JP2008251840A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】省スペースで、しかも処理液により基板の被処理面を均一に処理するとともに、乾燥不良の発生を防止しながら基板を良好に乾燥させることができる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】保持ローラ11により直立姿勢に立てた状態で保持された基板Wの表裏面Wf,Wbにそれぞれ、対向部材12A,12Bが近接しながら離間配置される。間隙空間S11,S12に処理液(薬液およびリンス液)が液密に満たされた状態に供給され、基板Wの表裏面Wf,Wbが処理液により均一に処理される。また、基板Wを乾燥させる際に、処理液が自然落下する状態に基板Wが直立姿勢で保持されているので、乾燥ガスの吐出により処理液(リンス液)を押し出すとともに該処理液に作用する重力を利用して基板Wの表裏面Wf,Wbからリンス液が除去される。このため、乾燥不良の発生を防止しながら基板を良好に乾燥させることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等に処理液を供給して該基板に対して所定の湿式処理を施した後、基板に付着する湿式処理後の処理液を基板から除去して基板を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、薬液またはリンス液などの処理液による所定の湿式処理が行われた後、基板に付着する処理液を除去すべく、乾燥処理が行われる。例えば、特許文献1に記載された装置では、基板はその端縁部に設けられた複数個の保持部材により水平姿勢で保持されながら回転される。そして、回転駆動される基板の上下面(被処理面)に処理液(薬液および洗浄液)が供給され、基板に対して薬液処理および洗浄処理などの湿式処理が施される。具体的には、基板の上下面に供給された処理液は遠心力によって径方向に広げられ、基板の上下面が処理液によって均一に処理される。その後、基板が比較的高速に回転されることにより基板に付着する湿式処理後の処理液が基板から振り切られることによって基板の乾燥(スピンドライ)が行われる。
また、特許文献2に記載された装置では、水平方向に敷設された搬送ローラによって基板を略水平姿勢で搬送させながら搬送される基板に処理液(薬液および洗浄液)を供給することによって基板に対して薬液処理および洗浄処理などの湿式処理が施される。続いて湿式処理を受けた基板が搬送ローラによって搬送されながら基板の上下面に向けてエアナイフから乾燥ガスが噴き出される。これによって、基板の両面に付着している処理液が吹き飛ばされることによって基板が乾燥される。
また、上記のように基板を水平姿勢で保持して処理する装置においては、今以上に処理される基板が大きくなると設置スペースの増大が問題となっていた。そこで、基板を立てた姿勢で縦保持して基板を処理する装置が提供されている(特許文献3、特許文献4参照)。
特開平11−176795号公報(図1) 特開2000−252254号公報(図1) 特開昭60−14244号公報 特開2006−147779号公報
ところで、特許文献1記載の装置では、基板表面を伝って径方向外側へ向かう処理液が基板の周縁側に位置する保持部材などに衝突して基板表面に向けて跳ね返ることがあった。また、保持部材が基板の回転軸回りに回転することにより基板の周縁側の気流を乱し、基板から飛散して飛沫化したミスト状の処理液が基板表面上の雰囲気に巻き込まれることがあった。そして、このような処理液の跳ね返りやミスト状処理液の巻き込みが基板の乾燥処理中に発生すると、乾燥処理された基板表面に処理液が再付着することによって乾燥不良を引き起こすことがあった。
また、特許文献2記載の装置では、乾燥処理中に基板上の処理液の一部が基板外に排出されることなく部分的に残留してしまうと、基板は略水平姿勢に配置されていることから残留した処理液を基板から排出することが困難である。その結果、基板上に液残りが発生して乾燥むらや基板へのパーティクル付着などの乾燥不良の一因となっていた。
また、特許文献3および特許文献4に記載の装置では、基板が立てた姿勢で縦保持されることで水平方向において設置スペースの削減を達成しているが、処理される基板を直接的に収納し、大きな処理空間を生じる処理筐体を必要とする点で改善の余地があった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、省スペースで、しかも処理液により基板の被処理面を均一に処理するとともに、乾燥不良の発生を防止しながら基板を良好に乾燥させることができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理装置は、基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に基板を立てた姿勢で保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板の被処理面と対向する基板対向面を有し、基板対向面が基板の被処理面に近接しながら該被処理面から離間配置された対向部材と、基板対向面と基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して間隙空間を処理液により液密に満たした状態で基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す液供給手段と、基板保持手段に保持された基板の被処理面に向けて乾燥ガスを吐出させて基板の被処理面に付着する湿式処理後の処理液を基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる乾燥手段とを備えたことを特徴としている。
また、この発明にかかる基板処理方法は、基板の被処理面と対向する基板対向面を有する対向部材を基板の被処理面に近接させながら該被処理面から離間配置する配置工程と、基板対向面と基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して間隙空間を処理液により液密に満たした状態で基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、基板の被処理面に向けて乾燥ガスを吐出させて基板の被処理面に付着する湿式処理後の処理液を基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる乾燥工程とを備え、配置工程、湿式処理工程および乾燥工程は基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に基板を立てた姿勢で保持されながら実行されることを特徴としている。
このように構成された発明(基板処理装置および基板処理方法)によれば、湿式処理時に基板は処理液が自然落下する状態に立てた状態で保持されるが、対向部材の基板対向面と基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液が液密に満たされることで処理液が基板の被処理面と面内において一様に接液する。したがって、処理液により基板の被処理面を均一に処理することができる。また、処理液が自然落下する状態に基板が立てた姿勢で保持されているので、湿式処理後に基板を乾燥させる際に乾燥ガスの吐出により処理液を基板の被処理面から押し出すとともに該処理液に作用する重力を利用して基板の被処理面から処理液を良好に除去することができる。このため、液残りを発生させることなく基板の被処理面から該被処理面に付着する湿式処理後の処理液が除去される。したがって、乾燥むらやパーティクル付着等の乾燥不良の発生を防止しながら基板を良好に乾燥させることができる。以上のように、この発明によれば、処理液により基板の被処理面を均一に処理(湿式処理)しながらも、乾燥不良の発生を防止して基板を良好に乾燥させることが可能となっている。
また、対向部材を基板の被処理面に近接させながら該被処理面から離間配置するだけで基板の被処理面全面が処理されるので省スペースの装置が提供される。
ここで、基板を直立姿勢で保持するように構成すると、基板の被処理面に付着する湿式処理後の処理液を該処理液の自重により効率的に基板から除去することが可能となる。
また、基板対向面に基板の被処理面に向けて開口した供給口を形成し、供給口から間隙空間に処理液を供給するように構成すると、間隙空間に効率良く処理液を送り込むことができ、間隙空間を処理液により液密に満たすことが容易である。
