JP2005281457A - 等速ジョイント用グリース組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉛化合物を使用せずとも、耐フレーキング性、耐焼付き性および耐摩耗性を高水準でバランスよく達成することができ、且つそれらの性能を長期にわたって十分に維持することが可能な等速ジョイント用グリース組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、潤滑油基油と、増ちょう剤と、有機モリブデン化合物と、ポリテトラフロロエチレンと、メラミンシアヌレートと、を含有することを特徴とする。これにより、耐フレーキング性、耐焼付き性及び耐摩耗性の全てを高水準でバランスよく達成することができ、また、それらの特性を長期にわたって十分に維持することができるようになる。従って、本発明の等速ジョイント用グリース組成物によれば、鉛化合物を使用せずとも、等速ジョイントの高性能化を有効に実現することが可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は等速ジョイント用グリース組成物に関する。
等速ジョイントとは、自動車のミッションからタイヤへの駆動力伝達軸等の用途に使用されるジョイントである。等速ジョイントの種類としては、バーフィールドジョイント、ゼッパショジョイント、アンダーカットフリージョイント等の固定型等速ジョイントおよびダブルオフセットジョイント、トリポードジョイント、クロスグルーブジョイント等のスライド型等速ジョイント等がある。
等速ジョイントには耐フレーキング性、耐焼付き性、低摩擦性等の性能が求められる。そこで、これらの性能を確保すべく、等速ジョイント用グリースとしては、潤滑油基油とリチウム石けんやウレア系増ちょう剤からなる基グリースに、二硫化モリブデン、鉛化合物等の添加剤を配合したものが主に使用されている(例えば特許文献1、2を参照)。
特開平04−304300号公報 特開平06−57283号公報
近年、自動車の高性能化、小型・軽量化に伴い、等速ジョイントにかかる負荷は増大傾向にある。しかし、上記従来グリースの場合、耐フレーキング性、耐焼付き性、耐摩耗性、低摩擦性等の点で必ずしも十分とはいえず、負荷が大きい等速ジョイントにおいて高性能化及び長寿命化を達成するためには改善の余地がある。
また、上述のように、従来のグリースには添加剤として鉛化合物が使用されることがあるが、人体や環境に対する安全性から、鉛化合物はできるだけ使用しないことが望ましい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、鉛化合物を使用せずとも、耐フレーキング性、耐焼付き性および耐摩耗性を高水準でバランスよく達成することができ、且つそれらの性能を長期にわたって十分に維持することが可能な等速ジョイント用グリース組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、潤滑油基油と、増ちょう剤と、有機モリブデン化合物と、ポリテトラフロロエチレンと、メラミンシアヌレートとを含有することを特徴とする。
このように、上記特定のポリテトラフロロエチレンとメラミンシアヌレートと有機モリブデン化合物とを増ちょう剤とともに潤滑油基油に含有せしめることで、耐フレーキング性、耐焼付き性及び耐摩耗性の全てを高水準でバランスよく達成することができ、また、それらの特性を長期にわたって十分に維持することができるようになる。従って、本発明の等速ジョイント用グリース組成物によれば、鉛化合物を使用せずとも、等速ジョイントの高性能化を有効に実現することが可能となる。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、硫黄系極圧剤、リン系極圧剤及び亜鉛系極圧剤から選ばれる少なくとも1種を更に含有することが好ましい。これにより、耐フレーキング性、耐焼付き性および耐摩耗性を更に向上させることができるようになる。
また、本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、脂肪酸塩と炭酸塩との複合体であって、脂肪酸が炭酸塩により過塩基性化された複合体、並びに有機酸塩から選ばれる少なくとも1種を更に含有することが好ましい。これにより、耐フレーキング性および耐焼付き性を更に向上させることができるようになる。
本発明によれば、鉛化合物を使用せずとも、耐フレーキング性、耐焼付き性および耐摩耗性を高水準でバランスよく達成することができ、且つそれらの特性を長期にわたって十分に維持することが可能な等速ジョイント用グリース組成物が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物の潤滑油基油としては、鉱油及び/又は合成油を挙げることができる。鉱油としては、石油精製業の潤滑油製造プロセスで通常行われている方法により得られる鉱油、より具体的には、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの処理を1つ以上行って精製した鉱油が挙げられる。
また、合成油としては、具体的には、ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィンまたはこれらの水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ3−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネートなどのポリオールエステル;アルキルナフタレン;アルキルベンゼン、ポリオキシアルキレングリコール;ポリフェニルエーテル;ジアルキルジフェニルエーテル;シリコーン油;またはこれらの混合物が挙げられる。
潤滑油基油の100℃での動粘度は、好ましくは2〜40mm/s、より好ましくは3〜20mm/sである。また、潤滑油基油の粘度指数は、好ましくは90以上、より好ましくは100以上である。
また、増ちょう剤としては、金属石けん、複合金属石けん等の石けん系増ちょう剤、ベントン、シリカゲル、ウレア系増ちょう剤(ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物等)の非石けん系増ちょう剤などのあらゆる増ちょう剤が使用可能である。耐熱性の点からは、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物又はこれらの混合物が好ましい。
石けん系増ちょう剤としては、具体的に例えばナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん等が挙げられる。
また、ウレア系増ちょう剤としては、例えば、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物(ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物を除く)等のウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物等のウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられ、中でも、ジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物またはこれらの混合物が好ましい。
ウレア系増ちょう剤の好ましい例として、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。なお、一般式(1)で表される化合物は、ジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物及びジウレタン化合物を包含するものである。
A−CONH−R−NHCO−B (1)
一般式(1)中、Rは2価の有機基を表し、好ましくは2価の炭化水素基を表す。かかる2価の炭化水素基としては、具体的には、直鎖又は分枝状のアルキレン基、直鎖又は分枝状のアルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基等が挙げられる。Rで表される2価の有機基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜15である。
