JP2007261007A - 多色成形品及びその成形方法 - Google Patents

多色成形品及びその成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007261007A
JP2007261007A JP2006087340A JP2006087340A JP2007261007A JP 2007261007 A JP2007261007 A JP 2007261007A JP 2006087340 A JP2006087340 A JP 2006087340A JP 2006087340 A JP2006087340 A JP 2006087340A JP 2007261007 A JP2007261007 A JP 2007261007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grill
molding
cavity
insert
trim
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006087340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4817429B2 (ja
Inventor
Masahiko Hara
正彦 原
Nobuaki Seki
伸明 関
Asako Kadokawa
麻子 角川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kasai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kasai Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kasai Kogyo Co Ltd filed Critical Kasai Kogyo Co Ltd
Priority to JP2006087340A priority Critical patent/JP4817429B2/ja
Publication of JP2007261007A publication Critical patent/JP2007261007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4817429B2 publication Critical patent/JP4817429B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】グリル部とトリム本体とに色彩の異なる樹脂を使用した多色成形品及びその成形方法であって、成形金型設備を簡素化するとともに、工程を短縮化する。
【解決手段】成形上下型50,60内に可動式のパンチング入子機構を採用し、トリム本体31の成形時には、一般部キャビティC1とグリル部キャビティC2とをパンチング入子と金型とのシール作用によりシールしてトリム本体31のみを良好に成形するとともに、トリム本体31の成形後は、パンチング入子を動作させて新たにグリル部キャビティC2を形成し、色彩の異なる溶融樹脂M2をこのグリル部キャビティC2内に射出充填して、トリム本体31の成形と連続的にグリル32を成形することにより、金型設備の簡素化と工程数の短縮化を図る。
【選択図】図5

Description

この発明は、ドアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム等、自動車用内装部品に好適な多色成形品及びその成形方法に係り、特に、スピーカグリル、エアグリル等のグリル部とそれ以外の一般部分との間の色彩を相違させた多色成形品及びその成形方法であって、金型設備を簡素化できるとともに、工程数を短縮化でき、その結果、大幅なコストダウンを招来できる多色成形品及びその成形方法に関する。
通常、自動車室内、ラゲージルーム内、トランクルーム内には、ドアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム等の各種内装部品が装着されており、最近では、外観性能を高めるために、色彩を相違させた多色成形品が多用される傾向にある。例えば、図15に示すように、多色成形品をベースとしたドアトリム1は、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との上下二分割体から構成されており、このドアトリムロア3に対して別途成形金型で成形されたスピーカグリル4を組み付けて構成されている。ドアトリムロア3に対してスピーカグリル4を組み付ける従来例としては、特許文献1に詳細に記載されている。
特開2001−347836号公報
このように、従来では、ドアトリムロア3とスピーカグリル4との色彩を相違させる場合には、ドアトリムロア3とスピーカグリル4とをそれぞれ別個の成形金型で成形した後、両者を組み付けて製作しているため、それぞれ専用の成形金型が必要となり、金型設備費用が嵩むとともに、成形後は両者を組み付けるため、工程数が増大し、このことがコストアップを招来する大きな要因となっている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、特に、一般部分とグリル部との間で色彩を相違させた多色成形品を簡単な設備で廉価に成形できるようにした多色成形品及びその成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形上下型の型締めにより画成される一般部キャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、トリム本体を成形する一方、成形上下型に配置されるパンチング入子の動作により画成されるグリル部キャビティ内に、前記溶融樹脂とは色彩の異なる溶融樹脂を射出充填して、グリル部を成形することにより、グリル部が上記トリム本体と一体化されていることを特徴とする。