また、供給口が基板対向面に複数個形成される装置においては、基板対向面に基板の被処理面に向けて開口した複数の吸引口を供給口と異なる位置に形成し、複数の供給口から間隙空間に供給された処理液を複数の吸引口から吸引するように構成してもよい。この構成によれば、供給口から間隙空間に供給された処理液が吸引口から吸引されることにより、間隙空間の各部に局所的な処理液の流れが形成され、その流れによって間隙空間に存在する処理液が供給口から供給されるフレッシュな処理液に速やかに置換される。すなわち、間隙空間の各部において処理液の置換が行われることによって間隙空間全体における処理液の置換を比較的短時間で行うことができる。その結果、処理液による湿式処理の面内均一性をさらに向上させることができる。このように、供給口と吸引口との間において処理液の流れを形成する観点から、複数の吸引口の各々は供給口と互いに隣接するように基板対向面に形成することが好ましい。
また、乾燥ガスの供給については、処理液を供給する供給口と共通の開口から間隙空間に乾燥ガスを供給するように構成してもよいし、処理液を供給する供給口と異なる開口から間隙空間に乾燥ガスを供給するように構成してもよい。いずれの構成でも間隙空間に供給される乾燥ガスにより間隙空間の内部圧力を高めて処理液を押圧することで間隙空間から処理液を効率良く押し出すことができる。また、後者の場合には、基板対向面の上端部に基板の被処理面に向けて開口したガス吐出口を形成し、ガス吐出口から乾燥ガスを吐出させるのが好ましい。この構成によれば、間隙空間に供給された乾燥ガスにより基板の上方側から下方側に向けて、つまり処理液に作用する重力の方向に沿うように処理液が押し出される。このため、乾燥ガスと処理液との界面(気液界面)を一定方向に移動させながら基板の被処理面の表面領域を上方側から下方側に順に乾燥させていくことができる。これにより、気液界面が乱れることによる乾燥むらや液残りが発生するのを防止することができる。
また、基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転機構をさらに設けて、基板回転機構により基板を回転させながら液供給手段から間隙空間に処理液を供給すると、間隙空間に供給された処理液を径方向に広げながら間隙空間内で処理液を攪拌させることができる。これにより、基板の被処理面に対する湿式処理の面内均一性を高めることができる。また、対向部材を回転させる対向部材回転機構をさらに設けて、対向部材回転機構により対向部材を回転させながら液供給手段から間隙空間に処理液を供給してもよい。このように構成しても、間隙空間内で処理液を攪拌させることができ、基板の被処理面に対する湿式処理の面内均一性を高めることができる。
また、乾燥処理(乾燥工程)では、対向部材によって基板の被処理面が覆われた状態で基板の被処理面を乾燥させるのが好ましい。これにより、対向部材と基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に供給される乾燥ガスにより間隙空間の内部圧力を高めて処理液を押圧することで間隙空間から処理液を効率良く押し出すことができる。また、基板の被処理面上の雰囲気が外部雰囲気と遮断された状態で基板の被処理面を乾燥させることができ、基板の汚染を防止しながら基板を乾燥させることができる。
また、本発明における「被処理面」とは、湿式処理および乾燥処理を施すべき面を意味しており、基板の表裏面のうちデバイスパターンなどが形成された基板表面に対して湿式処理および乾燥処理を施す必要がある場合には、該基板表面が本発明の「被処理面」に相当する。また、基板裏面に対して湿式処理および乾燥処理を施す必要がある場合には、該基板裏面が本発明の「被処理面」に相当する。もちろん、基板の表裏面に対して湿式処理および乾燥処理を施す必要がある場合には、基板の表裏面が本発明の「被処理面」に相当する。
この発明によれば、湿式処理時に基板は処理液が自然落下する状態に立てた状態で保持されるが、間隙空間に処理液が液密に満たされることで省スペースを達成した上で処理液により基板の被処理面を均一に処理することができる。また、処理液が自然落下する状態に基板が立てた姿勢で保持されているので、乾燥処理時に乾燥ガスの吐出により処理液を押し出すとともに該処理液に作用する重力を利用して基板の被処理面から処理液を良好に除去することができる。このため、液残りの発生を防止しながら基板を乾燥させることができる。したがって、処理液により基板の被処理面を均一に処理(湿式処理)しながらも、乾燥不良の発生を防止して基板を良好に乾燥させることができる。
<第1実施形態>
図1はこの発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の略円盤状基板Wに対して所定の湿式処理を施した後、湿式処理後の基板Wに対して乾燥処理を施すために用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、基板Wに対して薬液による薬液処理およびDIW(deionized water:脱イオン水)などのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス処理を受けた基板Wに溶剤蒸気および窒素ガスを供給して乾燥処理を行う装置である。以下、薬液およびリンス液を総称する場合は「処理液」といい、溶剤蒸気および窒素ガスを総称する場合は「乾燥ガス」という。
この基板処理装置は、基板Wに対して互いに異なる複数種類の処理液を順次供給して各処理液ごとに湿式処理を施す処理ユニット1と、処理ユニット1の鉛直方向下方に処理ユニット1から湿式処理の実行ごとに順次放出される湿式処理後の処理液を処理液の種類ごとに分離回収する液回収ユニット2とを備えている。処理ユニット1は、基板Wを直立姿勢に立てた状態で保持する複数個の保持ローラ11(本発明の「基板保持手段」に相当)と、保持ローラ11に保持された基板Wと対向しながら離間配置される対向部材12A,12Bとを有している。この実施形態では、基板Wの表面Wf(パターン形成面)および裏面Wbに対して湿式処理および乾燥処理を施すために基板表面Wfと対向しながら対向部材12Aが離間配置されるとともに基板裏面Wbと対向しながら対向部材12Bが離間配置されている。このように、この実施形態では、基板Wの表面Wfおよび裏面Wbが本発明の「被処理面」に相当する。
保持ローラ11は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、基板Wの円周方向に沿って等角度間隔で配置されている。このため、基板Wは各保持ローラ11の側面にその周端面が当接した状態で直立姿勢で保持される。複数個の保持ローラ11は、基板Wを保持した状態で基板Wを水平方向Xに延びる所定の回転軸J(水平軸)回りに回転させるべく、回転自在に設けられている。複数個の保持ローラ11のうち少なくとも1個の保持ローラ11には、モータを含む保持ローラ回転機構13が接続されており、装置全体を制御する制御ユニット4からの動作指令に応じて保持ローラ回転機構13を作動させることで保持ローラ11の駆動力によって基板Wが回転されるようになっている。これにより、基板Wは複数個の保持ローラ11に直立姿勢で保持された状態で回転軸J回りに回転する。このように、この実施形態では、保持ローラ回転機構13が本発明の「基板回転機構」として機能する。
また、各保持ローラ11は基板Wの周端面を押圧する押圧状態と、基板Wの周端面から離れる解放状態との間を切り換え可能に構成されている。保持ローラ11には保持ローラ接離機構14が接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて保持ローラ接離機構14を作動させることで複数個の保持ローラ11を連動して押圧状態とし、または解放状態とすることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は保持ローラ接離機構14を作動させることで、保持ローラ11に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個の保持ローラ11を解放状態とし、基板Wに対して所定の表面処理を行う際には、複数個の保持ローラ11を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個の保持ローラ11は基板Wの周端面を挟持して基板Wを直立姿勢で保持することができる。
また、保持ローラ11に保持された基板Wの表裏面Wf,Wbにはそれぞれ、中心部に開口を有する円盤状の対向部材12A,12BがX方向に沿って移動自在に配置されている。対向部材12A,12Bには対向部材接離機構15A,15Bがそれぞれ連結されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて対向部材接離機構15A,15Bが作動することで対向部材12A,12Bが基板Wのごく近傍に設定された近接位置に移動したり(図1に示す位置)、逆に基板Wから離間した離間位置に移動するように構成されている。