で表される2価の有機基の好ましい例としては、エチレン基、2,2−ジメチル−4−メチルヘキシレン基、並びに下記式(2)〜(11)で表される基が挙げられ、中でも式(3)、(5)で表される基が好ましい。
Figure 2005281457
Figure 2005281457
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また、一般式(1)中、A及びBは同一でも異なっていてもよく、それぞれ−NHR、−NR又は−ORで表される基を表す。ここで、R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基であり、好ましくは炭素数6〜20の1価の炭化水素基を表す。
、R、R、Rで表される炭素数6〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、直鎖又は分枝状のアルキル基、直鎖又は分枝状のアルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。より具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などの直鎖又は分枝状のアルキル基;ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等の直鎖又は分枝状のアルケニル基;シクロヘキシル基;メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、イソプロピルシクロヘキシル基、1−メチル−3−プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アミルシクロヘキシル基、アミルメチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基、デシルシクロヘキシル基、ウンデシルシクロヘキシル基、ドデシルシクロヘキシル基、トリデシルシクロヘキシル基、テトラデシルシクロヘキシル基等のアルキルシクロヘキシル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トルイル基、エチルフェニル基、キシリル基、プロピルフェニル基、クメニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、プロピルナフチル基等のアルキルアリール基;ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基などのアリールアルキル基等が挙げられる、これらの中でも、耐熱性及び音響防止性の点から、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基及びアルキルアリール基が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、OCN−R−NCOで表されるジイソシアネートと、RNH、RNH又はROHで表される化合物もしくはこれらの混合物とを、基油中、10〜200℃で反応させることにより得られる。なお、原料化合物を表す式中のR、R、R、R、Rは、それぞれ一般式(1)で表される化合物に係るR、R、R、R、Rと同義である。
一般式(1)で表される化合物の中でも、耐熱性の点から、式中のA及びBが−NHRである化合物、すなわち下記一般式(12)で表される化合物が特に好ましい。ここで、一般式(12)中、Rは2価の有機基、Rは1価の有機基をそれぞれ表し、上述のR及びRと等価である。
Figure 2005281457
増ちょう剤の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。増ちょう剤の含有量が2質量%未満であると、増ちょう剤の添加効果が不十分となり、グリース組成物を十分にグリース状にすることが困難となる。また、増ちょう剤の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。増ちょう剤の含有量が30質量%を超えると、グリース組成物が過剰に硬くなって十分な潤滑性能を得ることが困難となる。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、上記の潤滑油基油と増ちょう剤とに加えて、有機モリブデン化合物と、ポリテトラフロロエチレンと、メラミンシアヌレートとを必須成分として含有する。
ここで、本発明で用いられる有機モリブデン化合物としては、例えば下記一般式(13)で表されるリン酸又はチオリン酸エステルの誘導体、下記一般式(14)で表されるジチオカルバミン酸エステルの誘導体が挙げられる。
Figure 2005281457
Figure 2005281457
上記一般式(13)及び(14)において、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素基を表し、Xは同一でも異なっていてもよく、それぞれ酸素原子又は硫黄原子を表し、a、b、cはそれぞれ1〜6の整数を表す。
一般式(13)及び(14)中のRで表される炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜24のアルキルアリール基及び炭素数7〜12のアリールアルキル基が挙げられる。
上記アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基(全ての分枝異性体を含む)、ブチル基(全ての分枝異性体を含む)、ペンチル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘキシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘプチル基(全ての分枝異性体を含む)、オクチル基(全ての分枝異性体を含む)、ノニル基(全ての分枝異性体を含む)、デシル基(全ての分枝異性体を含む)、ウンデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ドデシル基(全ての分枝異性体を含む)、トリデシル基(全ての分枝異性体を含む)、テトラデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ペンタデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘキサデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘプタデシル基(全ての分枝異性体を含む)、オクタデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ノナデシル基(全ての分枝異性体を含む)、イコシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘンイコシル基(全ての分枝異性体を含む)、ドコシル基(全ての分枝異性体を含む)、トリコシル基(全ての分枝異性体を含む)、テトラコシル基(全ての分枝異性体を含む)等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
上記アルキルシクロアルキル基としては、具体的には、メチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
上記アリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記アルキルアリール基としては、具体的には、トリル基(全ての置換異性体を含む)、キシリル基(全ての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ペンチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ノニルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、デシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ドデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、トリデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、テトラデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ペンタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキサデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)等が挙げられる。