更に、上記多色成形品の成形方法は、相互に色彩の異なるトリム本体とグリル部とを同一の成形金型内で一体成形してなる多色成形品の成形方法において、成形上下型を型締めして画成される一般部キャビティ内に射出機から溶融樹脂を射出充填してトリム本体を成形するトリム本体の成形工程と、上記成形上下型に配置された上下側のパンチング入子を可動させて、グリル部キャビティを形成し、このグリル部キャビティ内に他方側の射出機から溶融樹脂を射出充填して、グリル部を成形するグリル部の成形工程とからなることを特徴とする。
ここで、多色成形品は、スピーカグリル、エアグリル等のグリル部を一体化した樹脂部品であって、一般部分であるトリム本体とグリル部との間で色彩を相違させた多色成形品が適用対象である。例えば、スピーカグリルを備えたリヤパーセルシェルフが代表例であり、グリル部としては、スピーカグリルの他にエアグリル等が考えられ、トリムとしては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、ラゲージトリム、トランクトリム等が考えられる。また、使用する樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン系樹脂等に代表される熱可塑性樹脂全般を使用することができ、熱可塑性樹脂に各種フィラーを混合しても良い。次いで、成形金型としては、相互に型開き、型締め可能な成形上下型からなり、成形上型は、キャビティ面形状を備えており、昇降シリンダにより、所定ストローク上下動可能であるとともに、成形下型は、連設される射出機から供給される溶融樹脂の樹脂通路であるホットランナ、ゲートが設定され、成形上下型で画成されるキャビティ内に溶融樹脂が射出充填される。
更に、成形上下型には、グリル部に対応してパンチング入子が設定されており、上下側のパンチング入子は、それぞれガススプリング、あるいは油圧シリンダにより上下動可能である。例えば、成形上型が下降して、成形上下型の型締めにより、トリム本体のキャビティとなる一般部キャビティが画成されるが、この時、一般部キャビティからグリル部キャビティ内に溶融樹脂が流入することがないように、グリル部キャビティの外周はシール構造となっている。すなわち、成形下型の型面と成形上型におけるパンチング入子との間がシールされている。そして、一般部キャビティ内に溶融樹脂が射出充填され、一般部キャビティ形状に沿ってトリム本体が所要形状に成形された後、下側のパンチング入子がシリンダの駆動により上昇することで、上側のパンチング入子も上昇し、グリル部キャビティが形成され、このグリル部キャビティ内に上述した溶融樹脂とは色彩の異なる溶融樹脂が射出充填され、グリル部が成形される。
従って、本発明によれば、成形上下型を型締めした後、一般部キャビティ内に溶融樹脂が射出充填され、トリム本体を成形した後、パンチング入子を可動させてグリル部キャビティを新たに形成し、このグリル部キャビティ内にトリム本体の素材である溶融樹脂とは色彩の異なる溶融樹脂を射出充填することで、色彩を相違させたトリム本体とグリル部とを一体に成形することができる。よって、同一の成形金型を使用して、トリム本体とグリル部とを一体に成形できるため、金型設備を簡素化できるとともに、両者を組み付ける工程が廃止でき、工程数を大幅に短縮化することができる。
次いで、本発明に係る多色成形品の成形方法の別の好適な実施の形態は、前記成形下型に配置されるパンチング入子の外周には、グリル部のダミー部に相当するダミー部入子が配置され、下側のパンチング入子の上昇操作時、ダミー部入子がシリンダの駆動により下降して、該ダミー部入子と成形上型におけるパンチング入子との間でグリル部キャビティが肉厚に形成されることを特徴とする。
そして、この実施の形態によれば、ダミー部入子を下降操作することで、トリム本体とグリル部との間の接合面積を更に増大させることが可能となり、トリム本体に対してグリル部の接合強度を更に強化することができる。
また、本発明の更に好ましい実施の形態においては、前記成形上型に配置されるパンチング入子の外周に沿って、下方に突き出る外周リブが形成され、この外周リブと成形下型のダミー部との間のシャー構造によりシール性が達成されており、下側のパンチング入子の上昇により、成形上型におけるパンチング入子が上昇した際、該パンチング入子の外周リブとこの部分のシャー構造によりグリル部の外周に沿ってグリル部を支持する支持フランジが形成されていることを特徴とする。
そして、この実施の形態によれば、トリム本体とグリル部との間の接合面積を増大させることに加えて、グリル部の外周下部までトリム本体がフランジ状に延在するため、トリム本体とグリル部との間の接合部分の衝撃強度をより強化させることができる。
また、本発明方法の更に好ましい実施の形態においては、前記グリル部キャビティに溶融樹脂を供給する構造として、ゲートから傾斜状に設定された傾斜ランナを通じて溶融樹脂がグリル部キャビティ内に供給されることにより、ダミー部のエリアがコンパクト化されていることを特徴とする。
そして、この実施の形態によれば、グリル部キャビティに溶融樹脂を供給するためのゲートは、グリル部外に設定することができ、ダミー部の面積をコンパクト化することができ、製品のデザインや、金型加工に加わる制約を緩和することができる。
