JP2007262343A - グリース組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のグリース組成物は、潤滑油基油と、増ちょう剤と、固体状モリブデン化合物とを含有し、セラミック製摺動部材と金属性摺動部材との潤滑に使用されることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
しかし、セラミック製摺動部材と金属製摺動部材との潤滑をグリースで行う報告はない。金属製摺動部材同士の潤滑に適したグリースが、必ずしもセラミック製摺動部材と金属製摺動部材との潤滑において十分な摩擦低減効果を発揮するとは限らない。
すなわち、本発明によれば、セラミック製摺動部材と金属性摺動部材との潤滑に使用されることを特徴とするグリース組成物であって、潤滑油基油と、増ちょう剤と、固体状モリブデン化合物とを含有するセラミックス−金属摺動部材間用のグリース組成物(以下、本発明の組成物と略記することがある)が提供される。
従って、本発明の組成物は、セラミック製摺動部材と金属製摺動部材とを備える、等速ジョイント、転がり軸受等の潤滑剤として有用である。
本発明の組成物に用いる潤滑油基油としては、鉱油、油脂または合成油が挙げられる。
鉱油としては、石油精製業の潤滑油製造プロセスで通常行われている方法により得られる鉱油を用いることができる。例えば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の1種または2種以上の精製手段を適宜組み合わせて得られるパラフィン系またはナフテン系等の鉱油を挙げることができる。
油脂としては、例えば、牛脂、豚脂、ひまわり油、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、あるいはこれらの水素添加物等が挙げられる。
合成油としては、例えば、ポリオレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油、ビフェニル油、ジフェニルアルカン油、ジ(アルキルフェニル)アルカン油、エステル油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル油;パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等のフッ素化合物、シリコーン油等が挙げられ、これらの中でも、摩擦特性の点からポリオレフィン油が好ましく用いられる。
これらの中でも、エチレンとプロピレンとの共重合体;エチレンと炭素数5〜12のα−オレフィンとの共重合体;ポリブテン、ポリイソブテン、または炭素数5〜12のα−オレフィンの重合体が好ましく、エチレンと炭素数5〜12のα−オレフィンの共重合体、炭素数5〜12のα−オレフィンの重合体がより好ましい。
エチレンと炭素数5〜12のα−オレフィンとの共重合体とは、エチレンと炭素数5〜12のα−オレフィン1種、もしくは2種以上が重合した共重合体をいい、炭素数5〜12のα−オレフィンの重合体とは、炭素数5〜12のα−オレフィン1種が重合した単独重合体、もしくは2種以上が重合した共重合体をいう。
エチレンと炭素数5〜12のα−オレフィンとの共重合体および炭素数5〜12のα−オレフィンの重合体の数平均分子量は500〜4000であることが好ましい。
潤滑油基油の含有量は、組成物全体基準で、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。潤滑油基油の含有量が60質量%未満であると、良好な潤滑性を得ることが困難となる恐れがある。また、潤滑油基油の含有量は組成物全体基準で、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。潤滑油基油の含有量が95質量%を超えると、グリース組成物を十分にグリース状にすることが困難となる恐れがある。
石けん系増ちょう剤としては、例えば、ナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん等が挙げられるが、これらの中でも、耐水性や熱安定性の点から、リチウム石けんが好ましい。リチウム石けんとしては、例えば、リチウムステアレートやリチウム−12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
ウレア系増ちょう剤としては、例えば、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物またはこれらの混合物等が挙げられる。
物、トリウレア化合物およびテトラウレア化合物は除く)、ウレア・ウレタン化合物、ジ
ウレタン化合物またはこれらの混合物等が挙げられる。好ましくはジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物またはこれらの混合物が挙げられる。更に具体的には、例えば、式(1)で表される化合物単独もしくはこれらの混合系が好ましい。
式(1)中、R1は2価の有機基を表し、好ましくは2価の炭化水素基を表す。かかる2価の炭化水素基としては、例えば、直鎖または分枝状のアルキレン基、直鎖または分枝状のアルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基等が挙げられる。R1で表される2価の有機基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜15である。
R1で表される2価の有機基の好ましい例としては、エチレン基、2,2−ジメチル−4−メチルヘキシレン基、並びに式(2)〜(11)で表される基が挙げられ、中でも式(3)、(5)で表される基が好ましい。
R2〜R5で表される炭素数6〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、直鎖または分枝状のアルキル基、直鎖または分枝状のアルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基等が挙げられる。より具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖または分枝状のアルキル基;ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等の直鎖または分枝状のアルケニル基;シクロヘキシル基;メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、イソプロピルシクロヘキシル基、1−メチル−3−プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アミルシクロヘキシル基、アミルメチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基、デシルシクロヘキシル基、ウンデシルシクロヘキシル基、ドデシルシクロヘキシル基、トリデシルシクロヘキシル基、テトラデシルシクロヘキシル基等のアルキルシクロヘキシル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トルイル基、エチルフェニル基、キシリル基、プロピルフェニル基、クメニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、プロピルナフチル基等のアルカリール基;ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基等のアラルキル基が挙げられる、これらの中でも、耐熱性および音響防止性の点から、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基およびアルカリール基が好ましい。