2つの対向部材12A,12Bはともに同一構成を有しており、薬液供給ユニット16A〜16Cから洗浄またはエッチング処理に適した薬液の供給を受けて後述するように薬液処理を実行したり、リンス液供給ユニット17からDIWなどのリンス液の供給を受けて後述するようにリンス処理を実行する。また、対向部材12A,12Bは溶剤蒸気供給ユニット18およびガス供給ユニット19に接続されており、溶剤蒸気および窒素ガスの供給を受けて乾燥処理を実行する。より詳しくは、対向部材12A,12Bは以下のように構成されている。なお、両対向部材12A,12Bは同一構成であるため、ここでは対向部材12Aの構成を中心に説明し、対向部材12Bの説明を省略する。
この対向部材12Aは、側面121が基板W(基板表面Wf)と対向する基板対向面となっている。側面121の平面サイズは基板Wの直径と同等、好ましくは基板Wの直径よりも大きくなるように設定されている。このように側面121の平面サイズを基板Wの直径よりも大きくすることで基板Wの上方側の周縁部にも処理液を確実に行き渡らせて基板Wの表面処理の均一性を向上させることができる。また、近接位置に配置された対向部材12Aと基板Wとの間隔は1mm以下程度となるように設定される。
対向部材12Aの中心部にはX方向に管状に延びる供給部122が形成されている。供給部122の先端部、つまり側面121の中心部には供給口123が設けられており、供給口123から対向部材12Aの側面121と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間S11に薬液、リンス液、溶剤蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。すなわち、供給部122の基端部は、互いに異なる複数種類の薬液(この実施形態では3種類の薬液A〜C)を選択的に供給する薬液供給ユニット16A〜16Cと、DIWなどのリンス液を供給するリンス液供給ユニット17と、イソプロピルアルコール(IPA)の蒸気を供給する溶剤蒸気供給ユニット18と、窒素ガスを供給するガス供給ユニット19とに接続されている。なお、この実施形態では、対向部材12Aの側面121(基板対向面)の中心部に1つの供給口を設けているが、側面121に複数の供給口を設けるようにしてもよい。また、この実施形態では、間隙空間S11に処理液と乾燥ガスとを1つの供給口から供給しているが、間隙空間S11に処理液と乾燥ガスとを互いに異なる供給口から供給するように構成してもよい。いずれの構成でも、対向部材12Aの側面121に供給口を形成することで間隙空間S11に効率良く処理液および乾燥ガスを送り込むことができる。
そして、制御ユニット4からの動作指令に応じてこれら供給ユニット16A〜16C,17〜19を作動させることによって供給口123から間隙空間S11に薬液A〜C、リンス液、溶剤蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。なお、この実施形態では、溶剤蒸気供給ユニット18からIPA蒸気を供給しているが、エチルアルコールまたはメチルアルコール等のアルコール系溶剤の蒸気を供給するように構成してもよい。また、ガス供給ユニット19から窒素ガスを供給しているが、清浄な空気や他の不活性ガスなどを供給するように構成してもよい。
また、対向部材12Bも対向部材12Aと同一に構成されている。すなわち、側面121が基板W(基板裏面Wb)と対向する基板対向面となっており、制御ユニット4からの動作指令に応じて供給ユニット16〜19を作動させることによって、供給口123から対向部材12Bの側面121と基板表面Wbとに挟まれた間隙空間S12に薬液A〜C、リンス液、溶剤蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。
図3は間隙空間に薬液を供給したときの様子を示した図である。薬液供給ユニット16Aからの薬液Aが間隙空間S11,S12に供給されると、薬液Aの表面張力に起因する毛細管現象により間隙空間S11,S12の全体に広がり、間隙空間S11,S12が薬液Aにより液密に満たされる。これにより、基板の表裏面Wf,Wbに接液する薬液Aによって基板の表裏面Wf,Wbに対して薬液処理が施される。そして、間隙空間S11,S12に薬液Aが供給され続けることによって間隙空間S11,S12に存在する薬液が薬液供給ユニット16Aから供給されるフレッシュな薬液に置換しながら間隙空間S11,S12から押し出され除去されていく。このように、薬液を置換しながら薬液処理が実行されることで表面処理の面内均一性を向上させることができる。間隙空間S11,S12から押し出された薬液処理後の薬液Aは間隙空間S11,S12から薬液Aの自重により鉛直方向(Z方向)下向きに落下することで放出される。すなわち、間隙空間S11,S12と該間隙空間S11,S12の鉛直方向下方に位置する下方空間S2とを連通する連通部124から下方空間S2に向けて薬液Aが放出される。
上記においては薬液Aを間隙空間S11,S12に供給する場合について説明したが、薬液Aに代えて薬液B,Cおよびリンス液を間隙空間S11,S12に供給する場合も上記と同様である。例えば、リンス液供給ユニット17から間隙空間S11,S12にリンス液が供給されると、間隙空間S11,S12の全体がリンス液により液密に満たされる。そして、間隙空間S11,S12にリンス液が供給され続けることによって間隙空間S11,S12に存在するリンス液がリンス液供給ユニット17から供給されるリンス液によって間隙空間S11,S12から押し出され連通部124から鉛直方向下向きに落下する。このように、この実施形態では、薬液供給ユニット16A〜16Cおよびリンス液供給ユニット17が本発明の「液供給手段」として機能する。
また、リンス処理後に溶剤蒸気供給ユニット18を作動させることで対向部材12A,12Bの各々に形成された供給口123,123から基板の表裏面Wf,Wbに向けてIPA蒸気が吐出される。これにより、基板の表裏面Wf,Wbに付着するリンス液がIPAに置換されながら表裏面Wf,Wbから除去される。このように、リンス液をIPAに置換させることでIPAの揮発性により基板Wの乾燥を促進させることができる。また、IPA蒸気供給後にガス供給ユニット19を作動させることで対向部材12A,12Bの各々に形成された供給口123,123から基板の表裏面Wf,Wbに向けて窒素ガスが吐出される。これにより、基板の表裏面Wf,Wbから液体成分が吹き飛ばされ、基板Wが乾燥される。このように、この実施形態では、溶剤蒸気供給ユニット18およびガス供給ユニット19が本発明の「乾燥手段」として機能する。
次に、液回収ユニット2について説明する。液回収ユニット2は処理ユニット1の下方側に配置され、連通部124から順次放出される複数種類の処理液、つまり薬液A〜Cおよびリンス液を処理液の種類ごとに分離回収する。液回収ユニット2は複数種類の処理液、つまり薬液A〜Cおよびリンス液(廃液)に対応して複数の液回収槽21〜24を有している。複数の液回収槽21〜24の各々は、複数の液回収槽21〜24が配置される占有面積を小さくするため、扁平な箱形状に形成され、各液回収槽21〜24が水平方向(X方向)に沿って互いに隣接して配置されている。具体的には、複数の液回収槽21〜24は保持ローラ11に保持された基板Wの法線方向(X方向)に沿って配置されるとともに、各液回収槽21〜24は水平面内において基板Wの法線方向(X方向)におけるサイズが該基板Wの法線方向に直交する方向、つまり基板Wの径方向(Y方向)におけるサイズよりも小さく形成されている。すなわち、複数の液回収槽21〜24はX方向に沿って各液回収槽21〜24の短辺が位置するように整列して配置されている。
各液回収槽21〜24は上部に開口部を有し、その内部には処理液を回収するための回収空間が形成されている。各液回収槽21〜24の底部には、排液口(図示せず)が形成されており、各排液口は相互に異なるドレインに接続されている。例えばこの実施形態では、液回収槽21は薬液Aを用いた薬液処理後の使用済みの薬液Aを回収するための回収槽であり、薬液Aを回収して再利用するための回収ドレインに連通されている。また、液回収槽22は薬液Bを用いた薬液処理後の使用済みの薬液Bを回収するための回収槽であり、薬液Bを回収して再利用するための回収ドレインに連通されている。また、液回収槽23はリンス処理後の使用済みのリンス液を廃液するための廃液槽であり、廃棄処理のための廃棄ドレインに連通されている。さらに、液回収槽24は薬液Cを用いた薬液処理後の使用済みの薬液Cを回収するための回収槽であり、薬液Cを回収して再利用するための回収ドレインに連通されている。
