上流側界面231aへの液体の供給は乾燥領域に隣接する領域に液体を供給することとなるため、上流側界面231aへの液体の供給量は微量であることが要求される。これに対して、この実施形態によれば、液体ノズル71から吐出された液体の一部を上流辺部33に向けて、残余を下流辺部36に向けて導くように構成しているので、液体ノズル71から吐出される液体の流量制御性を向上させることができる。
<第4実施形態>
図10は、この発明にかかる基板処理装置の第4実施形態を示す図である。この第4実施形態にかかる基板処理装置が第3実施形態と大きく相違する点は、液体ノズル71から吐出された液体を側面32との間で液密状態に満たしながら上流辺部33に向けて導くための構成を追加している点と、溶剤ガスの滞留を防止するための構成を追加している点と、IPA液体の供給態様とである。なお、その他の構成および動作は基本的に第3実施形態と同様であるため、ここでは同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
図10は、この発明にかかる基板処理装置の第4実施形態を示す図である。この第4実施形態にかかる基板処理装置が第3実施形態と大きく相違する点は、液体ノズル71から吐出された液体を側面32との間で液密状態に満たしながら上流辺部33に向けて導くための構成を追加している点と、溶剤ガスの滞留を防止するための構成を追加している点と、IPA液体の供給態様とである。なお、その他の構成および動作は基本的に第3実施形態と同様であるため、ここでは同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、近接ブロック3は、上記実施形態で用いられ、対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPに液密層23を形成する本体部3aと、移動方向において本体部3aの上流側(+X)に該本体部3aと対向して配設された対向部3bとを備えている。対向部3bは本体部3aと同様に、垂直断面形状が略台形となっている直角柱体であり、その一側面が本体部3aの側面(延設面)32と対向して、液体ノズル71から吐出された液体を上流辺部33に向けて導く案内面37となっている。そして、液体ノズル71から吐出された液体は、上面34から側面(延設面)32と案内面37との間を液密状態に満たしながら上流辺部33に向けて流下していく。したがって、液密層23の上流側界面231aに液体を側面32と案内面37との間でトラップしながら流下させることができるので、上流辺部33に向けて導かれる液体の供給量が微量であっても液体の流れを均一にすることができる。このため、上流側界面231aに供給される液体量を一定にして、マランゴニ対流による上流側界面231a(気液固界面)の移動速度を一定速度にコントロールすることができる。したがって、基板表面Wfを均一に乾燥する上で非常に有効となっている。
また、対向部3bの下面38(本発明の「上流側対向部位」に相当)は、基板表面Wfと対向する対向面となっており、該下面38にはガス吐出口39aと溶媒吐出口39bが基板表面Wfを臨むように開口されている。対向部3bの内部には、溶剤ガス供給ユニット43と連通されたマニホールド40が設けられており、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶剤ガス供給ユニット43が作動することで溶剤ガス供給ユニット43から溶剤ガスがマニホールド40に供給される。さらに、マニホールド40からガス吐出口39aを介して溶剤ガスが液密層23の上流側端部231に向けて吐出される。このため、ガス吐出口39aから吐出された溶剤ガスは液密層23の上流側端部231に接触した後、対向部3bの下面38と基板表面Wfとに挟まれた空間を介して移動方向の上流側(−X)あるいは移動方向に対して側方、つまり幅方向に排出されていく。そのため、溶剤ガスの流れを均等にして溶剤ガスの滞留を防止することができる。したがって、パーティクル発生を抑制するとともに、上流側界面231aに溶剤ガスを均一に供給して基板表面Wfを均一に乾燥させることができる。
また、溶媒吐出口39bは溶媒供給ユニット47と接続されている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶媒供給ユニット47が作動することでIPA液体が溶媒吐出口39bを介して吐出される。特に、この実施形態では、移動方向Xにおけるガス吐出口39aの上流側(−X)で溶媒吐出口39bが設けられており、ガス供給位置と溶媒供給位置との位置関係を正確に、しかも隣接して設定することができる。したがって、溶剤ガスによる基板乾燥が行われた直後に近接ブロック3の移動に伴い乾燥領域に対して溶媒吐出口39bから吐出されたIPA液体が供給される。その結果、仮に乾燥領域に水滴25(図6(b))が付着したとしても、直ちにIPA液体が供給・置換されてウォーターマーク発生やパターン倒壊がより確実に防止される。
<第5実施形態>
図11は、この発明にかかる基板処理装置の第5実施形態を示す図である。この第5実施形態にかかる基板処理装置が第4実施形態と大きく相違する点は、不活性ガス供給ユニット60をさらに設けている点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第4実施形態と同様であるため、ここでは同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
