JP2009026911A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置および基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】省スペースで、しかも処理液により基板の被処理面を均一に処理するとともに、乾燥不良の発生を防止しながら基板を良好に乾燥させることができる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】直立状態に基板を保持し、その両面に対向部材を近接させ第1近接位置に配置する(ステップST1,ST2)。この状態で、薬液A〜Cおよびリンス液による湿式処理を順次実行する(ステップST3〜ST6)。続いて、IPA蒸気を供給しながら対向部材を第2近接位置へ移動させる(ステップST7,ST8)。第2近接位置における基板と対向部材との間隔は第1近接位置におけるそれよりも大きい。このため基板と対向部材との間に残留する処理液の流下が促進される。その後、窒素ガスを吹き付けて基板を乾燥させる(ステップST9)。
【選択図】図4

Description

この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等に処理液を供給して該基板に対して所定の湿式処理を施した後、基板に付着する湿式処理後の処理液を基板から除去して基板を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、薬液またはリンス液などの処理液による所定の湿式処理が行われた後、基板に付着する処理液を除去すべく、乾燥処理が行われる。例えば、特許文献1に記載された装置では、基板はその端縁部に設けられた複数個の保持部材により水平姿勢で保持されながら回転される。そして、回転駆動される基板の上下面(被処理面)に処理液(薬液および洗浄液)が供給され、基板に対して薬液処理および洗浄処理などの湿式処理が施される。具体的には、基板の上下面に供給された処理液は遠心力によって径方向に広げられ、基板の上下面が処理液によって均一に処理される。その後、基板が比較的高速に回転されることにより基板に付着する湿式処理後の処理液が基板から振り切られることによって基板の乾燥(スピンドライ)が行われる。
また、特許文献2に記載された装置では、水平方向に敷設された搬送ローラによって基板を略水平姿勢で搬送させながら搬送される基板に処理液(薬液および洗浄液)を供給することによって基板に対して薬液処理および洗浄処理などの湿式処理が施される。続いて湿式処理を受けた基板が搬送ローラによって搬送されながら基板の上下面に向けてエアナイフから乾燥ガスが噴き出される。これによって、基板の両面に付着している処理液が吹き飛ばされることによって基板が乾燥される。
また、上記のように基板を水平姿勢で保持して処理する装置においては、今以上に処理される基板が大きくなると設置スペースの増大が問題となっていた。そこで、基板を立てた姿勢で縦保持して基板を処理する装置が提供されている(特許文献3、特許文献4参照)。
特開平11−176795号公報(図1) 特開2000−252254号公報(図1) 特開昭60−14244号公報 特開2006−147779号公報
ところで、特許文献1記載の装置では、基板表面を伝って径方向外側へ向かう処理液が基板の周縁側に位置する保持部材などに衝突して基板表面に向けて跳ね返ることがあった。また、保持部材が基板の回転軸回りに回転することにより基板の周縁側の気流を乱し、基板から飛散して飛沫化したミスト状の処理液が基板表面上の雰囲気に巻き込まれることがあった。そして、このような処理液の跳ね返りやミスト状処理液の巻き込みが基板の乾燥処理中に発生すると、乾燥処理された基板表面に処理液が再付着することによって乾燥不良を引き起こすことがあった。
また、特許文献2記載の装置では、乾燥処理中に基板上の処理液の一部が基板外に排出されることなく部分的に残留してしまうと、基板は略水平姿勢に配置されていることから残留した処理液を基板から排出することが困難である。その結果、基板上に液残りが発生して乾燥むらや基板へのパーティクル付着などの乾燥不良の一因となっていた。
また、特許文献3および特許文献4に記載の装置では、基板が立てた姿勢で縦保持されることで水平方向において設置スペースの削減を達成しているが、処理される基板を直接的に収納し、大きな処理空間を生じる処理筐体を必要とする点で改善の余地があった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、省スペースで、しかも処理液により基板の被処理面を均一に処理するとともに、乾燥不良の発生を防止しながら基板を良好に乾燥させることができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理装置は、上記目的を達成するため、基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に基板を立てた姿勢で保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板の被処理面と対向する基板対向面を有し基板対向面が基板の被処理面に対し近接配置される対向部材と、基板対向面と基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して間隙空間を処理液により液密に満たした状態で基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す液供給手段と、湿式処理の際には対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔を所定の第1間隔に設定する一方、湿式処理の後に、対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔を第1間隔よりも大きい第2間隔に変更設定する間隔設定手段と、湿式処理の後に、基板保持手段に保持された基板の被処理面に向けて気体を吐出させて基板の被処理面に付着する処理液を基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる乾燥手段とを備えたことを特徴としている。
また、この発明にかかる基板処理方法は、上記目的を達成するため、基板の被処理面と、該被処理面に対向する基板対向面を有する対向部材とを、基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に基板を立てた姿勢で、かつ基板の被処理面と基板対向面との間隔が所定の第1間隔となるように近接配置する配置工程と、基板対向面と基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して間隙空間を処理液により液密に満たした状態で基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、基板の被処理面と基板対向面との間隔を第1間隔よりも大きい第2間隔に変更して前記基板の被処理面から処理液を落下させる第1の乾燥処理工程と、基板の被処理面に向けて気体を吐出させて基板の被処理面に付着する処理液を基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる第2の乾燥処理工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、湿式処理時に基板は処理液が自然落下する状態に立てた状態で保持されるが、対向部材の基板対向面と基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液が液密に満たされることで処理液が基板の被処理面と面内において一様に接液する。したがって、処理液により基板の被処理面を均一に処理することができる。また、対向部材を基板の被処理面に近接配置することにより、基板の被処理面全面が処理されるので省スペースの装置が提供される。