また、液回収ユニット2はX方向に沿って移動自在とされている。液回収ユニット2は回収ユニット移動機構3に接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて回収ユニット移動機構3を駆動させることで液回収ユニット2をX方向に移動させることができる。そして、回収ユニット移動機構3の駆動により液回収ユニット2を段階的に移動させることで、連通部124から放出される処理液を処理液の種類に対応した回収位置に複数の液回収槽21〜24のひとつが選択的に配置される。これによって、連通部124から放出される処理液を液回収槽21〜24に分別して回収することが可能となっている。すなわち、薬液Aを用いた薬液処理時には、連通部124の直下(鉛直方向下方)に液回収槽21が位置(以下「薬液A回収位置」という)するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出された薬液Aが液回収槽21に回収される。また、薬液Bを用いた薬液処理時には、連通部124の直下に液回収槽22が位置(以下「薬液B回収位置」という)するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出された薬液Bが液回収槽22に回収される。また、リンス処理時には、連通部124の直下に液回収槽23が廃液のための回収位置(以下「廃液位置」という)に位置するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出されたリンス液が液回収槽23に集められる。さらに、薬液Cを用いた薬液処理時には、連通部124の直下に液回収槽24が位置(以下「薬液C回収位置」という)するように液回収ユニット2が移動される。これにより、連通部124から放出された薬液Cが液回収槽24に回収される。
次に、上記のように構成された基板処理装置における動作について図1ないし図3を参照しつつ説明する。基板搬送手段(図示せず)によって未処理の基板Wが装置内に搬入されると、制御ユニット4が装置各部を制御して本発明の「湿式処理工程」として薬液処理工程およびリンス工程を基板Wに対して実行した後、該基板Wに対して乾燥工程を実行する。ここでは、薬液処理として薬液A〜Cを基板Wに順次供給して基板Wを処理する場合について説明する。この実施形態では、基板Wは直立姿勢で装置内に搬入され、保持ローラ11が解放状態から押圧状態に切り換えられることによって基板Wが直立姿勢で保持される。なお、対向部材12A,12Bは離間位置にあり、基板Wとの干渉を防止している。
保持ローラ11に未処理の基板Wが保持されると、対向部材12A,12Bがそれぞれ近接位置まで水平移動され、基板Wの表裏面Wf,Wbに近接配置される(配置工程)。これにより、基板Wの表裏面Wf,Wbが両対向部材12A,12Bに近接した状態で覆われる。そして、液回収ユニット2を薬液A回収位置に移動させて基板Wに対して薬液Aを用いた薬液処理を実行する(薬液Aによる薬液処理工程)。すなわち、間隙空間S11,S12に薬液Aが液密に満たされた状態で供給されることで薬液Aが基板Wの表裏面Wf,Wbと面内において一様に接液する。したがって、薬液Aにより基板Wの表裏面Wf,Wbの全面が均一に処理される。このとき、基板Wを回転させることにより、間隙空間S11,S12に供給された薬液Aを径方向に広げながら間隙空間S11,S12内で薬液Aを攪拌させることができる。これにより、基板Wの表裏面Wf,Wbに対する薬液処理の面内均一性をさらに高めることができる。また、薬液供給ユニット16Aから間隙空間S11,S12に薬液Aが供給され続けることによって間隙空間S11,S12に存在する薬液Aが新たに供給される薬液Aに置換される。その結果、間隙空間S11,S12から押し出された薬液Aが連通部124を介してその自重によって鉛直方向(Z方向)下向きに放出される。そして、このように放出された薬液Aはすべて連通部124の直下に位置する液回収槽21に回収され、適宜再利用される。すなわち、連通部124から放出される薬液Aは、薬液Aが意図しない方向に飛散することなく液回収槽21に回収される。
所定時間の薬液Aを用いた薬液処理が終了すると、間隙空間S11,S12への薬液Aの供給を停止させる。そうすると、薬液Aがその表面張力によって間隙空間S11,S12に満たされた状態となるが、基板Wから対向部材12A,12Bを離間させることにより薬液Aの表面張力によって間隙空間S11,S12に保持された薬液Aの保持が解除される。これにより、間隙空間S11,S12に満たされた薬液Aが落下して液回収槽21に回収される。
続いて、液回収ユニット2を薬液B回収位置に移動させて基板Wに対して薬液Bを用いた薬液処理を実行する(薬液Bによる薬液処理工程)。すなわち、間隙空間S11,S12に薬液Bが液密に満たされ基板Wの表裏面Wf,Wbの全面が薬液Bによって均一に処理される。また、間隙空間S11,S12から押し出された薬液Bが連通部124を介して鉛直方向下向きに放出され、液回収槽22に回収される。
なお、薬液Bを用いた薬液処理の実行前に間隙空間S11,S12にリンス液(DIW)を供給して対向部材12A,12Bおよび基板Wに残留付着した薬液Aを洗い流すようにしてもよい。この場合、上記のように薬液Aの保持を解除した後のタイミングか、または薬液Aの供給を停止したタイミングで液回収ユニット2が廃液位置に移動された後、間隙空間S11,S12にリンス液が供給される。このとき、間隙空間S11,S12から連通部124を介して放出されるリンス液(薬液Aの残留成分を含む)は液回収槽23に集められ、廃棄される。これにより、薬液Bへの薬液Aの混入を確実に防止することができる。また、間隙空間S11,S12へのリンス液の供給に代えて、薬液Bを用いた薬液処理の実行開始後、しばらくは回収した薬液B(薬液Aの残留成分を含む)を廃棄するようにしてもよい。このようにしても、薬液Bへの薬液Aの混入を確実に防止することができる。
続いて、薬液Cを用いた薬液処理が薬液A,Bを用いた薬液処理と同様にして実行される(薬液Cによる薬液処理工程)。すなわち、液回収ユニット2が薬液C回収位置に移動された後、間隙空間S11,S12に薬液Cが液密に満たされ基板Wの表裏面Wf,Wbの全面が薬液Cによって均一に処理される。また、間隙空間S11,S12から押し出された薬液Cが連通部124を介して鉛直方向下向きに放出され、液回収槽24に回収される。なお、薬液Cへの薬液Bの混入を防止するため、上記と同様に薬液Cを用いた薬液処理の実行前に間隙空間S11,S12へのリンス液の供給を実行してもよいし、薬液Cを用いた薬液処理の実行開始後、しばらくは回収した薬液C(薬液Bの残留成分を含む)を廃棄するようにしてもよい。
こうして、薬液A〜Cを用いた薬液処理が終了すると、液回収ユニット2を廃液位置に移動させて基板Wに対してリンス処理を実行する(リンス工程)。すなわち、間隙空間S11,S12にリンス液(DIW)が液密に満たされた状態で供給され、間隙空間S11,S12に残留する薬液成分がリンス液によって洗い流される。また、間隙空間S11,S12にリンス液が供給され続けることによって間隙空間S11,S12から押し出されたリンス液が連通部124を介してその自重によって鉛直方向下向きに放出される。そして、このように放出されたリンス液はすべて連通部124の直下に位置する液回収槽23に集められ、廃棄される。
所定時間のリンス処理が終了すると、間隙空間S11,S12へのリンス液の供給を停止させる。そうすると、リンス液(DIW)がその表面張力によって間隙空間S11,S12に液密に満たされた状態となる。そして、この状態で乾燥処理を実行する(乾燥工程)。すなわち、基板Wを回転させながら間隙空間S11,S12にIPA蒸気を供給して間隙空間S11,S12に存在するリンス液をIPAに置換させながら間隙空間S11,S12から排出させる。ここで、処理液(リンス液)が自然落下する状態に基板Wが立てた姿勢で保持されているので、IPA蒸気の吐出によりリンス液を押し出すとともに該リンス液に作用する重力を利用して基板Wの表裏面Wf,Wbからリンス液を良好に除去することができる。また、間隙空間S11,S12に供給されるIPA蒸気により間隙空間S11,S12の内部圧力を高めてリンス液を押圧することで間隙空間S11,S12からリンス液を効率良く押し出すことができる。続いて、IPA蒸気の供給後に間隙空間S11,S12に窒素ガスを供給することによって基板Wの表裏面Wf,Wbに付着する液体成分を吹き飛ばして基板Wの表裏面Wf,Wbを乾燥させる。なお、乾燥処理の間、対向部材12A,12Bにより基板Wの表裏面Wf,Wbが覆われることによって、基板Wの表裏面Wf,Wb上の雰囲気(間隙空間S11,S12)が外部雰囲気と遮断された状態となっている。このため、基板Wの汚染を防止しながら基板Wを乾燥させることができる。基板Wの乾燥処理が終了すると、基板Wの回転が停止され対向部材12A,12Bが離間位置に配置された後、保持ローラ11による基板保持が解除され、処理済の基板Wが装置から搬出される。