上記アリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基(全ての分枝異性体を含む)、フェニルブチル基(全ての分枝異性体を含む)などが挙げられる。
上記一般式(13)、(14)で表される化合物としては、具体的には、モリブデンフォスフェート、モリブデンチオフォスフェート、モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート等が挙げられる。
上記一般式(13)で表されるリン酸又はチオリン酸エステルの誘導体、及び下記一般式(14)で表されるジチオカルバミン酸エステルの誘導体は、通常リン酸エステル、チオリン酸エステル、ジチオカルバミン酸エステルと無機モリブデン化合物(三酸化モリブデン、モリブデン酸又はその塩など)を、必要に応じ硫黄源と共に、反応させて得られる化合物である。
なお、モリブデンは種々の価数を取り得るため、通常、上記反応により得られる化合物は混合物である。この中でも、最も典型的な化合物としては、下記式(15)及び(16)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005281457
Figure 2005281457
(式(15)、(16)中のR及びXはそれぞれ式(13)中のR及びX同一の定義内容を示す。)
本発明においては、有機モリブデン化合物として、上記一般式(13)、(14)で表される化合物のいずれか一方のみを用いてもよく、また、両者を混合して用いてもよいが、熱安定性の点からは、一般式(14)で表される化合物を用いることが好ましい
有機モリブデン化合物の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。有機モリブデン化合物の含有量が0.1質量%に満たない場合はグリースの耐フレーキング性、耐焼付き性及び耐摩耗性が不十分となる傾向にある。また、有機モリブデンの含有量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。当該含有量が20質量%を超える場合は添加量に見合うだけの耐フレーキング性、耐焼付き性および耐摩耗性が得られない傾向にある。
また、本発明で用いられるポリテトラフロロエチレンとは、炭素原子とフッ素原子とが高い結合エネルギーで結びついており、−(CF−CF−で表される構造を有する白色粉末である。白色粉末の一次粒子径は、通常0.1〜10μmである。このようなポリテトラフロロエチレンとしては、各種成形品、パイプ、シート等の素材に成形できるモールディングパウダー、懸濁重合あるいは乳化重合により得られるファインパウダー等があり、耐熱性、化学的不活性、低摩擦性等に優れる。
ポリテトラフロロエチレンの含有割合は特に限定されないが、グリース組成物全量を基準として、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。
また、本発明で用いられるメラミンシアヌレートとは、メラミン1モルと、シアヌル酸又はイソシアヌル酸1モルとの付加物であり、6員環構造のメラミン分子と、シアヌル酸又はイソシアヌル酸分子とが水素結合で強力に結合して平面状に配列し、その平面が互いに弱い結合力で層状に重なり合って、二硫化モリブデンやグラファイトのごとくへき開性を有している白色微粉末である。白色微粉末の一次粒子径は、通常0.5〜5μmである。
メラミンシアヌレートの製造法は任意であるが、例えば、メラミン水溶液と、シアヌル酸又はイソシアヌル酸との水溶液を混合することにより容易に白色沈殿として析出生成させて得ることができる。別の方法としては、メラミンと、シアヌル酸又はイソシアヌル酸の一方または両方とを水中に固相として分散させたものを用いて反応させることにより容易に得られる。
メラミンシアヌレートの含有割合は特に限定されないが、グリース組成物全量を基準として、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、潤滑油基油と、増ちょう剤と、有機モリブデン化合物と、ポリテトラフロロエチレンと、メラミンシアヌレートと、からなるものであってもよいが、硫黄系極圧剤、リン系極圧剤及び亜鉛系極圧剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。
硫黄系極圧剤としては、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、チアゾール化合物及びチアジアゾール化合物を挙げることができる。
ジハイドロカルビルポリサルファイドは、一般にポリサルファイド又は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物であり、具体的には下記一般式(17)で表される。
−S−R (17)
上記一般式(17)において、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアルキルアリール基あるいは炭素数6〜20のアリールアルキル基を表し、xは2〜6、好ましくは2〜5の整数を表す。
上記R及びRで表されるアルキル基としては、具体的には、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝ペンチル基、直鎖又は分枝ヘキシル基、直鎖又は分枝ヘプチル基、直鎖又は分枝オクチル基、直鎖又は分枝ノニル基、直鎖又は分枝デシル基、直鎖又は分枝ウンデシル基、直鎖又は分枝ドデシル基、直鎖又は分枝トリデシル基、直鎖又は分枝テトラデシル基、直鎖又は分枝ペンタデシル基、直鎖又は分枝ヘキサデシル基、直鎖又は分枝ヘプタデシル基、直鎖又は分枝オクタデシル基、直鎖又は分枝ノナデシル基、直鎖又は分枝イコシル基を挙げることができる。
及びRで表されるアリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
及びRで表されるアルキルアリール基としては、具体的には、トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝オクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝デシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、メチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)などを挙げることができる。
及びRで表されるアリールアルキル基としては、具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を含む)、フェニルプロピル基(全ての異性体を含む)などを挙げることができる。
及びRは、それぞれプロピレン、1−ブテン又はイソブチレンから誘導された炭素数3〜18のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数7〜8のアルキルアリール基、あるいは炭素数7〜8のアリールアルキル基であることが好ましい。
具体的には、好ましいアルキル基としては、イソプロピル基、プロピレン2量体から誘導される分枝状ヘキシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン3量体から誘導される分枝状ノニル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン4量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン5量体から誘導される分枝状ペンタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン6量体から誘導される分枝状オクタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)などを挙げることができる。また、好ましいアリール基としては、フェニル基を挙げることができる。また、好ましいアルキルアリール基としては、トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)などを挙げることができる。また、好ましいアリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基(全ての異性体を含む)などを挙げることができる。
さらに、R及びRは、耐フレーキング性、耐焼き付き性により優れることから、それぞれ別個に、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数3〜18の分枝状アルキル基であることがより好ましく、エチレン又プロピレンから誘導された炭素数6〜15の分枝状アルキル基であることが特に好ましい。
また、ジハイドロカルビルポリサルファイドとしては、任意の硫黄含有量のものを使用できるが、耐フレーキング性及び耐焼き付き性の点から、通常、硫黄含有量が10〜55質量%、好ましくは20〜50質量%のものを用いることが好ましい。
硫化エステルとしては、具体的には例えば、牛脂、豚脂、魚脂、菜種油、大豆油などの動植物油脂;不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸又は上記の動植物油脂から抽出された脂肪酸類などを含む)と各種アルコールとを反応させて得られる不飽和脂肪酸エステル;及びこれらの混合物などを任意の方法で硫化することにより得られるものが挙げられる。
また、硫化エステルとしては、任意の硫黄含有量のものを使用できるが、耐フレーキング性及び耐焼き付き性の点から、通常、硫黄含有量が2〜40質量%、好ましくは5〜35質量%のものを用いることが好ましい。
硫化鉱油とは、鉱油に単体硫黄を溶解させたものをいう。本発明に用いられる鉱油は特に制限されないが、具体的には、上記の潤滑油基油の例として挙げた鉱油系潤滑油基油が挙げられる。また、単体硫黄としては、塊状、粉末状、溶融液体状等いずれの形態のものを用いてもよいが、粉末状又は溶融液体状のものは、基油への溶解を効率よく行うことができるので好ましい。なお、溶融液体状の単体硫黄を用いるときは、液体同士を混合することになるので溶解作業を非常に短時間で行うことができるという利点を有しているが、単体硫黄の融点以上で取り扱わねばならず、加熱設備などの特別な装置を必要としたり、高温雰囲気下での取り扱いとなるため危険を伴うなど取り扱いが必ずしも容易ではない。これに対して、粉末状の単体硫黄は、安価で取り扱いが容易であり、しかも溶解時間が十分に短いので特に好ましい。また、硫化鉱油中の硫黄含有量に特に制限はないが、通常硫化鉱油全量基準で好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
チアゾール化合物としては、下記一般式(18)、(19)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005281457
Figure 2005281457
(式(18)、(19)中、R及びR10はそれぞれ水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基又はアミノ基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、d及びeは0〜3の整数を表す]
これらの中でも、上記一般式(19)で表されるベンゾチアゾール化合物が特に好ましい。ここで、上記一般式(19)中のR10は前述の通り水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基又はアミノ基を表ずものであるが、R10は水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基であることがより好ましい。また、上記一般式(19)中のR11は前述の通り水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表すものであるが、R11は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜2の炭化水素基であることがより好ましい。さらに、上記一般式(19)中のeは前述の通り0〜3の整数を表すものであるが、eは0〜2であることが好ましい。このようなベンゾチアゾール化合物の具体例としては、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(デシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(ドデシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
チアジアゾール化合物としては、下記一般式(20)で表される1,3,4−チアジアゾール化合物、下記一般式(21)で表される1,2,4−チアジアゾール化合物、並びに下記一般式(22)で表される1,4,5−チアジアゾール化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005281457
Figure 2005281457
Figure 2005281457
[上記式(20)、(21)、(22)中、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、c、d、e、f、g及びhは同一でも異なっていてもよく、それぞれ0〜8の整数を表す]
ここで、上記一般式(20)〜(22)中のR12、R13、R14、R15、R16及びR17は、前述の通りそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表すものであるが、R12、R13、R14、R15、R16及びR17はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基であることがより好ましい。また、上記一般式(7)〜(9)中のc、d、e、f、g及びhは前述の通りそれぞれ0〜3の整数を表すものであるが、c、d、e、f、g及びhはそれぞれ0〜2の整数であることが好ましい。このようなチアジアゾール化合物の具体例としては、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾールなどが挙げられる。
本発明で用いる硫黄系極圧剤としては、耐フレーキング性、耐焼付き性および耐摩耗性の点から、上記した中でもジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステルであることがさらにより好ましい。
これらの硫黄系極圧剤を本発明の等速ジョイント用グリース組成物に含有させる場合、その含有量は特に制限されないが、組成物基準で、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
また、リン系極圧剤としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステル及びホスフォロチオネートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記リン系極圧剤のうち、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩及び亜リン酸エステルは、リン酸又は亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
ホスフォロチオネートは、下記一般式(23)で表される化合物である。
Figure 2005281457
[式中、R18、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24の炭化水素基を示す]
18、R19及びR20で示される炭素数1〜24の炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基を挙げることができる。また上記アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である)が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を挙げることができる。また上記アルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である)が挙げられる。
アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
上記R18、R19及びR20で示される炭素数1〜24の炭化水素基は、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基であることが好ましく、炭素数4〜18のアルキル基、炭素数7〜24のアルキルアリール基、フェニル基がより好ましい。
一般式(23)で表されるホスフォロチオネートとしては、具体的には、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
これらのリン系極圧剤を本発明の等速ジョイント用グリース組成物に含有させる場合、その含有量は特に制限されないが、組成物基準で、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
また、亜鉛系極圧剤としては、例えば、下記一般式(24)で表されるジチオリン酸亜鉛化合物、下記一般式(25)で表されるジチオカルバミン酸亜鉛化合物、下記一般式(26)又は(27)で表されるリン化合物の亜鉛塩等が挙げられる。
Figure 2005281457
(式(24)中、R21、R22、R23及びR24は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素基を表す。)
Figure 2005281457
(式(25)中、R25、R26、R27及びR28は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素基を表す。)
Figure 2005281457
[式(26)中、Yはそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表し、3つのYの少なくとも2つは酸素原子であり、R29、R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す]
Figure 2005281457
[式(27)中、Yはそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表し、4つのYの少なくとも3つは酸素原子であり、R32、R33及びR34は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。
上記一般式(24)、(25)中のR21〜R28で表される炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜24のアルキルアリール基及び炭素数7〜12のアリールアルキル基が挙げられる。
かかるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基(全ての分枝異性体を含む)、ブチル基(全ての分枝異性体を含む)、ペンチル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘキシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘプチル基(全ての分枝異性体を含む)、オクチル基(全ての分枝異性体を含む)、ノニル基(全ての分枝異性体を含む)、デシル基(全ての分枝異性体を含む)、ウンデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ドデシル基(全ての分枝異性体を含む)、トリデシル基(全ての分枝異性体を含む)、テトラデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ペンタデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘキサデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘプタデシル基(全ての分枝異性体を含む)、オクタデシル基(全ての分枝異性体を含む)、ノナデシル基(全ての分枝異性体を含む)、イコシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘンイコシル基(全ての分枝異性体を含む)、ドコシル基(全ての分枝異性体を含む)、トリコシル基(全ての分枝異性体を含む)、テトラコシル基(全ての分枝異性体を含む)等が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等を挙げることができる。
また、アルキルシクロアルキル基としては、具体的には、メチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
アルキルアリール基としては、例えば、トリル基(全ての置換異性体を含む)、キシリル基(全ての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ペンチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ノニルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、デシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ドデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、トリデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、テトラデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ペンタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキサデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)等が挙げられる。
アリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基(全ての分枝異性体を含む)、フェニルブチル基(全ての分枝異性体を含む)等が挙げられる。
また、上記一般式(26)又は(27)で表されるリン化合物の亜鉛塩に関し、式中のR29〜R34で表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
上記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基を挙げることができる。また上記アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である)が挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を挙げることができる。また上記アルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である)が挙げられる。
上記アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
29〜R34で表される炭素数1〜30の炭化水素基は、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜24のアリール基であることが好ましく、更に好ましくは炭素数3〜18のアルキル基、更に好ましくは炭素数4〜12のアルキル基である。
29、R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は上記炭化水素基を表すが、R29、R30及びR31のうち、1〜3個が上記炭化水素基であることが好ましく、1〜2個が上記炭化水素基であることがより好ましく、2個が上記炭化水素基であることがさらに好ましい。
また、R32、R33及びR34は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は上記炭化水素基を表すが、R32、R33及びR34のうち、1〜3個が上記炭化水素基であることが好ましく、1〜2個が上記炭化水素基であることがより好ましく、2個が上記炭化水素基であることがさらに好ましい。
一般式(26)で表されるリン化合物において、3個のYのうちの少なくとも2つは酸素原子であることが必要であるが、全てのYが酸素原子であることが好ましい。
また、一般式(27)で表されるリン化合物において、4個のYのうちの少なくとも3つは酸素原子であることが必要であるが、全てのYが酸素原子であることが好ましい。
一般式(26)で表されるリン化合物としては、例えば、亜リン酸、モノチオ亜リン酸;上記炭素数1〜30の炭化水素基を1つ有する亜リン酸モノエステル、モノチオ亜リン酸モノエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を2つ有する亜リン酸ジエステル、モノチオ亜リン酸ジエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を3つ有する亜リン酸トリエステル、モノチオ亜リン酸トリエステル;及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステルが好ましく、亜リン酸ジエステルがより好ましい。
また、一般式(27)で表されるリン化合物としては、例えば、リン酸、モノチオリン酸;上記炭素数1〜30の炭化水素基を1つ有するリン酸モノエステル、モノチオリン酸モノエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を2つ有するリン酸ジエステル、モノチオリン酸ジエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を3つ有するリン酸トリエステル、モノチオリン酸トリエステル;及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルが好ましく、リン酸ジエステルがより好ましい。
一般式(26)又は(27)で表されるリン化合物の亜鉛塩は、リン化合物のOH基あるいはSH基の数に応じその構造が異なり、従ってその構造については何ら限定されない。例えば、酸化亜鉛1molとリン酸ジエステル(OH基が1つ)2molを反応させた場合、下記式(28)で表される構造の化合物が主成分として得られると考えられるが、ポリマー化した分子も存在していると考えられる(式中のRは炭素数1〜30の炭化水素基を表す)。
Figure 2005281457
また、例えば、酸化亜鉛1molとリン酸モノエステル(OH基が2つ)1molとを反応させた場合、下記式(29)で表される構造の化合物が主成分として得られると考えられるが、ポリマー化した分子も存在していると考えられる(式中のRは炭素数1〜30の炭化水素基を表す)。
Figure 2005281457
また、本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、脂肪酸塩と炭酸塩との複合体であって前記脂肪酸が前記炭酸塩により過塩基性化された複合体(以下、「炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩」という)、並びに有機酸塩から選ばれる少なくとも1種を更に含有することが好ましい。
炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩は、脂肪酸塩中に炭酸塩を分散させることにより、脂肪酸塩を炭酸塩で過塩基性化したものである。
炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩を構成する脂肪酸塩に関し、脂肪酸としては直鎖状のものでも分岐鎖状のものでも良い。また、脂肪酸は飽和のものでも不飽和のものでも良いが、基油への溶解性の点から、不飽和脂肪酸であることが好ましい。不飽和結合の数についても特に限定は無いが、1つであることが好ましい。さらに、脂肪酸の炭素数は特に制限されないが、炭酸塩の微粒子の分散性の点から、炭素数10〜25のものが好ましい。
本発明の炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩で用いられる脂肪酸の好ましいものの具体例としては、オレイン酸(炭素数18、不飽和結合1つ)、エルカ酸(炭素数22、不飽和結合1つ)、リノール酸(炭素数18、不飽和結合2つ)、リノレン酸(炭素数18、不飽和結合3つ)等が挙げられ、これらの中でもオレイン酸がより好ましい。
また、炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩を構成する脂肪酸塩としては、上記した脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられるが、マグネシウム、バリウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩であることが好ましく、カルシウム塩であることがより好ましい。
また、炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩を構成する炭酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられ、より具体的にはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等が挙げられるが、アルカリ土類金属塩であることが好ましく、カルシウム塩であることがより好ましい。
炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩において、炭酸塩は微粒子として存在する。この場合の粒子径について特に制限はないが、より十分な耐フレーキング性能、耐焼き付き性能を付与することができる点から、平均粒子径が50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、300nm以上であることがさらにより好ましく、500nm以上であることがさらにより一層好ましく、1000nm以上であることが特に好ましく、2000nm以上であることが最も好ましい。なお、ここでいう平均粒子径とは、動的光散乱式粒度分布系で測定し、マルカット(Marquadt)法で算出した平均粒子径を意味する。
本発明の炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩において、脂肪酸塩と炭酸塩との混合比は特に制限されないが、耐フレーキング性及び耐焼付き性を更に向上させる点から、脂肪酸塩100重量部に対して、炭酸塩が好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上、更に好ましくは30重量部以上、一層好ましくは40重量部以上、特に好ましくは50重量部以上である。また、潤滑油基油への溶解性の点から、脂肪酸塩100重量部に対して、炭酸塩が好ましくは1000重量部以下、より好ましくは500重量部以下、更に好ましくは400重量部以下、一層好ましくは300重量部以下、特に好ましくは200重量部以下である。
炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の製造方法は任意であるが、具体的には例えば、上記した脂肪酸塩をキャリアオイルに溶解させ、アルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基等を存在させた系に、炭酸ガスを吹き込むことによって製造できる。ここでいう、キャリアオイルとしては、本発明の等速ジョイント用グリース組成物の潤滑油基油として挙げたものなどが使用できる。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属の塩基としては、水酸化物、酸化物等が挙げられ、より具体的には水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム等が挙げられる。
なお、本発明における炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩は、通常上記キャリアオイルに溶解させた状態で得られるが、潤滑油基油への溶解性の点から、上記脂肪酸塩と炭酸塩との合計量100重量部に対して、キャリアオイルは、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、特に好ましくは25重量部以上である。また、上記脂肪酸塩と炭酸塩との合計量100重量部に対して、キャリアオイルは、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは700重量部以下、更に好ましくは500重量部以下、特に好ましくは400重量部以下である。