以上説明した通り、本発明に係る多色成形品及びその成形方法は、成形上下型の型締めにより一般部キャビティを画成し、この一般部キャビティ内に溶融樹脂を射出充填することで、トリム本体を所要形状に成形した後、パンチング入子を可動させて、トリム本体と連接するようにグリル部キャビティを新たに形成し、このグリル部キャビティ内に上記トリム本体とは色彩の異なる溶融樹脂を射出充填することで、トリム本体とグリル部を一体成形するというものであるから、同一の成形金型を使用することにより成形設備を簡素化できるとともに、工程数短縮化によるコストダウンを招来することができるという効果を有する。
更に、本発明方法によれば、下側のパンチング入子に加えてダミー部入子を新たに上下動可能に設け、このダミー部入子を下降操作することでトリム本体とグリル部との間の接合面積を増大させる方法や、上側のパンチング入子の外周に外周リブを設定し、外周リブと成形下型との間でシャー構造を達成することにより、トリム本体とグリル部との接合面積を増大させる方法、又は、グリル部外にゲートを設定できるように、傾斜ランナを採用する等の方法で、グリル部の設計自由度並びに金型加工自由度を向上させることができるという種々の効果を有する。
以下、本発明に係る多色成形品及びその成形方法の一例として、スピーカグリルを装備したドアトリムに係る実施例について詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例1乃至実施例4の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図7は本発明の第1実施例を示すもので、図1は上下二分割タイプのドアトリムの構成を示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムにおけるドアトリムロアの構成を示す断面図、図3は同ドアトリムロアを成形するために使用する成形用金型の概略構成を示す説明図、図4は同ドアトリムロアの成形時におけるトリム本体部の成形時の状態を示す説明図、図5は同ドアトリムロア成形時におけるスピーカグリルの成形時の状態を示す説明図、図6,図7は本発明の第1実施例の変形例を示すもので、図6はドアトリムロアにおけるトリム本体成形時の状態を示す説明図、図7はスピーカグリル成形時の状態を示す説明図である。
図1,図2において、上下二分割構造のドアトリム10はドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とから大略構成されており、それぞれ射出成形工法、モールドプレス成形工法等の慣用の成形工法を使用して、ポリプロピレン系樹脂、フィラーを混入したポリプロピレン系樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を素材として、所要形状に成形されている。また、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とは、図示はしないが、一方側に取付用ボスを相手側に向けて突設し、それに対して、他方側には取付孔が開設され、取付用ボスを取付孔内に挿入して、取付用ボスの先端を超音波カシメ、熱溶着カシメ等によりカシメ接合することでドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とが強固に一体化されている。
そして、本発明は、ドアトリムロア30がトリム本体31とスピーカグリル32とから構成されており、特に、トリム本体31とスピーカグリル32とは異なる色彩の樹脂が使用され、廉価かつ短時間にドアトリムロア30を成形できることが特徴である。すなわち、図2から明らかなように、ドアトリムロア30におけるトリム本体31とスピーカグリル32とは両者の接合部において一体化されており、ビス止め、クリップ止め等の組付機構が排除されている。
本発明方法を説明する前に、本発明方法を実施するための成形金型40の構成について、図3を基に説明する。図面において、成形金型40は、成形上型50と成形下型60と、成形下型60に連設される2基の射出機70a,70bとから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型50は、昇降シリンダ51の駆動により所定ストローク上下動可能であり、ドアトリムロア30の曲面形状を形成するためにキャビティ部52が設定されているとともに、スピーカグリル32の対応箇所には、パンチング入子53とパンチング入子53を駆動するシリンダ54が設けれている。また、このシリンダ54に替えて、ガススプリング機構を用いることもできる。
一方、成形下型60は、コア部61を備えるとともに、2基の射出機70a,70bから溶融樹脂M1,M2をそれぞれ樹脂通路となるホットランナ62a,62bと、ゲート63a,63bとが設定されている。ここでは、一方側の射出機70aからホットランナ62a、ゲート63aを通じて、トリム本体31を成形するための溶融樹脂M1が供給されるとともに、スピーカグリル32を成形するために他方側の射出機70bからホットランナ62b、ゲート63bを通じてスピーカグリル32を成形するための溶融樹脂M2がグリル部キャビティC2内に射出充填される。尚、図3においては図示はしないが、成形上型50の上下動作時、プレス姿勢を適正に保つためにガイドポスト(図示せず)が設けられているとともに、成形後の成形品を脱型するために、成形下型60には、エジェクタ機構(図示せず)が付設されている。