以上のように、この実施形態によれば、薬液処理およびリンス処理時に処理液(薬液およびリンス液)が自然落下する状態に立てた状態で基板Wが保持されるが、間隙空間S11,S12に処理液が液密に満たされることで処理液が基板Wの表裏面Wf,Wbと面内において一様に接液する。したがって、省スペースな状態で処理液により基板Wの表裏面Wf,Wbを均一に処理することができる。また、処理液が自然落下する状態に基板Wが立てた姿勢で保持されているので、リンス処理後に基板Wを乾燥させる際に乾燥ガスの吐出によりリンス液を押し出すとともに該処理液(リンス液)に作用する重力を利用して基板Wの表裏面Wf,Wbからリンス液を良好に除去することができる。このため、液残りを発生させることなく基板Wを乾燥させることができる。特に、この実施形態では、基板Wを直立姿勢で保持しているのでリンス液を該リンス液の自重により効率的に基板Wから除去することが可能となっている。したがって、乾燥むらやパーティクル付着等の乾燥不良の発生を防止しながら基板Wを良好に乾燥させることができる。つまり、この実施形態によれば、処理液により基板Wの表裏面Wf,Wbを均一に処理(湿式処理)しながらも、乾燥不良の発生を防止して基板Wを良好に乾燥させることが可能となっている。
<第2実施形態>
図4はこの発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。また、図5は図4の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。この第2実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、間隙空間に処理液を供給するだけでなく、間隙空間に存在する処理液を吸引して間隙空間から除去することが可能となっている点である。なお、その他の構成および動作は第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この第2実施形態にかかる基板処理装置では、処理ユニット1Aは、基板表面Wfに近接しながら該基板表面Wfから離間配置された対向部材32Aと、基板裏面Wbに近接しながら該基板裏面Wbから離間配置された対向部材32Bとを備えている。また、第1実施形態と同様にして基板Wは複数個の保持ローラ(図示せず)によって直立姿勢に立てた状態で回転可能に保持されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて保持ローラ回転機構13を作動させることで基板Wは複数個の保持ローラ11に直立姿勢で保持されながら水平軸回りに回転する。
対向部材32Aには表面側供給機構33Aおよび表面側吸引機構34Aとが接続される一方、対向部材32Bには裏面側供給機構33Bおよび裏面側吸引機構34Bとが接続されている。なお、対向部材32A、表面側供給機構33Aおよび表面側吸引機構34Aと、対向部材32B、裏面側供給機構33Bおよび裏面側吸引機構34Bとはそれぞれ同一の構成を有しているため、ここでは対向部材32A、表面側供給機構33Aおよび表面側吸引機構34Aの構成を中心に説明し、対向部材32B、裏面側供給機構33Bおよび裏面側吸引機構34Bの説明を省略する。
対向部材32Aは、側面321が基板W(基板表面Wf)と対向する基板対向面となっている。側面321の平面サイズは基板Wの直径と同等、好ましくは基板Wの直径よりも大きくなるように設定されている。対向部材32Aの側面321には複数の供給口323と複数の吸引口324が形成されている。複数の吸引口324の各々は供給口323と異なる位置に、しかも供給口323と互いに隣接するように対向部材32Aの側面321に形成される。また、対向部材32Aには、各供給口323に連通する略円柱状の供給路325と、各吸引口324に連通する略円柱状の吸引路326とが、その厚み方向(水平方向)に貴通して形成されている。
表面側供給機構33Aは、ふっ酸などの薬液、DIWなどのリンス液、IPA蒸気および窒素ガスを供給路325を介して供給口323から対向部材32Aの側面321と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間S31に選択的に供給することができるように構成されている。すなわち、表面側供給機構33Aは、各供給路325に一端が接続された分岐接続管327と、分岐接続管327の他端が共通に接続された集合供給管328とを備えている。集合供給管328には、薬液供給管329、リンス液供給管330、IPA蒸気供給管331および窒素ガス供給管332が接続されている。薬液供給管329は、薬液が貯留された薬液タンク333から延びており、その途中部には、薬液タンク333から薬液を汲み出すための薬液ポンプ334と、この薬液供給管329を開閉する薬液バルブ335とが介装されている。リンス液供給管330には、図示しないリンス液供給源からのリンス液が供給されるようになっており、その途中部には、このリンス液供給管330を開閉するリンス液バルブ336が介装されている。IPA蒸気供給管331には、図示しないIPA蒸気供給源からのIPA蒸気が供給されるようになっており、その途中部には、このIPA蒸気供給管331を開閉するIPA蒸気バルブ337が介装されている。また、窒素ガス供給管332には、図示しない窒素ガス供給源からの窒素ガスが供給されるようになっており、その途中部には、この窒素ガス供給管332を開閉する窒素ガスバルブ338が介装されている。なお、薬液ポンプ334の駆動/駆動停止、薬液バルブ335、リンス液バルブ336、IPA蒸気バルブ337および窒素ガスバルブ338の開閉は制御ユニット4からの動作指令によって制御される。
この構成により、リンス液バルブ336、IPA蒸気バルブ337および窒素ガスバルブ338を閉じて、薬液バルブ335を開き、薬液ポンプ334を駆動することによって、薬液タンク333に貯留されている薬液を各供給口323から間隙空間S31に供給することができる。これにより、後述するように間隙空間S31を薬液により液密に満たして基板表面Wfに対して薬液処理を施すことが可能となっている。また、薬液バルブ335、IPA蒸気バルブ337および窒素ガスバルブ338を閉じて、リンス液バルブ336を開くことにより、リンス液供給源からのリンス液を各供給口323から間隙空間S31に供給することができる。これにより、後述するように間隙空間S31をリンス液により液密に満たして基板表面Wfに対してリンス処理を施すことが可能となっている。また、薬液バルブ335、リンス液バルブ336および窒素ガスバルブ338を閉じて、IPA蒸気バルブ337を開くことにより、IPA蒸気供給源からのIPA蒸気を各供給口323から間隙空間S31に供給することができる。さらに、薬液バルブ335、リンス液バルブ336およびIPA蒸気バルブ337を閉じて、窒素ガスバルブ338を開くことにより、窒素ガス供給源からの窒素ガスを各供給口323から間隙空間S31に供給することができる。これにより、後述するように乾燥ガス(IPA蒸気および窒素ガス)によりリンス液を基板表面Wfから除去して基板表面Wfを乾燥させることが可能となっている。このように、この実施形態では、薬液ポンプ334、薬液バルブ335、リンス液バルブ336が本発明の「液供給手段」として、IPA蒸気バルブ337および窒素ガスバルブ338が本発明の「乾燥手段」として機能する。
表面側吸引機構34Aは、各吸引路326に一端が接続された分岐接続管339と、分岐接続管339の他端が共通に接続された集合吸引管340とを備えている。集合吸引管340は、その先端(集合吸引管340における流体の流通方向の下流端)が集合吸引管340内を真空吸引するためのコンバム341に接続されている。また、集合吸引管340には、薬液回収管342が分岐して接続されている。この薬液回収管342の先端(薬液回収管342における流体の流通方向の上流側)は、薬液タンク333に接続されており、その途中部には、集合吸引管340側(薬液回収管342における流体の流通方向の下流側)から順に、薬液回収管342を開閉する回収バルブ343と、薬液回収管342を流通する流体(薬液)中の異物を除去するためのフィルタ344と、薬液回収管342に薬液を引き込むための回収ポンプ345とが介装されている。また、集合吸引管340には、薬液回収管342の接続部に対して先端側の位置に、この集合吸引管340を開閉する吸引バルブ346が介装されている。なお、コンバム341および回収ポンプ345の駆動/駆動停止、回収バルブ343および吸引バルブ346の開閉は制御ユニット4からの動作指令によって制御される。