ここで、基板の被処理面と、対向部材の基板対向面との間隔を小さくするほど、これらの間の間隙空間を満たすのに必要な処理液の量は少なくて済み、また処理液を基板表面に均一に行き渡らせるという面でも有利である。しかしながら、両者の間隔を小さくすると、湿式処理の終了後に処理液を排出する際に問題が生じる場合がある。すなわち、本発明では、処理液が自然落下する状態に基板が立てた姿勢で保持されているので、湿式処理終了後に間隙空間に残留する処理液には、間隙空間からの流下を促す方向に重力が作用している。ただし、基板の被処理面と対向部材の基板対向面との間隔を小さくすると、処理液の表面張力に起因して、間隙空間から処理液が流下するのに時間がかかり処理のスループットを低下させたり、局所的に処理液が残留付着して乾燥不良を起こすなどの問題がある。気体を吹き付けることによって処理液を除去する構成であっても、より高いガス圧が必要となったり、気体の使用量が増大することとなる。
そこで、本発明では、基板の被処理面と対向部材の基板対向面との間隔を第1間隔として湿式処理を行った後、乾燥処理を行う際に、両者の間隔をより広い第2間隔に変化させるようにしている。こうして湿式処理後に基板の被処理面と対向部材の基板対向面との間隔を広げることにより、処理液の排出をよりスムーズに行うことが可能となる。その結果、本発明では、処理のスループット低下、乾燥ガスとしての気体の使用量の増大および乾燥むらやパーティクル付着等の乾燥不良の発生などの問題を生じさせることなく基板を良好に乾燥させることができる。以上のように、この発明によれば、処理液により基板の被処理面を均一に処理(湿式処理)しながらも、乾燥不良の発生を防止して基板を良好に乾燥させることが可能となっている。
上記のように構成された発明において、対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔の変更が完了するよりも前に、処理液の供給を停止するようにしてもよく、また、これらの間隔の変更が完了するまでの間、処理液の供給を継続するようにしてもよい。前者のようにした場合には、処理液の排出を短時間で行うことが可能となる。また、後者のようにした場合には、間隔の変更および処理液の流出に伴う液面の低下速度を容易に制御することが可能となる。
また、対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔の変更が完了するよりも前に、処理液の表面張力を低下させるための溶剤を間隙空間内の処理液に添加するようにしてもよい。こうすることで、処理液の排出をよりスムーズに行うことが可能となる。特に、間隙空間内に局所的な処理液の残留が生じるのを効果的に防止することができる。
このとき、少なくとも対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔の変更を行っている間は溶剤の供給を行うことが望ましく、できれば間隔の変更が開始されるよりも前に溶剤の添加を開始することがより望ましい。また、当該溶剤により間隙空間内の処理液を置換することにより、その後の気体による基板の乾燥をより効率よく行うことが可能となる。
また、上記のように構成された基板処理装置において、乾燥手段は、気体として溶剤を気化させた溶剤蒸気と不活性ガスとを順番に吐出するように構成されてもよい。溶剤蒸気が処理液に溶け込むことによって、処理液の表面張力が低減される。また、対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隙空間を溶剤蒸気で満たすことにより、基板の被処理面が空気に触れるのを防止することができる。特に、溶剤が揮発性を有するものであると、基板の乾燥がより促進されるので好ましい。なお、乾燥手段が溶剤蒸気と不活性ガスとを順番に吐出することによって、表面張力低減部としての機能を兼ねるようにしてもよい。このようにすることで、装置構成をより簡素化することができる。
また、対向部材の基板対向面の表面は、処理液に対する親和性を有する材料により形成されていることが望ましい。こうすることで、湿式処理後の処理液は基板対向面の表面に沿ってスムーズに流れ落ちることとなり、間隙空間への残留が抑制される。
また、対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔は、短時間で急激に変化させるのではなく第1間隔から第2間隔まで漸増させるのが好ましい。間隔を急激に変化させると、間隙空間内の処理液が一気に流れ落ちることによって却って局所的な液残りを生じてしまうおそれがある。これに対し間隔を漸増させるようにすれば、処理液が連続的に流下して基板の被処理面から除去されることとなり、液滴の残留を防止することができる。
また、対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔について、基板の上端部と下端部とで間隔を同じとするか否かについては本発明において限定されるものではないが、少なくとも処理液を排出する際には、基板の下端部における対向部材の基板対向面との間隔が、基板の上端部におけるそれよりも大きくなることは好ましくない。基板の下端部で処理液が一気に流下する結果、上端部に液残りを生じる可能性が高くなるからである。逆に、基板の上端部における対向部材の基板対向面との間隔が、基板の下端部におけるそれよりも大きくなるようにすることは、装置の動きが複雑になるが、液面の低下速度を制御するという点からは好ましい。また、基板の上端部と下端部とで対向部材の基板対向面との間隔を同じとすれば、装置の構成・動作は最も簡単となる。
また、基板の両面を被処理面とし、該被処理面のそれぞれに対応して設けられた基板対向面対を有するように、対向部材が構成されてもよい。このような構成によれば、湿式処理および乾燥処理を基板の両面について同時に行うことが可能となるので、基板に対する処理を効率よく行うことができる。
なお、本発明における「被処理面」とは、湿式処理および乾燥処理を施すべき面を意味しており、基板の表裏面のうちデバイスパターンなどが形成された基板表面に対して湿式処理および乾燥処理を施す必要がある場合には、該基板表面が本発明の「被処理面」に相当する。また、基板裏面に対して湿式処理および乾燥処理を施す必要がある場合には、該基板裏面が本発明の「被処理面」に相当する。もちろん、基板の表裏面に対して湿式処理および乾燥処理を施す必要がある場合には、基板の表裏面が本発明の「被処理面」に相当する。
この発明によれば、湿式処理時に基板は処理液が自然落下する状態に立てた状態で保持されるが、間隙空間に処理液が液密に満たされることで省スペースを達成した上で処理液により基板の被処理面を均一に処理することができる。また、処理液が自然落下する状態に基板が立てた姿勢で保持されるとともに、湿式処理後には対向部材の基板対向面と基板の被処理面との間隔を広げるようにしているので、処理液に作用する重力を利用して基板の被処理面から処理液を良好に除去することができる。このため、液残りの発生を防止しながら基板を乾燥させることができる。したがって、処理液により基板の被処理面を均一に処理(湿式処理)しながらも、乾燥不良の発生を防止して基板を良好に乾燥させることができる。
<第1実施形態>
図1はこの発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の略円盤状基板Wに対して所定の湿式処理を施した後、湿式処理後の基板Wに対して乾燥処理を施すために用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、基板Wに対して薬液による薬液処理およびDIW(deionized water:脱イオン水)などのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス処理を受けた基板Wに気体(乾燥ガス)としての溶剤蒸気および窒素ガスを供給して乾燥処理を行う装置である。以下、薬液およびリンス液を総称する場合は「処理液」という。