更に、成形下型60には、スピーカグリル32を形成するために、成形上型50のパンチング入子53に対応するように、下側のパンチング入子64及びこれを上下駆動させるシリンダ65が設定されており、下側のパンチング入子64の外周には、ダミー部64aが設定されており、このダミー部64aにゲート63bが設定されている。
次いで、ドアトリムロア30の成形工程について説明すると、図3に示す成形金型40において成形上型50が昇降シリンダ51の駆動により下死点まで下降し、成形上下型50,60が型締めされる。そして、成形上下型50,60の間で画成される一般部キャビティC1内に一方側の射出機70a、ホットランナ62a、ゲート63aを通じて溶融樹脂M1が射出充填され、トリム本体31が所要形状に成形される。この時、図4に示すように、スピーカグリル32側にトリム本体31を形成する溶融樹脂M1が侵入しないように、成形上型50のパンチング入子53と、下側のパンチング入子64の外周に設定されているダミー部64aの外周縁に沿う上面との間がパーティング状態となり、両者のシール作用により、溶融樹脂M1がスピーカグリル32側に漏れることがなく、トリム本体31が良好に成形される。
そして、トリム本体31が成形された後、成形下型60におけるシリンダ65が駆動して、パンチング入子64が上昇することで、成形上型50のパンチング入子53が上方に押し上げられ、スピーカグリル32を形成するためのグリル部キャビティC2が新たに形成され、このグリル部キャビティC2内に他方側の射出機70b、ホットランナ62b、ダミー部64aに設定されているゲート63bを通じて、溶融樹脂M2が供給される。尚、この溶融樹脂M2は、一方側の溶融樹脂M1とは色彩を相違させた樹脂材料が供給される。従って、同一の成形金型を使用し、トリム本体31とスピーカグリル32とを連続工程で成形することができ、それぞれ色彩の異なるトリム本体31とスピーカグリル32とを効率良く一体成形できる。
更に、図6,図7は、本発明の変形例を示すもので、成形上型50のパンチング入子53と、成形下型60におけるダミー部64aの内壁面64bとの間のシャー構造により樹脂をシールする構造が採用されている。従って、トリム本体31を形成するために、一般部キャビティC1内に溶融樹脂M1を射出充填する際は、成形上型50に配置されたパンチング入子53の外周面と成形下型60におけるダミー部64aの内壁面64bとのシャー構造により、溶融樹脂M1がグリル部キャビティC2内に流れ込むことがなく、良好なシール性が保たれている。そして、図7に示すように、スピーカグリル32成形時には、下側のパンチング入子64がシリンダ65の駆動により上昇し、それにより上側のパンチング入子53が押し上げられ、広い容積に亘り溶融樹脂M2が射出充填され、図示するように、接合部位の樹脂量が増えることで、トリム本体31とスピーカグリル32との間の接合強度を強化することができる。
図8,図9は、本発明の第2実施例を示すもので、第1実施例同様、ドアトリムロア30におけるトリム本体31とスピーカグリル32の接合構造に特徴がある。この第2実施例では、スピーカグリル32に対応する成形下型60におけるダミー部64aには、ダミー部入子66をシリンダ67により上下動可能に設けたことが特徴である。そして、トリム本体31の成形時は、図8に示すように、成形上型50におけるパンチング入子53と、ダミー部入子66との間のパーティング構造によりシール性が保たれており、トリム本体31の一般部キャビティC1に射出充填される溶融樹脂M1がスピーカグリル32側に漏れ出す恐れがない。
そして、トリム本体31の成形が完了すれば、図9に示すように、下側のパンチング入子64がシリンダ65の駆動により上昇して、パンチング入子53を上方に押し上げるとともに、ダミー部入子66がシリンダ67の収縮作用により下降することで、図9に示すように、広範囲に亘りグリル部キャビティC2が形成される。そして、このグリル部キャビティC2内に溶融樹脂M2を射出充填することで、トリム本体31との間で接合面積を多く確保したスピーカグリル32を一体成形することができる。
このように、第2実施例においても、トリム本体31とスピーカグリル32とを備えたドアトリムロア30を同一の成形金型40を用いて連続的に成形することができ、金型設備を簡素化できるとともに、工程数を短縮化できることに加えて、特に、成形下型60のパンチング入子64の外周にダミー部入子66を設置することで、接合部位の樹脂量を増大させ、トリム本体31とスピーカグリル32との接合強度を更に強化することができるという付随的な利点がある。
図10,図11は、本発明の第3実施例を示し、図12,図13は、第3実施例の変形例をそれぞれ示す。この第3実施例においても、スピーカグリル32とトリム本体31とからなるドアトリムロア30及びその成形方法に適用されている。従って、基本的な構成及び成形工法は、第1実施例と同一であるのでここでは省略し、相違点についてのみ説明する。図10に示すように、この第3実施例においては、成形上型50に設けられているパンチング入子53の下面外周に沿って外周リブ55が下側に向け突設されており、この成形上型50のパンチング入子53の外周リブ55の内周面55aと、成形下型60におけるパンチング入子64の外周に設けられているダミー部64aとの間でシャー構造が達成されている。従って、トリム本体31の成形時には、上側のパンチング入子53の外周リブ55の外側面、及び底面に沿ってトリム本体31の溶融樹脂M1が流入して、水平方向、鉛直方向、水平方向というように、溶融樹脂M1が流れ、トリム本体31が成形される。