図11は、この発明にかかる基板処理装置の第5実施形態を示す図である。この第5実施形態にかかる基板処理装置が第4実施形態と大きく相違する点は、不活性ガス供給ユニット60をさらに設けている点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第4実施形態と同様であるため、ここでは同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、移動方向Xにおける近接ブロック3の上流側(+X)で窒素ガスが基板表面Wfに向けて吐出されるように構成されている。そして、不活性ガス供給ユニット60は近接ブロック3の移動に連動して移動方向Xに移動し、常に移動方向Xにおける溶媒供給位置の上流側(+X)で窒素ガスが基板表面Wfに向けて吐出される。この吐出ガスにより基板表面Wf上のIPA層24が除去される。つまり、近接ブロック3が基板Wに対して移動方向Xに相対移動している間に、基板表面領域において、乾燥処理、IPA層への置換処理およびIPA層24の除去処理とが連続的に行われる。その結果、洗浄処理(基板処理)の効率化を図ることができる。なお、窒素ガスの代わりに他の不活性ガスを用いてもよいことは言うまでもない。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、近接ブロック3および溶媒ノズル9は幅方向の長さが基板Wと同一あるいはそれよりも長く延びる棒状形状を有しているが、近接ブロック3および溶媒ノズル9の外形形状はこれに限定されるものではなく、例えば基板Wの外周形状に対応した半円環形状を有するものを用いてもよい。また、上記実施形態では、基板Wを固定配置した状態で近接ブロック3を移動させて乾燥処理を実行しているが、基板側も同時に移動させるように構成してもよい。また、近接ブロック3を固定配置する一方、基板Wのみを移動させてもよい。要は、基板表面Wfから離間配置された対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPにリンス液を満たして液密層23を形成した状態で、基板Wに対して近接ブロック3を移動方向に相対移動させるように構成すればよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、近接ブロック3および溶媒ノズル9は幅方向の長さが基板Wと同一あるいはそれよりも長く延びる棒状形状を有しているが、近接ブロック3および溶媒ノズル9の外形形状はこれに限定されるものではなく、例えば基板Wの外周形状に対応した半円環形状を有するものを用いてもよい。また、上記実施形態では、基板Wを固定配置した状態で近接ブロック3を移動させて乾燥処理を実行しているが、基板側も同時に移動させるように構成してもよい。また、近接ブロック3を固定配置する一方、基板Wのみを移動させてもよい。要は、基板表面Wfから離間配置された対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPにリンス液を満たして液密層23を形成した状態で、基板Wに対して近接ブロック3を移動方向に相対移動させるように構成すればよい。
また、上記実施形態では、乾燥処理前に基板表面Wf全体をリンス液でパドルした状態としているが、乾燥処理前に基板表面Wf全体をリンス液でパドルした状態とすることに限定されない。例えば、リンス処理後に基板表面Wfに疎らに液滴が存在する状態から乾燥処理を実行することにより、液体ノズル7、71から基板表面Wfに向けて液体を供給するようにして基板表面Wfに接液する液体(液滴)を供給した液体により置換するようにしてもよい。
また、近接ブロック3の形状については上記実施形態のように対向面31に対して側面32(延設面)が鋭角θとなるように構成されているが、近接ブロック3の形状はこれに限定されるものではなく、例えば対向面31に対して側面32が直角となるように構成してもよい。なお、対向面31に対して側面32を直角とする場合には、液体を側面32に溜めることはできないことから、第2〜第5実施形態に示すように、液体ノズル7、71から液体を供給しながら乾燥処理を実行する必要がある。
また、上記実施形態では略円盤状の基板Wに対して乾燥処理を施しているが、本発明にかかる基板処理装置の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば液晶表示用ガラス基板などのように角型基板の基板表面を乾燥させる基板処理装置に対しても本発明を適用することができる。例えば図12に示すように、本発明の「駆動手段」に相当する複数の搬送ローラ68を搬送方向(+X)に配置するとともに、該搬送ローラ68により基板Wを搬送しながら上記実施形態と同一構成の近接ブロック3を固定配置してもよい。この基板処理装置においては、基板Wが搬送方向(+X)に搬送されるため、本発明の「所定の移動方向」は搬送方向と反対の方向(−X)に相当するが、基本的な動作は上記実施形態と全く同一であり、同様の作用効果が得られる。
また、上記実施形態では、スピンチャック1に保持された基板Wに対して薬液処理およびリンス処理などの湿式処理を施した後に、そのまま同一装置内でリンス処理済の基板に対して近接ブロック3を移動方向にスキャンさせて乾燥処理を実行するように構成しているが、湿式処理と乾燥処理とを分離して行うようにしてもよい。すなわち、図13に示すように、基板Wに対して薬液処理およびリンス処理を施す湿式処理装置100と、近接ブロック3が組み込まれ、基板Wを乾燥する乾燥処理装置200とを一定距離だけ離間して配置するとともに、湿式処理装置100で最終的にリンス処理を受けた基板を基板搬送装置300により乾燥処理装置200に搬送して乾燥処理を実行するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、乾燥処理を施すべき基板表面Wfが上方を向いた状態で該基板Wに対して近接ブロック3を移動方向に相対移動させて乾燥処理を行っているが、基板姿勢はこれに限定されるものではない。
さらに、上記実施形態では、リンス液で濡れた基板表面Wfを乾燥させているが、リンス液以外の液体で基板表面を乾燥させる基板処理装置に対しても本発明を適用することができる。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などを含む基板全般の表面に対して溶剤ガスを用いた乾燥処理を施す基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
3…近接ブロック(近接部材)、 5…溶剤ガスノズル、 9…溶媒ノズル、 23…液密層、 24…IPA層、 25…水滴、 31…対向面、 39a…ガス吐出口、 39b…溶媒吐出口、 41…ブロック駆動機構、 43…溶剤ガス供給ユニット、 47…溶媒供給ユニット、 58…カバー部材、 60…不活性ガス供給ユニット、 582…(カバー部材の)上流側外壁、 FP…微細パターン、 SP…間隙空間、 UA…上流側雰囲気、 W…基板、 Wf…基板表面、 X…移動方向
Claims (10)
- 液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置において、
前記基板表面に対向する対向面を有し、該対向面が前記基板表面から離間配置されるとともに該対向面と前記基板表面とに挟まれた間隙空間に前記液体が満たされて液密層が形成された状態で、前記基板に対して所定の移動方向に相対移動自在な近接部材と、
前記近接部材を前記基板に対して前記移動方向に相対移動させる駆動手段と、
前記液体に溶解して表面張力を低下させる第1有機溶媒を気化して該第1有機溶媒のガス成分を取り出し、該ガス成分を必須的に含む溶剤ガスを前記移動方向の上流側における前記液密層の端部に向けて供給する溶剤ガス供給手段と、
前記基板表面のうち、前記溶剤ガスが供給されるガス供給位置に対して前記移動方向の上流側の溶媒供給位置に第2有機溶媒を供給する溶媒供給手段と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 前記第1および第2有機溶媒はアルコール系有機溶媒である請求項1記載の基板処理装置。
- 前記第1および第2有機溶媒はともに同一の有機溶媒である請求項1または2記載の基板処理装置。
- 前記第1および第2有機溶媒はともにイソプロピルアルコール、エチルアルコールまたはメチルアルコールである請求項3記載の基板処理装置。
- 前記溶剤ガス供給手段は、前記移動方向において前記液密層の上流側に位置する上流側雰囲気を取り囲むカバー部材を有し、前記上流側雰囲気に前記溶剤ガスを供給する請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
- 前記溶媒供給手段は、前記カバー部材の前記移動方向の上流側外壁に向けて前記第2有機溶媒を吐出し、該上流側外壁に沿わして前記溶媒供給位置に前記第2有機溶媒を供給する請求項5記載の基板処理装置。
- 前記近接部材は、前記対向面の前記移動方向の上流側に前記基板表面に対向しながら離間配置されるとともに、ガス吐出口が前記基板表面を臨むように開口された上流側対向部位をさらに有し、
前記溶剤ガス供給手段は、前記ガス吐出口から前記溶剤ガスを前記液密層の前記移動方向の上流側に向けて吐出する請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。 - 前記上流側対向部位には、前記移動方向における前記ガス吐出口の上流側に溶媒吐出口が前記基板表面を臨むように開口され、
前記溶媒供給手段は、前記溶媒吐出口から前記基板表面に向けて前記第2有機溶媒を吐出し、前記溶媒供給位置に前記第2有機溶媒を供給する請求項7記載の基板処理装置。 - 前記移動方向における前記溶媒供給位置の上流側で不活性ガスを前記基板表面に向けて吐出して前記基板表面上の前記第2有機溶媒を除去する不活性ガス供給手段をさらに備える請求項1ないし8のいずれかに記載の基板処理装置。
- 液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理方法において、
前記基板表面に対向する対向面を有する近接部材を、前記対向面が前記基板表面から離間するように配置することによって前記対向面と前記基板表面とに挟まれた間隙空間に前記液体を満たして液密層を形成する工程と、
前記液密層が形成された状態を維持しつつ前記近接部材を前記基板に対して所定の移動方向に相対移動させる工程と、
前記液体に溶解して表面張力を低下させる第1有機溶媒を気化して該第1有機溶媒のガス成分を取り出し、該ガス成分を必須的に含む溶剤ガスを調製するとともに、前記移動方向の上流側における前記液密層の端部に向けて前記溶剤ガスを供給する工程と、
前記溶剤ガスの供給により生じたマランゴニ効果により乾燥された前記基板表面の乾燥領域に対し、乾燥直後に第2有機溶媒を供給する工程と
を備えたことを特徴とする基板処理方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006089863A JP2007266336A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 基板処理装置および基板処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006089863A JP2007266336A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 基板処理装置および基板処理方法 |
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ID=38639026
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2007266336A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020116164A1 (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、および基板処理装置 |
-
2006
- 2006-03-29 JP JP2006089863A patent/JP2007266336A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020116164A1 (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、および基板処理装置 |
JPWO2020116164A1 (ja) * | 2018-12-03 | 2021-10-07 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、および基板処理装置 |
JP7175331B2 (ja) | 2018-12-03 | 2022-11-18 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、および基板処理装置 |
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