この基板処理装置は、基板Wに対して互いに異なる複数種類の処理液を順次供給して各処理液ごとに湿式処理を施す処理ユニット1と、処理ユニット1の鉛直方向下方に処理ユニット1から湿式処理の実行ごとに順次放出される湿式処理後の処理液を処理液の種類ごとに分離回収する液回収ユニット2とを備えている。処理ユニット1は、基板Wを直立姿勢に立てた状態で保持する複数個の保持ローラ11(本発明の「基板保持手段」に相当)と、保持ローラ11に保持された基板Wと対向しながら離間配置される対向部材12A,12Bとを有している。この実施形態では、基板Wの表面Wf(パターン形成面)および裏面Wbに対して湿式処理および乾燥処理を施すために基板表面Wfと対向しながら対向部材12Aが離間配置されるとともに基板裏面Wbと対向しながら対向部材12Bが離間配置されている。このように、この実施形態では、基板Wの表面Wfおよび裏面Wbが本発明の「被処理面」に相当する。
保持ローラ11は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、基板Wの円周方向に沿って等角度間隔で配置されている。このため、基板Wは各保持ローラ11の側面にその周端面が当接した状態で直立姿勢で保持される。複数個の保持ローラ11は、基板Wを保持した状態で基板Wを水平方向Xに延びる所定の回転軸J(水平軸)回りに回転させるべく、回転自在に設けられている。複数個の保持ローラ11のうち少なくとも1個の保持ローラ11には、モータを含む保持ローラ回転機構13が接続されており、装置全体を制御する制御ユニット4からの動作指令に応じて保持ローラ回転機構13を作動させることで保持ローラ11の駆動力によって基板Wが回転されるようになっている。これにより、基板Wは複数個の保持ローラ11に直立姿勢で保持された状態で回転軸J回りに回転する。
また、各保持ローラ11は基板Wの周端面を押圧する押圧状態と、基板Wの周端面から離れる解放状態との間を切り換え可能に構成されている。保持ローラ11には保持ローラ接離機構14が接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて保持ローラ接離機構14を作動させることで複数個の保持ローラ11を連動して押圧状態とし、または解放状態とすることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は保持ローラ接離機構14を作動させることで、保持ローラ11に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個の保持ローラ11を解放状態とし、基板Wに対して所定の表面処理を行う際には、複数個の保持ローラ11を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個の保持ローラ11は基板Wの周端面を挟持して基板Wを直立姿勢で保持することができる。
また、保持ローラ11に保持された基板Wの表裏面Wf,Wbにはそれぞれ、中心部に開口を有する円盤状の対向部材12A,12BがX方向に沿って移動自在に配置されている。対向部材12A,12Bには対向部材接離機構15A,15Bがそれぞれ連結されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて対向部材接離機構15A,15Bが作動することで対向部材12A,12Bが基板Wのごく近傍に設定された第1近接位置(図1に示す位置)および第1近接位置よりは基板Wから離れた第2近接位置に移動したり、基板Wからさらに離間した離間位置に移動するように構成されている。処理中における対向部材12A,12Bの位置については後に詳述する。
2つの対向部材12A,12Bはともに同一構成を有しており、薬液供給ユニット16A〜16Cから洗浄またはエッチング処理に適した薬液の供給を受けて後述するように薬液処理を実行したり、リンス液供給ユニット17からDIWなどのリンス液の供給を受けて後述するようにリンス処理を実行する。また、対向部材12A,12Bは溶剤蒸気供給ユニット18およびガス供給ユニット19に接続されており、溶剤蒸気および窒素ガスの供給を受けて乾燥処理を実行する。より詳しくは、対向部材12A,12Bは以下のように構成されている。なお、両対向部材12A,12Bは同一構成であるため、ここでは対向部材12Aの構成を中心に説明し、対向部材12Bの説明を省略する。
この対向部材12Aは、側面121が基板W(基板表面Wf)と対向する基板対向面となっている。側面121の平面サイズは基板Wの直径と同等、好ましくは基板Wの直径よりも大きくなるように設定されている。このように側面121の平面サイズを基板Wの直径よりも大きくすることで基板Wの上方側の周縁部にも処理液を確実に行き渡らせて基板Wの表面処理の均一性を向上させることができる。対向部材12Aのうち少なくとも基板Wと対向する側の側面(以下、「基板対向面」という)121については、親水性を有する材料によって形成される。
また、第1近接位置に配置された対向部材12Aと基板Wとの間隔は1mm以下程度となるように設定される。このように、2つの対向部材12Aおよび12Bそれぞれが基板と対向する側面121を有しており、両対向部材の側面が対になって本発明の「基板対向面対」を成している。また、対向部材12A,12Bの基板対向面121,121は親水性材料により形成されている。こうすることで、水を主体とする各処理液やリンス液との馴染みをよくしている。
対向部材12Aの中心部にはX方向に管状に延びる供給部122が形成されている。供給部122の先端部、つまり側面121の中心部には供給口123が設けられており、供給口123から対向部材12Aの側面121と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間S11に薬液、リンス液、溶剤蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。すなわち、供給部122の基端部は、互いに異なる複数種類の薬液(この実施形態では3種類の薬液A〜C)を選択的に供給する薬液供給ユニット16A〜16Cと、DIWなどのリンス液を供給するリンス液供給ユニット17と、イソプロピルアルコール(IPA)の蒸気を供給する溶剤蒸気供給ユニット18と、窒素ガスを供給するガス供給ユニット19とに接続されている。なお、この実施形態では、対向部材12Aの側面121(基板対向面)の中心部に1つの供給口を設けているが、側面121に複数の供給口を設けるようにしてもよい。また、この実施形態では、間隙空間S11に処理液と気体とを1つの供給口から供給しているが、間隙空間S11に処理液と気体とを互いに異なる供給口から供給するように構成してもよい。いずれの構成でも、対向部材12Aの側面121に供給口を形成することで間隙空間S11に効率良く処理液および気体を送り込むことができる。
そして、制御ユニット4からの動作指令に応じてこれら供給ユニット16A〜16C,17〜19を作動させることによって供給口123から間隙空間S11に薬液A〜C、リンス液、溶剤蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。なお、この実施形態では、溶剤蒸気供給ユニット18からIPA蒸気を供給しているが、エチルアルコールまたはメチルアルコール等のアルコール系溶剤の蒸気を供給するように構成してもよい。また、ガス供給ユニット19から不活性ガスとして窒素ガスを供給しているが、清浄な空気や他の不活性ガスを供給するように構成してもよい。また、IPA蒸気を不活性ガスに代えて供給してもよい。
また、対向部材12Bも対向部材12Aと同一に構成されている。すなわち、側面121が基板W(基板裏面Wb)と対向する基板対向面となっており、制御ユニット4からの動作指令に応じて供給ユニット16〜19を作動させることによって、供給口123から対向部材12Bの側面121と基板表面Wbとに挟まれた間隙空間S12に薬液A〜C、リンス液、溶剤蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。
図3は間隙空間に薬液を供給したときの様子を示した図である。薬液供給ユニット16Aからの薬液Aが間隙空間S11,S12に供給されると、薬液Aの表面張力に起因する毛細管現象により間隙空間S11,S12の全体に広がり、間隙空間S11,S12が薬液Aにより液密に満たされる。これにより、基板の表裏面Wf,Wbに接液する薬液Aによって基板の表裏面Wf,Wbに対して薬液処理が施される。そして、間隙空間S11,S12に薬液Aが供給され続けることによって間隙空間S11,S12に存在する薬液が薬液供給ユニット16Aから供給されるフレッシュな薬液に置換しながら間隙空間S11,S12から押し出され除去されていく。このように、薬液を置換しながら薬液処理が実行されることで表面処理の面内均一性を向上させることができる。間隙空間S11,S12から押し出された薬液処理後の薬液Aは間隙空間S11,S12から薬液Aの自重により鉛直方向(Z方向)下向きに落下することで放出される。すなわち、間隙空間S11,S12と該間隙空間S11,S12の鉛直方向下方に位置する下方空間S2とを連通する連通部124から下方空間S2に向けて薬液Aが放出される。
上記においては薬液Aを間隙空間S11,S12に供給する場合について説明したが、薬液Aに代えて薬液B,Cおよびリンス液を間隙空間S11,S12に供給する場合も上記と同様である。例えば、リンス液供給ユニット17から間隙空間S11,S12にリンス液が供給されると、間隙空間S11,S12の全体がリンス液により液密に満たされる。そして、間隙空間S11,S12にリンス液が供給され続けることによって間隙空間S11,S12に存在するリンス液がリンス液供給ユニット17から供給されるリンス液によって間隙空間S11,S12から押し出され連通部124から鉛直方向下向きに落下する。このように、この実施形態では、薬液供給ユニット16A〜16Cおよびリンス液供給ユニット17が本発明の「液供給手段」として機能する。
リンス処理に続いて、リンス液を除去し基板の表裏面Wf,Wbを乾燥させる乾燥処理が行われる。このとき、間隙空間S11,S12内に残留するリンス液の流下を促進するため、窒素ガスの供給に先立って、間隙空間S11,S12における基板の表裏面Wf,Wbと対向部材12A,12Bの基板対向面121,121との間隔を変化させる。具体的には、対向部材接離機構15A,15Bが、対向部材12A,12Bのそれぞれを第1近接位置よりも基板Wから少し離間させた第2近接位置へ退避させる。第2近接位置における対向部材12Aと基板Wとは互いに平行または略平行に保持され、両者の間隔(本発明の「第2間隔」に相当)は、第1近接位置における間隔(本発明の「第1間隔」に相当)よりも大きく、例えば2〜3mm程度に設定される。対向部材12Bと基板Wとの間においても同様である。このように、この実施形態では、対向部材接離機構15A,15Bが本発明の「間隔設定手段」として機能している。
対向部材12A,12Bと基板Wとの間隔を変更する際、溶剤蒸気供給ユニット18を作動させることで対向部材12A,12Bの各々に形成された供給口123,123から基板の表裏面Wf,Wbに向けてIPA蒸気が吐出される。これにより、基板の表裏面Wf,Wbに付着するリンス液がIPAに置換されながら表裏面Wf,Wbから除去される。吐出されたIPAはリンス液に溶解してリンス液の表面張力を弱める働きをする。このため、基板の表裏面Wf,Wbおよびこれらと対向部材12A,12Bとの間に残留付着するリンス液の流下を促進させることができる。また、リンス液をIPAに置換させることでIPAの揮発性により基板Wの乾燥を促進させることができる。このように、この実施形態では、溶剤蒸気供給ユニット18が本発明の「表面張力低減部」として機能している。
IPA蒸気供給後には、ガス供給ユニット19を作動させることで対向部材12A,12Bの各々に形成された供給口123,123から基板の表裏面Wf,Wbに向けて窒素ガスが吐出される。これにより、基板が不活性雰囲気中に保持されるとともにその表裏面Wf,Wbから液体成分が吹き飛ばされ、基板Wが乾燥される。このように、この実施形態では、ガス供給ユニット19および溶剤蒸気供給ユニット18が本発明の「乾燥手段」として機能している。また、供給口123,123は、IPA蒸気および窒素ガスを選択的に吐出することにより、本発明の「表面張力低減部」としての機能を有する「乾燥手段」として機能している。
次に、液回収ユニット2について説明する。液回収ユニット2は処理ユニット1の下方側に配置され、連通部124から順次放出される複数種類の処理液、つまり薬液A〜Cおよびリンス液を処理液の種類ごとに分離回収する。液回収ユニット2は複数種類の処理液、つまり薬液A〜Cおよびリンス液(廃液)に対応して複数の液回収槽21〜24を有している。複数の液回収槽21〜24の各々は、複数の液回収槽21〜24が配置される占有面積を小さくするため、扁平な箱形状に形成され、各液回収槽21〜24が水平方向(X方向)に沿って互いに隣接して配置されている。具体的には、複数の液回収槽21〜24は保持ローラ11に保持された基板Wの法線方向(X方向)に沿って配置されるとともに、各液回収槽21〜24は水平面内において基板Wの法線方向(X方向)におけるサイズが該基板Wの法線方向に直交する方向、つまり基板Wの径方向(Y方向)におけるサイズよりも小さく形成されている。すなわち、複数の液回収槽21〜24はX方向に沿って各液回収槽21〜24の短辺が位置するように整列して配置されている。
各液回収槽21〜24は上部に開口部を有し、その内部には処理液を回収するための回収空間が形成されている。各液回収槽21〜24の底部には、排液口(図示せず)が形成されており、各排液口は相互に異なるドレインに接続されている。例えばこの実施形態では、液回収槽21は薬液Aを用いた薬液処理後の使用済みの薬液Aを回収するための回収槽であり、薬液Aを回収して再利用するための回収ドレインに連通されている。また、液回収槽22は薬液Bを用いた薬液処理後の使用済みの薬液Bを回収するための回収槽であり、薬液Bを回収して再利用するための回収ドレインに連通されている。また、液回収槽23はリンス処理後の使用済みのリンス液を廃液するための廃液槽であり、廃棄処理のための廃棄ドレインに連通されている。さらに、液回収槽24は薬液Cを用いた薬液処理後の使用済みの薬液Cを回収するための回収槽であり、薬液Cを回収して再利用するための回収ドレインに連通されている。
また、液回収ユニット2はX方向に沿って移動自在とされている。液回収ユニット2は回収ユニット移動機構3に接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて回収ユニット移動機構3を駆動させることで液回収ユニット2をX方向に移動させることができる。そして、回収ユニット移動機構3の駆動により液回収ユニット2を段階的に移動させることで、連通部124から放出される処理液を処理液の種類に対応した回収位置に複数の液回収槽21〜24のひとつが選択的に配置される。これによって、連通部124から放出される処理液を液回収槽21〜24に分別して回収することが可能となっている。すなわち、薬液Aを用いた薬液処理時には、連通部124の直下(鉛直方向下方)に液回収槽21が位置(以下「薬液A回収位置」という)するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出された薬液Aが液回収槽21に回収される。また、薬液Bを用いた薬液処理時には、連通部124の直下に液回収槽22が位置(以下「薬液B回収位置」という)するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出された薬液Bが液回収槽22に回収される。また、リンス処理時には、連通部124の直下に液回収槽23が廃液のための回収位置(以下「廃液位置」という)に位置するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出されたリンス液が液回収槽23に集められる。さらに、薬液Cを用いた薬液処理時には、連通部124の直下に液回収槽24が位置(以下「薬液C回収位置」という)するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出された薬液Cが液回収槽24に回収される。
次に、上記のように構成された基板処理装置における動作について、図4および図5を参照しつつ説明する。図4はこの実施形態の動作を示すフローチャートである。また、図5はこの動作における各部の動作を示すタイミングチャートである。
基板搬送手段(図示せず)によって未処理の基板Wが装置内に搬入されると、制御ユニット4が装置各部を制御して本発明の「湿式処理工程」として薬液処理およびリンス処理を基板Wに対して実行した後、該基板Wに対して乾燥処理工程を実行する。ここでは、薬液処理として薬液A〜Cを基板Wに順次供給して基板Wを処理する場合について説明する。この実施形態では、基板Wは直立姿勢で装置内に搬入され、保持ローラ11が解放状態から押圧状態に切り換えられることによって基板Wが直立姿勢で保持される。なお、対向部材12A,12Bは離間位置にあり、基板Wとの干渉を防止している。
保持ローラ11に未処理の基板Wが保持されると(ステップST1)、対向部材12A,12Bがそれぞれ第1近接位置まで水平移動され、基板Wの表裏面Wf,Wbに近接配置される(配置工程;ステップST2)。これにより、基板Wの表裏面Wf,Wbが両対向部材12A,12Bに近接した状態で覆われる。このときの対向部材12Aと基板表面Wfとの間および対向部材12Bと基板裏面Wbとの間の間隔はいずれも、図5に示すようにギャップ量G1に保持される。
そして、液回収ユニット2を薬液A回収位置に移動させて基板Wに対して薬液Aを用いた薬液処理を実行する(薬液Aによる薬液処理工程;ステップST3)。すなわち、間隙空間S11,S12に薬液Aが液密に満たされた状態で供給されることで薬液Aが基板Wの表裏面Wf,Wbと面内において一様に接液する。したがって、薬液Aにより基板Wの表裏面Wf,Wbの全面が均一に処理される。このとき、基板Wを回転させることにより、間隙空間S11,S12に供給された薬液Aを径方向に広げながら間隙空間S11,S12内で薬液Aを攪拌させることができる。これにより、基板Wの表裏面Wf,Wbに対する薬液処理の面内均一性をさらに高めることができる。また、薬液供給ユニット16Aから間隙空間S11,S12に薬液Aが供給され続けることによって間隙空間S11,S12に存在する薬液Aが新たに供給される薬液Aに置換される。その結果、間隙空間S11,S12から押し出された薬液Aが連通部124を介してその自重によって鉛直方向(Z方向)下向きに放出される。そして、このように放出された薬液Aはすべて連通部124の直下に位置する液回収槽21に回収され、適宜再利用される。すなわち、連通部124から放出される薬液Aは、薬液Aが意図しない方向に飛散することなく液回収槽21に回収される。
所定時間の薬液Aを用いた薬液処理が終了すると、間隙空間S11,S12への薬液Aの供給を停止させる。そうすると、薬液Aがその表面張力によって間隙空間S11,S12に満たされた状態となるが、基板Wから対向部材12A,12Bを離間させることにより薬液Aの表面張力によって間隙空間S11,S12に保持された薬液Aの保持が解除される。これにより、間隙空間S11,S12に満たされた薬液Aが落下して液回収槽21に回収される。
続いて、液回収ユニット2を薬液B回収位置に移動させて基板Wに対して薬液Bを用いた薬液処理を実行する(薬液Bによる薬液処理工程;ステップST4)。すなわち、間隙空間S11,S12に薬液Bが液密に満たされ基板Wの表裏面Wf,Wbの全面が薬液Bによって均一に処理される。また、間隙空間S11,S12から押し出された薬液Bが連通部124を介して鉛直方向下向きに放出され、液回収槽22に回収される。
なお、薬液Bを用いた薬液処理の実行前に間隙空間S11,S12にリンス液(DIW)を供給して対向部材12A,12Bおよび基板Wに残留付着した薬液Aを洗い流すようにしてもよい。この場合、上記のように薬液Aの保持を解除した後のタイミングか、または薬液Aの供給を停止したタイミングで液回収ユニット2が廃液位置に移動された後、間隙空間S11,S12にリンス液が供給される。このとき、間隙空間S11,S12から連通部124を介して放出されるリンス液(薬液Aの残留成分を含む)は液回収槽23に集められ、廃棄される。これにより、薬液Bへの薬液Aの混入を確実に防止することができる。また、間隙空間S11,S12へのリンス液の供給に代えて、薬液Bを用いた薬液処理の実行開始後、しばらくは回収した薬液B(薬液Aの残留成分を含む)を廃棄するようにしてもよい。このようにしても、薬液Bへの薬液Aの混入を確実に防止することができる。
続いて、薬液Cを用いた薬液処理が薬液A,Bを用いた薬液処理と同様にして実行される(薬液Cによる薬液処理工程;ステップST5)。すなわち、液回収ユニット2が薬液C回収位置に移動された後、間隙空間S11,S12に薬液Cが液密に満たされ基板Wの表裏面Wf,Wbの全面が薬液Cによって均一に処理される。また、間隙空間S11,S12から押し出された薬液Cが連通部124を介して鉛直方向下向きに放出され、液回収槽24に回収される。なお、薬液Cへの薬液Bの混入を防止するため、上記と同様に薬液Cを用いた薬液処理の実行前に間隙空間S11,S12へのリンス液の供給を実行してもよいし、薬液Cを用いた薬液処理の実行開始後、しばらくは回収した薬液C(薬液Bの残留成分を含む)を廃棄するようにしてもよい。
こうして、薬液A〜Cを用いた薬液処理が終了すると、液回収ユニット2を廃液位置に移動させて基板Wに対してリンス処理を実行する(リンス工程;ステップST6)。すなわち、間隙空間S11,S12にリンス液(DIW)が液密に満たされた状態で供給され、間隙空間S11,S12に残留する薬液成分がリンス液によって洗い流される。また、間隙空間S11,S12にリンス液が供給され基板Wが回転され続けることによって間隙空間S11,S12から押し出されたリンス液が連通部124を介してその自重によって鉛直方向下向きに放出される。そして、このように放出されたリンス液はすべて連通部124の直下に位置する液回収槽23に集められ、廃棄される。所定時間のリンス処理が終了すると、間隙空間S11,S12へのリンス液の供給を停止させる。
続いて、基板の表裏面を乾燥させる乾燥処理を実行するが、対向部材12A,12Bと基板Wとが近接配置された状態では、リンス液(DIW)がその表面張力によって、自身に作用する重力のみでは流下せず間隙空間S11,S12を液密に満たした状態で残存することとなる。こうして間隙空間S11,S12に残留した処理液を気体により吹き飛ばすためには、高いガス圧および多量の気体が必要となり、処理に時間がかかってしまいスループットが低下したり、装置および処理の高コスト化を招くなどの問題を生じる。
そこで、この実施形態の乾燥処理では、図5に示すように、基板に窒素ガスを供給して行う処理(第2乾燥処理)を行うのに先立って、本発明の「第1の乾燥処理工程」として、対向部材12A,12Bを第2近接位置に移動させ、対向部材12A,12Bと基板Wとの間隔をギャップ量G1からこれより大きいギャップ量G2まで漸増させる(第1乾燥処理工程;ステップST8)。こうして対向部材12A,12Bと基板Wとの間隔を広げることにより、間隙空間S11,S12に残留した処理液をその自重により流下しやすくすることができる。さらにこの実施形態では、対向部材12A,12Bの基板対向面121,121をリンス液に対する濡れ性の高い親水性材料により形成していることも、リンス液のスムーズな流下に寄与する。
なお、ギャップ量G2を大きくしすぎると、間隙空間S11,S12を満たしていた液体が一気に落下し、その結果として基板Wが空気に触れたり、その表裏面Wf,Wbに小さな水滴が残ってしまう場合がある。このような問題を回避するため、ギャップ量G2としては、表面張力によりリンス液を間隙空間S11,S12に保持可能な間隔の最大値に近い値とするのが好ましい。あるいは、液がゆっくりと落下してゆくように、徐々にギャップを広げてゆくようにしてもよい。
また、対向部材12A,12Bと基板Wとの間隔を広げるのと併行して、溶剤蒸気供給ユニット18からIPA蒸気を間隙空間S11,S12に供給する(ステップST7)。IPA蒸気が間隙空間S11,S12に残留するリンス液に溶解することにより、リンス液の表面張力が低下してより流下しやすくなる。また、リンス液としてのDIWをより揮発性の高いIPAに置換することにより、基板を短時間で乾燥させることが可能となる。
IPA蒸気の供給を開始するタイミングとしては、対向部材12A,12Bと基板Wとの間隔の変更を開始する前、変更開始と同時、変更中のいずれであってもよいが、よりスムーズにかつ短時間でリンス液を流下させ、しかも濡れた基板Wを外部雰囲気に触れさせないためには、できるだけ早い時点で、すなわち間隔の変更を開始するよりも前にIPA蒸気の供給を開始することが好ましい。
こうしてIPA蒸気を供給しながらリンス液を排出した後に、本発明の「第2の乾燥処理工程」として、間隙空間S11,S12に窒素ガスを供給することによって基板Wの表裏面Wf,Wbに付着する液体成分を吹き飛ばして基板Wの表裏面Wf,Wbを乾燥させる(第2乾燥処理工程;ST9)。なお、乾燥処理の間、対向部材12A,12Bにより基板Wの表裏面Wf,Wbが覆われることによって、基板Wの表裏面Wf,Wb上の雰囲気(間隙空間S11,S12)が外部雰囲気と遮断された状態となっている。このため、基板Wの汚染を防止しながら基板Wを乾燥させることができる。基板Wの乾燥処理が終了すると、基板Wの回転が停止され対向部材12A,12Bが離間位置に配置された後(ステップST10)、保持ローラ11による基板保持が解除され、処理済みの基板Wが装置から搬出される(ステップST11)。なお、上記した乾燥処理中には、基板Wの回転速度を湿式処理の場合よりも大きくしてもよい。
図6は第1近接位置から第2近接位置への移動の他の例を示す図である。上記した例では、対向部材12A,12Bは基板Wと平行な状態を保ったまま第1近接位置から第2近接位置まで移動するように構成されている。つまり、基板の上端部と下端部との間では、対向部材12A,12Bとの間隔は常に同じである。このようにすることで、対向部材接離機構15A,15Bはそれぞれ対向部材12A,12Bを単にX軸方向に水平移動させるのみでよいので、その機構を比較的簡単に、しかも小型に実現することができる点で好ましい。
一方、図6に示すように、対向部材12A,12Bを第1近接位置(同図(a))から第2近接位置(同図(c))まで移動させる途中において、対向部材12A,12Bの上部がより大きく開くように、つまり基板Wの上端部における対向部材12A,12Bとの間隔が、基板Wの下部におけるそれよりも大きくなるようにしてもよい(同図(b))。このようにすると、基板Wの下部付近におけるリンス液の流下速度が律速となって間隙空間S11,S12における液面の低下速度が決まるので、液面の低下速度の制御がしやすくなる。また、早い段階で上部をより大きく開くことによって、間隙空間S11,S12の上側端部付近における基板Wと対向部材12A,12Bとの間に液滴が残留するのを防止することができる。逆に、下部側を大きく開くようにすると、間隙空間S11,S12の下側端部付近で急速に液の流下が起こるため、上部で基板Wと対向部材12A,12Bとの間に液残りが生じやすくなり好ましくない。
以上のように、この実施形態によれば、薬液処理およびリンス処理時に処理液(薬液およびリンス液)が自然落下する状態に立てた状態で基板Wが保持されるが、間隙空間S11,S12に処理液が液密に満たされることで処理液が基板Wの表裏面Wf,Wbと面内において一様に接液する。したがって、省スペースな状態で処理液により基板Wの表裏面Wf,Wbを均一に処理することができる。
また、処理液が自然落下する状態に基板Wが立てた姿勢で保持されるとともに、リンス処理後に基板Wを乾燥させる際に対向対抗部材12A,12Bと基板Wとの間隔を広げているので、処理液(リンス液)に作用する重力を利用して基板Wの表裏面Wf,Wbからリンス液を良好に除去することができる。さらに、この実施形態では、間隔を広げるのに際してリンス液にIPA蒸気を吹き付けることにより、液の表面張力を下げて流下を促進させている。このため、液残りを発生させることなく基板Wを乾燥させることができる。特に、この実施形態では、基板Wを直立姿勢で保持しているのでリンス液を該リンス液の自重により効率的に基板Wから除去することが可能となっている。したがって、乾燥むらやパーティクル付着等の乾燥不良の発生を防止しながら基板Wを良好に乾燥させることができる。つまり、この実施形態によれば、処理液により基板Wの表裏面Wf,Wbを均一に処理(湿式処理)しながらも、乾燥不良の発生を防止して基板Wを良好に乾燥させることが可能となっている。
<第2実施形態>
図7はこの発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、第1実施形態では処理液を供給する供給口と共通の開口から間隙空間に乾燥ガスを供給するように構成していたのに対し、この第2実施形態では処理液を供給する供給口と異なる開口から間隙空間に乾燥ガスを供給するように構成している点である。なお、その他の構成および動作は第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、処理ユニット1Bは、基板表面Wfに近接しながら該基板表面Wfから離間配置された対向部材42Aと、基板裏面Wbに近接しながら該基板裏面Wbから離間配置された対向部材42Bとを備えている。また、第1実施形態と同様にして基板Wは複数個の保持ローラ(図示せず)によって直立姿勢に立てた状態で回転可能に保持されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて保持ローラ回転機構13を作動させることで基板Wは複数個の保持ローラ11に直立姿勢で保持されながら水平軸回りに回転する。なお、両対向部材42A,42Bは同一構成であるため、ここでは対向部材42Aの構成を中心に説明し、対向部材42Bの説明を省略する。
図8は図7の基板処理装置に装備された対向部材の側面を示す図である。この対向部材42Aの側面421(基板対向面)には、その中心部に処理液供給口423が形成されるとともに、その上端部に基板表面Wfに向けて開口した複数のガス吐出口424および複数のガス吐出口425が形成されている。複数のガス吐出口424は側面421の上方の周縁部に周方向に沿って配置される一方、複数のガス吐出口425が側面421の上方の周縁部に周方向に沿って、しかもガス吐出口424の上方側に配置されている。また、対向部材42Aには、各ガス吐出口424に連通するガス供給路426と、各ガス吐出口425に連通するガス供給路427とが貫通して形成されている(図7)。すなわち、各ガス供給路426の先端側(基板側)にガス吐出口424が開口する一方、各ガス供給路427の先端側(基板側)にガス吐出口425が開口している。各ガス供給路426および各ガス供給路427はそれぞれ、基板Wに向けて水平方向に対して下方側に傾斜する方向に延びるように形成されている。また、処理液供給口423は処理液供給路422の先端(基板側)に開口している。
ガス供給路426の基端部(後端部)は溶剤蒸気供給ユニット(図示せず)と接続されており、溶剤蒸気供給ユニットからIPA蒸気が供給されると、ガス吐出口424から基板Wの上端部(基板Wの表裏面Wf,Wbの周縁部のうち上方に位置する表面部分)に向けてIPA蒸気が吐出される。また、ガス供給路427の基端部(後端部)はガス供給ユニット(図示せず)と接続されており、ガス供給ユニットから窒素ガスが供給されるとガス吐出口425から基板Wの上端部に向けて窒素ガスが吐出される。
この構成によれば、湿式処理(薬液処理およびリンス処理)後、次のようにして乾燥処理が実行される。すなわち、リンス処理後、リンス液(DIW)がその表面張力によって、対向部材32Aの側面421と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間S41および対向部材42Bの側面421と基板裏面Wbとに挟まれた間隙空間S42に液密に満たされた状態となっている。そして、このような状態で、第1実施形態と同様に基板Wと対向部材42A,42Bとの間隔を広げるとともにガス吐出口424からIPA蒸気を吐出させると、間隙空間S41,S42に供給されたIPA蒸気によってリンス液がIPAに置換されながら基板Wの上方側から下方側に向けて、つまりリンス液に作用する重力の方向に沿うようにリンス液が間隙空間S41,S42から排出される。続いて、ガス吐出口425から窒素ガスを吐出させると、窒素ガスが基板Wの上方側から下方側に向けて該基板Wの表裏面Wf,Wbに吹き付けられ、表裏面Wf,Wbに付着する液体成分が吹き飛ばされて基板Wが乾燥する。
図9はこの実施形態における各部の動作の例を示すタイミングチャートである。この実施形態では、その構造上、間隙空間S41,S42へのリンス液(DIW)、IPA蒸気および窒素ガスの供給タイミングを独立して定めることが可能である。そこで、これらの供給タイミングを図9のように設定してもよい。この例では、対向部材42A,42Bと基板Wとの間隔を広げている間にも液供給を継続し、その途中でIPA蒸気の供給を開始する。こうすることで、間隙空間S41,S42における液面の低下速度を制御することが可能である。すなわち、対向部材42A,42Bと基板Wとの間隔を広げたときに間隙空間S41,S42を満たしていた液体が一気に流下すると、間隙空間S41,S42における液面が急激に低下することで基板Wが外部雰囲気に触れたり、基板Wの表裏面Wf,Wb、特にその上部に液残りが生じて乾燥不良を生じるおそれがある。対向部材42A,42Bと基板Wとの間隔を広げながらも液供給を継続することで液面の低下速度を制御し、間隙空間S41,S42をIPA蒸気や窒素ガスなどの気体に置換しながら排液を行うようにすれば、このような問題は生じない。
なお、リンス液の供給停止後には、処理液供給口423およびこれに繋がる配管の内部に残留するリンス液を除去しておくことが望ましい。この部分にリンス液が残留していると、乾燥処理中に残留リンス液が噴出して基板Wに付着してしまうおそれがあるからである。図示を省略する吸引機構によって残留リンス液を吸引除去しておくことにより、この問題を回避することができる。また、図9に示すようにリンス液(DIW)の供給量を少しずつ減らしてゆくことによっても、残留リンス液の噴出を抑える効果が期待できる。
以上のように、この実施形態によれば、間隙空間S41,S42に供給された気体(IPA蒸気および窒素ガス)により基板Wの上方側から下方側に向けて、つまりリンス液に作用する重力の方向に沿うようにリンス液が間隙空間S41,S42押し出される。このため、気体とリンス液との界面(気液界面)を一定方向に移動させながら基板Wの表裏面Wf,Wbの表面領域を上方側から下方側に向けて順に乾燥させていくことができる。これにより、気液界面が乱れることによる乾燥むらや液残りが発生するのを防止することができる。
<第3実施形態>
次に、この発明にかかる基板処理装置の第3実施形態について説明する。この第3実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と最も大きく相違する点は、間隙空間に処理液を供給するだけでなく、間隙空間に存在する処理液を吸引して間隙空間から除去することが可能となっている点である。なお、その他の構成および動作は第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
図10は第3実施形態における対向部材の構造を示す図である。この実施形態においても、基板を挟むように2つの対向部材が配設されるが、2つの対向部材は基板を挟んで対称な形状を有するものの、基本的な構造は同一であるので、ここでは1つの対向部材32Aの構造について説明する。また、装置の他の部分および基本的な動作についても第1実施形態と同じとすることができるので、ここでは説明を省略する。
対向部材32Aは、側面321が基板W(基板表面Wf)と対向する基板対向面となっている。側面321の平面サイズは基板Wの直径と同等、好ましくは基板Wの直径よりも大きくなるように設定されている。基板対向面321には、図において白丸印で示される複数の供給口323と、図においてハッチングを付した丸印で示される複数の吸引口324とが穿設されている。複数の吸引口324の各々は基板対向面321に分散して設けられる一方、複数の供給口323は各吸引口324に隣接してこれを取り囲むように設けられている。
各供給口323は、供給管328を介して図示を省略する処理液供給ユニットおよびガス供給ユニットに連通されており、対向部材32Aが処理対象となる基板に近接対向配置された状態で必要に応じて処理液供給ユニットまたはガス供給ユニットから選択的に供給される各種処理液や気体を吐出する。こうして対向部材32Aと基板との間隙空間に各種処理液や気体が供給される。一方、各吸引口324は、図示を省略する吸引機構に連通されており、各供給口323を通じて対向部材32Aと基板との間隙空間に吐出された処理液や気体を吸引する。
この実施形態によれば、供給口323から間隙空間に供給した処理液を吸引口324から吸引することにより、間隙空間に局所的な処理液の流れを形成している。このため、間隙空間の各部において処理液の置換が行われることによって間隙空間の全体における処理液の置換を比較的短時間で行うことができる。その結果、処理液による湿式処理の面内均一性をさらに向上させることができる。
さらに、この実施形態によれば、間隙空間に局所的な処理流体の流れを形成している。このため、間隙空間の大きさをより小さくすることができる。例えば、対向部材32Aの側面321と基板表面Wfとの距離を60μm程度にて処理できる。もう1つの対向部材と基板裏面との間も同様である。そのため、使用される処理液の量もより少なくなり、結果的に処理液の置換も短時間で実行される。
このような構造を有する対向部材を用いた基板処理装置においても、湿式処理から乾燥処理へ移行する際に対向部材の基板対向面と基板との間に液滴が残留してしまう場合がある。この問題を回避するために、上記した第1および第2実施形態と同様に、湿式処理を行った後、乾燥処理を行うのに先立って、対向部材と基板との間隔を広げ液滴を流下させることが効果的である。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、基板Wの両面(表裏面Wf,Wb)を「被処理面」として基板Wの両面に対して湿式処理および乾燥処理を施しているが、これに限定されず、基板表面Wfを「被処理面」として基板表面Wfのみに対して湿式処理および乾燥処理を施してもよい。また、基板裏面Wbを「被処理面」として基板裏面Wbのみに対して湿式処理および乾燥処理を施してもよい。
また、上記実施形態では、基板Wを直立姿勢に立てた状態、つまり基板表面の法線が略水平方向を向いた状態で湿式処理および乾燥処理を施しているが、これに限定されない。例えば、基板Wの被処理面から処理液が自然落下する状態に基板Wを傾斜姿勢で保持しながら、つまり基板表面の法線が水平方向に対し上向きまたは下向きの状態で基板を保持するようにしても、上記各実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、上記実施形態では、基板Wの回転により間隙空間に供給された処理液を攪拌させることで湿式処理の面内均一性を向上させているが、本発明において基板Wを回転させることは必須の事項ではなく、例えば基板を停止させた状態で処理を行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、気体としてIPA蒸気と窒素ガスとを吹き付けることで基板Wを乾燥させているが、これに限定されない。例えば、乾燥処理内容に応じて他の不活性ガスや清浄な空気を用いて基板Wを乾燥させるようにしてもよい。また、IPA蒸気などの溶剤蒸気のみ、または窒素ガスのみを用いて基板Wを乾燥させるようにしてもよい。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般に対して処理液を供給して所定の湿式処理を施した後に、湿式処理を受けた基板を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。 間隙空間に薬液を供給したときの様子を示した図である。 第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 図4の動作における各部の動作を示すタイミングチャートである。 第1近接位置から第2近接位置への移動の他の例を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。 図7の基板処理装置に装備された対向部材の側面を示す図である。 この実施形態における各部の動作の例を示すタイミングチャートである。 第3実施形態における対向部材の構造を示す図である。
符号の説明
11…保持ローラ(基板保持手段)
12A,12B,32A,42A,42B…対向部材
13…保持ローラ回転機構
15A,15B…対向部材接離機構(間隔設定手段)
16A〜16C…薬液供給ユニット(液供給手段)
17…リンス液供給ユニット(液供給手段)
18…溶剤蒸気供給ユニット(表面張力低減部)
19…ガス供給ユニット(乾燥手段)
121,321,421…側面(基板対向面)
123,323,423…供給口
324…吸引口
S11,S12,S41,S42…間隙空間
W…基板
Wb…基板裏面(被処理面)
Wf…基板表面(被処理面)

Claims (13)

  1. 基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に前記基板を立てた姿勢で保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された前記基板の被処理面と対向する基板対向面を有し、前記基板対向面が前記基板の被処理面に対し近接配置される対向部材と、
    前記基板対向面と前記基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して前記間隙空間を前記処理液により液密に満たした状態で前記基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す液供給手段と、
    前記湿式処理の際には前記対向部材の基板対向面と前記基板の被処理面との間隔を所定の第1間隔に設定する一方、前記湿式処理の後に、前記対向部材の基板対向面と前記基板の被処理面との間隔を前記第1間隔よりも大きい第2間隔に変更設定する間隔設定手段と、
    前記湿式処理の後に、前記基板保持手段に保持された前記基板の被処理面に向けて気体を吐出させて前記基板の被処理面に付着する処理液を前記基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる乾燥手段と
    を備えたことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記間隔設定手段による前記対向部材の基板対向面と前記基板の被処理面との間隔の変更が完了するよりも前に、前記液供給手段は前記処理液の供給を停止する請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記間隔設定手段による前記対向部材の基板対向面と前記基板の被処理面との間隔の変更が完了するまでの間、前記液供給手段は前記処理液の供給を継続する請求項1に記載の基板処理装置。
  4. 前記乾燥手段は、前記間隔設定手段による前記対向部材の基板対向面と前記基板の被処理面との間隔の変更が完了するよりも前に、前記処理液の表面張力を低下させるための溶剤を前記間隙空間内の処理液に添加する表面張力低減部を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記表面張力低減部は、前記間隔設定手段による前記対向部材の基板対向面と前記基板の被処理面との間隔の変更が開始されるよりも前に、前記溶剤の添加を開始する請求項4に記載の基板処理装置。
  6. 前記乾燥手段は、前記気体として、前記溶剤を気化させた溶剤蒸気と不活性ガスとを順番に吐出する請求項4または5に記載の基板処理装置。
  7. 前記基板対向面の表面が、前記処理液に対する親和性を有する材料により形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理装置。
  8. 前記間隔設定手段は、前記間隔を前記第1間隔から前記第2間隔まで漸増させる請求項1ないし7のいずれかに記載の基板処理装置。
  9. 前記間隔設定手段は、前記基板と前記対向部材の前記対向面との間隔を前記基板の上端部と下端部とで同じとする請求項1ないし8のいずれかに記載の基板処理装置。
  10. 前記基板の両面を被処理面とし、前記対向部材は、該被処理面のそれぞれに対応して設けられた基板対向面対を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の基板処理装置。
  11. 基板の被処理面と、該被処理面に対向する基板対向面を有する対向部材とを、前記基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に前記基板を立てた姿勢で、かつ前記基板の被処理面と前記基板対向面との間隔が所定の第1間隔となるように近接配置する配置工程と、
    前記基板対向面と前記基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して前記間隙空間を前記処理液により液密に満たした状態で前記基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、
    前記基板の被処理面と前記基板対向面との間隔を前記第1間隔よりも大きい第2間隔に変更して前記基板の被処理面から処理液を落下させる第1の乾燥処理工程と、
    前記基板の被処理面に向けて気体を吐出させて前記基板の被処理面に付着する前記処理液を前記基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる第2の乾燥処理工程と
    を備えることを特徴とする基板処理方法。
  12. 前記第1の乾燥処理工程では、少なくとも前記間隔の変更を行っている間、前記処理液の表面張力を低下させるための溶剤蒸気を前記間隙空間に供給する請求項11に記載の基板処理方法。
  13. 前記間隔の変更を開始するよりも前に、前記溶剤蒸気の供給を開始する請求項12に記載の基板処理方法。
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CN110473808A (zh) * 2019-08-19 2019-11-19 上海华力微电子有限公司 一种晶圆干燥装置

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