その後、下側のパンチング入子64が上昇することで、上側のパンチング入子53を上方に持ち上げ、スピーカグリル32を成形するためのグリル部キャビティC2が形成され、このグリル部キャビティC2内に溶融樹脂M2が射出充填される(図11参照)。そして、スピーカグリル32の外周に沿ってトリム本体31がフランジ状に支持することで、接合面積の増大及びトリム本体31の樹脂がスピーカグリル32の下部に回ることにより、衝撃強度をより強化することができる。
次いで、図12,図13は、第3実施例の変形例を示すもので、パンチング入子53の外周リブ55に傾斜面55bが形成され、この傾斜面55bと、成形下型60におけるダミー部64aの傾斜面64cとが突き当て接合されている。従って、トリム本体31の成形時には、図12に示すように、良好にシールされ、一般部キャビティC1に射出充填される溶融樹脂M1はスピーカグリル側に漏出する恐れがない。そして、スピーカグリル32の成形時には、図13に示すように、下側のパンチング入子64が上昇して、上側のパンチング入子53を上方に持ち上げ、グリル部キャビティC2を形成し、このグリル部キャビティC2に溶融樹脂M2が射出充填されることで、スピーカグリル32がトリム本体31と一体化される。そして、図13中拡大して示すように、スピーカグリル32の外周に沿ってトリム本体31の樹脂が下側に回り込むことにより、衝撃強度をより一層強化することができる。
図14は、第4実施例を示すもので、第1実施例乃至第3実施例同様、ドアトリム本体31とスピーカグリル32とを備えたドアトリムロア30及びその成形方法に適用されている。通常、溶融樹脂M2用のゲート63bは、ダミー部64aに設定されているが、この第4実施例では、ゲート63bは一般部に設定され、傾斜ランナ68がこのゲート63bとグリル部キャビティC2との間に連通形成されている。すなわち、金型構造上、スライド動作する傾斜コア69により傾斜ランナ68が形成されている。従って、ゲート63bをダミー部64a以外に設定できるため、ダミー部64aの面積をコンパクト化することができ、スピーカグリル32の造形自由度や金型の設計自由度、加工自由度を高めることができる。
以上説明した実施例1乃至実施例4は、上下二分割構造のドアトリム10におけるドアトリムロア30の構成、すなわち、トリム本体31とスピーカグリル32とに色彩を変えた樹脂を使用し、一体成形したドアトリムロア30に適用したが、ドアトリム10以外の内装部品に適用することもでき、スピーカグリル32の他に、エアグリル等にも適用でき、グリル部全般とトリム本体とを色彩の異なる樹脂を使用して、一体成形するトリム全般に適用することができる。
本発明に係る多色成形品の一実施例を示す上下二分割構造のドアトリムを示す正面図である。 図1に示すドアトリムにおけるドアトリムロアの構成を示す断面図である。 図2に示すドアトリムロアを成形するために使用する成形金型の全体構成を示す説明図である。 図2に示すドアトリムロアの成形工程におけるトリム本体の成形工程を示す説明図である。 図2に示すドアトリムロアの成形方法におけるスピーカグリルの成形工程を示す説明図である。 本発明の第1実施例の変形例におけるトリム本体の成形工程を示す説明図である。 本発明の第1実施例の変形例におけるスピーカグリルの成形工程を示す説明図である。 本発明の第2実施例を示すもので、トリム本体の成形工程を示す説明図である。 本発明の第2実施例におけるスピーカグリルの成形工程を示す説明図である。 本発明の第3実施例におけるトリム本体の成形工程を示す説明図である。 本発明の第3実施例におけるスピーカグリルの成形工程を示す説明図である。 本発明の第3実施例の変形例におけるトリム本体の成形工程を示す説明図である。 本発明の第3実施例の変形例におけるスピーカグリルの成形工程を示す説明図である。 本発明の第4実施例を示す説明図である。 従来の上下二分割構造のドアトリムを示す概要図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム
20 ドアトリムアッパー
30 ドアトリムロア
31 トリム本体
32 スピーカグリル
40 成形金型
50 成形上型
51 昇降シリンダ
52 キャビティ部
53 パンチング入子
54 シリンダ
55 外周リブ
60 成形下型
61 コア部
62a,62b ホットランナ
63a,63b ゲート
64 パンチング入子
64a ダミー部
64b 内壁面
64c 傾斜面
65 シリンダ
66 ダミー部入子
67 シリンダ
68 傾斜ランナ
69 傾斜コア
70a,70b 射出機

Claims (5)

  1. 成形上下型(50,60)の型締めにより画成される一般部キャビティ(C1)内に溶融樹脂(M1)を射出充填して、トリム本体(31)を成形する一方、成形上下型(50,60)に配置されるパンチング入子(53,64)の動作により画成されるグリル部キャビティ(C2)内に、前記溶融樹脂(M1)とは色彩の異なる溶融樹脂(M2)を射出充填して、グリル部(32)を成形することにより、グリル部(32)が上記トリム本体(31)と一体化されていることを特徴とする多色成形品。
  2. 相互に色彩の異なるトリム本体(31)とグリル部(32)とを同一の成形金型(40)内で一体成形してなる多色成形品(30)の成形方法において、
    成形上下型(50,60)を型締めして画成される一般部キャビティ(C1)内に射出機(70a)から溶融樹脂(M1)を射出充填してトリム本体(31)を成形するトリム本体(31)の成形工程と、
    上記成形上下型(50,60)に配置された上下側のパンチング入子(53,64)を可動させて、グリル部キャビティ(C2)を形成し、このグリル部キャビティ(C2)内に他方側の射出機(70b)から溶融樹脂(M2)を射出充填して、グリル部(32)を成形するグリル部(32)の成形工程と、