グリース組成物における固体成分は、以下の分離作業によって得られるものとして定義することができる。すなわち、5gのグリース組成物をn−ヘキサン50gに添加して攪拌する。この混合物に対し、遠心分離機を用い、30000Gで10分間程遠心分離操作を行う。この操作によって分離した液体を別の容器に移液する一方、残分にn−ヘキサン50gを加えて上記と同一条件下で遠心分離操作を再度行う。これにより分離した液体を先に分離した液体と混合する一方、残分にn−ヘキサン50gを加えて上記と同一条件下で3回目の遠心分離操作を行う。この3回目の操作での残分を、固体成分とする。
固体モリブデンジチオカーバメートは下記の構造式(12)で示される。
以上の有機基において、分枝異性体や置換異性体が存在するものは、それらもR6〜R9に含まれる。
本発明に用いることのできる硫黄系極圧剤としては、例えば、ジヒドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、チアゾール化合物およびチアジアゾール化合物を挙げることができる。中でもジヒドロカルビルポリサルファイド、硫化エステルが耐摩耗性の点から好ましい。
R10−Sx−R11 (13)
式(13)において、R10およびR11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜20の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアルカリール基あるいは炭素数6〜20のアラルキル基を表し、xは2〜6、好ましくは2〜5の整数を表す。
R10およびR11で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
R10およびR11で表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基を挙げることができ、これらの全ての構造異性体が挙げられる。
具体的には、好ましいアルキル基としては、イソプロピル基、プロピレン2量体から誘導される分枝状ヘキシル基、プロピレン3量体から誘導される分枝状ノニル基、プロピレン4量体から誘導される分枝状ドデシル基、プロピレン5量体から誘導される分枝状ペンタデシル基、プロピレン6量体から誘導される分枝状オクタデシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテン2量体から誘導される分枝状オクチル基、イソブチレン2量体から誘導される分枝状オクチル基、1−ブテン3量体から誘導される分枝状ドデシル基、イソブチレン3量体から誘導される分枝状ドデシル基、1−ブテン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基、イソブチレン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基を挙げることができ、これらの全ての構造異性体が挙げられる。
好ましいアリール基としては、フェニル基を挙げることができる。
好ましいアルカリール基としては、トリル基、エチルフェニル基、キシリル基を挙げることができ、これらの全ての構造異性体が挙げられる。
好ましいアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基を挙げることができ、これらの全ての構造異性体が挙げられる。
硫化エステルは、任意の硫黄含有量のものを使用できるが、耐摩耗性の点から、通常、硫黄含有量が2〜40質量%、好ましくは5〜35質量%のものを用いることが好ましい。
単体硫黄としては、塊状、粉末状、溶融液体状等いずれの形態のものを用いてもよいが、粉末状または溶融液体状のものは、鉱油への溶解を効率よく行うことができるので好ましい。なお、溶融液体状の単体硫黄を用いるときは、液体同士を混合することになるので溶解作業を非常に短時間で行うことができるという利点を有しているが、単体硫黄の融点以上で取り扱わねばならず、加熱設備等の特別な装置を必要としたり、高温雰囲気下での取り扱いとなるため危険を伴うなど取り扱いが必ずしも容易ではない。これに対して、粉末状の単体硫黄は、安価で取り扱いが容易であり、しかも溶解時間が十分に短いので特に好ましい。また、硫化鉱油中の硫黄含有量に特に制限はないが、通常硫化鉱油全量基準で好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
このようなベンゾチアゾール化合物としては、例えば、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(デシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(ドデシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ベンゾチアゾールが挙げられる。
このようなチアジアゾール化合物としては、例えば、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾールが挙げられる。
リン系極圧剤のうち、リン酸エステル、酸性リン酸エステルおよび亜リン酸エステルは、リン酸または亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
R21〜R23で示される炭素数1〜24の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基が挙げられ、アルキル基、アリール基、アルカリール基が好ましく、炭素数4〜18のアルキル基、炭素数7〜24のアルカリール基、フェニル基がより好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基が挙げられ、これらは直鎖状でも分枝状でも良い。
アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基が挙げられ、アルキル基のシクロアルキル基への置換位置は任意である。
アルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基が挙げられ、これらは直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である。
アルカリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルカリール基が挙げられ、アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が挙げられ、アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い。
Rとしては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
以上の有機基において、分枝異性体や置換異性体が存在するものは、それらもRに含まれる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基が挙げられ、これらの全ての分枝異性体も挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられ、これらの全ての分枝異性体も挙げられる。
また、式(23)のR32〜R34又は式(24)のR35〜R37は、それぞれ1〜2個が炭化水素基であることが好ましく、2個が炭化水素基であることがさらに好ましい。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基が挙げられる。
アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基が挙げられ、アルキル基のシクロアルキル基への置換位置は任意である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられ。
アルカリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルカリール基が挙げられ、アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、またアリール基への置換位置も任意である。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が挙げられ、アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い。
式(24)で表されるリン化合物としては、例えば、リン酸、モノチオリン酸;上記炭素数1〜30の炭化水素基を1つ有するリン酸モノエステル、モノチオリン酸モノエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を2つ有するリン酸ジエステル、モノチオリン酸ジエステル;またはこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルが好ましく、リン酸ジエステルがより好ましい。
固体潤滑剤としては、例えば、黒鉛、フッ化黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン、窒化ホウ素、メラミンシアヌレート、硫化アンチモン、アルカリ(土類)金属ホウ酸塩が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、天然ワックス、鉱油系または合成系の各種ワックスが挙げられ、具体的にはモンタンワックス、カルナウバワックス、高級脂肪酸のアミド化合物、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系化合物;ジアルキルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系化合物;硫黄系化合物;フェノチアジン系化合物等が挙げられる。
有機酸塩の塩基価は、好ましくは50〜500mgKOH/g、より好ましくは100〜450mgKOH/gである。有機酸塩の塩基価が50mgKOH/g未満の場合は有機酸塩の添加による潤滑性向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、塩基価が500mgKOH/gを超える有機酸塩は、通常、製造が非常に難しく入手が困難であるため、それぞれ好ましくない。
さび止め剤としては、例えば、金属石けん;ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール部分エステル;アミン;リン酸;リン酸塩等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等が挙げられる。
本発明の組成物は、セラミック製摺動部材と金属製摺動部材との間の摩擦を大幅に低減することができ、また、摺動部またはその近傍に配置される樹脂材料に対して十分な適合性を有する。かかる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリアセタール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、またはこれらの複合物が挙げられる。
本発明の組成物は、摺動部近傍に配置されるゴムに対しても高い適合性を有する。かかるゴムとしては、特に限定されないが、例えば、ニトリル、クロロプレン、フッ素、エチレン−プロピレン、アクリルまたはこれらの複合物が挙げられる。
実施例1〜8、比較例1及び2
表1に示す組成に従って、基油に、増ちょう剤原料としてのジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナートを加熱溶解させ、この中にその他の増ちょう剤原料を加えて反応させ、生成したゲル状物質に、固体状モリブデン化合物としての二硫化モリブデンおよび/またはモリブデンジチオカーバメート並びに添加剤を加えて攪拌し、グリースを調製した。得られたグリースをちょう度が300±15になるようロールミルで処理した。
基油は、100℃における動粘度が16.0mm2/sの溶剤精製パラフィン系鉱油又は100℃における動粘度が40.2mm2/sのポリ−α−オレフィンを用いた。増ちょう剤としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナートと、シクロヘキシルアミンおよびオクタデシルアルコールの反応物であるウレア−ウレタン系または、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナートと、シクロヘキシルアミンおよびp−トルイジンの反応物であるウレア系を用いた。
尚、表1中のポリサルファイドは極圧剤、ジ−t−ブチル−p−クレゾールは酸化防止剤、過塩基性カルシウムスルホネートは有機酸塩である。
SRV摩擦試験機を用い、上部摺動部材として直径10mmの窒化ケイ素球、下部摺動部材として径24mm、厚さ7.9mmのSUJ2ディスクを用いて試験を行った。摺動条件は荷重300N(試験開始後30秒は50N)、温度160℃、水平移動速度30mm/sにおいて往復運動させて、試験開始から300秒後の摩擦係数および試験終了後のディスク試験片の摩耗痕面積を測定した。結果を表1に示す。
表1から固体状モリブデン化合物を添加した実施例のグリースでは、セラミック製摺動部材と金属製摺動部材間の摩擦係数が大幅に低下し、摩耗痕面積も小さかった。
Claims (1)
- セラミック製摺動部材と金属性摺動部材との潤滑に使用されることを特徴とするグリース組成物であって、潤滑油基油と、増ちょう剤と、固体状モリブデン化合物とを含有するセラミックス−金属摺動部材間用のグリース組成物。
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