また、炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の製造工程においては、炭酸塩微粒子の生成を促進させるために、メタノール類を反応系中に添加しても良い。
さらに、本発明の炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩としては、脂肪酸塩とスルホン酸塩などの他の有機酸塩との混合物を過塩基性化したものを用いても良い。
本発明における炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは0.05質量%、より好ましくは0.1質量%である。炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の含有量が0.05質量%に満たない場合には、炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の添加による耐フレーキング性及び耐焼付き性の向上効果が不十分となる傾向にある。また、炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5.0質量%である。炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の含有量が10質量%を超えると、添加量に見合うだけの耐フレーキング性及び耐焼き付き性の向上効果が得られない傾向にある。なお、ここでいう炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の含有量とは、上記キャリアオイル等を除いた脂肪酸塩の含有量と炭酸塩の含有量との合計量である。
また、本発明の炭酸塩分散過塩基性脂肪酸塩の塩基価については特に制限はないが、より耐フレーキング性、耐焼き付き性に優れることから、キャリアオイルに溶解した状態で、通常50mgKOH/g以上、好ましくは100mgKOH/g以上、より好ましくは150mgKOH/g以上、さらにより好ましくは200mgKOH/g以上、最も好ましくは250mgKOH/g以上である。上限値については特に制限はないが、一般には600mgKOH/g以下である。なお、ここでいう塩基価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和試験方法」の6.に準拠した塩酸法により測定される塩基価(mgKOH/g)をいう。
また、有機酸塩としては、スルフォネート、フェネート、サリシレート、並びにこれらの混合物が好ましく用いられる。これらの有機酸塩の陽性成分としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;アンモニア、炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキルアミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミンなど)、炭素数1〜3のアルカノール基を有するアルカノールアミン(モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンなど)などのアミンなどが挙げられる。これらの中でもアルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、カルシウムが特に好ましい。有機酸塩の陽性成分がアルカリ金属又はアルカリ土類金属であると、より高い潤滑性が得られる傾向にある。
有機酸塩の塩基価は、好ましくは50〜500mgKOH/gであり、より好ましくは100〜450mgKOH/gである。有機酸塩の塩基価が100mgKOH/g未満の場合は有機酸塩の添加による潤滑性向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、塩基価が500mgKOH/gを超える有機酸塩は、通常、製造が非常に難しく入手が困難であるため、それぞれ好ましくない。なお、ここでいう塩基価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による塩基価[mgKOH/g]をいう。
また、有機酸塩の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜25質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。有機酸塩の含有量が前記下限値未満の場合、有機酸塩の添加による耐フレーキング性及び耐焼き付き性の向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えるとグリース組成物の安定性が低下して析出物が生じやすくなる傾向にある。
スルフォネートは、任意の方法によって製造されたものが使用可能である。例えば、分子量100〜1500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩及びこれらの混合物などが使用できる。ここでいうアルキル芳香族スルフォン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化したものや、ホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸などの石油スルフォン酸や、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる直鎖状又は分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンをスルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレンなどのアルキルナフタレンをスルフォン化したものなどの合成スルフォン酸などが挙げられる。また、上記のアルキル芳香族スルフォン酸と、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミンなど)とを反応させて得られるいわゆる中性(正塩)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られるいわゆる塩基性スルフォネート;炭酸ガスの存在下で中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンならびにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネートとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;及びこれらの混合物などが挙げられる。
また、フェネートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下又は不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有するアルキルフェノールと、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミンなど)とを反応させることにより得られる中性フェネート;中性フェネートと過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られる、いわゆる塩基性フェネート;炭酸ガスの存在下で中性フェネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;中性フェネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンならびにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネートとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させることによって製造される、いわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;及びこれらの混合物などが挙げられる。
さらに、サリシレートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下又は不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有するアルキルサリチル酸と、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミンなど)とを反応させることにより得られる中性サリシレート;中性サリシレートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られるいわゆる塩基性サリシレート;炭酸ガスの存在下で中性サリシレートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;中性サリシレートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンならびにホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)金属サリシレートとホウ酸又は無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;及びこれらの混合物などが挙げられる。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物の混和ちょう度は、好ましくは220以上、より好ましくは265以上である。混和ちょう度が220に満たない場合は、グリースとして過剰に硬くなり、本発明による効果が十分に発揮されない傾向にある。また、当該混和ちょう度は、好ましくは430以下、より好ましくは400以下である。混和ちょう度が430を超えると、グリースが過剰に軟らかくなり、等速ジョイントへのグリース組成物の封入が困難となる傾向にある。なお、ここでいう混和ちょう度とは、JIS K2220「グリース」の5.3「ちょう度試験方法」により測定される60回往復混和した直後のちょう度をいう。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、その性質を損ねることがない限り、さらに性能を向上させるために必要に応じて固体潤滑剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、粘度指数向上剤などを含有させることができる。
固体潤滑剤としては具体的には例えば、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、カーボンブラック、二硫化モリブデン、硫化アンチモン、アルカリ(土類)金属ほう酸塩などが挙げられる。
酸化防止剤としては具体的には、2、6−ジ−t−ブチルフェノール、2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフエノール系化合物;ジアルキルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミンなどのアミン系化合物;硫黄系化合物;フェノチアジン系化合物などが挙げられる。
油性剤としては具体的には、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどのアミン類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸類;ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチルなどの脂肪酸エステル類;ラウリルアミド、ミリスチルアミド、パルミチルアミド、ステアリルアミド、オレイルアミドなどのアミド類;油脂などが挙げられる。
さび止め剤としては具体的には、金属石けん類;ソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコール部分エステル類;アミン類;リン酸;リン酸塩などが挙げられる。
粘度指数向上剤としては具体的には、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレンなどが挙げられる。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物を調製するには、例えば潤滑油基油に、増ちょう剤、平均粒子径が500nm以下のカーボンブラック、有機モリブデン化合物、並びに必要に応じてその他の添加剤を混合して撹拌し、ロールミル等を通すことにより得ることができる。また、潤滑油基油に予め増ちょう剤の原料成分を添加して溶融し、撹拌混合することにより、潤滑油基油中で増ちょう剤を調製した後に、平均粒子径が500nm以下のカーボンブラック及び有機モリブデン化合物、並びに必要に応じてその他の添加剤を混合撹拌し、ロールミル等を通すことにより製造することもできる。
上記構成を有する本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、耐フレーキング性、耐焼付き性、耐摩耗性及び低摩擦性に優れるものであり、等速ジョイントの高性能化及び長寿命化を高水準で達成可能とするものである。本発明の等速ジョイント用グリース組成物が適用される等速ジョイントは特に制限されないが、例えば、バーフィールドジョイント、ゼッパジョイント、アンダーカットフリージョイント等の固定型等速ジョイント及びダブルオフセットジョイント、トリポードジョイント、クロスグルーブジョイント等のスライド型等速ジョイント等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜4]
実施例1〜6及び比較例1〜4においては、潤滑油基油として40℃での動粘度が126mm2/sの溶剤精製パラフィン系鉱油を用い、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネートを当該基油に加熱溶解させ、これに表1〜3に示す各種アミン及びアルコールを同基油に加熱溶解させたものを加えた。次いで、生成したゲル状物質に表1〜3に示す各種添加剤を加え、攪拌した後にロールミルに通してグリース組成物を得た。
また、実施例7では、増ちょう剤として、ジイソシアネート、アルコール及びアミンの代わりに12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを潤滑油基油に加えた。次いで、表2に示す各種添加剤を加え、攪拌した後にロールミルに通してグリース組成物を得た。
なお、表1〜3中、ジヒドロカルビルポリサルファイトは硫化ポリイソブチレン(硫黄含有割合45質量%)を、硫化油脂は硫化ラード(硫黄含有割合30質量%)を、酸化防止剤はアミン系酸化防止剤(フェニル−α−ナフチルアミン)を、それぞれ意味する。
また、本実施例で用いたポリテトラフロロエチレンの平均一次粒子径は2μmであり、メラミンシアヌレートの平均一次粒子径はμmである。
[台上耐久試験]
実施例1〜7及び比較例1〜4のグリース組成物に対して以下の台上耐久試験を行った。
自動車の走行パターンを考慮し、回転数、トルク、作動角を変化させたモードを1サイクルとする条件で、市販の#95サイズのバーフィールド型ジョイントを用い、ジョイントが焼付くか各部位にフレーキングが発生するまでのサイクル数を評価した。得られた結果を表1〜3に示す。
Figure 2005281457
Figure 2005281457
Figure 2005281457

Claims (3)

  1. 潤滑油基油と、増ちょう剤と、有機モリブデン化合物と、ポリテトラフロロエチレンと、メラミンシアヌレートと、を含有することを特徴とする等速ジョイント用グリース組成物。
  2. 硫黄系極圧剤、リン系極圧剤及び亜鉛系極圧剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の等速ジョイント用グリース組成物。
  3. 脂肪酸塩と炭酸塩との複合体であって前記脂肪酸が前記炭酸塩により過塩基性化された複合体、並びに有機酸塩から選ばれる少なくとも1種を更に含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の等速ジョイント用グリース組成物。
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