    からなることを特徴とする多色成形品の成形方法。
  3. 前記成形下型(60)に配置されるパンチング入子(64)の外周には、グリル部(32)のダミー部(64a)に相当するダミー部入子(66)が配置され、下側のパンチング入子(64)の上昇操作時、ダミー部入子(66)がシリンダ(67)の駆動により下降して、該ダミー部入子(66)と成形上型(50)におけるパンチング入子(53)との間でグリル部キャビティ(C2)が肉厚に形成されることを特徴とする請求項2に記載の多色成形品の成形方法。
  4. 前記成形上型(50)に配置されるパンチング入子(53)の外周に沿って、下方に突き出る外周リブ(55)が形成され、この外周リブ(55)と成形下型(60)のダミー部(64a)との間のシャー構造によりシール性が達成されており、下側のパンチング入子(64)の上昇により、成形上型(50)におけるパンチング入子(53)が上昇した際、該パンチング入子(53)の外周リブ(55)とこの部分のシャー構造によりグリル部(32)の外周に沿ってグリル部(32)を支持する支持フランジが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の多色成形品の成形方法。
  5. 前記グリル部キャビティ(C2)に溶融樹脂(M2)を供給する構造として、ゲート(63b)から傾斜状に設定された傾斜ランナ(68)を通じて溶融樹脂(M2)がグリル部キャビティ(C2)内に供給されることにより、ダミー部(64a)のエリアがコンパクト化されていることを特徴とする請求項2に記載の多色成形品の成形方法。
JP2006087340A 2006-03-28 2006-03-28 多色成形品の成形方法 Expired - Fee Related JP4817429B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006087340A JP4817429B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 多色成形品の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006087340A JP4817429B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 多色成形品の成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007261007A true JP2007261007A (ja) 2007-10-11
JP4817429B2 JP4817429B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=38634487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006087340A Expired - Fee Related JP4817429B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 多色成形品の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4817429B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012236373A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形金型装置
CN109366897A (zh) * 2018-12-05 2019-02-22 北京爱德发科技有限公司 一种注塑模具及进胶管

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6176333A (ja) * 1985-07-31 1986-04-18 Nissei Plastics Ind Co 射出成形による成形体相互の結合方法
JPH02111513A (ja) * 1988-10-20 1990-04-24 Seikouken Kk 二色射出成形用金型
JPH07125001A (ja) * 1993-10-28 1995-05-16 Toyoda Gosei Co Ltd 長尺樹脂成形品の製造方法
JPH10329172A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Hitachi Maxell Ltd 多層状の二色成形品と二色成形用金型
JP2000006184A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Kasai Kogyo Co Ltd スピーカーグリル一体型ドアトリムの製造方法並びに製造装置
JP2001260184A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置
JP2001260183A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置
JP2001260190A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置