この構成により、供給口323から薬液、リンス液、IPA蒸気または窒素ガスが間隙空間S31に供給されている状態で、回収バルブ343を閉じ、吸引バルブ346を開いて、コンバム341を駆動させることによって、供給口323から間隙空間S31に供給された薬液、リンス液、IPA蒸気または窒素ガスを吸引口324から吸引路326、分岐接続管339および集合吸引管340を介してコンバム341に吸引させることができる。また、供給口323から薬液が間隙空間S31に供給されている状態で、吸引バルブ346を閉じ、回収バルブ343を開いて、回収ポンプ345を駆動させることによって、供給口323から間隙空間S31に供給された薬液を吸引口324から吸引し、吸引路326、分岐接続管339および集合吸引管340および薬液回収管342を介して薬液タンク333に回収することができる。このように、この実施形態では、コンバム341、回収バルブ343、回収ポンプ345および吸引バルブ346が本発明の「液吸引手段」として機能する。
また、対向部材32Bも対向部材32Aと同一に構成されている。すなわち、対向部材32Bの側面321が基板W(基板裏面Wb)と対向する基板対向面となっており、制御ユニット4からの動作指令に応じて裏面側供給機構33Bを駆動制御、つまり薬液ポンプ334の駆動/駆動停止、薬液バルブ335、リンス液バルブ336、IPA蒸気バルブ337および窒素ガスバルブ338の開閉を制御することによって、供給口323から対向部材32Bの側面321と基板表面Wbとに挟まれた間隙空間S32に薬液、リンス液、IPA蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。さらに、制御ユニット4からの動作指令に応じて裏面側吸引機構34Bを駆動制御、つまりコンバム341および回収ポンプ345の駆動/駆動停止、回収バルブ343および吸引バルブ346の開閉を制御することによって、供給口323から間隙空間S32に供給された薬液、リンス液、IPA蒸気または窒素ガスを吸引口324からコンバム341に吸引させることができる。また、供給口323から間隙空間S32に供給された薬液を吸引口324から吸引し、薬液タンク333に回収することができる。
図6は図4の基板処理装置に装備された対向部材の側面を示す平面図である。対向部材32A(32B)の側面321において、例えば吸引口324は、一方向およびこれと直交する他方向にそれぞれ等間隔を隔てた行列状に整列して配置されている。そして、供給口323は吸引口324の周囲において、例えば、その吸引口324を中心とする正六角形の各頂点の位置に配置されている。これにより、図6に矢印で示すように、各供給口323から供給される薬液、リンス液、IPA蒸気または窒素ガスは、その供給口323に隣接する吸引口324(周囲の6つの供給口の中央に位置する吸引口324)に向けてほぼ均一に分散して流れる。
このように構成された装置では、未処理の基板Wが装置内に搬入され、保持ローラ11に保持されると、対向部材32A,32Bがそれぞれ近接位置まで水平移動される(配置工程)。そして、制御ユニット4が装置各部を制御して本発明の「湿式処理工程」として薬液処理工程およびリンス工程を基板Wに対して実行した後、該基板Wに対して乾燥工程を実行する。最初に間隙空間S31,S32に薬液が供給口323から供給されることによって間隙空間S31,S32に薬液が液密に満たされ、薬液が基板Wの表裏面Wf,Wbと面内において一様に接液する。また、供給口323から間隙空間S31,S32に供給された薬液が吸引口324から吸引される。これにより、間隙空間S31,S32の各部に局所的な薬液の流れが形成され、その流れによって間隙空間S31,S32に存在する薬液が供給口323から供給されるフレッシュな薬液に速やかに置換される。すなわち、間隙空間S31,S32の各部において薬液の置換が行われることによって間隙空間S31,S32の全体における薬液の置換を比較的短時間で行うことができる。その結果、薬液処理の面内均一性を向上させることができる。また、基板Wを回転させることにより、間隙空間S31,S32に存在する薬液を攪拌させることで基板Wの表裏面Wf,Wbに対する薬液処理の面内均一性をさらに高めることができる。
なお、薬液処理の間、吸引バルブ346は閉じられ、回収バルブ343が開かれるとともに回収ポンプ345が駆動されており、この回収ポンプ345の吸引力により各吸引口324から薬液が吸引される。そして、その吸引される薬液は薬液タンク333に回収される。このため、薬液を再利用することができ、薬液の消費量を低減することができる。
所定時間の薬液処理が終了すると、供給口323からの薬液の供給が停止されるとともに、回収ポンプ345が停止され、回収バルブ343が閉じられる。一方、吸引バルブ346が開かれるとともに、コンバム341が駆動される。そして、供給口323から間隙空間S31,S32にリンス液が供給され、間隙空間S31,S32がリンス液により液密に満たされる。また、間隙空間S31,S32に供給されたリンス液はコンバム341の吸引力により、吸引口324から吸引されてコンバム341へと導かれ、コンバム341から図示しない廃液設備へと廃棄される。これにより、間隙空間S31,S32にリンス液の流れが形成され、このリンス液の流れによって基板Wの表裏面Wf,Wbに付着している薬液がリンス液によって洗い流されていく。
所定時間のリンス処理が終了すると、供給口323からのリンス液の供給が停止されて、続いて乾燥処理が実行される。すなわち、供給口323からIPA蒸気が基板Wの表裏面Wf,Wbに向けて吐出される。このとき、吸引バルブ346が開かれ、コンバム341が駆動され続けている。したがって、供給口323から吐出されたIPA蒸気はコンバム341の吸引力により吸引口324から吸引されてコンバム341へと導かれ、コンバム341から図示しない廃液設備へと廃棄される。これにより、間隙空間S31,S32にはIPA蒸気の流れが形成され、このIPA蒸気によって基板Wの表裏面Wf,Wbの全面に付着しているリンス液がIPAに置換されながら間隙空間S11,S12から排出されていく。ここで、処理液(リンス液)が自然落下する状態に基板Wが立てた姿勢で保持されているので、IPA蒸気の吐出によりリンス液を押し出しながら該リンス液に作用する重力を利用してリンス液を基板Wの表裏面Wf,Wbから良好に除去することができる。
その後、供給口323からのIPA蒸気の供給が停止されて、その供給口323から窒素ガスが基板Wの表裏面Wf,Wbに向けて吐出される。このとき、吸引バルブ346が開かれ、コンバム341が駆動され続けている。したがって、供給口323から吐出された窒素ガスは吸引されてコンバム341へと導かれ、コンバム341から図示しない排気設備へと排気される。これにより、間隙空間S31,S32には、窒素ガスの流れが形成され、この窒素ガスの流れによって基板Wの表裏面Wf,Wbの全面に窒素ガスが供給され、この窒素ガスの供給およびIPAの揮発性によって基板Wの表裏面Wf,Wbが速やかに乾燥されていく。基板Wの乾燥処理が終了すると、供給口323からの窒素ガスの供給が停止されるとともに、コンバム341が停止される。その後、基板Wの回転が停止され対向部材32A,32Bが離間位置に配置された後、保持ローラ11による基板保持が解除され、処理済の基板Wが装置から搬出される。
以上のように、この実施形態によれば、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。すなわち、薬液処理およびリンス処理時に処理液(薬液およびリンス液)が自然落下する状態に立てた状態で基板Wが保持されるが、間隙空間S31,S32に処理液が液密に満たされることで、省スペースな状態で処理液により基板Wの表裏面Wf,Wbを均一に処理することができる。また、処理液が自然落下する状態に基板Wが立てた姿勢で保持されているので、リンス処理後に基板Wを乾燥させる際に乾燥ガスの吐出によりリンス液を基板Wの表裏面Wf,Wbから押し出すとともに該リンス液に作用する重力を利用して基板Wの表裏面Wf,Wbからリンス液を良好に除去することができる。このため、乾燥不良の発生を防止しながら基板Wを良好に乾燥させることができる。
さらに、この実施形態によれば、供給口323から間隙空間S31,S32に供給した処理液を吸引口324から吸引することにより、間隙空間S31,S32に局所的な処理液の流れを形成している。このため、間隙空間S31,S32の各部において処理液の置換が行われることによって間隙空間S31,S32の全体における処理液の置換を比較的短時間で行うことができる。その結果、処理液による湿式処理の面内均一性をさらに向上させることができる。
さらに、この実施形態によれば、間隙空間S31,S32に局所的な処理流体の流れを形成している。このため、間隙空間S31,S32の大きさをより小さくすることができる。すなわち、対向部材32Aの側面321と基板表面Wfとの距離および対向部材32Bの側面321と基板裏面Wbとの距離が60μm程度にて処理できる。そのため、使用される処理液の量もより少なくなり、結果的に処理液の置換も短時間で実行される。
<第3実施形態>
図7はこの発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、第1実施形態では処理液を供給する供給口と共通の開口から間隙空間に乾燥ガスを供給するように構成していたのに対し、この第3実施形態では処理液を供給する供給口と異なる開口から間隙空間に乾燥ガスを供給するように構成している点である。なお、その他の構成および動作は第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、処理ユニット1Bは、基板表面Wfに近接しながら該基板表面Wfから離間配置された対向部材42Aと、基板裏面Wbに近接しながら該基板裏面Wbから離間配置された対向部材42Bとを備えている。また、第1実施形態と同様にして基板Wは複数個の保持ローラ(図示せず)によって直立姿勢に立てた状態で回転可能に保持されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて保持ローラ回転機構13を作動させることで基板Wは複数個の保持ローラ11に直立姿勢で保持されながら水平軸回りに回転する。なお、両対向部材42A,42Bは同一構成であるため、ここでは対向部材42Aの構成を中心に説明し、対向部材42Bの説明を省略する。
図8は図7の基板処理装置に装備された対向部材の側面を示す平面図である。この対向部材42Aの側面421(基板対向面)には、その中心部に処理液供給口423が形成されるとともに、その上端部に基板表面Wfに向けて開口した複数のガス吐出口424および複数のガス吐出口425が形成されている。複数のガス吐出口424は側面421の上方の周縁部に周方向に沿って配置される一方、複数のガス吐出口425が側面421の上方の周縁部に周方向に沿って、しかもガス吐出口424の上方側に配置されている。また、対向部材42Aには、各ガス吐出口424に連通するガス供給路426と、各ガス吐出口425に連通するガス供給路427とが貴通して形成されている(図7)。すなわち、各ガス供給路426の先端側(基板側)にガス吐出口424が開口する一方、各ガス供給路427の先端側(基板側)にガス吐出口425が開口している。各ガス供給路426および各ガス供給路427はそれぞれ、基板Wに向けて水平方向に対して下方側に傾斜する方向に延びるように形成されている。また、処理液供給口423は処理液供給路422の先端(基板側)に開口している。
ガス供給路426の基端部(後端部)は溶剤蒸気供給ユニット(図示せず)と接続されており、溶剤蒸気供給ユニットからIPA蒸気が供給されると、ガス吐出口424から基板Wの上端部(基板Wの表裏面Wf,Wbの周縁部のうち上方に位置する表面部分)に向けてIPA蒸気が吐出される。また、ガス供給路427の基端部(後端部)はガス供給ユニット(図示せず)と接続されており、ガス供給ユニットから窒素ガスが供給されるとガス吐出口425から基板Wの上端部に向けて窒素ガスが吐出される。
この構成によれば、湿式処理(薬液処理およびリンス処理)後、次のようにして乾燥処理が実行される。すなわち、リンス処理後、リンス液(DIW)がその表面張力によって、対向部材32Aの側面421と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間S41および対向部材32Bの側面421と基板裏面Wbとに挟まれた間隙空間S42に液密に満たされた状態となっている。そして、このような状態でガス吐出口424からIPA蒸気を吐出させると、間隙空間S41,S42に供給されたIPA蒸気によってリンス液がIPAに置換されながら基板Wの上方側から下方側に向けて、つまりリンス液に作用する重力の方向に沿うようにリンス液が間隙空間S41,S42から押し出される。続いて、ガス吐出口425から窒素ガスを吐出させると、窒素ガスが基板Wの上方側から下方側に向けて該基板Wの表裏面Wf,Wbに吹き付けられ、表裏面Wf,Wbに付着する液体成分が吹き飛ばされて基板Wが乾燥する。
以上のように、この実施形態によれば、間隙空間S41,S42に供給された乾燥ガス(IPA蒸気および窒素ガス)により基板Wの上方側から下方側に向けて、つまりリンス液に作用する重力の方向に沿うようにリンス液が間隙空間S41,S42押し出される。このため、乾燥ガスとリンス液との界面(気液界面)を一定方向に移動させながら基板Wの表裏面Wf,Wbの表面領域を上方側から下方側に向けて順に乾燥させていくことができる。これにより、気液界面が乱れることによる乾燥むらや液残りが発生するのを防止することができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、基板Wの両面(表裏面Wf,Wb)を「被処理面」として基板Wの両面に対して湿式処理および乾燥処理を施しているが、これに限定されず、基板表面Wfを「被処理面」として基板表面Wfのみに対して湿式処理および乾燥処理を施してもよい。また、基板裏面Wbを「被処理面」として基板裏面Wbのみに対して湿式処理および乾燥処理を施してもよい。
また、上記実施形態では、基板Wを直立姿勢に立てた状態で湿式処理および乾燥処理を施しているが、これに限定されない。例えば、図9に示すように、基板Wの被処理面から処理液が自然落下する状態に基板Wを傾斜姿勢で保持しながら対向部材12A,12Bを基板Wの被処理面(表裏面Wf,Wb)に対向させながら近接配置してもよい(第4実施形態)。このような配置姿勢で湿式処理を実行しても、間隙空間S1,S2を処理液により液密に満たした状態で基板Wの表裏面Wf,Wbに対して処理を施すことで基板Wの表裏面Wf,Wbを均一に処理することができる。また、処理液が自然落下する状態に基板Wが傾斜姿勢で保持されているので、乾燥ガスの吐出により処理液を押し出すとともに該処理液に作用する重力を利用して処理液を基板Wの表裏面Wf,Wbから良好に除去することができる。
また、上記実施形態では、基板Wの回転により間隙空間に供給された処理液を攪拌させることで湿式処理の面内均一性を向上させているが、これに限定されない。例えば、図10に示すように基板Wを固定配置した状態で対向部材を水平軸回りに回転させるように構成してもよい(第5実施形態)。
この実施形態では、基板Wの被処理面に近接しながら離間配置された対向部材52が水平方向に延びる支持軸53により水平軸回りに回転自在に支持される。支持軸53には対向部材回転機構54が接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて対向部材回転機構54が作動することで対向部材52が水平軸回りに回転する。支持軸53の内部には水平方向に管状に延びる供給路522が形成されており、その先端部が供給口523となって対向部材52の側面521(基板対向面)に開口している。そして、供給口523から対向部材52の側面521と基板Wの被処理面とに挟まれた間隙空間S51に薬液、リンス液、溶剤蒸気および窒素ガスを選択的に供給可能となっている。
また、基板Wは2本の保持部材55(本発明の「基板保持手段」に相当)によって直立姿勢に立てた状態で保持される。2本の保持部材55は基板Wを両側から挟みこむようにして配置されている。各保持部材55の先端部には基板Wを保持するため、基板Wの被処理面と平行な方向に沿って基板Wの端縁部の一部と係合する切欠状の保持溝が形成されている。そして、各保持部材の保持溝に基板Wを係合させることで基板Wが直立姿勢に立てた状態で保持される。
この構成によれば、対向部材52が回転されながら間隙空間S51に液密に満たした状態で処理液(薬液およびリンス液)が供給され、基板Wの被処理面に対して湿式処理が施される。これにより、間隙空間S51内で処理液を攪拌させることができ、基板Wの被処理面に対する湿式処理の面内均一性を高めることができる。なお、この実施形態では保持部材55により基板Wを固定配置した状態で保持しているが、基板Wを保持ローラ11により回転させながら保持して対向部材52と基板Wの双方を回転させながら処理を実行してもよい。
また、上記実施形態では、2つの対向部材の側面(基板対向面)を単一の平面により構成しているが、これに限定されない。対向部材の側面の平面サイズは基板Wの周縁部にも処理液を確実に行き渡らせる観点から基板Wの直径よりも大きく設定することが好ましい。しかしながら、この場合には、対向部材の側面のうち基板Wの被処理面に対向する領域(以下「対向領域」という)と該基板Wの被処理面との間の間隔に比較して、一方の対向部材の側面のうち基板Wの被処理面に対向していない領域(以下「非対向領域」という)と他方の対向部材の非対向領域との間の間隔が大きくなってしまう。その結果、対向領域と基板Wの被処理面とに挟まれた空間と一方の対向部材の非対向領域と他方の対向部材の非対向領域とに挟まれた空間との間で毛細管現象による処理液の広がりに差異が生じる場合がある。そこで、図11に示すように、各対向部材の非対向領域を互いに近接させるように、すなわち対向領域と基板Wの被処理面との間の間隔G1と、一方の対向部材の非対向領域と他方の対向部材の非対向領域とに挟まれた空間との間の間隔G2とが等しくなるように対向部材の側面を構成することが好ましい。
また、上記第2実施形態では、供給口323から薬液、リンス液、IPA蒸気および窒素ガスを選択的に供給するように構成しているが、これに限定されず、処理液を供給する供給口と異なる開口から間隙空間に乾燥ガス(IPA蒸気および窒素ガス)を供給するように構成してもよい。例えば、第3実施形態と同様にして、対向部材32A,32Bの側面(基板対向面)の上端部のそれぞれに基板Wの表裏面Wf,Wbに向けて開口した複数のガス吐出口354(IPA蒸気吐出口)および複数のガス吐出口355(窒素ガス吐出口)を形成してもよい(図12)。この実施形態では、複数の供給口323(処理液供給口)および複数の吸引口324の上方位置にIPA蒸気を吐出する複数のガス吐出口354が設けられるとともに、複数のガス吐出口354の上方位置に窒素ガスを供給する複数のガス吐出口355が設けられている。このような構成によれば、第3実施形態と同様にして、基板Wの表裏面Wf,Wbの表面領域を上方側から下方側に向けて順に乾燥させていくことができ、乾燥不良の発生を防止することができる。
また、上記実施形態では、IPA蒸気と窒素ガスとを乾燥ガスとして用いて基板Wを乾燥させているが、これに限定されない。例えば、乾燥処理内容に応じて窒素ガスなどの不活性ガスや清浄な空気のみを乾燥ガスとして用いて基板Wを乾燥させるようにしてもよい。また、IPA蒸気などの溶剤蒸気のみを乾燥ガスとして用いて基板Wを乾燥させるようにしてもよい。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般に対して処理液を供給して所定の湿式処理を施した後に、湿式処理を受けた基板を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。 間隙空間に薬液を供給したときの様子を示した図である。 この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。 図4の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。 図4の基板処理装置に装備された対向部材の側面を示す平面図である。 この発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。 図7の基板処理装置に装備された対向部材の側面を示す平面図である。 この発明にかかる基板処理装置の第4実施形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第5実施形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の変形形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の変形形態を示す図である。
符号の説明
11…保持ローラ(基板保持手段)
12A,12B,32A,32B,42A,42B,52…対向部材
13…保持ローラ回転機構(基板回転機構)
16A〜16C…薬液供給ユニット(液供給手段)
17…リンス液供給ユニット(液供給手段)
18…溶剤蒸気供給ユニット(乾燥手段)
19…ガス供給ユニット(乾燥手段)
54…対向部材回転機構
55…保持部材(基板保持手段)
121,321,421…側面(基板対向面)
123,323,423…供給口
324…吸引口
334…薬液ポンプ(液供給手段)
335…薬液バルブ(液供給手段)
336…リンス液バルブ(液供給手段)
337…IPA蒸気バルブ(乾燥手段)
338…窒素ガスバルブ(乾燥手段)
341…コンバム(液吸引手段)
343…回収バルブ(液吸引手段)
345…回収ポンプ(液吸引手段)
346…吸引バルブ(液吸引手段)
354,355,424,425…ガス吐出口
S11,S12,S31,S32,S41,S42,S51…間隙空間
W…基板
Wb…基板裏面(被処理面)
Wf…基板表面(被処理面)

Claims (11)

  1. 基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に前記基板を立てた姿勢で保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された前記基板の被処理面と対向する基板対向面を有し、前記基板対向面が前記基板の被処理面に近接しながら該被処理面から離間配置された対向部材と、
    前記基板対向面と前記基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して前記間隙空間を前記処理液により液密に満たした状態で前記基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す液供給手段と、
    前記基板保持手段に保持された前記基板の被処理面に向けて乾燥ガスを吐出させて前記基板の被処理面に付着する前記湿式処理後の処理液を前記基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる乾燥手段と
    を備えたことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記基板保持手段は前記基板を直立姿勢で保持する請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記基板対向面に前記基板の被処理面に向けて開口した供給口が形成され、
    前記液供給手段は前記供給口から前記間隙空間に前記処理液を供給する請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記供給口が前記基板対向面に複数個形成される請求項3記載の基板処理装置であって、
    前記基板対向面に前記基板の被処理面に向けて開口した複数の吸引口が前記供給口と異なる位置に形成され、
    前記複数の供給口から前記間隙空間に供給された前記処理液を前記複数の吸引口から吸引する液吸引手段をさらに備える基板処理装置。
  5. 前記複数の吸引口の各々は各供給口と互いに隣接するように前記基板対向面に形成される請求項4記載の基板処理装置。
  6. 前記乾燥手段は前記供給口から前記間隙空間に前記乾燥ガスを供給する請求項3ないし5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 前記基板対向面の上端部に前記基板の被処理面に向けて開口したガス吐出口が前記供給口と異なる位置に形成され、
    前記乾燥手段は前記ガス吐出口から前記乾燥ガスを吐出させる請求項3ないし5のいずれかに記載の基板処理装置。
  8. 前記基板保持手段に保持された前記基板を回転させる基板回転機構をさらに備え、
    前記基板回転機構により前記基板を回転させながら前記液供給手段から前記間隙空間に前記処理液を供給する請求項1ないし7のいずれかに記載の基板処理装置。
  9. 前記対向部材を回転させる対向部材回転機構をさらに備え、
    前記対向部材回転機構により前記対向部材を回転させながら前記液供給手段から前記間隙空間に前記処理液を供給する請求項1ないし8のいずれかに記載の基板処理装置。
  10. 基板の被処理面と対向する基板対向面を有する対向部材を前記基板の被処理面に近接させながら該被処理面から離間配置する配置工程と、
    前記基板対向面と前記基板の被処理面とに挟まれた間隙空間に処理液を供給して前記間隙空間を前記処理液により液密に満たした状態で前記基板の被処理面に対して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、
    前記基板の被処理面に向けて乾燥ガスを吐出させて前記基板の被処理面に付着する前記湿式処理後の処理液を前記基板の被処理面から除去して該被処理面を乾燥させる乾燥工程と
    を備え、
    前記配置工程、前記湿式処理工程および前記乾燥工程は前記基板の被処理面から処理液が自然落下する状態に前記基板を立てた姿勢で保持されながら実行されることを特徴とする基板処理方法。
  11. 前記乾燥工程では、前記配置工程で配置された前記対向部材によって前記基板の被処理面が覆われた状態で前記基板の被処理面を乾燥させる請求項10記載の基板処理方法。
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JP2012137574A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Dainippon Printing Co Ltd 現像処理装置および現像処理方法

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