JP2004017629A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Idemitsu Petrochem Co Ltd 樹脂成形体の成形方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6176333A (ja) * 1985-07-31 1986-04-18 Nissei Plastics Ind Co 射出成形による成形体相互の結合方法
JPH02111513A (ja) * 1988-10-20 1990-04-24 Seikouken Kk 二色射出成形用金型
JPH07125001A (ja) * 1993-10-28 1995-05-16 Toyoda Gosei Co Ltd 長尺樹脂成形品の製造方法
JPH10329172A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Hitachi Maxell Ltd 多層状の二色成形品と二色成形用金型
JP2000006184A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Kasai Kogyo Co Ltd スピーカーグリル一体型ドアトリムの製造方法並びに製造装置
JP2001260184A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置
JP2001260183A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置
JP2001260190A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置
JP2004017629A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Idemitsu Petrochem Co Ltd 樹脂成形体の成形方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012236373A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形金型装置
CN109366897A (zh) * 2018-12-05 2019-02-22 北京爱德发科技有限公司 一种注塑模具及进胶管

Also Published As

Publication number Publication date
JP4817429B2 (ja) 2011-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6838027B2 (en) Method of making an interior trim panel
JP3050366B2 (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形型装置
JP2897863B2 (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形型装置
KR20150100889A (ko) 금속 부품 인서트를 포함하는 플라스틱 재질로 만든 자동차용 바닥
JP2008155395A (ja) 積層成形品の成形方法並びに成形装置
JP4391267B2 (ja) リフトゲートの構造
JP2009073112A (ja) 二色成形品の成形方法並びに成形金型
JP4817429B2 (ja) 多色成形品の成形方法
JP2008173793A (ja) 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP2008030300A (ja) 2色成形品及びその成形方法
JP5534571B2 (ja) 発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置
JP2009160873A (ja) 二色成形品の成形方法並びに成形装置
JP4889119B2 (ja) 発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置
JP2000127862A (ja) 自動車用トリムの製造方法および成形型
JP4591921B2 (ja) 多色成形品及びその成形方法
JP5403800B2 (ja) 多色成形品の成形方法並びに成形装置
JP2007144871A (ja) 多色成形品及びその成形方法
JP2005329544A (ja) 2色成形品及びその成形方法
JP2007130914A (ja) 多色成形品及びその成形方法
JP4636604B2 (ja) 多色成形品の成形方法
JP2004175031A (ja) 開口を有する射出成形品及びその成形方法
JP3891472B2 (ja) 2色成形品の製造方法
JP2008194984A (ja) 2色成形品及びその成形方法
JP2009196166A (ja) 樹脂成形品の成形方法並びに成形金型
JP2007030291A (ja) 多色成形品及びその成形方法並びに成形金型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110825

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110829

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4817429

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees